森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.01.17
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2020年12月の生活の発見誌に興味深い記事を見つけた。

森田理論は各論ばかり学習してはならないという話でした。
神経症発症のメカニズムを説いている 「森田の総論」を学習する必要がある。
私も、森田理論学習を続けている人は、「森田の総論」の学習をする必要があると考えています。ですから、この考え方に賛同します。
ただこれだけでは何のことを言っているのか、分からないかもしれません。
もう少し説明してみたいと思います。

私は森田理論のキーワードや特殊用語の理解を優先するのは一向に構わないと思っています。
また、生活の発見会が発行している、「改訂版 森田理論学習の要点」に沿って、一通りの基本的な学習から森田理論を学んでいくのがセオリーだと思います。
その方が一番早く基礎的な森田理論の学習レベルに達すると考えています。


神経症によって、生活が停滞するという問題は、「不安を抱えたまま、なすべきをなす」ことで解消できますが、その先の重苦しい精神的な苦痛、生き辛さなどはなかなか改善できません。
これは大きな問題です。何のために森田を学習しているのか疑心暗鬼になるからです。

私の場合がそうでした。派遣講師として森田理論の解説は縦横無尽にできるようになりましたが、対人緊張は依然として強く、生きづらさは解消することができなかったのです。
これは、森田理論のキーワードや特殊用語を学習して深めていくだけでは限界にぶち当たるということだと思います。行動力が旺盛になっても同じ結果になると思います。

それをぶち破るのは、第1に森田理論学習で目指すべき目標をしっかりと定めることだと考えました。神経症を治すだけでなく、 神経質性格者としての人生観の確立を目指すことを目標にする ことだと考えています。
目標をこのように設定すると、意識が外向きになり、生活上の悪循環が改善されても、その段階は神経症の全治からすれば道半ばだという認識が持てます。
そして第2に、 「森田理論の全体像」を学習すること が肝心であると考えました。
この問題が生活の発見誌で問題提起されている「森田の総論」に当たる部分です。

今回は第2の問題に絞って説明します。

ゴールを目指して挑戦しますが、試行錯誤の連続で、なかなか目標のゴールには達しません。
この時、丘の上に登って、上からその全貌を見ることができるとしたら、状況は全く変わってきます。どのようなコース取りをすればゴールにたどり着けるかが自づから分かるようになります。
森田理論学習も同じだと思います。
「学習や実践の全体像」をあらかじめ把握しておくということは、その後の展開を大きく左右するのです。

私は折に触れて「森田理論学習の全体像」について話します。

15年間も停滞していたのは、この視点からの学習の取り組み不足に尽きると思っています。

ではどのように変わったのか。
「森田理論全体像」を理論化して、治るということはどういうことかがよく分かりました。
最終ゴール地点に対して、今自分はどのような地点を走っているのかが分かるようになりました。キーワードや特殊用語はそれぞれが単独で存在しているのではなく、すべてが人生観の確立という目標に向かって関連性がある事が分かりました。
そして、今の自分が理解不足に陥っている部分と実践で手抜きになっている部分がはっきりとわかるようになったのです。
森田理論を活用・応用していく際の重点項目がはっきりと見えてくるようになりました。
森田理論の理解のステージが一段階上に変化してきたことが実感できました。
プロ野球でいえば、長らく二軍でプレーしていた人が、1軍の試合に帯同して活躍できるようになったようなものです。

ですから、森田理論の基礎学習を終えた後は、早速「森田理論全体像」の学習に入るほうがよいと思います。専門学校や大学に進学するようなものです。
念のために申し上げておきますが、前提として、基礎的な学習はおろそかにしないできちんと取り組むことです。基礎的学習は生活の発見会の「学習の要点」を活用するとよいでしょう。
さらにこれに、「認識の誤り」の項目を加えて学習するとよいでしょう。

学習した人はよくお分かりだろうと思いますが、森田理論全体像には大きな4つの柱があります。簡単に言えば「生の欲望の発揮」「不安の役割と欲望との関連性」「かくあるべしの弊害と苦悩の発生」「事実本位の生活態度の養成」です。この配置図が肝心です。
これらは単独で存在しているのではなく、相互に密接につながっております。
このブログで詳しく説明していますので、知りたい人はキーワード検索してみてください。

まずこの森田の4本柱について大まかに理解を深める。
合わせて相互の関連性について理解を深めてください。
その後、改めて4本柱について深耕して本格的に学習する。
さらに森田のキーワードや特殊用語の学習などで補足していく。
家でいえば4本柱の隙間を埋めて天井や壁を塗っていくということになります。

神経症の蟻地獄から地上にはい出た後は、ホッとして中休みに入る人が多いように思います。
これは実にもったいないと思います。この段階で手を抜かないほうがよいと思います。
そうしないと神経症が再発する場合があります。
また私の経験上、神経症の根底にある、生きづらさはほとんど解消できません。
神経質性格者としての人生観の確立を最終目標として、「森田理論全体像」の学習に入ることでそれらの問題はクリアできます。
そして人生90年時代を悔いを残すことなく走り抜けていこうではありませんか。
そのための応援は惜しむことなく続けていきたいと思っております。





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Last updated  2021.01.17 08:15:59
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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