森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.07.01
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
プロ野球でピッチャーとして活躍された権藤博さんのお話です。
権藤さんは、社会人野球を経て1961年中日に入団されました。
入団した年に69試合に登板して35勝19敗、防御率1.7で、最多勝、新人王、沢村賞などあらゆるタイトルを総なめしました。
翌年も61試合に登板して30勝17敗で連続最多勝に輝きました。
現在こんな成績をあげる投手はいません。素晴らしいの一言です。

しかし3年目は10勝12敗に終わりました。
肩を痛めてしまったそうです。スビードがあるボールが投げられなくなった。
その時に考えたことは、30勝したときの自分に戻りたいということでした。
身体を修復して、以前の栄光を取り戻し再び称賛を浴びたい。


でも無理でした。
努力することがことごとく裏目に出て余計に悪くなっていった。
プロ野球の世界は、故障を抱えて、努力によって元の栄光を取り戻せるほど甘い世界ではなかった。でも過去の成功体験が強すぎて頭から離れないのです。

現在のプロ野球選手にもそういう人たちがいる。
もう元には戻れないのに、過去の栄光をいつまでも追いかける。
現在のふがいない自分を自己否定している。
「こんな自分ではダメだ。何とかしないと自分の居場所がなくなる」
「かくあるべし」を押し付けて、自分を受けいれられなくなる。
つい自暴自棄になって、練習に身が入らなくなる。

権藤さんは、新たな投手として生まれ変わる覚悟を固めることが大切だったと言われている。過ぎ去った過去の栄光を捨てて、新たな一人の投手として生まれ変わることだ。

先発完投は無理でも、中継ぎ、セットアッパー、クローザーと出番、役割、居場所はある。現在は完全に分業制になっているのだ。

今のプロ野球は先発完投型でなくても、高く評価してもらえる。
今の実力に応じた働き場所を探し、それに向けて努力する。
さらに、最悪の場合、バッティング投手、投手コーチ、スコアラーへの転身の道もある。

これは森田理論でいうと、自分自身に「かくあるべし」を押し付けることを止めて、自分の現状に寄り添うということになります。
現状や事実をしっかりと認識して、そこから再出発を図る。

そうすれば自分で自分を否定しなくなる。

そのエネルギーを新しい自分に生まれ変わるために使うことができる。
生きがいややりがいが生まれてくる。
事実本位の生き方はしだいに好循環が生まれてくるのです。

自分に「かくあるべし」を押し付けるのではなく、現状を正しく認識して、地に足を着いて再出発を図るのは、その後の生き方に雲泥の違いをもたらすのです。





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Last updated  2022.07.01 06:20:08
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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