森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.04.21
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生の話です。

ある気質の人は、何か一つ事を始めると、それに身が入ってその事ばかりを精密にやり、全体のことを忘れてしまう事がある。
私の父が、この事が著名であって、私の気質と違う所でありました。
(森田全集 第5巻 628ページ)

森田先生の父親は養蚕業の仕事をしていたが、病気になった蚕を見つけると、その原因追及に没頭して、他の蚕の餌やりを忘れてしまうほどであったという。

神経質者はあれこれと考えて動き出すまでは時間がかかるが、一旦とりかかるととめどもなくやり続けるという傾向があると言われている。
集談会で聞いた話ですが、囲碁の好きな人は時間に関係なく気のすむまで明け方近くまで没頭することがあるという。

森田先生は同時並行で、3つも4つも案件を抱えて取り組むことを推奨されている。最近、朝日新聞に、5重奏という事が出ていた。
それは本を読みながら、会話をし、字を書き、計算をするとか、同時に5種類の事をするという事です。

私共も平常、2つや3つの仕事は同時にやっている。
たとえば病院などでも、患者の家人に面接しながら机上の雑誌を読み、一方には看護婦に用事を命令するとかいうようなものである。3重奏である。

我々の日常は、誰でも同時にいくつもの方面の事を考えているのが普通のことである。強迫観念でも、苦しみながらでもなんでもできるものである。
神経質の人の考え方の特徴として、それを自分でできない事と、理論的に独断してしまうのである。
(同書 99ページ)

普通に考えると、「ニ兎を追うものは一兎も得ず」ということわざのように、やることなすことが中途半端になりやすいと考えることがあります。
確かに2つのことに交互に注意を向けているとそんなことが起きます。
交差点で右折をするとき、対向車ばかりに気をとられていると、交差点に人がいることに気が付かない場合があります。
この場合は一旦対向車に注意を向けますが、問題なければすぐに交差点に注意を切り替える必要があります。
両方とも安全確認ができたときは、右折しても事故は起きません。

カーブが連続している道路を運転している時も同じような感じだと思います。

左カーブする時は左端の白線を見つめています。
次々にカーブが続いているときは、右へ左へと注意をどんどん切り替えています。

ここで森田先生が言いたいことは、まず目の前のことにきちんと注意や意識を向けて、問題がないかどうかをきちんと確認する。
心ここにあらず状態で他のことを考えながら確認行為をしているとまずい。
次に問題がないという事を確認したら、すぐにその場を離れて次の不安に注意や意識を移していくということだと思われます。





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Last updated  2025.04.21 06:25:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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