森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.07.24
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森田先生のお話です。

修養には、理屈を捨てて、実行を先にするようにならなければいけない。
なんでも実行が先で、尻軽く手を出すことが早くならなければなりません。
(森田全集 第5巻 614ページ)

ちなみに「修養」というのは、神経症が治るということ、あるいは事実唯真が 自分の体験を通して分かる ことだと言われています。
決して頭で納得することではありません。

ここで言われている理屈は「思考」、実行は「事実」という言葉に置き換えてみると分かりやすいと思います。
観念を優先して思考をくり返して、事実を捻じ曲げることは厳に慎まなければならない。

事実を自分の都合のよいように解釈して(先入観、決めつけ、思い込み、早合点)、事実を捏造することは百害あって一利なしです。

どういうことでしょうか。具体的な例で考えてみましょう。
仕事でミスをして、相手に不利益を与えてしまいました。
最初は「穴があったら入りたい」くらいの恥ずかしい感情が湧いてきます。
頭が真っ白になって放心状態になるかもしれません。

このとき、事実唯真の立場に立つと、素直にミスを認めます。
その事実をすぐに関係各所に連絡して謝罪します。
そして被害を最小限に食い止めるために、できる限りのことに取り組みます。
自分一人の力ではどうにもならないときは、仲間の応援を頼みます。
すぐに対処すれば、その後益々信頼関係が強まることが考えられます。

事実を無視して頭の中で処理しようとすると問題が出てきます。

それらを恐れて、ミスを隠す、ごまかす、言い訳をする、責任転嫁をする、逃げ回る、報告を遅らせる、全く報告をしない、事後処理を他人に肩代わりしてもらう。
やりくりをするとその時はホッと安堵しますが、それは問題を先送りにしているだけです。時間が経過すれば問題は益々こじれてきます。
ミスの発覚を恐れて夜も寝られなくなるでしょう。その小さな失敗が自分の一生を左右するかのような大きな問題に膨れ上がるのです。
そして、次の当てがないのに、この仕事は自分に向いていないので退職して転職したいなどと考えるようになります。
残念ながら、こういう人はたとえ次の会社に転職できたとしても、同じことをくり返すことになるでしょう。

そのまま会社に残ったとしても、小さなミスがトラウマとなって、その後の仕事に積極的には手が出せなくなります。
その結果、消極的な仕事ぶりに終始して、しだいに社内の信頼感を失ってしまいます。

問題が起きたとき、頭の中でやりくりをくり返すよりも、不快な感情の事実、不都合な出来事にきちんと向き合い、板の鯉になったつもりで、すべてを白日の下にさらした方が得策であることがよく分かります。





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Last updated  2025.07.24 06:20:04
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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