森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.09.19
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カテゴリ: 感情の法則
森田先生のお話です。

最近、朝日新聞に五重奏ということが出ていた。
それは本を読みながら、会話し、字を書き、計算をするとか、同時に5種類の事をするということです。
聖徳太子は一度に8人の訴えを聴かれたとのこと、すなわち8重奏である。
私共も平常、2つや3つの仕事は同時にやっている。例えば病院などでも、患者の家人に面会しながら机上の雑誌を読み、一方には看護婦に用事を命令するとかいうようなものである。三重奏である。
我々の日常は、誰でも同時にいくつもの方面のことを考えているのが普通のことである。
強迫観念でも、苦しみながらなんでもできるものである。
神経質の人の考え方の特徴として、それを自分でできない事と考え、理論的に独断してしまうのである。
(森田全集 第5巻 99ページ)


なぜなら、「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざがあるように、どちらも中途半端になって、成果を上げることができないと思っていたのです。

森田先生の真意は何なのでしょうか。
森田理論では、ひとつのことにとらわれ続けると、「注意や意識の流動性」が失われて、「特定の不安や懸案事項に注意や意識が集中・固定されてしまう」と言われています。
そして精神交互作用が働き、アリ地獄の底に落ちてしまうことになります。
山の谷間の小川を流れる水のように、感情は絶え間なく流れ続けているというのが大事になります。
お城の水のように、感情が流れないということになると、水が濁り雑菌だらけになります。

私は森田先生の話を次のように理解しました。
気になることに一旦注意を向けることは必要な事です。
次にその不安の中身を把握することが大事になると思います。
そのまま放置しておくと問題が大きくなるものは対策を考えて実行する。
神経症的な不安は欲望の裏返しとして湧き上がっているのでそのままにしておく。不安を活用しながら、生の欲望の発揮に取り組む。


予想される危険を回避するために絶え間なく確認行為を行っています。
仮に、ここは危険が潜んでいると判断すれば、しばらく注意や意識はそこに留まります。
危険が解消されれば、注意や意識はすぐに次の不安案件に移ります。
確認行為で特段問題がないと判断すれば、注意や意識はそこからすぐに離れて、次の不安案件に移動していきます。

つまり、注意や意識が一ヵ所にそのまま居すわってしまうことはありません。

一旦気になって注意や意識を向けるが、問題が解決すれば、すぐに次の案件に移るという緊張感を持った生活が大事になります。






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Last updated  2025.09.19 06:20:04
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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