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2006年読了本は99冊(感想を書き残したもの)でした。うーん、読めてないかも~…印象深かったのを並べていくと…。先ず有川浩さんの『図書館戦争』に続くシリーズ。『図書館内乱』『レインツリーの国』などなど。柊は4月から中学校の図書室で働き始めたこともあり、図書館に関係する法律とか、歴史の流れなんかが盛り込まれてて読んでいて興味深かったです。恩田陸さんの『チョコレート・コスモス』恩田陸版「ガラスの仮面」なんて宣伝されてました(笑)劇中劇の場面が迫真でそれも頷けます。今現在最新刊の『中庭の出来事』を読んでいるのですがそちらも演劇がテーマ。読み始めたばかりですがこちらも劇中劇に魅せられます。謎が謎を呼ぶお得意の展開ですが、どんな風にラストまとめられるのか楽しみ。乙一さんの『銃とチョコレート』読んでいると無性にチョコレートが食べたくなる登場人物たちの名前☆最後まで油断出来ない展開に乙一さんの力量を再認識させられました。坂木司さんの『青空の卵』 シリーズ読んでいて気持ちが緩むというかほどけてくるというか…温かくなる物語たち。繰り返し読む、愛読書になりそうです。今年は辻村深月さんの本にも魅せられました。どれも大好きだけど、『冷たい校舎の時は止まる』『子どもたちは夜と遊ぶ』は装丁の良さもあり秀逸でした。文庫化したら是非とも本棚に揃えておきたい作家さんです。恒川光太郎さんの『夜市』『雷の季節の終わりに』独特の不思議世界と語りに惹かれます。これからも続けて読んでいきたいと思う作家さん。はやみねかおるさんの『ぼくと未来屋の夏』子供向け…と思って逆に手を伸ばしにくかったんですが…はやみねさんすごくいい!年末に角川文庫で『僕と先輩のマジカルライフ』を購入しました。読むのが楽しみです~。東野圭吾さんの『白夜行』『幻夜』『白夜行』はすごくインパクトありました。続く『幻夜』は…ちょっと苦手です。直木賞を受賞した『容疑者Xの献身』よりも『白夜行』の方が好みでした。三島由紀夫の豊饒の海 『暁の寺』『天人五衰』と『金閣寺』『天人五衰』の最後の場面にがつんときたのを覚えています。「えええええ!」と思い、最初の『春の雪』から読み返さなければ…と思いました。三島由紀夫のほかの作品も徐々に読んでいきたいです。とりあえず『仮面の告白』は積んであります。森絵都さんの『ダイブ!!』スポーツ物で面白かったです。『風に舞いあがるビニールシート』も良かったけれど、ジュニア向けの小説の方が森さんらしさが一層光る気がします。横溝正史の金田一耕助シリーズも何冊か読めました。いつか、いつか読破してみせるー!のが目標です。米澤穂信さんの古典部シリーズを読んだのも今年だったのですね。『ボトルネック』リクエスト出してるのですが全然連絡が来ないですね…。来年だなあ。翻訳物で一等印象深かったのはダン・ローズの『ティモレオン』続けて『コンスエラ』も読んじゃいたかったけど…無理でした。『コンスエラ』は来年、挑戦します。うーん、せめて三日に一冊くらいのペースで本を読めたらいいなあというのを来年の目標にしたいです。年々、集中力が落ちてきているのを実感します~。ふぁ、ファイト~!!それにしても、柊の読書傾向は見事なくらいミステリ、推理小説に偏ってます(笑)今日は2006年最後の日、大晦日です。今年1年コメントを寄せてくださった皆様、ありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2006.12.31
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2006年に映画館で観た映画は全部で48本でした。ざっと思い返してみますね。プライドと偏見…これを観た後、どうしてもコリン・ファース演じるダーシーが観たくなり、 BBC制作のVHSをブックオフで購入したもののまだ観てません。げげ。THE 有頂天ホテル…年末テレビ放映されるようなので再見したいな。博士の愛した数式…原作のイメージがそのまま大切にされてて良かったです。レジェンド・オブ・ゾロ…キャサリン・ゼタ・ジョーンズがゴージャスでした。オリバー・ツイスト…ラストに何か割り切れなさが残ったような…。フライトプラン…ジョディ・フォスター演じる強い母親に影響されます!B型の彼氏…「B型って…こんなに変人?」と自覚のない柊です。ミュンヘン…ラストの9・11を連想させるシーンが印象に残ってます。PROMISE-無極-…絢爛という感じ。チャン・ドンゴンよりも ニコラス・ツェーの方が印象に残ってる。ナルニア国物語 ライオンと魔女…第二章も制作されてるんだっけ?イーオン・フラックス…黒髪のシャーリーズ・セロン。でも映画の印象は薄い…。エミリー・ローズ…ホラー物ですがよくぞ観に行ったという感じ。実話と聞いて。ブロークバック・マウンテン…字幕の字体が変わってて、慣れるまで時間がかかった覚えが。リバティーン…ジョニー・デップ…はまり役ではあるのですが…後半顔が…ううううっ。○ナニー・マクフィーの魔法の杖…きっと何度観ても楽しい映画。字幕で観たかった!プロデューサーズ…ユマ・サーマンのコメディ&ミュージカル?とびっくりした覚えが。Vフォー・ヴェンデッタ…「マトリックス」は超えられなかったよーな。アンダーワールド・エボリューション…相手役の俳優さんがもうちょっと格好よい人だといいのに(爆)陽気なギャングが地球を回す…伊坂作品。佐藤浩市さん演じる響野さんの演説振りが好き。◎ナイロビの蜂…サントラが印象的。繰り返し観たい…というのとは違うけど 観た後に後を引く感傷が忘れられない作品。ダ・ヴィンチ・コード…原作の薀蓄部分がもっと盛り込まれて欲しかった。ジャケット…エイドリアン・ブロディ観たさ。ちょっと変わった物語でした。◎デイジー…良い意味で予告に裏切られた感じ。音楽も良く、もう一度観たい映画。劇場版トリック2…くだらないんだけど笑ってしまう、このシリーズ大好き。インサイド・マン…こ、こういうオチがつくとは。ジョディ・フォスターの役柄がイマイチ掴めませんでした。デスノート 前編…原作を読んでみたいけど今のところ実現せず。ウルトラヴァイオレット…ミラ・ジョボヴィッチ、「バイオハザード」を完結させて欲しい。ミッションインポッシブル3…このシリーズ、柊は2が一番好きかもしれない。 トム・クルーズ、今後どうなっていくんだろう。ブレイブストーリー…宮部みゆきさん原作のアニメ。「ドリームバスター」も映像化して欲しい(笑)日本沈没…「日本以外全部沈没」とどっちが壮絶なのでしょう。気になる。地震に備えなくちゃ。◎パイレーツ・オブ・カリビアン2…DVD買いました。完結編が待ちきれない。ハチミツとクローバー…ほのぼのした雰囲気が好きです。ゲド戦記…原作者をがっかりさせてしまった出来、というのが残念だし悲しい。 どうして宮崎駿監督じゃなかったんだろう…というのが未だに謎です。◎ユナイテッド93…結末を知っているだけに観ていて辛かった。 乗客たちの大事な人を思う気持ちにただ泣けました。X-メン 3…完結編となっていたけど、ホントに続編ないのかな。シュガー&スパイス~風味絶佳…夏木マリさんが印象的でした。イルマーレ…配役は魅力的だったけど、「韓国版」の方が断然良いなあ。夜のピクニック…「ピクニックの準備」が観たい!ブラック・ダリア…期待して観に行ったのだけど…はて、どうだったかな。◎虹の女神…岩井俊二監督プロデュースということで。映像が好き。ただ、君を愛してる…「恋愛寫眞」と観比べたくなりました。DEATH NOTE the Last name…柊は…断然L派だ~。ウィンター・ソング…金城武さん久しぶりに観ました。○プラダを着た悪魔…元気を貰える映画。繰り返し観たくなりそう。敬愛なるベートーヴェン…第九初演シーンは印象深いです。第九は名曲中の名曲!◎硫黄島からの手紙…この内容をアメリカ人が描いたことに驚きました。◎父親たちの星条旗…「硫黄島…」よりもこちらの方がより印象強いです。犬神家の一族…石坂さん演じる金田一耕助をはじめて見ました。若い頃のが観たい。48本中、邦画は15本あります。「邦画は映画館で観なくてもいいや」と思っていた柊ですが次第次第に邦画にも足を運ぶようになってきました。ざっとタイトルだけ眺めてみると…うーん。「今年はこの映画が一番だった!」と強力に言える作品がないように思えます。「ダ・ヴィンチ・コード」や、「DEATH NOTE」など話題にのぼった作品、大作もありますが映画の出来、というかそういう点から眺めてしまうとちょっと物足りなさがあったり。まあ、柊の個人的な感想なので深く追求はしないで下さいね。◎の作品は、その中でも印象強いと思ったもの。○の作品は、DVD化された後も繰り返し観たくなるかも…という感じで選んでみました。来年はどんな映画が観られるのかなあ…。「ラッキーナンバー7」「ディパーテッド」「マリー・アントワネット」「それでもボクはやってない」「どろろ」「幸福な食卓」「墨攻」と1月公開分だけでも観たいのはいろいろあります(笑)
2006.12.30
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横溝正史の金田一シリーズといえば…「陰湿、怖い」というイメージが常につきまとっていたものですが「何故だーっ!」と叫びたくなるほどに今回の映画は怖くありませんでした。なんででしょ。原作を読んだり、稲垣くん演じる金田一耕助の「犬神家の一族」をテレビで観たりしてあらすじも犯人もよーく知っていて親しいものとなっているかなあ?とも思ったのですが多分そうじゃないよね。ミステリー物を何度も繰り返し映像化するって、難しいだろうなあと思います。真犯人やトリックが既に観る方に知られているというだけでも不利だと思うし、だとすれば事件の過程を追う演出に凝る以外にない!わけだから。金田一耕助のつかみ所のない飄々とした性格が、凄惨な事件の中にあって唯一救いとなる部分になる筈…なのに、金田一探偵以外にも笑いを演出できる人物が周りにいすぎて、せっかくの金田一のキャラクターが光ってなかったかも。一番笑いをとっていたのは中村玉緒さん演じる女将さんの登場シーンでしたし。三谷幸喜さんとか、深田恭子さん演じる女中さんとか…。金田一耕助が持っている陽の部分をいろんな登場人物に振り分けられてしまった印象がありました。それから死体の描写が…。じっくり正視出来てしまうほど、いかにも作り物…という感じが否めない~予告編でさんざん前もって見せられていた、というのもあるだろうし。もうちょっと嘘くさくなく演出できなかったのかなあ…と思うと残念です。そんな中で見所はやはり松子、竹子、梅子三姉妹でしょう。相手の台詞をかき消すほどのけたたましさ、ヒステリックさは素晴らしい~♪「もっとやれー!もっとやれー!」という感じです。長女の松子を演じた富司純子さんの上品さが、これまで持っていた松子のイメージと異なってて良かったです。特に後半、真相が明らかになっていく部分から、親子の情に焦点があっていくに従ってそれがどんどん昇華していくような美しさがありました。 *「犬神家の一族」公式HPは→こちら1976年度版の「犬神家の一族」とはどんなところが違っているのかなあ。見比べた方に是非感想をお聴きしたいです。年明けには稲垣くん演じる金田一耕助の『悪魔が来たりて笛を吹く』がテレビ放映になるんですよね。こちらは既に原作を読んであって、好きなお話なのでどんな風に演出されるのか今からとても楽しみにしています。年末年始は横溝正史、金田一耕助三昧かもー「犬神家の一族」公式HPを見ていたら、こんな映画が今上映されていることも知りました。岩井俊二監督による「市川崑物語」。岩井監督作品、観たい~。でも、柊の住む地域ではいつ上映になるかわからない~。 *「市川崑物語」公式HPは→こちら
2006.12.28
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いろいろ読んではいるのですが、なかなか感想まで書き残せないでいます。第一印象というか、さらっとだけ( ..)φメモメモ…しとかないと~と焦ってます三浦しをんさん著『まほろ駅前多田便利軒』「三浦しをんさん風ハードボイルド小説!?」と思いながら読みました。夜の街、裏の顔、云々…=ハードボイルド小説、という安直な連想です(笑)…とはいえ、これは“家族”をテーマにした小説でもあるでしょうか。話が進むにつれて明らかになる行天さんや多田さんの過去から鑑みると…?行天さんのキャラクターが魅力的というか引っ張られるというかつくづく自分もミーハーだなあ…(というか面食い?)と思います。もしもこの作品が映像化されることがあったら誰に演じて欲しいだろうとか読みながら真剣に考えている自分がいました。あはは。(でもちょっと強力な配役は思いつかなかったです)この作品がしをんさんの直木賞受賞作…でしたでしょうか?しをんさんは作品ごとに印象が違うイメージがあるので、これからもいろんな引き出しを見せて欲しいです。大島真寿美さん著『虹色天気雨』 小中学生時代の“ともだち”関係って密着型というか、とにかく相手と同化したがる、繋がりたがる関係だったと思います。だから他の子と仲良くされるとやきもちを焼いたり、「自分は○○したのに××してくれない」と不満を抱いたり、振り返ってみれば何であんなに互いに執着していたんだろうと思うことが多いです。今小学校四年生になる娘たちの日々の言動を見ていても、「ああ、昔の自分と同じことを繰り返しているなあ…」なんて感じます。でも成長してくるとお互いにばかり執着していられない。仕事関係、新しい家族との関係など、別の世界との繋がりも出来てくる。それを寂しいと思うより、丁度良い距離感を持てるようになった事にほっとしている、安心している自分がいます。それぞれの生活に小さな(或いは大きな)波がたっても、相手の生活(人生)に踏み込みすぎることない範囲で心配したり、助け合えたりそれを自然と思える今の関係はとても居心地が良いです。偶にしか会えなくても、会えば時間を遡れる。でも、相手を尊重できる余裕が自分にある…というような。『虹色天気雨』を読みながら、しみじみそんなことを感じました。懐かしいけれど、怒涛の感情の嵐だったあの頃には戻りたくないな…なんて(笑)小中学生時代にそんな嵐があったからこそ今の関係があるのだとしても。アンソロジー集『Sweet Blue Age』 七人の作家さんによるアンソロジー集です。柊が好きだなあと思ったのは角田光代さんの「あの八月の、」と有川浩さんの「クジラの彼」と坂木司さんの「ホテルジューシー」でしょうか。アンソロジーの楽しみは未読の作家さんを新しく開拓できるところだと思うのですが今回別の作品も読んでみたいと思った人は残念ながらなかったです☆(因みに未読だった作家さんは日向蓬さん、三羽省吾さん、桜庭一樹さん)森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」は実は未読のままです。長編として角川書店から刊行されたようなので、今そちらの方を図書館にリクエストを出して順番待ちしています図書館から恩田陸さんの『中庭の出来事』が用意できたと連絡がありました。嬉しい~♪年越しはこれを読んで過ごすぞ
2006.12.24
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どーしてもどーしても観なければならない、という強迫観念に駆られてしまい上映最終日、最終回に滑り込むように観に行ってしまいました。観る順番は逆になってしまったけれど、むしろそれで良かったかも…と思うほど内容的に(柊には)「父親たちの星条旗」の方が考えさせられるものがありました。 *「父親たちの星条旗」公式HPは→こちらアメリカ側から描く硫黄島の一番の主題は“戦争を正当化する行為の虚しさ”。人を人とも思わぬ残酷なやり方で殺す武器であるとか、捕虜に対する見せしめ的な殺害行為であるとか、アメリカ側も日本側も戦争中に行った行為はどちらも残酷極まりないものでどちらがどう、とか比較できるものじゃないのだな・・・と。「本当に戦争を知っている人間は語りたがらない」という冒頭の台詞にあるように簡単には言葉に変換することの出来ない心の傷が、双方にあるのだろうと思い到りました。戦友の死を看取る…というよりも一瞬のうちにして人が「肉塊」「物」になるのを見たときの悲しむよりも怖れを抱いてしまう、矛盾した気持ちは叫びにすらなりません。「誇りに思えることは何もない」という台詞に泣きたくなりました。けれど…アメリカ側から描かれる硫黄島を観ている内にすごく複雑な心境にある自分の気持ちにも気づきました。それを象徴するシーンは、硫黄島にある山頂に星条旗が立てられたとき。「戦争は嫌だ、繰り返したくない」そう願う気持ちは本当の気持ちであるにも関わらず。日本が負ける、敗戦するのだという結果を知っているのにも関わらず。柊はそれを「いやだ」と思いました。そこに旗を掲げられるのは嫌だ、と。もっと有体に言えば、硫黄島を攻撃するアメリカ兵の姿を見て、「やめてくれ」とも、「憎い」とも思っていたと思います。日本側の陰湿だと感じられる作戦や行為にアメリカ兵が憎しみや怖れを抱いても仕方がない…とも思ったのに。日本側にしたって正当化出来る事など何もないというのに。「憎い」と一瞬でも感じてしまった自分の気持ちが悲しかったし、虚しかったな…。どうしてかな。どうしてそう思ってしまったんだろう。自分で自分が嫌になりました。(「硫黄島…」を先に観たからかとも思いましたが、それだけではないでしょう。)「硫黄島からの手紙」も「父親たちの星条旗」も、それぞれ独立した作品ではあるけれど両側から観て初めて完結できる作品だ、と改めて思いました。この二つの作品を続けて観ることにはかなり気負いが必要と思われますが柊はどちらも観ることが出来て良かったと思っています。この二つの作品を観てアメリカの人はどう感じているんだろう。それが一番今、知りたいです。
2006.12.15
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こんな状況のなかで生きるくらいならいっそ死にたい、と思う。なのにそう望む気持ち以上に生きたいとも願ってしまう。二つの相反する気持ちが、振り子のように揺れる…辛い2時間でした。けれど、実際に硫黄島で戦った人々は先のわからない状況の中でそれを耐えなければならなかったのだから、映画を観ているだけの人間が辛いなんて言葉を言ってはいけないかも。映画だと思うから観ることが出来たのかもしれない。実際はきっともっと悲惨な状態だったと思うし、実際にあった出来事を知る、歴史を知る、直視することの出来る心が果たして自分にはあるんだろうか、とも考えてしまった。 *「硫黄島からの手紙」公式HPは→こちら戦争映画を観に行くのには抵抗があって、観に行くべきかどうか実は迷いました。クリント・イーストウッド監督作品だから…というのは大きかったと思う。悲惨さだけを売りにしたり、美談に仕立てたりということは決してないだろうなと思ったので。この内容をアメリカ人が撮っている…というのが驚きでした。日本側から硫黄島を描くとはいえ、もっと憎まれる描き方をされていてもおかしくない、と思っていたので。「父親たちの星条旗」の方を未見にしてしまったのが惜しまれます。やっぱり観に行っておくべきでした。これは両サイドから観てみて初めて完結する映画だろう、と思います。戦う相手を人として認識していない、相手の顔も知らない、だからこそ殺すことを躊躇わない。相手のことがわからないから恐れだけを抱いてしまう。自分の家族と同じように、身を案じてくれる肉親がその人にもいて、傷つけば痛みを感じて、早く戦争が終わればいいと願ってもいて…自分と何も変わらない人間だと知って初めて躊躇う気持ちも、「戦争は嫌だ」という気持ちも湧いてくるのでしょうか。戦争は嫌。いったい何のために戦うというのか。「国家の為」「陛下の為」・・・家族のため?自分で善悪を考え、相手を知ろうとする気持ちを奪う、そんな狂気染みた流れが再びやってこないことを願います。
2006.12.14
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もう台詞も、どんな言葉による説明もいらない。第九初演シーンの約12分間は…至福のひとときでした。抜粋ではなく、ずっと通して演奏を聴きたくなる。交響曲第九番は第一楽章から第四楽章までちゃんと通して聴きたい。第一楽章から第四楽章まですべてを聴き込んでいる人なら、聴き所を抜粋し、凝縮させたこの12分でもきっと充分堪能出来るだろうけど合唱の部分しか知らない、なんていうのは本当にもったいないことだと思う。 *「敬愛なるベートーヴェン」公式HPは→こちらベートーヴェンのひととなり、人生を描くという一面もあるのでしょうが柊は彼の音楽を聴くことが出来るという、それだけで充分という気持ちです。映画を観て、「史実と違う」とか細かなところに突込みを入れたくなる愛好家の人の気持ちもわからないではないですが、ベートーヴェンの豊かな音に包まれる瞬間、それは本当に幸せな時間に違いなくて、それだけで私は満足できてしまうのです。ベートーヴェンというと耳が聞こえない、聞こえ難い障害を持つということで「聞こえない」演技をする俳優さんがこれまで多かったんじゃないかな。けれど、エド・ハリス演じるベートーヴェンは一見するとあまり耳に不自由を感じていないように見受けられます。でも、あるシーンを観ていて「あ!」と思ったんです。彼は外から聴こえてくる音楽を聴く楽しみは奪われてしまったけれど、自分の内側から溢れ出る音楽には逆に際限がなかったんじゃないか、と。エド・ハリス演じるベートーヴェンを見ていると、彼の内側にしか聴こえていない音楽を聴いてみたくてたまらなくなりました。耳に障害を持っていないにも拘らず、音を聴き入れない人よりもずっとたくさんの音を心で聴いていたのに違いない…!12月にはいると街のあちこちから第九の旋律が聞こえてきます。喜びの歌。歓喜の歌。やっぱりいいなあ、…と思う。柊がよく聴く第九のCDはフルトヴェングラーが40年代後半に指揮したもの。録音状態は決して良いとは言えないけれど、終楽章ラストの疾走感、天上にまで登りつめていく高揚感は他のどんな演奏にも変えがたく以来滅多なことでは他の演奏は聴けなくなってしまいました。またまた図書館からリクエスト本が届きました。届くのを楽しみにしていたアンソロジー集。有川浩さんの「クジラの彼」は『海の底』と姉妹編の関係(といっていいのかな?)「クジラの彼」は来年2月に短編集という形で刊行されるみたい。それもまた楽しみです~。あ、それを言ったら森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」も一冊の単行本として刊行されたばかり。こちらは新たにリクエスト出さなくては~!大島さんの『虹色天気雨』、新聞評を読んでリクエスト出しました。読みたい本ばかりどーんと届いて困ってしまふ。
2006.12.11
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表紙のゾーヴァの描いたウサギの絵に惹かれて最初は手に取ったのですが…。こ、これはウサギ好きにはたまらない一冊かもしれません 物語に挿入されている「恋樹」や「星磨きのウサギ」のエピソードがとてもほのぼのしてて、愛らしくて、それだけで一冊の絵本に出来そうな…もう、このエピソードだけでもこのお話がとても好きになれます~!主人公はちょっと大人びた様子の中学三年生の男の子。友人が巻き込まれた盗難事件、本当の父親探しなどミステリーっぽい要素もあり。普段柊が接している中学生たちも、こんな青春を今謳歌しているのだろうか…なんてつい想像してしまいつつ読みました。物語の挿入歌としてドリス・デイのジャズ・ナンバー「ケ・セラ・セラ」の歌詞が載せられているのですが…読みながら曲を聴きたくなりました。物語のちょっと切なくて甘酸っぱいような雰囲気によく似合っていると思います。
2006.12.08
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前作『夜市』も面白かったけど、こちらも期待を裏切らず面白かったです!文章がうまい…と表現するより「語り」がうまいと言う方がしっくりくる感じです。 「穏」という、現実とは異なる空間にある場所が物語の舞台。恒川さんの本を読んでいると、何処かに、空間の隙間に、本当にそんな場所へ到る入り口が開けているような気になってきます…。闇の中にあるものをつい、じっと目を凝らして見つめてしまう…。怖い気持ちと好奇心とが綯い交ぜになった気持ちで読みました。読み終えてしまうのが惜しかったけど、『夜市』といい、『雷の季節…』といい、恒川さんが作り出す不思議世界にはきっとまた出会えるような気がするので、それを楽しみに待ちたいと思います。
2006.12.05
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自分の事って意外によくわかってない…かもしれない。一人になる時間がないと、自分という人間と向かい合うことがなかなか出来ないし。そういう時間があっても些事に追われて、深くものを考えたりしないものだし☆不思議な店で、初対面の人間と一緒にご飯を食べているのにもかかわらず物語の語り手はどんどん自分自身について、自分の考えている事について突き詰めていきます。相手の何気ない話を聞きながら、あるいはそこにある沈黙を味わいながら自分自身が意識していなかった心の内面に深く潜り込んでいくのです。 失踪した後輩が通っていたのは、いっぷう変わった料理店。 予約のたびに場所が変わり、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるという…。 謎めいた料理店で出会う「少し変わった子」たちが、あなたを幻想的な世界へと 誘う物語。 (bk1内容説明より)こういう設定のお話だと、すごく美味しそうな料理の記述に食欲を呼び起こされたりあるいは相手の語るお話がすごく幻想的で耳を傾けたくなるものだったりするのが常のような気がするんだけど…このお話はその点少し変わっています。登場する女性に共通するとこといえば、食事の仕方がとても美しい、ということくらい。そういう人と一緒に食事を取れば、確かに自然と静けさを求めてしまうかもしれないです。相手への興味をかき立てられる以上に自分自身の考え方に意識を向けてしまうのは…やっぱりそこが閉ざされた空間だからなのかなあ。森さんの本といえば「読みやすい」というのが柊の第一印象なのですが(あるいは「理性的」「低体温」!?とも言い換えられる?)それまでの作品とは違う、異色の雰囲気が漂っているように感じられました。こういうお店…柊だったら行ってみたいと思うかな…。興味はあるけれど、いざ予約となったら緊張感に負けてしまうかもしれない(笑)一夜限り、その場限りという設定は「実は狐や狸に化かされているのでは!?」なんて想像を働かしてしまいます。柊が住んでいるところにも初雪が降りました。午前中に、慌ててタイヤを冬用スタッドレスに交換しました。12月だなあという実感が湧いてきます。そろそろ大掃除の予定を立てていかないときっと終わらないなあ…。
2006.12.03
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前作、『チーム・バチスタの栄光』を読んだ後に感じたような爽快感が薄いのは歌から得られる効果に、果たして小説で書かれているようなことが本当に起こりうるのだろうかと半信半疑になってしまう、そういう曖昧さを残しているからじゃないかなあ…なんて思ってしまいました。 東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜は、 子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口に依頼する。 その渦中、患児の父親が殺され、思いもかけない展開を…。 メディカル・エンターテインメント第2弾 (bk1より)医療現場を舞台としたミステリなれば、起きる事件はフィクションであっても医学的な側面での記述には確固とした事実、正確さがあって欲しいので「本当かな~」と曖昧な印象を抱かせてしまうのはマイナス要素のような気がしてしまうのです。例えばコーンウェルの『検屍官』シリーズなんて読みなれてしまった自分には(これは検死の場面を読んでるだけで妙にぞくぞくする怖さがあったりする)冒頭の検死のシーンからして物足りなく感じられたりとか、そういうひっかかりがちょこちょこ積み重なってしまった気がするのでした。むしろ事件そのものより、挿入されていたヒーロー物のとんでもない設定などが妙に可笑しくて、気になってしまいました。ライバルの出現により、白鳥さんの暴走がやや押さえられていたし!?次回作に期待したいと思いますー。きっとシリーズがまだ続きますよね。うーん、しかし病院を舞台にして次々事件が起こるっていうのは…どうでしょう。ミステリのシリーズ物で一番難しいのは病院を舞台にしたものかもしれない。病院って信用一番って気がするし(笑)
2006.12.01
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どん、と届きました。図書館からリクエストした本が…。果たして二週間で五冊、読めるでしょうか。(その間にも更にリクエストした本が届くとも限らないしなあ。)読みたい本を次々リクエスト出すのは簡単だけど、どーんと一度に届いちゃうと「墓穴を掘ってしまった」気分になっちゃうのは何故だろうー。嬉しいけど☆恒川光太郎さんの『雷の季節の終わりに』。『夜市』の不思議なお話がとても後味良かったので、こちらにも期待してます。森博嗣さんの『少し変わった子あります』表紙の雰囲気も、これまで書かれた本とは違った印象…。森さんの別世界が伺えるのかしらとこれまた期待。森見登美彦さんの『きつねのはなし』森見さんの口調(文章)には妙に嵌ってしまうものがあります…。那須田淳さんの『一億百万光年先に住むウサギ』新聞に載っていた書評に惹かれてリクエストしてみました。表紙のゾーヴァの絵のウサギに惹かれた…というのもあるかも(笑)ダン・ローズの『小さな白い車』ダン・ローズにもすっかり惹かれてしまった柊です。この『白い車』はこれまでに出版された『ティモレオン』『コンスエラ』とはちょっと違った趣の内容みたいです。こんなに一度にリクエスト本が届いてしまって…自粛しようと反省した!?にも関わらず再びリクエスト出してしまいました。だってだって、恩田陸さんの『中庭の出来事』早く読みたいんだもーん!一番乗りで借りられたらいいなあ…
2006.12.01
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