今が生死

今が生死

2014.02.02
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カテゴリ: 先端技術
すごい発明である。すでに成熟した大人の細胞を酸などで刺激して、幼若細胞、つまり分化する前の幹細胞に戻って新たに神経や筋肉に分化する細胞、を作り上げたのである。脊髄損傷で足が動かなくなっていた人に、この細胞を移植すると、神経細胞に分化して、歩けるようになることも夢ではない。

幹細胞については京大の山中教授が細胞に遺伝子を注入することによって作成することに成功し、現在医療への応用研究が世界中で行われている。しかし山中教授のiP細胞は、それを作成するのに、細胞に遺伝子を注入しなくてはならず、癌化の危険性をはらんでいる。しかも作成するのに、時間はかかるし、費用も莫大であり、手順通りにしても無事幹細胞を得る確率も極めて低い。

あらゆる面で、STAP細胞はiP細胞より優れており、これからの臨床応用に大いに期待される。このように画期的なものを発見したのは、30歳の理化学研究所の女性研究委員小保方さんである。しかし実際にはハーバード大学や理科学研究所の教授や先輩に指導を受けながらの成果で、その手柄は誰に所属するのかと言うことは大問題だったと思う。論文にファーストオーサーとして最初に名前を書かせていただいたのは光栄だし幸運であった。

一般に研究者の世界は手柄争いが激しく、共同研究していたような場合は、その成果は俺のものだと言い合うことが多い。先輩がいる場合は、論文の著者として自分の名前を最初に書かせて頂くことは少なく、教授や先輩達の名前が最初に来ることが多い。

それなのに彼女は自分の名前を最初に書かせて頂いた。おそらく彼女の人柄ゆえではなかろうか。彼女は皆に好かれており、教授や先輩たちも彼女に助言し、彼女の仕事として認めてくれたのだと思う。性格の良さが今回の福運を呼び寄せたのではないかと思っている。





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Last updated  2014.02.02 23:09:59
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