今が生死

今が生死

2025.08.28
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カテゴリ: 生き方

県医師会報8月号に「あなたの夢の過去・現在・未来」をテーマにするかテーマ自由の読者投稿ページの特集があった。23人の会員が投稿しており、いずれも素晴らしい投稿で皆さん真面目に生きてきたのだなと感心し、心が明るくなった。中には小学校時代はバスの運転手になるのが夢だったが高校生になると周りに医学部志望の生徒が多く、自分も医学部を受けて医者になった者もいれば、中学3年時に母親が子宮がんになり、医師が夢の一つになったという人もいた。
それらを読んでいるうちに自分の過去・現在・未来の夢を書いてみたくなった。
私は生まれて直ぐ、どこの誰だか知らないが「この子は賢そうなので何十年に一人生まれる子で凄い人物になるよ」と言われたという話を両親から何度か聞いた。
現実は農家の長男なので、子供時代漠然と農家の後を継ぐと思っていて特別に何かになりたいなどの夢はなかった。しかし農業高校に入学した時、土起こしや肥桶担ぎ等が自分が思っていた高校生活とあまりに違っていたので退学したくなって受け持ちの先生の所に退学を伝えに行ったら「退学したら不良になるだけだ。この高校から東大に受かった先輩がいる。君も受けてみたらどうだ」と言われた。その時から東大に受かることが夢であり目標になった。農業高校にいながら夢中で勉強したが東大には受からず、静岡大学理学部に入れた。大学には入ったけれど目標とか夢がなく、専攻を決めることが出来なかった。その頃寮に入っていたがそこでシュバイツアーの伝記を読んでシュバイツアーのように生きたいと思った。医師になりアフリカに行くのだというのが私の夢になった。その夢をかなえるために東京に出て港湾労働をしながら勉強して医学部に入り医師になった。夢だったアフリカに行こうと手続きを進めたが周囲の猛烈な反対に遭いその夢は叶わなかった。
アフリカに行く夢は叶わなかったが、その後は病気で苦しむ患者さんのために尽くすのが夢になり、それが現在の夢として継続している。
未来の夢はどうなのか?今や高齢になり見る影もない。夢見ることもなく、死を待つだけの心境である。
生まれた時、どこかの人が「何十年に一人生まれる人で立派な人になる」と言ってくれたとのことだがその面影はない。医師会報に書かれた皆さんは未来の夢として旅行する事、大型犬を飼うこと、スイーツを食べて歩くこと等を語っていたが、私にはその気力も体力もない。運命に任せるしかないが、お迎えがくる最後の時までは元気で暮らしていたい。強いて言えば、私の未来の夢はその時まで健康で意欲を失わないで生きたいということだ。靴下を脱ぐ時でもふらふらしてどこかにつかまりながら脱がないと危ない状況になってしまったが、挑戦の姿勢を失わないで生きて行こうと思う。





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Last updated  2025.08.29 13:43:57
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