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ドラゴンズ きょうから阪神戦福留、因縁に決着 下柳にリベンジだ~! 首位を快走する中日は25日、阪神3連戦(甲子園)に備えて大阪入りした。早くも竜虎マッチレースの様相を呈しているだけに、直接対決でたたきたいところ。そのキーマンは26日に誕生日を迎える福留孝介外野手(28)。先発予定の下柳は昨年、左手人さし指を粉砕された因縁の相手。バットでリベンジを果たし、チームをV軌道に導いてくれ! 237日ぶりの対決だ。今季初の甲子園。福留が打席に立った時、マウンドには下柳がいる。 「下柳さん? 去年は去年のことです。今年は今年で変わるだろうし、変えなきゃいけない。特に気にしてはいませんけどね」 野手はいつものように完全休養日。福留も体を休め、日暮れ前の新幹線で大阪へと移動した。そこで報道陣から出た名前がトラのベテランサウスポー。悪夢がよみがえる。昨年9月1日のナゴヤドーム。下柳のシュートに左手人さし指を粉砕された。今春のオープン戦で顔を合わせた時に「もう大丈夫か?」と声をかけられた。力強く踏み込んでいったがゆえの死球骨折。下柳にとってもシュートは生命線ということは理解している。遺恨はない。だが、因縁はある。借りもある。そのシュート攻めに苦しめられ、昨年の対下柳は14打数1安打(打率7分1厘)。何とか一矢報いようと思い続けていた9月、激痛とともに無念の強制終了となったわけだ。 「踏み込めない? それはないですよ。頭の中に(残像が)あるかもしれないけど、自分としてはない。そう思っています」。主砲・ウッズとともに打線の中では乗り遅れている。しかし、裏を返せば得点源2人を欠きながら、首位を快走していることになる。WF砲が火を噴きだせば…。現在、セ界の貯金は竜虎で占めている。早くもマッチレースの様相すら呈している。虎が猫になるナゴヤドームでは、キッチリ2勝1敗と勝ち越した。敵地での首位攻防戦でも仕留めれば、V軌道は一気に加速する。 「誕生日? ボクももう28歳ですよ。あまり打った、打たないのイメージはないけど、しっかり頑張らないとね」 過去3度あった4・26の試合は、打率3割6分4厘。悪くない。天敵・下柳から初の祝砲を打ち上げれば、福留の苦闘にもピリオドが打たれるはずだ。
2005年04月24日
【ヤクルト4―3巨人】気合のライナーが左翼席に刺さった瞬間、神宮の一塁側スタンド、そしてヤクルトベンチが万歳した。3―3に追いつかれた9回裏。その表に右翼に入ったばかりの宮出が、3球目のスライダーを振り抜き、プロ10年目で初のサヨナラ打だ。選手たちはベンチから飛び出すと、万歳ポーズのまま帰ってきた殊勲者を両腕を掲げて出迎えた。 「凄く気持ちがいいです。何があるか分からないので無我夢中で走りました」 投手から野手に転向して4年目。愛媛・宇和島東では1学年下の岩村とバッテリーを組み、ドラフト2位で95年に入団した。右ひざの故障で02年に投手を断念したが、高2のセンバツには3番・一塁で出場し、高校通算34ホーマー。潜在能力は確かに秘めていた。 1軍と2軍を往復する中で、古田にアドバイスを受け、完全休養日でも神宮の室内練習場に宮出がいた。今季のオープン戦は25打数8安打。外野の定位置争いに敗れ、開幕後は代打で4打席無安打だった。この日はイースタンのロッテ戦(ロッテ浦和)に5番・中堅で出場してから神宮に出動。昼間は3打数無安打も、最高の“準備運動”は完了していた。 連敗を4で止める値千金の一打に、若松監督は「ようやくフリー打撃の打球が飛んでくれた。今までは自分の好きなコースを打てても、苦手な変化球はまだまだだった」と成長に目を細めた。右翼は日替わりで選手を起用しており、十分チャンスはある。 故郷・愛媛では母・照代さん(53)が毎日テレビ観戦し、息子の出番を待っていた。「泣きそうだったけど、やべえ、母ちゃんが見てると思ってこらえました」。日本人野手最長身1メートル90の宮出は、体格通りのおおらかさで成長していく。 ≪古田無安打も≫2000本安打にあと5本と迫っているヤクルト・古田は3打数無安打。初回、ジャストミートした打球が三直併殺となる不運もあった。それでも宮出のサヨナラ弾で連敗が止まり「やっぱり勝たないかんね。いいゲームをやっても勝たなきゃチーム力は上がらない」と笑顔。右翼席には「古田」のプラカードや横断幕が多数掲げられるなどファンの熱気は最高潮。それだけに本拠地で行われる次カードの横浜戦(19~21日)での達成が期待される。
2005年04月17日
マサ、セ界一の虎ハンター6回2/3を1失点◆中日6-1阪神 虎狩り名人ならではの欲だった。あと1人を抑えて仕事を完遂したかった。7回2死一塁。右の町田が代打に告げられたところで、先発・山本昌投手(39)に歩み寄った落合監督は「右(投手)も用意しているが」と切り出した。それに対して「行きます」と希望を伝えたベテラン左腕だが、町田にストレートの四球。指揮官の2度目のマウンド登場が降板の合図だった。 「7回は最後まで投げきって終わりたかったんですが。石井に助けてもらいました」 味方が先制するまで、粘り強い投球を続け、2勝目を手にした山本昌は振り返った。もっとも、球が高めに入って調子は良くなかったという。「何とかしてコースだけは間違わないように注意しました」。序盤は福原との一進一退の投げ合い。4回は2死満塁、5回には2死三塁とピンチを背負ったが、本塁だけは意地でも踏ませなかった。これで3試合に投げ、18イニング2/3で失点、自責点ともに2。防御率0・96は、規定投球回数には到達していない隠れ1位だ。 中8日での首位攻防戦初戦の先発だった。前カードの巨人戦を回避したのは左人さし指の血豆の影響だったというが、これで、エース川上が投げないもう一方のカードの大将格に座る形となった。24日に2000本安打を達成した古田には祝福の電話を入れたという。これで通算175勝。山本昌もコツコツと勝利を積み上げ続けるつもりだ。
2005年04月12日
大魔神 今季3度目炎上ファンから「やめろ」コール9回裏1死、ラミレス(左)に同点の本塁打を浴びた佐々木 4連続セーブの復活は虚像だったのか。1点リードの9回1死走者なしからマウンドに上がった横浜・佐々木主浩投手(37)が今季3度目となる炎上だ。逆転負けを喫し、チームは貯金をはたいてしまった。 「イニングの途中からで…」「関係ないよ」「難しい状況だったんでは?」「そんなことないよ」。横浜ファンからの容赦のない「やめろコール」の罵声(ばせい)を浴びながら、佐々木は、報道陣の問いに、二言だけ答えて、クラブハウスに消えた。牛島和彦監督(43)が「延長戦で何回も(肩を)作ってたし、登板もあったので、今日は1人でも少なくと思い、9回はラミレスからと決めていた」という“石橋”をたたいて渡した親心の起用だったが、こたえてくれなかった。 ミニキャンプでの再調整も考えられるが、牛島監督は「オレは、そのつもりはない。本人の疲れは外からでは分からない」と発言。最後の決断は佐々木自身に任せるようだ。
2005年04月11日
ソフトバンク松中、4号逆転満塁弾福岡に勇気与えた!!オリックスに3連勝 4番打者への期待に、最高の形で応えた。ソフトバンクの松中信彦一塁手(31)が会心の逆転満塁アーチ。2点差を追った3回、一振りでチームの劣勢をはね返し「われながら絵に描いたような4番の仕事ができた。快感です。4番冥利(みょうり)に尽きる」。昨年4月9日以来となる自身6本目の満塁弾に、自らも酔いしれた。 かつて巨人の4番を1231試合務めた王貞治監督(64)は「4番としてあそこで打てたのは一番の自信になる」。勝負を決めた主砲の一発を褒めた。 カウント2-1と追い込まれながら、真ん中外寄りの速球を見逃さず左翼席へ。今季4号は初めて左方向への本塁打となり「今年はボールが(低反発球で)飛ばなくなっているし、逆方向に打てたのは自信になる」。 打球の飛距離を伸ばすために行った筋力トレーニングの代償で肩に違和感を訴え、開幕から本調子ではなかったが「トレーニング方法が間違いではないと確信できた」と松中は笑顔。周囲の雑音も打ち消し、太くなった腕が誇らしげだった。
2005年04月10日
清原の暴言に虎ナイン怒った!オマエが悪い 暴言は聞き捨てならんぞっ! 21日に巨人・清原から「チ××コ、ついとんのか」とののしられた虎ナインが反撃した。大差で快勝した前夜の7回2死満塁で、フルカウントから藤川が投げたフォークを空振りして500号本塁打を逃した番長が、速球で力勝負をしなかった藤川を非難したことに、阪神ナインは「空振りしたおまえが悪い」と反論。伝統の一戦に新たな遺恨が発生した。 口火を切ったのは、ほかならぬ岡田彰布監督(47)。横浜スタジアムに入るやいなや「球児(藤川)は3球も真っすぐを投げとるんや。清原はそれを2球もファウルしとる。フォークだってストライクやった」とかみついた。宿舎で聞いたというが、暴言に我慢がならないのだろう。 確かに球界には暗黙のルールがある。大量の点差がついた時に攻撃側が盗塁や送りバントをしないなど-。だが、それは“攻撃側”のルールで、“守備側”のルールではない。しかも、終盤7回で4番に満塁本塁打を浴びたりしたら、試合の流れは完全に巨人にいく。 このことはフォークを投げた藤川自身もよく知っている。「あそこで満塁本塁打を打たれたらどうなるか分かるでしょ。発言は関係ない」とわれ関せず。「ちゃんとついてますよ」と挑発した。悪いことはしていないのだから、売られたケンカは買う。下品な番長と比べると、虎ナインの方がよほど男らしい。
2005年04月09日
田尾監督プツン、辞任ある!?三木谷オーナー2度目の現場介入に 11連敗中の楽天・田尾安志監督(51)が28日、コーチの入れ替えを示唆した三木谷浩史オーナー(40)に不快感をあらわにした。同オーナーの今季2度目の現場介入に不信感は募る一方で、「(29日からの)西武3連戦の後、自分の考えを言うかもしれない」とポツリ。田尾監督の意向に反し、コーチ入れ替え人事が断行されれば、電撃辞任に発展する可能性も出てきた。 いつものように柔和な表情にソフトな語り口。しかし、田尾監督のはらわたは煮えくり返っているようだった。 「なんでこの時期にという思いがボクの中にある。アマも含めれば40年、野球に携わってきた。野球人として、確信を持ってやっているし、プライドもある。そこを認めてもらえるかどうか」 怒りの発端は27日の三木谷オーナーの発言だ。チーム不振の打開策として、一部マスコミに「ある程度の組閣の見直しが必要」と、1、2軍のコーチ陣入れ替えを示唆。たび重なるオーナーの現場介入に、田尾監督の我慢も限界値まで達している。 もともと寄せ集めの集団。苦戦は予想されたことだ。今の時期に小手先のコーチ入れ替えを行ったところでチーム状況が好転するわけがない。現コーチ陣との一蓮托生(いちれんたくしょう)を決めている田尾監督は「誰が(監督を)やっても、苦労するのは予想されたこと。スタッフはボクの家族。ボクがやっている間は、メンバーは代わらない」とオーナー構想に反旗を翻した。さらに、「3年たったら、誰もがいいチームになったなと言ってもらえるチームにしたかった。あれ、過去形じゃ、ダメか」と、進退について何か決めているような意味深発言も飛び出した。 まだ、コーチ入れ替えのオーナー案は、田尾監督には伝えられていないが「西武戦(4月29日~5月1日)が終わった段階で、それなりの結論が出ると思うので、そこでボクの考えを言うことがあるかもしれない」と不気味予告。常々、「監督業に固執しない」と話している田尾監督だけに、西武3連戦で泥沼連敗から脱出できず、オーナーの独断でコーチ入れ替え人事が断行されれば、潔くユニホームを脱ぐ可能性もある。
2005年04月08日
造反ローズ、罰金200万円チームメートに謝罪試合前、ベンチで清原に抱きつかれ笑顔を見せるローズ 前夜26日のヤクルト戦後に、コーチから緩慢な守備を指摘されて激高、首脳陣と球団を批判した巨人のタフィ・ローズ外野手(36)に対して巨人は27日、罰金200万円を科すことを決め、厳重注意するとともに本人に通告した。この日、ローズは、宿舎ホテルで堀内監督と話し合い、自らの行為を反省。この後、衝突した弘田外野守備走塁コーチ、迷惑を掛けたチームメートに謝罪した。 ホテルから出てきたローズは高梨通訳を通じて「全部自分の間違い。チームも自分もあまり調子が良くないのでフラストレーションがたまっていた。申し訳ない」とコメント。堀内監督も「ちょっとした言葉の行き違いで爆発することもある」と理解も示したが、行為そのものは許されるはずもない。ローズから事情聴取し、臨時の会見を開いた巨人・高山鋼市総務本部長は「処分としては厳しいものを考えざるを得ない」と明言。球団側は、ローズが弘田コーチの胸ぐらをつかむ行為があったことなども重視。罰金200万円という厳しい処分とした。
2005年04月07日
こんなの見たことない!!甲子園シ~ン沢井が選んだ四球がきっかけ 「負けゲームだったんだ。それを勝たしてくれた。すごい試合としかいいようがない。むこうはエース。4回までに6点取られて、それをひっくり返したんだ」。落合監督が試合後、そう言って会心の笑みを浮かべた。 6回を終わって1-8。絶望的な点差をおっかけて奇跡は始まった。7回、代打の沢井が選んだ四球が反撃のきっかけとなった。1死後、井端が左翼線を破り、二、三塁。立浪の適時打でまず1点。ウッズがヒットでつなぎ、福留二ゴロのあと、赤星の痛いエラーが飛び出した。アレックスの打球は、ふらふらと上がった平凡な中飛。しかし深く守っていた赤星は、走りながら落下地点に入ったが痛恨の落球。一気に2点が入る。 そして8回。井端の左前打にウッズの逆転3ランという奇跡が起こった。 「年に1回あるかないかのゲーム」という落合監督の表現通りのゲームだった。
2005年04月06日
巨人また継投失敗月間16敗で球団ワーストタイ ◆広島6-5巨人 「ホリウチ~、辞めろ! 辞めてしまえ!!」。スタンドから容赦ないバ声が飛ぶ。毎度毎度の投壊現象。痛いほどのヤジを浴びた巨人・堀内恒夫監督(57)は、務めて冷静に振り返った。 「勝負どころに弱い。久保の被弾? あれが痛いな。あそこで勝っておかないと…」。沸きに沸いた前夜の清原500号で連敗はストップ。その勢いで連勝といきたいところが、弱体投手陣にはまるで効果がない。9回に代打・江藤の適時二塁打で2点を勝ち越し。勝ちゲームの展開をブチ壊したのは、守護神・久保だ。 「最後だけ高めにいってしまった…」。1死一塁から前田に同点弾を献上。こうなると、押せ押せの広島を止められるわけがない。10回裏1死満塁、7番手・岡島が代打浅井に犠飛を許してジ・エンド。歓喜の輪ができる一塁ベンチ前とは対照的に、三塁ベンチはお通夜のように静まり返った。 「拙攻? それより守れないというか、あれではねえ…。久保は今一番何が必要か分かってない。一番、いけないのはホームランなんだ」。堀内監督はバスに乗り込む間際に一気に吐き捨てた。 再び借金は「7」に逆戻り。月間16敗は、球団唯一の最下位に沈んだ75年長嶋一次政権以来2度目のワーストタイ。堀内巨人の迷走は、いったいどこまで続くのだろうか…。
2005年04月05日
ロッテ、快進撃10連勝20年ぶり 落合&村田以来6回表、3ランを放ちホームインするロッテ・ベニー(右)=ヤフードームで ◆ロッテ15-3ソフトバンク 前回、指揮を執った1995年8月以来、10年ぶりの敵地・福岡での同一カード3戦全勝。連勝も「10」に伸ばしたが、バレンタイン監督は涼しい顔。「連勝のことを考えているのは、記者のみなさんだけ。私は次の試合のことしか考えていない」 17安打で15得点。29試合で14度目となる2ケタ安打で、2ケタ得点も6試合目。もはや名物といっていい。投手力が支えるチームという前評判が覆るほど、打撃も好調でチーム打率は3割7厘。高いレベルで攻守のバランスが取れている。 この日、目立ったのは3回に勝ち越し5号2ランのフランコや、3ラン連発で6打点のベニーだが、バレンタイン監督は試合のポイントとしてサブローと堀の活躍を挙げた。サブローは2回に先制の二塁打、堀は同点に追いつかれた3回に三遊間に運んでフランコの本塁打を呼んだ。「彼らの活躍が、チームがホットでいられる要因」と指揮官は言った。 猫の目打線がいい緊張感を生んでいる。堀は、西岡が欠場した26、27日の西武戦で3安打ずつを放ったが、前日30日はスタメン落ち。不満も出そうなところだが「起用法には何も言えない。チームが勝つことを信じているだけ」という。 今季は盗塁、犠打など、細かい数字も前年を上回っている。これもバレンタインイズムが浸透しているからだろう。
2005年04月04日
大魔神撃破だ 高橋光信竜史上初 開幕連続サヨナラ 万博より面白い!? ドラゴンズ劇場!! ドラマチック中日が2日の横浜戦で連夜のサヨナラ弾で2連勝だ。1点を追う9回1死一塁で高橋光信内野手(29)が、ハマの大魔神・佐々木から左翼席へ痛快な逆転2ランを打ち込んで競り合いに決着をつけた。これはたまらん。さあ、ナゴヤドームへ繰り出そう!◆中日5-4横浜 ミラクルをつかさどる神が、ドラゴンズに宿っている。連夜のサヨナラ弾。こよいの主役は高橋光だった。大魔神・佐々木の初球を一閃(いっせん)。逆転の虹が、左翼席に舞い落ちた。しかし、ドラマには主役だけでなく引き立て役と演出家がいる。観客はもちろん、演じた高橋光でさえ「とにかくビックリ」と話した一打にも、1人だけニヒルに笑っていたのが落合博満監督(51)だ。 「とにかくあの場面、佐々木が嫌だったのは走られることなんだ。こちらとしても大きな賭けではあったけど、迷いはなかった」 伏線を張る。それがベンチの仕事。確信には至らなくても、確率は上げた自負があった。1死から谷繁が三遊間を割る。タクトを振った。代走・英智が勝負手。守備面で全幅の信頼を置く谷繁を下げる。指揮官はそのリスクを負う価値があると見た。代打・高橋光の打球が外野を割れば、一気に生還。それもある。しかし、真の狙いは別にあった。 「普段はやらないようなクイックモーションをやっただろ」。1点差。二塁に進まれればワンヒットで同点になる。だから佐々木はクイックモーションで投げる。投げさせるための代走・英智だった。井上に139キロ、谷繁には141キロ出ていた佐々木の球速。しかし、高橋光が打った直球は134キロだった。5から7キロの球速減。仕留めたのは高橋光だが、その舞台を整えたのは落合監督だ。 なぜ、佐々木は普段はやらないクイックモーションで投げたのか。そこにも実は伏線がある。昨年8月4日(ナゴヤドーム)。1点勝ち越された延長11回、中日は佐々木から4連打で逆転サヨナラ勝利を収めている。その間、井端、立浪が計3盗塁でかく乱。佐々木のトラウマを落合監督は見抜いていた。グラウンドで起こった奇跡。それを支配していたのは、野球の神ではなく落合監督だったのかもしれない。
2005年04月03日
横浜・クルーンが158キロプロ野球最速タイ9回表に抑えで登板し、球速158キロを出したクルーン(河口貞史撮影)=横浜スタジアムで ハマに新名物が誕生した。 魔神に代わる“新守護神”マーク・クルーン投手(32)が9回、日本最速タイの158キロの快速球で、代打・井上を三振に打ち取った。 「158キロ? 個人的にはうれしいが、逆転して勝利をつかんだことの方がうれしい」。クルーンは、歴史に名前を残したことより、チームの連敗を「5」で阻止したのを喜んだ。 10年前の2A時代、101マイル(約162キロ)を出している快速投手。このまま佐々木に代わっての守護神定着も考えられるが、本人は「この仕事は10年やって、プレッシャーとか責任とか分かっているが、僕はクローザーじゃない。『日本一のクローザー』ササキが帰ってくるまで、いい状態にして迎えるのが、われわれブルペンの務め」。あくまで謙虚だった。
2005年04月02日
“恐怖の6番打者”アレックス2発 迷いなく振り抜いた打球は高々と放物線を描き、バックスクリーンへと伸びていった。アレックスのバットから特大の一発が飛び出したのは、5回だ。福留の3ランで新人・岸本をKO。代わってマウンドに上がった3番手・吉川の第1球だった。甘いフォークを鮮やかに、すくい上げた。 「ストライクが来たら強く振ろうとだけ思ってた。幸せな一発だ」と笑顔で振り返った。続く8号は、6回だった。同じ吉川から、今度は内角高めの速球を左翼席まで運んだ。 「自分はホームランバッターじゃないから、ホームランの数はいいよ。ただ昨日(30日)、チームはいやな負け方をした。その翌日の試合というものは、とても重要なんだ。みんなが強い気持ちで向かっていったね。それがうれしい」。どれだけ打っても、アレックスの優等生ぶりは変わらない。 打率3割7分1厘、8本塁打、21打点は堂々のチーム打撃3部門トップの数字。恐怖の6番打者が、5月も中日の快進撃を支える。
2005年04月01日
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