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オリ・ガルシア すげぇー、世界新 ◆オリックス13-0楽天 興奮が抑えられない。オリックス、カリーム・ガルシア外野手(29)は24時間前と同じく、OKポーズ。ベンチに向かって指を3本を立てた。8回、楽天のルーキー・一場から左翼席に本塁打を突き刺し、1試合3発。前夜から2試合6発だ。 「ベリーハッピーだ。2試合6発なんて、(米国の)マイナーリーグでも、やったことがない。日本でこんな経験ができて、本当にうれしい」 メキシコからやってきた熱い男は、日本プロ野球史上例のない「2試合6発」の偉業を成し遂げた。大リーグでも、アレックス・ロドリゲス(ヤンキース)らが2試合5発を記録しているが、6発はなく、ガルシアの記録は日米野球の頂点に立った。 来日1年目、開幕直後は極度の打撃不振に。“主砲”であることを意識し過ぎ、過度の力みから打撃フォームを崩してしまった。まもなく2軍生活。復活の契機はそこでつかんだ。首脳陣から口酸っぱく「リラックス!」と言われ、徐々に余分な力が抜ける。左手首を痛めたこともケガの功名になった。成績は急上昇。交流戦中に1軍復帰した時には、メジャーでも評判だった「美しいスイング」が戻っていた。 仰木彬監督(70)が「ガルシアには、もっと早いうちから暴れてほしかったわ」と苦笑いする。ただ幸運にも、遅きに失してはいない。「これから強いところとばかりあたる。(2年1カ月ぶりに)5連勝して、貯金も3つできたけど、まだまだ先が長い」。爆発男、ガルシアも同じ気持ち。プレーオフに向けて、本番はこれからと考えている。 「これは息子のディエゴの顔だ。ホームランを打った後は必ず触ることにしている」 そういって太い二の腕に描かれた入れ墨を、ガルシアはうれしそうに公開した。「もっと、もっと打って触りたい。いや触れるだろう。オレは波に乗ったらすごいから」。最後はビッグマウスさく裂。頼もしいアーチストを抱えたオリックス、プレーオフへの道は視界良好だ。
2005年07月31日
ハム、完封リレー!タカ撃破リー、来日初勝利 ◆日本ハム4-0ソフトバンク 強力打線をピシャリと抑えた日本ハム・コリー・リー投手(30)が来日初勝利を挙げた。無四球で7イニング1/3を4安打。「リーグ一の打線だけあって、いいバッターがそろっていたが、キャッチャーの構えたところに投げるのがボクの仕事」。6月28日に緊急補強された助っ人が、来日3試合目で貴重な勝利を挙げた。トレイ・ヒルマン監督(42)は「リーが継続して今日のようなピッチングをしてくれれば(プレーオフ進出に)希望がわいてくる」と手応えを口にした。 ソフトバンクに4月26日以来、じつに3カ月ぶりの2勝目。助っ人外国人今季初勝利のおまけ付きに「やっと勝ったね、外国人が」と高田GMもご機嫌だった
2005年07月30日
これぞ井端 先制三塁打得点圏打率.421の実力! ◆中日4-1巨人 丁か半か。予測していた内角に獲物は来た。勝負師は右足を引きながらヒットした。0-0のまま迎えた5回2死一、三塁。井端弘和内野手(30)が、フルカウントからマレンの7球目内角低めチェンジアップを右中間にはじき返した。谷繁に続いて一塁から野口も生還する先制の2点三塁打だ。 「前の打席からずっとインコースを厳しく攻められていたので、来るんじゃないかなとは思ってました」 冷静な読みで重苦しい空気を一掃した。この回、1死から谷繁が四球で出塁すると、野口がバントを試みた打球を、捕手・小田が二塁へ悪送球して一、三塁と労せずしてチャンスが広がった。だが、荒木は凡退して2死に。初回から走者を出し続けており、またしても得点が入らないと嫌なところ。得点圏打率4割2分1厘(31日現在)で両リーグトップの男が、大きな仕事をやってのけた。「前の2打席とも打てなかったので良かった」。初回、3回と自分の打席で荒木が二盗を成功して得点圏に進んだが、いずれも凡退していただけに、ホッとした表情も見せた。 井端が返した走者は四球や失策で出塁。この1安打で2点を先制した。6回の4点目も安打はアレックスだけ。進塁打や相手のボークに乗じた。ある意味では中日らしい得点パターン。巨人のミスについては「接戦だったらこっちが強いという意識があったんじゃないですか」と分析した。 「大量点だけじゃずっと勝てないですから。11連勝? 数字は意識してやった方がいいです」と力を込めた井端。頼れる2番打者はそのバットで、現役選手は誰も知らない未知の領域・12連勝に運ぶつもりだ。
2005年07月29日
虎、15カードぶり負け越し中継ぎエース・藤川が打たれた ◆ヤクルト2-1阪神 痛い。阪神にとっては痛すぎる敗戦だ。夏の恒例、長期ロード出発前の最後の甲子園の試合、最悪の形で落とした。 絶対的安定感を誇っていた中継ぎエース、藤川球児投手(25)が打たれた。9回2死からリグスに被弾。決勝点を与えた。 6月3日以来の被弾に藤川は「一番ダメなとこに投げてしまった」と、うなだれたが、藤川だけを責めるわけにはいかない。敗戦の元凶は打線にあるといっていい。 奪った点は5回のスペンサーのソロ弾の1点のみ。これさえもチーム15イニングぶりの得点だった。それまでは、ヤクルトの先発・藤井の前に1本の安打すら打てなかった。 持ち味の“つなぎの打線”が最近、機能していない。この2試合での安打はわずか7。連打すらなかった。プレッシャーがかかっているのか。だが、正田打撃コーチは「相手は関係ない。オレは打線を信頼する」と不動の姿勢をするが…。 これで約2カ月ぶりの連敗。“連続負け越しなし”も14カードで止まってしまった。2位中日とは3ゲーム差。 「打線がな…。なかなか打てん。チャンスらしいチャンスがないし、悪すぎるわ」。岡田彰布監督(47)の口からは最初、嘆き節が出たが、強気の姿勢は崩していない。これまで、「8月がホンマの勝負や」と言い続けてきただけに、こう力説する。「シーズンはトーナメントやない。先はあるんや。それに、オレが中日を意識したことを言ったか? ないやろ」。正念場。虎は竜を意識せず、わが道のみを追求する。
2005年07月28日
巨人、屈辱の4連敗 小久保の1発だけ清武代表「お客さんに申し訳ない」 夏休み最初の日曜日もぶざまな姿をファンにさらすだけだった。巨人・堀内恒夫監督(57)が力無く吐き捨てる。「我慢だろうねえ。痛いよ」。なんと14年ぶりの対中日戦6連敗。今や虎対竜のセ・リーグ大混戦を見事に演出している脇役にすぎない。とにかく、試合内容も目を覆うばかりの惨状だ。 中2日でマレンを先発させたが、5回に小田の失策も絡んで3点を奪われる。一方の打線はいたずらに凡打を繰り返し、7回2死までノーヒット。小久保がようやく野口から22号ソロを放ち赤っ恥は逃れたが、今の堀内巨人にこれ以上、反撃する余力など残されていない。試合後、小久保は「ノーヒットノーランを阻止しただけの悲しいゲームです」と言葉少なに球場を後にした。 前夜に続き阿部が風邪のためベンチ入りもせずに自宅静養、清原がまたしても2回の走塁中に左ヒザを痛めて連日の途中交代。借金「11」の低迷に、もはや主力組のモチベーションも「?」マークの状況だ。「お客さんに申し訳ない。これだけ来てもらって残念だ」と清武球団代表。今の巨人、よほどの大手術でもしない限り、完治の見込みすらない
2005年07月27日
楽天、初の月間勝ち越し有銘メモリアル完封勝利 ◆楽天4-0西武 楽天の有銘兼久投手(26)が96試合目でチームに初の完封勝利をもたらした。被安打5はすべて単打で、三塁を踏ませなかった。「うれしいです。とにかく回の先頭打者を出さないことだけを気を付けた」。新生球団の歴史にその名を刻んだプロ4年目の26歳は控えめに喜びを語った。 昨夜、延長11回を戦い終えた後、田尾安志監督(51)から「完投してくれ。後ろの投手がいないから」と言われた。監督の期待に強気の投球で応えた。6回1死一、二塁と8回2死一、二塁のピンチで主砲カブレラと対決。「自分でつくったピンチだから自分で抑えなくては」といずれも直球で三振に仕留めた。 指揮官が来季先発の柱の1人と期待する左腕の快投で、7月は10勝9敗1分けとなった。初の月間勝ち越しで「月間5割は大きな目標というか夢だった。これでチーム内の競争もレベルアップするだろう」と田尾監督。記念すべき勝利を今後の弾みとする意気込みだ。
2005年07月26日
竜、巨人粉砕10連勝今季最多貯金12 いよいよセ界が風雲急を告げてきた。30日の巨人-中日戦(東京ドーム)。中日は初回に先手を許したが、勢いが違う。すかさず2回、井上の2ランで逆転すると、4回は真夏の祭典。打者10人を送る猛攻で一気に5得点。2ケタ得点で、2000年5月以来、5年ぶりの10連勝をマークした。一方、首位を独走してきた阪神は、甲子園でヤクルトにコテンパンにやられて0-13の大敗。12日には8ゲーム差をつけられていたが、10試合で4差縮めて、4ゲーム差にまで接近した。残り55試合。あるぞ、ウルトラ逆転竜だ。 鉄の橋を渡っていたはずの試合が、最後は氷を踏みしめていた。中継ぎ陣が雪崩現象を引き起こし、最後は守護神・岩瀬を投入。ハイタッチを済ませた落合博満監督(51)は、吐息と一緒に言葉を並べた。 「みんなが岩瀬にセーブをつけたかったんじゃないのか」。“官軍”の将だからこそ、口にできるジョークだろう。積み上げた白星が10個になった。貯金も今季最多の12に増えた。そして、甲子園ではトラがうなだれて、ついにゲーム差が4に縮まった。逆転Vの現実味が増す数字の羅列。巨人を沈めたのは4回の猛攻だった。 初対決のルーキー・野間口に、2回り目は容赦なく襲いかかった。立浪、ウッズ、福留、アレックスの4連打が、巨投の貴公子への葬送行進曲だった。さらに内海もたたく。谷繁が打ち、荒木が締める。怒濤(どとう)の7安打、圧巻の5得点。この時点で8人の先発野手全員が安打を放っていた。 「前回? 出たり、出なかったりだったんで、あまり覚えてないですね。今? すべてがうまく回転している感じです。ピッチャーがゲームをつくってくれているので、野手はそこに乗っかっている。守りからですよ。リズムをつくるのは」 10連勝は5年ぶり。経験者のはずの福留だが、記憶は薄かった。わき役だった23歳は、主役を演じる28歳に成長した。9回にも左中間へ16号弾を打ち込んだ若大将は、投手を立てることを忘れなかった。「阪神? 意識はしませんけど、こっちは追う身。負けることは許されないくらいの気持ちです」。そんな緊張感も、楽しめる強さを身につけた。さあ、追撃のホラ貝が鳴り響く。 「勢い? ウチは勢いでは野球をやってないよ。全部は勝てない。全部も負けないけどな」。地に足をつけて戦っている。落合監督はそう言いたかった。だから、もがき、苦しむ日々はもうこないという意味だ。
2005年07月25日
巨人・江藤 幻の350号英智に阻まれた8回裏2死三塁、天井直撃打の江藤 とことん、ついていない。巨人・江藤智内野手(35)の記念の350号本塁打も東京ドームの天井に阻まれた。 8回2死三塁で、中日・平井のストレートをジャストミート。打った瞬間、だれもがホームランと思う当たりがレフトに上がったが、高々と描いた放物線はナント、ドームの天井を直撃。天井さえなければ、左翼席上段に突き刺さろうかという打球だったが、フェンスを越えずに落ちてきたボールは、英智のグラブにスッポリ。「天井に当たった場合を予想して準備してました」 してやったりの英智と対照的だったのは江藤。今季1号、史上19人目の通算350号が幻となると、打球が当たった天井方向を見て、まさにぼうぜん自失。試合後も「何にもしゃべれない。心が折れているよ。手応えは完ぺき」とうなだれて球場を後にした
2005年07月24日
ダルビッシュ、プロ初黒星力んで自滅 ◆オリックス3-1日本ハム 相手はプレーオフのいすを争うオリックス。母親の死去で帰国していたトレイ・ヒルマン監督(42)が復帰し、どうしても勝ちたい日本ハム。だがルーキー・ダルビッシュ有投手(18)のデビュー以来の連勝記録が「2」で途切れてしまった。 ワインドアップのバランスが悪く、2回からセットに変える苦心の内容だが、4回までは3者凡退。それだけに5回の投球が悔やまれた。 上体に力が入り、ボール先行で走者をためた。1死満塁で阿部真にしぶとく右前へ運ばれると、自らの暴投で追加点。ダルビッシュは「あの回だけ。全体として状況は悪くなかった」というが、頼みの援護はなし。神通力もここまでだった。 ヒルマン監督は「暴投がなければ、違った展開になっていた」とかばうが、1イニング、いや1球でも不本意な投球があれば、つけ込んでくるのがプロ。間もなく19歳を迎えるダルビッシュにとってはいい勉強になった
2005年07月23日
楽天、30勝到達100敗回避まで“M6” ◆楽天6-3西武 楽天が95試合目にして30勝に到達した。勝利を呼び込む一発は、165センチのベテラン・大島公一内野手(38)。同点の延長11回1死一塁、代打で登場。西武7番手・大沼の投げた144キロの真っすぐを右翼席にたたき込んだ。「ベンチで休んでる元気なヤツが仕事せんと」と大島。02年以来の一発に会心の笑みだ。 田尾監督は「一塁走者の牧田が走るゾ、とプレッシャーをかけて、フォークを投げられないようにした。大島と牧田の合作だ」とニンマリ。7月は9勝9敗1分けで、初の月間勝ち越しにも王手。残り41試合、あと6勝すれば、下馬評で確実と言われたシーズン100敗も免れる
2005年07月22日
エース川上憲伸投手(30)がチームの連勝記録を「9」に伸ばした。29日の巨人戦(東京ドーム)。打っては8回にダメ押しの今季1号ソロ本塁打。投球だって圧巻だ。散発2安打、二塁さえ踏ませない快投で、開幕戦以来となる今季2度目の完封ショーで10勝到達。ハーラーダービーのトップに並んだ。チームも区切りの50勝に到達した。 声を張り上げながら、熱い拳を目いっぱい突き上げた。9回2死。最後の打者・二岡の飛球が福留のグラブに収まった瞬間だった。最初から最後まで試合を支配した先発投手ならではの充実感。マウンドに君臨した川上が、豪快なガッツポーズで表現した。 「もう1敗もできない状態ですから。阪神は負けそうにないですから」 意地と重圧を力に変えた。得意のカットボールが復調途上。代わりに最速146キロの直球を主体に左打者への外角シュートを有効に使って巨人打線に立ちはだかった。3番阿部から6番清原までの主軸は、計12打数1安打と封じこめた。さらに、スタメンに抜てきされている鈴木、川中ら新鋭も無安打に。「機動力が使える選手も塁に出しませんでしたから」と川上。格の違いを見せつけた。 ダメ押しも、自らのバットだった。8回の打席でミアディッチの139キロ直球を左翼席中段に高々と運ぶ今季初ホームランで4点差に。「あれはオマケです。岩瀬さんのセーブを消しましたね」。冗談交じりで笑ったが、これで本業にも弾みがついた。終わってみればわずか2安打。一度も二塁を踏ますことなく、巨人のスコアボードに「0」だけを並べた。ハーラートップに並ぶ10勝を開幕戦の4月1日横浜戦(ナゴヤドーム)以来、今季2度目の完封で決めた。 プロ8年目にして初の2年連続の2ケタ勝利になる。「たとえボクが8勝でも投げる試合は全勝ならいいんです。ボクのことは二の次です」と語るが、入団時からたび重なる故障に悩まされてきたエースがひとつの壁を越えた。 川上の力投でチームは2000年5月に10連勝した時以来、5年ぶりの9連勝。貯金も今季最多タイの「11」に戻った。落合監督は「よく投げてくれた。これで大丈夫じゃないか。もっと仕掛けが早ければ、川上が楽だった。でも、川上には点が入らなかったのは良かったのかもな」と独特の言い回しでエースを絶賛した。「連勝しているというのはやる気がでるけど、プレッシャーにもなった。チームはいい状態」とエースは言った。この日も首位阪神が勝ってゲーム差は「5」のまま。だが、自分たちも勝てばいい。阪神追撃の士気をエースが快投で、さらに高めた。
2005年07月21日
気迫の一打が二塁手・仁志の頭上を越えていく。均衡を破る渾身(こんしん)の一撃。5年ぶりとなる9連勝を引き寄せたのは、大西崇之外野手(34)の一振りだった。 「憲伸が頑張ってたからね。絶対に先に点を取らなあかん、と思ってました」 エースを援護する一打は6回。2死一、二塁から巨人の先発・工藤の4球目、ストレートをはじき返す。打球は右中間に転がり、まずは二塁走者・ウッズが生還。さらに一塁走者・福留も果敢にホームへ滑り込み、その間に大西は三塁へ(記録は二塁打)。両こぶしを握りしめ、塁上で思わず小さく跳び上がった。 「その前の打席で凡退して、すごく悔しかった。だから『今度は絶対いったる』と強く思って打席に立ちました」 貴重な先制適時打。伏線は4回の第2打席だった。1死満塁と工藤を攻め立てながら、大西は一飛に終わり無得点。その鬱憤(うっぷん)を晴らせと言わんばかりの6回の第3打席。気合を前面に押し出し、2日のヤクルト戦(神宮)以来となる今季6度目のスタメン起用に応えてみせた。 「スタメンだろうが、途中からだろうが、打ちたい、と思う気持ちに変わりはありませんけどね。9連勝? 僕個人はあまり連勝という意識はないんです。1つ1つを全力で戦っているうちに勝ちがつながっている、という感じ。まあ、これからもっとしびれる試合が待ってますよ」 気負いすぎることなく、かつ、気持ちを途切れさせることなく、常に臨戦態勢を整えておくスーパーサブ。勝負の8月へ。小さな勝負師の一振りが、ペナントレースをまだまだ熱くする
2005年07月20日
巨人、竜に川上に4連敗堀内監督「完敗です」 ここ数日とは違い、フラッシュをたくカメラマンたちを怒鳴る気力すらなかった。川上の前に2安打完封負けを喫し、2日連続で相手投手を完投させての連敗。「二塁を踏めなかったでしょ。完敗ですよ」。巨人・堀内恒夫監督(57)の言葉は、淡々としていた。 工藤の力投に打線が応えられない。象徴的なのは5回。ローズの左前打で初めて先頭打者を出しながら、続く清原が初球を打って二ゴロ併殺に倒れた。「右打者はシュート、左打者はカットボールにやられた。相手もよかった。でも、2安打では、淡泊に見られても仕方ない」。もはやあきらめの境地か、堀内監督はサバサバ。だが、中日戦、対川上ともに4連敗では、ファンは納得できない。 試合前の打撃練習中、堀内監督が動いた。鈴木、亀井、矢野、十川孝、川中を打撃ケージ裏に集めた。「直球ばかり打つな。(打撃投手に)変化球を要求したらどうだ」「君たちにホームランは求めていない。もっと実戦を想定して打て」。漫然と練習するな-。滝鼻オーナーが提唱する「フレッシュ路線」を引っ張る若きG戦士にハッパを掛けた。 だが、打線は躍らなかった。今季5度目の零封負け。もうどうでもいいかもしれないが、首位とは今季最大の15ゲーム差だ。 2日で2投手から1点しか取れない今の巨人に、ささやかな意地を求めるのも無理なのか。
2005年07月19日
拙虎、Vロードひと休み七色魔球レイボーンに連打出ず◆広島1-0阪神 イッキ3連勝をもくろんだ阪神ベンチには、思いも寄らぬ出来事だった。広島の「初もの」外国人投手、レイボーンの術中にあっさりはまった。 初回から5回まで、コンスタントに単打は出たが、連打が出なかった。癖のない直球は簡単に弾き返したが、カーブとカットボールに面食らった。3回2死から直球を中前へ弾き返した赤星も、5回2死二塁の好機では胸元に食い込むようなカットボールに空振り三振を喫して天を仰いだ。 「ボール全部が曲がってくる感じ。完ぺきにやられたら、そう言えるんだけど、今日は何て言って良いか分からない。安藤に謝らないと」と赤星。やはり4打数1安打に終わった4番金本も「絶対に打てん、という感じではなかったんやけどな」と、取り逃がしたことが不思議でならなかった。 映像データを全く入手できていない相手ではあった。「ファームでも投げてないし、口の情報だけ。2回くらいまではええと思わんかったけど、4回くらいからようなってきたな」と岡田彰布監督(47)が脱帽すれば、分厚い資料と首っ引きで指示を送った正田打撃コーチも「データがないことを言い訳にはできない。どの球種でもストライクを取る制球の良さがあった」と対阪神連敗を6で止めた敵に賛辞を贈るほかなかった。 ◆安藤、悔やまれる1球 安藤の熱投は報われなかった。広島打線を9回まで2安打に抑える完封ペースだったが、打線の援護に恵まれない。我慢も延長10回、ついに力尽きた。東出への5球目が甘くストライクゾーンへ入り、痛恨のソロ本塁打を被弾。ぼうぜんと打球が飛び込んだ右翼席を見つめ続けた安藤は、試合終了後も放心状態。「東出に打たれた1球だけが甘かった。悔やまれるのはあの1球だけ? そうですね」と言い、力無く首を振るばかりだった。
2005年07月18日
やはり心中は穏やかでなかった。4連敗を喫しての記者会見。巨人の堀内恒夫監督(57)が報道陣に対して激高した。 「明日にもV消滅? じゃあ(新聞に)書きなさいよ。そういうことは聞かないんだッ!」 球団トップ3がスタンドに顔をそろえた運命の“御前試合”は、序盤から劣勢。先発・高橋尚が横浜・村田に2発を浴びるなど4回までに4点を失った。打っても、主砲ローズが3回1死満塁の逆転機に二ゴロ併殺…。6回には22号2ランを放ったが、またしても8回2死二塁の同点機に三振に倒れてチャンスをつぶした。 この日、報道陣の前で堀内監督が渡辺球団会長らと接することはなかった。だが、前日(14日)の微妙な発言を耳にはしていたのだろう。同会長や滝鼻オーナーが観戦していたことについて報道陣が質問すると、「だから何?」。さらに「野球以外のことは聞かないのッ! 明日から(会見を)やらないよ」と声を荒らげて会見場を後にした。
2005年07月17日
西武・西口3度目タカ狩り!ハーラートップタイ12勝 (パ・リーグ、ソフトバンク2-3西武、10回戦、西武6勝4敗、16日、ヤフードーム)ソフトバンクなんて怖くない。躍動する32歳。ベテラン西口が今季3度目のタカ狩りで、ハーラートップタイの12勝目をマークした。先発ローテをきっちり守り、6月3日の横浜戦から無キズの6連勝だ。 「前半戦はいい内容で終われましたね。後半戦も続けていけるようにしたい。今年は粘れています」。一回に4連打で2点を失ったが、味方が同点に追いついてくれると奮起。「四回からは本当に全力で投げた」と年齢を感じさせない148キロも出した。終わってみれば今季最多の132球の熱投。被安打は10だが要所は抑え、7回2失点でしっかりと先発の役目を果たした。 これで今季の対ソフトバンクは3勝1敗。きたるべきプレーオフに向け、苦手意識を植え付けている。「そんなことを話せる立場ではないし、考える時期ではない。1勝1勝いくだけです」。チーム1の“ひょうひょう男”が、タカ狩り最強の刺客。ソフトバンクは西武が3位以内に入らないことを、ただただ祈るしかない。
2005年07月17日
こん身のひと振りだった。横浜・金城龍彦外野手(28)が延長11回、中堅左にサヨナラ5号。4時間24分の死闘に決着をつけた。 「何とかしたかった。しんで完ぺきにとらえたけど、練習でもあそこに打ってないので『入ってくれ』と…。信じられません」。ヒーローは、昨年7月25日の巨人戦で、久保から打って以来のサヨナラ弾にほおを真っ赤に染めた。 この日の金城は、5打席凡退。最後の打席にすべてをかけた。「真っすぐ狙いです。最初の打席の感覚で入った。悔しさをバネに気持ちで向かっていった」。球宴前最後のハマスタで、3位をたぐり寄せる劇的弾。「この勢いを大事に、明日から精いっぱい頑張りたい」。15日からの巨人、阪神6連戦に、目を輝かせた。
2005年07月16日
ソフトバンク・松中信彦内野手(31)のこぶしの中に手応えが詰まっていた。3-3の9回。西武・松坂がこん身を込めて投げた内角のストレートに反応すると、この日3本目の32号本塁打がライナーで、右翼ポールの左を抜けた。先制、逆転そしてサヨナラ弾。4番打者が1人でソフトバンクの全得点をたたき出し、球界のエースを倒した。 「大輔(松坂)の真っすぐをとらえられた。自分にとっては怪物ですから。打てて自信になった。めちゃめちゃうれしいですよ」。速球を3度スタンドに打ち返した。本塁打すべてを満足はしない松中だが、この日ばかりは違う。黙っていても自然と笑みがこぼれた。 3本とも松坂が自信たっぷりに投げたストレートだった。2回、初球の146キロを左中間スタンドへはじき返し、両リーグ最速の30号が独り舞台の始まり。逆転された直後の4回には、150キロを右翼席に運ぶ31号2ラン。決勝弾と合わせた1試合3本塁打はプロ9年目で初だった。 移動日練習が行われた前日。王貞治監督(65)は、ミーティングで「松坂の直球を打て」とナインに熱い口調で指示した。9日には敵地で完封を喫し、連勝を「15」で止められた天敵。いつもと違う空気を主砲も正面から受け止めた。「あんな監督は久しぶりに見た。2度も続けてやられるわけにはいかない」 西武、日本ハムと戦った関東遠征最終日の13日の試合後、食事に出掛けた松中は、体調維持のため控えていた酒をちょっとだけ口にした。連敗した西武戦では3安打したもののノーアーチ、打点もなし。「やられたらやり返さないと」。4番の責任感が乗り移っていた。 昨年、西武とのプレーオフ。自らの不振が優勝を逃す一因となったことは今も心から離れない。「西武戦には特別なものがある。そういう意味でも最高の形で勝てた」。最高の一夜に酔いしれた。
2005年07月15日
この世に無念の別れを告げた友に捧げる1勝だった。オレは勝ったぞ! 見てくれたか…。そんな思いが、ほとばしる。悲しみを乗り越えた杉山が7回を1失点で投げぬいた。右翼スタンドに登場した『天国の友に捧げる勝利を』-。横断幕も、躍っていた。 悲しい別離だった。龍谷大時代のチームメート・中村圭悟さん(享年24)が1年7カ月に及ぶ闘病もむなしく、急性骨髄性白血病で急逝したのは7月4日。杉山は通夜に駆けつけ、ユニホーム姿の遺影の前で泣き崩れた。 好敵手だった。互いに京都出身。高3年夏には大谷高の中村さんと東舞鶴高の杉山が4回戦で激突。エース同士の白熱した投手戦を制したのは中村さんだった。 ライバルが友になった。2人とも龍谷大に進学。4年間、白球を追った。だが、チームメートは病に倒れ、入院生活が始まる。苦しい時間を一緒に過ごそうと、病室に何度も足を運び、話しかけた。「今年は10勝するからな」 その後の言葉は不要だった。だから、お前も…。思いは伝わったが、奇跡は起こらなかった。9日の中日戦(ナゴヤD)では勝ち投手になれず、迎えた甲子園のマウンド。中村さんの知人がメッセージを書き、遺影の前に集まった。 「立ち上がりが悪いんで最初から飛ばしていこうと思いました」。一回から慎重に、そして大胆に投げた。友が力を貸してくれた。バックの援護にも恵まれた。4安打に抑えて5勝目。約束に近づいた。 岡田監督もこの夜ばかりは「先発の仕事をしてくれた。1点取られたが、ナイスピッチングやった」とほめてくれた。その言葉に満足せず「1つでも多く、投げる試合は絶対勝つ意識をしてます」と杉山。チームの貯金をついに「20」の大台に乗せた若き右腕は、天国で見守る友に、胴上げ投手になる姿も見せるつもりだ。
2005年07月14日
清原『自力V消滅』阻止打!連敗4でストップも… (セ・リーグ、巨人2-0横浜、11回戦、横浜8勝3敗、16日、東京ドーム)勝っても気分は梅雨空だ。連敗を4でストップ。負ければ消滅する自力Vも何とか阻止したが、スッキリしない。 「チャンスはあったが、点が取れない。清原があそこで点を取ってくれたんでね」。試合直後、堀内監督は中継局の取材に笑顔も見せたが…。 二、三回と得点圏に走者を送るも、拙攻に次ぐ拙攻。その負け犬根性とキナ臭い“ストーブ”のにおいを一撃で振り払ったのが清原だった。六回一死一、二塁で中前適時打。「絶対に打つという強い気持ちだった。きょうみたいな熱い試合をしていきたい」。お立ち台で絶叫したのは何試合ぶりか。13日の中日戦(札幌ドーム)前に左ひざ痛を発症。欠場した前日15日に消炎剤を打ち、この日の出場にこぎ着けた。 だが、チームは暗い。堀内監督が見せた笑顔も中継局の取材終了とともに消滅。前日15日に「野球以外のことを聞くな」と報道陣を一喝した堀内監督は、この日の記者会見を拒否した。「何もない。君たち(報道陣)との話はもう終わり」と帰り際も仏頂面。たかが1勝で喜ぶわけにはいかない-が本音なのだろう。
2005年07月13日
中日・山本昌1失点6勝目!母校・日大藤沢高から刺激 (セ・リーグ、中日5-1ヤクルト、10回戦、中日7勝3敗、16日、福井)待ってろ猛虎!! 本気で逆転Vを狙っているオレ竜がまたひとつ、追撃態勢を整えた。8月11日で40歳を迎える山本昌が八回途中まで5安打1失点で今季6勝目。札幌で巨人を、福井でツバメを撃破して3連勝だ。 「完封を狙っていたんだけどね。でも何とか試合を作ることはできた。前半戦最後の登板だから、気合は入っていたよ」 自身が持つチーム最年長完封勝利の更新まであとアウト5つから連打を浴びて降板。苦笑いを浮かべていたが、責任は十分に果たした。二回から六回まで無安打。熟練の技を見せつけた。 高校球児のような環境がベテランを奮い立たせる。「夏は大好き。体がキレるから」。真夏に生まれた左腕は、昨年も夏場で4連勝。さらには気合の入る報告も…。母校の神奈川・日大藤沢で指揮を執る弟・秀明さん(35)が14日の“初陣”で9点差からの逆転勝利。「頑張ってほしいね」。こっちも奇跡を起こす。 「投手がいいチームが勝つんだ。何年に一度は例外はあっても、投手がいいチームが勝つようになっている」。落合監督のいう『勝つ』とは『優勝』のこと。ここ5試合で先発投手の防御率は計34回1/3で2.10。首位・阪神とは7.5ゲーム差とはいえ、徐々に不気味な存在になってきた
2005年07月12日
仰木監督まだまだ元気!“退場マジック”で逆転勝ち (パ・リーグ、ロッテ1-2オリックス、8回戦、4勝4敗、19日、千葉)オレは間違ってないぞ-。審判への暴言で今季2度目、史上3位に並ぶ通算7度目の退場となった仰木監督。試合後も怒りのため、牛乳を持つ左手が震えていた。 1点を追う七回、一死二、三塁の場面だった。サイモンの遊ゴロで本塁に突っ込んだ三走・谷ががタッチアウト。ここで温厚な谷が山崎球審の胸を突いて猛然と抗議。同時に指揮官も血相を変えてベンチから飛び出し、気が付けば、暴言を吐いていた。 「セーフは間違いない。今回は罰金(の請求)が来ても払わんで。審判には『お前が退場や』と言うたわ。罰金を払わせるなら、連盟の会長も事務局長も退場や」 逆転での3連勝を控え室のテレビで見届けた後も、審判への怒りは収まらない。 「罰金を取るんなら、事務局長、パ会長が直接取りに来てくれ。ミスは認め合わないといかん。現場と審判の信頼関係を作るのが連盟の仕事やろ」。誰でも間違うことはある。それを認め合うことが球界の発展につながると訴えた。 試合前は「暇やから」と上機嫌で30分以上もスタンドのファンにサインをしていた指揮官だったが、試合が始まると勝負師の顔に一変する。70歳を迎え、いまなお血気盛んだ。 その将の闘志がチームに乗り移った。退場直後の七回には、山崎の暴投に、三走・後藤が本塁へ好走塁し同点。九回には「監督がみんなにファイトを見せてくれた」と言うガルシアが10号決勝弾を放った。 3連勝で3位を守った。「選手がいいプレーしてくれた。オレが退場しても大丈夫や」。最後は、信頼できる選手たちをねぎらった。
2005年07月11日
楽天が初の同一カード4連勝!山村6回無失点2勝目 (パ・リーグ、日本ハム2-4楽天、9回戦、日本ハム5勝4敗、16日、札幌ドーム)楽天にまた“新”記録の誕生だ。初の同一カード4連勝。球団史1ページに名を刻んだのは5月25日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となる2勝目を挙げた山村だ。 「ビジターの札幌でも、一生懸命応援してくれた楽天ファンの声援に後押しされました。新記録にかかわることができてうれしいです」 先発6回を3安打無失点の好投。復活を遂げたその裏には世界を相手に戦う“同級生”の奮闘が大きな刺激になっていた。 サッカー日本代表のキャプテンを務めるDF宮本恒靖(ガンバ大坂)とは5年来の交流がある。 6月8日。北朝鮮を倒してW杯への出場を決めた翌日、タイからの帰国を待ってお祝いメールを送った。そして、宮本からの返信の最後に記された文字がうれしかった。 「“ありがとう。これからもお互いに頑張ろうぜ!”って。いつもそういう感じで励ましあっているんですよ」 投手陣上昇気流に山村も加わった。交流戦後の成績は9勝8敗の貯金『1』。楽天が北の大地から北斗星の輝きだ。
2005年07月10日
ヒルマン監督が一回の拙攻を悔やむ…今季最多借金12 (パ・リーグ、日本ハム2-4楽天、9回戦、日本ハム5勝4敗、16日、札幌ドーム)最下位チームに4連敗。ヒルマン監督は疲労感を隠せず「あそこで打っていれば」と一回の拙攻を悔やんだ。山村の連続四球で無死一、二塁の好機を得たが、小笠原、セギノール、新庄がそろって凡退。これで山村を落ち着かせ、六回の降板まで0点に封じられた。借金は今季最多に並ぶ12に膨らみ、敗戦後のベンチでは選手らがぼうぜんとグラウンドを見つめていた。
2005年07月09日
ヤクルト・青木が首位打者に…多村の規定打席不足で (セ・リーグ、中日5-1ヤクルト、10回戦、中日7勝3敗、16日、福井)青木が3打数1安打で打率.332をキープし、リーグ首位打者に立った。打率トップ(.344)だった多村(横浜)が欠場中で規定打席に足りなくなったためだが、「1番になるのはうれしいこと。まだシーズン前半なので、この調子を持続できるようにしたい」。八回に山本昌から打った右翼フェンス直撃の二塁打には「スライダーを待ってました」としてやったりの表情だった。
2005年07月08日
【楽天4-2日本ハム】ヒヤヒヤの2勝目だった。2点差に迫られ、なおも9回2死二、三塁。守護神・福盛が代打・アルモンテを空振り三振に抑えると、6回を無失点に封じた山村は、ベンチの最後部からグラウンドに飛び出した。 「最後はヒヤヒヤだったけどうれしい。チームがいい流れだったのでゲームをつくることを考えていた」。ヒーローインタビューのマイクのスイッチが入っておらず、2度も返答するハプニングにもムッとした表情はない。5月25日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、実に約2カ月ぶりの勝利。日本ハム戦4連勝に貢献しただけに喜びも格別だった。 球団初の完封勝利こそ逃したが、7月は6勝4敗1分けと“貯金生活”を続ける。田尾監督の「最近は(祝福の)メールもこなくなったよ」という嘆きは、喜びの裏返しだ。 ≪礒部 1000試合出場≫選手会長の礒部が通算1000試合出場を達成した。今季は左ひざ痛や右肩痛に悩まされたが、この日の1安打を含めてここ5試合では打率・368と好調だ。近鉄時代の97年4月9日のロッテ戦(大阪ドーム)で初出場を果たし、プロ野球403人目の記録になったが「勝ってよかった。最後は福盛の独り舞台でしたね」とチームの勝利を喜んだ。 <日本ハム 楽天戦4連敗、借金も12に>楽天を相手に初の零敗を逃れるのがやっと。これで楽天戦は4連敗。借金も今季ワーストタイの12まで膨らんだ。試合後のヒルマン監督の会見は、采配に関する質問に終始。2点差の9回2死二、三塁、右の福盛に対して左の坪井ではなく、不振の右打者アルモンテを代打起用した理由を問われた指揮官は「一発を秘めているし、出塁率もいい。結果が出なかっただけ」と擁護していた。 ≪ダル 釧路で後半戦初先発へ≫ダルビッシュの後半戦初登板が、釧路市民球場での30日オリックス戦に内定した。同球場はプロ野球で使用する球場で日本最東端に位置し、夏場でも最高気温が20度を下回る寒冷な地域。本人は「まだ聞いていないから、よく分からないです」と淡々と話したが、“お寒い”チーム状況打破へ熱投で盛り上げる。次回登板は19日ロッテ戦(札幌ドーム)の予定。
2005年07月07日
【中日5-1ヤクルト】山本昌は昨年4月以来の完封こそならなかったが7回1/3を5安打1失点。6勝目をチームの3連勝につなげ「早い回に点を取ってもらってリズムに乗れた。完封はしたかったけど駄目だったね」と苦笑いだ。初回2死一、二塁で鈴木を三邪飛に打ち取りリズムに乗った。ここ8試合で最多失点が3。落合監督も「ピッチャーのいい流れが、こう(いう試合に)させているんだ」と満足そうだった。 <ヤクルト 古田復帰も黒星>左足首捻挫の古田が5日の阪神戦(甲子園)以来11日ぶりに復帰したが、打線は散発6安打の1点止まり。自身も3打数無安打で復帰戦を白星で飾れず「残念な結果になりました」。7月は10試合で3勝7敗で、借金2の4位。若松監督は「打線が湿っている。調子のいいリグスをどこで使うかだなあ」と打線の組み替えを示唆。唯一の光明は、青木が・332で打率トップに立ったことだけだった。
2005年07月06日
【巨人2-0横浜】巨人が来季へのスタートを切った。巨人は16日、横浜戦の6回に清原が先制タイムリーを放ち、先発のマレンから林、久保とつなぐ完封リレーで辛勝。自力V消滅を阻止した。だが、その一方で仁志(33)に代わって川中(31)を起用するなど、来季をにらんだ新オーダーへのシフトチェンジに着手した。 堀内監督は、恒例の試合後の会見を今季初めて拒否した。駐車場に続く通路を足早に進み、視線は落としたまま。追いすがる報道陣を両手で制し、そして吐き捨てた。 「ありません。何もありません。(会見は)やりませんから。終わりましたから。君たちとの話は」 滝鼻オーナー、渡辺球団会長、読売新聞グループ本社・内山社長の3トップが観戦した前夜。視察に関する質問に「野球の話以外をするなら(会見は)やらない」と一方的に会見を打ち切ったのが伏線だったが、理由はそれだけではなかった。 巨人●、阪神○で自力Vが消滅する崖っ縁。だが、この試合で首脳陣は不可解な選手起用に打って出た。腰痛から復帰後5試合連続で先発出場していた仁志に代え、突如、川中を8番・二塁に抜てきしたのだ。テレビのインタビューで堀内監督は「腰がよくないから」と説明。だが、仁志本人はチームメートに「腰は別に痛くない」と話し、ぶ然としていたという。 ここにきて読売グループ内では粛正への動きが一気に加速。この日も滝鼻オーナー、渡辺会長、内山社長の3トップが“土曜出勤”し本社で顔を合わせた。現場に来季を見据えた選手起用への方針転換を命じた可能性は十分考えられる。 そんな中で6回に清原が中前先制打。完封リレーもズバリ決まった。川中も8回に2点目となる適時二塁打に好守と活躍。皮肉にも戦略変更が好ゲームを演出した。試合後は斉藤に代わり、スピードのある鈴木の昇格も決定。今後は若手起用により拍車がかかりそうだ。 「勝ち続けないといけない。そんな気持ちでやっています」とテレビカメラに語った直後の指揮官の会見拒否。快勝の裏で、来季へのシフトチェンジは進んでいる。 ≪清原粘ってV打≫清原が値千金の決勝打を放った。0―0で迎えた6回1死一、二塁で、5球連続ファウルの後に中前適時打。打率は2割台前半に低迷しているが、ここ一番で勝負強さを発揮した。お立ち台では「チームが連敗していたので勝ちたい一心でした」と笑みを振りまいた。ただ「負ければ自力Vがなくなる可能性もあったが?」という質問には「意味がよう分からん」と多くを語らなかった。 ≪マレン、林、久保完封リレー≫マレン、林、久保が完封リレーを決めた。先発のマレンが7回を3安打無失点に抑えると、8回の林、最終回の久保もきっちりと3者凡退に抑え、連敗ストップに貢献した。マレンは東京ドームで6試合に登板して無傷の5勝目。すべての白星を本拠地で挙げているが「マウンドに上がるときは、いつもチームの勝利に貢献するだけ」とクールに話していた。 ≪上原 登板延期≫上原が右ひざ外側の打撲の影響で登板間隔を空けることになった。12日の中日戦(札幌ドーム)で打球が直撃した右ひざについて「まだ腫れがあるからね」と説明。中5日で18日のヤクルト戦(神宮)に先発予定だったが、大事を取り19日以降に変更された。この日、1軍に合流した野間口が17日、マレンに代わり出場選手登録され、18日に先発する。 <横浜 龍太郎痛恨の1球>先発の龍太郎が1球に泣いた。6回1死一、二塁から清原に甘く入ったスライダーを決勝の中前打。6回1失点の内容ながら3敗目を喫し「ストライクからボールにしないといけない球だった。反省です」と悔しがった。打線は散発3安打に終わり今季5度目の零敗。連勝が5で止まり、牛島監督は「龍太郎はトータルではよかった。こんな展開もある。しゃあないです」とサバサバしていた。 <多村 練習試合で安打>自損事故による左肩痛と左目打撲のため2軍調整中の多村が、シダックスとの練習試合(横須賀)に3番・中堅で先発出場。5回の守備で交代したが、初回1死三塁から中前適時打を放つなど、2打数1安打1打点だった。6月18日の楽天戦以来となる実戦に「打席に入れたことだけでもうれしかった。うまく打てた」とホッとした表情。1軍復帰については「1日でも早く上がってベイスターズの力になりたい」と話していた。
2005年07月05日
ソフトバンク・城島健司捕手(29)が最悪の場合、球宴(22日インボイス西武、23日甲子園)の出場辞退を余儀なくされる可能性が出てきた。同捕手は12日の日本ハム戦(東京ドーム)の守備で右肩を強打。痛みを押して出場してきたが16日の西武戦(ヤフードーム)の先発から外れた。8回には代打で出場し、敬遠四球で出塁したが「ボールを離す前から痛みが出る。状況はよくない」(城島)という状態。17日には福岡市内の病院で精密検査を受ける予定だ。 球宴の出場を辞退すれば、後半戦開始10試合は出場できない。チームにとっては大きな戦力ダウンとなるだけに、慎重に状態を見極めるが、前半戦残り試合は出場を見合わせることになりそう。検査結果次第では出場選手登録抹消、球宴辞退となるケースもある。 ≪ズレータ 好機に凡退≫1点差で敗れた王監督は「打線がつながらなかった」と、11安打で2得点しか奪えなかった効率の悪さを敗因に挙げた。攻守の要の城島が先発を外れ、代わってズレータを5番に。しかしズレータは、5打席すべて走者を置いた場面で凡退。指揮官は「(城島がいるのといないのでは)全然違う。まあ、いないのを言ってもしようがないけど」と嘆いていた。
2005年07月04日
【オリックス2-1ロッテ】指揮官の怒りが打球を運んだ。9回2死、仰木監督の退場で闘志を燃やしたガルシアが、薮田からバックスクリーンへ決勝10号ソロ。波乱の一戦を逆転で制し、3連勝で3位をキープした。「あの時点でセーフかアウトかは大きい。監督がみんなにファイトを見せてくれたからね」 問題の場面は0―1の7回だ。1死二、三塁からサイモンの遊ゴロで三走・谷が本塁へ突入。捕手の背後に回り込んでベースタッチしたかに見えたが、判定はアウト。ここでベンチを飛び出したのが仰木監督だった。山崎球審は暴言があったとして退場を宣告。再開後に暴投で追いつき、結果的に勝利したが、指揮官の怒りは収まらなかった。 「セーフは間違いない。もし、罰金の処分が来てもオレは払わんぞ。罰金が来たら連盟の会長も事務局長も退場や。ミスは認め合わんとアカン」 6月4日の広島戦に続いて今季2度目、通算7度目の退場処分は自身の持つ史上最年長記録も更新した。70歳にしてまだまだ血気盛んな指揮官。逆転勝ちの要因は間違いなくその闘志だった。 <ロッテ 里崎守り切れず>天国から地獄に落ちた。1―0の7回1死二、三塁でサイモンの遊ゴロを小坂が本塁送球。捕手の里崎は追いタッチにも見えたがアウトと判定された。だが続く代打・北川の場面で3番手・山崎の3球目を里崎が左後方にはじき同点に(記録は暴投)。9回に4番手・薮田がガルシアに決勝ソロを被弾し、バレンタイン監督は「キャッチャーが捕り損ねて守り切れなくて残念」と悔しがった。 ≪黒木 8月に登板も≫黒木が8月にも今季初登板する可能性が高まった。昨オフに右ひじを手術し3月からイースタン戦に登板。10日のインボイス戦では7回無失点と好投した。好調だった先発陣も疲労が見え始め「後半戦から休ませながらやっていきたい」と井上投手コーチ。代役として黒木と加藤を候補に挙げ「黒木はあと2、3回、7イニングをコンスタントに投げられれば」と1軍昇格への条件を示した。
2005年07月03日
【西武3-2ソフトバンク】勝つために投げる。シンプル・イズ・ベスト。ベテラン西口が7回10安打も2失点の“お手本投球”でハーラートップタイの12勝目をマークした。 「初回はどうなるかと思ったけど2回以降は腕も振れたし、開き直れた。連敗はしたくなかったからね」。ひょうひょうとした表情はいつもの通りだ。立ち上がりいきなり4連打で2失点。2回以降も走者を背負うが得点は許さなかった。4回2死満塁のピンチでは「本当の全力で投げた」と150キロ近い速球を連発してバティスタを空振り三振斬り。132球の粘投でチームの連敗を止めるとともに自身6連勝。「オツ(西口)は今、投手陣で一番信頼できる。よく粘ってくれた」と伊東監督も絶賛した。 「プレーオフとか言ってる時期でも立場でもない。1勝、1勝ですよ」。パ・リーグ現役最多勝右腕の言葉には重みがあった。
2005年07月02日
【阪神5-2広島】2点リードで迎えた4回。先頭の嶋に右前打を許すと、杉山はバックスクリーンを振り返り、大きく息を吐いた。「頑張れ!」。どこかで友の声が聞こえた気がした。新井を内角の143キロ直球で三ゴロ併殺に打ち取ると、小さく拳を握った。 「初めから飛ばしていこうと思った。内角をうまく使って、詰まらせることができたのが大きかった」。7回を4安打1失点で今季5勝目。杉山には特別な白星だった。 突然の悲報だった。今月4日の午後、龍谷大のチームメートで大親友の中村圭悟さん(享年24)が白血病のため他界した。東舞鶴時代には3年夏の京都府大会で当時、大谷のエースだった中村さんと投げ合い甲子園への道を断たれた。大学進学後はエースの座を争い、お互いに実力を認める良きライバルであり、良き友だった。 「いつも逆に勇気をもらっていたのに僕は何もできんかった。だからどうしても勝ちたかった。圭悟にウイニングボールを渡したかった」。手向けの1勝はチームにとっても貯金を20の大台に乗せる白星になった。 「先発がリズムよく投げて守り勝っているという印象が強いな」と岡田監督も大きな勝利にうなずいた。「もっと白星を重ねていきたい。目標は2ケタ勝利です」。きっぱりと言い切った杉山の目に涙はなかった。 ≪プレーオフ制度 星野SD“支持”≫阪神の星野仙一SD(58)が16日、ワイルドカードを加えたセ、パ両リーグのプレーオフ制度を推進する考えを示した。巨人―横浜戦のNHK解説として放送中、構造改革に言及。私見として「セもプレーオフを導入したらどうか。ワイルドカードを加え、ワールドシリーズを目指す大リーグのような」と語った。前後期優勝にワイルドカード(優勝チームを除く年間最高勝率)を加えたセ、パ計6チームの拡大プレーオフ案はワーキンググループが提案し、継続審議中。横浜が積極的で巨人も賛成。阪神、中日は反対している。 ≪今岡 最多83打点≫今岡が5回無死満塁で右犠飛。昨年つくった自己最多の83打点に並んだ。小山田の外角高めのボール気味の直球を振り切って右へ。セの打点王らしい確実な打撃を見せたが「ああいうところで簡単に犠牲フライを打てるようにならないといけない」と人ごとのようなコメント。自己最多打点についての質問には首を左右に振っただけで、まるで関心がないようだった。 <広島 5連敗…新井がブレーキ>泥沼の5連敗。そんなチーム状態を象徴しているのが4番・新井の不振だ。この5試合22打席ノーヒットで「新井がおかしくなっているので(打線が)つながらん」と山本監督も深刻な口ぶり。新井も責任を痛感しているようで「フォームがどうこうじゃない。あしたやるしかない」と苦しい言葉を絞り出した。
2005年07月01日
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