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【ソフトバンク12―7広島】主役が打てば強い。ソフトバンクの松中と城島の「MJ砲」が勝利に導いた。まずは松中だ。3回無死一塁でロマノのスライダーを右中間席中段へ。「甘く来た球を見逃さずに打てた。調子はだいぶ上がってきている」。左肩に違和感を訴え、調整遅れが心配されていたが、打撃に関しては心配なさそうだ。 そして6回に続いたのが城島だった。2死走者なしから長谷川のシュートを左翼ポール際に運び「打球が切れずにフェアゾーンに運べたのが収穫。次につながる一打」と3試合ぶりの2号ソロに笑みをこぼした。MJ砲がともに火を噴いたのは昨年6月27日の近鉄戦(大阪ドーム)以来。2人に一発が出た試合は公式戦では15連勝中だ。 オープン戦でともに打率が2割台と調子が上がらないバティスタ、カブレラの両外国人は福岡で居残り調整。開幕までに調子が上がらなければ、ともに先発メンバーから外れざるを得ないケースも想定できる。それだけに王監督は「寒い中、みんな頑張った。ホームランも3本出たし。力のある選手(松中、城島)は、開幕が近づくとやってくれる」と冗舌だ。 指揮官は、この広島戦から「本番態勢」を強調していた。雪が降る悪コンディションながらMJ砲に触発されて、4回に大量7点を挙げるなどオープン戦11試合目で初めて2ケタ12得点と爆発。城島は「外国人が頑張っても頑張らなくても、僕らは頑張る」と力強かった。 ≪開幕候補 反省しきり≫開幕投手の有力候補のソフトバンク・斉藤は初回、嶋に手痛い2号3ランを浴びた。2回にも失点して4失点。ともに2回に得点を与えた過去2度の登板と同様、立ち上がりの投球に課題を残した。真っすぐの切れがいまひとつ。それでも、3回以降は立ち直っただけに「もうちょっと慎重にいかないと」と反省しきり。王監督は「カズミ(斉藤)はズルズルといかなかったからね。安定感?そうだね」とまずまずの評価だった
2005年02月28日
26日、沖縄・北谷球場で行われる予定だった中日-横浜のオープン戦は、開始2時間前に降り出した雨のために中止となった。中日はこれで、紅白戦、練習試合を含めて6試合が中止となった。消化できたのは、紅白戦1試合と韓国LGとの練習試合を4回まで。実戦不足は明らかだ。投手の登板予定スケジュールは変更を余儀なくされ、登板機会が減る一方の新人投手たちは嘆いた。27日の日本ハム戦(名護)が″仕切り直し“の中日05年オープン戦第1戦になった。 ◆新人4人ガックリ 竜のルーキー投手陣は、いつになったらプロとしての初マウンドを踏めるのだろうか。この日、登板予定だった金剛(日本通運)、石井(三菱重工横浜ク)、中田(北九州市大)、鈴木(中部大)の新人4人は降雨中止でマウンドに上がる機会を失った。28日は東京でプロ野球12球団の新人研修があるため、新人たちは27日に沖縄を離れる。このため27日の日本ハム戦(名護)はベンチにも入れない。 金剛はうなだれていた。17日の紅白戦、20、24日の練習試合、そして、この日も…。4度、雨に意地悪されて、試合で投げることができなかった。「僕が雨男なんです。すみません」。帝京高時代、大事な試合になると雨に見舞われた記憶がある。 この日、登板予定だった新人4人の次なるマウンドは3月1日以降の福岡ヤフー・ジャパンドームに決定。初戦か2戦目かは未定だが、ドームだから雨に関係なく投げられるのは間違いない。 この新人たちは、研修終了後の28日夜に東京から空路、福岡入りだから、厳しい移動スケジュールにはなる。それでも鈴木は「投げられるのなら何でもします」と必死。石井も「調整は難しいけど、ここで故障しないように」と次なるマウンドに向けての調整法に頭をめぐらせる。 お預け状態のプロでの初実戦。緊張感で心身の疲労は蓄積しているが、中田は「試合が少ない分、1回1回を集中しないと次はないかも。とにかく早く投げたいです」と集中力を切らさない。とにかく、マウンドへ。
2005年02月27日
【日本ハム0―0中日】日本ハム・立石には秘めた闘志があった。7回、先頭のルーキー・鎌田を直球で空振り三振に片付けると、続く森岡を直球で、大友をスライダーで空振り三振に切って落とした。さらに圧巻は8回だ。井上、沢井を直球、スライダーでいずれも3球三振。観客席のどよめきは、中村公の見逃し三振で全26球、6者連続の三振ショーが終結した時に大歓声に変わった。 「逆球が多かったけど、結果オーライ。カーブでストライクが入ったので組み立てられた。こんなのは野球人生で初めてです」 昨季は谷間の先発も含めて4勝を挙げたものの、あくまで中継ぎやロングリリーフが本職。地味にプロの世界を生き抜いてきた今年35歳のサイドスロー右腕は、照れることしきりだ。9日には昨年の最優秀中継ぎ投手・建山が左太腿裏の肉離れにより開幕1軍が絶望的となった。立石は前日11日に急きょ、千葉・鎌ケ谷から名古屋にいる1軍に呼ばれた。13日は横浜戦が控えており、1泊2日の緊急テストだった。 キャンプ、オープン戦を含めて今年初めて1軍に合流。即アピールが義務付けられていた登板で「メチャメチャ緊張しました」と振り返ったが、ひそかな野望があったのも事実だ。捕手の山田には「結果が残せるような配球をお願いします」と懇願。最速142キロの直球を生かして“三振狙い”の強気の配球が自分でも驚くほどの投球に結びついた。 ヒルマン監督は「打者に不利な寒い天候を差し引いても、特筆すべき内容。立石が候補の1人であることは間違いない」と評価を改めた。投壊危機の救世主は、意外に身近なところにいた。 ≪山井先発入りに前進≫ゴーグルタイプのサングラスがトレードマークの中日・山井が5回を3安打無失点。3試合を投げ、11回1失点で先発入りを引き寄せた。「まだまだだけど、投げたいところにはしっかりと投げられた」と確かな手応えをつかんだ様子。4回1死一塁では木元を課題のシュートで遊ゴロ併殺。「狙って取れた」と自画自賛したが「ほかの投手もいい投球をしているので負けないようにしたい」と負けん気をあらわにした。
2005年02月26日
プロ野球の新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の本拠地開幕3連戦(4月1~3日)に「モーニング娘。」が応援に駆けつけることになった。初日は全員でフルキャストスタジアム宮城での開幕セレモニーに参加し、公式応援歌「THEマンパワー!!!」を披露。2、3日目はメンバー11人が3班に分かれ、他の東北5県で開かれるパブリックビューイングを訪れて会場を盛り上げる。 「モーニング娘。」のイレブンが“開幕3連投”で楽天ナインを盛り上げる。フルキャストスタジアム宮城で開幕ゲームが行われるのは、4月1日からの3日間。相手は日本一の西武ライオンズだ。 まず、1日の開幕戦で試合前に開かれるオープニングセレモニーに、メンバー11人全員で参加。公式応援歌の「THEマンパワー!!!」を2万3000人の大観衆の前で歌う。モーニング娘。にとってはこれまでで最大級規模の観衆となる。 ナイトゲームをしばらくスタンドで観戦した後、試合を巨大ビジョンで生中継するパブリックビューイングの会場「ZEPP SENDAI」に急行。スタンドでの興奮を伝えながら、地元ファンと一緒に応援する。 翌日からのデーゲームでは、メンバーを3班に分けて、他の東北5県で開催されるパブリックビューイングの会場を訪問。2日はいわき市常磐市民会館、盛岡市民文化ホール、秋田児童会館に登場。3日は郡山市民文化センター、青森市民文化会館に加え、山形県野球場で行われる2軍のファン交流イベントにゲスト出演する。 パブリックビューイングの各会場では試合観戦だけでなく、楽天イーグルスのグッズの抽選会なども行う。入場料は1000円。13日午前10時からチケットを発売する。リーダーの矢口真里(22)は「楽天イーグルスの歴史的な3試合。モーニング娘。も球場と各会場で精いっぱい応援します。皆さんも私たちと一緒にイーグルスを応援しましょう!」と早くも熱くなっている。
2005年02月25日
楽天、あるぞOP戦優勝関川効果 美技だ!ダイブだ!ハッスルだ! 楽天がまた勝った。投手戦を制し、中日に連勝。戦績も3勝1敗として、この勢いが続けば、オープン戦優勝も夢ではない。 ハッスル野球-これが楽天野球のキーワード。火を付けたのは、ヘッドスライディング男・ベテラン関川浩一外野手(35)だ。初回、先頭で三塁前にバントすると、一塁へ無謀な?ダイブ。アウトになったが、中日ベンチもこの気迫には圧倒されたのではないか。 関川はその裏の守備でも、谷繁の左翼への飛球をフェンスに激突しながらの超美技。楽天ナインにもこの魂のプレーが伝染した。呼応したのが、ベテラン大島公一内野手(37)。3回、二塁内野安打で一塁にダイブ。このあと、関川が左中間に先制適時二塁打。 「レギュラー争いが熾(し)烈で、気の抜けたプレーができない」と大島。関川は「名古屋のファンの声が温かく、うれしかった。もっと期待に応えられるよう、これからも頑張る」とまくし立てた。 この日の楽天は美技のオンパレード。二塁手・大島は華麗な逆シングルのグラブトスで併殺を完成させたかと思ったら、一、二塁間の安打性のゴロも横っ跳びで好捕し、アウトに。遊撃手の斉藤も美技を見せた。 「関川のプレーには、感じるものがある。ほかの選手にもマネしてほしい。連勝? ボクは最初から、ウチは他球団と対等に戦えると思ってたから」と田尾監督。楽天の「一生懸命野球」が、旋風を巻き起こしそうな気配だ。
2005年02月24日
関川、恩返しダイブ田尾監督、古巣中日にも勝っちゃった シーズン100敗するという悪評を吹き飛ばす強さだ。新規参入球団の楽天が、巨人に続いて、昨年のセ・リーグ覇者である中日にも快勝だ。 「元中日の選手が多いから、その連中を出してあげたかった」と田尾安志監督(51)。中日のホーム球場であるナゴヤドームでの試合。温情も込めて、この日の先発メンバーには、かつて中日に在籍した選手3人を起用。そこで期待に応えたのが、「1番・左翼手」の関川浩一外野手(35)だ。5回の先頭打者。かつてのチームメート川上から右中間を抜く打球を放つと、快足を飛ばして三塁へ。最後は得意のヘッドスライディングも決めると、地鳴りのような歓声で、球場全体がどっと沸いた。中日のキーマンとしてリーグ優勝した99年当時をほうふつとさせる雄姿だった。 「(古巣中日の)ファンに元気な姿を見せたかったからね」と、関川は興奮気味に振り返った。勝ち越しにつながる三塁打に楽天打線は一気に奮い立ち、6回の大量点につなげた。田尾監督は「あの一打がなかったらズルズルいっていたな」と、快勝のキーポイントに挙げた。この日は2安打を含む出塁3度で2得点。楽天打線の起爆剤となった。 昨季、関川の1軍出場はわずかに12試合。中日の戦力構想から外れ、無償トレードで楽天にやってきた。「自分は生き残るための勝負をしている」。新天地で迎えた15年目のシーズンを、シビアに見詰めている。 セ、パ交流戦で楽天は中日と6試合対戦する。「本番(交流戦)ではブーイングが聞こえるくらいの活躍をしてみせますよ」と、関川は力強い言葉を口にした。10-5の大勝。古巣からうれしい1勝をもぎ取った中日OBの田尾監督は「1つ勝ったのは、何よりの薬だよ」とニンマリ。楽天は、侮れないチームになりつつある。
2005年02月23日
ロッテ・山北、中継ぎ候補に浮上オリックス打線を1イニングゼロ封 代打攻勢にも、ピンチにも動じなかった。昨年オフ、中日から清水将との交換トレードでロッテへ移籍した山北茂利投手(27)。初登板は7回のマウンド。1イニングを1安打の無失点に抑え、左腕のセットアッパー候補へ名乗りを上げた。 「パ・リーグに移籍して、楽しみたいと思うけど楽しめない。ボクは結果にこだわらないといけない立場。結果を残さないといけないプレッシャーがあります」 失敗は許されない。そんな切迫した思いが投球にこもる。左打者が並ぶはずの打順で登板。そこへオリックスは右打者を送り込んでくる。1死から塩崎に左中間へ二塁打されたが、ホープの大西を中飛、迎を詰まらせて二直。失点を防いだ。 「着実に開幕への準備はできている」とはボビー・バレンタイン監督(54)の総評。そのなかに山北も当然、入っている。ただ、山北は「きょうはまあまあ」と苦笑した。最速は138キロ。真っすぐの威力にまだ物足りなさを自覚するからだ。 あこがれの投手はメジャーの豪腕ランディ・ジョンソン。昨年までグラブには「らんでぃ」の刺しゅう。その文字が今のグラブから消えていた。「あれはセ・リーグ用。やめました。大人になったんです」。複雑な思いが交錯したトレードを経験し、思考を変えた。
2005年02月22日
憲伸、4日ナゴヤ初陣晴れ晴れ127球締め 中日のエース・川上憲伸投手(29)が、4日のナゴヤドームでのオープン戦初戦となる楽天戦で初登板する。1日、沖縄・北谷球場のブルペンで127球の投げ納めをした川上は「充実したキャンプでした。これから実戦で仕上げていきます」と語り、開幕に向け、変化球の精度を上げることなどを課題に挙げた。 久しぶりに日の光が差し込んだブルペンで、川上が躍動した。打席に立った谷繁を相手に、ズバンズバンと直球を投げ込む。「えー! 今のはストライクでしょう?」。時には笑顔を見せながら、絶叫した。順調な仕上がりぶりを象徴するようなシーンだった。 「4日は先発? それは分かりませんが、変化球ではシュートを投げたいし、相手にファウルを打たせてカウントを取る球とか、打者が立たないと分からないところを、仕上げていきたいですね」。エースは、はっきりとオープン戦での目標を口にした。 満足のいくキャンプだった。多くの選手が苦しんだ連日の雨も「僕の肩づくりには影響なかった」とサラリ。中盤にできた右手のマメも「シーズン中に対処法が分かりますから」と意に介さなかった。そして、独特の言い回しで今の状態を表現してみせた。 「逆ピラミッドでいえば、下のとがったところの細かい部分ができた、という感じです。残り半分がすごく大きいんですけどね」。この1カ月でフォームの確認や直球の感触はつかんだ。その「細かい部分」は、細くとがっていても揺らぐことはない。あとは定めた目標をクリアしながら、逆ピラミッドを、上へ上へと大きく広げていく。 このオフは同僚との自主トレを取りやめ、年明けから米国に単身出向いた。「『誰も助けてはくれない』という、孤独を味わいたかった。そういうこともあって、キャンプは自分のペースでできたし、周りに影響されることはなかった。充実したキャンプでした」。シナリオ通りのキャンプを過ごした川上が4日、その勇姿を竜党に見せつける。
2005年02月21日
巨人開幕戦 安藤美姫が始球式フィギュアの女王に白羽の矢 フィギュアスケートの安藤美姫選手(17)=中京大中京高2年=が、4月1日の広島との開幕戦(東京ドーム)の始球式マウンドに立つことが1日明らかになった。 安藤は「ミキティ」の愛称で、いま注目度ナンバーワンのニューヒロイン。世界でただ一人、4回転ジャンプを3度も成功させ、2006年トリノ冬季五輪の金メダルの有力候補のスーパー美少女選手だ。全日本スケート連盟には各メディアから取材依頼が殺到するなど人気も沸騰しており、視聴率が低迷するなど人気にかげりが見られる巨人が、この“旬”な選手に白羽の矢を立てた。安藤は乗り気で、巨人のユニホームをモチーフにした始球式用のコスチュームの製作にも動き出し、スケート練習の合間にキャッチボールの練習も開始しているという。 巨人の始球式は過去、安室奈美恵、川原亜矢子、優香、菊川怜などアイドルタレント路線で進めてきたが、スポーツ界のヒロインの抜てきは初。東京ドームのマウンドでどんなピッチングを披露するのか…。氷の上と、土の上では勝手も違うだろうが、開幕投手を務める上原の投球以上に(?)安藤のピッチングに熱視線が注がれるかもしれない。
2005年02月20日
中田、あす故郷・福岡で実戦デビュー開幕1軍へ3冠王斬りだ 中日のドラフト2巡目ルーキー・中田賢一投手(22)=北九州市大=が3冠王斬(ぎ)りに挑む。1日からの福岡ソフトバンクホークスとのオープン戦2連戦(ヤフードーム)で実戦デビュー。北九州市生まれの中田にとっては地元への凱旋(がいせん)。2日の登板が濃厚だ。満員の敵地で、04年の3冠王&パ・リーグMVPの松中信彦内野手(31)ら超強力打線相手に真っ向勝負へ。中田は2月28日、東京都内で新人研修を受けた後、福岡入りした。 実戦登板を何度もフイにした沖縄の雨に、少しは感謝したくなった。首を長くして待ってきたデビュー戦は、予想していなかった地元・ヤフードーム。学生時代に上がったマウンドの感触は今も覚えている。「地元登板ですか? 早くも、って感じですね。楽しみです」。中田はニコニコと白い歯をみせた。 昨秋、中日にドラフト指名された直後からの念願だった。今季からペナントレース公式戦にセ・パ交流戦が導入されたこともあり、開幕から1軍に定着し、5月の交流戦でのソフトバンク戦をひそかに楽しみにしていた。それが2カ月も早く実現する。しかも、本来ならば、すでに沖縄で練習試合やオープン戦のマウンドに立っていたはず。実戦未経験のルーキーに、最高の舞台が用意された。 ソフトバンクの売り物は何と言っても、昨季の3冠王・松中を擁する重量打線。「松中さんや城島さんに投げてみたい。球界を代表する打者ですから」。優しい笑顔からは想像しづらいが、実は「自分に限界をつくりたくない」と常に口にする負けん気の持ち主。たとえ相手が3冠王男でも、逃げることなく、正々堂々と向かっていく。 ソフトバンクに買収される前のダイエーが、中田獲得に動いたことがある。周囲に地元球団への入団を勧める声が、なかったわけではない。しかし、本人は大学1年の冬から見守ってくれた中日スカウト陣の熱意に心を強く打たれ、入団するチームを中日1本に絞った。ソフトバンクとは、そんな縁もある。 地元への凱旋とあって、家族や友人も見に来るという。しかし、カッコいいところを見せようなんて気持ちはサラサラない。「もうチャンスは少ないじゃないですか? 登板は1イニングか2イニングだと思いますけど、しっかりと抑えたいですね」。開幕1軍切符を勝ち取るための第一関門。右の本格派・中田がいよいよそのベールを脱ぐ。
2005年02月19日
ドミンゴ「3本柱らしい投球する!!」ホークスとの交流戦へ先制パンチだ 中日は1日から、福岡でソフトバンクとのオープン戦(ヤフードーム)2連戦に臨む。初戦の先発はドミンゴ・グスマン投手(29)が有力だ。川上、山本昌とともに先発ローテの一角を担う右腕は28日、「3本柱の自覚はある。それに見合う投球をしたい」ときっぱり。交流戦で対戦するであろうパ・リーグの猛者に、オープン戦からその力を印象付ける。 自分の立場は分かっている。先発3本柱。ソフトバンクとのオープン戦初戦、ドミンゴが自覚に満ちた投球を披露する。 「3本柱? その自覚は自分にもある。マウンドに上がる時は、それに見合う投球をしなきゃいけないね」 昨季、10勝を挙げて優勝に貢献。今季もその右腕にかかる期待の高さは、本人も肌で感じ取っている。まして今季の初マウンドで対戦するのは松中、城島ら球界を代表する強打者をそろえ、交流戦でも大きな壁となるであろうソフトバンク。その豪腕ぶりを見せつけておけば、交流戦に向けての一大デモンストレーションにもつながる。 「交流戦のことはもちろん、考えている。ソフトバンクでもチェックしたい打者は当然いるよ」 侮り難しの印象を植え付けつつ、パ・リーグの猛者たちをマウンドでじかにチェック。今キャンプは後半に雨にたたられ「完ぺきに計画通りの調整ができたわけではない」が、汗をじっくり流すために室内練習場でたっぷり走り込んで体調の維持に努めてきた。 「キャンプの雨は予想外だったが、何とか調整はできていると思う。オープン戦でもいいところを見せたいね」 川上、山本昌に先駆けてマウンドに向かう。まずは3本柱の「豪腕担当」が、投手王国の実力をパの猛者たちに見せつける。
2005年02月18日
朝倉、ローテ獲るぞ!きょうオープン戦先発 中日のオープン戦開幕投手は、2年連続で朝倉健太投手(23)が務めることが25日、決まった。先発ローテーション入りを狙う6年目右腕は「内容よりとにかく結果にこだわりたい」と、意欲を見せた。 朝倉の表情が底抜けに明るい。この日は投球練習なし。ゴロ捕、陸上競技場でのダッシュなどで調整した2年連続の“オープン戦開幕投手”を報道陣が取り囲む。 「2年連続になりましたね。昨年はあの1試合で(シーズンが)ほとんど終わってしまったようなものですから。今回は(故障なく)ちゃんと迎えられますから。結果にとにかくこだわりたい」と、言葉に力を込める。 昨年はキャンプ中、フォームの固定に手間取り、肩痛も加わって、先発投手を務めた日本ハム戦は3イニング、打者16に対し四死球4、被安打2、失点1。落合監督から「追試だな」とばっさり切って捨てられた。 昨季途中で、こだわっていたすり足投法を捨て、オーソドックスな投球フォームに戻した。それがやっとしっくりいきだしたのが、このキャンプから。「昨年とは違うというところを見せたい。真っすぐ制球と変化球で取り組んできたことを試合で出したいですね」と自信を見せる。 第4の先発の座は当然意識している。それだけの力を持っているという自負もある。課題はやはり精神面。滑り出しの横浜戦で自信さえ取り戻せば、今季こそ「エース候補」から、候補の2文字が取れるかもしれない。
2005年02月17日
新球団の楽天が26日、初陣となった巨人とのオープン戦(大分)で4-3と鮮やかな逆転勝ちを飾った。たかがオープン戦とはいえ、大きな大きな1勝。分配ドラフト直後は「100敗もあり得る」とまで言われた“寄せ集め軍団”が、幸先いいスタートを切った。この日の開幕戦は、この試合を含めて3試合が行われ、オリックスが11-3と阪神に大勝、西武は9-7で広島を破った。 ◆最後は粘り勝ち 試合中に舞った小雪はやんでいた。歴史的勝利後の三塁ベンチ前、50人以上の報道陣に囲まれた田尾安志監督(51)は、強烈な西日を浴びながらニコリともせずに立っていた。 「相手のミスに乗じて勝ち越したのは収穫。選手にとっては、勝てて良かった。気勢が上がりますから。でも、サインミスもあった。満足度は50%かな」 浮かれてはいない。エラーをきっかけにつくった同点の9回2死一、三塁の好機で、川口が勝ち越し二塁内野安打。しかし、その前の無死一塁でヒットエンドランのサインを見逃した前田をヤリ玉に挙げることも忘れていなかった。 初陣ということもあって、多忙の三木谷オーナーも駆けつけた。1点を追う6回。未完の大砲・山下の逆転2ランが飛び出すと、三木谷オーナー、キーナートGM、島田球団社長らが陣取る記者席左隣の部屋から「ウォー!!」というけたたましい雄叫(たけ)びが上がり、それがなかなかやまなかった。 8回に一度は同点にされたが、最後は粘り勝ち。試合が終わると、島田球団社長は「勝ったあ…。メチャクチャうれしい」と顔をクシャクシャにしながら現れた。三木谷オーナーも「やったよお~。ドキドキしたよ。こんなに勝ち星にこだわったオープン戦はないね」と言いながら田尾監督に握手を求めた。 昨年11月の分配ドラフトで40人を獲得した際は「100敗もあり得る」とマスコミや評論家に酷評された。しかし、絶対エース岩隈を獲得、新外国人ロペスも4番として使えるメドが立ち、チームの幹もできつつある。「シーズン後、100敗すると言った人たちに“ザマアミロ”と言ってやりたい」とキーナートGM。田尾監督やナインも同じ思いである
2005年02月16日
【巨3―4楽】狙い澄ました一発だった。3回2死。巨人・高橋由はカウント0―3からの一場の直球にバットを合わせた。打球は左翼へ。強烈な風にも乗ってフェンスを軽々と越えた。オープン戦初戦でのチーム第1号。不安なし。大分のファンにそう強烈に印象付けた。 「速いですよ」。ベンチに戻るなり、高橋由は堀内監督らにそう告げた。同い年のライバルである中日・川上のように、相手は直球でグイグイ押してきた。1打席目は平凡な左飛。「2つとも差し込まれていた。初戦ということで力んでいたのかもしれないけど、指にかかっている球とそうでないのがあった。でもいい投手。暖かくなれば、もっといい球が来るはず」。そんな黄金ルーキーから放った一発は、プロの先輩としての“洗礼弾”だった。 この日は寒さの影響もあって指名打者として出場。昨年10月に手術した右ひじはまだ万全ではないが、打撃に関しては不安はどこにもない。キャンプでは指揮官が「いつやめるんだ」とあきれたほどの連日の居残り特打。最多で1日1400スイング以上を振り込んだ日もあった。軸足の左足に体重を残すフォーム固め。ボールを引きつけることができたからこその左方向へのアーチだった。 天候とひじの回復状態を見ながら、今後は右翼としての出場も増える。高橋由は着実に、春満開のその日に近づいている。 ≪堀内監督苦笑い≫まさかの白星献上に、堀内監督は「なかなかやる?そうだね。でも(勝敗は)どうでもいいじゃない。オープン戦なんだし。(キャンプで)実戦が足りなかったからしようがないけど…」と苦笑いだった。寒さのため主力組は早々と交代。しかし途中出場の若手選手に覇気がなく、指揮官は「元気がないしミスも多い。もうちょっとアピールするものがないと」と厳しい口調だった。
2005年02月15日
プロ野球のオープン戦が26日、各地で開幕し、大分では50年ぶりの新規参入球団・楽天が巨人を4―3で下した。楽天先発・一場靖弘投手(22=明大)は“プロ初球”に150キロをマークする鮮烈デビュー。一方、巨人・清原和博内野手(37)はその一場から左越え二塁打を放ち、圧倒的な存在感をあらためて示した。復活に懸ける男と、新たな世界に挑戦する男。2人の対決が大分に降った雪を溶かした。 【巨3―4楽】気温2・6度。野球の春を告げたのは粉雪だった。初回2死一塁。清原は燃えていた。初球145キロ、2球目144キロ。ボールになっても一場は強気だ。3球目146キロ。初めて振る。ファウル。力と力。野茂や伊良部を思い出した。カウント1―2。4球目はさらにスピードを増した148キロ。清原は思い切り叩いた。ラインドライブがかかった打球は左翼フェンスを直撃する。先制の適時二塁打。予告通り、直球勝負を挑んできた若者をねじ伏せた。 清原「いいピッチャーなんじゃない。スピードもあるし。そんなことよりも僕に対して真っすぐで勝負してくる心意気がいい」 1万3700人が新大分球場を埋め尽くした。清原が打席に立っただけで球場全体が盛り上がる。これがプロ野球。夢を現実に変え、真っ向勝負でスタンドをわかせた。 一場「テレビでしか見ていない人が打席にいるのでうれしかった。清原さんは体も違うし、ほかの打者と違って独特の雰囲気があった。自分の真っすぐがどこまで通用するか試したかった」 三回はスライダーを交え最後は142キロで三ゴロに打ち取った。さらに鮮烈な印象を与えたのは初回先頭の仁志に投じた初球150キロ。プロ初の対外試合で投げた初球は150キロだった。 一場「最初は力みから指に引っかかりがあったので150キロが出てもプラスにならない。2回以降はいい感じで投げられた。清原さんとはプロに入ったばかりのピッチャーと長年やっているバッターとの違い。打たれたけど2打席目は抑えられたし、いい経験になった」 昨年、プロ入り最低の成績に終わった清原は、球団から事実上の構想外を通告された。屈辱に耐え、残留を決意し「泥水を飲む覚悟」と言った。一方の一場は巨人に入団することができなかった。幼い頃からの巨人ファン。桑田にあこがれ、自由獲得枠で入団するはずだった。ところが、昨年8月に金銭授受問題が発覚。50年ぶりの新規参入球団に拾われた。春季キャンプ中にはこう言った。「もちろん巨人に入りたかった。でも、今では新しい球団に入ってよかったと思う」。そんな2人が導かれるようにオープン戦初戦で対決したのだ。 清原には苦い思い出がある。00年3月8日の阪神とのオープン戦。雪が舞う岐阜・長良川で走塁中に左太腿を肉離れし、開幕を初めて2軍で迎えた。この日も雪。かつての清原なら出場を免除された悪コンディションだが、今や立場は変わった。そして変わったのは立場だけではない。肉体も変化した。陸上短距離界の第一人者・高野進コーチと取り組んだ下半身強化の成果が出た。三ゴロの際には一塁に全力疾走。堀内監督を「あれだよ、あれ」と満足させた。 一場は20日の紅白戦で3回を2発を含む5失点。そんな中で昨年6月13日の全日本大学選手権2回戦で広島経済大相手に完全試合を達成した時のビデオを見て、体が開く悪癖を修正した。3回を4安打2失点は合格だった。 清原「野球の方は全く問題ないよ、オレは」 一場「甘さがあったけど、打者のウイークポイントを見つけていけばプロでやっていける」 真っ白な雪。それは2人の現在の心境を象徴していた。 ≪チキンパワーだ≫清原の先制打の陰にはチキンパワーがあった。キャンプ打ち上げ時に「全国の焼き鳥店を探したい」と宣言した通り、前夜(25日)の大分入り直後に、さっそく市内の焼き鳥店「鳥和」を訪問。小田、堀田との約40分の食事では、もも肉を中心に食べ、脂分は極力取らないようにした。ウーロン茶だけを飲みアルコールを控えるなど、体調管理に努めたという。
2005年02月14日
仰木監督笑顔の1勝 【オ11―3神】にぎやかで楽しい復帰戦だった。16安打11得点の快勝。オリックスの仰木監督は「展開がよかったし、それぞれの場面で選手が使えた。選手が違和感をなくしてくれた。ベンチで何もすることがなかったなあ」と言って笑った。 2回に日高の右中間2点三塁打で先制すると、打線が爆発。阪神のミスにつけ込み、集中打で得点を積み重ねた。合併球団の選手にとって何より自信になる勝ち方。先発し3回1失点と好投した山本省は「監督も負けたくないと言っていたし、いつもより気合が入りました」と話した。 常に意識してきた阪神相手の勝利。指揮官は「あと(オープン戦)4試合やるので選手は、どんどんアピールしてほしい」とあくまでも勝利を追求していく。2月26日。史上最高齢監督の歴史に、また新たなページが加えられた。 ≪岡田監督不機嫌≫新外国人や主力の今岡らも先発メンバーに名を連ねたオープン戦初戦だったが、収穫の少ない試合内容に阪神・岡田監督は終始、不機嫌だった。特に打ち込まれた杉山には「チャンス?もうあるかい!」と吐き捨て、ダーウィンには「ストライクが入らんかったら、どうしようもない。最初から5人目の外国人や」と一喝。送球や走塁でも細かいミスが目立ち、攻守が光ったオリックスとは対照的だった。
2005年02月13日
日本ハム・新庄の「始球打ち」が本拠地・札幌ドームで実現する可能性が出てきた。昨年の球宴でも見られた名物パフォーマンスだが、当然ながら日本ハムが先攻のビジターに限られてきた。オープン戦・ヤクルト戦(浦添)が中止になった26日、球団幹部は「打ってから中堅の守りにつくのもおもしろい。北海道のファンのため検討していきたい」と語った。 この日「1番・中堅」で先発予定の新庄は、始球式打ちで球春到来を告げるはずだった。しかし、日本ハムの浦添到着直後から雨粒が落ち始め、アップ中に早くも「きょうはやる気なし男ちゃん状態」と宣言。室内練習場では01年時にメッツで同僚だったヤクルトのゴンザレスと再会を喜び合うなどすっかりリラックスしていた。 始球式から本気の新庄を見てこそファンも沸く。幹部は「やるなら相手球団の了承をもらわないと」と実現の道を探っていく。
2005年02月12日
楽天・一場、ブルペンで170球も超制球難 楽天の久米島キャンプで10日、自由枠ルーキー・一場靖弘投手(22)=明大=がブルペンで約170球のプロ入り初の投げ込みを行った。だが、荒れ球ばかりで調子は今一つだった。 雨が降り、冷たい風が吹く。久米島の天気と同じように一場も荒れ模様だった。審判が付いて実戦を想定した熱投。しかし、お世辞にも快投とは言えない。リリースポイントが定まらず、2球といいボールが続かない。外角低めを狙ったストレートがことごとくシュート回転してしまう。 「意味のない投げ込みになってしまった。バランスが悪かった。投げていくうちにマイナスに考えて。これから、バランスを整えていきたい」と浮かぬ顔。この日は、プロのストライクゾーンを体感したが「プロはストライクゾーンが狭い。これから、慣れていかないと」と、戸惑いもチラリ。 大争奪戦の末に入団した逸材。実力はこんなものではないはずだ。「コントロール? あれで良いと言われたら困る」と田尾監督。19日に宮崎で行われる巨人との練習試合で登板予定だが、因縁浅からぬ相手に大物ぶりを見せるしかない。
2005年02月11日
巨人・ミセリ、ウイング投法 首脳陣悩殺虎007もイチコロ 巨人の新外国人ダン・ミセリ投手(34)が10日、宮崎キャンプに合流。ブルペンでは持ち前の剛速球と右目をつぶる“ウインク投法”を披露し、いきなり首脳陣を悩殺した。 ウインク一つでいちころか。巨人ブルペンに賛辞が響いた。阿波野投手コーチが「迫力満点。初日からあれだけのボールが投げられれば間違いない」と言えば、堀内監督も「いかついから不器用かと思ったけど、結構柔らかい。後ろで使うつもり」とニンマリ。すっかり魅了されたのか、早くも新守護神に指名してしまった。 この日のミセリは、ブルペンで71球を披露。外国人特有の揺れる直球に加え、カットボールやフォークなど多彩な変化球を投げ分けた。投げる時は100キロ超の巨体とは対照的に1球ごとに右目をつぶって狙いを定める愛嬌(あいきょう)たっぷりの“ウインク投法”。目を使った投球に、偵察に訪れていた阪神の井澤スコアラーは「制球がよさそう。あの制球力でスピードがあればいいんじゃないか」と警戒した。 かつて巨人で開幕投手を務めたこともあるガルベスは、投球時に舌をペロリと見せる“ベロ出し投法”で活躍した。ここ数年は外国人投手に恵まれなかった巨人だが「オレはメジャーで“ミサイル”と呼ばれていた。日本でもやれる自信はある」と豪語するウインク投法のミセリは脅威となる?
2005年02月10日
左打席で左へ1発 森、手応え十分 左翼のレギュラー争いに参戦する中日・森章剛外野手(25)が7日、北谷球場でのフリー打撃で、今キャンプで仕上がり順調な右腕・山井から左翼に、さく越えを放った。スイッチ打者の森は、左打席を確実性を求めた打撃フォームに改造中。その矢先に出た特大のさく越えに、本人は手応え十分だ。 外角のベルト寄りの球を逆らわずに左方向へ軽く振り抜いた。それだけでボールは信じられないほどあっけなく、外野の芝生席まで飛んでいった。全身に残った手応えを、森は感じていた。 「あの感じなんです。ヘッドの出がスムーズで、トップ(バットの振り出しの瞬間の位置)から一気に振り抜く感覚。やっと納得できる当たりがでました」と森が練習後、声を弾ませた。 左打席はシングル安打狙いの確実性重視、右打席ではパワーを生かした長打。今季のコンセプトはすでに決まっている。だが、それを実現するためのフォームがなかなか固まらない。森の悩みは、キャンプに入っても深まるばかりだった。 才能あふれる長距離砲に、救いの手を差し伸べたのは、長嶋清幸打撃兼外野守備走塁コーチだった。前日(6日)の打撃練習中に「バットのヘッドが下から出てくる。もっとグリップを上に構えて、そのまま振り下ろす感覚で打ってみろ」という声が掛かった。 “魔法のひと言”だった。あれほど多かったポップフライがなくなり、ライナー性の当たりがよみがえったのだ。 「グリップを下げると左の脇が開く。そこからスイングに移るから、ヘッドが下から出て、こねるようなバッティングになってしまっていた」 その結果が、この日のフリー打撃で出た反対方向へのさく越え。これまでは右でも左でも、パワーに任せた引っ張り専門の男が見せた、今季目指すべき方向性だった。 「自分がアピールできるのは打撃だけですから。途中からじゃなくて、自分はスタメンで力を発揮するタイプだと思っています。1軍でも同じ。スタメンで出られるだけの力をつけないと」と意気込む。練習後、長嶋コーチから「うまく打ったな」と声を掛けられた。会心の笑みが森の返事だった。
2005年02月09日
中田、エースへ飛躍!新人一番乗りの100球!!落合監督も熱視線 中日のドラフト2巡目ルーキー・中田賢一投手(22)=北九州市大=が6日、新人として100球のピッチング一番乗りを果たした。落合博満監督(51)とOBで背番号20の大先輩・杉下茂氏(79)のまなざしにも動揺することもなし。また、同5巡目・鈴木義広投手(22)=中部大=は、今キャンプで落合監督から新人では真っ先に声を掛けられた。 オレ流監督とフォークの神様。伝統の背番号20に突き刺さるシビアな眼光にも、自分を見失わなかった。ブルペンに入った中田は、ひたすら腕を振った。70、80、90…。「次で100球」と受けた清水将。「ラストお願いします!!」。100球ジャストで40分に及んだ投球練習を終えた。投球数が3けたに達したのは、新人投手では一番乗りだった。「落合監督と杉下さんですか?もちろん分かっていましたが、自分が投げることだけを考えていました」 直球とフォークを投げ込んだが、球にばらつきがあった。落合監督と杉下氏が間近にいる。並の22歳なら焦っても致し方ないところ。だが、表情を変えることなく、無の心境で腕を振った。「頭が突っ込まないようにという課題を持って投げました」。投手に必要な強い精神力がある。 いい意味で背番号20の呪縛(じゅばく)から無縁でいる。「すごい背番号をいただいたというのは、十分承知しています。自分にできることをやるしかないです」と語る中田。いや応なく伝わってくる重圧を既に心の中で解決している。 「これからは、ブルペンに入る日と入らない日の波をつけて、肩のスタミナをつくっていきます」。まだ線が細い肉体面など課題はあるが、若者なりの心意気と潜在能力を100球の熱投で示した。
2005年02月08日
落合監督、動いた早くも入れ替え、中村公と幕田が北谷へ 中日・落合博満監督(51)が9日、北谷組・読谷組の選手入れ替え第1弾を断行した。北谷組の休養日となったこの日、北谷組のドラフト7巡目指名の中村一生外野手(22)=国際武道大=と同12巡目指名の普久原淳一外野手(22)=法大=の両ルーキーと、読谷組の幕田賢治外野手(26)と中村公治外野手(23)を、10日から入れ替えることを決定した。同監督はこの日も休日を返上、7時間、読谷で練習をした若手を付きっきりで見守った。 ◆中村公「外野の一角獲る」 1軍昇格の切符を勝ち取った中村公は9日、読谷球場で練習した後、恩納村の1軍宿舎に移った。 「喜んではいられません。勉強するつもりでやってきます」 2年目のキャンプは2軍スタート。だが、猛練習でやせ細るなど、プロの洗礼を浴びた昨年とは違った手応えをつかんでいた。オフに肉体改造に着手して10キロの増量に成功した。その中身はウエートトレだけではない。「バットを振り込んで、野球ができる体にしてきました」と胸を張った。186センチの長身に厚みが増した“メジャー級”の体は迫力十分だ。8日の1、2軍合同のシートノックでは、体幹にしんが一本通った中村公の存在感は光っていた。 幕田とともに、昇格1番乗りを果たした中村公だが、これからが勝負だと分かっている。「1軍に昇格するだけじゃなく、外野の争いに食い込んでいかないといけません」。1軍と2軍では、練習日程や宿舎など待遇面の格差を明確につけている今キャンプ。この日の朝も中村公は読谷球場までの道のり約2キロを徒歩で向かった。実力でつかんだチャンス。心身ともに大きくなった背番号25が北谷で躍動する。
2005年02月07日
いきなりフリー打撃ソフトバンク・バティスタ ソフトバンクの宮崎キャンプで、メジャー通算214発の新外国人選手、トニー・バティスタ内野手(31)=前エクスポズ=が1日、初日からフリー打撃を敢行した。雪のため、室内練習場での初打撃披露となったが、独特の打撃フォームで42スイングを行い、鋭い当たりを連発。見守った王貞治監督(64)は「手首の使い方がうまいな。いい持ち味を出していた」と満面の笑みを浮かべた。◆阪神007警戒「久々の一級品」 極端なオープンスタンスから振り出すバットから快音が消えることはなかった。これが現役メジャーの実力。バティスタは、そんな無言のメッセージを指揮官へ届けてみせた。 「ちょっと寒かったけど調子はいい。とにかくシーズンへ向け、調整していく。いい結果を残せるよう、全力を尽くすだけだよ」。約2週間前まで、母国・ドミニカ共和国でのウインターリーグでプレーしていたとはいえ、1月29日の初来日からわずか4日。しかも寒波到来のなかでの初打撃は、そんな“悪条件”などみじんも感じさせないものだった。 新外国人としては異例のキャンプ初日からのフリー打撃に加え、この日は守備練習にも汗を流した。 ティー打撃では同じく新加入のカブレラと、とうもろこしの粒を打つ練習を繰り返した。1センチにも満たない粒をバットのシンでとらえることで、集中力を養うためだ。キャンプ前に王監督から与えられたマイペース調整の“特権”も関係なし。チームメートとほぼ同じメニューをこなしてみせた。 そんなバティスタの精力的な動きに、偵察に訪れた阪神の三宅スコアラーは要警戒マーク。「寒いのにみんなと同じ練習をしていた。手首の柔らかさに守備での足の運び…。久しぶりに一級品を見せてもらった」と驚いた。 米メジャーと比べ、約3週間も早いキャンプイン。それでも、いきなりのフル回転に王監督の期待も一気に高まった。「1年目だから初日から参加してほしいとは伝えてあったけど、同じメニューをやるとは…。これがメジャーのプライドというのかな。チームにいい影響を与えるよ」とにっこり。 バティスタは「あとはゴロをさばいてバットをたくさん振っていく。頑張るだけさ」とニヤリ。照準はあくまで3月26日の開幕戦。この日の“デモ”はまだプロローグにすぎない。
2005年02月06日
清原が変心!!堀内監督が大絶賛 巨人・宮崎キャンプで、堀内恒夫監督(57)が1日、プロ20年目の清原和博内野手(37)と桑田真澄投手(36)を突如、大絶賛した。昨年、清原を2軍スタート、桑田には「ローテの谷間」と厳しい姿勢を見せた指揮官だが、180度の方針転換。褒めて褒めて褒めちぎり、KKコンビを復活させるつもりだ。 変わったのは、ヒゲを蓄えた顔だけではない。吹雪のため、ドーム型の室内練習場に場所を移してのキャンプ初日。選手の一挙手一投足を追う堀内監督の視線が、軽快な動きを披露する清原にクギ付けとなった。 「一番目立っていたのは清原。あのランニングひとつ見てもやってきたな、という感じです」。キャンプ初日の印象に残った選手のイの一番に「清原」の2文字。昨年は屈辱の2軍キャンプを命じ、オフには去就問題まで発展するほど関係は悪化したが、それも今や昔だ。指揮官はあくまでも気持ち良くプレーさせること最優先に、ソフト路線に方向転換。それは昨オフに「オレは引き際は間違えなかった」と、事実上の引退勧告を突き付けた桑田についても同様だった。 キャンプ初日を総括する会見で、突如、「桑田の復活があるかも」とベテラン右腕の活躍を予告。桑田は「寒いねえ」とブルペン入りは拒否したものの、堀内監督は桑田復活の手応えを感じ取っていた。「キャッチボールで速いタマを投げているのを初めて見た。桑田には(200勝の)目標もある」。清原の正一塁手はもちろん、桑田の先発ローテ入りももはや確定? チームに絶大な影響力を持つKKコンビに働きの場を与え、至上命令のV奪回をもくろむ。
2005年02月05日
逃げない死球王も今季にかけ“変心”清原、アームガードで完全武装 巨人・清原和博内野手(37)が2日から死球禍対策に乗り出した。宮崎キャンプ2日目のフリー打撃で、左ひじにアームガードを装着。これまでは、逃げない姿勢を貫いてきたが、復活をかけた大事なシーズンを前に、スタイルを変える決意をしたようだ。 キャンプ初日に堀内監督への忠誠心をブチ上げて周囲を驚かせた清原だが、大変身はこれだけではなかった。ドーム型室内練習場でのフリー打撃で、ニュー清原の第2弾が披露された。快音を連発させた番長の左ひじには青色のアームガード。それは、今年にかけるこの男の強い決意だった。 昨季までは、厳しい内角攻めにも絶対に逃げないのが清原流だった。けが対策でアームガードをする選手が増える中、“武装”は、かたくなに拒否。歴代1位(185個)の死球王は、けがに泣かされ、昨年は死球で左手甲を骨折し、約3カ月も離脱した。 しかし、大騒動の末に「泥水をのむ覚悟で」残留した、特別なシーズンである今季に、余分な故障で離脱するわけにはいかない。報道陣の問いかけには無言だったが、OBの宮本和知氏のインタビューで「(練習での装着は)慣れるためにね」とコメント。昨年末には、危ないボールはよける考えも表明しており、公式戦でも完全武装を考えているようだ。 ド迫力の五厘刈りでキャンプイン、今年にかける思いを示し、プレースタイルでも男の美学をかなぐり捨てた今季の清原は見ものだ。
2005年02月04日
憲伸、1ミリの味方!?メジャー仕様の新球テスト 中日の投手陣が2日、春季沖縄キャンプで、縫い糸が「綿」で、縫い目部分が「麻」糸よりも高くなっている「新しいボール」を初めて使って、“試投”した。中日は今季から主催試合でミズノ社製の「飛ばないボール」を採用するが、縫い糸がメジャー仕様の「綿」と、昨年までと同様の「麻」の2種類がある。この日、北谷球場で行われた投球練習では、「綿」糸ボールが投手陣の評判がよかった。同じミズノ社製の「麻」糸ボールと併用しながら、ペナントレース開幕までに“公式戦ボール”を決定する。 川上が投球練習を終えたときだった。森繁和投手チーフコーチが呼び止める。 「縫い目に指がかかっていたか?」と問いかけると、憲伸は「ええ」とうなずいた。 「麻」から「綿」へと変わった、縫い糸の手触りの違い。それは1ミリ前後のわずかな高低差。新ボールの感触を確認するためだった。 中日は今季の公式戦主催試合で使用するボールを、ミズノ社製に統一することを決めた。同社製の低反発ボールは、中日が昨秋のキャンプからテストしていた縫い目が「麻」で低いものと、この日使用を開始した縫い目が「綿」で高いものの2種類。両者の違いはもう1点ある。「綿」糸を使うことで、同じく縫い目に木綿を使っているメジャー仕様のボールの感触により近づいた点だ。さて、気になる投手陣の評判は-。 「僕自身は特に変わりはないですね」。エースの憲伸の評価は可もなく不可もなかったが、左腕・小笠原は「すごいボール。外国のボールみたいで、持った瞬間から違った。今日カーブを投げた感じでは(指が縫い目に)よく引っかかるので、変化球にいいと思う」と目をまん丸にした。 速球派の平井も「変化球は曲がるかもしれない。僕には有利かな」とウエルカムだった。メリットは変化球の切れがよくなること。 一方のデメリットは、森コーチいわく、「(指が縫い目にすれて)」とのことだった。 「(「麻」糸と「綿」糸の)両方を使いながら、開幕までに決めればいい。(「綿」糸を)他球団が使うなら他球場でも使えるし。外国人も投げやすいと言っていた。基本的には今(「麻糸」)のままでいいが、監督からは『投手陣の方で決めてくれ』と言われている。主力(投手)に聞いてみるよ」。使用球の選定を一任された森コーチは、主力投手の意見を取り入れながら、連覇を狙う2005年の“勝負球”を決めるつもりでいる。
2005年02月03日
金剛、神様フォークだ「これぞ本物」杉下茂氏絶賛 「フォークの神様」が、ルーキーのフォークボールを絶賛した。中日OBで往年の名投手、杉下茂氏(79)が5日、中日の北谷キャンプを訪問した。杉下氏が目を奪われたのは、ルーキー、金剛弘樹投手(25)=日本通運=が投げるフォーク。「これこそが本物のフォーク」と、“神様”がお墨付きを与えた。 ルーキーの投げ込みが始まった午後のブルペン。突然、森投手チーフコーチの野太い声が響き渡った。 「杉下さん、ちょっと来てください」。キャッチャーの後ろの評論家スペースで投球を見守っていた、中日OBの杉下茂さんが、落合監督と森コーチが待つ投手の後ろに移動する。 「面白いフォークを投げるピッチャーがいるんで見てください」と、ニヤニヤと笑う森コーチの視線の先では、日通からドラフト9巡目で入団した金剛が汗を滴らせていた。 3人の視線を背中に受けながら、金剛が投球を続ける。時折、杉下さんがアドバイスを送る。真剣な表情で聞き入る金剛。揺れて落ちる独特の軌道を描く金剛のフォークボールに、杉下さんは何度も満足そうにうなずいた。 「うん、本物だ。あの投手が投げていたフォークこそが本物のフォークなんだ」。練習後、金剛について語る杉下さんの言葉が次第に熱を帯びてくる。かつて自らがウイニングショットにしていたフォークボール。最近では誰もが使い、魔球とも呼ばれなくなったが、この傾向に杉下さんは実は我慢がならないのだ。 「ぼくの認識ではフォークというのはナックル系の球なんだ。ナックルボールのように指ではじかずに、深く挟んで抜く。だからナックルと同じように回転がかからず、揺れて落ちていくものなんだ」 浅めにボールを挟んで、ストレートと同じ軌道からわずかに落ちていく現代のフォークは、杉下さんに言わせればスプリットフィンガードファストボール。全く別種の変化球。 「そうなんです。ぼくも握りを深くして投げるタイプ。そう言っていただけるとうれしいです」と、金剛は顔をほころばせた。 杉下さんからは「(ボールを落とそうとするあまり)上体が突っ込むクセがあるから、体重を残して、腕をしっかり振れ」とアドバイスされたという。 51年前、「フォークの神様」はエースとして活躍し、中日を日本一に導いた。半世紀の時を経て、“魔球”が金剛によってよみがえる。
2005年02月02日
英二、シュートで勝負 仙さん直伝の球で先発の仕事果たす 今季から先発に転向する中日の落合英二投手(35)が5日、沖縄・読谷球場で初投げを行った。ブルペンに入り、背番号と同じ26球を投げたベテラン右腕は「今年はシュートを多く使うでしょう」と語った。直球とフォークが主武器だが、若手時代に星野仙一監督(現阪神SD)から伝授されたシュートの比率を増やすことで、先発に求められる球種の増大に対応する。 先発投手に求められる要素の一つは球種のバリエーション。直球とフォークが主武器のベテラン右腕だが、元来は持ち球が豊富なタイプ。引き出しの奥からチョイスしたのはシュートだった。初投げを終えた落合英はこう語った。 「球種? シュートは増えていくと思います。自信がある球です。シゲ(谷繁)にいろいろ引き出してもらわないと」 シュートは若手時代に、当時監督だった星野氏から伝授された。昨年も投げていたが、終盤のピンチなど間違いが許されない場面で投げる中継ぎでは、その“優先順位”は低かった。『1人1殺』が任務だった中継ぎと異なり、初球からフォークを多投していくような配球では長いイニングはもたない。今回の配置転換により、「燃える男」直伝の球を積極的に使っていく。 この日の初投げは直球のみの26球。ブルペンから引き揚げてきた落合英は「まあ、最初ですから。まずまずだったと思います」と振り返った。今後、状態を上げていくことで、シュートやフォーク、スライダーといった変化球も織り交ぜていくことになる。 先発は経験こそあるが「未知の領域だと思う」と落合英。調整法など手探りな面があるが、球春は間違いなく近づいている。ベストを尽くして開幕を迎えるつもり。 「このキャンプで先発として気持ちを高めていきたい。シュートで内角をえぐる? そういきたいね」 7月で36歳になる。14年目にしての新たな挑戦。落合英は針の穴を通すような精度を誇るコントロールと、経験に裏打ちされた駆け引きで勝負する。“復刻版”のシュートは、円熟の投球を織りなす一助となる。
2005年02月01日
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