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竜4連敗、虎に6差主軸沈黙…これじゃ勝てない 虎を捕らえるどころか、その後ろ姿すら日々、かすんでいく。11日の巨人戦(東京ドーム)、中日は小笠原孝投手(28)が5イニング1失点と踏ん張ったが、打線がわずか4安打。奪ったのは3回、荒木雅博内野手(27)の適時打による1点だけ。1-1で迎えた8回、2番手の新人、鈴木義広投手(22)=中部大出=が阿部に決勝本塁打を許し、万事休した。これで巨人3連戦3連敗で通算4連敗。この日も広島を圧倒した首位阪神とのゲーム差は6。早ければ13日に阪神に、優勝へのマジックナンバーが点灯する。 ウッズのバットが、上原のフォークに空を切った。9回表2死一塁、スコアは1-2、わずか1点のビハインドだった。一発が出れば逆転だったが、竜の4番打者は空振り三振に倒れてゲームセット。その直後、ウッズはものすごい形相でバットをグラウンドにたたきつけていた。 巨人3連戦3連敗、通算では4連敗。まさかのことが現実となり、中前打で出塁した井端は、塁上で目を閉じていた。ベンチの選手は誰もが悔しさに、唇をかんでいた。 投手陣は、先発した小笠原、後を継いだ鈴木と一発は許したが、それでも2失点。責めることはできない。 一方、打線はわずか4安打。3回、荒木の適時打で、1点を奪うのがやっとだった。立浪、ウッズ、福留のクリーンアップに加え、アレックスに代わって6番に入った森野まで無安打。打線の中核の4人が音無しでは、落合博満監督(51)も手の打ちようがない。 「結果がすべて。勝負事は結果がすべてだよ。相手は上原。そうは打てないよ」。コーヒーを右手に持ち、足早に通路を歩きながら、指揮官は淡々と、冷酷な現実を受け止めるしかなかった。 ゲーム差は6に広がり、阪神の勝率マジックナンバーも15から13に。そして早ければ13日にも、優勝へのマジックナンバー点灯も許してしまう。状況は一戦一戦悪くなっていく。 「相手のことは関係ないよ。うちは勝ち続けるだけだ。目の前の試合を全力で取りに行くという姿勢は変わらない」 プロ野球の世界に飛び込んで、27年目になる。優勝も、言葉にできないほどの悔しい思いも、たくさん経験した。 その中でつかんだものは「この世界は優勝が決まる瞬間まで、何があるか分からない」というシンプルな信念。監督はもちろん、戦っている選手も誰ひとりあきらめてはいない。この気持ちがある限り中日のシーズンは終わらない。
2005年08月21日
オリ・吉井、40代初の開幕6連勝巨人の工藤超えた ◆オリックス4-0ロッテ オリックス・吉井理人投手(40)が、頭脳的なピッチングで開幕6連勝。工藤(巨人)の持つ40歳代の開幕連勝記録をあっさり塗り替えた。 強い南風がセンター方向から吹いている時、千葉マリンではちょっとした異変が起きる。追い風がスタンドにはね返ると、ボールに微妙な影響を与えるという。地元のロッテ投手陣ならよく知ることだが、敵地では計算が難しい。この日は風速7メートル。吉井はその情報を前日に投げた歌藤らから仕入れていた。 「プレートでは打者にとって追い風。ちょっとしたスピンの違いで自然に動いた」 変化球を丁寧に投げ込んで5回までパーフェクト。平均10球前後の省エネで、相手打線を手玉に取った。「パーフェクト? めったにないんで狙ってました。でもかっこよくいかないのがぼくのパターン」というが、快記録が破られた直後、里崎の初球で併殺に打ち取るなど、8回に降板するまでたった74球。これぞ投手の見本となる投球を披露した。 「吉井は安定感抜群。取って取られてではなく、抑えてゲームをつくってくれる」と仰木彬監督(70)。プレーオフへのマジックナンバーが間もなく出るオリックス。年俸500万円のテスト入団生が、好調なチームの中でなくてはならない存在になっている。
2005年08月15日
新庄復帰弾ハム、プレーオフ戦線に残る2回無死、日本ハム・新庄が左越えにソロホーマーを放つ=札幌ドームで ◆日本ハム2-1オリックス 久々の“新庄劇場”。8月23日以来の先発出場だけでファンは大喜びなのに、それ以上のことをやってのける。2回の第1打席でいきなり、本塁打を放った。 7月中旬に死球で痛めた右手は完治していないが、プレーオフ進出に望みをつなぐため、戦列に戻ってきた。恒例の打法命名は「やっぱりオレ、持ってるわ-打法」。持っているのは強運か、説明不能の不思議な力か。 昨年は9月に打率3割2分、7本塁打、20打点をマークし、プレーオフ進出の原動力となった。3位のオリックスとは3・5ゲーム差。今季も9月、新庄がチームに勢いを与える。
2005年08月14日
山本昌、屈辱28球KO今季最短 1イニング0/32回裏無死一、二塁、工藤の投犠打を三塁に送球するが、フィルダーチョイスで仕留められなかった山本昌 ◆巨人3-0中日 ベテラン左腕は「言いようがないです」と力無く話し、すべての責任を背負い込むように背中を小さく丸めてバスに乗り込んだ。先発した山本昌広投手(40)は1回に先制点を許すと、2回も連打と自らの野選で無死満塁。清水の中前打で2点目を失ったところで、落合博満監督(51)から降板が命じられた。 わずか28球。2回は1死も取れなかった。自身今季最短KOで、チーム全体で見ても123試合目で最短の先発投手降板となった。22年目の山本昌が先発で2イニングを持たなかったのは、1996年8月15日のヤクルト戦(ナゴヤ球場)で、1イニング2/3で5失点で降板して以来実に9年ぶりになる。 55年ぶりの40歳代先発対決で、42歳の工藤に完敗。これで山本昌は7勝8敗と黒星が先行した。球宴明けの後半戦は7試合に投げて1勝4敗で、防御率6・75。最近は不振を極めている。落合監督は試合後、「今後もマサ(山本昌)に期待? どうして? 若いやつを使っていくよ」と手厳しい言葉を投げ掛けた。しかし、これはベテランの奮起を期待しての裏返しだ。残り23試合。山本昌なしに厳しい戦いを乗り切れないことは、誰よりも指揮官自身が分かっている。
2005年08月08日
桑田不運 またまた白星スルリ6回表2死一塁、堀内監督(左)自らマウンドへ行き桑田に降板を告げる 阪神・星野仙一シニアディレクター(SD)の巨人監督就任話が消滅した10日、巨人は中日に競り勝ったものの、ペナントレース優勝の可能性も数字上、消滅した。 「しょうがないよ」とつぶやく堀内恒夫監督(57)には一度もペナント争いに加われなかった悔しさがにじみ出ていた。 桑田真澄投手(37)も同じ思いだろう。勝利の女神から、とことん嫌われてしまっている。またも勝てない。5回2/3を4失点、前回3日の広島戦(広島)に続き勝利投手の権利を手にしてマウンドを降りたのに、またしてもリリーフが打たれ、ノドから手が出るほど欲しかった今季1勝目が消えてしまった。 小久保の2打席連続本塁打など、3回までに大量5点の援護をもらったが、この日は味方のミスに足を引っ張られた。 2回は二岡のエラーを発端に1点を失えば、5回の2失点も阿部のエラーがきっかけ。今季最長イニングとなった6回は2死から森野にソロを打たれて1点差。続く谷繁に四球を与えたところで降板となったが、自責はわずか1点。今回も勝ち投手の権利は残っていたが、前回と同じ5-4の1点差での降板は、VTRを見ているかのような結果となってしまった。 7回、3番手の久保が打たれ同点に。その裏に打者一巡の攻撃で3得点しただけに、むなしさは募るばかりだ。 「しゃあないよ。みんな一生懸命やっているんだから」。桑田は味方のエラーやリリーフが打たれたことについてはサバサバと話したが、自分の投球内容については「あれじゃ、引退のピッチングだね。また書けば、得意の。いつも書いているじゃない」と自虐的に話しながら、ドームを後にした。
2005年08月07日
オリックス貯金2、3年10カ月ぶりガルシア3発4連勝!!50勝だ◆オリックス10-2楽天 オリックス・ガルシア外野手(29)がほえた。7回。打球が左翼席に突き刺さると同時に声を上げ、一塁ベンチには“OKサイン”を突き出した。ミソは立っている3本の指。先制弾、勝ち越し弾、ダメ押し弾。大興奮の1試合3発だ。 「最近調子はイマイチだったけど、右肩の開きに注意したのがよかった。3本目の手応えが最高。1試合3発は(米国の)マイナーリーグで打って以来さ」とガルシア。続けて「絶対にプレーオフに出たい!」とも。 ガルシアには、プレーオフの苦い思い出がある。大リーグ・ヤンキース時代の2003年、松井らとともにア・リーグ優勝決定戦に出場。敵地・ボストンで球場職員と乱闘騒ぎを起こしてしまった。熱いメキシカンはムラっけたっぷり。当時は気質が悪い方向に出た。今年こそは…。いい波に乗れば、とてつもない爆発力がある。 ガルシアの大花火大会によって、チームは3年10カ月ぶりに貯金2。35試合残して、3年ぶりにシーズン50勝にも到達した。指揮官は「ここまでは投手がよく頑張った。ウチの投手コーチは日本一。ワシが寝てても大丈夫」とにんまり。打線に関しては「まだまだ」と期待のハードルは高い。ガルシアにはムードメーカーとしての役割も期待する。 「ムードメーカー? そう言ってもらえて、うれしい。メキシコ生まれだから暑さは大好き。これから、もっと打てる気がするよ」 試合後、ヒーローは持っていたボールをベンチ前から右翼席へロングスロー。気合も余力もあふれる主砲が、夏の戦いをけん引する。
2005年08月01日
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