再出発日記

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2007年05月04日

妹が引越しをする関係で、この間二回頼まれて彼女の蔵書を古本市場に持っていった。合計で約100冊以上はあったのではないか。本の表紙は出来るだけ見ないようにしていた。どのような結果になるかは大体予想が出来たからだ。

しかし二回目の今日、あまりにもあまりで、あまりにも腹が立ったので、ここで少し愚痴らせてほしい。今日も50冊ほどあったろうか、しかし金になったのはたった7冊だけ。（140円）あとは日焼けしているからとか古いからといって換金できないという。「どうしますか」というので怒りを必死に抑えながら（そもそもゴミとして捨てるのがいやだから持ってきたのだから）「処分してください」と言う。古本屋はもちろんほとんどはゴミにしない。こういう本は売るのである。

私は今日チラッと中味を見てしまった。なんと日焼けしているけど、吉田秋生の 「カリフォルニア物語」 全巻があるではないか。吉川英治「私本太平記」全巻もある。あんた、これをタダで持っていこうというのか。「カリフォルニア物語」と言えば、少女マンガで初めて大人の男の肉体を描いたと言うことで画期的なマンガじゃあないか。 「私本太平記」 にしても、吉川英治が天皇に敵対する足利尊氏を主人公にして、どうやって戦後を迎えたか注目された長編だった。それタダで持っていくのか。とは、私は大人なので店員に詰め寄らない。私は無表情にお金を取って店を出て行く。

このような本が100円本とか50円本とかで店頭に並ぶのであろう。私は三ヶ月前ほど違う古本屋で次の本を買った。大友克洋 『童夢』『江口寿史の爆発ディナーショー』 ゆうきまさみ 『究極超人あ～る』 １～４巻。これが全部で何円だと思いますか。315円ですよ！たった315円！嬉しいとは思わなかった。腹が立った。『童夢』は今見ても傑作だ。私は大友の志向に賛成はしないけど、彼がマンガ界に果たした役割は全面的に認めている。特に『童夢』は彼の技術が全面的に開花したマンガだった。描きこめば描きこむほど白くなっていくという綿密な作画、ラストにスピードアップする乾いた映像。未だにこれを超えるマンガを私は知らない。江口寿史も彼以前も以降もついて来ていない独自の画風を打ちたてた人で、特にこの本はその豪華さでも記念碑的な単行本だった。どうして50円になってしまうと言うのか。ゆうきまさみも『バトレイバー』でブレイクする前の貴重なデビュー作なのであるが、これが210円になっているのはおかしい。いや、わかっている、わかっています、私が買うと言うことでせめての供養になるということくらい、単なる愚痴なんです。こんなに長い文章になるとは思わなかった。すみません、ここまで読んでいただいて。