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2021年10月08日
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カテゴリ: 洋画(12~)
中間の3作品。「座頭ー」は既にアップしたが、流れを確認するためにも再掲。




「座頭市物語」

傑作。1962年作品。
既に座頭市の腕は知れ渡っていて、食客として賭場に入り、そして去ってゆくという形は出来上がっている。全ての渡世者作品(女に惚れられて振って去ってゆくことも)の形を踏襲しながらも、隅々まで神経の行き渡った「心理戦」が素晴らしい。座頭市が盲目なので、一段とピリピリとした画面になっている。なかなか見せなくてやっと披露する最初の居合抜きは、正に目にも止まらない。どう撮影したのだろう。そしてロケかセットかわからないけれども、リアルな美術も素晴らしい。当時の時代劇スタッフの底力が判る映像。

おたねが突然座頭市に告白するのは、現代にリライトするのならばもう少し説明が必要だけど、元はヤクザの兄貴の女だったのだからあり得ると見なければならない。一切濡れ場はないが、月夜の帰り道で座頭市に顔を触らせて微かに唇に触れさせるのは、かなりの熟練した女と見なくてはならない。実際かなりエロい場面である。それを清純派とも言えないけれどもそそとした美人の万里昌代にやらせる監督の強かさ(おたねは続編・4作目でも続投する‥‥万里昌代は68年を最後に銀幕から引退している)。ヤクザの出入りで、庶民が迷惑を被る、どちらのヤクザも、食客を利用する事しか考えていないなど、ヤクザに対する見方が厳しい、むしろコレがテーマだとも思える。「めくら」という単語が30-40回は出てくる脚本で、もはやテレビでは決して放映できないが、もっと知られるべき傑作である。

(解説)
 勝新太郎が盲目のヤクザを演じて大ヒットし、合計26作品が製作された「座頭市」シリーズの記念すべき第一弾。原作は子母沢寛の随筆集『ふところ手帖』に収録された短編『座頭市物語』で、これを犬塚稔が脚色し三隅研次が監督した。勝新太郎と天知茂の名演技、伊福部昭の音楽など、見どころが満載。  
(ストーリー)
貸元の助五郎は居合抜きの腕前を見込み、坊主で盲目の座頭市を食客として迎え入れた。市は結核に冒された平手造酒という浪人と知り合うが、彼は助五郎のライバル笹川親分の食客となってしまう。二人は酒を酌み交わしながら、ヤクザの喧嘩で斬り合うのはごめんだなどと話した。助五郎たちと笹川一家の緊張が高まる中、造酒が血を吐いて倒れてしまう。

2021年9月14日

★★★★★



「白頭山大噴火」
ツッコミどころ満載ではあるが、例によってスピード感ある脚本によって最後まで楽しめてしまう。それと、米国と中国の思惑通りにはいかないぞ、という韓国民の伝統的な思惑も観れる。彼らの都合で地震の噴火の阻止を阻止させられたら溜まったもんじゃない!

相変わらず、イ・ビョンホンはかっこよく、ハ・ジョンウは今回は臆病な軍人を演じるけどちゃんと最後には男気出します。マ・ドンソクが最後まで学者だったのが意外。

それにしても、遠く離れたソウルであんなにビルが倒壊するのならば、今すぐにでも建築法を変えないと‥‥。

(解説)
『KCIA 南山の部長たち』などのイ・ビョンホン、『クローゼット』などのハ・ジョンウ共演によるディザスタームービー。朝鮮半島にそびえる白頭山の大噴火沈静化を命じられた韓国軍大尉が、その鍵を握る北朝鮮の工作員と核燃料を探し出すために同国に潜入する。監督は『22年目の記憶』などのイ・ヘジュン、『監視者たち』などのキム・ビョンソ。『スタートアップ!』などのマ・ドンソクのほか、チョン・ヘジン、ペ・スジらが脇を固める。
(ストーリー)
北朝鮮と中国の国境付近に位置する火山・白頭山で、観測史上最大級の噴火が発生する。噴火によって大地震も誘発され、ソウル市内のビル群が倒壊するなど人々はパニックに陥る。白頭山の地質研究の権威である大学教授カン(マ・ドンソク)がさらなる大噴火の発生を予測したことを受けて、韓国政府は韓国軍大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)と彼が率いる爆発物処理班に対し、北朝鮮に潜入して火山沈静化を図る秘密作戦の遂行を命じる。そのためにインチャンたちは、作戦成功の鍵を握るとされる北朝鮮人民武力部の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を見つけようとする。

2021年9月14日
TOHOシネマズ岡南
★★★★



『先生、私の隣に座っていただけませんか?』



「もう遅い」私もそう思いました。でも、それだとありきたりな結末なので、もう一捻りふた捻りしたところが、この作品の新しいところ。

しかも、テイストはギャグ映画。えっ違う?それは貴方に後ろくらいところがあるからでは?

受けの柄本祐はそうなるのかなあ、悔しいけどありうるなあ。

反論ある方もいるかもしれませんが、黒木華は不倫はしていないに一票。

超低予算映画なのに、キチンと観させる。素晴らしい企画だと思う。



ちなみに、私にはある仮説がある。

日本は史上何回か、倫理に厳しい時代を繰り返してきた。
本来は女系社会だった古代では、男の血統などは関係なかったから処女性はおろか、不倫などは問題にならなかったようだ。時代が下って源氏物語やとりかえばや物語の世界では、不倫し放題。しかし、その頃になると「人妻」という言葉は一切出てこなくなる。万葉集には15首もある。一種のブームである。実はこの時期(7世紀後半)中国の法制度に倣った律令が制定された。この時だけ「人妻と情交した者・人妻の身で情交に応じた者」が処罰の対象になった。この時だけ、これは「タブー」になったのである。だから、かえってこれは「甘い誘惑」を伴う新鮮な言葉になった。男の血統を保証する宦官制度は、遂に日本に導入されなかった。平安時代半ばになると、後宮は公達の集まるサロンと化す。娘を天皇家に入内させ、生まれた皇子の後見役として勢力を伸ばす「セックス政治」に徹し、「ゆるい」サロンで人心をつかむ方向に政治は変わる。
日本は最初から国選歴史書で兄妹間で子供をもうけて国づくりをしている。ずっと国の最高権力者たちが「性愛」の物語の作成と普及に積極的関わって来た。万葉集、古今和歌集、源氏物語、能狂言、歌舞伎。ただ、外の目を気にした時に(飛鳥、戦国、明治)タブーが厳しくなった。そういう意味では、オリンピックを迎えた2021年前後が、日本史上、4回目か5回目かの倫理に厳しい時代に突入していると思う。だから、こういう作品が生まれるのは、ある意味「必然」なのである。

(ストーリー)
結婚5年目を迎えた、俊夫(柄本佑)と佐和子(黒木華)の漫画家夫婦。佐和子が不倫をテーマにした新作を描き出すが、佐和子の担当編集者である千佳(奈緒)と不倫をしていた俊夫は、佐和子の新作に登場する夫婦が自分たちとそっくりであることに気づき、自らの不倫がバレたのではないかと考える。そして漫画のストーリーは、佐和子をモデルにしたらしき女性と自動車教習所の先生が恋に落ちる展開を迎える。
キャスト
黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、風吹ジュン
スタッフ
脚本・監督:堀江貴大
劇中漫画:アラタアキ、鳥飼茜
音楽:渡邊琢磨
主題歌:eill
製作:中西一雄、小西啓介、鳥羽乾二郎、久保田修
プロデューサー:小室直子、村山えりか
スーパーバイジングプロデュ ーサー:久保田修
ラインプロデューサー:原田文宏
撮影:平野礼
照明:川邉隆之
美術:布部雅人、春日日向子
装飾:加々本麻未
録音:加藤大和
編集:佐藤崇
衣裳:宮本茉莉
ヘアメイク:外丸愛
助監督:成瀬朋一
制作担当:仙田麻子
宣伝プロデューサー:鶴田菜生子
上映時間119分

2021年9月20日
MOVIX倉敷
★★★★★








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最終更新日  2021年10月08日 11時57分34秒
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