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ロンドンでショッピングをしていて、ずっと不思議に思っていたことがあります。それは、ウィンドウに飾られているマネキンが、なんだか日本に比べて妙にリアル、というか、セクシーで生々しい感じがするのです。なんでかなあ、日本人よりスタイルがいいからかなあ、なんてぼんやり思っていた筆者ですが、ついにその謎が解き明かされました。と言っても自分で解き明かしたのでなく、いつも素敵なロンドン日記を書かれているCheichiさんの日記 を見て、はじめて気付いたのですが・・・(←にぶい)。実はイギリスのマネキンの殆どには、下の写真のように乳首がついていたのです。理由は定かではありませんが、たしかに夏にロンドンの街を歩いていると、ノーブラで乳首の形が透けている女性をよく見かけます。また、イギリスのブラはカップが日本ほど厚くなく、形が透けやすいという話も耳にしました(なんでそんなことまで知っているのだ・・・)。したがって、この乳首つきマネキンも、実態に即したものと言えるのかもしれません。さて乳首と言えば、先のBBCのアテネオリンピック中継でも、乳首をめぐるちょっとした騒動があったことを、大衆タブロイド紙「デイリー・ミラー」(オンライン版 )が伝えていました。同紙によると、BBCの解説を務める往年の女子水泳名選手、シャロン・デイビス氏(41)が、同局の生中継中に、たびたびノーブラ姿で画面に登場。ところが、「気が散るじゃないか!」という視聴者からの一部の苦情をうけて、同局は肩から下を写さないようカメラマンに命じたそうです。ところが、こんどは当のデイビス氏がこれに激怒。「アテネの34度の猛暑の中で、下着をつけろだなんて完全に馬鹿げていますわ。男性だって薄着をしているのに、女性には認めないだなんて、性差別主義以外の何物でもありませんわね。」と、同紙のインタビューに答えています。確かに、写真を見る限り、41歳とは思えない抜群のプロポーションで、視聴者の気が散るのも分かる気がしますが、この程度の薄着の女性はロンドンの街にはいくらでもいそうなのも確かで、判断が難しいところです。ただ、やはりNHKのように、国営放送であるBBCも少々お堅い傾向があるのかもしれませんね。ちなみに、明日からスウェーデンの学会に行くので、今日は2日分まとめて更新しましたが、次の更新は週末までお休みします。ただし、再入国を拒否されなければの話だけど・・・(汗)。
2004年08月31日
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スターバックスというと、もちろんアメリカ・シアトルが発祥ですが、実はロンドンも、下の写真のように、少なくとも東京以上にスターバックスだらけです。ただ、一番小さいカフェ・ラテのトールサイズが1.79ポンド(約360円)と、料金の方は日本よりやや高めなのですが、なにせ筆者は自他共に認めるコーヒー中毒なので、しょっちゅう利用しています。また、家の近所の店舗だけかもしれませんが、なぜか新聞各紙が置いてあって無料で読むことができるので、毎週日曜日はここでカプチーノを飲みながら、まったりと新聞各紙を読む、というのが、もっぱらの習慣になってしまいました(すっかりイギリス人化してるかもしれない。ははは。)ということで、前置きはこの辺にしておいて、昨日のサンデータイムズに載っていた面白い記事が今日の本題です。日本では、若い女性の美容意識の高まりから、やせすぎの女性が増えていることが社会問題化していますが、イギリスはまったく正反対の傾向にあることが「The National Sizing Survey」による調査の結果、明らかになったそうです。この調査は1万人以上を対象にし、16歳以上の男女の平均値を計ったもので、調べたのは身長、体重、バスト、ウェスト、ヒップの各サイズ。気になる現代の英国人女性の平均値はというと、まず身長が64.5インチ(約161センチ)と、意外と高くない。これは、1951年の調査結果である平均63インチ(約158センチ)を若干上回っているものの、意外と変化していないと言えるでしょう。しかし、仰天したのは体重でした。いわゆる「砂時計型」の体型がもてはやされていた51年は、平均体重は9ストーン10ポンド(約62キロ)。それでも日本人の感覚からしたら、そんなに極端に細くはないですね。それが、最新の調査では、10ストーン3.5ポンド(約65キロ)にまで増加しています。つまり、この50年余りで身長が3センチ伸びたのに対し、体重も3キロ増加していて、明らかに「ぽっちゃり型」の体型に変化してきていることが示唆されます。また、これがもう一つ意味するのは、平均的なイギリス人女性は、身長が僕より10センチほど低く、逆に体重は5キロほど重い、ということ。むむむ。ちなみに、スリーサイズの平均は、バスト38.5インチ(約96センチ)、ウエスト34インチ(約85センチ)、ヒップ40.5インチ(約101センチ)とのこと。うーん。ウエスト85センチ・・・。ちょっと頭がくらくらしてきました。確かに、街を行き交う人をみても、若い人には時々スタイルの良い人がいますが、年をとると見事に肥満体型の人が多いのが目に付きます。日本の明らかに痩せすぎの女性たちも不健康そうでどうかと思いますが、イギリス人女性にはもうちょっとがんばってダイエットしてもらわなければ、と強く主張しておきたいところです。
2004年08月30日
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今日は8月月末のバンクホリデー恒例となった、ノッティングヒル・カーニバルを見てきました。同カーニバルは1965年に始まり、今回がちょうど40回目。カリブを中心とした人々のパレードやライブパフォーマンス、ダンス、大道芸などが行われるロンドン最大級のカーニバルで、BBCニュースによると、2日間で100万人以上もの人出が見込まれるとのことです。現在では映画がヒットするなど、すっかりロンドン西部を代表するお洒落な高級住宅地になってしまったこの地域ですが、60年代まではカリブ系移民が多く住む貧困地域。人種間の緊張の時代を経た後に、民族の意識を高揚させることを目的として始まりました。さて、ノッティングヒル・ゲイトの駅を降りると、ものすごい人、人、人。この日は時折にわか雨の降るあいにくの(というかいつもどおりの)お天気でしたが、会場に近づくと、レゲエを中心とした大音響の音楽や、ホイッスルが聞こえ、数々の露天も雰囲気を盛り上げます。そしてパレードは、華やかな衣装をまとった子供たちや、レゲエライブなどに混じって、なぜか中国の舞踏をやっている中国人集団も・・・(笑)。カリブだけでなくいろいろな人種、民族の人たちが自由に参加していて、とても楽しいパレードでした。観衆も、大音響のビートにのって、誰もが激しく踊りまくっています。現在ではロンドン在住者のおよそ半分は外国人とのことですが、これだけの多くの民族が混じっていながら比較的治安も良く、それぞれのコミュニティーもしっかりと保たれているという、世界中探しても他に類を見ない多民族都市・ロンドンの魅力を凝縮したようなカーニバルと言っていいでしょう。問題もいろいろ多いけど、やっぱりロンドンっていい町だな、と思いました。パレードのコースは、リトル・ベニスの別名で知られる美しい運河地域のウェストボーン・パークからスタートし、アンティークなどのマーケットで有名なノッティングヒル、ラドブロークグローヴを通ってケンサルまで。パレードの行われている通りをぐるっと一周するのに3時間ほどかかりましたが、綺麗な町並みの地域なので、楽しく歩けました。警察も1万500人体制で警戒に当たっていたとのことで、危険な雰囲気もまったくなかったです。明日は最終日で、さらなる混雑が見込まれるそうですが、近くの方はぜひ行かれてみては。ちなみにオフィシャルサイトはこちらです。
2004年08月29日
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ロンドンの観光名所、というと、セントポール大聖堂やロンドン塔をはじめ、かなり年代物が多いですが、ミレニアム事業により近年お目見えした新たな観光名所もなかなか好評のところが多いようです(ただしミレニアムドームを除く)。そのなかでも、世界最大の観覧車であるBAロンドンアイと並んで大人気と言えるのが、ミレニアムブリッジのたもとにそびえ、2000年に旧火力発電所を改築して作られたテート・モダンでしょう。内部は大胆な吹き抜けになっていて、建物の作り自体がとても印象的で、僕もお気に入りの場所の一つです。そして、展示されている数々の現代アートも、奇抜なアイディアのものが多くて、なかなか不思議な気分にさせてくれます。常設展示は3階と5階にあって、筆者が大好きなシュールリアリズム画家であるマグリットやダリ、キュビズムで有名なセザンヌ、ピカソなどの絵画の展示もさることながら、不思議なオブジェや映像作品が数多くあるのが面白いところです。そして、金曜と土曜日はなんと午後10時まで開いている、というのも、ロンドンの基準からしたら驚くべきことです。夜に訪れると、対岸に見えるライトアップされたセントポール大聖堂やミレニアムブリッジがとても綺麗に見えてお勧めです。また同僚から聞くところによると、最上階のモダンブリティッシュ・レストランも景色がよくてなかなか良いらしいので、僕はまだ行ったことがないのですが、いずれ行ってみたいと思っています。ところで、ロンドンのギャラリーを訪れていつも疑問に思うのは、イギリス人で有名な画家といえばせいぜいターナーくらいだし、彼らはアートにいったいどの程度興味があるのだろうか・・・、ということ。ですが、やはりイギリス人には芸術を理解するのは無理なのではないか・・・、と思わせる衝撃的な出来事が、昨日のニュースで報道されていました。BBCニュース(オンライン版)が報じるところによると、テート・モダン内の掃除夫が、アート作品のオブジェの一部を構成するゴミ袋を投げ捨ててしまったことが明らかになったそうです。問題の作品は「自己破壊アート」と呼ばれるもので、ドイツ出身のアーティスト、メツガー氏(78)による作品。作品内のゴミ袋には、新聞紙やボール紙、他のさまざまな紙が詰め込まれていました。これについて、美術館側のスポークスマンは、同局のインタビューに答え、「この作品はいくつかのエレメントによって作られており、そのうちの一つがゴミ袋だったのですよ。これは必要不可欠なパートで、すぐに見つけ出しましたが、残念ながらひどく損傷を受けておりました。しかし、すぐに新たなゴミ袋に取り替えております。」と話しており、かなり重要な役割を果たす部分だったことが伺えます。しかし、一方で掃除夫の方は、「単なるゴミだと思ったよ。」と呑気に答えている模様。たしかに、そんな紛らわしい作品もたくさんありますが、まさか捨てられてしまうとは・・・。でも、こんなユーモアあふれるニュースがしょっちゅう流れるイギリスってちょっと素敵です。
2004年08月28日
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イギリスに来て驚いたことの一つが信号機です。日本にいたときは、信号機は、青→黄→赤→青→・・・という順番で変わると信じて疑ったことはありませんでした。しかし、他の国はどうなのか分かりませんが、少なくともイギリスの信号の多くは、青→黄→赤→黄→青→・・・といった具合に、赤から青に変わる時にも、間に黄色が入るものが多いです。これを知ったときは、ちょっとしたカルチャーショックでした。もう一つショッキングだったのは歩行者用の信号です。といっても、歩行者用の信号の変わり方自体は基本的に日本と同じです。ところが日本と違うのは、青が点滅しているときに、すでに車道側は赤から「黄色」になっているのです。したがって、青が点滅してる、と思って慌てて横断しようとすると、気の早いドライバーが発進させた車に轢かれかねません。これには注意が必要です。日本人にとってさらにショッキングなことは、赤信号で止まる歩行者が皆無である、という事実でしょう。日本のように、車も来ていないのに信号待ちをする歩行者、というのを、こちらではほとんど見たことがありません。それどころか、車が来ていても、ちょっとした間隙をついてすばやく渡る人が多いです。嘘だと思うなら(思わないか)、下の証拠写真を見ていただければ、いかに老若男女、誰もが信号にとらわれずに悠然と道路を横断しているかお分かりいただけるでしょう。これは、近くに警官がいても、とがめるようなそぶりはまったく見られないので、おそらく公認されているようです。さらに、地面をよく見ていただくと、ご丁寧にも、へたくそな字で「右を見ろ」やら「左を見ろ」などと忠告までしてくれている始末。これなど、道路公団(?)自らが率先して、信号無視をそそのかしているのではないか、と疑いたくなります。かくいう筆者も、この一年ですっかり赤信号の渡り方を身につけてしまったわけですが、日本で白い目で見られないか、今から少し心配です。
2004年08月27日
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「ロンドンに住む人々は、日々地下鉄と闘っているのだ」という名言を誰かが言っていて、いたく感銘を受けた覚えがありますが、僕もまったくもってそのとおりだと思います。ロンドン地下鉄は、日々ありとあらゆる手段を尽くして乗客をさまざまな罠に陥れるので、毎日気が抜けません。降りようとしていた駅でなぜかドアが開かずにそのまま発車してしまったり、信号待ちで30分ほど閉じ込められたり、急に行き先を変更したり、なんて経験もしたので、筆者もさほどのことでは動じなくなりました。さて、今日も地下鉄に乗ろうとしたところ、駅員さんがおもむろにシャッターを閉めているので何事かと思いきや、アナウンスが・・・、「セントラルラインは信号機故障で不通になっています。お急ぎのお客様は、バスをご利用になられるようアドバイスいたします。」おまえらのミスのせいで電車に乗れないのに、アドバイスとはなんだ・・・、と思わずカチンとくるのはおそらく日本人的発想なのでしょう。みな、係員に詰め寄ることもなく、もくもくと大渋滞が待ち受けるバスへ乗り継いでゆきます。僕もまだまだ修行が足りないようです。さて、もう一つ、ひそかに悩ましげなのは自動音声案内です。東京と同様、ロンドン地下鉄ではいくつかの路線で自動音声案内を採用しています。「The next station is Holland Park」といった具合に。これは、とても聞き取りやすいし、一応便利なものです。しかし東京と違うのは、ときどき全然でたらめな案内をしだす時があることです。セントラルラインに乗っていたのにどういうわけか、「この電車はウォータールー・アンド・シティーライン、ウォータールー行きです。」なんて、まるであさっての方向の案内が流れたりすることもあります。また、筆者の最寄り駅は、ある路線の終点なのですが、終点の駅にあと少しで着こうか、というところで、プラットホームの空きが無くて信号待ちで10分くらい止まっていることがよくあります。だんだん乗客もため息をついたり、いらいらがつのってきます。と、そのとき、おもむろに案内放送が・・・、「Please leave the train. Please leave the train. Please leave the train・・・」と、なぜか狂ったように連呼。こんなところで「降りろ」だなんて、殺す気か・・・。他にも、ノース・アクトンの駅を出発し、しばらく走っていたところで突然、「This is North Acton.This is North Acton.This is North Acton・・・」と、連呼しはじめたことも。遅いよ・・・。これには多くの乗客から思わず失笑がもれました。どうもこの機械は一度狂いだすと止まらなくなって連呼しつづける、という特性があるみたいです。あるいは、ひょっとすると、これは英国流のユーモアのつもりなのでしょうか・・・?この先、敵がどんな技を繰り出してくるのか、ちょっと楽しみになってきた今日この頃です。↑本当にトンネルの大きさぴったりのロンドン地下鉄
2004年08月26日
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スーパーに行くとき、いつもフシギに思っていることがあります。イギリスには牛乳が3種類ありますが、下の写真のように、なぜかどこのスーパーへ行っても青いフタが普通の牛乳(Whole Milk)、緑のフタが低脂肪乳(SemiーSkimmed)、そして赤いフタが脱脂粉乳(Skimmed)。この色使いは、イギリスでは各メーカー共通の統一規格のようで、どこへ行ってもおんなじです。誰がどのように決めたのか、他の国でもこんなルールがあるのか、筆者は知る由もありませんが、気になって夜も眠れません・・・。ちなみに、僕がよく行くSafewayでは、どれも1パイント(568ml)のものが30ペンス(約60円)と、何故か値段は一緒で、日本よりは安めです。あと牛乳でもう一つ不思議なのは、なぜか突然凝固してしまうこと。まだ賞味期限の4日も前なのに、突然ガッチリと固まってしまい泣きそうになった経験が何度もあります。それなのに今日は写真を撮るためだけの理由で3本も買ってしまったため、大量の牛乳を前に途方に暮れているところです。ちなみに、3種の牛乳を飲み比べてみると、青い普通の牛乳が味では一番ですが、ふだん筆者は緑の低脂肪乳を買っています。日本で脱脂粉乳を買う人は殆どいないと思いますが、僕のまわりでは意外とこれを飲んでいる人が多いのには驚きます。スーパーでもおおよそ三分の一ずつ並んでいるので、結構売れているのでしょう。同僚のAさんも、「Skimmed Milkの方が体にいいよー」なんて言いながら、いつもこれをコーヒーや紅茶に注いでいますが、なんだか独特のどんよりとした色になってしまって、ミルクティーというよりただ薄まっているだけ、と言う感がぬぐえません。そんな健康志向なはずの彼は、今日も僕のとなりで朝から晩までスナック菓子を、ボリボリボリボリボリボリボリボリボリリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・、と延々と食べ続けていました。あー、うるさい!!(怒)
2004年08月25日
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オリンピックが盛り上がるのは、あくまでアメリカや日本の話であって、ヨーロッパではワールドカップや欧州選手権サッカーのほうが大事、なんていう先入観がありましたが、なかなかどうして。イギリスでもアテネオリンピックは連日ニュースや新聞紙面をにぎわせて、かなりの盛り上がりを見せています。特に今大会はEU内で行なわれていることや、日本には及ばないものの、イギリス勢がシドニー大会を上回るペースで、すでに22個のメダルを獲得していることも盛り上がりを後押ししていると言えるでしょう。イギリスで五輪の報道を見ていて面白いなあ、と思ったのは、当然と言えば当然だけど、注目競技が日本とはまったく違うこと。ちなみに、今日時点でイギリスがもっとも多くのメダルを獲得している競技は何だか分かりますか?これが分かったら相当のイギリス通です。正解は・・・、なんとボート(Rowing)で、BBCニュースによるとここまで4個(金1、銀2、銅1)のメダルを獲得しているそうです。言われてみれば、確かに大学対抗のボートレースが相当盛り上がっていることも考えると納得できるものがあります。さらにびっくりしたのは、ボートと並ぶ注目競技で、かつ3個のメダルを獲得した人気競技が馬術(Equestrian Eventing)であること。これもいかにもブリティッシュですね。テレビでも、数々の人気競技を押しのけて、ゴールデンタイムに延々と馬術のダイジェストが放映されていたのにはびっくり・・・、というか、ちょっと笑ってしまいました。日本だとかなり地味なイメージですが、馬術ってこんなに盛り上がれるものなんだ、と知ったのは新たな発見です。さて、これだけオリンピックが盛り上がっているもう一つの理由は、ロンドンが2012年の夏季オリンピック開催地に立候補している、ということも大きいのではないでしょうか。現在、招致活動の真っ只中で、中心地のレスタースクエアをはじめ、街のあちこちでオリンピック招致運動のポスターや看板を見かけます。ライバルは、パリ、マドリッド、ニューヨーク、モスクワと、いずれも劣らぬ難敵ばかりで、どこが勝ってもおかしくない熾烈な招致合戦が繰り広げられているようです。しかも、ロンドン、またはパリで行われることになると、史上初の3回目のオリンピック開催都市となります。ちなみにウィリアムヒルによる最新オッズでは、パリ2.1倍、ロンドン2.25倍、マドリッド8倍、ニューヨーク9倍、モスクワ21倍となっていて、現時点ではパリが最大の強敵で、やや苦戦している模様。運命のIOC最終投票日は来年7月6日。相手が相手だけに力が入るのもうなずけますね。
2004年08月24日
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イギリスでは近年、肥満率の増加が問題になっています。BBCニュースによると、成人の肥満率はアメリカの31%には及ばないものの、イギリスでも年々増加して約23%に達し、特に女性では25%にも上るそうです。最近、こういった肥満問題への取り組みとして、コーンウォールでのサイクリングフェスティバルや、学校での健康食生活レッスンなどなどさまざまな試みが行われていているそうですが、国民的趣味とも言えるジャンクフード好きを治さない限りムダじゃないかなあ、と思ってしまいます。そういえば、イギリスではジャンクフードのテレビCMを禁止することまで検討されているそうです。僕の同僚のイギリス人も、飽きもせず、朝から晩までポテトチップスばかり食べているのにはあきれてしまいます。ひどい人だと、昼食代わりにポテトチップスを食べている人までいます。しかし、先日さらに恐ろしいニュースを耳にしました。タブロイド紙、デイリー・エクスプレスが伝えるところでは、ハルトンのチェシャー地区では、住民の食生活を指導するべき立場のはずの食生活アドバイザー自身も、体重19ストーン(約121キロ)の重度の肥満であることが明らかになり、大きな問題になっているそうです。問題になっているのは、自民党所属のダイアン・インチ議員。地方議員でもある彼女は、住民の手本となるべく毎朝フルーツなどの健康的な朝食を摂っているものの、ついつい、これも国民食ともいえるマーズ・バーなどのチョコバーも食べてしまうそうです(意味無いなあ)。インチ氏は、同紙のインタビューに以下のように答えています。「もちろん、私自身がイギリスの肥満率増加のよい例であることは重々承知しておりますわ。でも、私の体重の問題は、食生活が悪いわけではないのです。忙しすぎて運動する時間が無いからなのです。」うーん。それだけで121キロにまでなるかなあ。こんな説得力の無い指導員の下で、住民の食生活がはたして改善されるのか。心配でなりません・・・。
2004年08月23日
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同僚が皆ものすごい勢いで薦めるので、ついにマイケル・ムーア監督の「華氏911」を見て来ました。いまさら説明の必要も無いほど有名になってしまいましたが、この映画はイギリスでも大人気で、BBCニュースによると7月9日の公開開始後の最初の週末だけで1300万ポンド(約26億円)を売り上げ、これはドキュメンタリー映画としては新記録とのこと。すでに公開開始から1月以上経っていることもあって、この日は週末の夕方でも2,3割程度の入りでしたが、結構若い人、それも女性が多かったのが印象的でした。映画の詳しい内容はここでは控えますが、ニュースや新聞などのメディアがいかに戦争の表面的な部分しか扱わないか、ということを実感できる非常に優れた作品だと思いました。小泉首相も見ればいいのに・・・。とくに印象的だったのは、911同時テロの直後にあらゆる航空機が飛行を禁じられていた中、ビンラディンの家族にだけは国外への脱出を許可してしまうなど、ブッシュ大統領や政権の中枢にいる人々がサウジアラビアと個人的、金銭的にいかに深く癒着しているか、ということについて大きく取り上げている点です。また息子をイラクで失った母親へのインタビューは、とても涙なくしては見られなかったですし、爆撃で大怪我をしている子供たちや、戦争で手足を失った負傷兵の姿など、ニュースでは決して見ることのできない目を背けたくなるような映像も数多くありました。一方でユーモアのセンスも随所にあって、確かに筋の荒削りなところもあるけど予想以上に凝った作りになっていて、作品としての完成度もかなり高かったです。中でもカウボーイ姿のブレア首相には、イギリス人も大うけでした。また、内容と関係ないですが、選曲もロック好きなのが伝わってきてとても良かったです。僕自身も、必ずしもすべての戦争が避けられるとまでは思っていないけれど、少なくともイラク戦争に関しては大量破壊兵器が出てこなかった時点でブッシュ氏やブレア氏の明らかな「負け」だと思いますし、テロと関係の無いイラクではなく、ビンラディンの捜索やアルカイダの壊滅に全力を尽くすべきだった、というのもまったく同感です。特に、意味の無い戦争のためにあまりに多くの人が犠牲になってしまった裏で、政権中枢の人々の関連企業に多額の収益がもたらされた、という話は耐え難いものがあります。ちなみに下の写真が今回行ったピカデリーの映画館。ここは大人8.5ポンド(約1700円)と日本とほぼ同じくらいの値段で見ることができ、施設や椅子もとても新しくて綺麗でした。しかし、となりの映画館ではなぜか12ポンド(約2400円)もしていました。なぞだ・・・。
2004年08月22日
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日本にいるときは服を買うのが半ば趣味のようだった筆者ですが、実はイギリスに来てからというもの、ほとんど買っていません。イギリスで買っても高いし日本にもって帰るのが大変だし・・・という理由ももちろんあるのですが、改めて考えてみると、アウトレットショップに行く機会がすっかりなくなってしまったから、という理由が大きいことに気付きました。というのも、日本にいたときは、それこそ毎月のように、御殿場、軽井沢、横浜、町田、幕張、佐野・・・と、東京近郊のありとあらゆるアウトレットモールに車で通いつめていたほどのアウトレットモールマニア(?)だったのです(ちなみに筆者のおすすめは圧倒的に御殿場です)。イギリスにもロンドン郊外まで行けば似たようなモールがあると聞いたことはあるのですが、やはり車がないと不便だし、行きづらいものです。しかし、ロンドンにもポールスミスのアウトレットショップがある、と友人から聞きつけ、今日早速行ってきました。下の写真がひっそりとした店の様子です。ここは、ボンド・ストリートからも程近いのですが、見てお分かりのように、エイヴリー・ロウというめちゃくちゃ細い裏路地のようなところにあるので、入念に地図を調べてから岩より固い決意を持って探さなければ見つからないような立地です。筆者もたどり着くまで30分くらい道に迷ってしまいました。ですが、結構リピーターと思われるような人もひっきりなしに出入りしていて、狭い店内はかなりの賑わいで、いい感じ。商品の並べ方も、普通のお店と違って相当に所狭しと置かれていて、ちょっとブランドのイメージとは違う感じです。あと、さらにびっくりしたのは、店員さん。およそポールスミスのイメージとはかけ離れた八百屋のオヤジのような太ったヒゲのおじさんが、豪快に元気よく声をかけてきてくれるので、申し訳ないけどイメージ丸つぶれですよ・・・。また、壁には日本語で「タグに赤いしるしのある商品は規格外品ですので、返品はお断りしております」なんて張り紙までしてあるので、日本人も結構来るのかもしれません。この日は、結局シャツとTシャツを1枚ずつ買ってしまいましたが、唯一困ったことは、Sサイズの品揃えが非常に少ないので、サイズの合う品が限られる、というところでしょうか。ですが、なかなか気に入ったお店なので、これからちょくちょく来ることになるかもしれません!他にもロンドン近辺でお勧めのアウトレット情報があったら教えていただけると嬉しいです~。
2004年08月21日
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最近、パブに飲みに行く機会が多いです。というのも、8月は人が移動することが多いので、送別会が多いのです。昨日も、同じラボにいる同僚の彼女が卒業してマンチェスターへ行く、というので、送別会に行ったところです。なぜ、そんなほとんど話したことも無い人の送別会にまで筆者が招待されるのかは謎です(!)。そもそも、大勢で押しかけておきながら、ほとんど仲間内で話しているだけなので、単に飲みに行く理由がほしいだけに違いないです。さて、パブで何をそんなに話すことがあるのかというと、仕事の話や他愛も無い話をあれやこれやとするのですが、実は最近必ず出る話題の一つがアメリカの悪口です。まあ、僕のラボにアメリカ人がいなくて、イギリス、フランス、スペイン、ドイツと、ヨーロッパ人はほぼ一通りそろっているせいもあるかと思うのですが、飲み会でアメリカの悪口が出ない日はありません。昨日はマイケル・ムーア監督の映画F911の話題も出ていましたが、聞いたところ、なんとその場にいた人の過半数はすでに見た、と言っていました。しかも見た人はそろって絶賛していたので、僕も近いうちに見に行こうと思っているのですが、いかにアメリカ嫌いが蔓延しているかが伺えます。また、将来について話すときも、イギリス人Pさんは、「アメリカで働くだなんて、まっぴらごめんだね」と言っていましたし、フランス人のCさんにいたっては、「他のラボに移るとしても、アメリカ以外ならどこでもいいわ」とまで言っていました。もちろんイギリスはアメリカに追随してイラク派兵まで行っている国ですが、人々の心の中では、イラク戦争以降、アメリカとヨーロッパの間に決定的な溝ができてしまったように感じます。さて、実際のところ、ブレア政権率いる労働党は、先月の補欠選挙で議席を失なったり、また6月の統一地方選挙では、野党・保守党はおろか第三勢力の自民党にまで後塵を拝するという地すべり的な大敗を喫したことからも伺えるように、支持を大きく減らしています。僕の周りでも、レバノン出身の同僚で自民党に投票したと言うGさんは、「俺はイラク戦争に反対だから自民党に入れたぜ。当然のことだよ。」と息巻いていました。この様子では、労働党政権の命運ももはやここまでか、と思いきや、ことはそう単純ではないようです。保守党に投票したという学生のHさんは、「自民党はリベラルすぎて信頼できませんですわ」と言っていましたが、この言葉に象徴されるように、現労働党政権を支持しない人たちの間でも、イラク戦争に明確に反対している自民党は新興勢力過ぎて政権を任せるには心もとないし、かといって保守党では労働党とあまり変わらない・・・、ということで、来年に予定されている総選挙では、労働党が再び勝つ公算が高い、とするアナリストが多いそうです。先日の保守系高級紙「デイリー・テレグラフ」には、最新の世論調査の記事が載っていました。これによると現政権を支持する人は、3年前の総選挙時より25ポイントも減って27%。逆に支持しない、とする不支持率は60%で、これは3年前より20ポイントも高くなっています。これだけ見ると、労働党大ピンチ、と思われますが、一方で政党支持率を見ると、労働党34%、保守党33%、自民党23%で、かろうじてではありますが、労働党がいまだに首位をキープしています。なぜ、内閣支持率がこれだけ低いのに、労働党が首位を維持しているのか不思議な気もします。これは最大野党の保守党が政権批判層の支持を集めきれず、左派の自民党に支持が流れてしまい、3大政党に近い状態になってしまっているためだと思われます。特にこの記事で象徴的だった調査は、正直さと信頼性についての意識調査でした。同紙によると、現政権を「正直で信頼できる」、と考える人が24%であるのに対し、将来保守党政権になったとした場合、「正直で信頼できる政権になる」と思う人は20%と、なんと現政権をさらに下回っているのです。さらに印象的なのは、政党別のイメージ調査で、「優れたリーダーがいる党」について労働党をあげた人が34%に対して保守党はわずか13%。また、「優れたリーダーに欠ける党」については、労働党56%に対し保守党75%と、ハワード氏率いる保守党の不人気ぶりが目立っています。他にも、「将来を見通す能力」、「明確な方向性」、「現代の感覚に通じているか」など、あらゆる項目で保守党は労働党に大差をつけられており、これは不人気だった前任のダンカン・スミス氏のときよりさらに悪化しているそうです。このあまりの不人気ぶりに、同党では来年の総選挙で負けたら党名を変更するという計画まで出ているとか。確かに経済の高成長率の維持や、公務員の大胆な削減計画など、国内政策において現労働党政権が評価の高い大胆な改革を続けていることは事実ですが、構造改革路線だってもともとは保守党のサッチャー氏が始めたことだったはず。決して現政権が支持されているわけではないのに、消去法のような形で政権が続いてしまうのは国民にとって決して幸せなことではないでしょうが、どうやらそれが現実になりつつある雲行きのようです。
2004年08月20日
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ロンドンは東京と同じように、地下鉄やバス路線網がいたるところに張り巡らされているため、車を持つ必要性を感じることはあまりありませんが、日本と同じく左側通行なので、比較的運転はしやすいと言われています。左側通行といえば、このまえパブで同僚のイギリス人、フランス人と飲んでいたとき「なぜイギリスは左側通行なのにフランスは右側通行なのか」について論争になったことがあります。これについて、イギリス人Jさんは、「イギリスがどっち側通行だったとしても、ひねくれもののフランス人はその反対にしていたに決まっているさ。」と発言。これにはフランス人Cさんも思わず納得していました。一方、同じくイギリス人Pさんは、「戦争になったときに、相手に簡単に攻め込まれないようにするためじゃないの?」と言っていましたが、戦争のさなかに交通法規なんて遵守する意味あるかなあ・・・。これはちょっと疑問に思いました。さて、話がそれましたが、今回は道路標識について。意味が分からないほど日本とかけ離れた標識というのは見たことが無いので、さほど困るようなことは無いのですが、イラストのセンスがちょっと日本と違っているのが妙に可笑しく感じることがあります。ちなみに僕のお気に入りは、下の写真の「老人に注意」。老夫婦のシルエットに、やけに哀愁が漂っていて可笑しくないですか?しかし、こんなもので喜んでいたら、友人に「まだまだ甘い」と怒られてしまいました。というのも、地方に行くと、まだまだ面白い標識がいろいろあるというのです。「羊に注意」とか、「馬に注意」あたりなら日本にもありそうですが、なんとイギリスには「戦車に注意」、はたまた「戦闘機に注意」といった標識があるそうです。これは、軍事演習場の近くで、戦車が道路を横切ったり、戦闘機が超低空飛行することがあるために注意を促しているとのこと。たしかに、そんなものにぶつかられたら、車などひとたまりもなさそうです。何としてもいつかその標識をカメラに収めなければ・・・、と固く心に誓う筆者でありました。
2004年08月19日
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多くの日本人にとって、「イギリスのイメージ」というと、いまだに「紳士の国」、という固定的な印象が強く刻まれているのではないでしょうか。しかし、実際に住んでみると、全然紳士的でない部分もかなり多いのですが・・・。今朝の「メトロ」紙には、「More Sex Please, We Are British」という大きな見出しで、なんとイギリス人の性モラルは世界最悪レベルである、というショッキングな調査結果が掲載されていました。これは、マーケティング会社のユーロRSCGワールドワイドによる調査結果で、イギリスのほか、アメリカ、ドイツ、フランス、中国の5カ国を対象に、性意識について1万1千人以上の男女に対して行った大規模なアンケートに基づいています。同社によると、「30代において、10人以上の相手とベッドを共にした経験があるのは普通なこと」、と考える人の割合は、イギリス人が最も高く、60%に達するそうです。これに対して、アメリカ人とドイツ人は50%、フランスは意外と低くて30%、最も低いのがやはり中国で、17%という結果でした。また、一人のパートナーのみに忠誠を尽くす、というイギリス人は半数以下にとどまり、さらに衝撃的なのは、「一夫一婦制が人にとって自然なこと」と考えるイギリス人は42%と、なんと調査国中で最低水準なのだそうです。おりしも先月には、英国内における性感染症が10年前より57%も増加している、という衝撃的な報告があったばかり。性パートナーの増加が、性感染症の増加に大きな役割を果たしていることが指摘されています。家族計画協会のスポークスマンは、この調査結果について、「モラルが失われている、というのがまさに本質的な問題ですよ。正しいパートナーの数はいったい何人なのでしょうかね。大事なのは避妊とともに、性の健康を守る、ということです。」ときわめてまっとうな指摘をしています。そんなわけで、イギリス人との(に限らないけど)Love Affairには十分な注意が必要なようです。・・・とはいっても、僕にはまったく関係のなさそうな話ですが。ははは・・・。
2004年08月18日
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ロンドンには観光名所がたくさんあって、1年住んでいてもまだ行っていないところが結構あります。さすがサミュエル・ジョンソンも「ロンドンに飽きた人は人生に飽きた人だ」というだけのことはあります。さて、マダム・タッソー蝋人形館も前々から行ってみたかったのですが、いつもものすごい行列な上に、ただ人形を見るのに入場料17ポンド(約3500円)、というのも暴利な気がして長い間足が向かなかったものの、ついに行く機会ができました。長い行列は建物の中に入っても長く続いていて、この日は結局1時間以上ならぶほどの大混雑でしたが、不思議と日本人は見かけませんでした。しかしさすが高い入場料を取るだけのことはあって、なかなか面白かったです。スポーツや歴史、政治家などいろいろなコーナーがありましたし、人形だけでなくて乗り物などのアトラクションもあって、意外とバラエティーがありました。その中でも一番盛り上がっていたのは、やはりセレブの人形が大勢そろっているエリア。他にも、ベッカム夫妻とか、ブリトニー・スピアーズ、トム・クルーズ、ナオミ・キャンベルなど、数多くのスターが勢ぞろいしていてかなり面白かったです。残念ながら日本人の人形は無かったですが、ミーハーな人ならかなり楽しそう。しかし一番びっくりしたのは、男女問わずですが、人形なのをいいことに(?)、みんなスターたちのあんなところやこんなところを触りながら、ちょっとエッチな写真を撮りまくっていたこと!これには見ているこっちのほうが恥ずかしくなってしまいましたよ。いくら人形だからって、彼らには恥じらいという言葉が無いのでしょうかね・・・。・・・と言いつつ、僕もペネロペ・クルスやジュリア・ロバーツとラブラブの写真を撮ってしまっただなんて、口が裂けても言えませんが・・・。
2004年08月17日
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大英博物館やミュージカルシアターなどが立ち並ぶトッテナムコートロードの界隈は、在英日本人の間では「ロンドンの秋葉原」とも呼ばれていて、数多くの電気屋さんが並んでいます。ただし秋葉原と唯一違うところは、売られている商品が高いうえに品質が悪く、品数も少ない、といったところでしょうか(ろくなことがないな・・・)。さて、トッテナムコートロードの地下鉄駅からチャリングクロスロードを南進すると、楽器店が数多く立ち並んでいる光景を目にすることができます。以前よりはやや寂れてきたらしいですが、こちらは東京で言えば「御茶ノ水」のような雰囲気の楽器店街。何を隠そう、筆者は学生時代にはユニットを組んで、ボーカルのみならず作詞、作曲、アレンジまでこなして日夜デモテープ作りにいそしんでいたほどの「音楽小僧」。大学からほど近かった御茶ノ水の楽器店に、暇さえあれば通いつめていた当時が思い起こされて、ちょっと懐かしい気分になります。機材は、シンセサイザー(プログラミングだけで演奏はできないけど)、エフェクター、MTR(マルチトラックレコーダー)、マイク、シーケンスやサンプリングソフトウェアといったあたりは、それなりにいろんな商品を見たり使ったりしてきたので、こちらで売られている商品を見るのもなかなか興味深いものがあります。さて、ロンドンで売られている商品は・・・、というと、日本で売られている商品とそんなに変わらなくて、YAMAHAやRoland、Korgといった日本製の機材もたくさん置いてあって、ちょっと嬉しくなってしまいます。ただし、値段は同等の商品が日本よりもずっと高い・・・。ギターなどは日本とあまり変わらないらしいですが、電子楽器となるとどういうわけか日本の倍近くはするような印象です。そのためか、日本のように店先で手軽に機材に触れるようになっていないことが多くて、厳重にショーケースに入れられていて、これは宝石かいな・・・、と言いたくなります。また、日本のように初心者向けのものはほとんど置いていなくて、かなりマニア向けのものが中心で、これでは初心者はどうすればいいのだろう・・・、と余計な心配までしてしまいます。そこで気がついたのですが、イギリスはアダルトスクールが非常に盛んなので、おそらく初心者はとりあえず教室へ行くケースが多いのではないでしょうか。「HotCourses」というさまざまなカルチャースクールを網羅的に紹介している雑誌を見ると、歌や楽器、ダンスなどのレッスン以外にも、「Recycle!」や、「Logic」などといった音楽プログラミングをやったことの無い人はおそらく聞いたことのないであろうソフトウェアのレッスンコースがクラス別に山のように掲載されているのにはびっくりしました。日本では確かRolandあたりが細々とDTM(デスクトップミュージック・・・ただし和製英語ですが)教室をやっていましたが、ロンドンの教室の数はその比ではないですし、料金も安め。今はちょっと忙しくて余裕が無いけど、せっかくだからロンドンにいるうちに思い切って、歌か、音楽プログラミングのレッスンを体験してみるのもいいかも・・・、とひそかに思ったりしています。
2004年08月16日
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8月15日は日本では終戦記念日ですが、イギリスでこの日のことを何と呼ぶか知っている日本人は案外多くないのではないでしょうか。実はこの日は「Victory Over Japan Day」(VJデイ:対日戦勝記念日)と呼ばれ、聞いた話では少し前まで毎年大々的に反日キャンペーンが行われ、在英日本人は外を歩くのも怖いほどだったそうです。とは言え、すでに終戦から59年もの月日が経ち、今年のVJデイ関連のニュースは新聞でもテレビでもあまり目にすることはありませんでした。あまり日本の歴史教育ではやらないと思うので、ここで簡単に日本とイギリスの間の戦争をおさらいしておきます。ビルマ(ミャンマー)は英緬戦争ののち1885年にイギリス領になりましたが、1941年12月11日(真珠湾攻撃の4日後)、日本軍がビルマに侵攻。1945年8月の終戦までに、日本軍30万人のうち18万5千人が死亡。一方で英国軍も30万人のうち3万7千人が死亡するという大規模な痛ましい戦闘がありました。直接相手領土への侵攻となった中国や朝鮮半島などの例とは異なり、東南アジアでの日英間の戦争は植民地の奪い合い、という面が強かったので、この戦争を理由にイギリスが反日キャンペーンを行っていたのは、結局のところ退役軍人や元捕虜への配慮、という側面が強かったようにも思えます。BBCニュースによると、今日ブリストルにおいて退役軍人200人が参加してのVJパレードが行われたそうです。しかしながら、議長のキング氏によると、退役軍人の殆どはすでに80代と高齢で、今年が最後のパレードになる予定とのこと。小さなニュースでしたが、これも日英関係にとって一つの区切りなのかもしれません。
2004年08月15日
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今日は、ついに楽天日記のイギリス在住メンバーの方々とお会いすることができました。お会いできたのは、いつも素敵な日記を書かれているSpicy☆☆さん、NinjaCatさん、そしてRose.さん。なんと、美女3人に囲まれて公園へピクニックに行く、という常軌を逸したありえない事態がわが身におきてしまったのです!ネットで知り合った方々とお会いするのは、実のところほぼ初めてだったのですが、普段は決して知り合うことのできない方々とお話しができて、本当に楽しかったです。みなさん、ありがとうございました☆さて、節操も無く話はまったく変わりますが(!)、BBCニュースが伝えるところによると、近年、イギリスでは審美歯科のブームが起きているそうです。ニューキャッスル大学のスティール教授が、同局のインタビューに答え、以下のように話していました。「最近の患者の要求はまったくもってけしからんものです。彼らはまったく歯科医師に余計なプレッシャーをかけていますよ。さらにけしからんのはセレブたちの『完璧』な歯のイメージですな。」このような風潮を反映したものかと思われるのですが、イギリスのマツキヨ、とも言われる「BOOTS」にも「歯の漂白キット」なるものが売られているのを発見しました。アメリカでも同じようなものが作られているようですが、これは専用のマウスピースのようなものに薬剤を流し込んだものを口にくわえて、20分ほど歯にしみこませて漂白する、というもの。約19ポンド(約3900円)也。こんなものが流行する背景には、イギリス人は紅茶やコーヒーが大好きなので、どうしてもある程度歯に着色が生じてしまう、という事情もあるのかもしれません。しかし、これ、効果あるのかなあ。ちょっと面白そうな気もするけど、なんとなく怖い気もしますね・・・。
2004年08月14日
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東京では車椅子に対応したバスはあまり多いとは言えませんが、ロンドンではすでに大部分が車椅子対応のノンステップバスになっているのには素直に感心します。ただし、公平のために言うと、地下鉄は老朽化が進みすぎて改修が行いにくいためか、ほとんどの駅がいまだに階段のみになっているので、公共交通機関すべてがバリアフリー化されているというわけではないのですが。ロンドン交通局のウェブサイトによると、今年2月時点ですでにダブルデッカーも含めて約86%が車椅子に対応した段差の無い「Low floor(低床)バス」になっており、来年3月までには100%にする計画とのこと。ファンが多い後ろから乗る伝統の旧式ダブルデッカーバスも、来年末までにはすべて無くなってしまうそうです。ややさびしい気もしますが、福祉のためにはやむなし、と言ったところでしょうか。今のうちに写真撮っておこう・・・。現在急ピッチでバスの切り替えが進められていますが、僕がいつも使う路線にも、少し前に低床バス導入のお知らせが張り出されていました。この路線は病院の前を通るので、今では車椅子で利用する人をしばしば目にします。ちなみに日本ではどうか、というと、国土交通省のウェブサイトによれば、東京都交通局では昨年3月時点で約27%、大阪市交通局にいたっては約15%という低導入率で、しかも東急や小田急など私バスのほとんどはそれよりかなり低い数字とのこと。この点では、ロンドンのほうがだいぶ進んでいると言えそうです。福祉国家の真髄はまだ幾分残っているのかもしれません。またアメリカの都市部のバスと違って治安面での不安もほとんど無いですし、路線網も充実、24時間運行されていて、ロンドンのバスはこれからも市民に愛される存在であり続けそうですね。
2004年08月13日
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ロンドン市バスの中の右側に縦長のクッションのようなものがあるのですが、日本でこのようなものを見たことが無かった筆者は、最初、折りたたみの椅子かな、などと思って動かそうとしたものの動かない(今から思うと恥ずかしい行動だ・・・)。実はこれ、車椅子用の背もたれ、のようです。よく見ると横に小さく張り紙がしてありました。車椅子の背中側をクッションに向けてセットするように設計されていて、いまや市内の殆どのバスに設置されています。これはイギリス人らしからぬ気の効かせ方といえるでしょう。筆者の詳細な解析(?)によれば、このようなクッションが必要な理由は、イギリス人のブレーキの仕方に原因があるのではないかと思います。というのも、バスにせよ自家用車にせよ、イギリス人のブレーキングはなぜかみな、いわゆる「カックンブレーキ」。とても非常にかなーり乗り心地が悪いです!よくみんな文句を言わないものだと思います。日本でスムーズかつ乗り心地の良いブレーキングを日々探求していた筆者など、歯がゆい気持ちでいっぱいになります。とは言え、筆者は英国で車の運転をしたことがないので、その原因が車にあるのか、ドライバーにあるのかは定かではないのですが、おそらく後者だろうなあ・・・。ひょっとすると、あのラウンドアバウト(ロータリー)、という割り込みや脱出の迅速な判断を求めるシステムが、急発進、急ブレーキの多い運転方法を育てているのかもしれません。しかし、燃費や環境にも悪そうです。そういえば、最近の日本のバスみたいに、信号待ちの際にアイドリングをストップする、なんてこともしませんね。さて、車椅子とバスの関係についてはもう少し書きたいのですが、時間が無いのでまた次回に続きます・・・。
2004年08月12日
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以前にもご紹介した英国の超人気番組「ビッグブラザー」。これは、見知らぬ若い男女が過激な共同生活をして、人気投票でチャンピオンを決める、という変な番組ですが、先週ついに大々的にフィナーレを迎えました。で、優勝したのがポルトガル出身のナディアちゃん(27)。彼女、6万3500ポンド(約1290万円)もの賞金を受け取ったそうです。あけて月曜日、筆者はいつもどおりイギリスの「ズームイン!朝」とも言われる「グッドモーニングTV」をつけていると、ゲストがそのナディアちゃんでした。これって良く考えてみるとすごいことです。というのも、グッドモーニングTVの放送局はITVで、ビッグブラザーはCHANNEL4。つまり日本で言えば電波少年の企画の優勝者がニュース23やニュースステーション(もうなくなったんだっけ?)のゲストになるようなものです。これを見ても、いかに絶大な人気を誇る番組なのかがお分かりいただけるかと思います。また新聞を見ても「イブニングスタンダード」や、「メトロ」など、なんと各紙この話題で持ちきり!イギリス人、頭おかしいんじゃないか!?(おっと、失礼・・・)じつはナディアちゃん、性転換手術をうけた元男性で、それだけでもインパクトがありますが、番組内でしょっちゅうトップレス姿になってしまう、というトップレスマドでもあります。そんな彼女ですが、先日の「メトロ」紙が伝えるところでは、新たにブックメーカーの賭けの対象になっているそうです。なんでも、彼女は結婚相手を探しているところで、ラドブローク社では彼女が今年中に結婚するのに10倍のオッズがついているんだとか。これは、番組内でセックスまでしちゃったステュアートとミシェールが年内に結婚するオッズの25倍をも下回っています。これには筆者など、そんなことどうでもいいよ、と言いたくなります。こんなエピソードも、イギリス人の賭け事好きを如実に反映していると言えそうですが、実はここ数年、イギリス人が賭け事に使うお金は、好景気と税制の変更もあってますますヒートアップしてるんだそうです。BBCが伝えるところでは、昨年のブックメーカーの総売上げ約70億ポンドに対して、今年はすでに約30%の増加が見込まれているとか。筆者の家の近所にも賭け屋さんがたくさんあります。さて、筆者はというと、株や投資信託ならともかく、ブックメーカーや競馬、カジノなど明らかなマイナスサムゲームに賭ける気はどうしてもしないのですよねえ。でもせっかくだから、イギリスにいるうちに一度はやってみるべきかなあ。うーむ・・・。
2004年08月11日
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今日は、いったい筆者がどんな研究をしているのか、という読者からの数多くのご要望にお答えして(いや、決して多くはなかったです。ハイ。)、ちょこっとだけラボの様子をご紹介したいと思います(そろそろネタが切れてきた、という説もあるが・・・)。日本と大きく違うのは、マイクロピペッターのチップなどのゴミが、床にやたらと落ちてること!ロンドン地下鉄をほうふつとさせるゴミの落ち方です。アメリカのラボでもこんなことは無かったぞ・・・!やっぱりこれもとってもBRITISHなことですよね・・・?あと、日本のラボでは夜遅くまで大勢が実験に勤しんでいるけど、こちらでは夜7時くらいになるとほとんど誰もいなくなってしまう、というのも大きな違いです。さて、ここから先は宣伝になってしまいますが、先日、日本の某出版社から依頼が来て、医療系の月刊誌になんと「海外ラボレポート」(仮)という連載記事を書くことになりそうです。またちゃんときまったらこちらでもご報告しますが(なんて言ってたらボツになったりして・・・?)小心者の筆者が早くもドキドキしっぱなしであることは言うまでもありません・・・。
2004年08月10日
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先日は、イギリスで売られているシリアルには糖分や塩分が大量に含まれているので体に悪い、というレポートを紹介しましたが、それならヘルシーにサラダでも・・・、と思いきや、なんとイギリスで売られているサラダもひどく体に悪いものである、というデータが昨日の「サンデータイムズ」紙に載っていました。同紙が大手スーパーで売られているサラダの栄養素を比較したところ、多くは下表のように、マクドナルドのビッグマックとポテトのセットをも凌ぐ量の脂肪分や塩分が含まれているんだそうです。サラダ 脂肪分(g) 糖分(g) 塩分(g) カロリーテスコ チキンベーコンサラダ 59 8 3 843セインズベリー ウォルドーフ 41 26 2 503セーフウェイ トマトバジルチキン 34 15 4 627ビッグマック+フライドポテト 32 12 3 699これについて食品委員会のスポークスマンであるトークラブ氏は、「こういった問題のあるサラダにはそれなりの警告が表示されなきゃなりませんよ。」また、ある専門家は、「1日の塩分摂取量をたった1g減らすだけで、毎年6000人もの命が救われるという試算が出ています。」とコメントしています。さらに、セントジョージ病院のマクレガー教授は、「多くの人はサラダは体にいいもの、と思ってますよね。ところが、いくつかの商品は警告が必要なほどのとんでもない代物なのですよ。」と注意をうながしています。しかし、これについてスーパー側は、「われわれは栄養素の量をきちんと表示しております。その上での選択なのですから、あくまでもそれは消費者のご判断次第なのですよ。」と、どこ吹く風といった様子。筆者はだんだんイギリスで何を食べたらいいんだか分からなくなってきましたよ・・・。
2004年08月09日
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日本では、近年自殺件数が急増していることが社会問題化しています。このニュースはBBCニュースでも取り上げられたほどでしたので、イギリス人にも関心をもって伝えられたようです。毎日新聞の伝えるところによると、昨年の人口10万人当たりの自殺者数は約27人となり、これは先進国で最悪の水準なのだとか。ではイギリスではどうなのだろう。また世界は・・・、と思い調べてみると、ちょっと古いですがドイツのヴュルツブルグ大学が行った世界82カ国の自殺率の国際比較(87年~97年のデータ)をみつけました。そこで、その男女平均と日本の最新のデータから、ちょっと大雑把ですが以下のような自殺率(人口10万人当たりの年間自殺者数)の順位表をつくってみました。結果は以下の通り。1 リトアニア 48人2 ロシア 44人3 ラトヴィア 43人4 エストニア 40人5 ハンガリー 37人6 スリランカ 33人6 ベラルーシ 33人8 スロベニア 29人9 日本 27人9 フィンランド 27人11 ベルギー 25人11 カザフスタン 25人13 クロアチア 24人13 ウクライナ 24人15 オーストリア 23人16 フランス 21人16 スイス 21人18 ルクセンブルグ 19人18 チェコ 19人18 モルドバ 19人21 デンマーク 18人21 ブルガリア 18人23 中国(一部地域のみ) 16人24 ドイツ 15人24 スウェーデン 15人24 ポーランド 15人27 カナダ 14人27 オーストラリア 14人27 キルギスタン 14人30 ノルウェー 13人30 ニュージーランド 13人30 スリナム 13人33 アメリカ合衆国 12人33 オランダ 12人33 シンガポール 12人33 香港 12人33 モーリシャス 12人33 ルーマニア 12人33 トリニダードトバゴ 12人40 アイルランド 11人40 ウルグアイ 11人42 アイスランド 10人42 韓国 10人42 プエルトリコ 10人42 エルサルバドル 10人46 ポルトガル 8人46 イスラエル 8人46 ジンバブエ 8人49 英国 7人49 イタリア 7人49 スペイン 7人49 アルゼンチン 7人49 セントルシア 7人54 ウズベキスタン 6人54 トルクメニスタン 6人54 バルバドス 6人57 マルタ 5人57 チリ 5人57 エクアドル 5人57 ベネズエラ 5人61 ギリシャ 4人61 コスタリカ 4人61 タジキスタン 4人61 グルジア 4人65 ブラジル 3人65 メキシコ 3人65 トルコ 3人65 バーレーン 3人65 パラグアイ(一部地域) 3人65 パナマ 3人65 アルバニア 3人65 アルメニア 3人65 コロンビア 3人65 ニカラグア 3人75 クウェート 2人76 ジャマイカ 1人76 ペルー 1人76 アゼルバイジャン 1人76 バハマ 1人76 ベリーズ 1人81 エジプト 0人81 セントビンセント アンド グレナディーン 0人82カ国平均 12人さて、これを見ると、日本は82か国中9位、とかなり自殺率が高いことが分かります。日本より高い国を見ると、旧ソビエト連邦(特にロシアやバルト3国)が際立って多いのが目に付きます。また、ハンガリーなど東欧諸国は比較的自殺率が高いようです。先進国だけで見ると、日本がトップですが、フィンランド、ベルギーはほぼ同水準と言っていいでしょう。この表から一定の傾向を見出す、というのはちょっと難しい気もしますが、いくつか言えることはありそうです。 まず、所得の多さ、というのはあまり関係なさそうに思われます。近年の日本における自殺の増加には、不況による経済苦が原因としてよく挙げられていますが、日本より経済難な国のほうがよっぽど多いわけですから、それを必ずしも第一の要因に挙げるのは適切でないように思います。一方で、例外もかなりありますが、高緯度ほど自殺が多い、というのは傾向としては正しいように見えます。これは、やはりよく言われるように、日照時間が少ないことが精神状態に大きな影響を与えるということを示しているのではないでしょうか。また、宗教も含めた地域的な文化の違いによる面も大きそうです。というのも、聞いた話によると、ハンガリーなどでは身寄りの無い老人が自ら山に入って命を絶つ、という風習が古くからあるのだそうです。一方でイスラム諸国がそろって少ないのも、イスラムが自殺を禁止している、という宗教的理由によるようです。ちなみに、BBCニュースでは、日本の自殺が多い要因として、失敗したときに命を絶つことで責任を取ることが美徳とされている、と解説されていました。確かにそれも否定できない部分もあるかもしれませんが、100年以上前の1900年の自殺率は13人、8年前の96年においても14人と、それほど多くなかったことを考えると、ここ数年の顕著な増加は文化的な風習とはいえない要因があるのではないでしょうか。この自殺問題は毎日新聞の社説にも取り上げられていましたが、そこには以下のように書かれていました。ーーーーーーーーーーーーーーー・・・「勝ち組・負け組」といった流行語に象徴されるように、いつの間にか人生を勝負事や他人との競争とはき違えるような風潮が広がっていることが、人々の失意や挫折感を増幅している面も否めない。(中略) 自殺者の多くが心の病気におかされていることを踏まえれば、精神科医療の充実はもちろん、精神科の患者に対する偏見を一掃し、精神科の敷居を低くする工夫なども求められている。(中略)自殺は弱い者の選択、といった考え方は捨て、自殺願望者をこの世に踏みとどまらせられない非力さを省みよう。何よりも若者までが絶望感を抱き出している社会の現実を問い直したい。ーーーーーーーーーーーーーーー確かに、近年の日本はアメリカ型の競争社会の原理を導入して不況を乗り切ろうと懸命になっていましたが、その一方で弱者に対するケアはなおざりにされてきたことが背景にあるのではないでしょうか。よく「自殺するのは勝手だけど中央線にだけはどびこまないでほしいよ」なんてコメントを耳にしますが、日本があまりにも弱者に冷たい社会になってしまった、という気がします。さて、一方でイギリスの自殺率は、イタリア、スペインなどと並んで82か国中49位。世界全体の中で際立って低いわけではないですが、82カ国の平均値12人よりはかなり下回って7人となっています。これは周辺国のフランスやドイツよりもかなり低いばかりでなく、先進国の中では最も低い水準ですし、日照時間が多いとはいえない国にしてはかなり健闘しているといえるのではないでしょうか。筆者はこの要因を断言できるほどイギリスに詳しいわけではないのですが、なんとなく納得できるような気もします。というのも、少なくともイギリスにはフラワーレメディなどのように心を癒す、ということにとても力を入れる文化がありますし、仕事よりも生活を中心に生きている人が多く、比較的ゆとりある暮らしをしているように見えるからです。さて、BBCニュースによると、イギリスではもう一つ、自殺件数の増減に大きく関わっているファクターがあるそうです。なんでも過去のデータを調べてみると、なんと保守党政権のときより労働党政権の時のほうが自殺率が減る傾向にあるんだとか。シドニー大学のテイラー教授は、これについて、「英保守党政権は市場重視の政策をとるのに対し、労働党政権のほうが社会的弱者に希望を与える政策をとる傾向があるためですな。」と解説していました。イギリスは日本に比べて、ストライキ権など労働者の権利を重視する社会なので迷惑を受けることも多いですが、こんな隠れた効用もあるのかもしれませんね。
2004年08月08日
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先日の「サンデー・タイムズ」紙では、めずらしく、ほぼ1ページまるまるを使って日本経済の特集が組まれていました(ぼろっちい新聞の写真ですみません・・・)。この中で、日本経済が回復基調にあることとともに、自殺件数が大幅に増加していたり、財政赤字が悪化していること、景気の先行きの不透明感などの問題点など、日本経済の現状がかなり詳しく書かれていました。その中でも大きく触れられていたのが、やはりUFJと東京三菱銀行の合併についてでした。東京に地盤のある東京三菱に対して、名古屋、関西に強いUFJの合併はメリットがあることが書かれていたのですが、ちょっと笑ってしまった文章があったので今回はその記事を紹介しますね(手抜き、という説もあるが・・・)。ーーーーーーーーーーーーーーー・・・UFJ has a strong presence in the industrial heartland of Kansai around Osaka and is dominant in the thriving automobile city of Nagoya.The bank's culture is said to reflect the brash, commercially-minded trading mentality in Osaka, where the standard greeting is "Have you made money today?"ーーーーーーーーーーーーーーーははは。大阪は日々のあいさつが「もうかりまっか?」の世界、ですね。もちろんこれについての筆者の返答は「あきまへんわ」ですが・・・。ちなみに冒頭の写真、あきらかに夕日なのに、なぜかタイトルに「Rising Sun」とあるのはご愛嬌、といったところでしょうか。
2004年08月07日
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筆者の研究所では半年に一度ほど、ファイアー・ドリル、と呼ばれる避難訓練が行われます。これは火災が起きたことを想定して、火災報知器が突然鳴り響き、全員建物の外にしばらくの間退去しなければならない、というもの。日本で避難訓練というと、事前に連絡が周知されて、万全の準備のもと行われますよね。ところが、少なくとも僕の研究所では、なんと事前の予告が無いので、本物の火事なのかどうか分からないのです!これは慌てます(ただし、運がいいと訓練の10分くらい前になってどこからか口コミで情報が伝わってきたりすることもある、というのがイギリスらしいフシギなところではありますが)。しかもイギリスの火災報知器の音量はハンパではなく、まともに耳にしたら間違いなく5分で難聴になってしまう、と思えるほど巨大なものなので、とてもその場にとどまれるような環境ではありません。したがってどんな重要な実験をしているときでも、投げ出して退去せざるを得なくなるのです。ちなみに、イギリスのドアは日本に比べてかなり重く、防火扉としての機能を非常に重視した作りになっています。これは、日本より乾燥していて火が回りやすい、という理由によるのでしょう。また日本のように扉のそばに物が置かれていて扉がふさがれている、なんてこともありません。さて、ファイアー・ドリル以外にも火災報知器の誤作動というのが結構あって、これまたすぐさま外に全員退去しなければなりません。ちなみに筆者は、ドリルと誤作動あわせてこの一年で4,5回は退去させられているほどなので、こういったことはかなり日常茶飯事のようです。このような時は、みんな外に追い出されてしまってすることがありません。そんなときはどうするか・・・、というと、もちろんイギリスでは当然のことながらみんなでパブに行く事になる・・・、というのがまさしく火を見るより明らかな顛末なのであります。お後がよろしいようで。
2004年08月06日
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昨日は、好天に恵まれる中、ラボの同僚とハイドパークへピクニックに出かけました。僕の所属するラボは半数がイギリス人ですが、残りの半数が外国人。それも、ドイツ、フランス、スペイン、ジャマイカ、エジプト、中国、日本と、ありとあらゆる国の人が集まっているので、いろいろな食べ物がいただけて楽しい昼食会となりました。さて、食事のあとはスポーツ、となるのですが、ここで思いがけず「ラウンダーズ」(ウィキペディアによる解説) という聞きなれない競技を体験することになりました。イギリスでのみ人気のあるスポーツ、というと、ビリヤードのスヌーカーや、クリケットなどはテレビでもよく見ますが、このラウンダーズはあまり目にすることが無いのではないでしょうか。きちんとした競技としてはあまり活発ではないようですが、学校ではよく行われているとのことです。日本で言えば、「ドッジボール」みたいな存在なのかもしれません。ソフトボールに似ているのは打つ瞬間までで、打ったあとは日本人の僕にはまったく予想だにしない光景が繰り広げられたのです!いろいろと面白いルールがあるのですが(僕がようやく把握できたのはゲームが終わりに近づいたころです)、ソフトボールとの違いを順に挙げていきます。1 「ファールグラウンド」は存在しないこれは、クリケットに近いルールですが、実際にやってみるととんでもないことです。というのも、野球やソフトボールであれば1塁~3塁の間、90度を守ればいいのですが、ここでは360度(!)守らねばならないのです。ですから、バッターはなかなかアウトにならず、1イニングの攻撃が1時間以上に及び、10~20点も入ることになります。炎天下、ほぼ玉拾い状態となる守備側にとっては地獄のようなルールと言わざるをえません。2 全員がアウトになるまで攻撃が続くこれも恐ろしい話です。野球なら3アウトでチェンジですが、ラウンダーズはアウトになった人から、打順から抜けていき、全員がアウトになったところでチェンジになります。ですから、当然最後は一人になってしまうわけですが、その人が出塁したら、打席はどうなるのか・・・というと、そのときは本人がアウトになってしまうようです。したがって、最後の一人は永遠にホームランを打ち続けなければアウト、というオニのようなルールです。他にもいろいろ違いはあるのですが、野球やソフトボールと比べても運動量がハンパではないことは確かです。ちなみに今回は野球のバットを使いましたが、本来は片手で打つ羽子板のようなものを使うみたいです。炎天下わけも分からずぐるぐると走り続け、すっかりくたくたになってしまいました。ちなみにこのスポーツ、野球の原型となったと言われているそうです。
2004年08月05日
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6月の日経新聞の記事によると、10億ドル(約1100億円)以上の資産を保有する資産家の人口ランキングは、以下のようになっているそうです。1位 ロンドン 40人2位 ニューヨーク 31人3位 モスクワ 23人4位 ジュネーブ 20人5位 ロサンゼルス 18人6位 香港 16人7位 サンフランシスコ 15人8位 ダラス 14人9位 東京、パリ 10人10位 メキシコ・シティ、シアトル 9人ということで、なんとロンドンはニューヨークを抑えて堂々の一位のようです。この事実も、如何にイギリスが金持ち優遇政策をとっているか、ということを如実に示していると言えそうです。さて、住民税もその例に漏れず、先日のメトロ紙を見たところ、以下のように住宅価格の高い家ほど住民税は割安になっている、という恐ろしい仕組みになっていることを筆者は最近知ってしまいました。ちなみにカッコ内は筆者が勝手に計算した住宅評価額に対する税金の割合です。住宅評価額 税額(年間)8万ポンド(約1620万円)以下・・・782ポンド(1.0%)10万ポンド(約2020万円)以下・・・910ポンド(0.9%)13万ポンド(約2630万円)以下・・・1039ポンド(0.8%)17万ポンド(約3430万円)以下・・・1167ポンド(0.7%)23万ポンド(約4650万円)以下・・・1424ポンド(0.6%)31万ポンド(約6270万円)以下・・・1680ポンド(0.5%)62万ポンド(約1億3千万円)以下・・・1949ポンド(0.3%)62万ポンド(約1億3千万円)以上・・・2234ポンド(~0.4%)改めて計算してみると、見事な逆累進課税、ですね。僕のフラットの5倍の評価額の住宅でも、税額は2倍程度にしかならないようです。ちなみに日本の固定資産税の場合は、課税標準額×税率=税額、となっているので、このような逆進性はないようですし、イギリスの住民税は自分で住居を持っていなくても払わなくてはならないのですから、よく国民は怒りださないものです。しかし、同じメトロ紙の記事でもう一つ驚いたのは、この逆累進制度を解消して、あらゆる価格帯の税率をほぼ同率にすることが現在政府により検討されているそうです。これによって、最高価格帯の住居の税額は現在の約3倍にもなってしまうとか。確かにわれわれ庶民にとってはありがたいニュースですが、多くのエコノミストが、バブル状態の住宅価格が今後値下がりに転じる、とも予測している中で、このような制度変更を行うのは、住宅価格の下落から始まるデフレ不況を経験した日本を思い起こさせ、ややリスクがあるようにも思います。実際、住宅価格を如何にソフトランディングさせるか、というのは現在の経済政策の最重要課題と考えられているだけに、舵取りのむずかしいところ・・・。今後の動向が注目されます。
2004年08月04日
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今回は無謀にも、筆者がもっとも苦手とする税金の話をしようと思います。イギリスでフラットを借りて住む場合、住民税(カウンシルタックス)が家賃に含まれている場合は大家さんが払ってくれますが、そうでない場合は自ら住民税を払わなければなりません。ところが、この住民税がくせもので、実は日本の住民税とはまったく仕組みが違います。野党第二党、自民党の地方自治担当スポークスマンのデイビー氏は、「アメリカやヨーロッパで行われているように、所得の一部を地方自治体に納めるような制度に改めるべきです。」と発言していたので(もちろん、日本もこの方式ですが)、ひょっとするとイギリス独自の制度なのかもしれません。この制度、自分が住んでいる住居の評価額に応じて、決められた額を地方自治体に払わなければならない、というちょっと変わった方式をとっているのです。これは持ち家であろうと賃貸であろうと、とにかく住んでいる住居の評価額に応じて払わなければならないので、固定資産税のようなものともまた違います。筆者のフラットの場合だと、家賃700ポンドに対して住民税79ポンド以上(約1万6千円)を毎月納めなければならないのですから、正直なところ独身者にはカナリの負担です。ちなみに、僕の住むイーリングでは、公共料金のなかでおそらく唯一と言っていい、ウェブサイトでカード払いをする、というハイテクなことが可能になっています。これはなかなか便利ではあるのですが、いつでもできると思っているうちについつい忘れてしまう、という思わぬ盲点もあります。さて、先日の「メトロ」紙にこの住民税改正案の記事が出ていたのですが、これが僕にとって2つの意味でびっくりする内容でした。最初にびっくりしたのは、現在の課税の累進制度です。というのも、普通、税金の累進課税制度と言えば、高収入なほど負担割合が増えるものですよね。ところが、記事を見て初めて知ったのですが、こと住民税については、価格の高い住居に住んでいるほど住民税が割安になる、という、いわば「逆累進課税」ともいえる制度になっているようなのです。これについてはもうちょっとくわしく書きたいのですが、またまた時間が足りないので次回へ続きます・・・。
2004年08月03日
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週末は、ぶらりと、キューガーデンへ行ってきました。というのも、ディストリクトラインに乗って帰路につこうとしたのですが、やっかいなことにこの路線は異常に枝分かれが多くて、なかなか自分の行きたいほうへの電車が来ないことが多いのです。あまりにも電車が来なくて頭にきたので、たまたまやってきたキューガーデン方面行きの電車に乗って、庭園めぐりをすることにしてしまいました。あいかわらず行き当たりばったりだ・・・。キューガーデンは、ロンドン南西部の高級住宅地として名高いリッチモンド近くにあるイギリス王立の植物園ですが、実際行ってみると、とにかく想像以上にでかかったです。夕方、涼しくなってから行ったのですが、とても丸一日かけてもまわりきれるかどうか、というくらいの巨大な植物園でした。数多くの庭園や、池、温室、ローズガーデン、ロックガーデン、パゴダという中国風の塔など見所がいろいろとあって、年間100万人以上が訪れるそうです。132ヘクタールの広大な敷地の中に、4万5千種もの植物が保存されていて、昨年にはユネスコの世界遺産にも登録されたとのこと。また園内に数多くのレストランやカフェ、土産物屋なども充実しているので、丸一日かけて歩いても楽しめそうです。植物やガーデニングが好きな人には絶対おすすめのスポットなのですが、こんな巨大な植物園がロンドンのすぐ近郊にある、ということ自体、イギリス人の比類なきガーデニング好きを象徴している、ともいえます。今回は1時間半では半分も回れなかったので、また改めてゆっくりと行きたいと思いました。
2004年08月02日
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イギリスの朝食の定番としてシリアルはすっかり定着しているようで、スーパーでは非常に数多くのシリアルが売られています。筆者も朝食にはフルーツや時々シリアルを食べています。ちなみに、僕のお気に入りは「ミュースリー」というスイス風のドライフルーツ入りのものです。ところがこれらのシリアル、日本のものと比べてやたらと甘くて、筆者の試した範囲ではあんまりおいしくないものが多いです。それも自然な甘さではなくて、砂糖をうっかりドバッと入れてしまったような、不自然な甘さなので、たくさん食べると気持ち悪くなってきます。さて、先日の日曜紙「サンデータイムズ」には、その傾向を実証する記事が掲載されていました。同紙によると、以下の表のように、同じブランドのシリアルでも、アメリカやオーストラリア向けのものよりもイギリス向けのほうが砂糖も塩もかなり多く含まれている傾向があるそうです。砂糖(100グラムあたりのグラム数) 米 西 豪 英ケロッグコーンフレーク 7.14 7 7.9 8スペシャルK 12.9 17 14.5 18アルペン 19.9 21.6 不明 21.6チーリオス 20 不明 不明 21.4塩(100グラムあたりのグラム数) 米 西 豪 英ケロッグコーンフレーク 1.8 2.2 2.1 2.3スペシャルK 1.8 2 1.3 2.1 アルペン 0.1 0.5 不明 0.5チーリオス 1.6 不明 不明 1.7たとえば、ケロッグコーンフレークの場合だと、アメリカ版よりもイギリス版のほうが砂糖が約10%、塩は30%も余計に入っていることになります。ちなみに英国版ケロッグコーンフレークの2.3グラムの塩分、というのはほぼ海水に匹敵する量とのこと。また、スウェーデン、ドイツといった他のヨーロッパ諸国と比較した調査でも、やはりイギリスのほうが糖分が多いことが判明したそうです。この調査結果について、聖ジョージ病院のマグレガー教授は、「糖分の取りすぎは肥満のもとに、塩分の採りすぎはゆっくりと効く毒のようなもので、高血圧や脳卒中などの原因になります。製造メーカーにとってみれば、商品が消費者を殺す、なんてことはまったく興味が無いのですよ。他の国でもっと低い濃度なのに、それをイギリスで実現できない理由はありません。」と、メーカーを非難しています。一方、ケロッグ社のスポークスマンは「材料の違いについては、私たちは常にそれぞれのマーケットの消費者の好みの違いに合わせているのですよ。」とコメント。やはり、イギリス人は甘くてしょっぱいものが好きな傾向にあるのは確かなようです。イギリスでは肥満率の急激な増加が問題になっています。今後のイギリスがますます心配になってきました・・・。
2004年08月01日
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