みきまるの優待バリュー株日誌

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免責事項 : 当ブログは私が少しでも成長し、「より良い投資家」 になるための私的な勉強の場として運営しています。記事内容は一般的に入手可能な公開情報に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100%ご自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。

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Apr 26, 2025
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カテゴリ: 投資本書評
 さて今日は株式投資本オールタイムベスト147位





 身銭を切れ(ナシーム・ニコラス・タレブ著、2019年、ダイヤモンド社)







 の第7弾です。ここも最重要回の1つです。後、私はこのブログで「リンディ効果」について良く言及するので、今後もこの記事にリンクを張って頻繁に参照できるように気合を入れて書いたので、長文となっています。ご了承ください。





 それでは今日は、第8章 リンディという名の専門家 から。









 ​
反脆弱性とリンディ効果



 リンディーズは、観光客相手に殿様商売をしているニューヨークのデリカテッセンだ。チーズケーキを売りにしているが、物理学者や数学者たちのあいだでは、むしろその店で生まれた経験則のおかげでこの50年近く知られている。



 この店によく出入りし、ほかの役者たちの噂話をしていた役者たちが、ある法則を発見した。たとえば、現時点で100日間続いているブロードウェイ・ショーは、もう100日間続く。200日間続いたショーは、もう200日間続く。この経験則は、店名にちなんでリンディ効果と呼ばれるようになった。



 脆いものは、変動性などのストレス要因に対して、非対称的な反応を示す。つまり、利益よりも害を多くこうむる。



 確率の世界では、変動性と時は同じものだ。脆さという概念によって、「時だけがモノの運命を評価できる」という概念に厳密性が加わった。ここでいうモノとは、思想、人々、知的生産物、自動車モデル、科学理論、書籍などのことだ。



 リンディにごまかしは利かない。現在の「ニューヨーク・タイムズ」の売れっ子論説コラムニストが書いたような本は、出版当時は多少話題になったとしても、その5年生存率は膵臓がんよりも全般に低いだろう。



 スペインのアルフォンソ10世(通称「賢王」)もこんな格言を述べた。「古い薪を燃せ。古いワインを飲め。古い本を読め。古い友を持て。」








 私はリンディ効果という言葉をタレブの前作、​ 「反脆弱性」 ​ の中で学んだのですが、読んだ瞬間に「これは滅茶苦茶いいこと聞いた。言われてみると人生に広く当てはまる、滅茶苦茶に有益な概念だなあ。」と思って、その日からずっと心の真ん中に留め置いています。










 テクノロジーやアイデアなど、腐りにくいものの将来の平均余命が現在の年齢に比例するという理論上の現象です。したがって、リンディー効果は、何かが存在するか、または現在使用されている期間が長いほど、平均余命が長くなる可能性が高いことを示しています。




 つまり、時の試練に耐えて10年、20年とずっと黒字を続けて利益を積み上げてきている企業は、この先も更に10年、20年とずっと黒字でしっかりと稼ぎ続けることが期待できるということです。なのでそういう銘柄が好ましいよね、という事です。





 そして「リンディ効果」がある銘柄かどうかを確認するために、私は「かぶたんプレミアム+エレフォロ拡張」で過去25年間の長期業績やキャッシュフロー推移を常に確認したうえで、ポートフォリオ上位で戦う銘柄を選定するようにしています。





 例えば下に示した ​ 4365松本油脂製薬 ​ は界面活性剤、高分子関連製品、熱膨張性マイクロカプセル技術に強みを持つ高収益企業ですが、過去25年間一度も赤字がなく、常に営業利益率は高く、じりじりと成長を続けています。こういう企業は「リンディ効果」があると言って良いと思いますね。




(上記データはかぶたんプレミアム+エレフォロ拡張より引用)








 そしてこれは投資手法のアイデアについても完全に当てはまります。私は「バリュー株として買い、モメンタム株として売る、バリュー → モメンタム投資家」を自称しています。




 バリュー投資は1934年にベンジャミン・グレアムが歴史的名著 ​ 「証券分析」 ​ で体系化して以来、90年以上有効であり続けています。一方のモメンタム投資は1935年にジェラルド・M・ローブが同じく名著 ​ 「投資を生き抜くための戦い」 ​ で概念を発表して以来、同じく90年有効であり続けています。つまり両者ともに「リンディ効果」があるアイデアであるということです。





 後、ちょっと余談になるのですが、この「リンディ効果」は株の銘柄選定だけでなく人生のあらゆることについてほぼ完璧に当てはまります。私はずっと昔からこれにぼんやりと気付いていたのですが、今では「確信」に代わり、実際に日々の様々な重要な決断時に多用&愛用しています。




 具体例をいくつか挙げましょう。




 信頼できる投資家の選び方



 長年市場を生き抜いてきて大きな資産を築き上げている投資家は信頼できる。出来れば2005年以前から存在している投資歴20年以上の勇者が良い。その理由はライブドアショック、リーマンショック、民主党ショック、コロナショックなどの多くの修羅場を潜り抜けてきているから。


 彼らは一般に「コサカス(古参のカス)」と表現され、どんな相場環境下でもしぶとく生き残る、煮ても焼いても食えない精神的にタフな猛獣が多い。X(旧ツイッター)での立ち居振る舞いが極めて悪い ​ ジャパニーズオルガルヒ ​ 的な傲慢で横暴な方も中にはいるが、それは彼らの有能さや持っている特異能力の裏返しであることも多い。





 彼氏や彼女の選び方



 過去に同じ人と誠実に長く付き合ってきた方は、今後もそれが期待できる。






 車の選び方



 頻繁にモデルチェンジしない車は今後も市場で永くその商品価格を維持しやすい。代表例は2018年に39年振りに全面改良してフルモデルチェンジした「1代目にクリソツな2代目」 ​ メルセデスベンツGクラス ​ 。


 ちなみにメルセデスベンツ本社は「これは決してフルモデルチェンジではない。Gクラスは当社の最も大切なアイデンティティであり、変わることは絶対にない。これはただのちょっとしたマイナーチェンジに過ぎない。」と強く言い張っているのだが、これは会社側がリンディ効果を明白に意識しているため「1代目のままである」と強引に主張していると考えられる。また日本車だと ​ スズキのジムニー ​ や ​ ​マツダのロードスター​ ​ が当てはまる。






 聞く音楽の選び方



 例えば、1970年代や1980年代のアルバムで今でも名盤とされているものは、今後も更に40年、50年と愛聴出来るポテンシャルが高い。洋楽のTOTOとかスティーリーダンとかが当てはまる。






 このように、リンディ効果は投資だけではなく広く人生全般に役立つ概念です。そしてタレブの著作にはこういった叡智が宝石のように散りばめられており、だからこそ私はタレブの本が大好きなんですね。(続く)














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Last updated  Apr 26, 2025 03:25:01 PM


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