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2023.08.06
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カテゴリ: 広井勇
広井勇

1862年9月2日、土佐藩の佐川内原に生まれた。

父の熊之助は土佐藩の筆頭家老深尾家に仕える藩士で、主に土佐藩の会計を担当した。

母は寅子、2人の子があり、勇は長男で数馬といった。

明治3年(1870)父が37歳の若さでなくなり、家には祖母、母、2人の子が残さ
れた。長男の数馬は9歳で広井家の跡取りとなった。家族は高知に移り、赤貧の暮らしとなった。数馬はこのとき名前を勇に変えた。

叔父の片岡利和は明治天皇の侍従を務めていた。片岡が帰省し広井家に寄ったとき、勇は叔父に東京へ出たいと懇願した。

1872年、叔父と一緒に土佐の浦戸から東京に船で旅立った。姉は別れ際に勇に言った。

「お前も侍の子です。『学、もし成らずんば、死すとも帰らじ』の気概を持ちなさ


勇は片岡家で玄関番を命じられた。日中は英語、数学、漢学を学ぶため私塾に通い、
片岡家の書斎の本をむさぼるように読んだ。満12歳の最年少で東京外国語学校の英語科に入学。その後、工部大学校予科へ転学した。

そこを中退して札幌農学校に向かう。片岡家に頼る生活を断ち切るためである。



広井勇は1877年9月15歳で札幌農学校2期生として入学した。

1期生は前年教頭として赴任していたウィリアム・クラークの感化によりほとんどがクリスチャンとなっていた。クラークはすでに帰国していたが、キリスト教信仰の熱気にあふれていた。

2期生には内村鑑三、新渡戸稲造、宮部金吾などがいた。

2代目教頭はウィリアム・ホイラーで26歳だっったが、土木工学、測量、数学、図学などを教えた。広井ら2期生の大半は翌年6月にキリスト教の洗礼を受けた。

彼らは毎週聖書研究会を開催し、広井の信仰は内村鑑三をして「一時は、私が今日おるべき地位に君が立つのではあるまいかと思ったくらいであった」というほどだった。

しかし広井は「世俗の事業に従事しながら、いかに天国のために働こうか」を考え土木工学を通じて日本を富ますことを自分に与えられた天命とうけとった。

1881年7月2期生は卒業した。広井は北海道に残り開拓使となったが、翌年には開拓使が廃止、工部省に転じ東京に移った。

「ぜひともアメリカに渡って、土木工学を極めたい」と熱望し、渡航経費を捻出するため、生活費を切り詰め貯蓄につとめた。意味なく金銭を浪費する会合には一切出ず、同僚は彼を「守銭奴」と呼んだという。



セントルイスに下宿し、ミシシッピー川の河川改修事業に携わった。その後設計事務所に雇われ、設計と施工を手がけた。さらに鉄道会社や橋梁会社の技師となり、土木の実際の現場を体験し、土木技術者としての経験を積んだ。

仕事のかたわら勉学に怠ることなく、同僚は「日本の青年はこうも勉強をするものか」と感心したという。

広井が現地で英文で書いた論文「プレート・ガーター建設法」は橋梁工学者で必携のハンドブックとされた。25歳のときである。

1889年7月帰国し、母校札幌農学校教授となった。

北海道庁の技師を兼任し、小樽港など北海道の港湾建築など10年にわたって指揮した。小樽築港事務所長として指揮した「模範工事」は100年後の今でも機能している。



学生には「工 学者たるものは、自己の真の実力をもって、文明の基礎付けに努力しておればいい 」といって立身出世主義をたしなめた。

仙台の広瀬橋、北海道の渡島水力電気工事、鬼怒川水力ダムなど顧問として広井が関わった工事は多く、新技術を導入して完成させた。

金品を渡そうとすると「費用に余裕があれば、その資金で工事を一層完璧なものにしていただきたい」と拒絶した。

還暦祝いも、母校の北大工学部と土木学会に寄付した。

1928年10月1日66歳でなくなった。内村鑑三は追悼の辞で「

しかし、広井君の事業よりも広井君自身が偉かったのであります。君自身は君の工学以上でありました
」と述べた。
ボーイズ・ビー・アンビシャス:映画・つぶやき





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最終更新日  2023.08.06 05:50:37


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