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2025.12.02
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カテゴリ: 報徳記を読む
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二宮翁夜話巻の4

【2】尊徳先生はおっしゃった。
惰風が極まって、汚俗が深く染まった村里を新たにする方法は、大変困難な事業である。
なぜかといえば、法も戒めることはできない。
命令も行うこともできない。
教え施すことができない。
これを精励におもむかせ、これを義に向わしめるのは大変困難なことではないか。
私が昔桜町陣屋に来て、配下の村々も遊惰や汚俗でどうにもいたしかたがない。
そこで、私は深夜あるいは未明に、村里を巡り歩いた。

ただ自らの勤めとして、寒暑風雨であっても怠ることがなかった。
1月2月たって、初めて足音を聞いて驚く者があった。
また足跡を見てあやしむ者があった。
また現に出逢う者があった。
これより共に戒める心を生じ、畏れる心を抱き、数月で、夜遊び博奕や闘争等のごときはもちろん、夫妻の間、奴僕の交り、叱咤の声が無くなった。
諺に、

という。
これ田舎のことわざ、戯言といっても、有職の人は知らなければならない。

田畑を守る者が追わない過ちである。
政道を犯す者が有るのも、官がこれを追わない過ちのためである、
これを追う道も、また権兵衛が追うのをもって勤めとして、
捕えるのをもって本意としないように、ありたいものだ。
これは戯言とはいっても政事の本意にかなっている。
田舎のことわざといっても、心得ておかなくてはならない。

二宮翁夜話巻の4

【2】翁曰く、惰風極り、汚俗(をぞく)深染(しんせん)の村里を新(あらた)にするは、いとも難き業なり、
如何(いかに)となれば、法戒む可からず、令行はる可からず、教施す可からず、
之をして精励に趣かしめ、之をして義に向はしむる、豈難からずや、
予昔桜町陣屋に来る、配下の村々至惰至汚、如何共(いかにとも)すべき様なし、
之に依て、予深夜或は未明、村里を巡行す、
惰を戒むるにあらず、朝寝を戒むるにあらず、
可否を問はず、勤惰を言はず、
只自(みずから)の勤めとして、寒暑風雨といへども怠らず、一二月にして、初めて足音を聞きて驚く者あり、
又足跡を見て怪む者あり、又現に逢ふ者あり、
是より相共に戒心を生じ、畏心を抱き、数月にして、夜遊博奕(ばくえき)闘争等の如きは勿論、夫妻の間、奴僕(ぬぼく)の交(まじはり)、叱咤の声無きに至れり、
諺に、
権平種を蒔けば烏之を掘る、三度に一度は追はずばなるまい、
と云へり、
是れ鄙俚(ひり)戯言といへ共、有職(いうしよく)の人知らずば有る可からず、
夫れ烏の田圃(たんぼ)を荒すは、烏の罪にあらず、田圃を守る者追はざるの過なり、
政道を犯す者の有るも、官之を追はざるの過なり、
之を追ふの道も、又権兵衛が追ふを以て勤めとして、捕ふるを以て本意とせざるが如く、あり度(た)き物なり、
此の戯言政事の本意に適へり、
鄙俚(ひり)の言といへども、心得ずば有るべからず。





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最終更新日  2025.12.02 00:00:15


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