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2024年4月16日、アラブ首長国連邦(UAE)とオマーンが暴風雨に見舞われた。死者が出、鉄砲水が発生したほか、世界で2番目に利用者の多いドバイ国際空港でフライトの欠航や遅れが相次ぐなど混乱が生じた。 記録的洪水の爪痕、衛星画像で確認UAE2024.04.23 CNN.co.jp アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビやドバイで先週発生した前例のない規模の洪水は、道路を川に変え、商業施設や住宅に雨水が流れ込むなどの被害をもたらした。雨がやみ、雲が消えた後も、洪水に見舞われた地点で水がたまり続ける状況が衛星画像から確認できる。 16日から17日にかけ、UAE最大の人口を抱えるドバイでは12時間で1年分に相当する雨量を記録。さらに東側の地域では、24時間以内で2年分に迫る量の雨が降った。 ― 引用終わり ― ウラル川が氾濫して大規模な洪水が発生。ロシア南部と隣国カザフスタンで10万人以上が避難した。ロシアでは政府や自治体に対する抗議運動が巻き起こった。ロシアのウラル山脈からカザフスタンを通ってカスピ海に注ぐウラル川は、雪解けのために増水し、両国の国境地域で堤防が決壊した。 4月19日のカザフスタン非常事態省の発表によると、洪水により延べ11万8,000人が避難、約6,000戸の住宅が浸水、8,700人以上が避難所生活となっている。 カザフスタンの記録的な洪水被害長期化の恐れも(カザフスタン、ロシア)2024年04月26日 JETRO カザフスタンで3月下旬に発生した記録的な洪水による被害は長期化の様相を呈している。多くの国民が被害に遭っているほか、6月に予定されていたアスタナ国際フォーラムの中止が発表されるなど、ビジネスへの影響も出ている。 急激な気温上昇によって各地で大量の雪どけ水による大規模な洪水が発生し、堤防決壊や河川からの越水によって町や集落が浸水し、同国全17州のうち、アクトべ、アクモラ、アティラウ、アバイ、ウリタウ、カラガンダ、北カザフスタン、コスタナイ、西カザフスタン、パブロダルの10州で非常事態宣言が発令された。 カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は4月6日に国民に向けたテレビ演説を行い、今回の水害が過去80年で最大規模のものと述べ、オルジャス・ベクテノフ首相を長とする洪水対策本部を設置し、人命救助優先にあらゆる対策措置を講じるとともに、被災者への全面支援を約束した(大統領府ウェブサイト4月6日)。また、同大統領は13日に自身のSNSのX(旧Twitter)のアカウントに、6月13~14日に開催予定のアスタナ国際フォーラム(2023年6月22日記事参照)を中止し、2025年に延期することを決定したと投稿した。理由について、大災害の影響の排除と国民の支援に財源を割り当てる必要があるためとしている。 ― 引用終わり ― アフガニスタンでは5月に入って北部バグラン州などで180人が死亡、中部ゴール州でも少なくとも50人が死亡した。 5月18日、新たに洪水が発生し、66人の死亡が確認された。 アフガニスタン 新たに洪水発生 66人死亡被災者支援など課題2024年5月20日 NHK 大雨による洪水の被害が相次いでいるアフガニスタンで、新たに北部の州で洪水が発生し、地元当局によりますと、これまでに66人が死亡しました。イスラム主義勢力タリバンの統治のもとで経済の混乱も続く中、被災者の支援などが大きな課題となっています。 アフガニスタン北部ファリヤーブ州で18日、洪水が発生し、タリバン傘下の地元当局によりますと、これまでに66人が死亡したということです。 また、1500の住宅が流されるなどの被害を受け、8人が行方不明になっているということで、現地で救助活動が続けられています。 ― 引用終わり ― ブラジル南部リオグランデドスル州の州都ポルトアレグレ近くの湖が氾濫し、各地で大洪水が発生。 死者は120人を超え、水害としてはブラジル史上最悪とも言われる事態になっている。11日からの週末に再び大雨が予想され、さらなる被害の拡大が懸念されていた。 200万人が被災──ブラジル史上最悪の水害洪水で被災した人びとへ緊急援助を国境なき医師団 2024年5月21日 19時2分 ブラジル南部リオグランデドスル州で4月末から続いた豪雨による洪水で、200万人以上が被災し、60万人が避難生活を送っている。水害としてはブラジルの歴史上、前例がないほどの規模だ。国境なき医師団(MSF)は水や食料の提供を行うとともに、移動診療のチームを編成した。緊急援助の動きを現地から伝える。 「何キロも水だけが……」 「状況は壊滅的です。この州に到着してヘリコプターで上空から町を見ると、屋根が沈んでしまっている家々もありました。何キロも何キロも、水だけが広がっています」 現地に入ったMSF医療コーディネーターのレイチェル・ソエイロはそう話す。 リオグランデドスル州を襲った豪雨と洪水は、道路や橋を破壊し、都市全体を孤立させた。州都ポルトアレグレの主要空港は無期限閉鎖されている。 そして大きな人的被害が起こっている。暫定データによると、死者は150人以上、行方不明者は約100人に上る。大勢が水も電気も得られない状況で過ごしているとされ、多くの場所で臨時の避難所が作られている。 … (略) … リオグランデドスル州は、昨年も大規模な自然災害に襲われた。2023年9月から11月にかけて、MSFはタカリ渓谷の町でサイクロンと洪水の被災者に緊急援助を提供。心のケアの活動のほか、衛生キットの提供などを行ってきた。 今後現地では、不安定な天候がさらなる洪水を引き起こす可能性もある。MSFは状況を注視し、緊急のニーズに応じて最善の支援を提供できるよう、対応を続けていく。 ― 引用終わり ―
2024年05月27日
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太陽フレアと呼ばれる太陽表面の爆発現象が頻発し、太陽から放出された強い電磁波や高エネルギー粒子などが地球に到達している。その影響で、世界各地で普段はオーロラが見られない地域でのオーロラや磁気嵐が観測されている。GPSなどに影響が出る恐れもあるとして、情報通信研究機構が注意を呼びかけている。 2024年5月11日、 気象庁地磁気観測所は、同日午前2時頃から午前7時半頃、地球の磁気が乱れる「磁気嵐」を観測したと発表した。 地磁気の変動幅は最大で通常時の約10倍に達し、同観測所では1924年の観測開始以降、9番目の大きさ。 磁気嵐の原因とされる大規模な太陽フレアは、日本時間の8日から11日午前までに情報通信研究機構により7回確認された。 大規模な「太陽フレア」頻発きょう午前までに7回確認再生するTBSテレビ 2024年5月11日 太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」がきょうも観測されました。 情報通信研究機構によりますと、太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」が頻発し、日本時間の8日からきょう午前までに、大規模な「太陽フレア」を7回確認したということです。 これにより、地球周辺の磁気が乱される「磁気嵐」が発生し、今後数日間、人工衛星に障害が起きたり、GPSの精度が落ちたりするほか、短波による通信などに影響が出る可能性があるとしています。 通常の携帯電話に影響はないということです。 ― 引用終わり ― 太陽フレアはしばしば衝撃波やプラズマ噴出(太陽風)を伴い、それらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こすことがある。NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、2012年7月には巨大な太陽フレア(スーパーフレア)に伴う太陽風が地球をかすめた。次の10年間に同程度のフレアが実際に地球を襲う確率は12%であると推定される。 太陽活動の指標として、太陽黒点の発生量が観測されている。 太陽黒点は、太陽表面を観測した時に黒い点のように見える部分。黒点は周囲よりも弱い光なので黒く見える。黒点の温度は約4,000℃と太陽表面(光球)温度(約6,000℃)に比べて低い。黒点の発生原因は太陽の磁場とされる。 太陽黒点は、約9.5年から12年ほどの周期で増減を繰り返している(「11年周期説」)。 太陽活動「極大期」到来早まる?当初予想より活発かつ長期になる見通しJamie Carter | Contributor2023年10月31日 Forbes 米海洋大気局(NOAA)の宇宙天気予報センター(SWPC)によると、太陽の活動が予想を上回る規模とペースで活発化しており、従来の予測よりも早くピークに達する見通しだという。さらに、ピークは予想より長く続き、2度訪れる可能性がある。ただ、活動レベルは過去最高水準には及ばない見通しだ。 SWPCが主導する研究パートナーシップ「宇宙天気予報テストベッド(実証実験場)」による今回の最新予測は、現在の第25太陽周期に関しては2019年12月以来となる。当時の予報では、太陽活動の極大期(太陽の約11年周期で最も活動が活発になる時点)は2025年中に到来するとされていた。また、第25太陽周期は低調になると示唆されていたが、それとは程遠い状況となっている。 到来時期の最新予測 SWPCが示した太陽極大期の新たな到来時期は、2024年1月~10月となっている。これは太陽黒点の観測から導かれた結果だ。黒点の観測数は、ここ数週間は極めて少なくなっているものの、去年1年間ほどは予想を上回っている。 … (略) … 中程度の太陽周期 第25太陽周期に関するSWPCの2019年予測は、低調すぎたことが明らかになったものの、SWPCの最新データは、記録破りの周期にはならないと示唆している。第25太陽周期は、第24期よりも活発になることがわかっている。 「最新の予測では、現在の太陽周期が、2014年に起きた前回の太陽極大期の最大数を上回り続けるものの、1970年代末~2000年代初めに起きた過去の太陽極大期には達しない可能性が高いと予想している」とフレンチは説明する。これにより、2003年に発生した「ハロウィーン太陽嵐」が繰り返される可能性は排除されるだろう。「過去数百年を調べれば、現在の太陽周期は中程度ということになるが、NOAAが2019年に発表した前回予測の低調な周期よりは少なくとも高い水準になるだろう」とフレンチは話している。 ― 引用終わり ― 通常のフレアの100倍の規模を持つ「スーパーフレア」の可能性も指摘されていて、その発生頻度は800年から6000年に1度と言われている。 現代、コンピューター、スマートフォンの利用がすすみ、世界中で電磁波多用社会となっている。強度の大きいスーパーフレアが発生した場合、磁気嵐により様々の電子機器の制御が乱れる、停止する可能性がある。現代のIT社会は、スーパーフレアの発生に対して人類史上最も脆弱な体制。 水、電気、ガス関連のインフラも停止する。コロナ禍で進展したリモート社会も停止する。2003年10月のスーパーフレアでは、スウェーデンで大規模な停電が発生し、数十を超える人工衛星が一斉に機能停止あるいは機能損失に陥る、という被害が出た。 国立科学博物館 公式サイトⅣ太陽では大爆発が起きるのですか? 太陽の表面でおきる大爆発は太陽フレアとよばれ、大きな黒点のまわりでときどき起きる現象です。フレアがおこると、黒点のまわりにひじょうに明るい部分があらわれます。そして数分間でいちばん明るくなり、その後ゆっくりと暗くなっていきますが、短いものでは数分、長いものでは数時間続きます。フレアはふつう、水素ガスが出すHα(エッチアルファ)線という赤い光で見ることができますが、とくに明るいフレアでは通常の白色光でも明るく光り、白色光フレアとよばれます。 太陽フレアは黒点の活動と大きな関係があり、黒点周期の極大期には大黒点や黒点群の近くで毎日のようにフレアがおきています。一方、極小期にはあまりおきません。 フレアは黒点の磁場が変化するとき、そのエネルギーがまわりのガスにつたわっておきると考えられます。高温の爆発するガスからは、電波やX線のほかに、電子や陽子などの電気をおびた素粒子が飛び出してきます。X線やこれらの素粒子は地球に十分から1〜2日後に到着して、電離層や地磁気を乱して、電波通信が妨害されるデリンジャー現象や磁気嵐をおこします。また、オーロラの活動も活発になります。 ― 引用終わり ― 太陽の活動状況について、米国。海洋大気庁(NOAA)を中心にSPACE WEATHER PREDICTION CENTERがあり、そこから日々太陽活動の状況が世界的に発信されている。 日本では、国立研究開発法人 情報通信研究機構には24時間体制で太陽を監視する宇宙天気予報センターがあり、「宇宙天気予報」で情報を配信している。
2024年05月13日
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地震も恐ろしいが、洪水も恐ろしい。 BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦の9か国から成る連合。 大きなGDPの伸びを示し経済拡大に勢いのあるBRICSの中核国が次々と大洪水が襲われている。 地球環境を貪り続ける人類に対する、地球や龍神の怒りの表れのようだ。 B=ブラジル 2023年9月、ブラジルの南部ではサイクロンによる大雨で各地で大規模な洪水が発生し、6日までに32人の死亡が確認された。 南部リオグランデドスルの州当局は6日、浸水した建物の中に取り残されたり車が流されたりして、これまでに31人の死亡が確認されたと発表した。州内では5万人以上が被害を受け、このうち4000人以上が避難を余儀なくされていた。 2024年5月2日、ブラジル南部のリオグランデドスル州で豪雨に伴い洪水が発生。 5月6日、死者が少なくとも83人に上ると同州当局が発表した。276人が負傷、少なくとも111人が行方不明、少なくとも12万1000人が避難している。 ブラジル南部で洪水、10人死亡2024年05月02日 時事通信 ブラジル南部リオグランデドスル州で豪雨に伴い洪水が発生し、少なくとも10人が死亡した。当局が1日、発表した。20人程度が行方不明となっており、捜索活動が続けられている。 同州では100を超える自治体で約3300人の住民が自宅からの避難を余儀なくされ、多くは避難所に身を寄せている。 ― 引用終わり ― 5月6日現在、345の地方自治体で85万人以上が被災し、家屋、道路、橋が損壊している。 R=ロシア 2024年4月5日、ロシアのウラル川は雪解け水により数時間で数メートル増水し、モスクワの東1800キロにあるオルスク市のダムが決壊した。 人口23万人のオルスク市は全域に洪水が押し寄せ、4000人余りが避難。国営タス通信によると、大人6人と子ども3人が入院したが、命に別状はないと報じられた。 4月9日、ロシアとカザフスタンの国境周辺地域などで大規模洪水が発生。ウラル川やトボル川などの水位上昇は速く、数時間で史上最高に達して流域都市のオレンブルクやオルスク、クルガンなど多くが浸水被害に遭い、当局は計10万人以上の住民に避難を命じたと報じられた。 I=インド 2023年10月4日、インド北東部シッキム州では3日から降り続いた大雨によって、4日に洪水が発生。 5日までの時点で、少なくとも14人が死亡し、軍の関係者を含む100人以上の行方がわからなくなっていると報じられた。 2023年12月5日、インド南部の沿岸部に、サイクロン「ミチャウン」が上陸。上陸前から豪雨や洪水被害をもたらし、少なくとも13人が死亡した。 サイクロンの接近に伴い25以上の村落が浸水し、1万5000人以上が避難した。 2023年12月17日から18日にかけインド南部タミルナドゥ州(人口7200万人)がモンスーンの豪雨に見舞われた。 所によって平年の年間降水量のほぼ半分に相当する400mmを超す豪雨に見舞われた。 19日、タミルナドゥ州当局者は、この豪雨による洪水で、少なくとも10人が死亡したことを明らかにした。 C=中国 2023年7月末から8月2日にかけて河北省涿州を大洪水が襲った。 北京西南部の房山区、門頭溝区で140年以来という記録的集中豪雨により、永定河が氾濫。 本来河北最大の遊水地であったはずの白洋淀にできた習近平肝煎りの新都市「雄安新区」を守るため、河北省の7カ所の洪区(遊水地)に向けて水門が開かれた。そのうちの2つが涿州にあり、100万人が暮らす町や農村の多くが洪水に沈んだ。8月11日の段階で河北省は死者29人、行方不明者16人、被災者は388万人と公式発表された。 中国南部の広東省は人口1億2700万人。例年の4月から9月まで雨期。洪水シーズンは例年5月から6月にかけてだが、今年は早くおとずれた。 2024年4月18日以降、「世界の工場地帯」と呼ばれた製造業の集積地である中国南部の人口密集地帯、珠江デルタにある広東省で、記録的な暴風雨が広範囲にわたって続いていた。 4月22日、新華社通信の報道によると、広東省北部の山間部にある韶関市近郊などで、少なくとも11人が行方不明になっている。同地では大雨のために土砂崩れが発生して6人が負傷した。 広東省では降り続いた大雨のために大規模な洪水が発生し、8万2500人以上が避難を強いられた。 5月1日、大雨の影響で広東省梅州の高速道路の崩落事故が発生した。 中国広東省で高速道路が崩落、48人死亡大雨の影響By ロイター編集2024年5月2日 ロイター 新華社によると、中国・広東省梅州の高速道路で1日未明に崩落事故が発生し、48人が死亡、30人が負傷した。 大雨の影響で午前2時10分頃に17.9メートルにわたって道路が崩落。23台の車が落下した。 1日は労働節(メーデー)の大型連休の初日。広東省は4月下旬から大雨に見舞われており、土砂崩れや家屋の浸水などが発生していた。 会見した地元当局者によると、現場には577人の救助隊員と80台以上の救助車両・機器が派遣されたが、落下した一部の車は泥の中に深く埋もれており、救出作業は難航している。 ソーシャルメディアによると、一部の車は落下後に炎上した。 ― 引用終わり ― 落下した車は炎上し爆発音が聞かれたという。これまでの例から考えるとBEVの駆動用バッテリーの爆発・発火と思われる。 S=南アフリカ 南アフリカは2022年に嵐、洪水に襲われた。南アフリカ、洪水で死者400人超豪雨続き4000戸全壊中東・アフリカ2022年4月18日 日本経済新聞 南アフリカ東部クワズールー・ナタール州の中心都市ダーバンとその周辺で11日から数日にわたり豪雨が続いて洪水が発生し、地元当局は17日、約4千戸の家屋が全壊して443人が死亡、63人が行方不明になっていると発表した。地元メディアが伝えた。 貧困地域の劣悪な排水設備が被害を拡大させたとの見方がある。南アの近隣国でも今年に入って嵐の被害が立て続けに発生。異常気象を研究する科学者でつくる国際組織は気候変動が影響したと分析している。 ― 引用終わり ― エジプト 2021年1月12日にエジプトのアスワンを襲った暴風雨による洪水で、大量のサソリが街に流れ込み、650人以上がサソリに刺された。 2022年11月、国連の気候変動会議「COP27」がエジプトで開催された。焦点は、地球温暖化による「損失と被害」を被った国々への救済策。 エチオピア 2023年12月、東アフリカが数週間にわたり激しい雨と洪水に見舞われ、ケニア、ソマリア、エチオピア、タンザニアで計350人以上が死亡、100万人以上が避難を強いられた。 イラン 2022年7月、イラン国営メディアは30日、同国全土で1週間以上にわたり起きている洪水で、これまでに少なくとも80人が死亡、30人が行方不明になっていると伝えた。 2023年9月、イラン北部で現地当局が100年ぶりと説明する豪雨が発生し、その影響による鉄砲水で20人が負傷したと、イランの地元メディアが報じた。 2024年4月、中東を襲った記録的な豪雨の影響で、イラン南東部で洪水の被害が広がり、国営通信(IRNA)は18日、道路建設作業員3人が洪水のために死亡したと伝えた。 UAE(アラブ首長国連邦) 2024年4月、UAEのアブダビやドバイで発生した前例のない規模の洪水は、道路を川に変え、商業施設や住宅に雨水が流れ込むなどの被害をもたらした。雨がやみ、雲が消えた後も、洪水に見舞われた地点で水がたまり続けた。 16日から17日にかけ、UAE最大の人口を抱えるドバイでは12時間で1年分に相当する雨量を記録。さらに東側の地域では、24時間以内で2年分に迫る量の雨が降った。 BRICs諸国は、気候変動対策と米欧中心の世界経済からの脱却をすすめるため、いずれもEV化を推進している。BEVの中には浸水、外部からの衝撃に極めて弱いものが存在する。 浸水で爆発、炎上しないEV作りがのぞまれる。世界のEV市場、24年は伸び27.1%に鈍化補助金削減で=調査By ロイター編集2024年1月9日 ロイター 調査会社カナリスによると、2024年の世界の電気自動車(EV)市場の伸びは、補助金削減などの影響で23年の29%から27.1%に鈍化する見通し。 各国政府の優遇措置が支援し、23年の販売台数は推計1370万台に達した。ただ、補助金削減や借り入れコストの上昇が今後、需要を圧迫すると予想されている。 カナリスのプリンシパルアナリスト、ジェイソン・ロー氏は「23年はEVの平均販売価格が20%下落したにもかかわらず、不十分な製品選択肢や充電設備の問題が需要への打撃となり、EV市場の伸びに影響した」と説明した。 24年の北米EV市場の伸びは26.8%と見込まれている。一方、EV普及率は12.5%と、中国や欧州に比べて低い。 中国のEV普及率は40%に達し、中国のブランドがシェアの78%を占める。 ― 引用終わり ―
2024年05月05日
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世界の海面水温は、2023年3月に過去最高を記録して以来、1日も欠かさず記録を更新し続けている。 海面水温の異常によって、すでに地球の生態系に重大な問題が起きていることは間違いなさそうだ。 世界の海洋は人類が大気中に放出する余分な熱の約90%を吸収している。2023年の夏に太平洋に帯状の高温水域を形成したエルニーニョ現象の勢いはようやく衰えつつあるが、エルニーニョは世界的な海洋温暖化の大きな要因であると同時に、世界の気候に影響を及ぼすほど大量の熱を大気中に放出している。 2023年、世界の海洋は極度の異常現象に見舞われた。3月以降、世界各地の海面温度が急上昇し、過去の記録を更新し続けている。各地の海の水深2,000mまでの部分に蓄積された太陽熱の量は、2023年に過去最高を記録したという。 海洋の温暖化により、2024年猛暑になるとみられている。 海水温が1℃上昇すると、サンゴの白化減少が進行するとされる。 世界各地でサンゴの大規模な白化現象記録的な暑さで悪化AFPBB News 2024年4月16日 19時16分 オーストラリアから米フロリダ半島まで世界各地のサンゴ礁が、数か月にわたる記録的な暑さで白化が進み、危機にひんしている。米海洋大気局(NOAA)が15日、衛星観測に基づき行っている熱ストレスモニタリングの結果を発表した。大規模な白化が発生するのは、ここ10年で2度目。 NOAAのデレク・マンゼロ(Derek Manzello )氏は「世界の海の温暖化が進むにつれ、サンゴの白化はより頻繁に、より深刻になっている。深刻な白化現象が長引くとサンゴが死滅し、サンゴ礁に依存して暮らしている人々にも打撃を与える」と警告した。 サンゴ礁の大規模な白化は、2023年初頭から米フロリダ半島、カリブ海、ブラジル、太平洋東部の熱帯、南太平洋、紅海、ペルシャ湾、オーストラリアのグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)など世界各地で確認されている。 ■世紀末に絶滅? 世界自然保護基金(WWF)によると、仕事や食生活の他、暴風雨や浸食からの海岸線保護などでサンゴ礁に依存している。また。海洋生物の4分の1以上がサンゴ礁を住みかとしている。 NOAAは、世界のサンゴ礁の30~50%は既に失われており、大胆な介入を行わなければ、今世紀末にはサンゴ礁が完全に消滅する可能性もあると警告している。 WWFのペペ・クラーク(Pepe Clarke)氏は「温暖化が1度進むごとに起きる危機を具体的、視覚的、現代的に示しているのがサンゴの白化だ。その規模と深刻さは、危険な気候変動が今まさに進んでいることを明確に示す証拠だ」と述べた。 サンゴを取り巻く環境および今後の見通しは厳しいが、NOAAはサンゴの白化に対する介入策が「大きく前進」していると説明する。そうした対策には、サンゴ苗をより深く冷たい場所へ移す、サンゴを保護するために日よけを設置するといったものが含まれる。 ― 引用終わり ― 海洋温度の過去最高記録は地球温暖化の深刻さを示唆している。 海水温の温暖化は海の生態系に大きな影響を与えている。移動できる魚類は生息域が北上。容易に移動できないサンゴ、海藻類は死滅していく。 2100年の夏の予想水温25度の実験で、タコの視力に関するタンパク質が有意に少なく生産されることが判明した。観察されていない生命現象、生育状況の温暖化による変化は、既に数多いのかもしれない。 気候変動でタコが失明してしまう危険性水温25度で視力に関するタンパク質が減豪大学で研究よろず~ニュース 2024年4月16日 気候変動によって、タコが失明する可能性があることが分かってきた。新たな研究によると、現在のペースで海の温度が上昇し続けると、タコの目が見えなくなるリスクが生じるそうだ。 タコは生存のために視力に頼っていることから、目が見えなくなることは大問題となると研究者は指摘している。ちなみにタコの脳の70%は視力に関係したもので、コミュニケーションや天敵、獲物の察知に多大な貢献をしているという。 この研究は19度と22度という現在の気候に近いものと、2100年の夏の予想水温25度という3つの違った水温でタコの卵を調査したところ、25度の時は、視力に関するタンパク質が有意に少なく生産されることが判明した。 実験の共同著者でオーストラリア・アデレード大学の生物科学の研究者、ブロンウィン・ギランダース氏は「3度そこらの温度の違いだけで、生物の障害が始まることとなりました」と話した。 ― 引用終わり ―
2024年04月25日
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大阪湾に迷い込むクジラが増え、自治体が対応に苦慮しているとのこと。 地球温暖化の影響や大阪湾の構造によってクジラが迷い込み抜け出せなくなっているとされる。 大きなクジラの遺体は放置すると大爆発する危険な代物。 大阪湾「クジラ増」に自治体苦慮温暖化と「迷宮構造」影響2024年2月21日 共同通信 大阪湾に迷い込むクジラが増え、自治体が対応に苦慮している。専門家は、太平洋に生息するクジラが頻繁に現れる理由を地球温暖化の影響と指摘。さらに大阪湾の構造が「クジラにとって迷宮になっている」と推測する。港湾局の担当者は「太平洋に戻るよう願うしか、できることはない」と頭を抱える。 クジラの増加理由を、大阪市立自然史博物館友の会の鍋島靖信会長は「地球温暖化で太平洋と大阪湾の水温差が小さくなっているため」と指摘する。さらに2017年から続く「黒潮大蛇行」の原因とされる低水温の渦が太平洋側で発達し、水温差はより縮小。クジラだけでなくイルカ、ウミガメも多く見つかっているという。 大阪湾の構造も原因の一つだと分析する。今回クジラが最初に発見された神戸市周辺の港は単純な構造だが、大阪市や堺市周辺はかぎ形のように入り組んだ場所が多い。 ― 引用終わり ― クジラやイルカやコウモリは反響定位(エコーロケーション)を利用して位置、方向を把握しているとされるが、太陽フレアによる電磁波の大きな乱れは、位置把握に関係ないのだろうか? 太陽の活動は約11年周期で活発化を繰り返しており、現在活発になっている。 次のピークは2025年ごろに到来すると見られている。 オーロラは、太陽の表面で起きる爆発現象「フレア」で吹き出した電子が地球の上空の空気の分子にぶつかって光る現象。規模の大きい「フレア」が起きると、北海道のような緯度の低い場所でもオーロラが観測されることがあり、「低緯度オーロラ」と呼ばれる。 2023年12月1日、北海道北部の名寄市など北海道の各地で「低緯度オーロラ」が観測された。 太陽フレアによる主な社会的障害は「停電」「通信障害」「人工衛星落下」が知られているが、強い電磁波が生物に与える影響、地盤に与える影響は明らかになっていない。 人工衛星については、2022年、スペースX社が2月頭に打ち上げた通信衛星49機のうち、40機が磁気嵐の影響によって喪失したことがしられている。 太陽フレアによってGPSなどの測位衛星からの電波にズレが生じ、カーナビやスマートフォンの位置情報などが正しく機能しなくなることが想定されているが、生物の位置情報に与える影響は不明。 太陽フレアで大規模通信障害⁉現代に与える深刻な影響とは明日をまもるナビ2022年10月6日 NHK 太陽表面の爆発現象「太陽フレア」。発生した電磁波やプラズマの噴出は、地球に住む私たちの生活に大きな影響をもたらします。暮らしに欠かせない電力や通信に障害を与えるなど、ICT(情報通信)技術が高度に発達した現代社会の脆弱性を突いた災害になります。太陽活動が活発化していく中で、対策はどこまで進んでいるのか。現代社会に生きる私たちにとっての新たな脅威について考えます。 この記事は、明日をまもるナビ「太陽フレア 新たな脅威に備える」(2022年10月2日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しています。 目 次・太陽フレアとは何か?・太陽フレアがもたらす3つの被害・日本で想定される被害は?・スーパーフレア 発生の可能性・私たちができる太陽フレア対策と「宇宙天気予報」・これだけは知っておきたい、太陽フレアの恐ろしさ▼太陽フレアの発する電磁波、高エネルギー粒子、プラズマなどが地球にさまざまな被害をもたらす。▼太陽フレアは、太陽黒点の極大期に頻繁に発生する。太陽黒点の増減は11年周期で繰り返され、次のピークは2025年頃。▼太陽フレアによって過去にも停電・通信障害・人工衛星への影響が起きている。 太陽フレアとは何か? 太陽フレアとは太陽の表面の爆発現象です。X線などの電磁波、高エネルギー粒子、プラズマなどが8分から数日間で地球に到達し、さまざまな被害をもたらします。 太陽フレアの大きさは1万~10万キロメートル。温度は数千万度に達します。アメリカのNASAの太陽観測衛星SDOが捉えた2012年の7月の映像を見てみます。この太陽フレアはかなり大規模なもので、高さが10万キロメートルぐらいあります。 太陽フレア 太陽表面で起きる爆発現象 大きさ1万~10万キロメートル 温度数千万度 同じ日の太陽を特殊な方法で見た映像では、電気を帯びたガスが大量に放出される「プラズマ噴出」が観測されていました。電気を帯びたガスが秒速1000キロメートル以上のスピードで飛び出しています。これが仮に地球を直撃すると大災害になる可能性があります。 太陽フレアはかなりの頻度で起きています。爆発の規模が最も小さいAクラスだと1年間に1万回程度。Mクラス以上になると頻度は減りますが、被害が大きくなります。 爆発が発生する位置も重要です。2012年7月には、太陽の裏側で150年ぶりの大フレアが発生しました。海外のメディアでは、地球の正面側で発生し、衝突していたら、「現代文明を18世紀に後退させたかもしれない」と報道されました。 実は今、太陽活動は活発化しつつあります。太陽には活動の周期があり、3年後の2025年頃をピークに太陽フレアが増えると見込まれています。 太陽フレアと大きく関係するのが、太陽の表面にある「黒点」の活動です。黒点は巨大な磁石のように強い磁場を持っているため、温度が低く黒く見える場所です。 太陽フレアは、大きな黒点のまわりで生じる現象です。 黒点の増減は11年周期で繰り返されていて、次のピークが2025年とみられています。黒点の極大期になると、強力な太陽フレアが毎日のように起きるなどの危険な状況が起こり得るため、日本でも今年、総務省が被害想定と対策を検討しました。 太陽フレアがもたらす3つの被害 太陽フレアによって地球にどんな被害が起きるのか。私たちの生活に大きく関わる被害として、主に3つが心配されています。それが停電、通信障害、人工衛星への影響です。こうした被害は、これまでにも発生しています。 大規模な太陽フレアが発生した場合、これらの被害額は日本の国家予算を上回る1兆ドルから2兆ドルにのぼると、アメリカの機関で試算されています。 ― 引用終わり ―
2024年03月08日
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CO2削減は世界的課題となっている。中国、米国、EU、英国は見せかけのCP2削減であるEVの普及拡大に注力している。 日本では菅総理が2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で、カーボンリサイクルは、「カーボンニュートラル社会を実現するためのキーテクノロジー」と位置づけられている。 カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。 温室効果ガスは、CO2、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガス。 カーボンリサイクルは、CO2を資源として有効活用すること。化学、セメント、機械、エンジニアリング、化石燃料、バイオなどさまざまな事業分野で取り組みが可能。現在想定されているのはCO2を吸収してつくったコンクリート製品や構造物などの鉱物、CO2で培養する藻類を原料としたバイオ燃料などの燃料、「人工光合成」によってつくるプラスチック原料などの化学品。 持続可能とは思えない現時点の技術でなるBEVが急速に普及拡大したにも関わらず、世界のCO2排出量が過去最高を更新した。 ロシア・ウクライナ戦争は継続され、イスラエルのパレスチナ弾圧は強化された。イエメン内戦、シリア内戦なども収まる気配がない。 戦争・内乱は人類の生存・未来と関係なくCO2を排出し続けている。 世界のCO2排出量が再び最高を更新中印の排出量が引き続き上昇―独メディアRecord China 2023年12月9日 2023年12月6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、世界の二酸化炭素(CO2)排出量が過去最高を更新したことが英国の大学による調査報告で明らかになったと報じた。 記事は、英国のエクセター大学が5日に発表した調査によると、世界の今年のCO2排出量が過去最高の368億トンに達する見込みだと紹介。昨年より1.1%増え、新型コロナ流行前の2019年より1.4%多いとした。 そして、この調査について同大学地球システム研究所のピエール・フリードリングシュタイン所長の下、120人以上の専門家からなるチームが毎年データを発表していると紹介した上で、同所長が「気候変動による悪影響は至る所で見られるが、化石燃料による炭素排出の削減対策は遅々として進んでいない」と指摘したとを伝えた。 また、現在大気中のCO2濃度はすでに419.3ppmに達し、工業化以前の1750年に比べて51%も高くなっていると紹介した上で、報告書の著者から「現在の傾向が続けば、地球の温度上昇を1.5℃に抑えるという2015年のパリ協定の目標を達成できる可能性は50%しかない」との予測も出されたと伝えている。 記事はさらに、コンピューターモデリングの結果として今年のインドにおける化石燃料からのCO2排出量は昨年に比べて8.2%増加し、EU全体の排出量を上回る見込みだと紹介。世界のCO2排出量の31%を占める中国も昨年比で4%増えると予測された一方、世界の排出量の14%を占める米国は、排出量が3%減少し、EUも7.4%減少する見通しだとした。 このほか、主にブラジル、インドネシア、コンゴ民主共和国において土地利用の変化に伴うCO2排出量の増加が顕著となっていることがわかったとも伝え、調査報告が「永久的な森林破壊による炭素排出量の増加は、現在の植林努力によって達成される排出削減量では相殺できない」との見解を示したと伝えている。(翻訳・編集/川尻) ― 引用終わり ― CO2削減は、「自動車の走行中」のようなある局面で対策するのではなく、始まりから終わりまで見渡した中で総合的に取組まなければ成果を上げられないだろう。 総合的な取り組みの中には、資源、エネルギーの無駄遣いの典型である戦争・内乱の停止=世界平和の維持も含まれるべきだ。 戦争・内乱で持続可能な水準まで人類を減らしてCO2は増加を抑制するつもりではないと思う。
2023年12月23日
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地球温暖化の原因となっているガスには様々なものがあるとされている。 二酸化炭素はもっとも温暖化への影響度が大きいガスとされている。 産業革命以降、石油、石炭などの化石燃料の使用が増え、その結果、大気中の二酸化炭素の濃度も増加してきた。二酸化炭素濃度は、産業革命前1750年の280ppmから2013年には400ppmを超え、40%以上も増加している。 産業活動が活発になり、二酸化炭素、メタン、さらにはフロン類などの温室効果ガスが大量に排出されて大気中の濃度が高まり熱の吸収が増えた結果、気温が上昇しており、これが地球温暖化と呼ばれている。世界平均気温は工業化前と比べて、2011~2020で1.09℃上昇している。 20世紀の間、海面は19cm上昇した。今後、地球温暖化に伴う海水温の上昇による熱膨張と氷河などの融解によって、2100年までに最大82cm上昇すると予測されている。 アングル:COP28見えない化石燃料廃止への道筋止まらぬ温暖化Valerie Volcovici、Kate Abnett2023年9月30日 ロイター 第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)の開催が2カ月後に迫ったが、化石燃料の段階的な廃止を求める国々と、石炭や石油、天然ガスの役割を維持するべきだと主張する国々の溝を埋めるには程遠い状況だ。 COP28は11月30日から12月12日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される。 先週の国連総会では、長年の議論が再燃した。グテレス国連事務総長は、総会と並行して開催された気候関連サミットで、化石燃料利権者の「むき出しの強欲さ」を嘆き、地球を温暖化することにより「人類は地獄への門を開いてしまった」と語った。 化石燃料を生産、あるいはそれに依存している国々は、化石燃料の使用を完全に止めるのではなく、温室効果ガス排出を「削減」する、つまり回収する技術を活用すべきだと強調した。 COP28の議長を務めるUAEのスルタン・アル・ジャベール氏はサミットで「化石燃料の段階的な削減は避けられない」と述べた。 世界最大の化石燃料消費国である中国は、今後何十年間も化石燃料を使い続ける意向を示している。 米国は、短期的に化石燃料に投資する一部途上国の計画を認めつつも「排出削減策が採られていない」化石燃料の段階的な廃止に支持を表明してきた。しかし、ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は、そもそも排出削減策、すなわちガス回収技術を十分なスピードで拡大できるかが疑問だとしている。 … (略) … フランス、ケニア、チリ、コロンビア、そして太平洋の島国ツバルとバヌアツを含む17カ国からなるグループは先週、回収技術の使用を制限する形の化石燃料の段階的廃止を求めた。 共同声明では「化石燃料の拡大にゴーサインを出すために、この技術を使うことはできない」と明言している。 これに対し、米国石油協会(API)など石油・ガス業界団体は「より少ない排出量でより多くのエネルギー」を供給するために、世界は排出削減技術を必要としていると主張している。 また、一部の途上国は、日本や米国がやってきたように、経済を発展させ発電能力を拡大するために化石燃料が必要だとして、段階的廃止に抵抗している。 ― 引用終わり ― 地球温暖化の主な環境に与える悪影響として以下があげられる。1.海水が増え、陸地が減る2.動物、植物の種類が減る3.気候が変わる4.伝染病が増える5.食糧が減る 化石燃料の使用を減らす観点から、人類による壮大な環境の毀損、資源の無駄遣いである戦争を禁じることが優先されるべきであろう。 ロシアによるウクライナ侵略戦争は、膨大なCO2をはじめとする温暖化ガス、有害物質を排出し続けている。 何かを守るためと称して開戦の口実とするのは、侵略者の常套句。
2023年10月07日
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サンマ、サケ、スルメイカなど、大衆魚とよばれる魚介類の、漁獲量の減少と販売価格の高騰に関する報道が続いている。10~20年単位でみると、ほぼ全魚種が減少を続ける傾向にあるという。 高齢化と若年人口減少に漁師の後継車不足、地球温暖化による海流の大きな変化、中国、台湾などによる乱獲などが原因とされている。 「(日本の)漁獲量が減少している」という報道は多く目にするが、世界全体では漁獲量が増加しているという。 「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実 世界で見ると漁獲(生産)量は2億トンに倍増東洋経済オンライン 2022年9月13日 … (略) …実は世界では漁獲(生産)量が増加している 上のグラフをご覧ください。水産白書のデータです。学校の教科書には、このデータから日本の水揚げ量が減少している部分のグラフだけが載せられています。このため1977年に設定された200海里漁業専管水域により、遠洋漁業の衰退などにより魚が獲れなくなり、後継者不足や高齢化で大変な1次産業と、先生が児童や生徒に教えてしまうのです。 これだけでは、世界で起こっている現実がまったく伝わりません。魚が消えていくことは、私たちの生活にとても身近な問題なのに……です。 次に世界全体の漁獲量推移のグラフを見てみましょう。天然と養殖を合わせ右肩上がりに増えています。1988年に1億トンに達した水揚げ量は、2020年では2億トンと倍増しています。 天然と養殖物について見てみると、天然物が横ばいであるのに対して、養殖物の数量が著しく伸びています。天然魚の水揚量は頭打ちのように見えます。しかし実態はそうではありません。 わが国は獲れるだけ獲ろうとしてそれでも獲れない状態です。一方で、北欧、北米、オセアニアなどの漁業先進国は、実際に漁獲できる数量より「大幅」に天然魚の漁獲量を制限しています。そして漁業で成功している国に共通しているのが、サスティナビリティを考慮している点です。 ― 引用終り ― 漁業資源の減少は日本近海の問題であっても、日本単独の問題とは言い切れない。 極東地域は、外交上の安全保障・領土問題とともに海洋資源の保護についても重要課題だ。
2022年09月23日
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ロシアのウクライナ侵略戦争が契機となり、石油や天然ガスなどのエネルギー価格が上昇した。 世界的なSDGsの取組で、石油や石炭の需要は低下傾向で、それらの価格が上昇することは想定されていないかった。 石油に浮かぶ経済とされている産油国の代表・サウジアラビアはエネルギー資源について水素への転換をすすめていた。 オイルマネーの限界。産油国サウジアラビアを取り巻く危機的状況とは経済学部教授 細井 長 2021年10月26日 國學院大學メディア 近年、私たちを取り巻くエネルギー事情は大きな転換点を迎えている。「脱炭素」や「カーボンニュートラル」といった言葉は日々聞かれ、主要エネルギーの石油から脱却する動きは世界中で加速。身近なところでいえば、日本政府は2035年までに純ガソリン車の新車販売をゼロにする方針を打ち出した。 この状況下で気になるのが、産油国の動向だ。オイルマネーで潤ってきたこれらの国は、今後、石油のニーズ減少が本格化したとき、国としての存続が可能なのだろうか。 … (略) … 税金いらずの生活にピリオド? たった2年で付加価値税は0→15%に サウジアラビアは、世界を代表する「レンティア国家」だ。レンティア国家とは、国が持つ天然資源を国王が管理し、その利益を国民に分配することで成り立つ国。国民は選挙権を求めない代わりに、多くの金銭的収入を国家から得られる。医療や教育、福祉も多くが無償で、税金も日本より格段に低い。それもこれも、莫大なオイルマネーが支えてきたためだ。 レンティア国家の在り方などは2015年の記事をぜひご覧いただきたいが、そんなレンティア国家の土台がいよいよ揺らいでいるという。 「サウジアラビアの財政収支は、2014年以降、赤字が続いています。その結果、これまで裕福な暮らしを続けてきた国民にマイナスの変化が起きました。代表的なものが税金の引き上げです。サウジアラビアには、日本でいう消費税が存在しませんでしたが、2018年から、それに該当するVAT(付加価値税)を5%で導入。しかし財政難に歯止めがかからず、2020年には15%へと引き上げられました」 所得税や法人税が実質的にないサウジアラビアにおいて、導入わずか2年で15%まで引き上がったVATは、国家の苦しい台所事情を物語る。また、サウジアラビア国籍を持つ人に対しては、従来、電気代や水道代にも潤沢な補助金が投入され国民の負担額は抑えられていた。それらの補助金も、この数年で「削減されている」という。 「国民の負担が増えたことにより、支配する王族は大衆の不満が強くなることを懸念しています。そこで、今まで禁止されていた映画館やライブコンサート、女性の自動車運転などを解禁。文化・社会的な部分での規制緩和により、国民の不満を軽減しようという思惑が見られます」 細井氏によれば、映画館やコンサートを解禁したところ、サウジアラビアでは「韓国系のアイドルや歌手のブームが起きている」という。いずれにせよ、これまでは裕福な暮らしを提供することで国民を統治してきた王族国家が、財政赤字により難しい局面を迎えていることは間違いない。 財政赤字の要因となっているのは、世界的な脱・石油の動きだ。その実情として、細井氏はあるレポートを紹介する。 「イギリスのエネルギー企業・BP社が出した2020年のレポートによると、石油の世界的需要はすでにピークを過ぎ、今後は下降の一途をたどると分析しています。状況によっては、2050年時点で現在の4分の1ほどにまで縮小する可能性も指摘しているのです」 今すぐではないが、この数十年で石油需要の大幅な減少が見込まれる。そこでサウジアラビアは、石油依存から脱却する動きを2015年頃にスタートさせた。実はこの取り組みによって国家支出が増え、さらには時期を同じくして原油価格も下落。「深刻な財政赤字が続いている」という。 石油依存からの脱却のために、国営石油会社の株式を売却 では、どんな取り組みをしているのだろうか。象徴的なものが、2016年からスタートした「サウジビジョン2030」だ。「2030年までに国の経済や社会を変えていく構想で、その大きな柱が脱・石油です」と細井氏。弱冠35歳(2021年7月時点)でサウジアラビアの経済開発を司る経済開発評議会議長を務めるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が旗振り役となっている。 … (略) … 石油会社の株を売却し、そこで得た資金で投資事業を行う。石油以外の収益を模索していることがわかる事例だろう。 5000億円のスマートシティ開発。その先にある水素大国のプラン そしてもうひとつ、サウジアラビアでは重要な経済施策が進んでいる。それは、石油に代わる再生可能エネルギーの産出先進国になることだ。 「2017年、ムハンマド皇太子は最先端技術を集めたスマートシティ『NEOM(ネオム)』の開発を発表しました。全長170kmほどのエリアを対象にした、総工費5000億ドルの計画。100万人の都市を作る予定です。そしてこのNEOMを、世界的な水素製造の拠点にしようと考えています」 ― 引用終り ― 日本は老朽化している火力発電所の廃却をすすめている。 経済産業省とトヨタは、脱炭素のエネルギー源のひとつとして水素自動車の取組をすすめている。 原子力発電所の再稼働もすすめているが、これは高濃度放射性廃棄物の行き先の問題もあるのだろう。 海上輸送ではアンモニアの活用をすすめている。 これらに対し、地熱発電や風力発電などの再生可能エネルギーの活用は目立たない。 大量のプルトニウムを抱えた資源小国日本が目指すところを決めるべきなのだろう。
2022年08月21日
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2022年7月13日、国連の世界人口デーに際して発表された人口予測で来年、インドの人口が中国を抜抜き人口が世界一となること、2050年に16億6800万人となる見込みであることなどを中国新聞網が報じた。 インドの人口が中国超えへ出生率低下に苦しむ日韓―中国メディアRecord China 2022年7月17日 … (略) … 記事は、11日の世界人口デーに合わせて国連が人口推計を発表、11年に70億人を突破した世界人口が今年11月15日前後に80億人に達する見込みであることが示されたと伝えた。 一方で、さまざまな影響により世界の人口増加率はすでに1%以下に低下しており、1950年以降で最も遅いペースになっているとし、50年には世界の女性1人当たりの出産数が5人だったのに対し、2021年には2.3人まで減少していることも明らかになったと紹介。 多くの先進国が、人口水準を保つことのできる合計特殊出生率2.1を下回っており、50年には61カ国で人口が1%減少する見込みだとした。 そして、特に人口減少の懸念が深刻なのが韓国で、出生率が3年連続で1を下回り、特に20年にはワーストの0.84を記録して1970年以降で初めて人口が減少したと説明。日本も40年の高齢者人口が35.3%にまで上昇するとともに少子化問題も深刻となり、労働力の不足が経済発展にますます大きな影響を及ぼすと指摘されたことを伝えた。 ― 引用終り ― 2021年のインドの合計特殊出生率が2.03と低下しており、見込み通りになるとは限らない。 2021年の一人当たりGDPは、中国は12,358.80USドル(世界63位)に対しインドは2,185.32USドル(世界144位)で経済面の伸びしろはけた違いに大きい。このことがどのようにインドの人口に影響するかは不明。 通例はGDPの増加すると医療水準が向上し、平均余命が伸び人口増となる。 勤労観が西欧や東アジア、東南アジアとことなるインドで、GDPが順調に増加するか、生活水準・医療水準が比例的に向上するかは大いに気になるところ。
2022年07月19日
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世界2位の経済大国となった中国は、世界一のCO2排出大国でもある。 中国を追うCO2排出大国はインド。 大気汚染問題もありう各々CO2排出削減に真剣に取り組んでいるが、エネルギー使用の増加に追い付いている感じはみられない。 中国初のメタノールデュアルフューエルグリーン船舶が引き渡し―中国メディア2022年6月22日 Record China 中国が建造した1隻目のメタノールデュアルフューエル動力グリーン船舶が20日、広州市南沙区で引き渡しされ、工場を出た。同船は中国船舶集団傘下の広船国際が独自に研究開発・設計・建造した4万9900トン級メタノールデュアルフューエル化学品・石油製品船の1隻目で、世界トップのメタノールデュアルフューエル駆動システムを搭載しており、最大で炭素排出を75%、窒素排出を15%、硫黄および粒子状物質排出を99%削減できる。 同船に搭載されているメタノールデュアルフューエル駆動システムは、燃料、燃料水和物、メタノール、メタノール水和物の4種の燃料モードで駆動する。船舶分野での水和物燃料プランの応用は初めてで、燃焼状態の制御により排ガスを減らせる。排ガス処理システムを搭載せずとも、国際海事機関の最高等級の排出基準を満たせる。 メタノールは現在、世界の100以上の港で使用されている。液化天然ガス(LNG)などの同類代替製品と比べると保管・輸送がより便利で、インフラ整備にかかる費用が少なく、コストと安全の大きな優位性を持つ。(提供/人民網日本語版・編集/YF) ― 引用終り ― メタノール (methanol) は、有機溶媒などとして用いられるアルコールで、メチルアルコール とも呼ばれる。 人体に有害。 石油代替燃料としてはエタノールより安価でCNG(圧縮天然ガス)と並ぶ価格競争力がある。 穀物などのバイオマスから生成されるエタノールと異なり、メタノールは主に天然ガスから生成される。 ヤンマー公式サイト デュアルフューエルエンジン クリーンにそしてパワフルに ディーゼルとガスを併用する 舶用エンジン ISSUE 未来の地球環境への配慮や経済効率の 高い運航を見据えたエンジンを 世界中の海で稼働する大型船舶には、大きな出力を有するエンジンが搭載されています。しかし、エンジンから排出される環境負荷物質による大気汚染については、世界的な課題とされています。 そんな中、近年注目されているのが天然ガスの利用。環境にやさしく温室効果ガスを低減することが可能です。 そこでヤンマーでは、環境性に優れたLNG燃料と比較的入手の容易なディーゼル燃料の両方をフレキシブルに使用できるデュアルフューエルエンジンの開発をスタート。お客様の生涯価値(L.C.V.=Life Cycle Value)向上を追求した信頼のエンジンをベースに開発を行い、IMOのNOx3次規制(IMO3)およびSOx全海域規制に対応することを目標にしました。 ― 引用終り ―
2022年06月28日
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科学は分かっていることしか分からない。 科学は頼りになるが、いまだ万能ではない。 2021年10月中旬以降沖縄の近海で大規模な軽石の漂流、漂着が確認された。 今のところ新型コロナウイルス関連の事項と同様に、予測・予報が困難な事象だ。 沖縄近海の軽石:いつまで? そして、どこへ?2021-12-23 沖縄科学技術大学院大学 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、10月中旬以降沖縄の近海で確認されている火山性軽石のモニタリングを行っています。軽石は、港に打ち寄せることで、港の船のエンジンが詰まり、漁業や輸送、観光業にも影響が出ています。この軽石は2021年8月13日に小笠原諸島にある海底火山の噴火に由来します。研究チームは、今回の研究は、軽石が沖縄近海に留まる期間を知る手がかりとなる可能性があり、海洋における軽石いかだの大まかな動きを解明することができるとしています。 海洋生態物理学ユニットを率いる御手洗哲司准教授は、2012年から2017年にかけて沖縄近海にGPS付きの漂流ブイを放った実験を行いましたが、その実験に軽石の動きを照らし合わせました。ブイは、主に海洋渦と呼ばれる小さな渦の中を移動しましたが、台風が通過しても強い影響を受けることはありませんでした。 … (略) … 小笠原諸島の福徳岡ノ場で噴火が起こった際、大量の軽石が周囲の海に噴出した。漂流シミュレーションによれば、軽石は、モンスーンによって北西に移動した後、貿易風と黒潮反流の影響が合わさって南西に運ばれ、沖縄に漂着した。黒潮の大きな流れにのって東京付近に運ばれた軽石はごくわずかだった。御手洗准教授は、冬の間軽石はほとんど沖縄に留まり、砕けていくであろうと予測している。 ― 引用終り ― 2022年1月15日13時ごろ、トンガ諸島沖で大規模な海底火山の噴火が発生。 1月16日0時15分、日本近海の潮位の広範な変化に気付いた気象庁が、慌てて津波警報・注意報を発表。 【詳報】前例ない大規模噴火の “津波”そのとき気象庁は…2022年1月16日 NHK「今回の潮位変化は津波かどうか分からない」「メカニズムも不明」気象庁の記者会見での説明です。一時、「被害の心配は無い」としていたものの、津波警報や注意報を広い範囲に発表しました。気象庁が過去に経験したことのない、海外での大規模な噴火による潮位の変化。どのように判断し、対応したのでしょうか。 … (略) … “前代未聞”の事態 気象庁では… しかし、その後、事態は一変します。シミュレーションで予想した到達時刻より早く、高い津波が各地で観測されはじめたのです。 小笠原諸島の父島では想定より2時間半余り早い午後7時58分に第一波が到達しました。 一方、気象庁内部ではあるデータに関心が集まっていました。日本で潮位の変化が観測され始めた午後8時ごろ、全国各地で大きな“気圧の変化”が起きていたのです。 さらに、地震による一般的な津波では日本に到達するまでの海外の観測地点で、順番に潮位の変化が観測されるはずですが、その変化はほとんど見られませんでした。 … (略) … 各地の潮位は上昇し、鹿児島県の奄美大島の小湊では、午後11時55分に津波警報の基準を超える1メートル20センチを観測。 「防災上の警戒を呼びかけなければいけないレベルまで来ている。津波警報で伝えるしかない」(気象庁幹部) こうした観測状況を踏まえ、気象庁は日付が変わった16日午前0時15分、鹿児島県の奄美群島とトカラ列島に津波警報を、北海道から沖縄にかけての広い範囲に津波注意報を発表しました。前例のない状況の中で、情報を迅速に伝達することを重視した判断でした。 ― 引用終り ― 1月16日午後2時、北海道から沖縄・奄美の太平洋側を中心に発令されていた津波注意報が解除され、この津波関係の警報・注意報が14時間ぶりに全て解除された。
2022年02月01日
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農薬と化学肥料を大量に使用し、地下水を汲み上げて収量の拡大をはかる米国式農法が危機に瀕している。 地力が失われ、地下水が枯渇したところを地球温暖化による過激な気象が襲っている構図となっている。 そんな中、水を与えず、高塩分で育てる農法の実験がすすめられている。 水を与えず、高塩分で育てる「拷問果樹園」の実態2021.12.25 ナゾロジー 2021年は、アメリカ・カリフォルニア州の農家にとって厳しい年でした。 州の90%近くの地域が極度の干ばつに見舞われたのです。 では、このような気候変動にどのように対処すべきでしょうか? カリフォルニア大学デービス校(UC)ウォルフスキル実験果樹園では、干ばつに耐える植物を生み出すために過酷な実験が行われています。 いくつかの品種に対して、あえて水を与えなかったり、塩分を含む土壌で栽培したりして、生命力の強い品種を探そうとしているのです。 目次 干ばつ対策のため過酷な実験が行われる ピスタチオの木が拷問果樹園での断水実験を生き残る 拷問を受けた植物たちには後遺症が残っていた … (略) … 拷問を受けた植物たちには後遺症が残っていた ピスタチオの木は拷問果樹園の実験を生き残りましたが、その影響を受けなかったわけではありません。 拷問果樹園の木から取れたピスタチオナッツはとても小さかったのです。 ピスタチオ以外にも生き残った品種はあったようですが、拷問の影響はその年だけでなく、次の年にも及びました。 実際、ストレスを受けた木たちは次の春に何とか花を咲かせたものの、翌年はもっとひどい状態になってしまったのです。 収穫量は2倍近く減ったと報告されています。 またピスタチオがなんとか生き残った高塩分実験は、クルミの木にとっては耐えられるものではありませんでした。 すべて枯れてしまったのです。 これらの結果から明らかなように、科学者たちは「植物の弱点は突然の変化」だと指摘しています。 もともと植物には人間と同じように優れた適応能力があります。 変化がゆっくりと生じるのであれば、機能が低下したとしても、生き残ることが可能なのです。 ただし、極端な干ばつや異常気象には耐えられません。 仮に生き残ったとしてもその影響がしばらく続くでしょう。 さて、拷問果樹園での過酷な実験は、農家にいくらかの希望と厳しい現実を突きつける結果となりました。 ― 引用終り ― おそらく各植物ごとに乾燥地や高塩分土壌に適したものと適さないものがあるのだろう。 南米の高地が原産のトマトは、乾燥地で上手に育てると小粒だが味が濃くて美味しくなるという。 通常のトマトを過乾にすると尻腐れ病を招く。 地球温暖化対策、乾燥地対策として、今後も研究をすすめて欲しいと思う。 乾燥地における野菜栽培鳥取大学農学部 山内 益夫オンライン”砂丘・砂漠”講座乾燥地・メキシコ・カリフォルニア半島の自然と農業編
2022年01月24日
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1月22日、大分県と宮崎県で最大震度5強の地震が発生。 南海トラフ地震との関係は、現時点では分かっていない。 大分・宮崎震度5強 M6.8以上なら気象庁「南海トラフ地震臨時情報発表していた」2022年1月22日 TBS NEWS … (略) …気象庁 地震津波監視課 束田進也 課長 「揺れの強かった地域では地震発生から1週間程度、最大震度5強程度の地震に注意してください」 きょう午前1時8分ごろ、大分県と宮崎県で最大震度5強を観測する強い地震がありました。気象庁によりますと、震源地は日向灘で震源の深さは45キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.8と推定されています。 気象庁は午前3時過ぎに緊急記者会見を行い、この中で、今回の地震の規模を示すマグニチュードが6.8以上だった場合には、「南海トラフ地震臨時情報」を発表し、南海トラフ巨大地震が発生するかどうかについて調査する作業を進めていたことを明らかにしました。 一方で気象庁は、今回の地震が南海トラフ地震の震源となるプレート境界に与える影響については、「わからない」としています。 ― 引用終り ― 「分からない」ことについて「分からない」というのは、科学的姿勢。 科学者ではない素人は、感働きで考える。 2022年初には南海トラフ地震の発生確率が引き上げられていた。 南海トラフ巨大地震40年以内の発生確率「90%程度」に引き上げ2022/01/13 讀賣新聞オンライン 政府の地震調査委員会は13日、国内で可能性のある地震の最新の発生確率(1月1日現在)を公表し、南海トラフで今後40年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を、前年の「80~90%」から「90%程度」に引き上げた。 周期的に発生する地震の場合、地震が起きていない期間が長くなるほど発生確率が上がる。一方で10年以内では「30%程度」、30年以内では「70~80%」の発生確率とし、各評価を前年のまま据え置いた。 東京大学名誉教授の平田 直なおし ・委員長は「日本は世界的にみて地震が起きやすい場所だ。どこで起きてもおかしくないので備えを進めてほしい」と話している。 ― 引用終り ― 地学的時間とヒトの時間の流れは、大きく異なる。 大地震・大災害に遭遇する人生もあれば、それらの備えを使わなくて済む人生もある。 敗戦後、昭和元禄を経て、阪神淡路大震災、東日本大震災など局地的な災害を知り、世界的なコロナ禍で、災害に備える人々が増えたようだ。キャンプブームもその周辺にあるように思う。 NHK公式サイト「MEGAQUAKE 巨大地震2021 〜震災10年 科学はどこまで迫れたか〜」 あの日、東北沖であれほど巨大な地震と津波が起きることを想定できなかった科学者たち。 深い悔恨と新たな決意を胸に、次こそは危機を事前に社会に伝えたいと、再び挑んできた。 この10年で飛躍的に進歩した人工知能やスーパーコンピューター、宇宙からの観測などを駆使。巨大地震の「前触れ」をとらえ、「地震発生確率が高まっている地域」をあぶりだし、命を守ろうとする最前線を、宮城県出身の鈴木京香さんとともに見つめる。 ― 引用終り ―
2022年01月22日
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「カバークロップ(被覆作物)」とは、土壌浸食を防ぎ土壌中に有機物を加えて土壌改良に役立つ作物の総称。 カバークロップには、土壌の物理性改善、センチュウの防除、天敵の保持・増殖など多くの機能がある。 緑肥作物やリビングマルチ(植物マルチ)もカバークロップに含まれまる。 米国では「カバークロップ」が炭酸ガス削減の有効な手段として大規模に展開されている。 アングル:米農家、炭素を吸収する「カバークロップ」に着目By Reuters Staff2022年1月9日REUTERS 米イリノイ州で農家を営むジャック・マコーミックさんは昨秋、農閑期の作物として大麦とラディッシュを350エーカー(約142ヘクタール)に植えた。だが収穫するつもりはない。春になれば除草剤で枯らした上で、同じ土壌に大豆を植える予定だ この大麦とラディッシュは食用には使われないが、植えれば独医薬品・農業大手バイエルがマコーミックさんに報酬を支払ってくれる。排出された温室効果ガスを吸収する「カバークロップ(作物)」として、バイエルに「カーボン・オフセット・クレジット」をもたらすからだ。 カバークロップを植える目的は、土壌の回復や土地の浸食緩和に加え、光合成を通じて大気から炭素を吸収することにある。炭素は、土壌内に残された根などの部分に貯留される。貯留量は「クレジット」として数値化され、企業は他の活動で排出した炭素をクレジットによって相殺することができる。 農業はこうして気候変動に適応しようとしている。農家はもはや、食用や飼料用に作物を売って収入を得るだけではなく、炭素排出を抑えるカバークロップを植えて対価を受け取ることもできるのだ。 米国ではカバークロップを植える農家が次第に増えている。その種類はライ麦やオート麦、野菜、ラディッシュまでさまざま。一部はバイオ燃料や飼料に転用されるが、大半は土壌内で朽ちた方が高い価値を生み出すため、収穫しない。 カバークロップは再生農業の柱であり、環境専門家はおおむね、伝統農業よりも進化したものとして好意的に受け止めている。再生農業のアプローチは、輪作、家畜の放牧、化学物質投入量の削減などを通じて土壌の健康を回復し、炭素排出を抑制するというものだ。 ミズーリ大学再生農業センターのロブ・マイヤーズ代表は、カバークロップの作付面積が2021年に最大2200万エーカーに拡大したと推計している。米農務省の直近データによると2017年は1540万エーカーで、43%も増えている。 ― 引用終わり ― 化学肥料、農薬、地下水の多用で荒れ果てつつある米国の農地の地力の回復にカバークロップが役立つとよいが、急激な気象・気候変動に作物・植物が対応できるかが課題となりそうだ。
2022年01月20日
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低炭素社会の実現など地球温暖化の防止が急務であるとの認識は世界的に共通となりつつある。 一方、エネルギー多消費型社会の利便性にどっぷりと浸った世の中は、エネルギー消費削減を徐々に進めながら、低炭素のエネルギー源に転換してこうとしている。 EUは脱炭素の手段として原発を選ぶことにお墨付きを与えた。 SDGsの示す持続可能到着点ではないようだが、緊急避難か、低炭素化社会を早急に実現するための究極の選択といったところだろう。 原発と天然ガス発電EUが「脱炭素」適格に2022年1月2日 読売新聞オンライン【ブリュッセル=畠山朋子】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は1日、2050年の脱炭素実現に向け、原子力発電や天然ガス発電を一定の条件下で「適格」とする方針を発表した。原発や天然ガスを巡り加盟国間で賛否が割れていたが、EUが認定することで投資家や政府から関連事業への資金を呼び込みやすくなる効果が期待される。 製造業や運輸といった産業ごとに持続可能な経済活動かどうか分類するための基準となる「EUタクソノミー(分類)法案」で位置付ける。1月中に正式発表し、23年の発効を目指す。 欧州委は昨年12月31日、加盟国に草案を示した。関係者によると、原発は各国が放射性廃棄物の管理を徹底することで環境に重大な損害を与えないようにでき、温室効果ガスの排出削減に貢献すると判断した。45年までに建設許可を得た原発を適格とする。 天然ガスは、排出量の多い石炭などからの移行手段と位置付けた。1キロ・ワット時あたりの二酸化炭素排出量を270グラム未満に抑えることなどを適格の条件とした。30年までに建設許可を受けた発電所を対象とする。 ― 引用終り ― 原発が残す高濃度放射性廃棄物は、社会の持続可能性を阻害する。 再稼働しないまま、ひたすら電力を消費し続ける不稼働原発を抱える電力会社は、再稼働の弾みをつけるべく電気代から集めたPR活動費を多消費する。 電力会社も気が付いているのだろうが、福島第一原発事故の発生で、原発事故はめったに起こらないことではないことが、衆智の事実となったので、これからは発電時の低炭素をウリとして再稼働のPRを始めることだろう。 自公連立政権・国内の行政と電力会社の、核のゴミの処分のような「致命的な問題」はできる限り先送りする方針は、微塵もゆらいでいない。
2022年01月20日
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コロナ禍で様々な場所と期間でロックダウンが行われた。 生産活動、消費活動は停滞し、経済に大きな影響を与えたと考えられているが、CO2排出量は通年で7%の減だったという。 CO2排出量50%削減の道がどれほど険しいものかを想像させる。 特別リポート:コロナ禍とCO2、炭素循環を極めた女性科学者Maurice Tamman2021年4月28日 Reuters … (略) … 2020年3月、ルケレ氏は自宅の仕事部屋に閉じこもっていた。彼女が暮らす英国は新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウン(都市封鎖)中。通りに人影はなく、世界は停止していた。その不気味な静けさの中で、気候科学を専門とする彼女は知りたいと思った。これは二酸化炭素(CO2)の排出量にどう影響するのか、人類が引き起こす気候変動そのものにはどう作用するのか。 同僚が電話をかけてきた。ジャーナリストからも問い合わせがあった。 「この質問に答えられないのは、とても恥ずかしいことだった」と、ルケレ氏は振り返る。「私の研究分野であり、当然の質問であることは明白なのに、その答えが分からなかった」 彼女はそのころ熱を出していたものの(コロナを疑ったが感染の有無は今も不明)、6カ国13人の科学者からなるチームを動員。経済活動が縮小し、化石燃料の燃焼が減ったパンデミック(感染症の世界的大流行)下のCO2排出量を把握しようとした。最初にメールを送ったのは3月中旬。25日後にはデータを収集・分析し、論文を提出した。慎重な科学の世界では途方もない早業だ。 論文は5月17日、英科学誌「ネイチャー」に載った。4月のある日にCO2排出量が17%減り、2006年時点の水準に達したという内容は世界でトップニュースになった。しかし、ルケレ氏が論文を更新し、2021年3月に発表したものによると、2020年通年ではわずか7%しか減少していなかった。 気候変動という巨大で過酷なものに対し、パンデミックによる経済活動の停止効果は一時的なものということが証明されてしまったのかもしれない。 地球温暖化の一因であるCO2排出量を削減するためには、車の運転や旅行を控えて家にいるという行動上の変化だけでは限界があることが、ロックダウンで鮮明となった。 ルケレ氏は言った。「これほど残酷な変化があったのに、17%しか減らないとは。たった1日。冗談でしょう?」 ― 引用終り ― 炭酸ガス排出量の大幅で急速な削減なしに、地球環境の激変は避けられないことが世界の常識となっている。 化石賞を受賞した日本の岸田首相は、漸進的、段階的なエネルギー源の転換を考えているようだが、その取り組み姿勢だけでも変えないと、日本は化石賞の連続受賞記録を続けることになる。 今回の総選挙で日本人は保守を選択したが、世界は変化を求めている。 環境に関する意識・価値観は、その現実よりも先行して変化しなければ、現実に追いつけない。
2021年11月24日
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原油の供給不足により温暖化対策の進展で重要が拡大する見込みがないガソリンの価格が上昇している。 下記の記事では主に需要側の6つの要因を掲げている。 ガソリン価格はいつ下がる?供給不足が解消しない6つの要因原油高騰はインフレに直結する=原彰宏2021年11月3日 MMONEY VOICE … (略) … 原因その1:コロナ・ペントアップデマンド コロナ感染拡大が収束したことでの景気急加速により、需要が一気に伸びたことで供給が追いついていない、鉱工業生産だけなく輸送のニーズも高まったことが大きいです。 … (略) …原因その2:北京冬季オリンピック・パラリンピック 世界的イベントなだけに、中国としても大気汚染を考えると、石炭火力に7割も依存している現状から世界へのアピールも含め、「脱石炭」にシフトするという行動はうなずけます。 そのために炭鉱稼働を止めていました。 しかし、いったん止めた炭鉱の再稼働は難しく、電力不足状態解消のための供給が迅速に行われないことが、今目の前に現れている「電力不足」につながっているという指摘もあります。 このリカバリーを石油や天然ガスに求めるという思惑も、原油需要が膨らむ要因として、強く懸念されています。 原因その3:大型ハリケーンの問題 8月に米国を襲った大型ハリケーンが、産油地帯であるメキシコ湾岸に大きな被害をもたらしました。 石油の生産量が2005年以降で最大の落ち込みとなり、米国のガソリン在庫が最低水準に近いところまで減少していることも、需給を乱す要因になると懸念されています。 原因その4:米シェールオイルの問題 いままでは、需給逼迫の際には、米シェールオイルの蛇口を開放、つまり生産を増やすことで需給調整を行ってきました。 バイデン政権誕生により、地球温暖化対策として採掘の環境規制が厳しくなったことに加え、コロナによる人手不足や物流の混乱もあり、シェールオイル供給そのものが安定しなくなりました。 原因その5:英国のパニック ブレグジットにより、移民が来なくなったことで、今まで移民が担っていた仕事に大きな支障をきたすようになりました。 身近なものとしてスーパーで物を陳列する人がいなくなったということがありますが、トラック運転手が欧州大陸から来なくなったことで、不安になった消費者がパニック的にガソリンスタンドに殺到したというのです。 9月終わりから10月にかけてガソリンスタンドの多くでガソリンが売り切れ、社会問題化し、軍がガソリン輸送で動員されたほどだったとのことです。 原因その6:天候不順による再生可能エネルギー供給不安定化 再生可能エネルギーにシフトしているところに天候不順が、電力供給に不安が出て、スペインでは電気料金が3倍になったとのことです。 ― 引用終り ― ガソリン価格上昇は、供給主体の産油国による生産調整が成功して、価格の高止まりが復活した。 その成功要因として、地球温暖化対策がSDGsのもと重視され、新規の石油採掘投資が困難になったことをあげている。 では高値は続かない。 11月15日、原油先物は下落。供給が拡大し、需要が低迷するとの見方が強まった。 脱石油は世界の底流となっており、再生可能エネルギーの活用などが進み、需要が減っていけば価格が高止まりする理由はなくなる。実際、資金に余裕のある産油国も、石油メジャーも、再生可能エネルギーへの投資を拡大している。 石炭とともに石油の需要は低減していくので、今後もOPEC+などで生産調整が続けられることだろう。 投資先の乏しいマネーを活用して、一時的な原油高を狙った意図的供給不足は、今後も繰り返し演出されることだろう。 OPECは11月の月報で、2021年第4・四半期の石油需要見通しを下方修正した。 エネルギー価格の高騰が新型コロナウイルス危機からの景気回復を妨げ、石油使用量がコロナ禍以前の水準に戻るのは2022年以降にずれ込むとしている。 時間がたつほど、低炭素化の取組は進展する。 石油需要は回復するのだろうか? 総需要が大幅に減少すると想定されている石油の供給問題は、財政面で貧困化していく産油国などで今後発生すると思われる紛争(戦争・内乱)へとつながる。 紛争の発生は石油価格上昇の要因となる。悪循環?新たな「石油危機」?
2021年11月20日
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SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)を継承するものとして,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。 17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことをうたっている。 SDGsは発展途上国も先進国も等しく取り組む普遍的な目標。 基本方針・ミレニアム開発目標 (MDGs) を基にして、MDGsが達成できなかったものを実現することを目指す。・すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等と全ての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。・統合され、不可分のもので、持続可能な開発の三側面、経済・社会・環境を調和させる。・人類及び地球に極めて重要な分野で、向こう15年間にわたり行動を促進する。 17のゴール 1.貧困をなくそう (英: No Poverty)「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」 2. 飢餓をゼロに (英: Zero Hunger)「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」 3.人々に保健と福祉を (英: Good Health and Well-Being)「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」 4.質の高い教育をみんなに (英: Quality Education)「すべての人々へ包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」 5.ジェンダー平等を実現しよう (英: Gender Equality)「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」 6.安全な水とトイレを世界中に (英: Clean Water and Sanitation)「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」 7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに (英: Affordable and Clean Energy)「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」 8.働きがいも経済成長も (英: Decent Work and Economic Growth) 「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」 9.産業と技術革新の基礎をつくろう (英: Industry, Innovation and Infrastructure) 「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び技術革新の推進を図る」 10.人や国の不平等をなくそう (英: Reduced Inequalities) 「各国内及び各国間の不平等を是正する」 11.住み続けられるまちづくりを (英: Sustainable Cities and Communities)「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」 12.つくる責任 つかう責任 (英: Responsible Consumption and Production)「持続可能な生産消費形態を確保する」 13.気候変動に具体的な対策を (英: Climate Action)「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」[注釈 1] 14.海の豊かさを守ろう (英: Life Below Water)「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」 15.陸の豊かさも守ろう (英: Life on Land)「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」 16.平和と公正をすべての人に (英: Peace, Justice and Strong Institutions)「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」 17.パートナーシップで目標を達成しよう (英: Partnership)「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」 SDGsバッジはそれぞれのゴールの色を使った丸型のカラフルなバッジ。 SDGsバッジをつけることで、社会課題の解決に取り組む企業や人間だというポジティブなイメージを多くの人に発信できる。また、より多くの人にSDGsを知ってもらい、社会を良くする効果を期待できる。 間違った認識や悪用を防ぐために、SDGsバッジの販売を行うには国連の承認が必要となっている。 市場には、国連に承認を得ることなく製造されたSDGsバッジも出回っているのも事実だ。 承認を得た商品を取り扱っているサイトはその旨が記載されており(国連公認バッジ)、事前にチェックしてから購入したい。 今後SDGsに沿った経営をすすめないと世界市場に参入できない可能性が高くなる。 これらにより、投資家が経営方針にSDGsを取入れていない企業への投資を避けており、格付けや株価が低迷するため、世界市場に参入している企業は、こぞってSDGsに沿った事業運営委方針をほ掲げ、実行している。 脱炭素化、低炭素化はその一部だ。 経済産業省公式サイト「SDGs経営ガイド」を取りまとめました企業の「SDGs経営」によるESG投資の呼び込みを後押しします
2021年11月10日
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日本の電力会社が原発存続のためどんなに国民を欺瞞しようと、世界は再生可能エネルギーの利用拡大にむけすすんでいる。 産油国であるサウジアラビアや米国の石油メジャーでさえ、再生可能エネルギーに将来を見出している。 テキサス州、石油・ガスと脱炭素の二刀流へ(米国) 2021年5月24日 JETRO メジャーと言えば、米国の国民的娯楽とされる野球の大リーグ。今シーズンの話題は、投打の二刀流で好調のロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手だ。 かたや、テキサス州でメジャーと言えば、地域経済の中核をなす石油・ガス産業を連想する。投資家から強まる脱炭素の要請やバイデン政権の発足など、変化するビジネス環境の下、テキサスは環境エネルギー分野の二刀流に向けて歩みを始めている。 ― 引用終り ― 石油ビジネスの中心地テキサスでさえ、脱炭素に歩み始めている。 上記のJETROのレポートによると、テキサス進出日系企業が、米国での脱炭素プロジェクトへの参画・連携は下記の通り。 関西電力(2020年7月)、東京ガス(2020年7月)、 電源開発(2020年3月/8月)、 三菱重工業、トヨタ(2020年9月)、三菱重工業(2020年11月)、三菱重工業(2021年1月)、大阪ガス、三菱重工業(2021年4月)。 関西電力(陸上風力発電)も電源開発(太陽光発電)も、米国で脱炭素の脱炭素の歩みを始めている。 日本の石油元売り大手のエネオスの構造転換は王道を歩んでいる。 王道があたっているかどうかは、保証の限りではない。 エネオス、再エネ大手を買収2千億円で、構造転換加速2021年10月11日 共同通信 石油元売り最大手のENEOS(エネオス)ホールディングスは11日、再生可能エネルギー発電大手のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京)を約2千億円で買収すると発表した。人口減少やハイブリッド車の普及を背景にガソリンの国内需要は減少している。世界的な脱炭素化の流れも見据え、石油に依存した事業構造からの転換を加速させる。 子会社のエネオスが2022年1月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックスとシンガポール政府投資公社からJREの全株式を取得する。今回の買収でエネオスの国内外での再生エネ発電容量は、建設中を含め約122万キロワットになる。 ― 引用終り ― ■熱源の構造転換と高濃度放射性廃棄物 電力ビジネス的な観点からは再生可能エネルギー発電(再エネ発電)に電力会社も力を入れるべきなのだが、国策企業ともいえる日本の電力各社は、原発ビジネスを丸く収めるのが最優先事項となっている。 現時点では高濃度核放射性廃棄物の最終処分場建設のあてはなく、原発がすべて廃炉になると高濃度放射性廃棄物の保管場所、行先がなくなるため、原発の再稼働を最優先事項としている。 原発の再稼働のためには、再エネ発電による電力が大量かつ安定的に供給されては困るので、自らは大々的に手をつけられない。 福島原発事故後に電力不足を言い立て、その後は夏の電力不足による危機を言い立て、それもクリアすると冬の電力不足による危機を言い立て続ける。 家庭も企業も、省エネ型エアコン、冷蔵庫への転換がすすむ。熱源としての都市ガスの利用も拡大している。 世界も日本社会も電力会社の電力に依存しない構造への転換がすすんでいるが、EVの普及拡大は石油元売りの供給減少の危機であり、電力会社の供給拡大の危機でもある。 本当に危機なら例えば、中部電力が尾鷲火力発電所を再稼働したのち、老朽化を理由に破棄した理由が分からない。尾鷲火力発電所は早々に解体撤去され、忌まわしいものであったかのように、跡地は整地されている。 中部電力には日本最大の工業地帯で、電力需要が安定的に旺盛と思われる中京工業地帯がある。 中部電力川越火力発電所の3号機、4号機は、世界トップクラスの熱効率48.5%(より低炭素)のLNG火力発電所だが、最近はあまり自慢していない。 また本発電所構内に中部電力の太陽光発電設備がある。武豊火力発電所5号機の開発に伴い「メガソーラーたけとよ」の発電設備を「メガソーラーかわごえ」と名称を改め移設されたものだが、2017年5月31日に全面で運転を開始した。 原発以外の低炭素化で大規模な電力供給の取組は、探せばもっとあるのだろう。 優秀な電力会社の諸氏が、EVの普及拡大による電力供給危機を社会に訴えるのはいつの日か。 電力危機を訴え続けて時間稼ぎをしないと、原発不要論が趨勢となる。廃炉がすすめば、高濃度放射性廃棄物の保管場所がなくんり、処分方法と最終処分場という本当の危機に日本が襲われるからだ。 高濃度放射性廃棄物である使用済み核燃料を貯めこんだ活断層の上にある原発が、大地震などの被害で崩壊しないことを祈る。
2021年10月23日
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2017年6月28日、中国のエネルギー開発事業者であるパンダ・グリーン・エナジー(Panda Green Energy Group)は山西省大同市でパンダの形をしたメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設して系統に接続し、試験運転を行っていると発表した。 2017年6月29日に発電を開始。 2018年6月29日までの1年間の発電量は8163万キロワット時だった。 過去2年の年間発電量は8000万キロワット時程度で、これは3万4000世帯の年間電力消費量に相当する。 パンダ発電所石炭の都を新エネルギーの都に 山西省大同市2021/09/26 1新華社 中国山西省大同市に、一対のかわいらしいパンダがいる。とはいえ、動物園の話ではない。「パンダ太陽光発電所」のソーラーパネルで描かれたパンダだ。中国でもよく知られる米国映画「カンフー・パンダ」の主人公と同様、2匹のパンダも独特の「中国カンフー」で多くのファンを獲得している。 「2015年の国連持続可能な開発サミットからアイデアを得た」と同発電所の孫井松(そん・せいしょう)所長は語る。サミットで持続可能な開発目標(SDGs)17項目が設定されたことにちなみ、「安価でクリーンなエネルギー」の旗印を掲げる中国を象徴するものとしてパンダを選んだという。 パンダをデザインした世界初の太陽光発電所は現在、外部へのクリーン電力の送電を始めている。発電所は標準的なサッカー場約174面分の広さで、有効発電時間は年平均1580時間。約8千万キロワット時のグリーン電力を発電できる。 ― 引用終り ― 炭酸ガス排出量の削減も重要だが、おそらく中国の喫緊の課題は大気汚染。 石炭を燃やすことで生じている大気汚染は、中国人の健康を明らかに損なっているので、切替は急務。 土壌汚染、水質汚濁も解消に向け急ぎ取り組む必要がある。 2008年6月に「水汚染防治法」が、2019年1月「中国人民共和国環境保護税法」が施行されている。 法の施行は、汚染の実態把握が進んでおり、何らかの解決の方途と時期の目途が立っていることを示している。 水質、土壌の汚染は蓄積が多く、大気汚染ほど一朝一夕に解決しない。 近隣国の公害防止策は、日本にとって好ましいことではあるが、その始末には注目しなければならない。 公害、汚染の輸出は、日本も経験したところであるからだ。
2021年10月20日
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アンモニアは燃焼しても二酸化炭素を排出しない。 現在、設備とインフラを整えて発電の燃料として使われている石炭や天然ガスと置き換えることで、カーボンフリー燃料の決定版として期待が大きい次世代燃料となっている。 アンモニアは発熱量ベースで石炭やLNG より高く、原油と比較しても高い。 製造面でも太陽光などの再生可能エネルギーを用いて製造する試みが展開されている。 アンモニアを燃料として使用した例は意外と古く、第2次世界大戦中のベルギーでディーゼリンの不足から100 台のアンモニアバスが使われていたことが知られている。 また、1959 年~1968 年にかけて米国で開発された高高度極超音速実験機X-15はアンモニアを燃料として高度107 960m マッハ6.7 を記録している。10 万メートルm高度では気温が非常に低く 低温でも液体を保つアンモニアが燃料として適している判断したと考えられる。 水素の液化温度は常圧で-253℃であるのに比べ、アンモニアは常圧-33℃で液体となり、8.5 気圧下であれば常温で液体となり、直接燃料として取扱いがしやすいとされる。 カーボンフリーが重視される現代は、アンモニア直接燃焼としてガスタービン、レシプロエンジン、ボイラー、工業用炉及、アンモニアの固体酸化物燃料電池(SOFC)における直接利用などの試験研究が行われている。 電力会社は炭酸ガス排出量削減の決め手の一つとして重視しており、2017年7月に中国電力の石炭火力発電所においてアンモニアの混焼試験が行われ、実用化の見通しが得られたとしている。 供給インフラにおいても、アンモニアはその物理的性質がLPG とほぼ同じことから、LPG 船を用いても輸送することが可能とされている。 2021年8月24日、経済産業省はCO2排出量削減策の一つとして、燃料アンモニアの導入事業に最大688億円を充てる方針を決めた。 燃料アンモニア導入に688億円2兆円基金から拠出2021年8月24日 日本経済新聞 経済産業省は24日、脱炭素技術の開発を支援する2兆円の基金から燃料アンモニアの導入事業に最大688億円を充てる方針を決めた。水素を活用する製鉄事業は1935億円を配分する。 24日に開いた産業構造審議会(経産相の諮問機関)の会合で了承された。今後、事業を担う企業の公募を始める。 石炭火力発電所でのアンモニア混焼やガスタービンでの専焼技術の開発に456億円を振り向ける。2024年度をめどに実証試験に移行する。 水素製鉄は高炉での製鉄過程で出る二酸化炭素(CO2)を50%削減する技術の開発に1214億円を出す。25~26年ごろに小規模試験炉での技術確立をめざす。 ― 引用終り ― 様々な供給インフラの整備が必要となることの他、アンモニア燃料の性状に根差した課題がある。 アンモニア燃料の課題・他の炭化水素系気体燃料に比べて体積当たりの発熱量が小さい・空気中燃焼速度が遅いため安定燃焼に技術を要する LPGとの混焼で発電に用いる場合・燃焼範囲が高濃度側にずれていることから,炭化水素系気体燃料との混焼に技術開発が必要・LNG焚きガスタービンの場合、燃料を高圧に圧縮する必要があるが、同じ圧力でアンモニアは液化してしまう可能性がある
2021年10月01日
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大規模災害では、電気、水道、ガス、通信などの生活の基盤となるインフラが破壊される。 その中で比較的早期に再開されるのが、電気。 早期復旧体制が整っている電気だが、2011年3月の東日本大震災で原子力発電所が一斉に停止したとき、被災した地域の発電量の減少で、首都圏の電力が足りないことが不安視された。 被災していない西日本の発電所から電気を送ることが検討されたが、変換設備の容量に限界から想定された不測の電力量はまかないないと、東日本エリアで、計画停電の実施や節電の依頼となった。 想定したような不足、電力品質の低下は発生しなかったが、いざというときに東日本と西日本との電力を融通する仕組みが求められた。 あれから10年たった2021年3月、電力を融通する仕組みである「飛騨信濃周波数変換設備」が稼働を開始した。 北海道から九州までの電力系統は、すべて送電線でつながっている(全国基幹連系系統)。 変換設備と送電網とが一体となって、電力会社の垣根を超えた電力融通、安定供給、発電設備の効率的運用が可能となった。 HITACUI 社会イノベーション2021年6月8日周波数の異なる東日本と西日本の電力融通を可能に 「飛騨変換所」が運用開始 中部電力パワーグリッドは2021年3月、周波数の異なる系統連系を可能にする飛騨信濃周波数変換設備(以下、飛騨変換所)の運用を開始しました。建設されたのは岐阜県高山市で、そこから89キロメートル離れた長野県にある新信濃変電所(東京電力)と結ぶことで、東日本と西日本の間で電力の融通ができるようになります。 この飛騨変換所に導入されたのが、日立製のHVDC(高圧直流送電)システムです。これにより、周波数の異なる電力系統間をつなぐことができるようになり、地震などの大規模災害のときに、電力が不足しているエリアに大容量の電力を供給できるようになります。また、長距離送電にも適しているため、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及につながることが期待されています。 … (略) … HVDC(高圧直流送電)のメリットとは 日本の発電事業は、明治時代にアメリカとドイツから発電機を輸入したことに始まります。そのときの発電機の規格の違いから、現在も西日本では60ヘルツ、東日本では50ヘルツと周波数の異なる電気が使われています。そのため西日本と東日本の間で電力を融通しあえるようにするには、変換装置によって電気を交流から直流に変え、さらに周波数を変化させる必要がありました。 それを可能にするのが、飛騨変換所に採用されたHVDC(高圧直流送電)と呼ばれるシステムです。HVDCとは「High Voltage Direct Current」の頭文字をとった言葉で、送電を高電圧の「直流」で行う方式を指します。「交流」による送電に比べて、送電途中に失われる電力が少なく、長距離でも大量の送電ができるうえ、周波数が異なる系統をつなぐことにも適しているという特長があります。 … (略) … 再生可能エネルギーの普及に向けて こうして稼働が始まった飛騨変換所。周波数の異なる電力の融通を可能にするだけでなく、再生可能エネルギーの普及にも期待が高まっています。 国内では、風力発電やメガソーラー発電など、再生可能エネルギーの大規模生産に適した地域と、電力の大量消費地である都市部が、かなり離れた場所にあります。そのため、再生可能エネルギーを消費地に送るためには、長距離の送電網が必要となります。 また、近年広がりを見せる洋上風力発電をさらに拡大させるには、海底ケーブルによる長距離の送電が求められます。そのような再生可能エネルギーの長距離送電に、HVDCが威力を発揮するとみられています。 ― 引用終り ― 2018年9月6日の「北海道胆振東部地震」発災による大停電・ブラックアウトには間に合わなかったんだね。
2021年08月31日
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2021年8月14日、気象庁は、最大級の警戒が必要として、佐賀、長崎、福岡、広島の4県に大雨特別警報を発表した。 この4県と島根、岐阜、長野の計7県では、警戒レベルが最高の「5」に当たる「緊急安全確保」が発令された。 この連続豪雨は「大気の川」が大きく影響しているという。 「大気の川」は、巨大な水蒸気の帯で、海洋が温暖化すると、空気中の水蒸気が増え、より大きく、長く持続する大気の川が発生すると推定されている。 「大気の川」大量の水蒸気の流れ 複数の線状降水帯生む2021年8月14日 産経ニュース 西日本を中心に降り続く大雨について、上空に大量の水蒸気が流れ込む「大気の川」と呼ばれる現象が発生していることが、筑波大の釜江陽一助教(気象学)の解析で分かった。人工衛星の解析画像から、大気の川は九州から東北地方南部までを帯状に覆っていることが分かる。線状降水帯を発生させ、広い範囲で記録的な大雨をもたらす危険がある。 大気の川とは、大量の水蒸気が帯状に流れ込む現象で、南西から東へ水蒸気を運び、雨雲を形成する。平成30年に甚大な被害を出した西日本豪雨や昨年の九州北部豪雨でも、大気の川が発生していた。 今年はオホーツク海高気圧の勢力が強く、前線が強まっている影響で、大量の水蒸気が南シナ海や東シナ海方面から日本列島に流れ込んでいる。 今回の大気の川は、長さが約2000キロにおよび、九州から東北地方南部をすっぽりと覆う。上空に大量の水蒸気が集まるため、釜江助教は「大気の川の中では、線状降水帯が複数、発生する可能性がある」と指摘する。 ― 引用終り ― 2018年7月の死者が300人を超えた西日本豪雨でも「大気の川」がみられたという。 2020年7月の九州豪雨では、「大気の川」により球磨川が氾濫するなど、大きな被害をもたらした。 【解説】将来、平成30年7月豪雨のような現象が増える可能性2019.3.23 researchmap筑波大学 生命環境系 釜江陽一 平成30年7月豪雨では、西日本を中心とした広い範囲で大雨が降り、洪水・土砂災害によって200人を超える方が亡くなりました。こちらで解説したように、非常に広い範囲で災害が発生した要因として、日本南方の海上から、大量の水蒸気が川のように流れ込む「大気の川」と呼ばれる現象が発生していたことが挙げられます。 地球温暖化の進行によって、このような災害は増えるのでしょうか? 地球温暖化と豪雨の関係については、大気の力学・熱力学的な性質をもとにした理論的研究や、気候モデルを用いた検証が進められています。空気が含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)は、空気の温度が高いほど大きいという性質があります。水蒸気を多く含んだ空気が、上空と地上の間で大きくかき混ぜられ(対流)、積乱雲の発達とともに地上に大量の雨を降らせる(夕立やゲリラ豪雨など)ときの雨量は、空気中に含まれる水蒸気の量が多いほど、多くなることが知られています。これにより、日本を含め、世界中のほとんどの地域では、気温の上昇とともに、大雨になったときの雨量が増えると考えられています。日本に豪雨をもたらす現象として有名な台風は、将来どうなるのか、についての研究も世界中で進められています。では、大気の川は、将来どのように変わるのでしょうか? 将来、大気の川が増えるかについては、欧州や北米では盛んに研究されています。地球温暖化が進行し、空気中に含まれる水蒸気の量が増えると、同じ強さの風が吹いたとき、その風が運ぶ水蒸気の量も増えます。「大気の川」は、水蒸気の流れの強さで定義するため、気温が上がって水蒸気が増えれば、「大気の川」に分類される現象は多くなるのです(熱力学的変化)。 ― 引用終り ― 海洋の温暖化により「大気の川」が活発化することが、南極の氷にとって「正味ではプラス」に働いていることを示唆しているという研究が報告されている。 南極上空の「大気の川」巨大な水蒸気の帯が氷を補充2021/4/2 ナショジオ ニュース 南極の上空を流れる「大気の川」が、南極の巨大氷床の消失スピードを大きく左右しているらしいことが最新の研究で明らかになった。南極の氷床消失は世界的な海面上昇につながるため、その変化を正しく見積もる必要がある。今回の研究は、2021年3月2日付で地球物理学の専門誌「Geophysical Research Letters」に発表された。 ― 引用終り ―
2021年08月24日
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コロナ禍で外食産業が著しく停滞。 持ち帰り、出前は活発化したようだが、減少分のほんの一部分をささえたに過ぎない。 行く先のない高級食材が出現する一方、フードロスは減ったようだ。 膨大な食べられる食べ物が廃棄される一方、地球全体でみると飢えている人々が6億9000万人以上いると2019年に推計されている。 コロナ禍により2020年末までに新たに1億3千万人以上の人々が加わり8億2000万人が、慢性的な飢餓に陥るおそれがあるとされる。 戦争、紛争も飢餓の発生する要因の一つ。 エチオピア・ティグレ州、飢饉で子ども3万人超が死亡する恐れユニセフ 2021年6月12日 AFPBB News / 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は11日、紛争が続くエチオピア北部ティグレ(Tigray)州が飢饉(ききん)に見舞われており、外部からの立ち入りが困難な地域で栄養失調の子ども3万人以上が死亡する恐れがあると警鐘を鳴らした。 … (略) … 前日の10日には国連(UN)が、ティグレ州の約35万人が飢饉に直面しており、さらに200万人が危機的状況に陥る寸前にいるとの見方を示していた。 ― 引用終り ― 飢餓の発生する構造をただし2030年までに世界から飢餓をなくし、低炭素化もすすめるべく、フードロスの構造的削減が試みられている。 100万トンのフードロス削減を自動で割引率が上がっていくECサイト2021年6月11日 共同通信 もったいない、がだんだん形になってきている。コロナ前から“飽食ニッポン”の大きな問題だったフードロスは、コロナ禍で厳しい状況に置かれた飲食店に食材を供給する卸売り企業などにも新たな課題になっている。新潟では、地域で行き場を失った食品を安く買える“フードロス削減ECサイト”「HYAKUMANTON NIIGATA」(SUPER FUTURE・新潟市)が立ち上がっている。 新潟県内だけで数年かけて100万トンのフードロス削減を目指している。売り手は県内の食品関連企業、生産者が中心。買い手は一般の消費者や県内の飲食店。賞味期限が迫るごとに自動で割引率が上がっていき、安く買えるようになるのが特徴だ。削減したフードロスの総量はサイト内に表示される。食材の廃棄も経済的損失も減らせる方策の一つだ。 ― 引用終り ― 賞味期限切れにより発生するフードロスなどを含め、新鮮なものを好む日本人のフードロス解消は、根深い問題をはらんでいる。 また、先進国でフードロスを削減したからと言って、貧困国にまわる食料が増えるわけではないので、この構造も社会的にただされなければならない。 フードロスの削減とともに、健康的な食生活の実現も課題。 健康的な食生活の実現ために必要な費用は、国際貧困ラインである1日あたり1.90米ドルをはるかに超えるというデータがある。最も安価な健康的な食事でも、胃を炭水化物のみで満たす費用の5倍かかる。 乳製品、果物、野菜、タンパク質を多く含む食品(植物性・動物性)は、世界的に最も高価な食品のグループとなる。 先進国でも貧困層は、安価で腹持ちのよい炭水化物と油脂の多い食事をとっており、このことが肥満、生活習慣病が多発する要因となっている。 先進国で肥満増長…“食の貧困”深刻化低所得層は安価な加工品頼み ブルームバーグ2020.10.7 SankeiBizあんきょう
2021年07月06日
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石炭火力発電に代わる低炭素の大規模発電の切り札として、水素発電とともにアンモニア発電が注目されている。 50年に電力のCO2を半減へ、アンモニアが脱炭素の現実解に高木 邦子(日経ESG経営フォーラム事業部 シニアエディター)2021.03.12 日経ESG 火力発電の代替燃料としてアンモニアが注目を浴びている。既存の発電プラントを活用できる利点は大きいが、燃料製造時に課題がある。 燃焼時にCO2を排出しないアンモニアが石炭・石油の代替燃料として注目されている。政府とエネルギー企業などで構成する官民協議会は21年2月、その導入拡大に向けたロードマップを公表した。 現在、国内のアンモニア需要は工業用が中心で年間約100万t。これを30年に年間300万t、50年に3000万tまで拡大し、発電や工業炉、船舶や自動車の燃料などに利用することでCO2排出を削減する。 最も期待されているのが発電分野だ。50年までに大手電力の全ての石炭火力をアンモニアだけで発電する「専焼」に切り替えればCO2排出量を約2億t削減でき、現在の電力部門からの排出量を半減できるとみている。まず30年に向けて20%混焼の導入・普及を目指し、その後順次、混焼率を拡大していく。 ― 引用終り ― アンモニアは、水素より圧倒的に液化しやすい。 発火点は651℃で通常の状態における空気中での引火性は知られていないなど、水素に比べて取り扱いが容易な面がある。 一方、粘膜に対する刺激性が強く、毒性が強いこと、酸素中の燃焼で窒素酸化物を発生するなどのデメリットがある。 アンモニアも水素も、コスト、き量産供給体制、物流システムの確立などは実用化にあたっての大きな課題。 アンモニア発電、6月に実証実験JERA、脱炭素へ「混焼」2021/5/24 共同通信 東京電力ホールディングスと中部電力が出資する発電会社JERA(ジェラ)は24日、アンモニアを火力発電の燃料に混ぜて燃やす「混焼」の実証実験を6月に始めると発表した。実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択され、2025年3月まで行う。 アンモニアは水素と窒素でできており、燃やしても二酸化炭素(CO2)が発生しない。火力発電への利用は、50年脱炭素の政府目標の達成に向けて期待されている。ジェラによると、碧南火力発電所(愛知県)4号機(出力100万キロワット)で24年度にアンモニアを石炭に約20%混ぜて約2カ月間燃焼することを目指す。 ― 引用終り ― 中部電力・川越発電所は世界トップレベルの熱効率を誇るLNG発電所。 負の遺産となりつつある原発を1カ所しか持たない中部電力は、発電所戦略の転換が容易なのだろう。 中部電力の管内の大企業、トヨタは水素に力をいれている。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康は中部地方の出身。 御三家の筆頭、尾張徳川藩主、徳川慶勝は藩内の親幕派を抑え、新政府を支持した。 日本の将来を支ええる低炭素社会のエネルギー源も中部地方にかかっているということか。
2021年06月18日
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2021年4月22日、「芳賀・宇都宮LRT」のについて、全19駅の停留場の名称が、地元住民による投票で選出され決定したと宇都宮市が発表した。愛称は「ライトライン」に決まった。 開業は計画の1年遅れの2023年3月の予定。 ”LRT”は軽量軌道交通(Light Rail Transit)。 海外で先行して普及している公共交通。 人と街並みの共存を目指し、国内でも既設路線の延伸や新型電車の導入などにより「LRT化」した路面電車が徐々に増えつつある。全線新設でのLRTの整備は全国初。 宇都宮から離れた芳賀工業団地、清原工業団地の発展と道路混雑が、路線新設の主な要因。 事業費は、宇都宮市が約603億円、芳賀町域とあわせて総事業費は684億円となる見込み。平日の需要予測は、 1日当たり約16,300人。 「芳賀・宇都宮LRT」全19駅の駅名が決定終点は「芳賀・高根沢工業団地駅」に2021年4月24日 乗りものニュース地域の意向を重視しした駅名に 宇都宮市は2021年4月22日(木)、市域で整備中の次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT」について、全19駅の停留場の名称を決定したと発表しました。 これまで発表されていた資料には仮称が使用されていましたが、今回発表された正式な停留場名は、「芳賀台」をのぞく18駅すべてが仮称とは異なるものに。起点駅は「JR宇都宮駅東口」から「宇都宮駅東口」に、終点駅も「本田技研北門」から「芳賀・高根沢工業団地」と変更されています。 駅名の決定には、「名称検討委員会」が提案した候補から選定基準に基づいて抽出され、地域住民などによるアンケート結果に基づいて選出されています。 ― 引用終り ― 営業最高速度は40km/h。片道の所要時間は各駅停車が44分、快速が38分。 全線複線で、併用軌道と専用軌道の併用方式。専用軌道は鬼怒川を越える区間やテクノポリス停留場付近。 整備中の14.6kmは、4つに区間分けられる。(1)JR宇都宮駅東口~平出町:駅から東へ延びる市街地の道路上を走る区間(2)平出町~作新学院北:農地の上や鬼怒川をまたぐ区間など、専用線を走る区間(3)作新学院北~テクノポリス東:工業団地やニュータウン内の広い道路上を走る区間(4)テクノポリス東~本田技研北門:芳賀町による整備区間。(3)と連続した道路上を走る。 LRTの運行ルートや運行計画など宇都宮市 公式サイト
2021年05月11日
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日本の電力会社会社は、再エネの電力買取を渋り、地熱発電を取入れようとせず、冬の電力不足を演出して原発再稼働に努めている。 お隣中国は、再生可能エネルギーによる発電で、化石燃料(主に石炭)による発電依存度を引き下げようとしている。 中国、風力・太陽光発電所の建設が昨年倍増2021年1月21日 ロイター編集 中国国家能源局のデータによると、同国は2020年に前年の2倍以上の風力・太陽光発電所を建設した。 政府は化石燃料への依存度低下を目指している。 2020年に新設した風力発電所の発電容量は71.67ギガワット。 これは過去最高の水準で、2019年の水準の3倍近くに達する。 世界風力会議によると、2019年に世界全体で新設された風力発電所の発電容量は60.4ギガワットだったが、中国の2020年の新設容量はこれを上回った。 中国政府は2021年以降、新規の陸上風力発電プロジェクトに対する補助金を廃止する方針を表明している。 2020年に新設した太陽光発電所の発電容量は48.2ギガワット。 3年ぶりに増加し、業界予測の40ギガワットを上回った。 中国の習近平国家主席は先月、第1次エネルギー消費に占める非化石燃料の割合を2030年までに25%に高める方針を示した。 2005年の実績は6.8%だった。 ― 引用終り ― 電力不足の言い訳にLNG不足も並べられていたが、本当に困っているならプーチン大統領おすすめのロシアから買入れれば足りる話。 安部内閣の時代に北方領土返還とともに、安価なパイプライン輸送で供給されるLNGの買取りを断っている。 日本が過去のエネルギー政策を頑迷に守っている一方で、中国は次々と新施策に取り組んでいる。 今後経済発展するのは中国。 人も技術も高齢化しつつある日本はついていけるのか。
2021年02月03日
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日本海側では1月9日からの記録的な大雪で雪下ろしなどでの死者が発生し、多数の車両が路上で立ち往生している。 北陸自動車道では、一時1000台超の車が立ち往生していた。 1月10日、富山県は記録的な大雪に伴い継続的な救助が必要だとして、砺波、小矢部、南砺の3市に災害救助法を適用したと発表。 欧州・スペイン全土も新型コロナの流行のさなか、大雪に見舞われている。 スペインの大雪で3人死亡全国で混乱2021/01/10 AFPBB News 8日に首都マドリードは1971年以来の大雪に見舞われ、スペイン気象庁(AEMET)は「例外的で、恐らく歴史的な」状況だと述べた。 また、全国50県中36県が雪への警戒宣言を出した。 7日朝に雪が降り始める前、ピレネー山脈(Pyrenees)中部のスキー場では6日に気温が氷点下34.1度と、非公式ながら史上最低を記録していた。 マドリード北西のサルサレホ(Zarzalejo)では、雪の吹きだまりの下から男性1人の遺体が発見された。 また、地中海沿岸マラガ(Malaga)近郊のミハス(Mijas)では、増水した川を渡ろうとした2人が死亡した。 36時間にわたる混乱の後、降雪地域は9日遅くにスペイン中部から北東に移り始めた。 フェルナンド・グランデマルラスカ(Fernando Grande-Marlaska)内相は記者会見で、暴風雪に巻き込まれ道路で立ち往生していた車のドライバー約2500人が、緊急対応サービスや軍の除雪車の作業のおかげで9日遅くまでに全員救出されたと語った。 ― 引用終り ― 1月10日、マドリードでの大雪のため、イベリア航空は午後11時以降の長距離便を除き、全便の欠航が決まった。
2021年01月19日
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コロナ禍で大打撃を受けた航空機リースやホテル事業にも力を入れていたオリックスが、再生可能エネルギーに資金配分を高める。 オリックスがスペインの再エネ会社を買収へ、1000億円規模ー関係者谷口崇子、浦中大我2020年12月25日 Bloombergエラワンは欧州中心に14カ国で風力と太陽光発電所を建設・運営オリックスの利益合計額に占める環境エネルギー事業の割合は増加 オリックスは、スペインの環境エネルギー会社エラワン・エナジーを買収する。 事情に詳しい複数の関係者が、匿名を条件に明らかにした。 発行済み株式の80%を取得する予定で、その後の増資と合わせて約1000億円を投じる。 オリックスは成長分野である環境事業への傾斜を強めており、今回の買収で世界展開を加速させる。 エラワンは非上場企業で、関係者らによると、オリックスは、エラワンの支配株主で自動車プレス部品メーカー大手、ゲスタンプ・オートモーションなどを傘下に持つ持ち株会社エーセックと、創業社長のディオニシオ・フェルナンデス氏らから株式を譲り受ける。 残りの20%はエーセックとフェルナンデス氏が継続保有する見通し。 エラワンは、欧州を中心に北米、南米など14カ国で風力と太陽光発電所の建設・運営を手掛けている。 これまで設備容量2.9ギガワット(GW)分の開発を行ってきた一方、手持ち案件のパイプラインは同10GW超と急成長を見込む。 オリックスの再生可能エネルギー事業にとって、グローバルに展開する企業の子会社化は初めてで、同社を海外戦略の要としたい意向だ。 ― 引用終り ― 安定して高成長を続けると考えられていた航空機、宿泊業が、コロナ禍で世界一斉に大打撃を受けた。 少なくとも今後数年間、成長は見込めない。 自動車、船舶、航空機などのモビリティが電動化する時代に県境負荷の低いとされる再生可能エネルギーは安定成長が見込まれる。 多くの人々がそのように考える分野に超過利潤は期待できない。
2021年01月09日
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豊芦原の瑞穂の国。 稲の育成の適地と謳われた日本の自然環境は厳しい。 実は世界一の雪国だった?日本人が意外と知らない日本の降雪事情2020年3月27日 Honda Topics 雪の多い国といえば、皆さんどこを思い浮かべるでしょうか? 緯度の高いアメリカやカナダのほか、ロシアや北欧の国々も雪のイメージが強いですよね。 ですが、実はそんな寒そうな国々以上に、高温多湿と言われる日本のほうが「雪国」だということ、ご存知ですか? 世界も驚く豪雪国、日本 実は日本は世界でも有数の雪国。 特に、降雪地域にこんなに人口の多い都市があるのは世界的にもまれなんです。 アメリカやカナダにも豪雪地帯にある都市はいくつかありますが、日本の東北や北海道ほど、その人口は多くないとのこと。 雪国にこれほどたくさんの人が生活している地域はとても珍しいのです。 日本には豪雪地帯対策特別措置法という大雪が降る地域を支援するための法律がありますが、それによって「豪雪地帯」と指定されている地域の面積は、なんと国土の51%。 つまり日本の半分以上は豪雪地帯なんです。 そしてさらに、人が住んでいない場所も含めて地球上でもっとも多くの積雪が観測された場所。 なんとそこも日本なんです。 滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山で、1927年に1182cmという世界最深の積雪が記録されています。 100年近くたった今でも、この記録は破られていません。 日本は、実は世界でもトップクラスの雪国なのです。 ― 引用終り ― 豊かな水は雨と雪の恩恵か。 火山列島のため地震が多発し、夏は台風が頻繁に来襲。 そして過半の地が豪雪地帯。 日本人の国民性はこのような自然環境の中で養われたのか。
2020年12月27日
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カーボン・ニュートラルは世界的な趨勢であり、航空業界も例外ではない。 電動航空機の開発も進められているが、現用の蓄電池による多数の乗客を長距離輸送できる航空機の電動化困難とされている。 燃料自体をカーボン・ニュートラルにする様々の試みが実用化の方向性をもってすすめられている。 大気中の二酸化炭素から直接燃料を作り出す製造プロセス2018-7-13 fabcross for エンジニア アメリカのハーバード大学応用科学工学科のDavid W. Keith教授は、大気中の二酸化炭素から直接燃料を精製する技術を利用したパイロットプラントの運用を成功させ、費用対効果の高いコストを達成できることを発表した。 温暖化が進む地球で、二酸化炭素排出量の削減に貢献する技術として大きな期待が寄せられる。 研究成果は『Joule』に論文「A Process for Capturing CO2 from the Atmosphere」として2018年6月7日に発表されている。 Keith教授は、2009年に同僚らとCarbon Engineeringを設立した。 同社では、二酸化炭素を排出しない輸送に利用できる高エネルギー燃料の生産のため、大気中から二酸化炭素を直接取り込み利用する技術開発を目標としていた。 今回、Carbon Engineeringで二酸化炭素の取り込み費用を算出しあっところ、1トン当たりの二酸化炭素取り込み費用が94~232ドルだと推定した。 2011年には1トン当たりの二酸化炭素の取り込み費用は1000ドル近くとされ、実用化するにはコストがかかり過ぎていた。 その上、空気中に存在する二酸化炭素は大気の0.04%に過ぎないため、大量の二酸化炭素を取り込むことの正確な経済分析と実質的なエンジニアリングデータが必要とされていた。 Carbon Engineeringが想定する産業プラントでの回収プロセスでは、カルシウムループと結合した水溶性水酸化ナトリウム溶媒使用したプロセスにより、年間1万トンの二酸化炭素回収を見込む。 今回化学・石油業界向けのプロセスシミュレーター「Aspen」を使い、エネルギーと物質の収支計算をしたところ、二酸化炭素が15MPaで供給される場合、二酸化炭素1トン当たり8.81GJの天然ガス、あるいは5.25GJのガスと366kWhr(キロワットアワー)の電力が必要なことが分かった。 これにより大気から回収する二酸化炭素1トン当たりにかかるコストは、これまでの想定よりも少ない94〜232 ドルと見積もることができた。 大気中の二酸化炭素の直接取り込みは、巨大なファンを利用して周囲の空気を水溶液と接触させる方法を用いている。 溶液との接触により空気から二酸化炭素を取り出し、さらに加熱や一般的な化学反応を通じて二酸化炭素を再抽出し、液体燃料として利用できる化学物質を生成する。 ― 引用終り ― 2019年5月、オランダ・ロッテルダム空港で、大気中の二酸化炭素を航空用ジェットエンジンに使用する燃料に変換させる実証実験が開始された。 2020年7月、ANAグループは、2050年までに国内線・国際線の運航で発生するCO2排出量を2005年比で50%(2019年比で66.6%)削減するなどのESG(環境・社会・ガバナンス)に関する中長期目標を策定したと公表した。 2020年度末、過去最大の5000億円超の赤字が見込まれ、10月7日に、年収で平均およそ3割の減額になる施策の実施を労働組合に伝えた中、コロナ後の生き残りをかけたESG重視の取組が次々と公表されている。 バイオ技術でCO2削減ANAが取り組む「持続可能な航空燃料」の可能性2020/11/28 J-CASTニュース 全日本空輸(ANA)が航空機用のバイオ燃料を用い、二酸化炭素(CO2)排出量を既存のジェット燃料に比べ約90%削減する取り組みを始めた。 航空機用のバイオ燃料は「Sustainable Aviation Fuel(SAF、持続可能な航空燃料)」と呼ばれる。 ANAは2020年秋、世界有数のSAF製造会社でフィンランドが本社のNESTE(ネステ)と中長期的な戦略的提携の覚書を結んだ。 ANAは既に10月からSAFを調達しており、日本発着の定期便を運航する航空会社としては初めてとなる。 ― 引用終り ― 食品廃棄物で空を飛ぶ! コロナで加速 脱炭素2020年12月1日 NHK 11月6日午前10時30分の羽田空港。 国内初の取り組みとなる旅客機が、アメリカ・ヒューストンに向けて飛び立ちました。 その取り組みとは、「食品廃棄物」で作られた燃料によるフライト。 通常の燃料に比べてコストは割高ですが、二酸化炭素の排出量を9割減らせるといいます。 …(略)…脂身で空を飛ぶ? 初フライトを前にした10月下旬。食品廃棄物でできたジェット燃料を積んだタンカーが羽田空港の燃料タンクが並ぶエリアに、ゆっくりと接岸しました。 フィンランドの会社が製造するこの燃料の主原料は、食肉加工の過程で捨てられていた脂身や、使用済みの食用油。もちろん、ジェット燃料としての国際規格を満たしています。 通常の石油由来の燃料に比べて、コストは割高ながら、燃料の製造段階からトータルで見ると二酸化炭素の排出量を9割削減できるといいます。 ― 引用終り ― 東芝系やANA、二酸化炭素再利用の燃料活用を検討2020年12月2日 日本経済新聞 東芝子会社の東芝エネルギーシステムズや東洋エンジニアリング、全日本空輸(ANA)など計6社は2日、二酸化炭素(CO2)を再利用してジェット燃料にする事業モデルの検討を始めると発表した。 詳細は今後詰め、2020年度末をメドに検討結果をまとめる。 排ガスなどのCO2を再利用することで全体としての排出量を抑えられ、世界で高まる「脱炭素」の機運に対応する。 東芝が持つCO2を一酸化炭素(CO)に電気分解する技術などを生かして検討を進める。 産業設備から排出されるCO2を分離・回収し、原料にして環境負荷が小さいジェット燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」を製造することを目指す。 ― 引用終り ―
2020年12月11日
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おそらく地球温暖化の影響と思われる世界各地の気性が激化。 温暖化ガスの排出を規制するため中国、EUはNEV(新エネルギー車)の販売促進のため、ガソリン車の販売の規制を強化。 米国最大の新車市場のカリフォルニア州は2035年以降ガソリン車の新車販売の禁止を宣言した。 地球温暖化の影響によると思われる大量の降雨、スーパー台風・竜巻の発生、酷暑、乾燥などが続いている。 中国政府が大量の住民に移住を強いて建設した全長2.3km、高さ185m、世界最大級の三峡ダムが、豪雨の連続で決壊するのでは、と噂された。 2020年8月下旬、長江上流域の各地で続く大雨は中流の三峡ダムに流れ込む水量を増加させ続け、過去最大規模の流量となり、大規模な放水が続いた。 三峡ダムの設計上の最高水位は175m。 8月22日、水位が過去最高の167.65mとなり溢れる寸前となった。 世界を襲う自然災害:最大の危機は中国の三峡ダムの決壊(4) 未来トレンド分析シリーズ 国際政治経済学者 浜田 和幸 氏2020年08月20日 New IB News 世界を飲み込むかのような新型コロナウイルス感染の嵐は一向に収まる気配が見えない。 その発生源をめぐってはアメリカと中国が「新冷戦」と揶揄されるほどに対立し、責任のなすりつけ合いに終始している。 そして、トランプ政権は「ヒューストンにある中国総領事館は“スパイの巣窟”である。 アメリカで進む感染症治療薬の開発に関するデータを盗もうとしてきた」といった理由で、閉鎖を命じるという強硬手段に打って出た。 中国が迫られる「苦渋の選択」 このように世界各地で大雨による洪水被害が同時に発生しているのは前代未聞のこと。 なかでも中国の状況は世界の株価にも影響をおよぼし始めており、習近平政権にとっては深刻である。 アメリカとの貿易戦争やコロナウイルスの発生源をめぐっての非難の応酬合戦が続く中国であるが、世界最大の水力発電ダムである三峡ダムが決壊の危機に瀕していることは看過できないだろう。 何しろ6月半ばの梅雨入り以降、中国の南部と西南部では、今日まで大雨と集中豪雨が続き、多くの河川が氾濫。 その結果、31ある省のうち、26もの省で洪水が発生。被災者は3,800万人を突破。224万人近くが緊急避難を余儀なくされている。 経済的な損失は5,000億円近いといわれる。 中国最大の淡水湖である八陽湖(江西省)では水位が23mに上昇し、警戒水位の20mを軽く突破してしまった。 中国政府は人民解放軍の部隊10万人を投入し、人命救助や堤防増強工事に当たらせているが、焼け石に水のようだ。 そうしたなか、「揚子江中流に位置する三峡ダムが大量の雨水の圧力で決壊するのでは」との危惧が出てきたのである。 万が一、ダムが決壊すれば、約30億m3の濁流が下流域を飲み込むことになる。 中国史上最悪のダム崩壊となることは請け合いだ。 4億人から6億人もの被災者が出るとの予測もあるほどである。 安徽省、江西省、浙江省などの穀倉地帯は水没の危機に瀕する。 河口には上海が位置するが、その都市機能は壊滅的な被害を受けることになるだろう。 上海に限らず、流域に位置する重慶や武漢など175の主要都市は経済、工業地帯を形成しており、日本企業も多数進出している。 中国のGDPの半分を生み出しており、ダムの決壊となれば、コロナ禍以上にサプライチェーンが寸断されることにもなりかねない。 三峡ダム と同時に、中国国内で問題視されるようになったのが、「ダムによる地震の誘発現象」である。 これまでもダム建設による環境破壊が懸念されてきた。 しかし、2008年に発生した四川大地震によって10万人近い犠牲者が出たことをきっかけに、中国の科学者たちが調査を進めた結果、「大地震の原因は四川省内の活断層の近くに新設されたダム」との結論に至ったからである。 大型ダムの貯水による重みが地殻に深刻な圧力をかけたことが原因と見なされ、専門家の間では「ダム誘発地震」と呼ばれるようになった。 実は、中国の西部に建造されたダムの98.6%が地震発生頻度の極めて高い地域に密集しているのである。 さらに深刻な懸念は揚子江流域に存在する原子力発電所への影響であろう。 放射能汚染の恐れは福島原発事故の比ではない。 こうしたリスクを抱えた三峡ダムを決壊させないで済むにはどうすればいいのか。 現在、ダムの上流でも下流でも洪水が発生しているため、ダムを放水すれば下流域の洪水は拡大してしまう。 かといって、放水しなければダムの決壊は秒読み段階に入る。 中国は究極ともいえる苦渋の選択を迫られているといえよう。 このように中国はじめ世界で頻発する大雨や洪水であるが、視点を切り替えれば、今後の課題は「洪水資源の有効活用」である。 とくに中国の場合は河川流量が洪水期に60%以上が集中している。 そのため、洪水ピーク流量と水量が大き過ぎるので有効活用ができないどころか、洪水被害を拡大させるままで、「手の施しようがない」といわれる所以だった。 ― 引用終り ―
2020年10月06日
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台風10号(ハイシェン)が、西日本に最接近した場合、九州山地の東側斜面に期間中の最大24時間雨量が400ミリ、その既往最大比(過去の最大値との比較)が150%を超えるエリアが予想されていた。 九州だけでなく、近畿にかけて広い地域で、これまでに経験したことがないような雨の降り方をする可能性があり、洪水による浸水害や土砂災害が発生への警戒が9月2日の段階で呼びかけられた。 気象庁「想像以上のことが...」なぜ? 特別警報級 台風10号2020年9月2日 FNNプライムオンライン …(略)… 1日夜、小笠原近海で発生した台風10号。 気象庁は2日、台風10号について、強い危機感を示した。 気象庁の会見「特別警報級の勢力とも言える。 これまでと同じくらいの台風だろうと思われると、想像以上のことが起こってしまう」 中心気圧が930hPa(ヘクトパスカル)以下、または、最大風速50メートル以上の台風の接近が予想される場合に出される台風の特別警報。 これまで、沖縄県を除き、一度も発表されたことはない。 台風10号は今後、特別警報級の勢力に発達し、6日の日曜日ごろから7日の月曜日にかけて、奄美地方から西日本に接近、または上陸のおそれがある。 …(略)… 気象予報士・三井良浩さん「記録的に海面水温が高いことで、台風が発達しやすいという状況」 気象庁が発表した、日本近海の海面水温。 一般的に台風が発達する海面水温は27度以上といわれているが、8月の平均は、30度前後という異例の高さとなっている。 太陽の日差しによって海の水面が温められると、暖かく湿った空気によって、上昇気流を発生させる。 この気流によって、次々と積乱雲が生まれ、次第に台風へと発達。 台風の進路となる海面水温が高いと、台風は発達したまま、日本列島に向かうおそれがあるという。 気象予報士・三井さん「最大風速で50メートル以上という予想なんですけれども、これは早めに避難していただきたい。 風の場合は、吹いてから避難というのは、ほとんど不可能です」 ― 引用終り ― 気象庁は台風10号が発生する前の9月1日に「日本の南を中心に海面水温が過去最高を記録」という報道資料を発表した。 海水温上昇が今後の台風の発生・発達に大きな影響を与えるからで、気象庁からの間接的な台風警戒への呼びかけと解釈すべき。 9月3日、ヤマト運輸は、台風10号の接近に伴い、九州で5日午後4時から7日にかけて段階的に集配業務を停止すると発表した。 9月5日、台風10号は、重大な災害が起きる恐れがある「特別警報級」の勢力に発達した。 9月5日、鉄道と航空各社は計画運休、欠航を発表。 JR九州と西日本は、台風10号の接近に伴う6、7日の計画運休を発表。 6日から順次九州全域で新幹線や在来線の運転を見合わせ、7日は終日運転を取りやめ。 山陽新幹線も7日は広島―博多間で終日運休。 全日本空輸は、九州や沖縄などを発着する6日の国内線を多数欠航とした。 7日は九州や四国、中国地方発着の全国内線に拡大。 欠航は2日間で計358便。 日本航空も、九州や沖縄などを発着する6日の国内線136便を欠航。 7日は152便を欠航とした。 9月6日午前、気象庁は「特別警報の可能性は低くなっているが、引き続き最大級の警戒を」と訴えていた。 九州の半分以上が暴風域(風速25m/s以上)に入り、大阪など関西以西の各地が強風域に入っていた。 台風10号は、ぎりぎりのところで勢力を弱め、6日、九州の西側の海上を北上。 九州7県に87万9521世帯に避難指示が出されていた。 7日の午前8時現在、台風10号によるけが人は34人。 南から湿った空気の流れ込みは続いており、広い範囲で、崖の下や河川の下流域で引き続き注意が必要。
2020年09月07日
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「密」を避ける、思いのままにならない都市の交通を自らの力(脚力)で解決する、ということでもないのだろうが、コロナ禍の世界で自転車が人気を高めている。 ガソリン、ディーゼル、電動を問わず自動車より、自転車の方がエコであろう。 リモートオフィスと自転車の組合せは、自家栽培の野菜の食生活とエコな田園生活を連想させる。 人の精神と生活を豊かにするとは限らない、効率重視の社会感が変わり始めているのかもしれない。 混雑した乗り物での通勤は避けたい…世界で自転車ブーム 生産追いつかず2020年8月19日 AFPBB News 何か月も続いた新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)後に、混雑したバスや電車での通勤を避けるため、または健康な体を取り戻すため、世界中で自転車ブームとなっている。 だが多くの国で自転車の売り上げが爆発的に伸びたため、自転車メーカーや小売店は需要に追いついていない。 フランスのパリではアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長の尽力により、自転車用道路がここ数年で増加した。 だが、新品の自転車を手に入れるには何週間も待たなければならない状況だ。 パリの小規模小売業者フェデリコ・モスカ(Federico Mosca)さんはAFPの取材に「この3~4週間、十数人の顧客を待たせている。いつ自転車が入荷するかまったく見当がつかないため、返金しなければならなかった客も何人かいる」と語る。 フランスのスポーツとサイクリングの連盟によると、自転車の今年5月、6月の売り上げは、昨年同期に比べ倍増した。 自転車の売り上げは、世界のほとんどの国で上昇している。 仏スポーツ用品小売り「デカトロン(Decathlon)」によると、自転車の売り上げは欧州全体で「2倍さらには3倍にまで増加」している。 中国ではロックダウンの緩和以降、需要が5倍に急増した。 米国でも自転車の売り上げは爆発的に増えている。5月のオンライン購入だけでも昨年同期比5000%増となった。 米自転車メーカーと小売業者の連合である「ピープル・フォー・バイクス(People for Bikes)」によると、米国でのオンラインと店頭の売り上げは今年5月、前年同期比81%増の11億ドル(約1160億円)に達した。 ■ロックダウンで部品調達困難に だが需要の急増に加えロックダウンの影響で、欧米のメーカーは部品調達が困難になっている。 欧州自転車産業連盟(Confederation of the European Bicycle Industry、CONEBI)の推計によると、欧州で販売される自転車部品の45~50%はアジアからの輸入だ。 ― 引用終り ―
2020年09月03日
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ブニヤウイルスのゲノムは3分節のマイナス鎖RNA。 細胞質内で増殖し、節足動物内で増殖することができる。 トスポウイルス属のみ植物ウイルスで、その他の属は人畜に感染する。 中国で「新型ブニヤウイルス」7人死亡…60人が感染2020年8月4日 テレ朝news 「新型ブニヤウイルス」というウイルスに感染し、中国で7人が死亡していることが分かりました。 中国メディアによりますと、江蘇省南京市に住む60代の女性は40度の高熱が続いてせきとだるさもあったため病院に行ったところ、新型ブニヤウイルスに感染したと診断されました。 同じ病院では今年に入り、合わせて37人の感染が確認されているということです。 安徽省でも4月以降、23人が感染してそのうち5人が死亡し、浙江省では2人が死亡しています。 専門家は新型ブニヤウイルスに感染した場合、白血球の減少や体内の出血などが見られるとしています。 ― 引用終り ― 新型ブニヤウイルスは、2010年にマダニにかまれた患者から中国衛生部が取出したウイルス。 専門家は「感染者と密接接触がなく、感染防止対策を取っていれば恐れる必要ない」と述べている。 症状は、何日も続く体調不良、40度以上の高熱、倦怠感と寒気、白血球の減少、体内の出血など。 「ブニヤ」は最初にウイルスが分離されたウガンダの地名ブニャムウェラに由来する。 マダニは日本でもいたるところにいる。 新型コロナの次、感染症第二波は新型ブニヤウイルスかも。
2020年08月16日
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新型コロナウイルスの感染拡大が収束しても、新型コロナウイルスのワクチンができたとしても、パンデミックの危機は減ったわけではない。 南米やアフリカの開発の拡大にともなって、新たな感染症の発生、拡散の可能性は減ったわけではないからだ。 それに加えて地球温暖化で氷河や永久凍土が溶け出すと、氷に封印された病原菌が蘇る可能性があるという。 温暖化で溶ける氷、蘇る病原体……パンデミックの危険性は?Jul 9 2020 NewSphere 新型コロナウイルスの出現で世界はパンデミックに陥っているが、研究者たちは、今後も人類の脅威となる感染症はコロナ以後も出てくると見ている。 その原因になると危惧されているのが、気温上昇による氷や永久凍土の溶解で大気中に放出される病原体だ。 地球温暖化で、新型コロナに続く第2のパンデミックが起こるのだろうか。 1月初めに、1万5000年前からあるとされる中国チベット高原北西部の氷河から採取された氷床コア(研究目的で氷河などの深層から取り出した氷のサンプル)から33種類のウイルスが確認され、そのうち22種類は未知のウイルスだったと報告する論文が発表された。 フランスの環境ウイルス学の研究者のChantal Abergel氏は、そもそも地球上のすべてのウイルスを採取することは困難とし、未知のウイルスが発見されても驚きではないと述べている(ウェブ誌『VICE』)。 この論文の著者たちは、こういった氷河から古代のウイルスを発見することは、人為的な気候変動の影響で不可能になるかもしれないと述べる。 気温上昇で世界中の氷河が減少し、その中に長らく囚われていた細菌やウイルスが放出されるからだという。 これは地球の過去の気候システムを解明するという観点では、氷河の中にある役立つデータが減少することにつながる。 しかし最悪の場合、人に有害な病原体が大気中に放出されてしまうこともあるとしている(同上)。 実は2016年にシベリアのヤマル半島で炭疽菌の集団感染が起き、2000頭のトナカイが死に、96人が入院する惨事が起きた。 この地方ではトナカイの生肉を食べる習慣があるが、感染した生肉を食べた12歳の少年が死亡している。 その年はシベリアに気温35度という熱波が到来。 永久凍土が解け、75年前に感染したトナカイの死体の中で生き延びていた炭疽菌の胞子が大気中に放出されたことが、感染の原因だと研究者は結論付けた(SWI、テレグラフ紙)。 ロシアの生物学者、ボリス・ケルシェンゴルツ氏によれば、炭疽菌の胞子は永久凍土の中でも2500年は生き延びるという。 過去に極北の住民は、貴重な薪を動物の死骸を処理するために使いたがらず、永久凍土を掘って「家畜墓地」として埋めてきた。 遊牧民ならそのまま放置して「呪われた土地」として近寄るのを避けたという。 現代ではそういった場所へ一般人が入ることはできず、場所自体も秘密にされている。 永久凍土が解ければ、そこを流れる水などにより、炭疽菌の胞子が運ばれて犠牲者を出すのではないかと懸念されている(テレグラフ紙)。 ― 引用終り ― 氷や永久凍土の中に囚われている微生物のなかには未知のものが存在する可能性がある。 人間にとって強毒性の微生物や、現代の人類が免疫を持たない病原体が空気中に放出されて活性化されれば、爆発的感染拡大を招く可能性もある。
2020年08月09日
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地球温暖化のためか、ロシア・シベリアの永久凍土が溶け出し、地盤が軟弱となりパイプラインなどの構築物、建造物が崩れている。 遂に軽油の大規模な流出事故が発生し、環境問題となっている。 ロシアのシベリア軽油流出:北極圏最大の事故は始まりに過ぎない?2020年06月16日 Sputnik 5月29日、ロシアのクラスノヤルスク地方の北極圏に位置するノリリスク ・ニッケル社の火力発電所で軽油が流出した。 事故は、コンクリート基礎の上に建えられた軽油貯蔵施設の杭が突如、地中に沈下したことが発生の原因で、これによりタンク内部は減圧され、軽油が漏出して付近の河川に流れ出ることとなった。 同社は、今回の異常な暖冬によって永久凍土が融解したことが事故の原因とみている。 生態学者らは、今回の事故を北極圏最大の環境災害と分析している。 …(略)… 永久凍土はもう永久ではない? 世界の永久凍土の3分の1がロシアに集中している。 その凍土面積は約1000~1200万平方キロメートルで、これがロシアの国土の半分以上を占めている。 ロシアの石油・ガス生産塔やパイプラインの約50%は、永久凍土地帯に建設されている。 ロシア水文気象環境監視局が3月に発表したロシアの気候に関する報告書によると、ロシアの気温上昇速度は10年間で0.47度だが、北極圏ではそれが0.81度とほぼ2倍の速度で上昇している。 このロシアの速度は、世界の10年間の気温上昇速度(0.18度)の2.5倍以上。 この気温上昇が異常気象を引き起こす。 例えば、その土地のほぼ全てが永久凍土のヤクーツク(シベリア)では、冬が短くなることで気温は上昇し、雪がより多く降るようになる。 この変化は、永久凍土にとって良いことではない。 雪が地球の毛布のような役割を果たすため、積雪層が厚くなればなるほど、地球表面の温度は上昇する。 永久凍土溶解で、他に何が溶けだすか? モルグノフ所長によると、永久凍土の溶解によってメタンガスが放出されるという。「地面の下の永久凍土にはメタンガスを含む天然ガスハイドレードを大量に蓄積しています。 永久凍土の融解はメタンガスの放出を引き起こし、温暖化を加速させます。 そして温暖化は永久凍土の融解を加速させます。 これでは悪循環です。 北極圏の自然は、どんなテーマの会議でも言われているように、非常に脆弱で壊れやすいものです。 研究者らは、この永久凍土の溶解によって引き起こされる事柄について、すでに何度も警告しています。」 ― 引用終り ― 軟弱地盤となるだけでなく、深海底と同様、メタンハイドレートが溶け出し大気中に大量の炭酸ガスを放出し、温暖化を加速する。 永久凍土中のメタンハイドレートと二酸化炭素の埋蔵量は、工業生産の年間のそれぞれの排出量の何百倍に相当する。 温暖化ガスの排出規制はより早く、より強力に推進されるべきということらしい。
2020年07月23日
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50年後、最悪の場合35億人が暑すぎて人が住めないため移住を余儀なくされるとの国際研究の結果が発表された。 最悪の場合ということなので、今後の人類の努力によって状況は改善できる。 35億人を襲う熱波2070年までに居住不可能に国際研究2020年5月6日 CNN.co.jp もしも今のままのペースで地球温暖化が続いた場合、現在35億人が暮らしている場所が、50年後には暑すぎて人の住めない場所になるかもしれない――。 考古学や気候学、生態学の専門家でつくる国際チームがそんな研究結果を発表した。 この研究は4日の米科学アカデミー紀要に発表された。気温が1度上がるごとに、10億人が別の場所への移住を余儀なくされるか、極端な猛暑に順応しなければならなくなると予測している。 米ワシントン大学の専門家はこの予測について、「私たちが今のやり方を変えなかった場合に起こり得る」最悪の筋書きと形容する。 …(略)… 地球の気温は2100年までに3度の上昇が予想される。 陸上は海上に比べて温暖化のペースが速いことから、人が経験する気温は2070年までに約7.5度の上昇が見込まれる。 そうした変化は食糧生産や水資源の確保に重大な影響を及ぼし、移住に伴う衝突や紛争を発生させる。 地球上で最も気温が高いのはアフリカのサハラ地域で、年間平均気温は29度以上。 そうした過酷な環境に覆われている地域は地球の陸地の0.8%にとどまる。 しかし研究チームの予測では、この極端な暑さは2070年までに地球表面の19%に拡大し、35億人に影響が及ぶ。 影響を受ける地域には、アフリカのサハラ砂漠以南、南米、インド、東南アジア、アラビア半島、オーストラリアなどが含まれる。 南京大学の専門家によると、こうした地域では人口が急増しており、特にインドとナイジェリアは、過酷な気温の下で暮らす人口が最も多い国になると予想される。 ― 引用終り ― 環境対策は「待ったなし」と思われるが、現在の原子力発電で後顧の憂いを残すの方法は、適切ではない。 武漢肺炎感染拡大の防止と、特効薬の開発が地球レベルで推進されたように、地球温暖化防止対策に全地球的に取組むべき時が来ていると考えるべき。
2020年05月16日
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アフリカで大量のサバクトビバッタが発生。 『孤独相』の場合は、背景に溶け込むように体色が緑や茶色。 大量発生し集団の中で育った『群生相』は、黒や黄色に変身。 広範囲に移動し、移動先の食物を食い尽くす。 東アフリカ地域の被害は、ケニアで7万haの農地が被害、エチオピアで穀物の40%くらいが失われ、ソマリアでは、家畜用の草がほとんどなくなってしまったと伝えられる。 FAO(国連食糧農業機関)は、さらに2,000万人に被害が及ぶと警告した。 2018年のサイクロンによる大雨により、アラビア半島のイエメンとオマーンの国境周辺にバッタが大量発生。 それが、翌2019年、サウジアラビア、紅海沿岸の国々に飛んでいって繁殖した。 アフリカ東部では2019年10月にソマリア北部やエチオピアで洪水が発生、12月にはサイクロンが直撃し、バッタの大量発生に繋がった。 今回の大量発生でサバクトビバッタは、アフリカから紅海を飛び越え、アラビア半島へ。 イエメンでは、蝗害に加え、内戦と内戦により予防接種が困難になったペストの拡大などにより1,500万人が飢餓状態にある。 アフリカトビバッタは、ペルシア湾を飛び越えイランから2月にパキスタン、インドに到達。 インドと国境を接する中国の脅威となった。 アフリカでバッタの大群による「蝗害」第2波発生中国も警戒―仏メディアRecord China 2020年5月1日 記事は、新京報による報道として、今年の第2波となるバッタの異常発生が東アフリカ各地で起きており、その数は第1波のおよそ20倍であると紹介。 アフリカ地域で少なくとも2000万人に影響が出ると伝えた。 そして、中国農業科学院植物保護研究所の張沢華(ジャン・ザーホア)研究員が「6月ごろに中国大陸もバッタの高リスク期に入る」との見方を示したことを紹介した上で、国家発展改革委員会、農業農村部、国家糧食・物資儲蓄局など11部門が先日連名で今年の食糧安全性確保に関する通知を出し、新型コロナウイルスの影響で食糧供給が滞り、社会の安定が揺らぐことのないようにするため5つの「重点任務」を打ち出したとしている。 ― 引用終り ― ■5つの重点任務・食糧生産の総合能力強化・栽培面積と生産量の基本的な安定確保・食糧備蓄の安全管理強化・食糧の市場や流通の管理徹底・食糧の緊急対応能力強化 サバクトビバッタは、1,000m以上の山は寒冷であるため越えられないと言われているが、生態は十分に把握されていない。 今回も飛距離から飛び越せないだろうと言われていたペルシア湾を集団を保ったまま飛び越えた。 中国は警戒を怠ることはできない。 中国の穀物が被害を受けると、世界的な穀物価格が暴騰すると想定される。 「一瞬で何もかも奪う」アフリカの大地を食い尽くす蝗害バッタ博士が解説2020/02/20 FORBES JAPAN 米国も安泰ではない。 オオスズメバチが2019年末に米国に上陸したことが確認された。ミツバチが被害を受けることで、農作物の生育に影響が出る可能性がある。 外来種オオスズメバチが米国上陸ワシントン州警戒強める2020.05.04 CNN.jp 米ワシントン州で昨年末、ミツバチを襲う侵略的外来種のオオスズメバチが米国で初めて目撃された。 ただでさえミツバチが激減している中、冬眠から目覚めたオオスズメバチの女王バチが活動を始める時期を迎え、州は警戒を強めている。 養蜂農家からは、頭をもぎ取られたミツバチの死骸が大量に見つかったという報告が寄せられている。 ― 引用終り ―
2020年05月14日
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地球レベルでの、大規模自然災害頻発、感染病の拡大は、数が増え過ぎ、自然環境を痛めつけても無反省な人類への、地球が発した警鐘とも思える。 武漢肺炎の世界的な感染拡大は、地球環境改善という福音をもたらした。 新型コロナにより「地球は息を吹き返した」=専門家2020年03月29日 スプートニク 各国の政府は航空便の運休や大都市での外出規制に加え、工場の稼働停止など、様々ま新型コロナウイルス対策を導入している。 これにより環境破壊の問題は改善に向かって進んでいるとの見解をエジプトにあるアインシャムス大学のヴァヒド・イマム教授が示した。 26日に欧州の調査機関が発表した環境保全に関する報告書によると、欧州の主要都市では直近の4週間で大気汚染が急速に改善された。 大気汚染度はローマで26~35%改善したほか、マドリードでは40%に達している。 新型コロナウイルス対策により、環境破壊の問題は改善に向けて進んでいると専門家らは考えている。 航空便の運休や工場の稼働停止などは地球に与える影響を着実に減らしている模様。 環境学が専門のイマム教授(アインシャムス大学)はリアノーボスチ通信の取材に対し、「地球はようやく息を吹き返した」と語った。 ― 引用終り ― 「地球はようやく息を吹き返した」とは楽観的に過ぎる見解だが、汚染された地球環境は、石油などの化石燃料の使用を大幅に減らせば、現在でもある程度回復可能であることが証明された。 世界的に感染が収束した暁には、災害防止の観点からも、地球環境問題解消への積極的な取組を加速することが大事だと思う。
2020年04月29日
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武漢肺炎の感染拡大ばかりが注目されているが、世の危機は他にもたくさんある。 自然災害だけでも豪雨、強力な台風、地震、火山の噴火など。 心配し出したらきりがないが、杞憂とはいえない。 火山学者が戦慄する「すでに富士山は噴火スタンバイ」という現実南海トラフと富士山「令和の大噴火」鎌田 浩毅2019年5月29日 Kodansya Bluebacks「3.11」が状況を一変させた 富士山は日本一の高さを誇る美しい山だが、いつ噴火してもおかしくない活火山であることは、意外と知られていない。 いまから約300年前の江戸時代に、富士山は大噴火した。 それ以来、地下に大量のマグマを溜め続けたまま、不気味な沈黙を保っている。 私が専門とする地球科学には、「過去は未来を解く鍵」という言葉がある。 過去に起きた自然現象を調べることで、未来の事象を予測するという意味だ。 それに従ってタイムスリップすると、この1707(宝永4)年のいわゆる「宝永の大噴火」は、記録に残っている富士山噴火ではマグマの噴出量が第二位という巨大さだった。 噴火は断続的に半月ほど続き、火山灰は横浜や江戸、さらには房総半島にまで降り積もって、大きな被害をもたらした。 この過去の事実をもとに、同じことがこれから起きたらどうなるかを予測するため、私は2007年に『富士山噴火 ハザードマップで読み解く「Xデー」』をブルーバックスから上梓した。 幸い6刷と版を重ね、テレビ各局はこの本を参考にして富士山に関するアカデミック・バラエティー番組を次々に制作し、私も解説をつとめた。 ところが、2011年に起きた東日本大震災、いわゆる「3・11」は、富士山をめぐる状況を一変させてしまった。巨大地震から4日後、富士山の直下で地震が発生したとき、火山学者は全員、肝を冷やした。 マグマだまりの直上に「ひび割れ」を起こした可能性があるからだ。 幸い噴火はまだ起きていないが、富士山はすでに「噴火スタンバイ」の状態にあると私は考えている。 ― 引用終り ― 危機が明らかになり富士山のハザードマップ改定作業がすすめらた。 想定火口範囲が二子山火口周辺にまで広がった。 被害想定エリアも拡大する。 富士市側では、3時間程度で新東名に到達すると見込まれている。 首都機能が低下する可能性が大きい、火山灰による停電、通信障害の影響はさらに広範囲におよぶ。 溶岩流、数時間で市街地に富士山噴火被害・新シミュレーション2019/12/28 静岡新聞 富士山の噴火被害に対する新たな科学的知見を反映させるため国や県、有識者の検討委員会が進めているハザードマップの改定作業で、考慮すべき想定火口範囲が大幅に広がり、静岡県富士宮市では溶岩流が市街地に2~3時間で到達、富士市では新東名高速道を超えるとのシミュレーションが示されていることが、27日までの関係者への取材で分かった。 避難計画において最も危険な第1次エリアは富士宮市を中心に拡大する見込みだ。県や市は計画の大幅な見直しを迫られるとみられる。 ― 引用終り ― 3月30日、ゴールデンウイークに開催される国内最大規模の人出を記録してきた福岡市の「博多どんたく港まつり」の中止が決定した。 3月25日、小池都知事は緊急会見で「感染爆発が懸念される重大局面だ」として、週末の不要不急の外出自粛を要請。 在宅勤務を推奨し、夜間外出も控えるように要請した。 東京都の感染者数の増加は加速し、感染爆発が迫っている。 「即、ロックダウンということではございません」と知事は説明した。 政府の機能が集中する東京を簡単に封鎖するわけにはいかないということだだろ。 警察などによる物理的に封鎖措置が取られているわけではないが、4月から東京は事実上「封鎖状態(ロックダウン)」状態。 可能な企業はオリンピック期間にむけて準備されていた在宅勤務をすすめ、出張を抑制。 市民は外出の自粛を要請されている。 集まりは憚られ、飲食店は休業を迫られている。 東京に集まる多くの大学が入学式を中止。 授業開始を延期。 行楽の自粛で旅行会社は倒産の危機。 新幹線をはじめとする鉄道、航空会社、高速バスは、5月初旬まで減便を決定。 東京を基盤とする多くの企業が、1年後のオリンピックまでサバイバルレースを強いられている。
2020年04月07日
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中国・武漢で発生した新型肺炎の感染拡大は衰えをみせていない。 感染経路も広がり、特定が不可能になりつつある。 2月17日、3月1日開催の東京マラソンの一般参加者の出走取止め決定を発表。 2月23日、令和初の天皇誕生日の一般参賀の中止を宮内庁が発表。 この状況で、2020東京オリンピック開催は「ある」か「ない」か。 WHOは開催を決めるのは日本政府と日本オリンピック委員会とした。 日本が開催「ない」と決断することはできないだろう。 マラソンの開催都市を突如強引に変更したIOCでが決断すべきと、私は思う。 WHO「五輪開催決めるのはホスト国新型肺炎で「日本と協力の用意」2020/02/15 毎日新聞 世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎拡大を巡る東京五輪・パラリンピックへの対応について、リスク評価に関する助言はできるとの立場は示しつつ「開催の是非を決めるのはホスト国と主催団体だ」と強調した。 国際オリンピック委員会(IOC)とは定期的な連絡を取っているという。 そのうえで、WHO緊急事態プログラム事務局長のマイク・ライアン氏は記者会見で、「具体的な協議はまだだが、開催国の日本と協力して新型肺炎の対策にあたる用意がある」とも述べた。 ― 引用終り ― まずは3月26日、福島から始まる予定の聖火リレーの開催がどうなるか。 東日本大震災を世見した松原照子氏は2020東京オリンピックは「ない」と発言した。 開催するにせよしないにせよ、日本政府はできる限り判断を引き伸ばすだろう。 新型肺炎、関東大震災、富士山大噴火、大型台風など、2020東京オリンピックの開催が「ない」になる要因は、既に様々語られている。
2020年03月01日
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1969年、地震予知連絡会が、国土地理院を事務局として発足。 委嘱された学識経験者と関係行政機関の職員30名で構成される。 地震と地殻変動に関する情報を交換し、地震予知に関する専門的な検討と研究を行う。 1977年、地震予知連絡会の内部組織として「東海地域判定会」発足。 1978年、「大規模地震対策特別措置法」制定。 静岡県下を中心とした「地震防災対策強化地域」を設定し、体積歪計やGPSの観測機器を集中して設置することで、世界でも例を見ない警戒宣言を軸とした「短期直前予知を前提とした地震対策」を採ることになる。 2011年3月11日、マグニチュード9.0の東日本大震災発災。 2011年11月、少なくとも人間の人生サイクル単位での巨大地震予知に貢献できなかった地震予知連は、組織の役割や名称について検討する作業部会の設置を決定。 2014年2月、「名称を変えることより、連絡会の研究の中身を充実させる方にエネルギーを費やすべき」、「現在の地震学の実力を示して今後の地震観測活動を行ってゆく」という姿勢を示して、現行の『地震予知連絡会』の名称変更を行わないことを決めた。 『地震予知同好会』にして欲しかったな。 かくして、地震予知連の「いつ起きてもおかしくない詐欺」は破綻。 1970年代、東海大地震は「いつ起きてもおかしくない」と地震学者がとなえてから、50年近くになろうとしている。 地質学的単位での地震予知、あるいは100年、1000年単位での地震予知は、大方の人の人生にとって大した意味はない。 学者にだけ価値があり、一般人の役にも立たないことを、「地震予知連」はこそっと認めたのだろう。 過去の測定データ、記録をもとに予測するのであれば「地震キチ(既知)連」とでも名乗り、趣味の団体となるのが適切。 地震学会が多額の地震関連の研究費を得たはずだが、その成果は不明。 もしかしたら科学技術の発展に役立つことも多い軍事技術より、無駄だったかも知れない。 たぶん、耐震基準の強化で建築工学を通じて土木建設業界のためになり、地震による被災者をなにがしか、減らしたのであろう。 そしてこんにちは、南海トラフを震源とする巨大地震が「いつ起きてもおかしくない」ことになっている。 もちろん、「起きなくても不思議ではない」のであろう。 「当たるも八卦、当たらぬも八卦」。 悩める人の相談役、街の占い師より、人々を恐怖させるだけの地震関連学者は無用の存在か? そして、「南海トラフより切迫」のエリアの記事が報じられた。 2020年、次の巨大大地震はどこか最新科学が警告する「南海トラフより切迫」のエリア2020/01/03 AERA dot. 新約聖書「ヨハネの黙示録」では、世界最後の日に起こる決戦の地を「アルマゲドン」と呼んでいる。 そこから転じて、現代では破滅的な事象を示す言葉として使われるようになった。 近年では、地震サイクルの例外的存在の巨大地震を「アルマゲドン地震」と呼ぶこともある。 アルマゲドン地震として記憶に新しいのは、マグニチュード(M)9.0を記録した2011年の東日本大震災だ。 津波によって1万8000人以上の死者・行方不明者を出した。 同規模の地震は500年に1回とされるが、今、日本で東日本大震災クラスの地震が「切迫している」と地震学者から警戒されている地域がある。 産業技術総合研究所の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長は、こう話す。 「警戒されているのは、北海道東部(太平洋沿岸)を襲う千島海溝で起きる地震です。 この土地に古くから住むアイヌ民族は、文字で歴史を伝承する文化を持っておらず、過去の巨大地震についてわからないことが多かった。 それが、地層を調査した結果、平均400~500年の間隔で巨大地震が発生していたことがわかりました。 前回の巨大地震は1600年代前半で、発生から約400年が経過しています。 次はいつ起きてもおかしくない時期に入っています」 気になるデータもある。根室市にある検潮所で年間の平均潮位を調べると、1年で1センチのペースで沈降している。これは、日本の他の潮位観測所と比べて早いスピードだ。 「地震前に地盤が沈降することは以前から知られていましたが、近年では巨大地震が近くなるにつれて地盤が下がるペースが早くなると考えられています。 東日本大震災の前には、岩手県釜石市でも年間約1センチのペースで地盤が下がっていました。 日本の他の地域で、北海道東部ほど地盤が急速に下がっているところはありません」(宍倉氏) これまで予想されていた巨大地震といえば、東海から九州地方太平洋側の南海トラフのエリアだとされてきた。 それが、政府の地震調査委員会も、17年からは千島海溝沿いのアルマゲドン地震について「発生が切迫している可能性が高い」と分析し、今後30年以内の発生確率を最大40%としている。 ― 引用終り ― 毎年まいとし、大地震発生の可能性を叫ぶ占い師と、「地震予知連」、地震学者諸氏の将来観測が、どれほど違うのか、素人の目にはよく分からない。 短い人生から得た教訓は、「地震学者が騒ぐ巨大地震は発生しない」ということ。 東海地区に住む吾身としては、これからも地震学者の予測が当たらないままでいて欲しい。
2020年01月12日
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今年の9月、台風15号の暴風により送電用鉄塔2基が倒壊した。 大規模な停電が発生し、周辺の送電設備の破損を含め、送電をできるまでの普及に長期間を要した。 これを受け、送電用鉄塔の強度基準の引き上げの検討がすすめられている。 鉄塔の強度千葉など引き上げへ2019年11月29日 NHK首都圏 NEWS WEB 全国一律に定められている送電用の鉄塔の強度の基準を地域ごとに設定するように改め、九州や四国、それに台風15号で大きな被害があった千葉県などでは、基準を引き上げる方向で検討されていることがわかりました。 ことし9月の台風15号では、千葉県君津市で送電用の巨大な鉄塔2基が倒れたほか、大量の電柱が損壊した影響で千葉県を中心に大規模な停電が続きました。 送電用の鉄塔の強度は全国一律で風速40メートルの風に耐えられるという基準が定められていますが、千葉県では最大瞬間風速が70メートルに達していたとみられています。 このため、経済産業省は今の基準を改め、地域の実態に応じて強度の基準を定める方針を固めました。 市町村単位で基準を設定することを軸に検討を進めることにしていて、台風の接近が多い九州や四国のほか、今回大きな被害を受けた千葉県などでは基準が今より引き上げられる見通しです。 経済産業省は、こうした方針を外部の専門家などで作る作業部会に示し、基準の見直し作業を急ぎたいとしています。 ― 引用終り ― 2016年に、暴風で送電用鉄塔が倒壊する可能性について、言及があった。 事が起こらないと予算措置、対策がなされないのだろうが、事前に警鐘を鳴らしたのは慧眼のなせる業だ。 そしてこの記事に、停止中であっても原発が危機に曝されることが表されている。 大きなエネルギーを発し、長期間燃える核燃料の危険性が論じられている。 今、そこにある危機!日本エネルギー会議北村俊郎 2016.11.12 この写真は2002年の台風21号で倒壊した東京電力の香取線の鉄塔だ。 東京工芸大学の調査報告書によれば鉄塔は1972年に建設され、風速60メートルまで耐えられる設計だった。 当時風速40メートルから50メートルで1基の基礎が持ち上がり倒壊。 それに伴って前後の鉄塔も倒壊した。 今年の夏から秋にかけて連続してフィリッピンから日本に近い海で台風が発生。 日本各地に主に豪雨による大きな被害をもたらした。 そのうちのいくつかはスーパー台風として台湾や中国本土を襲い、その強風は風速80メートルを超し、報じられた映像を観てこれが日本に来ていたらと背筋が寒くなった。 台風がこのようにスーパーなものになった原因は、温暖化により海水の温度が陸地近くでも上昇したためであり、人工衛星からの海水温度の観測結果は我々にそのことを認識させるのに十分である。 この傾向はすでに何年も前から起きており、今後ますます酷くなると予想されている。 そうなれば例え設計通りの強度を持った鉄塔であっても損壊することは間違いない。 2002年の台風でも明らかなように、送電鉄塔の倒壊が起きれば大規模な停電が長期にわたって発生する。 送電線の建設費はキロあたり数億円から10億円、建設には最低数年かかる。 最近は台風の上陸が九州四国や東海だけでなく、東北や北海道にも起きるようになったため、各地で送電鉄塔の倒壊による大停電の可能性が高まっている。 内陸部では過去の記録にないような大雨により、山崩れが頻繁に起きている。 送電鉄塔は山間部を縫うように尾根沿いに建てられており、いつ山崩れの被害に遭うかわからない。 送電網はこのような事態に備えて首都圏の周りをループ状に囲んでいるが、より深刻なのは送電ストップとともに火力発電所や原発が自動的に発電を停止せざるを得ないことである。 特に原発は停止中に外部より電気を送ってもらい冷却をしているため、送電線に異常が生ずれば直ちに所内の非常用ディーゼル発電機を起動しなくてはならない。 火力発電所や原発が地震や津波に耐えたとしても発電所の近くの送電線に問題が起きれば、電源としての役割が果たせない状態が長く続くことになる。 こうした電源は最近大型化しており、その影響は大きく他電力からの支援があっても供給に支障が出る可能性が強い。 ― 引用終り ― 日本鉄塔工業(株)に莫大な災害対策特需が発生するだろうか。日本鉄塔工業株式会社設計・解析・実験近年、台風の大型化や集中豪雨といった異常気象、想定以上の大地震などの発生が懸念されています。こうした中で、社会の基幹インフラである送電・通信鉄塔は、過酷な環境下においても常に健全性が求められます。私たちは、長年の各種解析・実験を通して得られた高度な知見をもとに、最適かつ最新の設計を行い、お客様への確かなご提案を行うことで、社会的責任を果たしています。 ― 引用終り ―
2019年12月22日
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水害で千葉県山武郡市広域行政組合消防本部が装備するトーハツが艤装に携わった水陸両用車の活躍が報じられた。 消防の水陸車、園児ら60人救出千葉・山武で孤立2019年10月26日 共同通信 総務省消防庁は26日、記録的な大雨で一時孤立状態となった千葉県山武市雨坪の幼稚園で、消防の水陸両用車が園児ら約60人を救出している動画を公開した。 園児を乗せた車両が暗闇の水上をゆっくり進み、隊員が車体につかまるよう園児に呼び掛けている様子が写っている。 けが人はいなかった。 ― 引用終り ― 千葉県山武郡市広域行政組合消防本部の中型水陸両用車は米国・Hydratrek社製。 陸上はゴムクローラで走行。 水上はプロペラで航行。 クローラもプロペラも油圧駆動。 前方に運転室(定員2名・天井に緊急脱出口装備)、中央にエンジンを搭載し、後方に隊員や要救助者など6名を乗せるスペースがある。 艤装メーカーのトーハツは、クラシックバイク好きのよく知るトーハツ。 1950年、モーターバイクを生産・販売開始。 1962年型のロードレーサー・ランペットCR2は、日本国内の50ccクラスのレースでは常勝マシン。 フレームは全周溶接式。 CR2にはワークスマシン、ツインレーサーは、空冷2ストローク2気筒、出力9ps以上。 注目の消防車両 CLOSE-UP!中型水陸両用車2019.07.18 RISE 近年では世界的な気候変動などの影響により、日本国内においても大雨に伴う大規模な水害や土砂災害が数多く発生し、甚大な被害をもたらしている。 こうした現実をうけ、総務省消防庁では新たに「中型水陸両用車」として全地形対応車II型2式を整備し、緊急消防援助隊用の無償使用車両として徳島県の板野東部消防組合消防本部と千葉県の山武郡市広域行政組合消防本部に配備した。 これにより、2013年に愛知県の岡崎市消防本部に配備された全地形対応車・レッドサラマンダーが「I型」の「大型水陸両用車」、2014年より各地の消防本部へ配備が進められている津波・大規模風水害対策車に搭載された水陸両用バギーが「小型水陸両用車」と位置付けられた。 中型水陸両用車として採用されたのは米国・Hydratrek社製の車両で、可搬消防ポンプでおなじみのトーハツ株式会社が輸入し、消防車両仕様に追加艤装を行ったものだ。 陸上では左右計8輪のタイヤによりゴムクローラーを回転させ、不整地や泥濘地など路面状況にとらわれず走行することができ、最高速度は時速20km。 水上では後部に備えられた2基のプロペラにより時速5kmにて航行が可能だ。 一見すると重そうに見えるが、ボディーはアルミニウム製となっているため軽く、車両重量は3500kg。 また、車体下部の空気室や車体内部に封入されたウレタン材、タイヤなどにより浮力を得ている。 ― 引用終り ―諸 元メーカー名 米国・Hydratrek社車種 8×8 D2488B-P全長 4930mm 全幅 2360mm 全高 2940mm車両重量 3500kg搭乗人員(陸上)8名 (水上)6名走行速度 20km/h 航行速度 5km/hエンジン クボタVT3600Tターボチャージドディーゼル最大稼動時間 約10時間船体材質 アルミニウム艤装メーカー トーハツ 中型水陸両用車は最高時速20km/hなので、搬送する専用車両(いすゞ・フォワード)がある。 キャブ直後に水難救助用資機材搭載し、その後ろに中型水陸両用車を積載。 こちらの艤装もトーハツ。 トーハツ株式会社 会社概要
2019年11月01日
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台風19号は日本各地に大きな被害をもたらした。 住居の被害も大きいが、産業である観光地も大きな被害を受けている。 紅葉シーズンは、バス会社、山岳鉄道の秋の重要な稼ぎ時。 被災による稼ぐどころか、復旧・復興が喫緊の課題となった。 紅葉シーズン、「早く復旧を」=登山電車、温泉配管も寸断-観光地打撃・台風19号2019/10/19 時事通信 台風19号による記録的な大雨は、秋の行楽シーズンを迎えた各地の観光地にも深い爪痕を残した。 土砂崩れで観光客の足となる鉄道が寸断され、配管の破損で温泉を供給できないホテルも。 予約のキャンセルも相次いでいるといい、紅葉の見頃を控え、打撃が広がっている。 東京都心から近い温泉街として人気の神奈川県箱根町では、箱根湯本-強羅間を結ぶ箱根登山電車が寸断され、復旧の見通しが立っていない。運行会社は振り替えバスを運行して急場をしのぐ。 同社が管理する配管が壊れ、契約する周辺のホテルや旅館が温泉の供給を受けられない状態も続く。 強羅地区のホテル担当者は「これからが紅葉シーズンなので痛い。鉄道も配管も早く復旧してほしい」と頭を抱える。 ― 引用終り ― 箱根登山鉄道の年内復旧は「ない」とみられている。 鉄道の輸送力は大きいので、観光に与える影響は大きい。 箱根登山鉄道株式会社の本社は、神奈川県小田原市。 小田急グループの鉄道会社。 資本金1億円。 1900年、全線電化。 1919年、鉄道線 箱根湯本駅 - 強羅駅間開業。 1928年、(旧)箱根登山鉄道株式会社設立(現在の小田急箱根ホールディングス株式会社)。 箱根登山バスは別会社となっている。 箱根登山鉄道は経営難、連続する災難から蘇った。 今度も見違えるような変身を遂げて、より魅力的な姿で蘇ってほしい。 【連続する災難】 出典:Wikipedia 苦しい経営が続いている小田原電気鉄道に追い討ちをかけるように、災難が連続した。 1923年2月1日深夜には小田原市内の本社社屋が全焼する事態が発生、電気鉄道になってからの資料などが焼失してしまった。 その後は仮社屋で業務を行なっていたが、同年9月1日には関東大震災が発生し、建造物はほとんどが倒壊し、軌道も歪曲や埋没などで破壊されるなど、軌道線・鉄道線・電力事業ともに甚大な被害を蒙り、「再起不能なり」とまで報道される惨状であった。 この地震での被害総額は、当時の金額で約150万円にも上った。 翌年から復旧工事が開始され、1924年7月9日には軌道線が全線で運行を再開、同年12月24日には登山電車も運行を再開、ケーブルカーも翌1925年3月に復旧した。 なお、この復旧を機に、軌道線の軌間を1,372mmから1,435mmに変更しているが、これは焼失した路面電車の代わりに登山電車を軌道線に走らせるという意図もあった。 さらに、震災の被害から復帰した後の1926年1月16日には、小涌谷を発車した電車が速度制御を失い脱線転覆するという事故が発生した。 短期間に3度もの災難が襲った格好となり、これら一連の事件や事故の被害総額は当時の金額にして300万円にも上るものとなり、創立以来最大の経営危機に陥った。 ― 引用終り ― 地の利に恵まれた箱根は、投資して復旧・復興する価値がすぐに見いだせる。 国内の僻地、人口減少地域では、観光が雇用面での重要産業であることも多い。 観光が復旧・復興しなければ、雇用が失われ、住民の生活が復旧・復興できなくなる。 災害後の観光地の現状は?北海道と岡山県の観光推進組織の担当者にツーリズムEXPO会場で聞いてきた2018年9月24日 トラベルボイス 観光産業ニュース
2019年11月01日
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二子玉川での多摩川の氾濫は堤防建設が遅れていたためらしい。 1974年の東京都狛江市で起きた堤防の決壊と家屋の流失は、多摩川がおとなしい川ではないことを人々の記憶に残した。 多摩川氾濫はやはり「人災」だ、忘れられた明治・大正・昭和の教訓窪田順生:ノンフィクションライター2019.10.17 DIAMOND online 台風19号で氾濫した多摩川。 二子玉川周辺では「こんなことは初めて」というコメントが多く出ているが、歴史を遡れば一度どころか、何度も何度も多摩川は氾濫していることがわかる。 人間は大きな自然災害に見舞われても、何十年かすればすぐに忘れる生き物。来ることは「確実」と言われている首都直下型地震や南海トラフ地震についても、今一度、歴史を謙虚に検討してみる必要がある。(ノンフィクションライター 窪田順生)「長く住んでいるが、こんなことは初めてだ」――。 そのように嘆く人たちが多くいらっしゃる、東京・二子玉川の河川氾濫被害を受けた地域から、多摩川沿いに5キロ弱ほど上った河川敷にポツンと、ピラミッドのようなモニュメントがある。 表面には時の流れを感じさせるパネルに「多摩川決壊の碑」とあり、裏面の碑文にはこんな言葉で締められている。「ここに、水害の恐ろしさを後世に伝えるとともに、治水の重要性を銘記するものです」 今から45年前の1974年9月、台風16号によって生じた激流が堤防を260メートルに渡って崩壊させて、民家19棟が流された。 首都圏の閑静な住宅地にやっとの思いで建てたマイホームが、濁流へ無残に飲み込まれていく光景は全国のお茶の間に届けられ、日本中に水害の恐ろしさを、まざまざと思い知らせた。 それから2年、TBSがこの悲劇から着想を得たドラマ「岸辺のアルバム」を放映する。 それまでの家族ドラマの概念を打ち砕くテーマ設定は大きな注目を集める一方で、現実に家を失った人たちは「人災だ」として国の河川管理に瑕疵があったと提訴した。 ― 引用終り ― 『岸辺のアルバム』原作小説は、1976年から1977年まで東京新聞、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞の連載。 TBS系のテレビドラマ(15話)。『岸辺のアルバム』は1977年6月24日から9月30日まで放送された 原作・脚本は山田太一、プロデューサーは堀川敦厚。 倦怠期を迎えた夫婦の危機と子供たちが大人になる過程での苦悩、家族が崩壊していく。 最後に水害により一見平和に見える新しい家が眼前でなすすべもなく激流に流される。 平凡な中流家庭のささやかな幸福が崩壊する。 この作品の背景となったのが1974年の多摩川水害。 この水害で多摩川の堤防が決壊し、岸辺にあった19棟の家屋が崩壊・流出した。 濁流で土地徐々に削り取られ、家が流されるシーンは、実際の報道映像が使用された。 【多摩川水害訴訟】 1976年9月、家を失った住民らが多摩川を管理する国を相手に損害賠償請求の訴訟を起こした。 一審は原告の住民が勝訴。 控訴審は国が勝訴。 上告審で破棄差し戻しとなり差戻控訴審で住民が勝訴し、確定。 1974年多摩川水害(狛江水害)の際は、昭和49年台風第16号により堤防が決壊した。 堤防があっても「絶対安全」はない。 自然の脅威に慄くばかりだ。 二子玉川地区の河川氾濫は人災か?堤防建設問題を反対派と国交省に直撃《台風19号水害》「週刊文春デジタル」編集部2019/10/16 文春デジタル
2019年10月21日
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カナダは米国と国境を接しているが、社会の制度は大きく異なる。 賃金は米国より低い水準だが、圧倒的に社会福祉は充実している。 街はきれいだし、料理は美味い。 そんなカナダには親日的な人々も多い。 そして今回、台風19号の被災地にラグビーのカナダ代表が復旧の支援をしてくれた。 2011年の東日本大震災の時もいち早く支援の手を差し伸べてくれた。 在日カナダ大使館東日本大震災に対するカナダ政府の支援2012年3月26日背景説明仙台発 カナダ政府は、2011年3月11日の東日本大震災と、これに続く原子力発電所事故の発生後、直ちに日本政府の関係者と連携し、全面的な支援を申し入れた。 震災からわずか数日後、日本政府からの公式要請を受けて、カナダ政府は地震と津波の被害を受けた人々の緊急のニーズを満たすため、非常用備蓄物資から保温性の高い羊毛素材の毛布約2万5000枚を提供することを発表した。 さらに、二度目の要請に応えて、カナダ政府は原子力発電所事故への対応に当たる関係者のために、携帯型の放射線検出器約150台と線量計約5000台を提供した。 また、福島第一原子力発電所の事故への対処を支援するため、カナダ人の専門家2名をウィーンの国際原子力機関(IAEA)に派遣した。 在日カナダ大使館も積極的に救援活動に関わり、カナダの生産者とボランティアの協力を得て、被災地の人々にカナダ産と地元産の食材で調理した食事を提供するイベントを実施した。 また、大使館はカナダと日本のパートナーと共同で、震災によって生活に影響を受けた若者150名にカナダでの語学留学の機会を提供する、「カナダ留学 ホープ・プロジェクト」を創設した。 ― 引用終り ―
2019年10月19日
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日本は経験のないような、強烈な台風に襲われることが増えている。 大規模な災害の発生しなかった地域が危険にさらされている。 本州を縦断、九州から北海道までいっぺんに風雨をもたらすルートをとることが多く、一般に「台風が多い」という印象をもたらしている。 「猛烈台風」の日本襲来が地球温暖化で急増のウソとホント新野宏:気象学者、東京大学名誉教授2018.10.1 DIAMAND online …(略)…地球温暖化が進むと強い台風が増える見通し ところで、東京大学ほかがコンピュータを使って行った、将来地球温暖化が進んだ場合の気候の予測実験によると、2075~2104年の30年間には1979~2008年の30年間に比べて、地球上の熱帯低気圧(台風の仲間)の発生数は約22%減る一方、最大風速が33m/s以上の強い台風の発生数は6%増えると予想されている。 このような将来の地球温暖化の予測は、大気の物理現象を表わす法則を数式にし、観測した風や気温などの情報を与えて大型の電子計算機で解くといった、日々の天気予報と似たやり方で行われている。 しかし、100年先の気候を予測するには不確実性が残っている。 …(略)… 今回の台風21号で関西空港は、滑走路やターミナル棟の一部が高潮で浸水すると共に、大阪市内との連絡橋も通行止めになり、利用客ら3000人以上が孤立するという事態に直面した。 大阪では329cmの潮位を記録したが、第二室戸台風でも293cmを記録しており、竣工以来の地盤沈下の影響もあったのかもしれないが、十分な備えがあったとは言えないように思われる。 …(略)… 災害は予想しがたい。 予想しがたいが、大人数を集めているところはできるだけ事態が起こったときの想定をしなければならないと思われる。 台風21号による関空の浸水と浸水後の対応は、明らかに想定不足、状況判断による対策不足だった。 もしかしたら、緊急時に状況に応じて判断を下す機能、仕組を持たなかったのではと思わせる。 参考になるような組織的な対応を全く聞かない。 完全民営化された関空が危機管理について、通り一遍の想定してなかったことは、大きな教訓になる。 最近は、1日の大規模イベントでさえ、様々な危機想定がなされた、本部運営マニュアルを警察から要求される時代になっている。 想定しても対策ができる事態ばかりではない。 次善の策、三善の策を思い巡らしても、適わぬときは、諦めるか、運を天に委ねるしかない。 大規模集客施設等における避難及び避難誘導 と行政機関の役割に関する調査研究 2011年4月(財)日本防火・危機管理促進協会 大規模な集客施設や駅等における利用者保護 ガイドライン 2012年9月10日 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会
2018年11月20日
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