山田維史の遊卵画廊

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■Yamada's Article(4)夢幻能と白山信仰


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■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識


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■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー


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■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について


■(13)英語訳論文「ムンクの『叫び』の設計と無意識」


■(14)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(14-2)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(15)英語訳論文『卵形の象徴と図像について』


■(16)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(1)


■(16-2)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(2)


■(17)英語訳論文『モンドリアンの自画像について』


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Oct 16, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 前日書いた北海道の羽幌町に住んでいたのは昭和22年から25年までだった。羽幌映劇の火災はいまでも憶えている。私の家からは随分遠かったのだが、玄関脇の座敷の窓からは空を焦がす火焔が見えた。といっても窓は父や、そのころ我家に逗留していた伯父、そして下宿していた高校生の三人の大人達が占領してしまい、私はその脚の間から首をつっこんでかろうじて見ることができた。
 ところでその伯父だが、たしか戦地から復員してきて間もなくの頃で、奇妙な小型の機械と、乳鉢や何やら薬品らしきものを携えていた。白い琺瑯引きのようなその機械は、どうやら低周波マッサージ機らしかった。そして乳鉢と薬品で膏薬をつくっていた。伯父は鍼灸師の免許をもっているらしかったが、じつは伯父の存在を知らしめていたのは伯父の手の力だった。当時私はそんな言葉を知らなかったけれど、いまなら「気巧術」、あるいは「手翳し治療」と言うことができる。患者さんの患部のうえ4,5cmのところに掌をおき、そのままじっと5分から10分ほどかざしている。ただそれだけである。1週間も通えば、たいていの患者はけろりと治ってしまうらしかった。
 伯父はこの〈術〉を、戦時中にあるロシア人から伝授されたのだと言う。その驚異的効果を発揮したのは苫小牧の王子製紙の工場が空襲され、ひどい火傷のケロイドを負っていた人を治療したときだったようだ。そうして幾人もの人を救った伯父は、とうとうその術を施すことが職業になってしまったのである。
 こんにちのようにテレビ等で伝えられるような気巧師や、その種の不可思議をやってみせる術師の風貌を想像しないでいただきたい。伯父は人のよいのんきな田舎の爺さんという感じだった。人柄もそのとうりである。ひとが何か神秘を感じて、そのことを問うたとしたら、おそらく伯父は目をパチクリさせたに違いない。神秘だとは全然思っていなかったのではなかろうか。
 とはいえ、私は5歳そこそこだったけれど、伯父の職業がとてもいやであった。長じるにおよび、現代医学の何たるかを知り、自らも一時医学を修めようと本気に考えていたので、ますます伯父の存在を怪しむようになったのだ。5歳で伯父と別れてから、その後長い間、私は一度もあったことがなかった。ほんとうに嫌だったのである。
 ところが、大学1年の夏休みに、私自身が伯父の施療を受けるはめになった。思いもかけないことだった。
 中学3年生のとき運動会の練習時に、棒倒しの味方の棒が私のうえに倒れてきて腰を強打した。そのときはすでに親許をはなれて暮していたので、病院にも行かずすましてしまった。高校生になって体育で柔道を選択したが、その練習中に少し痛みを感じるようになり、次に大学に入ってフェンシングをやった。すると左腰に激痛がはしった。私は根が気丈なのか、それでもそのまま夏休みまでもちこたえた。夏休みに帰省の汽車旅行中に、ついに立ち上がれなくなってしまったのである。駅に迎えに来た父の車に這いながら乗って帰宅した。大学病院に行ったが、骨に異常はなく、したがって治療する必要がないと診断された。これには驚いてしまった。現に目の前に歩行困難な人間がいるのに、治療することはないとはいったいどういうことか。
 母が伯父に連絡した。2,3日して伯父がやってきた。14,5年ぶりの再開だった。すぐに施療が始められた。私はまな板のうえの鯉状態。いわれるままに俯せになった。伯父は私の腰のうえに手をかざした。触れてはいない。伯父の顔をぬすみ見ると、無言で目をつむっていた。しかたがないので私も目をつむった。そのうち患部が不思議なやわらかい温かさにつつまれだした。春の日射しを浴びて、とろとろと居眠りするような感じなのだ。ひねもすのたりのたりかな----そう、私は実際にいつのまにか眠ってしまっていた。
 「はい、きょうはこれまで」と言う伯父の声に目をさました。そんなに長い時間ではなかった。10分程度だったろう。のちに聞いたところ、一日一回10分。患者は5人くらいが限度なのだそうだ。伯父自身が疲労困憊してしまうらしい。

 伯父にはそのご再び会うこともなく、ずっと以前に亡くなった。しかし伯父の手の不思議な放射熱は記憶のなかに残っている。





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Last updated  Oct 16, 2005 07:26:24 AM
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Re:伯父の手(10/16)  
ちゃれ3  さん
不思議なことってあるんですね
私も一度だけ、経験した事があります
治って・・と祈りながら 手をあてていたら、
動かなかった腎臓が機能し出したんですよ。
一心が通じたんですね。
その何日間は 私はくたくたになってました。

お医者さんもびっくりしてましたが
内緒にしてました。

私の場合は、
愛する身内だったから、出来た事だと思います
他人には効かないと思いますね。
(Oct 17, 2005 01:21:38 AM)

Re[1]:伯父の手(10/16)  
AZURE0702  さん
ちゃれ3さん

>治って・・と祈りながら 手をあてていたら、
>動かなかった腎臓が機能し出したんですよ。
>一心が通じたんですね。

腎不全が回復したということですか。ちゃれさんのお話のほうが神秘的です。何日も手をあてていらしたのでしょうか?
伯父は、細菌による病気は手翳しではどうにもならないと言っていました。細胞や生理的機能を活性化するのだと、私は理解しています。
-----
(Oct 17, 2005 04:44:48 AM)

Re[2]:伯父の手(10/16)  
ちゃれ3  さん
AZURE0702さん
>ちゃれ3さん
>>一心が通じたんですね。

>腎不全が回復したということですか。
>何日も手をあてていらしたのでしょうか?

透析してたのですが、
多分2週間目位に機能が、回復しました。

もう 2度とあんなことは出来ないなぁと思います。


(Oct 17, 2005 12:57:26 PM)

Re[3]:伯父の手(10/16)  
AZURE0702 さん
ちゃれ3さん

>透析してたのですが、
>多分2週間目位に機能が、回復しました。

これはすごい。しかるべき研究者が研究すべき事実です。そのとき担当医に話しをされなかったのはちょっと残念。お医者さんは馬鹿にしたでしょうが、まともな医者なら記憶にとどめたはずです。未知を開いてゆくのが研究者の務めですもの。
-----
(Oct 17, 2005 10:33:38 PM)

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AZURE702 @ Re[1]:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) shiwashiwa1978さんへ  拙作をご覧くださ…
shiwashiwa1978@ Re:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) 素敵です。 作品集は無いのでしょうか。
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