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今日は朝8時半に家を出て午後 5 時半に帰宅するまで民生委員としての仕事。仕事といっても高齢者問題研究部会で都内にある特別養護老人ホームを見学させてもらったのである。
この特養と略称されている介護付施設は各行政区にあるが、今回訪問した特養老人ホームは入所者の個々の状態に徹底して寄り添い、歩くことも食べることも、また排泄さへままならない人達を、歩き、食べ、まったく〈おしめ〉をすることなく自力排泄ができるまでに機能回復させることに成功している、きわめて優れた注目すべき特養なのである。驚くのは100歳を超えた入所者が機能回復して自立しているいることだ。
最新の設備を備えていることやホテルのような明るく清潔な建物はめずらしくはないにしても、何よりも私たち民生委員が感動するのは、さなざまな分野の専門スタッフの質の高さである。
私たちは、ほぼ日常的に、自分の担当する現場で介護関係者に接しているが、なんと言おうか、彼ら彼女らの立ち居振る舞いに鋭敏になっていて、言葉にしにくいような人格の側面を一瞬にして見抜く能力をいつのまにか備えているのである。たとえば弱者を相手にすると、自分が偉いように勘違いする人は実に多いのだ。あるいは高齢者に対して赤ちゃん言葉で話す看護師もいる。
どんなに取り繕っても滲み出てくる何事かを、私たちは一つの判断材料にしている。そうして私たちを頼りにしている高齢者や苦しみ困っている人達を、守れる限りは守らなければならない、と思っているのである。
私たち自身の苦悩は、私たちに厳重に課せられた守秘義務(民生・児童委員は、無給ではあるが、法的身分は地方公務員なのである)によって、見聞きしたことを誰にも話せず終生自分の胸にたたみこまなければならないことだ。あるいはまた、相談者や頼ってきた人をとんでもない劣悪な機関(劣悪な専門職)に引き合わせてしまいはしないだろうかという心配を、どこかに抱いていることだ。少なくとも私は、そうなのだ。
考えはじめると途轍もないストレスになる。それをはねのけながら福祉仕事をしているわけだ。したがって介護施設等のスタッフの立ち居振る舞いに敏感にもなるのだけれど、きょう見学させてもらった施設のスタッフのような専門技術と人格とが共に高いところで一致しているのを見ると、実際、ほっとしたのである。
介護施設や介護資格者が不足しているのは確かなことだ。一方で、介護保険を食い物にする悪徳業者がいることも事実だ。そうした業者の施設開所は、当該行政機関の書類審査が通れば認可されるわけで、行政機関が一々の新規開業を目論む施設を実見して隅々まで調べ、専従スタッフの質や人格を対面調査するのではない。したがって、後々にとんでもない事件、悲惨な事件、残虐な事件が起って、初めて気付くことにもなりうる。
いま私たちの社会は、介護ひとつをめぐっても、大きな矛盾をかかえながら動いている。民生委員は厚生労働大臣からの委嘱なのだが、先に書いたように無給で仕事をしているからこそ、中立的な立場でその矛盾をあからさまに見ることになるのである。
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