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自民党総裁選候補の安倍晋三官房長官や麻生太郎外相が,総裁選後の臨時国会での,教育基本法改悪案の成立に執念を燃やしています。特に,安倍氏は,教育基本法改悪を憲法改悪と一体で狙っています。 改悪案は,「慎重に」という国民世論を反映して,国会で継続審議となっているものです。 先の通常国会では,政府の改悪案には,憲法に背反する2つの大問題があることが,野党の質問で浮き彫りになりました。 ひとつは,政府の改悪案が,憲法第19条が保障した思想・良心・内心の自由を踏みにじるという点です。改悪案は,「教育の目標」として,「国を愛する態度」など20もの「徳目」を法律で決め,その「目標の達成」を義務づけ,子どもたちに強制しようとしています。 質問をきっかけに,いま各地で「愛国心通知表」を見直す動きが広がっています。「評価するのは難しい」(小泉首相)というなら,法案の道理そのものが成り立ちません。 もうひとつは,憲法が教育の自主性,自律性,自由を強く求めていることとの関係です。教育基本法の10条は謳っています。「教育は,不当な支配に服することなく,国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」。政府の改悪案は,この「国民全体に対し直接に責任を負つて」という文言を削って「この法律及び他の法律の定めるところにより」に置き換えています。 国会の論戦で,この教育基本法10条の改悪の狙いが,政府・文部科学省の裁量行政による教育内容への国家的介入を無制限に拡大し,合法化することにあると,明らかになりました。 安倍氏らは,「教育改革」といって,教育基本法改悪を強行しようとしています。しかし,マスメディアの総裁選をめぐるモニター調査でも,「教育改革」の課題として,「教育基本法改正案の早期成立」をあげた国民は,わずかで12項目中11位です。「全国学力調査の実施」をあげた人も少なく,下から3目の10位です。 教育基本法には憲法の国民主権の原理が流れています。教育は一人ひとりの子どもの主権者としての「人格の完成」を目指しておこなわれるべきで,未来の社会のあり方は,そのような教育によって成長した未来の世代の判断に委ねようというのが教育基本法の考えです。国策に従う人間づくりを狙う改悪案とは全く正反対です。国民が求めるのは憲法と教育基本法を生かした教育改革です。 「人格の完成」という考え方は,世界人権宣言(1948年)に盛り込まれ,人類共通の原理として豊かに発展しています。子どもの権利条約(1989年)は述べています。「児童の人格,才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること」。こうした目からみて,国連・子どもの権利委員会は,日本の「競争教育」に対して,政府に2度にわたる警告を発しています。競争に拍車をかける全国一斉学力テストは国際社会からの勧告にも,人類共通の原理にも反します。 日本の教育基本法を手本にして「学力世界一」になったという,フィンランドでは,競争主義を教育から一掃しています。学校と教師の自由と自主性を尊重し,「20人」学級が当たり前になっています。 この秋,子どもたちの成長を願う国民の力で,教育基本法改悪を許さないたたかいを盛り上げることが,日本の将来を担う子供たちの未来を作る意味でも非常に重要になってきます。
2006年08月31日
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イランに対しウラン濃縮を含む核開発の停止を求めた国連安保理決議の期限の8月31日が近づくなか,イランが8月22日に6ヶ国(米英仏中ロの安保理常任理事国と独)に示した回答への対応をめぐる論議が高まっています。アメリカは早くも対イラン制裁の構えをみせていますが,その他の国は慎重な姿勢です。 期限の8月31日の後,国際原子力機関(IAEA)は,イランの核開発が中止されたかどうかについて報告することになっています。6ヶ国はそれまで行動することを差し控えるとの立場を表明していますが,イランが濃縮停止の要求を無視しているとして,回答に「満足していない」との立場をとっています。ただ,「技術的な接触はありうる」との立場です。 ロシアのイワノフ国防相は8月25日,「制裁は効果があった試しがない」として対イラン制裁に明確に反対を表明。中国も同様の立場です。フランスのドストブラジ外相も同日,「イランやイスラム教国との紛争をエスカレートするようなことは避けなければならない」と,慎重な姿勢を示しました。 これに対しアメリカのボルトン国連大使はイランが濃縮停止に応じない場合,国連安保理の制裁決議を追求するのと並行して,アメリカの同盟国の「有志連合」によって制裁を追求するとの構えを明らかにしました。同大使は特に,日本や欧州諸国の銀行がイランとの金融取引の制限措置を取ることに重点を置くとしています。 イタリアのダレーマ外相は8月27日,伊紙とのインタビューで,同国が6ヶ国側に加わる用意があると表明しました。またアナン国連事務総長は来月9月2日にイランを訪問する予定です。 イランの核問題をめぐってはIAEAが今年2月,イランの核開発に「深刻な懸念」を表明したのを受けて,6ヶ国が6月初め,包括案をイランに提示。そのなかで核開発を停止すれば軽水炉供与も含めてイランに経済的協力をするとしていました。安保理は今月2日,核開発を停止しなければ制裁措置を検討するとの決議を採択しています。 21ページに及ぶとされるイランの回答の内容は明らかになっていませんが,イラン核問題の交渉責任者・ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は8月27日,この回答を補足する形で「核燃料の製造はイランの戦略目標だ」と述べ,「ウラン濃縮は決して停止しない」との姿勢を鮮明にしました。 一方でラリジャニ氏は,8月31日以前にも6ヶ国と外相級協議を行うよう提案しました。 イランの高官であるシャリアトマダリ師は6ヶ国の包括案には50項目の「曖昧な点」があるとし,軽水炉供与などの主体,責任者が「だれなのか」,「欧州連合(EU)なのか,アメリカなのか」と問題を提起しています。 イランのバゲリ外務次官は8月27日,核施設への抜き打ち査察を規定したIAEAの追加議定書の実施を受け入れる用意があるとも表明しました。 イラク同様,軍事力で解決しようとするアメリカですが,戦争で解決できることなど何もないのです。憎しみの連鎖を作ることで,アメリカ自身の利益を損なうことになってしまうのです。 NPT(核不拡散)条約を推進するアメリカなどの核保有国自身が,核兵器をこの地球からなくすことが,イランに対してもっとも効果のある説得になることだと私自身考えます。
2006年08月30日
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昨年8月29日,ハリケーン「カトリーナ」がニューオーリンズなど米南部を襲い,千数百人もの犠牲者を出しました。この災害では,州・市とともにブッシュ政権の対応にも批判が集中しました。被害から1年の諸相をみました。“温暖化 関係隠すな” 「カトリーナ」の被災から1年を前にした8月26日,“ブッシュ政権は地球温暖化とハリケーンの強大化の因果関係を隠すな”と市民が抗議行動を行いました。 メリーランド州の米海洋大気局(NOAA)前に集まった市民は約100人。主催者の「気候緊急事態協議会」のマイク・ティドウェル事務局長は指摘します。 「過去1年間でハリケーン強大化と地球温暖化の関係を指摘する研究が6つも明らかになったにもかかわらず,NOAAの指導部はその関係を否定し,研究者を検閲している。」 同氏は,多くの犠牲を出した「カトリーナ」の被害を繰り返さないために,科学者の責任として警鐘を鳴らすべきだと語りました。この間,「地球温暖化でハリケーンの威力が増す」などの研究結果が発表されています。 ニューオーリンズの環境NGO(非政府組織)で会長を務めてきたカレン・ウィンペルバーグさん(62)も参加,自身の被災の経験を語りました。ニューオーリンズがハリケーンに「最ももろい都市」だと指摘されたのは1995年だったと述べ,長年,対策がとられてこなかったと指摘します。 「今回の災害は,人災だということは明白です。イラク戦争に資源を使い,市を守れなかった。ブッシュ政権の政策を変えさせない限り,ハリケーンから沿岸都市は守れない」と訴え。「住民たちには1年たっても復興資金が届かない。政府の役割が見えない」とも述べました。 ニューオーリンズ出身の大学生,メリッサ・アモスさん(20)は,「避難した人たちのことを忘れないでください。貧しかろうが,彼らは米国市民です」と語りました。 このほか,女性団体や反戦平和団体の代表らも訴え。ブッシュ政権に対し「被災者たちに正義を。住民を帰還させろ」と求めました。“住民を見捨ててきた” 市内の80%が冠水したニューオーリンズは,約48万人いた人口の半数が未帰還のまま。被災から1年となる8月29日には,地元の被災者グループが中心になって「住民の帰還の権利を保障しろ」と訴えるデモ行進が予定されています。テキサス州ヒューストンからも避難している住民がバスで駆けつけるといいます。 主催団体のひとつ「人々のハリケーン救援基金」など被災者支援を進めるNGO(非政府組織)連合体のコーディネーター,カリ・アクノ氏(34)は,政府がニューオーリンズの住民を見捨ててきたと批判します。 住む場所を失い,帰還できない「20万人のほとんどが黒人で低所得の人々」だと指摘し,市内ではいまだに洪水被害が放置されたままだといいます。「連邦政府は数十,数百億ドルを復興資金に充てると約束したが,日々,再建に取り組む地域のNGOは自前で活動を行っているのが実態です」と語りました。 主催者は「人々は尊厳をもって帰還する権利を」と訴え,「手ごろな価格で安全な住宅環境,質のいい学校,まともな職,良質の健康保険」が保障されなくてはならないと主張しています。 また,8月29日の行動では,1,500人以上といわれる犠牲者を忘れずに追悼することを強調。これは,同市のネーギン市長が,カジノが後援する花火や入場料をとる催しを1周年記念の市の行事として計画したことに対抗したもの。市民は市長の計画に強く反発し,花火などは取りやめになった経緯があります。 救援基金のマルコム・スーバー氏(55)は,「いま求められるのは,お祭りではなく政治的意思です」と強調。「政府にその意思があれば,住民は必ず戻ってきます」と語りました。ブッシュ演説 対応遅れ認める 「カトリーナ」被災から1年を前にした8月26日,ブッシュ大統領はラジオ演説で「連邦,州,地方の政府がそのような大災害に備えていなかった」と対応の遅れを認めました。 また大統領は,洪水が「根深い貧困をさらけ出した」とも述べ,犠牲となった多くの住民は,移動の手段もない貧困層の人々であったことにも触れました。借家人に助成なく/公共住宅取り壊し/半数の病院閉鎖 被災者支援活動をしてきたニューオーリンズのロヨラ大学のビル・クリグリー教授は,被災から1年にあたり手記を発表。復興が遅々として進まない実態を紹介しています。【住宅状況】 トレーラーハウス(仮設住宅)=ルイジアナ州で73,000家族が居住。広さは約22平方メートル。ニューオーリンズ市に隣接するセントバーナード郡で入居待ちは1,600家族。 住宅所有者=連邦政府の住宅再建支援助成金に申請した住宅所有者はルイジアナ州で10万人以上。現在のところ支援資金を受け取った人はゼロ。 借家人=ニューオーリンズ市が失った賃貸住宅は43,000戸。借家人には,州政府からの住宅再建支援の助成金はない。 公共住宅=連邦政府は数千人の居住者の帰還を許可せず,5,000戸の取り壊しを計画。公共住宅に住んでいた住民の88%の世帯主が女性で,大半がアフリカ系。【避難民】 テキサス州のヒューストン市に15万人。うち,連邦緊急事態管理庁(FEMA)の住宅支援を受けるのが9万人。テキサス州全体では25万人。そのうち41%の家庭は月収が500ドル(約57,000円)以下,81%がアフリカ系,59%が無職。【水道・電気】 水道=水道管の破損による水漏れで,毎日200万ドルの損失。ロワーナインス区の水はいまだに飲むのに適切と認証されていない。 電気=市内で半数の住宅に通電しているが停電は日常化。民間電気会社の倒産で,何億ドルもかかると見られる発電機の修理がされていない。電気料金の25%増が計画されている。【医療】 半数の病院は閉鎖されたまま。州最大の公共医療機関のチャリティー病院は閉鎖され,再開の見込みがいまだに立たない。市内には,精神病患者のための病院がない。【公共教育】 100を超える公立学校に56,000人の生徒が登校していたが,今学期末には12,500人に。被災後,多くの地域教育委員会が学校をチャータースクール(公設民営学校)に明け渡した。現在,元の地域教育委員会が管理するのは4校,3校が州管理で,18校が新たにチャータースクールに。公立学校の7,500人の教師が解雇された。 戦争に出すお金はあるのに,アメリカ国民のためにはお金が出せない現状にアメリカの政治の問題点が見えてきます。日本は台風に加えて,地震大国です。いつ同じ様な状況になってもおかしくないのです。災害は忘れたころにやってくるのです。
2006年08月29日
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政府は沖縄新基地建設にむけた動きを強めています。額賀防衛庁長官は沖縄県などに,新基地建設計画を話し合う政府と沖縄県の協議機関の設置を認めさせました。月内にも立ち上げる予定です。 政府は,自らは拒否している沖縄県の「暫定へリポート」案を「議論はやぶさかでない」とか,振興策も「議論する」などといって沖縄県の「顔をたてる」形をとりながら,基地建設の早期着手を狙っています。しかし,名護市民はもちろん,沖縄県民の圧倒的多数は新基地に反対です。民意を無視し建設につきすすむことは許されません。 日米両政府の新基地建設計画は,米軍キャンプ・シュワブ(名護市)内の沿岸部と海部分に,1,800メートルの着陸用と離陸用の2本の滑走路と,格納庫や整備施設など40もの施設,さらには軍港まで完備する恒久基地をつくるというものです。 政府は「住宅の上を飛ばない」などといって,計画の押しつけをはかっていますが,これはごまかしです。米軍ヘリが住宅地を飛ばず,海だけ飛ぶというのはありえません。 普天間基地(宜野湾市)から飛ぶヘリの飛行ルートを熟知している伊波洋一宜野湾市長が「ありえない」と批判しています。普天間基地では飛行ルートは四方八方に設定されています。地上戦闘のための訓練であり飛ばないところはありません。 危険な事実を隠し通して新基地を建設しようなどもってのほかです。 政府は,最新鋭の輸送機オスプレイが新基地に配備されることについても,「知らない」といってきました。しかし,在沖縄海兵隊基地司令官は,衆院沖縄・北方特別委員会のメンバーとの懇談で,新基地の1,800メートルの滑走路は「C130輸送機やオスプレイが使える長さ」と述べました。配備計画を認めた発言です。 オスプレイは,ヘリのように垂直離発着し,固定翼機のように飛行する新鋭機です。航続距離を飛躍的にのばし,アジアの戦場にも直接参戦できます。同時に,事故が絶えない危険な輸送機です。計画があるのに「素知らぬ顔」をきめこんできた政府の責任は重大です。 新基地が爆音被害と墜落の危険を増大させる新たな元凶になるのは明白です。住民が新基地建設を拒否するのは当然のことです。 沖縄県民は,SACO(沖縄にかんする特別行動委員会)が普天間基地の県内移設を決めて以来,宜野湾市民(80,000人)に与える痛みと恐怖を,県内にたらい回しすることに強く反対してきました。辺野古沖への建設計画にも粘り強く反対し,断念に追い込みました。 今回の新基地建設計画にも名護市民の大多数は反対です。沖縄県民も7割が反対しています。 協議機関が目指すことは新基地建設です。それは県民の意思に逆らうものです。政府は民意にそって新基地の押しつけをやめるべきです。 沖縄県は,キャンプ・シュワブ内に普天間基地の機能を移す「暫定ヘリポート」案を,額賀防衛庁長官が議論してもいいといったことから,協議への参加をきめました。この案には県内から新基地建設容認につながるという厳しい批判が相次いでいます。普天間基地の即時閉鎖と早期返還を求める宜野湾市民と県民の願いにも反します。普天間基地の危険を除去する確かな保証は,普天間基地の国外撤去しかありません。 日本に米軍基地がなくなることを声に出して言わなければ,『100年経っても基地の国』です。本当に米軍基地が必要なのか国民的議論を沖縄県民だけでなく,日本国民は真剣に議論して欲しいものです。
2006年08月29日
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東京都葛飾区内のマンションに日本共産党の都議会報告などを配布した党後援会員・荒川庸生氏が住居侵入罪で不当に逮捕・起訴された葛飾マンションビラ配布事件で,東京地裁が無罪判決を出しました。 政治的言論の締め付けを狙う一連の事件で弾圧を追認する不当判決が続いたなかで,司法が自由と人権を踏みにじる政治弾圧に加担するのでなく「『憲法の番人』としての司法の役割が見事に果たされた」(弁護団声明),重要な勝利判決といえます。ビラ配布は犯罪でない 「この日は,民主主義,言論表現の自由がまた芽吹き始めた日です」-判決直後の集会で晴れやかにこう語った荒川氏を,支援者の大きな拍手が包みました。 荒川氏がおこなったことは,休日の午後に,自由に出入りもできる民間分譲マンションで,共用廊下を平穏に歩き,各戸のポストにビラを配布したというだけです。 日本国憲法第21条は「集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する」としています。戦前の明治憲法が「法律の範囲内」でしか言論の自由を認めず,治安維持法などの弾圧立法で言論の自由を侵したことへの反省からです。 誰もが自由にものを言え,だれもが自由にそれを取捨選択できることは,民主主義社会の根幹です。なかでもビラを配ることは,だれでもできるもっとも気軽な表現行為です。それを受け取る人の「知る権利」を含め,ビラ配布の権利はもっとも強く保障されるべきものです。 憲法が認める言論表現の自由を正面から否定することはさすがにできない警察,検察権力は,荒川氏の市民として当たり前の行為を住居侵入罪という別個の犯罪にしたてあげようとしました。なんとしてもビラ配布を有罪にし,裁判所に「違法行為」と認めさせることが狙いでした。それによって全国で無数におこなわれている同様のビラ配布にまで有形無形の圧力をかけ,言論を委縮させることを企む,徹頭徹尾政治的な言論弾圧だったのです。 しかし判決は,この企みを退けました。ビラ配布のためのマンションへの立ち入りには「正当な理由」があると認定し,違法性についてはマンションの形態や個々の事例に応じて「社会通念を基準」に判断されるべきだとしました。荒川氏については,「住居侵入罪を構成する違法な行為であるとは認められない」として,そのビラ配布が犯罪行為ではないことを明確に認めたのです。 言論表現の自由を否定し,住居侵入の罪を非常識なまでに拡張解釈して荒川氏を罪に陥れようとした警察,検察の狙いを許さなかった判決は,憲法の掲げる基本的人権に合致し,社会の常識に沿ったものであるだけに強い力をもちます。検察は控訴せずに判決に服し,荒川氏の無罪を確定させるべきです。 葛飾事件のほかにも,大分県豊後高田市の日本共産党・大石忠昭市議の事件,国公法弾圧堀越事件,世田谷国公法事件などビラ配布をめぐり不当に起訴された重要な事件が各地で同時にたたかわれています。 ビラ配布に対する弾圧は,国政や地方政治の民主的改革を願う国民の要求と運動を抑えつけようとする攻撃に他なりません。 葛飾事件に続き,すべての裁判に勝利し,国民の要求と運動を発展させるための言論表現の自由と権利を確立するたたかいを,全国で広げることがますます重要になってきています。
2006年08月28日
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東京都葛飾区のマンションで日本共産党の都議会報告などのビラを配った荒川庸生さん(58)が,住居侵入罪で不当に起訴された弾圧事件は,8月28日に東京地裁で判決公判を迎えます。14回にわたった公判では,同事件が日本共産党の政治活動を狙った憲法違反の弾圧であることが浮き彫りになりました。 荒川さんは2004年12月,葛飾区のマンションに日本共産党の都議会報告,区議団だより,アンケート用紙と返信封筒を配布しました。ビラ配布という憲法で保障された言論・表現の自由,政治活動の自由の行使を,東京地検は「住居侵入」だと言いがかりをつけ起訴したのです。 しかし荒川さんは,平日の日中,マンションの正面玄関から入り,1人で静かにドアポストにビラを投函しただけ。物理的に閉ざされていない廊下などの共用部分に入っただけで,住居侵入罪にあたらないことは常識からみても明らかです。 これに対して警察が行った捜査は異常なものでした。 公判では,住民の110番通報を受けた警視庁通信指令本部の貝原大介巡査長が出廷。110番聴取のためのモニターに「共産党員?がビラのようなもの投げ込み」などと記し,管轄する警察署に注意を喚起する「重要ブザー」を押した,と証言しました。その結果,現場には8人以上もの警官が駆けつけ,亀有署の刑事・組織犯罪対策課の課長と同代理,警備課の公安係も含まれていたことが明らかになりました。マンションの実況見分も警視庁公安部が指揮しました。 立命館大学法科大学院の松宮孝明(刑法),市川正人(憲法)両教授が証人出廷。荒川さんのビラ配布は住居などへの「侵入」にはあたらず,刑罰を適用することは憲法違反になると証言しました。 不当に逮捕され,23日間もの長い間勾留されました。先の見えない不安の中,接見した弁護士さんから,ガラス越しに新聞に載った記事を見せられました。妻が集会で支援の方たちに寄せたメッセージでした。 「夫はこの弾圧は個人を超えた事件であり,今後の歴史の流れを左右する重大な問題であることを認識し,自らその渦中に身を置きたたかっています」。 この間,反戦ビラをまいたことで逮捕されたり,「日の丸・君が代」に反対して教師が処分されるなど,民主主義や表現の自由に対する一連の攻撃が続きました。 憲法に高らかに謳われている平和と民主主義,基本的人権がないがしろにされ,言論・表現の自由が露骨に妨害されることを目の当たりにして,こうした流れが憲法や教育基本法などの改悪につながることに不安を感じます。 だからこそ,知る権利,伝える権利としての大切な手段であるビラの投函行為を絶対に犯罪にしてはなりません。負けられない裁判だと思います。 宗教者として農協運動に携わってきた厳格な父のもとで育った荒川氏は,社会の不正義や不平等への怒り,困っている人へのいたわりや命を尊び,平和を愛する思いが思想形成の基盤となり,当然の帰結として日本共産党を支持するようになりました。平和な世の中で,だれもが平等に人生をまっとうできる社会は,日本共産党の政策でこそと信じたからです。 この国に再びものをいえぬ暗闇をもたらすのか,言論・表現の自由を守るかの岐路を決する重要な裁判です。裁判所には公正な判断を心から願いたいものです。
2006年08月28日
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ビラの配布という市民の日常の当たり前の行為が不当にも起訴され裁判となっている4つの事件が,現在極めて重要な局面を迎えています。 2003年一斉地方選挙で大分県豊後高田市の日本共産党・大石忠昭市議が,告示前に後援会ニュースを配布したことを戸別訪問,文書違反,事前運動として起訴された大石事件で,大分地裁が今年1月,罰金15万円,公民権停止3年の不当判決を出しました。 「選挙の自由をひろげ大石さんを守る会」は7月に開始された控訴審で,さらに公正裁判を要求する署名を大きく集中することなど,世論と運動を広げるために奮闘しています。 国公法弾圧堀越事件と世田谷国公法事件は,目黒社会保険事務所勤務の堀越明男さんが2003年10月,11月,厚生労働省勤務の宇治橋眞一さんが2005年9月,いずれも休日,居住地や職場から遠く離れた場所で職務と無関係に,「しんぶん赤旗」号外などを集合ポスト等に投函したことが,国家公務員法・人事院規則の政治活動の制限違反として起訴されたものです。 堀越事件は,警視庁公安部主導の大がかりな尾行など捜査の違法性や,国公法は憲法,国際自由権規約に違反,職務の公正な執行を侵害しておらず罰するに値しないなどを論証しましたが,6月に有罪判決が出されました。有罪の理由は,勤務時間外でも公務員の政治活動を少しでも認めれば,それが累積して「行政の中立的運営に対する国民の信頼を損なう」という時代錯誤のものでした。ところが,罰金10万円に執行猶予2年という異例の判決で,有罪の理屈がいかに根拠がないかを自認,ここに弁護側の立証と支援運動の成果が表れています。弁護団と「国公法弾圧を許さず,言論表現の自由を守る会」は,控訴審で一審判決を全面的に打ち破るために取り組みを一層強化することにしています。 世田谷国公法事件の公判では,住居侵入で逮捕しながら国公法違反で起訴したことに対し,集合住宅の郵便受けへのビラの投函という,もともと住居侵入に当たらない行為で逮捕して集めた証拠をもとに,国家公務員だからと国公法違反で起訴したことの不当性,国公法が憲法と国際自由権規約に違反することを立証するために全力をあげています。 さらに,葛飾マンションビラ配布事件は,2004年12月,葛飾区の後援会員・荒川庸生氏が開放型マンションの各戸郵便受けに日本共産党の葛飾区議団だよりなどを配布したことを住居侵入だとして起訴されたもので,東京地裁の判決が8月28日に言い渡されます。マンションの郵便受けに政党の政策や活動を知らせるビラの配布は,何よりも憲法の保障する言論・表現,政治活動の自由として最大限に尊重されなければなりません。「葛飾・ビラ配布の自由を守る会」は裁判勝利をめざす7・19総決起集会を成功させ,わが国に基本的人権を根づかせようと運動を強めています。 ビラ配布に対する弾圧は,国政や地方政治の民主的改革を願う国民の要求と運動を抑えつけようとする攻撃に他なりません。ビラ配布4裁判に勝利することは,私たちの要求と運動を発展させるための言論表現の自由と権利を確立するたたかいでもあります。 国民救援会などで,これら言論弾圧4事件のネットワーク作りの努力もすすめられ,各地で新たな支援の輪が広がっています。いまこそ,憲法改悪の動きを打ち破り,わが国に言論表現の自由,選挙・政治活動の自由,公務員の市民的政治的自由を確立するたたかいとして,国民的な世論と運動を発展させることが必要になってきています。
2006年08月27日
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規制緩和など「構造改革」路線の旗振り役となってきた竹中平蔵総務相の「理想を実現」すると自称する組織が,同氏の政治活動を支援しているにもかかわらず,資金源や支出先を公開しない不透明な活動を行っていることが問題になっています。政治資金規正法の網を逃れた組織の実態とは? この組織は「シンクタンク」の看板を掲げる中間法人「トリガーラボ」(東京都港区)。ホームページ上でみずからの組織を「竹中大臣の理想を実現するための組織,通称“竹中平蔵経済研究所”です」とうたっています。竹中氏の講演会を主催するなどしています。 法人登記によると,トリガーラボは2004年10月に5,000万円の基金で設立されました。2005年4月には基金を9,000万円にまで増額。竹中氏を支援する活動は,この基金が元手になっているとみられます。 しかし,トリガーラボは中間法人の形態をとっているため,収支の公開は義務付けられていません。政治家である竹中氏を支援する活動をしたとしても,その資金がどこから拠出されているか,どこにいくらカネを支出したかなどは,明らかにされません。 中間法人と政治家の関係では,自民党が中間法人のシンクタンクを設立し,企業経営者らを対象に高額セミナーを開催して資金集めをしようとしていることも明らかになっています。(8月11日のブログに記載) 6月,トリガーラボの活動が目に見える舞台がありました。同法人が,株式会社大学「LEC東京リーガルマインド大学」と東京都内の同大学で共催した「竹中塾公開講座」。数百人の若者を前に,竹中総務相本人が講演しました。「不良債権を2年半で半減させるといったら袋だたきにされた」,「規制がたくさんある。改革の手をゆるめてはいけない」 参加した男性は「“講座”は自画自賛というか,構造改革の礼賛でした。相変わらずの規制緩和万能論をぶっていた。学生に構造改革がいいことだと宣伝する意図があるのではないか」と感想を話します。 トリガーラボ自身,ホームページで「なぜ構造改革が順調に進展しないのか」を問題意識に,「竹中国務大臣が民間人だったらやりたかったことである,志ある若者の育成」のために設立したとしています。 「竹中塾」公開講座への参加は無料。計5回開かれ,第4回までに1,600人以上が参加しているといいます。 竹中総務相は同法人との関係を国会でただされ,「政治活動はしていないと聞いている」,「たしか1回10,000円ぐらいの講演料を戴いていたと思う」などと述べています(3月の参院予算委員会)。 所得報告によると,竹中総務相は2005年,講演料,出演料,印税による「雑所得」が計約1,950万円ありました。 トリガーラボは,構成メンバーにも竹中氏と密接な関係を持つ人が入っています。顧問に経済財政諮問会議の議員である本間正明氏(大学教授)が就き,ほかにも野村修也金融庁顧問(同)ら政府の審議会メンバーや政府関係者が多数参加。木村剛・日本振興銀行会長の名前もあります。理事を務めるのは,竹中氏が教べんをとっていた慶応大学の跡田直澄教授です。 トリガーラボをめぐっては,民主党国会議員が6月16日,「政治活動を行いながら,政治資金規正法に定める収支報告などの報告を行わなかった」政治資金規正法違反があるとして,同法人理事を東京地検に刑事告発しています。 これに対し,トリガーラボはホームページ上で「当組織は,…政治活動とは全く無関係で,告発は事実無根」と反論。この件に関しての取材に対して,トリガーラボからは回答がありませんでした。 自民党・公明党連立与党は政権を担う政党として,そもそも政治資金規正法が制定された趣旨を理解して実行する立場にあります。それが,脱法的に政治資金を集める団体を利用して,その収支報告をしないことを自ら行うことは,法治国家としてそれを治めるものの資質が問われます。 政治資金規正法を厳格に守り,企業団体献金も受け取らず禁止して,政治家自身や大企業のためではなく国民のための政治をして欲しいものです。【参考】 中間法人 2002年4月に導入された新しい法人制度。町内会やサークルなど,「非公益かつ非営利目的」の団体にも法人格の取得が可能になりました。基金の総額や役員などは登記しますが,財務内容や事業報告書などは公開義務がありません。
2006年08月26日
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防衛庁の発表によれば,2005年度の日米共同訓練・演習の日数が激増しています。その背景には,日米両政府が進める在日米軍再編があります。 ブッシュ米政権は「テロとのたたかい」を口実にした「長い戦争」(ザ・ロング・ウオー)をたたかい抜くため,同盟国を動員する戦略をとっています。 在日米軍再編に関する昨年10月の日米共同文書(いわゆる「中間報告」)は,地球規模での米軍と自衛隊との軍事協力を「同盟の重要な要素」と位置付け,両軍の一体化を「部隊戦術レベルから戦略的な協議まで」の「あらゆるレベル」で進める方針を盛り込みました。海外での米軍の「長い戦争」に自衛隊を組み込み,ともに軍事作戦を展開する―。ここに在日米軍再編の狙いのひとつがあります。 そのために,米軍と自衛隊の司令部機能の統合や基地の共同使用の拡大などのほか,日本国内はもちろんグアムやアラスカ,米本土での共同訓練を増やしていくことを打ち出しています。 沖縄配備の航空自衛隊と米空軍の部隊による共同訓練の激増,空自によるグアムでの実弾爆撃訓練,陸上自衛隊の米本土での共同訓練の増加…。まさに,在日米軍再編で打ち出された方針が軍事の現場で先取り的に進んでいることを示しています。 2005年度に実施されたそのほかの訓練・演習でも,この方針は貫かれています。 例えば陸自は,国内での共同実動訓練のどれでも,米軍がイラクで「掃討作戦」と称して展開しているような市街地戦闘の訓練をしています。米側の参加部隊は“イラク帰り”“アフガン帰り”の部隊でした。 陸・海・空の三自衛隊の調整にあたる統合幕僚会議は,在日米軍司令部と共同統合指揮所演習(2月-3月)を実施しました。同演習は,三自衛隊の運用を三月末に新設した「統合幕僚監部」へ一元化するのに備えた「態勢移行準備訓練」という位置付けでした。 三自衛隊の統合運用に向けた準備を共同演習の形で行うのも,在日米軍再編の中で,日米共同統合作戦センター=米軍と自衛隊の“統合司令部”設置が計画されているからです。 在日米軍再編では,さらに共同訓練・演習の強化が計画されています。 在日米軍再編の「最終報告」(5月)に盛り込まれた,全国5ヶ所の空自基地での米軍と空自の戦闘機などによる共同訓練の計画も,そのひとつです。早ければ今年度中にも強行されようとしています。 また「最終報告」に基づき陸自は,今年度中にも沖縄の米海兵隊基地キャンプ・ハンセンで訓練を実施しようとしています。 キャンプ・ハンセンには,「コンバット・タウン」と呼ばれる市街地戦闘訓練施設があります。米海兵隊は昨年11月,「コンバット・タウン」でイラクの都市ファルージャに見立てた諜報訓練を実施していたことが分かっています。 自衛隊がハンセンを共同使用し,日常的に市街戦訓練を行うようになれば,イラク型戦争をたたかう能力が一層強化されていく危険があります。 専守防衛が基本の自衛隊ですが,他国への侵略戦争のためにその能力が使われないことを強く願います。
2006年08月25日
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在沖縄海兵隊のジョセフ・メディーナ准将(キャンプ・バトラー基地司令官)は8月23日,在日米軍再編で計画されているキャンプ・シュワブ沿岸部への米海兵隊新基地で,垂直離着陸機オスプレイの使用が可能であることを明言しました。 視察に訪れた衆院沖縄・北方特別委員会のメンバーとの懇談の席で,野党議員らがただしたのに対し,答えたものです。 野党議員は,1996年の日米合意(SACO合意)では,新基地の長さが1,500メートルだったのに,在日米軍再編の計画では,なぜ1,800メートルになったのかとただしました。 メディーナ准将は,在日米軍再編の協議では,アメリカ側として2,000メートルの長さを要求したことを明らかにした上で,「(協議の結果)1,800メートルになった」と指摘。「1,800メートルは,有事の際にはC130(輸送機)やオスプレイが使える長さだ」と述べました。 米海兵隊はすでに,早ければ2012年から,沖縄にオスプレイを配備する計画を明らかにしています。しかし,日本政府は「現時点では具体的には決まっていない」という説明を繰り返しています。 メディーナ准将の言明は,新基地でオスプレイが運用される危険を改めて示すものです。 衆院沖縄・北方特別委員会は8月22日から,沖縄の米軍基地などを視察していました。視察には,自民党,民主党,公明党の各党議員も参加しました。 在沖縄海兵隊のジョセフ・メディーナ准将は8月23日,衆院沖縄・北方特別委員会のメンバーに対し,キャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設について「フローチャート(工程表)には,やるべき仕事が書かれている。たくさんやらなくてはならない。そうしないと(完成予定の)2014年までに間に合わない」と述べ,建設に向けた詳細な計画書を作成していることを示唆しました。 またケビン・メア在沖縄米国総領事は,「移設」元となる普天間基地について,「厚木(基地=神奈川県)も市街地の真ん中にある。横田(基地=東京都)も,福岡(空港)もそうだ。それに比べて(普天間基地が)危険だということはない」と述べました。市街地上空での飛行訓練が日常化している普天間基地の危険な実態について,開き直ったものです。 メア総領事は,地元紙のインタビューでも普天間基地について「飛行場として特に危ないとは思わない」(琉球新報,8月11付)と述べ,地元の批判を招いていました。 国民の反対の声を裏目に,着々と進む米軍再編ですが,未だその財源について回答を示さない自民党・公明党連立与党そして小泉内閣。消費税増税を一緒になってその必要性を説いている民主党も米軍再編には賛成しています。今までの消費税が法人税減税分に充てられたという歴史が示すように,今回の消費税増税も米軍再編費用そして防衛費に充てられるのではないかと非常に危惧しています。 あまりに騙されすぎる日本国民。これまで同様,黙っていては国民の生活は決して良くはなりません。平和で安全な社会のために,米軍基地は必要不可欠なのでしょうか?【参考】MV22オスプレイ 両翼のローターの向きを動かすことで,ヘリコプターのように垂直に離着陸することや,固定翼のプロペラ機のように飛行することができます。海兵隊員や装備を輸送し,敵地への遠征強襲作戦などを行うのが任務。試験飛行中に墜落事故を繰り返し,今年三月に米本土へ実戦配備された直後にも,墜落事故を起こしています。
2006年08月24日
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岐阜県庁で表面化した巨額の裏金問題は,梶原拓前知事をはじめ県中枢を含む県庁ぐるみの不正な資金操作が長期間続き,その隠ぺいに県職員組合までがかかわったという底無し腐敗の様相をみせています。 主権者である住民の福祉・サービスのために税金の運用を託される官庁が血税を私物化し浪費する―こんな背信行為を一掃するために徹底した真相究明と責任追及が必要です。清算しなかった県 「国,自治体を通じる裏金づくりは十分承知していた。いずれにしてももう済んだこと」―事件発覚後に梶原前知事が会見でのべた言葉は,耳を疑わせるものでした。昨年2月まで4期16年間にわたって岐阜県政を牛耳り,全国知事会長まで務めた梶原氏にして,裏金は「国でも自治体でもやっていること」という程度の認識だったのです。 岐阜県では,県庁の各職場で,実際には行っていない出張旅費の計上(カラ出張)などの不正経理による裏金づくりが数十年前からおこなわれてきました。ピークの1994年度には県組織全体で4億6,600万円もの裏金がつくられました。旧建設省出身の梶原氏のもとで,国の役人への接待も派手になったといわれます。 当時,裏金は国,地方自治体のかなりの部分に広がる悪習でした。市民の立場で行政の監視活動をしている全国市民オンブズマンが役人同士の飲み食いに巨額の税金を使う「官官接待」を告発したのは1995年。カラ出張をはじめとする裏金づくりの実態に怒りが広がりました。 世論の批判の前に,25都道府県で総額436億円もの不正経理が公表され,知事や職員への処分,OBも含む公費への返還など自浄努力がされました。「こんな税金の無駄遣いはやめよう」という社会的な合意の上に多くの自治体が裏金の清算に向かわざるをえなかったのです。 ところが岐阜県では,梶原知事や幹部職員が「岐阜県には不正がないと確認している」と断言しました。ウミをだすべきときにそれができなかった県政は,県民へのウソの上に,さらに背信行為を重ねることになります。裏金の隠ぺい工作です。 1998年からおこなわれた県職員組合の口座への裏金2億5,600万円の移し替えはとくに重大です。組合の資金には県の監査が及ばないことに目をつけ,当時の森元恒雄副知事(現自民党参院議員)が指示したものです。県の責任はもちろん,本来,腐敗をただすべき労働組合が隠ぺいに手を貸すのでは,住民への責任は果たせません。 残る約2億円はそのまま各職場の担当者が保管しました。裏金の処理に困った職員が500万円もの血税を焼いて処分したという県の調査結果も信じ難いものです。県が依頼した弁護士による検討委員会が月内に提言をまとめますが,どこまで真相に迫れるのかが注目されます。 裏金問題の真相解明,前知事をはじめとする県中枢部の責任と処分を求める署名運動を呼びかけ,県民からは「裏金は議会,マスコミ対策にも使われており,糾弾できるのは共産党しかいない」という期待の声が寄せられています。 昨年発覚した経済産業省大臣官房の裏資金,各地の警察の捜査報償費問題など,官庁の裏金問題は過去のことでも,岐阜県政だけのことでもありません。国政でも,地方でも,私たち主権者が監視を強め,世論を広げて,腐敗のない公正な行政を求めていくことが不可欠です。
2006年08月23日
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悪質な住宅リフォーム(補修・改修)被害が急増しています。 「家屋を無料で点検します」などと高齢者の家にあがりこみ,「このままでは家がつぶれる」という脅しで不要な工事を契約させ,代金をだましとるのが手口です。被害も高額化し,自宅や老後の蓄えをむしりとられる悲惨な事例も少なくありません。広域で活動する組織的詐欺グループも現れるなど深刻な社会問題となっており,対策が急がれます。 警察庁のまとめでは今年上半期に悪質リフォームを特定商取引法違反で摘発した事件の被害総額は前年同期比で32億円増の158億円,検挙件数は同30件増の49件と激増しています。国民生活センターに寄せられる苦情・相談件数もこの10年間で3倍に増え,この数年は年間10,000件近くに達しています。 これらは悪質リフォームの被害全体からみれば氷山の一角にすぎません。警察が犯罪として認知・摘発した事件,国民生活センターに相談された事例の背後には,その何倍もの泣き寝入りさせられた人たちがいるのが常だからです。 悪質リフォームがとりわけ卑劣なのは,判断力が弱りがちなお年寄りを狙い撃ちにしていることです。 世帯主が65歳以上の高齢者世帯は全世帯の1/3を超え,うち8割は一戸建てに暮らしています。独居や認知症のお年寄りに十分な判断ができない状態で契約させる(判断不十分者契約),一度契約を結ぶと入れかわり業者が来て次から次に契約させられる(次々販売)―こんなやり方で被害は深刻化します。 被害拡大の背景にクレジットがあることも見逃せません。悪質業者は消費者に支払い能力がなくてもクレジットを利用させて契約をとるからです。高額のクレジット契約を結ばされ家を競売にかけられるような被害も多く,クレジット会社が詐欺の「共犯」のような位置にいます。▽契約は複数業者から見積もりを取るなど手間と時間を十分かける▽家族や身近にいる人が注意する▽不審に感じたら公的機関に相談する被害の現場ではこうした防止策が考えられます。しかし,相手が犯罪者集団だけに限界があります。 これまで後手にまわってきた行政が本格的な対策をおこなうことが必要です。肝心の消費者センターが予算も人員も減らされているような逆行はあらためなければなりません。被害者の救済と悪質業者の排除へ,実効ある対策に乗り出すべきです。 国会では,野党が「次々販売」やクレジット会社の責任を追及,全国信販協会がリフォーム関連業者との加盟店契約を総点検し悪質業者との取引停止をすすめる道筋をつけました。2004年には消費者の権利と国・地方自治体,事業者の責務を明記する消費者保護基本法改正案大綱を発表し,消費者被害根絶に向け積極的な提案をしてきましたが,残念ながら,被害が後を絶ちません。 いま,長く消費者運動にたずさわってきた人たちの間で「消費者保護基本法ができた1960年代末から今日まで,こんなに心がすさんだ商売が横行した時期があっただろうか」という声があがっています。 「規制緩和万能」の風潮のなかで,「消費者行政は保護から自己責任の時代にかわった」という議論が一部にあります。しかし,消費者が被害にあわないよう支援するのは国・自治体の責任です。それをしっかりと土台にすえ,悪質商法の根絶に向かわなければなりません。
2006年08月22日
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トヨタ自動車,キヤノンなど東証一部上場の大企業は,輸出と「リストラ効果」によってバブル期を上回る空前の利益をあげています。しかし,法人税収は,バブル期を下回っています。 なぜでしょう。法人税率の引き下げなど,企業に課せられる税金が,この間,一貫して軽減されてきたからです。 資本金10億円以上の大企業に限ってみてみましょう。1986年と比べると地方税を含めて約3.4兆円の減税,1997年と比べても約2.4兆円の減税になっています。 高額所得法人(日銀を除く)上位10社の減税額(推計)だけでも,研究開発減税や外形標準課税などの減税も加えると,1986年比で約8,500億円,1997年比でも,約5,900億円に達します。 その上,1999年に制定・施行された「産業再生」法には,大企業がリストラすればするほど,減税になる仕組みが盛り込まれました。 2005年7月末までに同法に認定された件数は372件。認定された「再生」計画の人員削減数は,99,608人に達しました。同制度による登録免許税の減税額は合計で980億7,500万円にのぼっています。 労働者を1人削減するたびに企業は約100百万円の減税を受けた計算になります。税収減は消費税で穴埋め 経済動向による増収効果を,法人税減税などの税制「改正」による減収効果で相殺している。政府税制調査会に示された資料は大企業優遇税制が税収を空洞化させている実態を浮き彫りにしました。 同資料によると,2006年度の法人税収は,1990年度と比べて,4,000億円減少しています。大企業の好調さなど経済動向による法人税の増収が3兆円あったのに,税制「改正」による法人税の減収効果が3.4兆円となったためです。 その背景には,財界・大企業の強い圧力がありました。 「法人税を下げて日本の産業競争力を強化することが必要」(日本経団連機関紙『経済トレンド』7月号)。日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)はこう強調します。 日本経団連は,毎年の税制「改正」に関する提言や政党に対する「優先政策事項」の中などで,法人税率の引き下げをはじめ,研究開発減税など大企業優遇税制を一貫して求めてきました。献金をテコにした大企業優遇税制の要求。法人税収の減収はその結果です。 法人税収の減収の穴埋めをしてきたのが,消費税による税収です。1989年の消費税導入いらい17年間で消費税収の累計は約175兆円です。同時期の法人税三税(法人税,法人事業税,法人住民税)の減収分の累計は約160兆円です。庶民増税による税収増分が大企業への減税で消えた形です。儲けに応じた負担こそ これまでみてきたように,大企業は史上空前の利益をあげながら,法人税収は税率引き下げや研究開発減税などの恩恵を受け,落ち込んでいます。 一方,企業が使い切れずに手元にためこんだ余剰金は,2006年3月末(速報値)で,114兆円に達しています。企業の「金余り」もまた史上空前の規模です。 いきすぎた大企業減税を見直し,大儲けをする大企業に応分の負担を求めることこそ,「財政危機」打開への道です。企業の公的負担は-日本はフランスの1/2 大企業・財界の要求にそって,大企業減税を進めてきた小泉自民・公明内閣。その口実は「国際競争力の強化」でした。 日本経団連は2006年度税制「改正」に関する提言でも,国際競争力強化を念頭に「(法人実効税率の)引き下げが急務」と強調しています。 引き下げが急務なほど,日本の企業負担は大きいのでしょうか。 各国の地方税などを含めた実効税率を見ると,日本の39.54%に対して,アメリカ40.75%,ドイツ38.34%などと,日本が突出して高いわけではありません。 さらに,企業の社会保険料負担も加えた企業の公的負担を見ると,日本は欧州の各国と比べても低い水準です。フランスの1/2にすぎません。 “これ以上の負担を増やしたら,国際競争に負ける”というのは,結局,儲けに応じた負担を避けるための口実でしかありません。【連結納税制度】 企業グループ全体を一つの法人とみなして個々の法人の所得を連結し,連結所得に応じた法人税の納税を認める制度。企業グループは,黒字会社の利益を赤字会社の損失と相殺することによって,全体の課税所得を小さくし,納税額を小さくすることができます。財界の強い要請にこたえ,2002年度に導入されました。【外形標準課税】 資本金1億円を超える企業の法人事業税に,儲けに対して税を課す部分(所得基準)と,企業の規模を基準として税を課す部分(外形基準)を導入したもの。所得にかかる税率が引き下げられたことで,利益の大きい大企業にとっては減税になります。一方,外形基準への課税によって,利益の少ない企業や赤字企業は増税になりました。【研究開発減税】 企業の試験研究費総額の一定割合を法人税額から差し引ける制度です。2003年度に導入されました。控除割合は8%から最大10%で,06年3月末までは2%の上乗せ措置がありました。これに加え2006年度税制「改正」では,試験研究費の増加額については,最大15%の税額控除率を導入しました。【「産業再生」法】 正式名称は「産業活力再生特別措置法」。1999年8月制定,10月に施行されました。リストラを予定している企業がリストラ計画を作成し,国に申請します。一定の基準を満たせば国がその計画を承認し,会社設立や増資,企業の合併・分割のときにかけられる登録免許税などの減税などを受けられます。もともとは2003年3月末までの時限立法でしたが,2003年に,小泉内閣のもと,適用範囲を拡大した上で,5年間延長されました。《参考資料》
2006年08月21日
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今月の13日からカナダのトロントで開かれていた国際エイズ会議(国際エイズ協会主催)は18日,各国がエイズウイルス(HIV)感染予防・治療の各分野で対策を強化することを呼びかけ,閉幕しました。 エイズ患者をはじめ医療関係者,政府機関など170ヶ国から約26,000人が参加した同会議は,エイズの予防・治療における各国,各分野の取り組みの進捗状況を検証。参加者からは,アフリカで100万人以上が治療を受け,治療分野で一定の前進が見られる一方,世界全体では76%の患者が必要とされる治療を受けられずにいる実態が指摘されました。 閉会式では,医療従事者の確保の必要性や,先進国の政治的意思を促す声が上がりました。 世界保健機関(WHO)のノードストローム事務局長代理は,新たな財政メカニズムの構築で各国政府が対策を優先的に位置づける必要性を指摘。すべての患者が治療を受けられる「ユニバーサルアクセス」達成のカギは,医療従事者の確保だとし,「医療従事者不足が解消されない限り,治療費用や薬が改善されても人命救助に長期的な変化を生み出すことはない」と語りました。 WHOは,エイズ対策のために世界で400万人以上の医療従事者が必要だとしています。 国際エイズ協会のカーン新会長は「知識や斬新な研究も政治的意思なくしては効果がない。この病を食い止めるために政治的意思は絶対不可欠だ」と述べ,「主要国(G8)の指導者たちに,2010年までに予防・介護・治療でユニバーサルアクセスを達成するとした公約に従うよう圧力を強めなくてはならない」と強調しました。 国連のエイズ特使を務めるカナダのステファン・ルイス氏は,世界のエイズ対策費は2005年に83億ドル(約9,600億円)へと大きく増加したものの,2006年に150億ドル(約1兆7,400億円),2008年には220億ドル(約2兆5,500億円)が必要だと訴えました。 ルイス氏は,9人に1人がエイズ患者だと言われる南アフリカ政府が治療対策に乗り出していないことを指摘。アフリカ諸国で唯一,治療対策に「鈍く,無関心な国」だと批判しました。 会議の議論や研究成果は,60を超える報告にまとめられました。国際エイズ会議は,2年ごとに開かれ今回で16回目でした。 世界ではこれまでに約6,500万人がHIVに感染し,2,500万人以上がエイズで死亡したと推計されています 先進国の中で,日本はHIV感染者数の伸び率が大きいくにです。日本政府もエイズ対策に本腰を入れることを望まれていますが,相変わらず厚生労働省は数値の発表するだけです。厚生労働省もそろそろ具体的な対策を施さないと取り返しのつかない事態になってしまいます。
2006年08月20日
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民主党は衆参国会議員や地方県連に従来自民党の支持基盤になってきた各種業界団体へ足を運び民主党への理解を求めるよう指示しています。来年の参院選へ向け自民・保守層の切り崩しに狙いがあります。 民主党は今月7日に「団体対策の強化と『職域支部』の設立について」を都道府県連に通知しました。そこで「従来は与党一辺倒と思いがちであった職域団体にも積極的に足を運び意見交換を行い,相互理解を深めることが重要」として,各種の業界団体への訪問活動や懇談会を開催するなど連携強化をはかるよう指示。職域団体に民主党支部をつくるよう勧めています。 民主党が各種業界団体へ力を向けるのは小沢一郎氏の代表就任後のことです。自民党幹事長,同総務局長として自民党の選挙を取り仕切った経験から,小沢代表は「固まっている票田」としての業界団体への対策を重視。4月の衆院千葉7区補選でも小沢氏は企業・団体回りを重視する選挙を展開しました。6月には自民党の有力基盤のひとつだった茨城県歯科医師会に民主党支部を立ち上げました。近年,業界団体の結束は弱まってきているというものの,雲をつかむような無党派層を考えれば,なお選挙における効果は捨てがたいものがあるという認識です。 自民党基盤に切り込む同党国会議員の対話活動をバックアップするために民主党が“虎の巻”として今月10日に用意したのが『自民党・小泉路線に関する主要資料集』。家計・経済,社会保障,子育て支援,制度改革,外交安保関係の5項目にわたって自民党の主張に対する反論材料を盛り込みました。 しかし資料集では憲法,教育基本法の改悪問題や消費税の増税問題,格差社会を招いた規制緩和政策など自民党と共通認識に立つ基本問題は触れられていません。 自民,民主両党の政策の近似性については「極めて政策が似てきているし,似てきたなかでどちらに(票を)入れるかというと,もはや好感度しか残っていないのかも」(御厨貴東大教授)との指摘もあります。 民主党は自民党との対立軸を打ち出せるか。「あえて探せば党首の顔の違いかなあ」。民主党参院議員の苦しいことばです。 自民党も民主党ももともとは「同じ穴のムジナ」(少し言葉が汚くてすいません)なので,当然組織も基本的な考え方も行動も同じなのは当たり前です。しかし,マスメディアはあえて「二大政党制を問う」と報道し国民を煽るのはなぜなのでしょう?マスメディアに関わる人間ならば,自民党と民主党の政策に違いがないことなど知っているはずです。 思うに報道の中立性がもはや維持できていないほど会社の中枢まで,その影響力が無視できないところまできているのでしょうか。私自身は,自民党も,民主党も,公明党も,政策そのものを選挙争点にしたくないという強い思惑があるからだと考えます。選挙の争点は「人気投票」程度にして,国会に論争の場にはどうせ国民が反対しようとも立ち入れないと考えているのです。 そういう意味でも,国民自身が,選挙で自らの意思表示をするために,自民党・公明党・民主党に対して,政策を選挙争点にするよう声を発していくべきだと思います。しかし,現実的に今の自民党も,公明党も,民主党も「選挙公約」と謳ったものを実際には翻しているのだから,「絵に描いた餅」になるのだから意味がないと思う国民は,これらの政党以外に自らの票を投じることもひとつの意思表示だと思います。
2006年08月19日
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政府や財界主導の放送「改革」が,矢継ぎ早に打ち出されました。 竹中総務相の私的な「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇=座長は松原聡・東洋大学教授)の最終報告は与党案とすり合わせの上で,7月に発表された「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に盛り込まれました。 続いて「規制改革・民間開放推進会議」(議長は宮内義彦・オリックス会長)の中間答申が出されました。「骨太の方針」を踏まえて,まとめたとしています。 「骨太の方針」と「規制改革会議」。これらが,放送と通信(インターネット)の融合の時代にあって放送をどう位置づけようとしているのか,とりわけ再生が望まれる公共放送NHKについてどのような構想を持っているのか見る必要があります。 当初,竹中懇は“郵政の次は,NHK民営化”を議論するはずだったのが,小泉首相が否定的だったために出鼻をくじかれました。NHKがどうあるべきかという理念はなく,「政府与党合意に基づき,世界の状況を踏まえ,通信・放送分野の改革を推進する」としかありません。政府与党合意の具体的な施策は,受信料制度の見直しです。支払いの義務化をあげ,必要があれば罰則化も検討する,としています。 受信料は,政治権力や大企業スポンサーに依存せず,国民が支える公共放送の財源としてのものです。それが義務化されれば,一方的に視聴者だけが支払いの責任を押し付けられることになります。公共放送の解体にもつながります。 一方,「規制改革会議」の中間答申では,「民間にできることは民間に」の原則をNHKにも適用することをあからさまに述べています。公共放送として受信料収入で行うものは報道に限定し,芸能や音楽,スポーツ等は切り離すこと,としています。文化やスポーツに公共性はない,といわんばかりです。 「より自由な事業展開を可能とする」(中間答申)という点では,「骨太の方針」も音楽や芸能等の制作部門を本体から分離して,関連子会社で対応すること,としています。 「骨太の方針」にしろ,「規制改革会議」にしろ,照準は全国で地上波デジタル化が展開する2011年に当てられています。デジタル化で通信と放送の乗り入れが技術的には自在になります。その時に「自由な事業展開」ができる条件を整えたいというわけです。 「官から民へ」とばかりに,公共放送を崩して市場原理にゆだねれば,商業ベースに乗る番組ばかりがもてはやされ,多様な番組の提供ができなくなります。放送の画一化であり,情報格差を生むことにもなります。 これらに対して,NHK会長の諮問機関「デジタル時代のNHK懇談会」は6月に,「公共放送NHKに何を望むか」を発表しました。情報がますます大量に瞬時に行き交うデジタル時代にあっては,公共放送は「民主主義社会を維持・発展させるために不可欠」と位置づけ,公共放送を産業振興策のもとに置こうとする政府や財界のNHK「改革」に批判的立場を明らかにしています。 総務省は受信料制度見直しのために放送法改定案を2007年の国会に提出し,2008年度の導入をはかる意向です。公共放送は視聴者のものです。国民的な規模での論議を形成することが急がれます。
2006年08月18日
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パレスチナ自治政府のアッバス議長は8月17日,ガザ市で開かれた特別警護隊卒業式で演説し,パレスチナの全武装グループがイスラエルに対する攻撃の停止に合意したと語りました。「イスラエルによる軍事行動の口実となる全活動を停止する」といいます。 アッバス議長は8月16日に全武装グループと会合しています。武装グループ側は,同議長との公式合意はないとしていますが,イスラエルに対する攻撃停止の可能性を否定しませんでした。 また,アッバス議長とイスラム武装抵抗組織ハマスのハニヤ首相は8月16日,連合政府形成の交渉再開に合意しました。 同議長によると,連合政府は,イスラエル獄中のパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ,反主流派のパレスチナ解放人民戦線(PFLP),パレスチナ解放民主戦線(DFLP),ハマス,イスラム聖戦の指導者が六月に作成した基本政策に基づくもの。同基本政策は,イスラエルの承認やイスラエルに対する攻撃停止などの内容を含み,パレスチナ統一国家の樹立を求めています。 ハニヤ首相は,交渉が,パレスチナ人の結束を固め,パレスチナ人に対する国際社会の包囲を解き,イスラエル当局に拘束されている閣僚や評議会議員の解放を目的とするものだと説明しています。 3月にハマス政権が発足して以降,イスラエル不承認,武装闘争継続の表明を理由に,米国,カナダ,イスラエル,欧州連合(EU)は同政権に対して数カ月間,財政支援を停止し,公務員165,000人の給与の未払い状態が続いていました。 イスラエル問題は,今後も残り紛争の火種になることは避けられないと思いますが,1日も平和な世の中であり続けることを心から願っております。
2006年08月17日
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小泉純一郎首相の靖国神社参拝について,「産経」を除く大手全国紙と多くの地方紙は8月16日付で,「6回に及んだ首相の靖国参拝は誤りだった」(「朝日」),「首相参拝はこれでもう,終わりにしたい」(東京新聞)などとする批判の社説を一斉に掲げました。歴史観を問う 特徴的なのは,首相の参拝が,日本の過去の侵略戦争を正当化する靖国神社の歴史観,戦争観を政府として認知することにつながる点を突いていることです。 「参拝は靖国神社や展示施設の遊就館が伝える史観を追認する姿勢を内外に示す意味合いがあり,『心の問題』だけでは済まなくなる」(沖縄タイムス) 「靖国神社は,先の戦争を『自存自衛の戦い』と美化する歴史観を持つ」(北海道新聞) 「あの戦争を自存自衛のためであったとする,一方的な史観に立つ」(東京新聞) 信濃毎日新聞は次のように指摘しています。「その歴史観は,戦争の反省に立って出発した戦後日本の歩みと相いれない。そこへの首相の参拝は国際的には,日本が過去の歴史を反省していないあかしと受け取られる心配が大きい。中国,韓国などアジア諸国だけでなく,米国なども参拝に批判的まなざしを向け始めていることを軽視してはいけない」。 高知新聞も「首相の靖国参拝は,過去の過ちと責任を認めた戦後日本の出発点をあいまいにし,指導者の責任をあやふやにしかねない」としています。国益を損なう 小泉首相が8月15日の参拝後の記者会見で,批判への「反論」として挙げた三点についても,各紙は厳しく批判しています。 「中国,韓国が反発しているからやめろという意見」への「反論」とした首相の第一の言い分については,「外交関係を悪化させ,国益を損なう行為は,国政の最高責任者だけに容認することはできない」(琉球新報)などと指摘しています。 「首相は,一つの問題だけを理由に首脳会談に応じない中国,韓国が悪いと主張している。では,たった一つの問題も解決できない首脳会談は開く意味があるか。詭弁には詭弁で切り返されるだろう」。(「毎日」) 「小泉首相の参拝はテレビカメラの前で『どうだ,中国の言いなりにならないぞ』と大見えをきる政治ショーのようにも見える」,「靖国問題が障害になって日中,日韓の首脳対話が途切れているのは異常である」(「日経」) 「朝日」は日本国内での批判の広がりを指摘し,「首相は,こうした声をすべて中国や韓国に媚(こ)びる勢力とでも言うつもりなのだろうか」と疑問を呈しています。A級戦犯問題 A級戦犯の合祀に関連して,「特定の人に対して参拝しているのではない」との首相の言い分には,「問題とされているのは誰を哀悼するかではなく,A級戦犯が合祀された場所に参拝するということなのだ。勘違いしないでほしい」(北海道新聞)などと批判。 「小泉首相は,『A級戦犯』について『戦争犯罪人であるという認識をしている』と国会で答弁している」,「靖国神社に『犯罪人』が合祀されているとの認識なら,そこに参拝するということに,矛盾があるのではないか」(「読売」) 「無謀な戦争を引き起こして日本を国家滅亡の瀬戸際まで追い込んだ戦争指導者を合祀する靖国神社への首相参拝は内外の理解を得るのが難しい」(「日経」)憲法に抵触 また,憲法違反との指摘に,「心の問題」,「思想の自由」だとした首相の言い分には,「すでに外交問題となっている以上,首相の私的感情ではすまない」(「毎日」)などと,首相のすりかえに言及しています。 「憲法のこの規定は国家権力から個人の権利を守るためのもので,国家権力を持つ首相が何でも自由にできるということを定めているわけではない」(北海道新聞) 「首相の参拝は憲法が定める政教分離原則に抵触する可能性が高い。参拝を合憲とする判決はこれまで一つもない」(信濃毎日新聞)
2006年08月16日
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小泉純一郎首相は8月15日午前,東京・九段の靖国神社に,首相就任後,6年連続6回目となる参拝を強行しました。現職首相として終戦記念日の参拝は,1985年の中曽根康弘氏以来,21年ぶりの暴挙です。任期切れを前に小泉首相が最後まで靖国参拝に固執したことで,9月の自民党総裁選や次期首相の政権運営では,歴史逆行の誤りと日本外交の立て直しが,一層厳しく問われることになります。 この日,小泉首相は,モーニング姿で神社本殿にのぼり,一礼する形式で参拝しました。「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳し,私費で30,000円の献花料を納めました。 小泉首相の靖国神社への連続参拝には,中国,韓国はもとより,他のアジア諸国や米国でも批判が広がっていました。昭和天皇がA級戦犯の合祀に不快感を示したとされる富田朝彦・元宮内庁長官のメモも判明し,国内でも政財界を含め幅広い批判や懸念の声が強まっていました。 小泉首相は参拝後,首相官邸で記者団に対し,「8月15日を避けても批判,反発がある。いつ行っても同じだ。ならば,今日は適切な日だ」と開き直りました。 また,自らの参拝への批判について“反論”。中国や韓国からの批判には,「意見の違いがあることで,首脳会談を行わないことがいいことなのか」と居直りました。A級戦犯が合祀されている問題では,「特定の人に参拝しているのではない」と弁解し,政教分離を定めた憲法に違反するとの指摘には,「思想および良心の自由をどう考えるのか」などと述べました。 靖国神社は,戦前,日本の侵略戦争の精神的支柱とされた施設です。戦後は,日本の過去の侵略戦争を正当化する立場を広く宣伝するセンターとして知られています。首相の参拝は,同神社の歴史観を政府として認知することにつながる行為です。 小泉首相の靖国神社参拝に対し,中国,韓国などアジア諸国政府が間をおかずに抗議の声をあげました。 中国外務省は声明で「被害国人民の感情を深刻に傷つけ,中日関係の政治的基礎を破壊する行為」と糾弾。李肇星外相が日本の宮本大使を外務省に呼んで抗議しました。 韓国外交通商省は声明で「日本の軍国主義と侵略を美化,正当化している靖国神社にまた参拝したことに深い失望と怒り」を表明しました。 インドネシアとシンガポールの外相も懸念や不快感を表明しました。 各国メディアも電子版ですぐ反応。中国共産党機関紙・人民日報は小泉首相の言い分を批判する論評を掲載し,マレーシアの新聞は「靖国参拝はアジア隣国の怒りに触れざるをえない」(星州日報)と指摘しました。 米紙ニューヨーク・タイムズも東京発の記事で,小泉首相の姿勢は「挑戦的」で,「米国の当局者から警告されているのに参拝した」と指摘しました。 韓国ソウルの日本大使館前には抗議の人々が押し寄せ,一時混乱。中国ではいくつかの都市で,抗議行動がありました。北京の日本大使館,重慶と香港の日本総領事館前では,学生,青年らが抗議文を手渡しました。 靖国神社参拝の理由をあれこれ弁解しました。2001年の自民党総裁選で,「首相に就任したら8月15日にいかなる批判があろうと必ず参拝する」と宣言したことを念頭に「公約は生きている」と直前まであおってきた首相。ところが記者会見で「公約実現」を自賛するかと思ったら,これには一言も触れずじまい。逆に言い訳たらたらとなってしまいました。 もともと,靖国参拝について「(個人の)心の問題」と言ってきた手前,さすがに“公約だから行った”とは言えなかったのでしょう。 記者団から,終戦記念日の参拝は内外に不安や警戒を抱かせるとした首相自身の言明を指摘されると,「仕方ないんです。そういうこともふまえて,過去の経験がいきてきたんですね」と弁明。「いついっても同じ」,「きょうは戦没者追悼式もありますし」……。 参拝の“大義”をまったく語れない首相。事前の意気込みとは裏腹のトンチンカンな弁明となったことは,首相の靖国参拝の道理のなさを改めて示しました。
2006年08月15日
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今年7月,中国の清華大学で「日本を破滅に導いた日本軍国主義のアジア侵略とアジア認識」と題して講演した歴史研究家の吉岡吉典さんの話を聞きました。 吉岡氏は,明治以来の日本の侵略戦争からいかなる教訓を学び取るかをテーマに話してきました。中国で強調したのは,三つの点です。アジアを蔑視 一つは,明治以来の戦争が日本に大国主義,アジア蔑視,欧米崇拝をもたらしたという点です。 明治政府は,欧米に強制された不平等条約の改正という当時の外交課題を,アジアとの連帯ではなく,「脱亜入欧」の路線によって実現しようとしました。遅れたアジア諸国を見捨てて,欧米並みに植民地を保有する「一等国」になることによって実現しようということです。そのために,(1)アジアでの戦争に勝利する(2)領土拡張,植民地保有をめざす(3)不平等条約をアジア諸国におしつけるというやり方をとりました。日朝修好条規(1876年)につづいて,日清戦争後,中国に「下関講和条約」で,それまであった平等条約を消滅させて,「現に清国と欧州各国との間に存在する諸条約章程を以て該日清両国間諸条約の基礎と為すべし」と規定し,日清通商航海条約(1896年)で税制上,裁判上,欧米と同じ権利を認めさせました。破滅的戦争へ 二つ目は,こういう大国主義とアジア蔑視が日本に世界とアジアの変化を見えなくさせ破滅的な戦争へとつきすすんだことです。 未曾有の惨害をもたらした第一次世界大戦後,世界は大きく変化していました。国際法上の戦争違法化の第一歩を踏み出し,レーニンやウィルソンが提唱した“民族自決”の考え方が世界に大きな影響を与え,アジアでも民族解放運動の高揚が起きました。 第一次世界大戦後のパリ講和会議に参加した中国も,大戦中に日本から強要された政治,経済,軍事の「二十一カ条要求」など侵略政策をきびしく糾弾しました。日本は完全に孤立無援となり,「平和会議からの脱退さえも考えたほど」(上村伸一著『日本外交史17 中国ナショナリズムと日華関係の展開』)孤立しました。 結局,日本は欧州列強との「密約」をたてに要求を押し通しますが,そのことが中国で「五・四運動」の引きがねとなり,中国人民のたたかいが大きく発展する一方,「(欧米)列国の日本に対する猜疑を深める結果になった」(前掲書)のです。 大国主義とアジア蔑視にとらわれて大局的判断を誤ったことがどんなに悲劇的事態を招いたかを示したのが,日中戦争であり,太平洋戦争でした。戦後の出発点 三つ目は,戦後日本はこれらの歴史の教訓をいかしたかについてです。いかしていないから,靖国神社問題などがおきるのです。日本が起こしたアジア太平洋戦争は,第一次世界大戦後の世界の発展に背を向けた歴史に逆らう反動的な戦争,ファシズム・軍国主義の戦争でした。 だから,米英中ソなどの連合国だけでなく,世界の反ファシズム勢力が力を出し尽くしてたたかいました。ドイツやイタリアの反ファシズム運動もその一部を構成したし,平和と民主主義を掲げた侵略戦争反対のたたかいもその一翼を担いました。 戦後の世界の出発点が反ファシズム,反軍国主義であり,それが国連憲章にまとめられ,ポツダム宣言に反映しました。終戦61年にあたって,この戦後の原点の意味を再確認することが重要ではないでしょうか。
2006年08月14日
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日本経団連は7月末,2007年版「経営労働政策委員会報告」の取りまとめにむけ,第一回会合を開きました。経労委報告は,春季労資闘争で経営側の基本方針を示すものとして,毎年12月に発表しています。御手洗冨士夫会長体制となって,初の始動です。 「日本経団連タイムス」(8月10日付)によると,7月25日に開催された第一回会合で,御手洗会長は「硬直的で不合理な給与体系を持っている限り,日本は国際社会の中で競争力を失う」と指摘しました。詳細は不明ですが,経営側が給与体系を「硬直的」という場合,賃下げができないことを批判していうのが一般的です。 また,御手洗会長は「労使交渉が多様化すればするほど,経労委報告が重要になる」と述べています。同報告を取りまとめる経営労働政策委員会の委員体制は,今回からすべての副会長・評議員会副議長が委員に加わり,強化されました。同委員長は,主要産業大手の東芝会長・岡村正氏。人数も前回37人から46人に増えています。 昨年12月発表の2006年版経労委報告では,賃金について「定期昇給制度の見直しが引き続き重要な課題となろう。毎年,だれもが自働的に昇給するという従来の運用ではなく,能力・役割・業績を中心とした制度への抜本的な改革を急ぐべきである」と強調しています。多くの矛盾が指摘されている現在の成果主義賃金を若干修正するとしても,降給ありの賃金制度を一層広げ,業績が改善しても一時金で対応すべきとの考えを示したものです。 日本経団連が今年6月,政府に提出した「規制改革要望」では,雇用・労働分野の重点要望項目として,長時間働かせても残業代支払い義務などの法規制が及ばない労働時間概念をなくす制度の創設・拡大を要求。「ホワイトカラーエグゼンプション制度の早期導入」,「企画型裁量労働制に関する対象業務の早期拡大」をあげています。 同時に,企業の雇用責任を放棄し,不安定化を一層すすめる制度の創設・緩和も重点項目としています。「解雇の金銭解決制度の早期導入」,「派遣労働者への雇用契約申込義務の禁止」,「派遣禁止業務の解禁」などです。 とくに,ホワイトカラーエグゼンプション制度の早期導入,労働者派遣法と職業安定法の規制緩和は,日本経団連が5月に開催した定時総会で確認した2006年度事業計画でも明記されています。 同計画は,グローバル競争の激化などを克服するために,経済を支える民間企業の活力を維持・強化し,民主導による力強い成長基盤を構築する必要があるとしました。規制緩和によって,労働強化や雇用不安定化をすすめ,企業のより高収益化を狙ったものです。 法改定を議論する労働政策審議会では,労使の意見が対立し現在凍結状態にありますが,これらをみても,ホワイトカラーエグゼンプション導入と労働者派遣法の緩和に対する経営側の並々ならぬ構えがみてとれます。 現在,残業代の不払いや偽装請負などの違法行為が大企業を中心に横行しています。これら違法行為を合法化し,労働者に過酷な長時間・ただ働きを強いて実質賃金の低下,雇用責任のない派遣労働の全面解禁を実現することが,経営側の強い欲求となっています。 これらの制度を積極的に作るために,財界も自民党や民主党への企業献金をしています。国民の労働条件の悪化を食い止めるはずの政治が,積極的に推進するという不思議な政治が日本には良く見られますが,このままで良いはずがありません。
2006年08月13日
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「消費税は,多く消費するほど多く負担するのだから公平」という議論があります。そうでしょうか。「公平」か 消費税は,一律5%の税率ですから,消費額に比例して税負担額が増えます。消費額に対する消費税の額は,低所得者でも高所得者でも基本的には同じです。しかし,消費額ではなく,収入や所得を基準に考えれば,全く違う計算になります。 例えば,年収が100万円しかない人の場合は,貯蓄をする余裕がなく収入のほとんどを消費に回すことになります。税率5%で消費税は約5万円,収入の5%の消費税を払うことになります。 一方,年収が1億円もある人の場合,1億円をすべて消費に回すということはなく,かなりの部分が貯蓄に回ると考えられます。もし,1億円のうち2,000万円しか消費しなかったとすれば,消費税はその5%で約100万円です。1億円の収入に比べれば1%にすぎません。 残念ながら,政府の統計では,年収一億円もある高所得者の消費実態はわかりません。総務省の家計調査のサラリーマン標準世帯(片働き4人家族)のデータでは,最高の所得区分が「年収1,500万円以上」となっています。このデータで年収に対する消費税負担率を計算すると,図のようになり,年収の低い層ほど消費税の負担率が高いことが,はっきりとわかります。 税の「公平」というのは,その人の負担能力に応じて課税されているかどうかで決まります。全く所得のない人に「税を払え」といっても,それは無理というものです。収入で差 ところが,収入がなく預貯金を取り崩したり,サラ金から借金して生活している人であっても,そのギリギリの生活費の中から5%の消費税を払っているのです。こうした人にとっては,消費税が5%上がれば,それは即,生活水準を5%切り下げることにつながります。 一方,収入の半分以上を貯蓄に回して生活している高所得者にとっては,消費税が上がっても,貯蓄に回す額が少し減るだけで,生活水準を変える必要はありません。 このように消費税増税の影響は所得の大小によって全く違ってくるのです。
2006年08月12日
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自民党が全額出資して3月に設立した政策研究機関「シンクタンク2005・日本」が,9月に開始する高額セミナーへの参加企業集めに乗り出しています。同シンクタンクは,政治団体ではないので政治資金収支報告書を提出しないとしていますが,「自民党の脱法的資金集め」との批判があがっています。 「日本政策アカデミー」の名称で行われる連続セミナーは,中間法人として設立された「シンクタンク2005・日本」が取り組む最初の本格的事業。現職閣僚や自民党幹部が講師を務めることが売り物です。1年間で約20回開催を予定,9月4日の「開校」では,小泉首相らが講演します。 入手した募集案内文書などによると,同セミナーは企業経営者・幹部を対象に100人規模で募集しています。参加費は1人50万円,総額で約5,000万円の収入が見込まれます。 セミナー収益については,シンクタンクの研究プロジェクトに充て,「自民党の政策立案に役立た」せるとしています。 同シンクタンクは,理事4人のうち3人が自民党議員(中川秀直政調会長,若林正俊参議院政審会長,太田誠一党改革実行本部長)。その三氏連名で「自民党所属議員各位」宛ての文書を作成しています。「ご参加いただけます企業をご紹介いただきたい」と,参加企業を集めるよう要望しています。)自民党幹部の連名で出された日本政策アカデミー参加者紹介を求める文書(右)と,参加者募集案内(左) 鈴木崇弘代表理事は,文書をシンクタンク側が作成したことを認め,「現時点では,自民党の一部ととられてもいた仕方がない。しかし,あくまで政策研究のための別組織であり独自にやっていきたい」としています。 セミナー収入や参加企業の公開は,「政治団体でないので必要ない」(鈴木氏)という立場です。 同シンクタンクづくりを推進してきた党改革実行本部の塩崎恭久事務局長・衆院議員のホームページでは,シンクタンク事業について,資金面の効用を強調,「新しい企業,団体からの政治資金のチャンネルとして活用する」としています。 同アカデミー事業統括委員長・杉浦正健法相の政策秘書は,「法に基づいて適切に処理している」と答えました。 阪口徳雄弁護士・政治資金オンブズマン共同代表 「シンクタンク」を名乗り,中間法人の制度を利用しているが,実際には自民党の政策作りに役立てるという。本来,自民党が政治資金規正法の枠内で行うべき「政治活動」だ。 「日本政策アカデミー」なる企画は,実質的には政治資金パーティーの変形にすぎないのではないか。財界から資金を集めながら「別法人」を盾に収支の明細の公開を拒むことは,政治資金の透明化を目指す政治資金規正法の趣旨に正面から反する。新たな不透明なカネ集め,脱法行為であり,制度の乱用だ。【参考】中間法人制度 2002年4月に導入された新しい法人制度。町内会や同窓会,保護者会など「非公益かつ非営利目的」の団体にも,法人格の取得が可能になりました。 法人の名称や基金の総額,役員などを登記しますが,年度ごとの財務内容や事業報告書などを公開する義務はありません。 政治資金規正法の趣旨を自ら無視し,制度を悪用した方法で政治資金を集める自民党。本来政治資金は政党助成金や企業献金などに頼らず,党員の拡大と機関紙,そして党員などの個人からの寄付・献金で集めるものです。自民党はそれができないので,それに代わる方法を次々と作り出してきました。本当の意味で,政党としての機能していることの証明です。政党の支部は実質的に機能せず,選出議員の事務所代わりあるいは地方議会の党窓口程度の機能しかしていません。 政策と同様,国民を騙し続けるやり方は長続きしません。もっと住民の密接になり,住民の声を聞きながら,住民の要求を実現する政治をやって欲しいと思います。
2006年08月11日
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アメリカ東部コネティカット州で,11月の米上院選挙の民主党候補を選ぶ予備選挙が8月8日行われ,2000年大統領選挙の同党副大統領候補で,イラク戦争を支持する現職のジョゼフ・リーバーマン上院議員が,戦争反対を表明する新人のネッド・ラモント候補に敗れました。 「多くの人がイラク戦争に関する住民投票とみなした」(地元紙ハートフォード・クーラント)という今回の予備選挙で,戦争を支持する有力現職が反対を明確に打ち出した無名の新人に敗れたことで,イラク戦争の是非が中間選挙でも争点になることが示されました。 選挙戦は当初,3期18年の実績をもつリーバーマン氏が難なく指名を勝ち取るものとみられていました。そこにラモント氏が3月に予備選挙への出馬を正式表明し,イラクからの米軍撤退を政策のなかで明確に掲げたことから様相は一転。2003年のイラク開戦を支持し,米軍のイラク撤退に反対してブッシュ大統領からも歓迎されていたリーバーマン氏に対する批判が,ラモント氏支持に結びつきました。 地元クイニペアク大学による世論調査では,リーバーマン氏の支持率は5月の65%から6月は57%に低下。一方ラモント氏の支持率は19%から32%に急上昇。選挙結果は開票率98%段階で,ラモント氏が52%を得,リーバーマン氏を4ポイント上回りました。ニューヨーク・タイムズ紙は社説でラモント氏支持を打ち出していました。 リーバーマン氏は8月8日深夜,敗北を認めたうえで,11月の本選挙には無所属で立候補する考えを改めて強調しました。コネティカット州は民主党支持の強い州であることから,本選挙は事実上,民主党のラモント候補と無所属のリーバーマン氏が再度,一騎打ちすることになりそうです。 アメリカ市民の中でも,アメリカの戦争に対する疑問があることを証明しました。当然,これを期に,イラク戦争を支持していた人は,その主張を隠すか,選挙の争点を戦争から違うものに代えて選挙をすることになると思います。日本でも同様です。消費税や増税,憲法問題,靖国問題など争点として争うと困るものがあれば,政治家はこれらを争点にせず,抽象的な話をしたりします。 来年の全国一斉地方選挙と参議院選挙は,自民党・公明党そして民主党がマスコミを利用して,「二大政党制を問う選挙」とマスコミは報道をすると思われます。本当の争点は,負担増・消費税増税,憲法問題,靖国問題,米軍再編などですが,これらは選挙期間中は争点として出したくない問題なのです。このようにして有権者を騙し,選挙が終われば国民を裏切るような政策や法案が十分な審議もされずに決まってしまう。昨年の衆議院選挙でも同様な手口でした。 国民が現実を見て,政党の選択,候補者の選択をして欲しいと思います。その候補者が本当に自分のために政治をしてくれるのかを基準に判断して欲しいと思います。
2006年08月10日
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国連安全保障理事会は8月8日午後,レバノン情勢について,理事国以外の国・組織の代表が参加した緊急の公開会合を開き,カタールとレバノンが改めて,即時停戦とイスラエルのレバノンからの撤退を要求し,米仏の提出した安保理決議案に修正を求めました。 安保理非常任理事国でアラブ連盟の代表団の一員でもあるカタールのハマド外相は「レバノンの現実を考慮しない決議を採択すれば,内戦を引き起こし,レバノンを破壊することになる」と警告。アラブ連盟緊急外相会議が「七項目提案」を採択したことを強調した上で,「安保理はアラブ諸国の立場を考慮しなければならない」とし,速やかな包括的停戦とイスラエル軍の撤退などを求めました。 米仏案は即時停戦にふれず,イスラエルに「自衛」のための軍事活動を容認。イスラエルの即時撤退も盛り込まれていません。これに対し,「七項目提案」は,イスラエル軍の撤退のほか,赤十字を通じたレバノン,イスラエル双方の囚人・拘束者の解放,国境へのレバノン政府軍の展開と同軍以外の武装解除などを謳っています。 レバノンのミトリ文化相兼閣僚評議会特使は,27日間の紛争で約920人が死亡,約3,000人が負傷,100万人が避難するなど,被害の大きさをあげて停戦を要求し,米仏案について「速やかな停戦を求めていない」と批判。「安保理の行動を有効なものにするには,イスラエルが即時レバノン領内から撤退しなければならない」として,15,000人の国際部隊をレバノン南部に派遣するよう求めました。 これに対してイスラエルのギラーマン国連大使は「問題は(イスラム教シーア派民兵組織)ヒズボラだ」として,同組織を非難。「どの国も国境にテロリストの拠点を設けることを認めないだろう」と述べ,イスラエルの「自衛権」を主張するとともに,ヒズボラへの対処を要求しました。 常任理事国五ヶ国と代表団は,決議案をめぐり協議を実施。安保理議長を務めるフランスのドラサブリエール国連大使が「幾つかの意見を決議に組み込むよう努める」と語りました。 今回の安保理決議案がイスラエル寄りの決議案でレバノンの言い分を全く考慮していないものになっています。このような決議案を採択していると安保理決議の公平性と信用性が落ち,その実効性もなくなってしまうことを心配します。両国の即時停戦とイスラエル軍のレバノンからの撤退のうえで,再度両国が協議をすることを期待します。 イスラエルはこれ以上戦闘を続けることは,将来テロリストを生んでいることに気付くべきです。関係のないレバノンの市民が被害を受け家族が失われれば,その憎悪の念からテロリストになることは難しくないのです。 憎しみの連鎖をこれ以上大きくしないことを期待します。
2006年08月09日
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今年3月に米国と結んだ核技術協定はインドの自主外交を根底から覆すのではないか。同協定についての審議が米議会ですすむにつれ,インド側にはこんな懸念が強まっています。 同協定は,ウランなどの核燃料や原子炉技術を米国からインドに輸出することを目的としたものです。インドは核不拡散条約(NPT)に加盟せず,独自に開発を進め,1998年に核兵器の保有を宣言しました。 米国の原子力法は,NPT非加盟国への核燃料や技術の提供を禁止しており,インドへの輸出には法改定が不可欠です。米下院本会議は7月26日,輸出禁止対象からインドを除外する法案を可決,現在は上院が審議を続けています。 ところが下院を通過した法案には,「核兵器を含む大量破壊兵器の取得努力を行うイランに対して,それを思いとどまらせ,孤立させ,必要なら制裁,封じ込める米国の努力にインドを完全かつ積極的に参加させるよう保証すること」という条項があります。 武力行使を含む対イラン強硬政策にインドが同調しないのなら,核技術協力をしてはならない,という縛りを政府にかけたもので,インドからみれば“脅し”条項です。 米上院外交委員会での審議でルーガー議員は,「インドとの関係改善により,すでに米国は戦略的利益を得ている。インド政府は伝統的外交政策を調整し,国際問題において建設的役割を担っている」と,法改定賛成を主張しました。 「戦略的利益」として同議員は,インドが国際原子力機関(IAEA)理事国として,イラン核問題を国連安保理に付託することに賛成したことを挙げました。 インドは伝統的に非同盟・自主独立外交を展開してきた国です。この種の問題では,従来なら反対か棄権するというのがインド外交でした。 インド共産党(マルクス主義)など左翼政党は一斉に,「米国の外交政策にインドを縛り付ける試みは受け入れられない」と強く批判。シン首相に国会での徹底質疑を要求しました。 野党第一党で前政権党のインド人民党も,事実上,シン政権への信任投票となる「協定」への賛否を問う国会決議の採決を求めています。 マスコミからも「議論の時 国会は核協定で議論すべし」(8月5日付タイムズ・オブ・インディア社説)という声もでています。 インド政府は慢性的電力不足を解消するため,原発建設に力を入れています。米国から核燃料や技術が提供されるか否かは,今後の経済発展をも左右しかねません。 シン首相はいまのところ,国会での質疑から逃げています。「下手なことを言って米上院審議に影響しては困る。自主独立外交をやめて米国に同調するともいえない。ジレンマだ」と与党関係者も頭を抱えています。
2006年08月09日
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戦後61年も経つというのに,日本が朝鮮半島から強制連行し強制労働させるなかで犠牲になった民間人の遺骨調査が遅れています。 韓国政府は,強制連行の被害補償を行うことを決めており,約20万人の申請を審査するうえで,遺骨情報の提供を求めています。 ようやく,この8月7日には日韓両政府が合同で,遺族への遺骨返還に向けた身元確認のための,初の実地調査を福岡県田川市の納骨堂で行いました。4人の遺骨を確認しました。 一歩を踏み出したとはいえ,強制連行のうえ強制労働においやった責任は日本にあります。 日本政府は,昨年9月,地方自治体,宗教法人,民間企業125社に対して,遺骨がどこにあり,どのように保存されているか,情報提供を要請しました。地方自治体から新たに786体,宗教団体から15体の情報が寄せられました。政府はこれら801体の遺骨情報を韓国政府に報告しました。しかし,すでに韓国に提供した分とあわせても1,669体にしかなりません。 これは,韓国の20万人もの申請状況からいってあまりにも少なすぎる数字です。 朝鮮半島から強制連行した朝鮮人の数について,朝鮮を植民地支配するための統治機関・朝鮮総督府が151万人と試算できる統計資料を出していることや公安調査庁の「朝鮮人労務者渡航状況調査表」(1953年)など公的資料があります。しかし,政府はそうした政府関係資料さえ調べもせず,1991年,90,804人の強制連行朝鮮人名簿を韓国政府に渡しただけです。それ以上は「データを持ち合わせていない」と言って調査要求を拒否しています(3月1日衆院予算委第五分科会)。 百万人以上といわれる強制連行の全容を明らかにしないのでは,植民地支配に対する政府の謝罪表明も口先だけということになります。強制連行の全容を政府の責任で明らかにする必要があります。 強制労働させた民間企業についての調査はもっとおざなりです。 政府は,125の民間企業にしか遺骨調査の協力を求めなかった理由について,1991年の調査の際書類に残っていた「600強」のうち存続するものと説明します。これは通用しない議論です。「600強」は,1946年に政府が調査した16県分のなかの数字です。強制労働が多い北海道はふくんでいません。当時,強制労働に関係した企業は数千社ともいわれます。全国調査であれば企業数がもっと増えるのは当然です。16県分の数で済ますのは,強制労働の誤りに口をつぐむ姿勢といわれても仕方がありません。 福岡県の麻生鉱業は7つの炭鉱で朝鮮人を強制労働させた企業です。麻生外相が社長を務めた麻生セメントの前身です。ところが,麻生外相は実態調査を要求されても「何ともお答えのしようがない」と答弁するだけです(2005年2月6日)。 朝鮮の人々に言語を絶する苦しみを与えたことに痛みを感じない小泉政権では,日韓関係の改善・強化が期待できないことは明白です。 政府が自発的に強制労働問題の全容を明らかにしようとしない大本には,武力を背景に朝鮮に押し付けた日韓併合条約を正当化する誤りがあります。植民地支配を正当化するのでは,遺骨返還という人道問題も解決できません。 政府が「謝罪」を言葉でなく行動で示すよう求めます。
2006年08月09日
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厚生労働省は8月8日,2006年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表しました。企業が非正規雇用の増加など「就業形態の多様化」によって,賃金を抑え,競争力を高めてきたことなどを分析しています。 同白書は,景気が回復するもとでも,派遣労働など非正規の雇用が増加し,正規雇用の割合が低下している事実を明らかにしています。そのうえで,従来の景気回復期との違いとして,雇用の増加や賃金の改善など,労働者にその成果の配分が一律ではなく,偏っていることを指摘しています。 とくに2000年以降,増加している製造業での非正規雇用について,企業が「賃金コスト」を抑制し,「柔軟な生産体制」をつくることで,企業が国際的な競争力を高めたと分析しています。 電機産業などでは製品の売れる期間が短くなることで,請負や派遣労働者を生産変動の調整に使う動きが広がっていると分析し,「請負労働者への単なるリスクの押し付けにならないようにしていくことが求められる」と述べています。 若い人が多い請負労働者の現状について,勤務を継続しても賃金が上がらず,社会・労働保険の未加入者が多いなどの問題をあげています。 また,「格差拡大」について,若年層での非正規労働者の賃金格差と成果主義賃金の影響が大きい30歳代から40歳代の男性労働者で賃金格差が拡大傾向にあることは認めています。しかし,世帯間で見ると格差拡大は認められないなどとしています。 同白書は,これらへの政策として,(1)公正な処遇が確保される労働環境の整備(2)格差の固定化を招かないための職業能力開発の充実(3)自立した職業生活を営むための若年者への社会的支援が必要だとしています。 2006年の労働経済白書は,格差問題の議論の高まりのなか,その原因となる非正規雇用の問題を分析しました。 白書は,景気回復が続くもとでも,非正規雇用が拡大している事実と,その活用が企業の「コスト削減」をするためのものであることは認めます。 しかし,非正規雇用をうみだしてきた「構造改革」路線による労働法制の規制緩和への反省がありません。そのため,非正規雇用が今後も拡大するという見通しのもと,その対策ももっぱら,若年層の能力開発による就業支援にとどまり,企業に雇用の責任を正面から問う視点は見られません。 これらの問題の解決には,景気後退期に身勝手な「採用抑制」で若年層の失業者や非正規雇用を生み出してきた大企業の責任を問うことや規制の強化が不可欠です。
2006年08月08日
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1973年に起きた韓国大統領候補(後に大統領)金大中氏の拉致事件が,当時の韓国中央情報部(KCIA)による組織的犯行だったことを公式に認めた報告書を,韓国政府が近く発表するといいます。この8月8日が事件から33年の夏となります。 事件は,白昼の東京都心で引き起こされました。靖国神社にほど近いホテル・グランドパレスに滞在中の金大中氏が拉致され,殺害の危機にさらされたのです。韓国に連れ戻され解放されたのは5日後のことでした。 当時,金大中氏は米国や日本を足場に,本国の朴正熙軍事独裁政権との政治闘争を展開しており,朴政権から敵視されていました。また,現場から当時の韓国大使館一等書記官でKCIAとみられた金東雲の指紋が発見されていました。このため事件直後から韓国の公権力=KCIAによる犯罪であることは明らかでした。 当時野党は,真相究明とともに,侵害された日本の国家主権の回復と,金大中氏の原状回復の措置を韓国側にとらせるよう日本政府に要求。国民的な抗議行動も広がりました。 にもかかわらず,日本政府が行ったことは,韓国政府との間で1973年11月(田中内閣),1975年7月(三木内閣)の二度にわたる「政治決着」であり,事件のもみ消しでした。 歴代の韓国政権もKCIAの関与を否定してきました。 これに対し,盧武鉉政権が近く公表する報告書は,当時の李厚洛KCIA部長が指示しKCIAが組織的に実行した事件であると断定,韓国政府としてはじめて公権力の関与を認めます。日本の主権と金大中氏の人権を踏みにじり両国民を欺きつづけた「政治決着」の犯罪性を,白日のもとにさらけだすことになります。 問題の政治決着が,実は日本政府から働きかけたものだったという事実も見過ごせません。韓国政府がことし2度にわたって発表した外交文書がそのことを明らかにしています。 それによると,1973年11月の,田中首相と韓国首相とのいわゆる第一次政治決着の際,田中首相は捜査を継続するがそれは「建前」であり,「日本側の捜査は終結する」「これでパー(終わり)にしよう」と表明。表向きは,金東雲の捜査を継続するとしながら,実際はKCIAの犯行を不問に付したのです。 歴代自民党政権はその後も国会で追及されるたびに,「政治決着を見直すに足る新たな証拠が出ていない」,「現在のところ公権力の介入を裏付ける新たな事実はない」との答弁を繰り返してきました。 しかし,一方の当事国政府がここまで明確に自国の公権力の関与を認めているのです。「新しい問題が提起されるということになれば,その時点において事態をよく判断して適切な処置をとる」(1977年2月)と答弁したのは,当時の福田首相です。その言に偽りがないのなら,文字通り「新しい」事態が提起されたのであり,日本政府の言い逃れはもはや許されないのは明らかです。 盧政権の報告書を待つまでもなく,直ちに政治決着の見直しに踏み切るとともに,金大中事件の真相についてみずからの手で明らかにし,関係資料を公開するべきです。これが金大中氏と日韓両国民にたいする日本政府の最低限の責任であり,今後の日韓関係を考える上でも避けて通れない課題です。
2006年08月08日
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宮内義彦オリックス会長が議長を務める規制改革・民間開放推進会議(首相の諮問機関)が7月,2つの答申を相次いで発表しました。 「労働契約法制及び労働時間法制の在り方に関する意見」と,「重点検討事項に関する中間答申」です。 いずれも,国民の権利を踏みにじり,財界利権の拡大をねらった身勝手極まりない答申です。 財界と米国の要求を受け,厚生労働省は解雇と残業を自由化する労働法制の大改悪をすすめようとしています。これを検討している労働政策審議会では,改悪に労働側の委員が強く反対しています。同時に経営側も残業代の割増率の限定的な引き上げにさえ反対して,今のところ,検討は宙に浮いた状態です。 規制改革会議の「意見」は,この機をとらえて,財界・経営側の要求を改悪法案に丸ごと押し込もうと,独善的な議論を展開しています。 例えば,有期契約の労働者に正社員になるチャンスを与える必要はない。正社員と非正社員の均衡処遇には正社員の労働条件引き下げが必要だ。経営者が就業規則の届け出や周知を「失念」しても仕方がない。企業が採用しやすくするには一定期間は首切りを自由化する「アイデア」もある。 出向・転籍命令は書面にしなくてもいい。残業代の割増率を上げたら企業は元の賃金を低く抑えることになる。残業規制の適用除外に本人同意は不要だ。 あげくは,執拗な退職の勧奨・強要の規制にすら反対し,労使紛争に国は口を出すなと述べています。 ワンマン社長のわがまま丸出しです。目先の経営利益しか考えず,不払い残業と長時間・過密労働による健康被害,過労死・過労自殺をますます増やす反社会的な暴論です。 こういうむちゃくちゃな経営者の存在それ自体が,規制緩和万能論の害悪を証明しています。 「重点検討事項に関する中間答申」では,保育分野にまで市場原理を徹底する方針を打ち出しました。保育を必要とする子どもを優先する社会福祉から,利用者の支払い能力と施設側のもうけを優先する営利サービスに保育を変質させる内容です。 日本経団連は,労働法制の改悪と保育の営利サービス化を一体のものとして「優先政策事項」に明記しています。人件費を抑え,使い勝手の良い労働力を調達するとともに,経営の都合で自在に配転するために「柔軟な保育サービス」が必要だという,骨の髄から,もうけ本位の主張です。 規制改革・民間開放推進会議の前身は1995年に設置された規制緩和小委員会にさかのぼります。規制緩和の最大の受益者である財界の代表が一貫して中心に座り,規制緩和・民営化の推進一色で染めてきた特異な「審議会」です。 この「審議会」は官僚の既得権益を打破するという名目で規制緩和論を正当化していますが,実際に攻撃の標的にしてきたのは中小業者,労働者であり,立場の弱い国民です。 とりわけ,宮内オリックス会長は,この10年来,座長・議長の座を占め続けてきました。許しがたいのは,宮内会長が財界利権の代表であるだけでなく,医療やタクシー,金融の規制緩和など,自分のつくった仕掛けで傘下グループのふところを肥やしてきたことです。 こういう人物は議長をやるべきではないし,何より,財界利権を守り広げる道具である規制改革会議そのものが有害無益です。
2006年08月07日
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ベトナム共産党機関紙ニャンザン8月5日付は「61年前の広島と長崎の核兵器による被害に世界が震撼した。これが地球上の人類の生存を脅かす核軍拡競争の時代を切り開いた」との書き出しで「核兵器廃絶問題」と題する論評を掲載しました。 論評は,広島と長崎への原爆投下で数十万人が死傷し,その後も放射能による死者が増え続けていると述べ,2つの都市で「毎年,人々が核兵器の使用に反対し,多くの大国がこれまでに幾多の国際会議で核兵器廃絶を約束したことを世界に喚起する活動を行っている」と紹介しています。 論評は,米国,ロシアとその他の国々が依然として27,000発の核兵器を保有していることなどを指摘,北朝鮮とイランの核開発疑惑をめぐる各国と国際機関の動きを紹介。このふたつの核問題をめぐる経過は「米国の圧力政策が核問題をめぐる緊張を解決する過程に否定的な影響を与えている」と述べています。 そして「米国は北朝鮮とイランの核兵器生産能力を抑えようとしているのに対し,非核保有諸国は米国と核保有諸大国の核兵器大幅削減を求めている」と指摘。「とくに多くの国が懸念しているのは,米国が包括的核実験禁止条約(CTBT)から離脱し,小型で精度の高い新しい核兵器や地下壕を破壊する核兵器を開発していることである」と強調しています。 論評は「核兵器は依然として人類の未来に対する最大の脅威である。ベトナム民族は,多くの絶滅兵器と枯れ葉剤の被害を受けた民族として,核兵器の使用,脅迫,拡散に反対し,大量破壊兵器からの人類の解放を求める平和愛好勢力のたたかいを強く支持する」と結んでいます。 一方,先進国における核の世論はどうなっているかというイギリスの場合,英国の平和団体・核軍縮運動(CND)は8月4日,英政府がトライデント型潜水艦発射弾道ミサイルの後継システムを導入しようとしていることに反対する署名約53,000人分を英首相官邸に提出しました。同日発表された世論調査でも核兵器更新計画に反対が賛成を20ポイント以上上回るなど,核兵器反対の世論が英国内で強まっています。 CNDのハドソン議長は「英国が安全保障のために核兵器が必要だと主張すれば,他の国も同様の立場をとることになる」と指摘,英国の核兵器更新が核兵器の拡散につながる危険性を指摘し,計画の中止を要求しました。 英国は現在,潜水艦発射弾道ミサイル・トライデント58基からなる核兵器システムを保有しています。同システムは2024年には退役を迎えますが,英政府はその後も国家安全保障の柱に核兵器を置く姿勢を示しています。 更新には,総経費250億ポンド(約5兆4,700億円)を要するといわれ,多くの国民が反発。8月4日に発表された世論調査によると,反対が59%で,賛成の37%を大きく上回りました。調査は,CNDの依頼で調査会社ICMが7月26日,27日の両日,1,036人を対象に全英で実施しました。 与党労働党内でも議員や党員の核兵器更新に対する反発が増しています。すでに94人の労働党下院議員が更新の決定を政府が独断で実施することに反対し,国民的議論を経て国会に決定させるよう求めています。労働党左派やCNDメンバーの労働党員は9月の党大会に向け,更新反対の訴えを党内に広める運動を強めています。 このようにアメリカの盟友であるイギリスにおいては,核配備には否定的な意見が大勢を占めています。核保有国だけが核を持って良いというNPT条約の考え方では,核兵器を地球からなくすことができません。鍵を握っているのは社会的世論です。「安全保障のために必要」と言えば,他国も「うちも必要」だと言い,核の悪い連鎖が続いてしまいます。 今日は原爆が広島に落とされた日です。広島では8月4日から今日まで原水爆禁止世界大会2006が行われています。参加者の1/3は20代の青年です。次の世代を担う20代の青年が世界大会で,戦争や核兵器の恐ろしさ,残酷さを感じて,日本が再び戦争をする国にならないよう,社会世論を動かす運動をこれからも続けて欲しいものです。 自民党・公明党連立与党そして民主党が一体となって,米軍との協調路線を進めています。同時に憲法改正,教育基本法改正などの法的整備も進み,日本が再び戦争ができる国の準備が,本当も目的を明らかにしないまま,密かに進んでいます。 国民も,原爆が落とされた今日こそ,戦争と核兵器について家族で,仲間で議論をする日にして欲しいと思います。
2006年08月06日
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人権擁護を目的に各国の人権侵害を調査・報告している国際NGO(非政府組織)「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部は米国)は8月3日,イスラエル軍によるレバノン攻撃で民間人が意図的に殺害されている実態を報告書にまとめ,イスラエルの民間人攻撃を「戦争犯罪」だと指摘しています。 「死の攻撃-イスラエルのレバノン民間人への無差別攻撃」と題された報告は,主に7月12日の攻撃開始から27日までの期間の聞き取り調査をもとに編さん。同期間にイスラエル軍が殺害した約400人の大多数が民間人だと指摘しています。報告が取り上げた死者153人のうち,63人が子どもでした。 報告は,今回の紛争で,『戦闘行為に参加していない民間人への攻撃』,『人道支援に当たる民間人や平和維持部隊への攻撃』,『過剰な攻撃による民間人の二次的な死傷や建物破壊』などに懸念を表明。「戦争犯罪」となりうると述べました。 同報告は,7月13日にイスラエル軍が,イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに賛同しているとされる聖職者の自宅を攻撃して殺害した事件をあげ,イスラエル軍が,今回の紛争に無関係の聖職者を「合法的な攻撃対象」だと主張したとしても,妻と10人の子ども,スリランカ出身のメイドの殺害は正当化できないと指摘しています。 カナダ国籍を持つ一家11人が殺害された7月16日の事件を聞き取り調査した結果,ヒズボラとのかかわりは証明されなかったとし,1歳,3歳,5歳,7歳の子どもが犠牲になっていることを告発しました。 民間人が多数犠牲になっていることについてイスラエル政府は,ヒズボラが民間人を「人間の盾」として使っているからだと主張しています。これに対し報告は「ヒズボラが故意に民間人を利用しているケースはなかった」としています。 イスラエルが戦闘員と民間人を「一貫して区別していない」ことは,「戦闘員のみを攻撃するという戦争法規の根本的原則の侵害」だと指摘。「イスラエルの攻撃パターンは単なる事故だとは説明できない。その結果の深刻さは,それが戦争犯罪であることを示唆している」と述べました。 レバノン南部にとどまる住民はすべてヒズボラの関係者だとするイスラエルの主張についても,国際法で攻撃の対象にしても免責されるのは,戦争行為に直接かかわる民間人だけだと指摘しています。 報告は,レバノン南部にとどまる民間人の多くが病人や負傷した人々であると述べ,移動する手段がないと指摘。イスラエル軍は白旗をつけている民間の車を攻撃していると指摘しています。 「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」はイスラエルに対し,無差別攻撃の即時停止を要求し,米国には,レバノンでの国際人道法違反に使われるイスラエルへの武器の供給を即時停止するように呼びかけ。国連事務総長に対して,イスラエルの戦争犯罪を含む国際法違反を調査する国際調査委員会の設立を求めました。 ヒズボラには攻撃停止を要求。シリア,イランの両政府に対して,ヒズボラへの武器供給の停止を求めています。 どんな理由があるにしても,子供や戦闘員でない一般市民を巻き込んだ戦争は,言い訳のできないものです。今回の戦争で,イスラエルは『憎しみの連鎖』をまたひとつ作ったことになりました。イスラエル国民が安心して暮らせる社会はまたひとつ遠くなりました。『憎しみの連鎖』は日本を例にとれば61年経っても尚,残っているものです。 このような状況を作らないことが,イスラエルの国民が安心して暮らせる社会を実現する唯一の方法です。 日本も過去の戦争を反省し,平和な社会を実現する意味で,靖国の問題を一日も速く解決して,東アジアの一員として,平和な社会を作ることに貢献して欲しいと願います。
2006年08月05日
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88回を数える夏の高校野球が,いよいよ8月6日から甲子園球場で始まります。 総数4,112校が参加した今年の地方予選でしたが,昨年より一道一府十八県で減少しました。茨城・奈良では5校も減り,少子化や過疎化で野球部の合併や廃部が相次いでいます。 予選を勝ち抜いた代表49校の選手たちには,ともに白球を追って競い合った仲間たちに思いを寄せ,はつらつとしたプレーで見るものを魅了してほしいと思います。 予選では豪雨や長雨の影響も出ました。しかし,神奈川の決勝戦は超満員となり,宮城での延長・再試合など,各地で熱戦が繰り広げられました。日本最南端の高校,八重山商工(沖縄)は春に続いて夏の初出場をはたしました。 昨年の大会は,強豪校で指導者や部員の暴力事件がつぎつぎと発覚し,球史に汚点を残しました。優勝校の駒大苫小牧(南北海道)もその一校でした。同校がどんな反省に立って今大会に臨むかが問われます。 日本高等学校野球連盟(高野連)は,脇村春夫会長名で特別通達「暴力のない高校野球を目指して」を発して,“暴力根絶”を呼びかけてきました。しかし,いまなお暴力や体罰などの不祥事が絶えません。 夏の大会の主催者でもある朝日新聞が,高校野球の指導者に実施したアンケート調査では,体罰は「やむを得ない」「必要だ」と容認する指導者が60%に達し,そのうちの81%が実際に「体罰をふるった」と回答しています。 高校野球は「個人の尊厳を重んじ,真理と平和を希求する人間の育成を期する」(教育基本法)ための活動であるはずです。 「自分の考え・思いを相手に伝えるのに,暴力という手法が本当に有効でしょうか」。この会長通達の問いかけは,大会での部長・監督の指導やさい配に注目しながら,あらためて真剣に考えたい問題です。 歴史に目を転じれば,今大会は戦後の復活から60年の節目の年にあたります。戦争で中断され,5年ぶりに復活した第28回大会は,終戦のちょうど1年後,1946年8月15日に開催されました。 復活に際し主催者は,「野球を通じて民主主義精神の育成を助長し,併せて明朗闊達なる気風を醸成せしめ…」と抱負を述べました。その心意気が伝わって,ボールやグラブなど用具不足にもかかわらず,地方予選の参加校は戦前大会の最多規模を上回りました。 当時,代表校は,米・麦・野菜を背負って,夜行列車を乗り継いでかけつけたと聞きます。球児たちも,つめかけた観衆も,戻ってきた球音に命の躍動をおぼえ,平和の大切さをかみしめたのでした。 戦争では,300万人を超える国民が犠牲となり,若くして戦没したOB球児も少なくありません。復活大会は,人の命と野球を奪った戦争の過ちを「二度と繰り返さない」と誓いあった舞台となりました。 それから60年,高校野球は一度も欠けることもなく続いてきました。これは,復活の誓いを肝に銘じ,「戦争をしない国」と決意した憲法の精神を,戦後の社会が堅持してきたことと深くかかわっています。 歴史と社会にはぐくまれてきた高校野球の原点を確認しながら,青春のたぎる甲子園の夏を楽しみたいものです。
2006年08月05日
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イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの衝突を機に,レバノンに激しい攻撃を加えてきたイスラエル軍は,「48時間の空爆停止」があけたとたんに,10,000人以上の地上部隊で大規模に侵攻するなど激しい攻撃を再開しました。 イスラエル軍は,国境から6キロ-8キロの地帯まで侵攻する方針だと伝えられます。 それ以前にも,東部ベカー高原の病院をヘリ空挺部隊で急襲,さらに首都ベイルート南部を空爆するなど武力行使を拡大しています。 これまでにレバノン側で900人が殺され(シニオラ・レバノン首相),レバノンは全面的な破壊と人道的危機にさらされています。 レバノンの国土と主権を破壊し,国際人道法をふみにじる軍事力行使の継続,拡大は断じて許されません。イスラエルはただちにレバノン領から軍を撤退させ,即時停戦に応じるべきです。 国連事務総長,イスラム諸国会議機構の緊急首脳会議(8月3日)や多くの国々は即時停戦を求めています。 イスラエルはレバノンに対する大規模軍事侵攻を,ヒズボラによるイスラエル兵襲撃・拉致に対する「自衛」行為だと主張しています。 しかし,イスラエル軍がレバノン南部の国連監視所を爆撃して要員4人を殺害(7月25日)し,カナ村の避難所を空爆して多数が子どもの数十人の命を奪った(7月31日)などの攻撃は,弁解しようのない過剰で非人道的な大規模武力行使です。国連憲章と国際法のもとで許されません。 イスラエルのオルメルト首相は,レバノン南部に強力な国際部隊が展開するまでは攻撃を続ける,と開き直っています。 イスラエルを攻撃できないようにするまでヒズボラを掃討するという表明ですが,ヒズボラのロケット砲撃はやまず,軍事力の応酬がむこの一般住民を巻き込んで,犠牲を増すだけです。このことは結局,イスラエルの安全保障も危険にさらす以外のなにものでもありません。 重大なのは,イスラエルに決定的な影響力を持つ米国とごく一部の国々が,イスラエルを擁護し,即時停戦に抵抗していることです。 ライス米国務長官は「緊急の停戦とともに永続する解決が必要」だという言い分で,イスラエルを弁護しています。 国連安保理でアメリカは「停戦」とあわせて「長期の問題解決のための政治原則」,「レバノン国軍が平和を維持することを支持する国際部隊の承認」を「包括的」に決議すべきだと主張しています。 ヒズボラの掃討をめざすイスラエルの軍事行動継続を支持しており,「テロとの戦争」を掲げてイラクで失敗した過ちを繰り返しかねない態度です。 安保理では,即時停戦を求めるフランスの提案と,アメリカの提案をめぐって協議が続いています。いま求められるのは,国連がしっかりした役割を果たすことです。 米国の主張は,国際社会に受け入れられるものではありません。それを乗り越えて,安保理がイスラエルの軍事行動をやめさせる必要があります。 各国と国連など国際社会の責任は,停戦から和平のためにあらゆる努力を集中することです。道理のない口実で即時停戦を妨げることではありません。
2006年08月04日
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年30%近い金利をとる借金では,普通に働く人にはまず返済できません。ましてリストラや失業,病気などでせっぱ詰まっての借金なら,そのまま生活破たんに結びつきます。 サラ金,クレジット会社がこんな暴利をとることを許してきたグレーゾーン(灰色)金利を禁止し,せめて利息制限法の上限金利(15%-20%)に引き下げるということは社会的なコンセンサスです。ところが,政府・与党がすすめる制度改正作業のなかで,金利引き下げを骨抜きにする“逆流”が起こっています。 サラ金の高利は,刑事罰のない利息制限法の上限を超えて,これをはるかに上回る出資法の上限金利29.2%をとることで成り立っています。利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の間の灰色金利は,借り手が任意で払っているという建前で,貸金業規制法が特例として認めているものです。 明らかな法の不備であり,サラ金被害者やその支援者,法曹関係者などは灰色金利の廃止を強く求めてきました。今年1月には最高裁で灰色金利を無効とする判断が相次いで示され,各地で払いすぎた金利の返還を求める訴訟が広がっています。 貸金業規制法の3年目の見直し時期を来年に控え,金融庁の貸金業制度等に関する懇談会は4月,上限金利を「利息制限法まで引き下げることが委員の大勢意見」とする中間報告をまとめました。野党議員の国会での追及にも,政府は「灰色金利撤廃が大勢」(後藤田正純内閣府政務官)と認めました。 8月をめどにまとめられる政府の改正案で,灰色金利の廃止が不可避とみたサラ金,クレジット業界は,少額・短期の融資に限って高金利を認める「特例」措置を導入することを画策,7月の与党合意に盛り込まれました。新たな灰色の持ち込みであり,現状の高金利の合法化を狙うもので,絶対に認められません。 サラ金側は「消費者金融の金利が下がれば,業者は融資の幅をせばめ,借りられない借り手が多く出て,ヤミ金融がはびこる」と主張します。 まったく道理のない話です。現実に起きていることは,明るいサラ金CMにつられて軽い気持ちで借金をしたものの,高すぎる金利で返済困難になり,返済のために別の業者から借り入れるという悪循環で多重債務に陥り,ついにはヤミ金被害にまでいたるという悲劇です。 サラ金業界の信用情報機関である全国信用情報センター連合会が金融庁に示した資料では,消費者金融の利用者は全国で1,600万人にのぼり,4社以上から借りている多重債務者は356万人。平均残高は200万円で,3割以上で返済が滞っているといいます。高金利被害を断ち切ることができなければ,悲劇はどこまでも広がっていきます。 小泉首相は国会で「(低い上限金利を)もし法律で決めちゃうと必ずヤミがはびこる」(5月18日,参院行革特委)と答弁しました。業界の主張を受け売りし,高金利引き下げの流れを止めることは許されません。資金をサラ金業界に依存する自民,公明両党の議員が,サラ金寄りの立場にたつ議員連盟を立ち上げるなどしていることも重大です。 生活困窮者を狙い撃ちに,返済能力を超える借金を負わせ,違法な取り立てで追い詰め,人生を破壊するサラ金は「社会の落とし穴」です。高金利引き下げこそこれを封じる唯一の道であり,社会の要請です。 個人の融資業は本来,銀行が行うべきですが,国民も銀行からはなかなか借りられないのが現状です。最近では銀行の行内で,消費者金融の窓口やATMが置いてあります。なんとも言えない世の中です。この問題の本質も,社会福祉切捨て問題,雇用問題と関係があります。 雇用が安定していれば,万一病気になっても社会福祉が充実していれば,このような問題は社会問題にはならないのですが,今の自民党・公明党政治の膿が社会のあちこちで出てきていると考えられます。 本来,政治がすべきことができていないからこのような問題もなくならないのかもしれません。
2006年08月03日
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今年の防衛白書(「日本の防衛」)が発表になりました。小泉内閣になって6回目,小泉首相の任期中最後になる白書です。 白書は,国会でまだ成立もしていない防衛「省」昇格法案や海外活動を自衛隊の本来任務とする法案を積極的に売り込むとともに,わざわざ日米同盟強化に1章を割き,全国各地で住民と自治体が反対している米軍再編をしゃにむに推進する姿勢をあらわにしています。米軍と一体で「海外で戦争のできる軍隊」になることを目指して,国民の意思は踏みにじってもいいという態度です。 小泉内閣の5年あまりを通じて,日本の軍事力である自衛隊の増強と日米軍事同盟の強化が急速に進められてきました。 2001年の「9・11同時テロ」をきっかけにアフガニスタンとイラクでのアメリカの攻撃・侵略を支援するためにインド洋とイラクへ自衛隊を派兵したのをはじめ,政府と自衛隊の長年の懸案だった「有事法制」の制定,第三次「防衛計画の大綱」と新「中期防」の決定,アメリカとのミサイル防衛(MD)開発の合意,そしてアメリカとともに先制攻撃の戦争をたたかうことになる在日米軍再編の協議などです。 一連の動きは,憲法九条を改悪し「自衛軍」を明記しようという改憲策動ともあいまって,侵略的に強化された日米同盟のもとで日本を「海外で戦争をする国」とし,自衛隊を米軍と一体で「戦争のできる軍隊」にすることを狙ったものです。 今回の白書は,こうしたうえに今年5月アメリカとの間で在日米軍の再編について最終合意したことを踏まえ,「日米安保を一層実効的にする」と,国民の反対を押し切っても対米公約を無条件で実行していく立場をむき出しにしています。 白書が国会で審議中にもかかわらず力をこめて宣伝する防衛「省」昇格法案は,ただ「防衛庁」の名前を「防衛省」にするだけではありません。それは「国際平和協力活動」を自衛隊の本来任務にすることとあわせ,防衛庁と自衛隊を「新たな任務を果たし得る組織へ」(白書)全面的に改革していくものです。 今回の白書が,「日米関係の意義から施策まで包括的に取り上げる章立ては,防衛白書史上初」(説明資料)という触れ込みで,独立した1章を立てた「日米安全保障体制の強化」の章では,在日米軍再編の合意内容について詳しく説明し,「米国と協力して速やかにかつ徹底して実施していく」としています。 在日米軍の再編とは,日本列島を先制攻撃の戦争をたたかうための米軍の拠点とするとともに,自衛隊と米軍との本格的な軍事的協力体制を作り上げることです。これによって自衛隊は本格的に「海外で戦争のできる軍隊」としての役割を担わされることになります。国民の意思を踏みにじった日米軍事同盟の侵略的強化は許されません。 白書には,沖縄の米海兵隊の役割や海兵隊のグアム移転経費を日本側が負担することなどへの説明はあっても,沖縄や岩国や首都圏での,住民と自治体が米軍再編に反対している事実についての言及はありません。白書が国民よりアメリカの利益を優先させていることは明らかです。 白書が盛り込んだ防衛庁の「省」昇格や米軍再編は,国民との抜きがたい矛盾を抱えています。アメリカいいなりの危険な企てに,主権者・国民の批判は避けられません。 何故,政治家は,軍事拡大を積極的に進めようとしているのか,これは日本に対するアメリカの要求で戦後(1948年2月)からずっとありました。これに関して,1949年2月,統合参謀本部で決定されたアメリカの軍事首脳部の公式の方針として確定している「覚書」で明らかになっています。※アメリカ陸軍長官ロイヤルのフォレスタル国防長官あての覚書「日本の限定的な再軍備」(1948年5月18日)を1949年2月28日にアメリカ統合参謀本部決定になったのです。 この「覚書」では今(1949年)から実行にあたる方針として,次の2つの点を提起していました。(1)まず警察力増強の形で,軍隊に準じる組織をつくって,それを育ててゆくことをただちに実行する。この組織は,将来の軍隊のために「媒体」になるものだ。(2)将来,(日本国)憲法を改定し,本格的な軍隊を持たせるための準備を進める。憲法問題の探求と同時に,アメリカの監督下に再軍備を実際的に進める計画の準備を現時点でただちに開始しなければならない。 この元に,警察予備隊,自衛隊となった歴史があります。そして,自民党・公明党連立与党が衆議院で2/3以上の絶対多数を有している今こそ,憲法九条を改定し,再軍備をする絶好の機会であることはアメリカ自身も考えています。 日本を再び戦争ができる国へと変えようとしている改憲派は,今日もアメリカの要求である日本再軍備のための方策を少しずつ実行に移しています。これに対抗する勢力として,全国に「憲法九条の会」が既に5,000以上生まれています。この会を少しでも大きくすることが,日本が戦争する国になることを阻止するチカラなのです。
2006年08月02日
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医療制度改悪による患者負担増が10月から実施されます。 患者負担を増やして受診を抑制することは,早期発見,早期治療を妨げる最悪のやり方です。到底容認できません。 医療制度改悪法は今年6月,自民党,公明党の賛成で成立しました。10月実施の負担増の柱は(1)70歳以上の「現役並み所得者」の窓口負担の2割から3割への引き上げ(2)70歳以上の療養病床入院患者の食費,居住費の自己負担増(3)高額療養費の自己負担限度額の引き上げです。 高齢者を中心とした今度の負担増は,これまで以上に深刻です。 6月に実施された,住民税の老年者控除の廃止,公的年金等控除の縮小,非課税措置の廃止,定率減税の半減の影響で,高齢者に大幅な増税があったからです。 収入は増えず,年金は減っているというのに,税金が何倍にも増えます。それに連動して国民健康保険や介護保険料も負担増になる。介護保険料は3年に1度の見直しでほとんどの市町村で大幅引き上げになっており,二重の負担増です。 この高齢者への控除縮小・廃止が医療費の窓口負担にも大きな影響を与えます。 2割負担の「現役並み所得者」(課税所得が145万円)の範囲が,この8月から大幅に広がります。控除の廃止・縮小で,対象となる年収基準が夫婦2人世帯でも単身世帯でも約100万円も引き下げとなります。年収が夫婦2人世帯で約520万円以上,単身世帯で約383万円以上あると,「現役並み所得者」とされます。その対象は約90万人も増え約200万人にも及びます。 新たに「現役並み所得者」とされた高齢者は,医療費の患者負担が8月には1割から2割へ,10月には2割から3割へと,わずか2ヶ月で3倍になるのです。 「現役並み所得者」は“高額所得者”ではありません。国民全体のなかでみればごく平均的な収入です。 政府は,負担増を正当化するために「高齢者と現役世代との公平」をいっていますが,病気は公平にはやってきません。病気にかかりやすく,治療にも時間がかかる高齢者の負担は,現役世代より低く抑えることこそ公平です。「現役並み所得者」と名づけて高齢者に負担増を押し付け,その範囲を税制改悪で拡大していく卑劣なやり方を認めるわけにはいきません。 日本の医療費は,発達した資本主義国のなかで経済の規模に比べて低い水準にあるのに,患者の窓口負担は突出して重いのが特徴です。窓口負担は引き上げるのではなく,引き下げが必要です。 政府は,医療制度改悪法に基づき,「混合診療」拡大の10月実施にむけた作業も進めています。政府は「必要な医療は保険適用する」と答弁しています。保険外負担の拡大を許さず,保険でだれでもどんな病気でもみてもらえる仕組みを充実させる取り組みが必要です。 2008年4月には75歳以上のすべての高齢者から保険料を徴収する「高齢者医療制度」が導入されます。滞納者から保険証をとりあげる措置を盛り込んでいます。制度導入と同時に「現役並み所得者」を除く70歳-74歳の高齢者の患者負担も1割から2割に引き上げとなります。情け容赦のない仕打ちです。 高齢者に雪だるま式に痛みを押し付ける大増税と医療制度改悪は中止することを求めます。国民もこのような悪政を許してはいけません。国民には負担増や増税を押し付け,大企業は史上最大の利益を上げ,その一部が政治献金となって政治家が受け取っている。こんな政治を許しているのは,マスメディアに踊らされ,自民党・公明党そして民主党に票を入れている国民がまだまだたうさんいることを示しています。 国民も政治を他人事を思わず,しっかりと政党の本質を見て,選挙で自分たちの代議員を選んで欲しいと強く願います。
2006年08月01日
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医師不足が社会問題化するなか,厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」は7月28日,報告書をまとめました。国民の期待に応える内容なのでしょうか。 全国各地の医師不足は,病院や診療科の閉鎖という事態を招き,住民・患者の命と健康を脅かしています。過重労働やストレスが医師や医療スタッフの心身をむしばみ,医療事故の背景にもなっています。検討会でも批判 ところが報告書は,“医師は基本的には足りている”と従来の主張を繰り返し,「地域別・診療科別の偏在」さえ解決すればいい,医師増員の抜本的施策はとらない,と結論づけました。これでは,ますます医師不足に拍車をかけることになりかねません。報告書を撤回し,患者,医療現場,地域の声を十分反映するよう検討し直すことを強く求めます。 問題点のひとつは,現場の実態を反映していないことです。 神奈川県茅ケ崎市では,総合病院の産科が次々と廃止され,「将来はヘリコプターで妊婦を搬送する事態になる」といわれています。千葉県のある地域では,七市町村が運営する病院が内科病棟の半分を閉鎖しました。 検討会でも「患者の視点では医師は不足している」「医師は過剰になるという認識は正しいのか」という根本的な批判があがったほどでした。しかし,実態を踏まえた分析は一切行われていません。 もうひとつの問題は,国際比較の視点が欠落していることです。 人口1,000人あたりの医師数では,日本はフランスやドイツの6割にすぎません。OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均医師数で比較すると,日本の医師数は120,000人不足しています。 検討会には,岩手県から“OECD諸国の考え方も検討すべきだ”との道理ある意見が寄せられましたが,無視されてしまいました。 呆れたのは,報告書が「9,000人増えれば医師は足りる」ことを不動の前提にしていることです。“必要な医療はすでに提供されている”という現状認識で出発し,医師の勤務時間を「週48時間」にすれば,「必要医師数」は満たされるとし,その数を「266,000人」としました。9,000人増ありき 医療施設で働く現在の医師数は257,000人です。だから「9,000人増員」だけで,国民に必要な医療が提供され,医師の労働条件も抜本的に改善できると描き,その延長線上で将来的にも「充足する」としたのです。 そもそも「48時間」を前提にすることの問題点に加え,「必要医師数」の算出根拠にした「勤務時間」とは,当直時間や待機時間は除外するなど極めて恣意的な設定です。 報告書自身,「医療施設に滞在する時間を全て勤務時間と考え,これを週48時間までに短縮する」ことも想定して,その場合は「61,000人」が不足すると記述しています。ところが,この後にすぐ「適切ではない」と退けました。検討会の委員からは“どう公平に見ても「9,000人増が先にありき」としか映らない”と指摘されるような,「机上の空論」の数字でしかありません。 政府・与党は,社会保障や医療に対する国の財政支出と大企業の税・保険料負担を抑えるために,窓口負担増で受診を抑制するだけでなく,入院するベッドをなくしたり,病院の統廃合を強行しています。報告書の「医師の増加抑制」の考えの根底には,この「医療給付費削減」があるのです。抜本的な目標を 報告書は不十分ながら,大学医学部の「地域枠の設定」や「地域枠と奨学金の連動」など当然の施策を盛り込みました。 しかし,医療供給体制を充実させるために,医学部の定員増など医師数を抜本的に増やすという大きな目標を立てないといけません。 不足が深刻な小児科・産科については,公的医療機関が地域の中核的存在となり,それにふさわしい体制をとることなどが急務ですが,そのためにも医師全体の増員が不可欠です。 問題の大本には,社会保障への国の支出を抑え,無駄な大型公共事業や軍事費に税金を使う「逆立ち財政」があります。この構造の転換こそが国民に安全な医療を提供できる体制をつくります。 自民党・公明党連立与党は,国の社会保障の支出を抑えるために,役人にまでそのような報告書を作らせているのでしょうか。なんだか,結論ありきの検討会で,報告書もその結論に沿うようにまとめられている感が拭えません。 無駄な大型公共工事や軍事費に税金を使うことが,自民党・公明党の国会議員にとっては利益があることを暗に示しています。軍事や公共事業ではなく,国民の暮らしや労働に対して,しっかり予算をつけることが,国民が安心して生活できる大前提なのですが,国会議員にはこれが理解できないのでしょうか。 世界から見ても,異常なことばかりの日本の現状を今の政治化が変えることができるのでしょうか。できないのであれば,国民は,自分たちのために政治をしてくれる政治家を選ばないと,手遅れになってしまいます。
2006年08月01日
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