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この一年,貧困と格差の広がりが社会問題となりました。ことしの新語・流行語にも「格差社会」をはじめ,OECD(経済協力開発機構)の調査で先進国で日本が2番目に高い「貧困率」,あるいは「勝ち組・負け組」があがりました。 貧困と格差の広がりは,雇用,社会保障の破壊と結びついています。製造業の大企業が使用者責任を逃れ,人件費を削るための「偽装請負」も流行語の一つに数えられ,社会問題となりました。弱者を食い物にするサラ金の高金利の温床となってきた「グレーゾーン金利」という言葉も,国民の間に急速に広がりました。 同時に,貧困と格差を象徴するこれらの社会問題にたいし,国民運動と連携した野党の国会での追及で,現実政治を動かす一連の成果をかちとることができました。 「偽装請負」をただす闘いでは,各職場で改善させただけでなく厚生労働省に是正の通達(9月4日)をださせました。サービス残業根絶の通達(2001年4月)に続く成果であり,職場から無法を一掃する大きな力です。サラ金規制では,「グレーゾーン金利」を廃止する法改正をかちとりました。 障害者自立支援法をめぐっても,政府は負担軽減策を補正予算と来年度予算案に盛り込まざるをえなくなりました。政府はいまなお応益負担に固執しており,今後の運動が重要ですが,ここまで政府・与党を追い詰めたのは大きな前進です。 政府がいくら景気の順調な回復を言い立てても,その「実感がない」国民が8割近くにのぼります(「読売」世論調査,12月27日付)。その背景には,貧困と格差の広がりがあります。賃金が上がらない,企業が正社員ではなく非正規で雇うケースが増えている,といった生活の実態から,国民は政府の景気回復判断に“異議あり”の答えをだしています。 税金をめぐっても,高齢者を中心に,急激な増税・負担増が襲いかかり,6月の住民税通知を境に,日本列島の津々浦々で怨嗟の声が沸騰したまま消えることはありません。 貧困と格差の広がりの根底には,このブログでも指摘してきたように,異常な大企業中心主義の政治があります。 今年を回顧し来年を展望するマスメディアの企画のなかで,ワーキングプア(働く貧困層)と非正規労働者の増加の事実をあげて,企業の露骨な儲け主義に目をむける発言が出ていることは注目されます。 「労働では財界主導の『切り捨て』路線が進む」,「企業は人件費削減に必死だが,…マクロとしては経済の停滞につながる」,「企業は露骨に儲けることばかり考えている」(「朝日」12月27日付)。 国民の多数を占める働く人々の生活と雇用を脅かす政治に対する国民の怒りがマスメディアにも反映しています。政府は,労働者を残業代なしで何時間でも働かせる労働法制の改悪方針を打ち出し,来年の通常国会に法案を提出しようとしています。こうした労働を破壊する動きと働く貧困層の拡大に「来年は政治全体に対して人々が爆発することもありうる」との見方もあります。 蓄積された“マグマ”を,政治を動かす現実の力とするために,来年も力を合わせましょう。最後にブログを訪れてくれた40,000余りの読者に感謝します。来年は「勝負のとき」です。今後とも宜しくお願いします。
2006年12月31日
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在日米軍再編の一環として嘉手納基地(沖縄)などの米軍機訓練を本土の航空自衛隊基地に移転する計画で,2007年度中に日米が移転先に決めた六カ所すべての基地で,それぞれ複数回にわたり訓練を行う予定であることが分かりました。来年三月までに一または二カ所の空自基地で訓練を実施する計画です。耐えがたい米軍機の爆音や事故の危険を全国に拡大するものです。 問い合わせに対する回答が防衛施設庁から来ました。訓練が実施されるのは,千歳(北海道),三沢(青森),百里(茨城),小松(石川),築城(福岡),新田原(宮崎)の6ヶ所。在日米軍再編の日米合意では,嘉手納と三沢,岩国(山口)の各米軍基地に配備されている戦闘機などの訓練をこれらの空自基地(三沢は米軍との共同使用)へ移転するとしています。訓練は,空自との共同訓練の形で行います。 施設庁は,訓練について米軍機と自衛隊機の各1-5機で最大7日間の規模から始めるとしていました。2007年度には,米軍機と自衛隊機の各6-12機で最大14日間の訓練も実施したい考えです。 施設庁は,来年3月までに移転訓練を実施する基地名については「日米で協議中」として明らかにしていませんが,実施部隊は嘉手納基地の戦闘機の予定です。訓練の移転に伴う騒音対策として,移転先6基地のうち三沢,小松,築城,新田原の各基地周辺の住宅移転も計画しています。 政府は訓練の移転のため,2006年度補正予算案に約4,400万円,2007年度予算案に約3億7,300万円を計上。戦闘機の飛行経費整備用員などの人員・物資の輸送費移転先での施設建設のための現地調査費を負担します。また,住宅移転のための補償費として約27億円を2006年度補正予算案に盛り込んでいます。 これまで日米両政府は,移転先となっている各航空自衛隊基地での米軍機と自衛隊機による共同訓練の回数を,年約4回に制限していました。実際には,これらの基地で実施された共同訓練は過去7年間(1999年-2005年)を通して各1回-3回程度でした。 在日米軍再編の日米合意では,この訓練回数の制限を撤廃しました。防衛施設庁は,2007年度に訓練の移転を計画している各基地でのそれぞれの訓練回数を明らかにしていませんが,6基地すべてで複数回にわたり実施することを明らかにしました。各基地での共同訓練はこれまでより飛躍的に増大することになります。 政府が2006年度補正予算案に訓練の移転先周辺の住宅移転補償費約27億円を計上したのも,そのためです。 これは,爆音被害により基地周辺に住めなくなった住民の住宅移転の費用を補償したり,土地を買い取るものです。防衛施設庁は「住民の懸念や心配を踏まえて要求した」と説明しています。 建物補償だけでも,三沢基地(青森県)37件,小松基地(石川県)21件,築城基地(福岡県)5件,新田原基地(宮崎県)2件を行う予定です。 防衛施設庁は,訓練移転によって基地周辺の騒音が実際に悪化することはないとも主張しています。しかし,住宅移転の補償費を計上せざるを得ないところに,爆音や事故の被害が避けられないことが示されています。 日本政府は,訓練移転の理由について「沖縄の負担軽減」を挙げています。 しかしアメリカ側は「訓練を減らすことが目的ではなく,航空自衛隊との共同訓練を拡大して同盟を強化する」(ローレス米国防副次官,昨年12月)と指摘しています。その狙いが日米航空部隊の一体化=共同作戦能力の強化にあることは明らかです。 しかも,訓練が本土に移転される嘉手納基地で「負担が軽減される」という保証はどこにもありません。 北原巌男防衛施設庁長官は,年間70,000回といわれる嘉手納基地での米軍機の離着陸回数がどれだけ減るのか「具体的に示すのは難しい」(5月)と述べています。 嘉手納基地では,周辺自治体の強い抗議にもかかわらず,「ミサイル防衛」用の迎撃ミサイルPAC3とその運用部隊の配備が強行されました(10月)。在日米軍再編の日米合意では,空自との共同訓練のために同基地を共同使用することも決めています。 同基地で実際に進行しているのは,「負担軽減」どころか,基地の強化そのものです。 爆音や事故の被害に苦しめられている嘉手納基地を抱える自治体・住民が求めているのは,訓練移転ではありません。嘉手納町議会が全会一致で可決した決議(5月)は「町民や県民の極限に達した恐怖と不安を解消するには,もはや主力戦闘機F15部隊そのものの撤去しかあり得ない」と強調しています。
2006年12月30日
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カラオケバー,マイカーの車検代…,すべて税金から支出。地方議会における,政務調査費(政調費)の使い道が問題になっています。しかし多くの自治体で支出の内容は闇の中です。公明党などの不正支出が発覚した目黒区を含む東京二十三区について,政調費の支出報告書に領収書添付が義務付けられているか調査しました。条例で領収書の添付を義務付けていたのは6区と,少数でした。 政調費の支出報告書に領収書添付を義務化することには重要な意義があります。実際の使途を証明する証拠書類として欠かせないからです。 政調費の実態に関し,領収書添付の有無,義務付けの議会での検討状況などについて,二十三区の議会事務局に問い合わせました。その結果,金額にかかわりなく,条例で領収書添付を義務付けているのは千代田区,新宿区,品川区,豊島区,練馬区,葛飾区だけでした。 この他,目黒区は議長の定める規程で義務付けを定めていました。中野区と足立区は,1件50,000円以上の支出について義務付けています。残りの14区については,領収書を議会に提出する義務がありませんでした。 領収書の添付を義務付けている6区でも,そのうち原本の提出を求めているのは,千代田区と品川区だけでした。残り4区はコピーの提出です。 議長の規程で義務付けている目黒区もコピーの添付です。同区では,公明党目黒区議団(全員辞職)による領収書偽造の疑惑など,極めて悪質な事例が発覚しています。 本来,地方議会は行政の不正をチェックする立場にあります。官製談合や不正支出など,地方行政の歪みが次々と明るみに出るなか,その役割はますます重要です。しかし,政調費の領収書添付の実態を見る限り,これでは行政監視どころではありません。 政務調査費が各自治体の条例で定められたのは2001年からの,地方自治法の一部改正の実施にともなってでした。当時,国会では内閣官房や外務省など「機密費問題」が浮上。機密費の名の下で,“餞別”や野党工作,選挙費用にまで税金が流用されていたことに,国民の怒りが集中していました。 こうしたなか,領収書添付義務付けをめぐる“攻防”は,各自治体が政調費を条例に定めた当初から,既に始まっていました。地方議会の政調費も,“透明度”が求められたのです。 中央区では2001年3月,地方自治法の改正にあわせて政調費を条例で定める議案の採決をしました。このとき,添付義務付けなしの区長案に反対する修正案を日本共産党中央区議団が提出しました。森山一区議(当時)は,こう訴えました。 「領収書等という支出を証明する証拠書類の添付が義務付けられていないことは,政務調査費の使途の透明性確保という点で根本的な欠陥」,「使途の透明性を確保する規定を設けることが,区民の期待にこたえる道ではないか」。 ところが修正案は,自民・民主・公明など「オール与党」の反対で否決されました。 渋谷区では,この5年間,添付義務付けの議案が毎年提出されています。提出者は日本共産党渋谷区議団です。議案は,やはり「オール与党」の反対ですべて否決されました。 日本共産党板橋区議団も今年9月,添付義務付けを求める条例を提案しています。 目黒区での「不適切支出」発覚以来,住民の厳しい批判にさらされて,政調費をとりまく状況に変化も生まれつつあります。 港区,杉並区,荒川区では12月,添付義務付けの議案が可決し,来年度中に施行することになりました。目黒区では12月26日,これまでの「規程」によるコピー添付から,条例で原本の添付義務付けへと改正しました。中央区,墨田区,江東区,渋谷区,足立区でも,区議会として政調費の見直しを検討しているといいます。 議会と議員が政調費の使い道を公開せずに,闇の中にしまいこんだままでは,不正の温床はなくなりません。領収書の添付義務付けという当たり前のことを実施して初めて,議会としての出発点に立つことができます。 同様のことが国会議員にも言えます。経費として認められて支給されている様々なもので領収書の添付が免除されているものがまだまだ多くあります。本来の目的で使用されるべき経費なのに,それに使われず議員の私的な流用が見られます。 税金である以上,経費を認めるのであれば,領収書の添付は必要最低限のことではないでしょうか。国会も議会の出発点に立つことができるよう当たり前のことが当たり前に実施するよう一日も早く改善して欲しいものです。【参考】政務調査費議員の調査研究に必要な経費の一部として,議員報酬とは別に,議員個人または会派に交付される費用。使わずに残った分は,返還しなければなりません。2000年の地方自治法の一部改正にともない,それまで要綱や議会内の取り扱いという形で交付していたものを,各自治体ごとに条例で定めることになりました。
2006年12月30日
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冬野菜の卸売価格が暴落し,需給調整の目的でダイコンや白菜,キャベツの産地廃棄が広がっています。丹精こめて育てた野菜をトラクターで踏みつぶさねばならない農家の悔しさは,想像に難くありません。 農林水産省の資料によると,11月には青森,福島,茨城,福岡,熊本などで,秋冬ダイコンや白菜の約12,000トンが,12月にも愛知,鹿児島などで冬キャベツ約10,000トンが廃棄されました。 最近の野菜価格暴落の原因は,秋から冬にかけての温暖な気候と適度な雨量で大豊作になり,消費量を上回ったためだといわれています。キャベツの場合,10キログラムで運賃など流通経費,箱代などが最低230円必要といわれますが,卸売価格は11月には200円を割り込みました。 野菜価格の乱高下はかなり頻繁です。政府の大量流通,大産地偏重の政策の結果,主要産地の作況が価格動向を左右するからです。それに加えて,輸入増大が生産者価格の安値安定を押し付けています。 近年消費者と生産者の協力する産直や地産地消が新たに広がっていますが,そのひとつの要因に,野菜政策や流通実態への反省があります。 ところが政府は,農政改革に関連して野菜政策を見直し,担い手の比率が高い大産地を優遇し,小産地を差別する政策をさらに強めています。産地,生産者を選別する政策は,産直などの動きに逆行することにもならざるをえません。 野菜の国内消費のうち,家計消費は減少傾向にあり,外食や中食(冷凍食品や総菜など)が増えています。主要な野菜の国内需要は,加工・業務用が54%(2000年度)となり,家庭用の46%を超えています。低価格,品ぞろいなどを理由に輸入が急増し,トマト,タマネギ,レタスなどでは,加工・業務用の60%近くを輸入ものが占めています。 加工・業務用を中心に,生食用も含む輸入の急増で,1965年度に100%だった野菜の自給率は,1995年度には85%,2004年度には80%にまで下がっています。 加工・業務用への国内産の供給を増やすことは,わずかな生産増がただちに価格の暴落を招かないようにするためにも,野菜の自給率を向上させるためにも重要です。生産者への低価格押し付けではなく,価格の安定とコストの低減への援助など再生産を保障する政策を確立することが不可欠です。 農水省は,今年4月に「21世紀新農政2006」で,グローバル化に対応した農政の改革を打ち出しました。その最大の目玉にあげられているのが「東アジア食品産業共同体構想」です。 「国内市場は少子化・高齢化等により成熟化」して期待できないから「魅力的な東アジア市場」にむけて,「日本の食品産業の海外進出を促進する」というものです。こうした食品産業の海外進出は,結果的に,低賃金などを武器にした海外からの加工用・業務用の開発輸入の拡大にも結びつき,食料自給率を一層押し下げる危険があります。 内閣府が12月21日に発表した「食料の供給に関する特別世論調査」では,日本の食料自給率が「低い」と感じている人は6年前の前回調査から17.3ポイントも増え,70%を超えています。 食料自給率を引き上げることは,国民の願いです。国内の農業と食料を守るために,農政のあり方を転換することが求められます。
2006年12月30日
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支持率低下に頭を痛める安倍政権にとって唯一のプラス材料といわれるのがアジア外交です。しかし,アメリカには歓迎される一方,政権のコア(堅い)支持層は…。 「安倍首相はリスクの大きな選択をした。日中首脳会談の実現まではよいとして,来年は厳しい局面がくる。参院選後にはコアの支持層の突き上げがきつくなる。棚上げした靖国問題の決着を迫られる」。首相に近い自民党国会議員はこう指摘します。 安倍氏が,靖国神社に参拝するともしないとも明言しない形でこぎつけた日中首脳会談。安倍氏を支持してきた日本会議など右派保守層に不満がくすぶっています。 安倍首相は,首相就任以前,対中強硬論者の中心で,「対中国原理主義者」といわれました。9月の自民党総裁選で,「中国が軍国主義者と一般国民を分ける認識を示したことは事実だが,日本は合意していない」と発言,1972年の日中国交正常化の原点を否定してみせたものです。 しかし日中国交正常化は,日本が侵略戦争の責任と反省を表明,中国が戦争責任は一部の戦争指導者にあり,一般の日本国民も被害者だったとして賠償請求を放棄して実現しました。 ある国際政治学者は安倍氏について「発展する中国を認めたくなく,反発と警戒心が先に立つ。日本が一方的に譲歩を強いられているとの思いから中国への対抗心をかき立てる。歴史認識,アジア観の根底にそれがある」と指摘します。 次期首相が確実視されていた安倍氏の発言がメディアを動かし,右派論客,右派保守層が呼応して排外的ナショナリズムを増幅してきました。 しかし首相就任後,中国と戦略的互恵関係を打ち出した安倍首相。靖国参拝をすれば自身の外交成果を台無しにしてしまうというジレンマを抱え込んでいます。 安倍政権成立の内外要因が,アジア外交を拘束しています。 安倍首相の転換について韓国の知日派の一人,陳昌洙・世宗研究所日本研究センター長は11月下旬,都内での講演でこういいました。「小泉首相の構造改革を引き継いだ国内政治で点数を得るところはなく,アジア外交でしかポイントをあげることはできない」。 小泉政権で行き詰まったアジアとの関係改善は,日本財界の強い意向でもあります。「日中首脳会談をやったことで,安倍政権の役割の半分は終わった」。財界からはこんな声が漏れてきます。 アメリカのブッシュ政権は安倍政権発足に強い影響を与えました。靖国参拝問題で緊張関係がつづく日中関係でアメリカは何をするべきか。9月中旬,安倍首相と親しいマイケル・グリーン前米国家安全保障会議アジア上級部長がアメリカ議会で証言しました。(1) 日中関係の険悪化は,アメリカの利益にならないことを明確にする(2) 日本に米国の対中戦略を説明し,理解を得る。 中国・アジアの安定と発展はアメリカの国益に直結しています。北朝鮮問題や東アジア共同体構想などを抱えるアジアで信頼されていないアメリカにとって,日本はアメリカのアジア戦略の土台です。 今月はじめ,ニューヨーク。アーミテージ元国務副長官は講演でいいました。アメリカにとって日本が重要なのは「価値観を共有しているからだ」。アメリカのアジア戦略に沿って始動した安倍内閣のアジア外交への評価です。 アメリカと財界の言いなり政治しかができない安部内閣,自民党・公明党連立与党。当然政策的に自己矛盾を抱え,破綻するのは明らかです。また国民のための政治など到底出来る訳がありません。こんな政治を1日でも早くやめることが国民のためなのです。
2006年12月29日
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政治資金収支報告書の虚偽報告が発覚した佐田玄一郎行政改革担当相が記者会見して「調査結果」なるものを明らかにするとともに,一部に不適切な会計処理があったことを認め,閣僚を辞任しました。 安倍内閣では先に安倍首相の肝いりで政府の税制調査会会長に就任した本間正明大阪大学大学院教授が,公務員宿舎の不正な入居問題などで辞任したばかりです。佐田氏は先の総裁選の際,「安倍晋三さんを支える会」会長として,安倍政権実現に奔走しました。相次ぐ不祥事は,この内閣の“規範意識”の薄さとともに,任命した安倍首相の責任を鋭く問うものです。 マスメディアなどの報道で発覚した佐田氏の政治資金報告にかかわる疑惑は,佐田氏の政治団体「佐田玄一郎政治研究会」が1990年の発足から2000年までの間,実際には事務所がないのに事務所費や光熱水費の名目で約7,800万円の経費を支出したとする虚偽の政治資金収支報告書を,国に提出していたというものです。 佐田氏は記者会見で,全額地元での政治活動などに使っていたという「調査結果」なるものを明らかにしましたが,虚偽の報告で国民を欺いたという責任は免れるわけではありません。 たとえ「調査結果」どおりとしても,事務所費など経常経費には領収書添付の義務付けがないことを利用して,公表したくない資金を捻出したという疑いはいよいよ濃くなり,文字通り悪質極まりない手口というほかありません。 政治資金の虚偽報告が指摘された政治団体は,実際には活動実態がほとんどないのに,発足からの10年間に2億円を超す政治活動費を支出したと国に届けていたことも明らかになっています。 佐田氏の選挙区は群馬県で,政治団体が置かれた東京で活動する必然性はなかったといわれます。なぜ政治団体をつくり,虚偽報告したのか。巨額の政治資金が実際には何のために使われたのか。佐田氏は辞任で疑惑に口を閉ざすのではなく,全面的に解明の責任を果たすべきです。 政治資金の収支報告は,国民によって選ばれる政治家や政党・政治団体の資金活動を透明にし,その活動が「国民の不断の監視と批判の下に行われる」(政治資金規正法第1条)ようにするために定められているものです。その報告書を偽り,虚偽報告するというのは,政治家としての資格に欠けることを自ら認めるものというほかありません。 佐田氏は,政治資金報告と関係が深い総務副大臣などを歴任し,行政改革を担当する閣僚でした。虚偽報告で国民を欺いた責任は極めて重いといわなければなりません。 それにしても,本間氏の公務員宿舎不正入居問題といい,今回の佐田氏の政治資金虚偽報告問題といい,安倍内閣の“規範意識”の希薄さは驚くばかりです。辞任に追い込まれた2人だけでなく,この間マスメディアなどで問題行動が報道された閣僚や党幹部が続出しています。 安倍首相は本間氏の場合は「職務を全うして欲しい」とかばい続け,佐田氏については本人の調査に委ねて自ら疑惑を解明しようとはしませんでした。 首相は任命権者としての自らの責任を果たすべきです。首相が責任を果たさないなら,首相としての資格そのものが問われます。
2006年12月28日
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安倍内閣は,来年度予算案で,私立大学・短大などの国庫助成を46億円(前年度比1%)削減し,国立大学に対する運営費交付金も171億円(同1.4%)削減しました。「骨太方針2006」(7月閣議決定)の「名目値で対前年度比1%削減」に沿ったものです。大学の教育・研究を一層困難にするものであり,国民の高等教育充実の願いに逆行しています。 国立大学の運営費交付金は,2004年の法人化後,毎年削減されてきました。今回は「効率化ルールの徹底」を口実に最大の削減幅です。既に国立大学では,財政ひっ迫から研究費がゼロになるとか,講義が廃止されるなどの事態に直面する大学も少なくありません。これ以上の予算削減は,特に財政規模の小さい地方大学や単科大学にとっては厳しく経営基盤が成り立たなくなります。学費値上げへの圧力も強まります。 私学助成の削減は,1984年以来のことであり,重大な後退です。文科省は,定員割れの大学への補助金の削減幅を拡大する一方で,研究者に配分する「科学研究費補助金」(科研費)のうち大学運営に使われる「間接経費」分で私立大学への経常費補助の減額を補うとしています。これでは,科研費を多額に獲得できる有力大学とそうでない大学との格差がさらに拡大します。私立大学の4割が定員割れとなっているもとで,こうした削減は,経営困難な私立大学を切り捨てるものです。 そもそも,私立大学は,学生数の7割をかかえる重要な公教育機関です。国には,私立大学が担う公共的役割をはたせるよう財政的に支援する責任があります。国会では私立大学への助成を「できるだけ速やかに(経常費の)1/2とするよう努める」と繰り返し付帯決議で確認しています。国が私学助成を経常費の1割程度に抑制してきたこと自体,重大な責任放棄です。 このため,私立大学は収入の大半を学費に頼らざるを得ず,「世界一高い」学費を国民が負担していながら,教員1人あたりの学生数が国立大学の3倍近くになるなど不十分な教育条件となっています。 家庭の所得格差によって大学進学率の格差が広がっていることは,東京大学の研究グループの高校生進路調査でも明らかになっています。国は,教育の機会均等の実現にむけ,学費を引き下げるよう私学助成を増やすべきです。 政府は,少子化による学生数の減少を私学助成削減の理由にしています。しかし,貧困な私学助成による高学費は,少子化の大きな要因です。少子化の克服のためにも学費を引き下げるべきです。私学助成削減は少子化に追い打ちをかけることになりかねません。 日本の高等教育予算は,国内総生産比で0.6%と,OECD(経済協力開発機構)加盟29ヶ国の平均1.3%の半分にも満たず,韓国と並んで最下位です。他方で公共事業費は,欧米諸国と比べて突出しており,「逆立ち財政」はそのままです。米軍再編には,新たに313億円も計上しました。科学技術予算を増やしたといいますが,産業競争力に寄与する研究に集中投資するもので,基礎研究や高等教育にかかわる予算は抑制されています。 国立・私立両方の大学予算を削減して安倍内閣に「教育再生」を語る資格はありません。国公私立の大学関係者,国民が連帯して怒りの声を上げるときです。
2006年12月27日
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2007年度政府予算案で,軍事費は2006年度比0.26%減の4兆8,016億円です。社会保障関係費を大幅抑制する一方で,軍事費をほぼ同水準にしたこと自体,日米軍事同盟重視の表れです。 2007年度の軍事費は防衛庁から昇格する防衛省(2007年1月9日発足)の初予算案です。日米両政府が合意した「世界のなかの日米同盟」路線を具体化しています。 自民,公明,民主三党が強行した自衛隊法改悪で海外派兵が自衛隊の本来任務となりました。予算案の柱のひとつが海外派兵関連です。 陸上自衛隊の海外派兵の計画・訓練・指揮にあたる中央即応集団司令部を朝霞駐屯地(東京都,埼玉県)から,米軍キャンプ座間(神奈川県座間市,相模原市)に移す計画は重大です。キャンプ座間に移転する米陸軍第一軍団司令部と連携して,自衛隊の海外作戦を指導する司令塔になるからです。 中央即応集団司令部の指揮を受けて「海外平和協力活動」に迅速対処する「中央即応連隊」の新設は,日本が海外で軍事作戦を専門にする実戦部隊をもつことを意味します。 この海外派兵態勢づくりはアメリカがイラク戦争のような先制攻撃戦争をはじめれば,自衛隊を真っ先に海外の戦場に送り,進んでアメリカ軍を支援するためのものです。「日本防衛」とは無縁です。戦争を放棄した憲法九条のもとで,海外で戦争できる正真正銘の軍隊づくりを強行するなど許されません。 約1,826億円を計上した「弾道ミサイル防衛」も,日本を在日米軍基地とアメリカ本土を守る盾にし,アメリカが反撃を心配しないで世界で先制攻撃戦争を行えるようにするためのアメリカのための戦略防衛にすぎません。「日本防衛」のためというのは間違いです。 米軍基地再編経費は「地元負担軽減」を口実にしただけでも72億円が計上されました。沖縄新基地(沖縄県名護市)建設のための環境影響評価調査に10億円,岩国基地(山口県)への米軍機部隊の移設調査に1億4,000万円,再編交付金50億円などが内容です。 これは国内の米軍基地と自衛隊基地,グアム米軍基地の再編のために要する3兆円支出に向けた第一歩です。軍事費は国内総生産の1%以内に抑えるという政府方針があるため,政府は米軍再編経費を従来の軍事費とは「別枠」扱いにして,いくらでも税金を投入する仕組みを新たに導入しました。これも「特別の予算措置を考えているのか」というアメリカ政府の言い分(6月の日米防衛首脳会議でラムズフェルド国防長官=当時)に沿ったものです。 生活予算を削り国民の痛みを大きくしながら,海外派兵態勢づくりを加速し,従来の軍事費と別枠扱いの仕組みまでつくって米軍のための巨額負担にふみだした安倍内閣の対米追随姿勢はあまりにも異常です。 アメリカいいなりの際限のない軍事費を認めることはできません。 アジアと世界は戦争一本やりでなく,平和的話し合いで紛争を解決する流れを加速しています。アメリカに付き従って,海外で「戦争をする国」にする路線そのものが根本的に問われています。安倍内閣の日米軍事同盟強化路線では日本は世界で孤立するだけです。 軍事一本やりをあらため,憲法九条を生かした平和への道に徹することが必要です。
2006年12月26日
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安倍内閣が「成長なくして日本の未来なし」を看板にした2007年度予算の政府案を決定しました。 「成長」策の売り物は大企業・大資産家向け減税です。減価償却税制の拡充で大企業を中心に国・地方合わせて6,000億円強に上る減税,富裕層向けの証券優遇税制の延長で3,000億円の減税を盛り込んでいます。 庶民には対照的な対応です。母子家庭などの生活保護は641億円,失業対策は2,112億円も減らします。定率減税の全廃で1.7兆円の増税が決まっています。 今回の「景気回復」は記録ずくめです。政府認定の「回復」期間が戦後最長になり,大企業の利益は過去最高を更新しています。しかし,何より大きな特徴は,戦後の「回復」局面の中で初めて名目賃金の伸びがマイナスに転落したことです。 内閣府が発表した「日本経済2006-2007」(ミニ経済白書)は「企業側は全体として労働分配率の低下を持続しながら賃金上昇率を抑制し,企業収益を確保している状況となっている」と分析しています。 収益の労働者への配分を引き下げることで,大企業が儲けを拡大している構造です。庶民が「回復」を実感できないのは,労働者に配分されるべき所得がどんどん吸い上げられているからです。 「ミニ経済白書」は,非正規雇用の比率が上昇して,労働分配率と賃金を押し下げた事実を確認しています。さらに,今後も企業は非正規雇用を増やす計画であり,「特に大中堅企業において労働分配率は低下傾向にある」と指摘しています。 小泉内閣に至る歴代自民党政府は,人件費を圧縮して目先の利益を追求する大企業の行動を,労働者派遣や契約社員など雇用の規制緩和で応援し,助長してきました。これが,いくら働いても生活保護の水準以下の所得しか得られない「ワーキングプア」と,「偽装請負」という犯罪行為を広げてきました。格差と貧困の拡大が,日本経済の安定的な発展を妨げています。 日本経済が持続的な安定成長に向かうかどうか,カギを握っているのはGDP(国内総生産)の大半を占める家計の動向です。 大企業と一握りの大資産家に減税する一方で庶民に福祉の削減と増税を押し付けるのは,完全に逆立ちしたやり方です。それに加えて安倍内閣は,「偽装請負」の合法化など派遣・請負の一層の規制緩和や,不払い残業と長時間労働をまん延させる労働基準法の改悪を検討しています。 ますます格差と貧困を拡大させ,家計を痛めつける政治です。 中川秀直自民党幹事長は今回の予算案で「『増税なき財政再建』が視野に入ってきた」と自画自賛し,そうなれば「財政再建以外の目的で税制改革ができる」と述べています。 庶民に増税と社会保障の負担増を強いながら「増税なき」とはあきれた発言です。「財政再建以外の目的」による「税制改革」とは財界が求める法人税の実効税率の引き下げに他なりません。同時に中川幹事長は「シナリオ通りに参院選後に消費税を含めた税制の抜本改革を行う」と明言しています。 消費税増税という最悪の庶民増税を元手にして,あからさまに大企業に大盤振る舞いするやり方です。企業献金に目がくらんだ政府・与党のモラルは地に落ちたも同然です。 貧困と格差を拡大させる自民党・公明党連立与党の政治に国民の未来はありません。
2006年12月25日
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この1年,子どもが虐待を受けて死亡する深刻な事態が後を絶ちませんでした。上半期だけでも28人の児童が命を落としています(警察庁調査)。虐待を防止するための取り組みを強めなければなりません。 超党派議員の発議による児童虐待防止法は2001年11月に施行され,2004年10月に改正されました。児童虐待を受けた児童を早期に救済するために,発見した国民は虐待と「思われる」段階でも行政に相談・通告しなければならないとしました。相談・通告先には,それまでの専門的な窓口である児童相談所(都道府県が設置)に,市町村も加わりました。中核市にも児童相談所が設置できるようになりました。 虐待の相談・通告の仕組みが変わったことも手伝って,虐待にかかわる相談・対応件数が大幅に増えました。児童相談所には2000年度の約2倍の34,472件(2005年度)の相談がありました。また,市町村への相談は,2005年度40,222件(児童相談所と重複あり)にのぼりました。児童虐待が日本社会に進行しているあらわれです。 虐待を発見した国民から相談・通告を受けた行政機関が,早期に対応し,安全を確認し,必要に応じて立ち入り調査や一時保護を行うためには,児童相談所や市町村の体制の強化が欠かせません。 国会でとりあげてきた児童福祉法の施行令改正が2005年に行われ,児童福祉司1人当たりが受け持つ標準人口が,それまでの概ね「10万-13万」から「5万-8万」に軽減されています。2006年1月現在,佐賀県と福岡市を除く都道府県と政令市・中核市で基準に基づく配置が行われています。 しかし,「児童虐待の相談対応件数は,体制整備を上回るスピードで増加」(厚生労働省)しています。虐待の相談対応に児童相談所がかかわりながら死亡させてしまった悲惨な事例が少なくありません。欧米に比べはるかに遅れている専門家の配置の抜本的な強化が必要です。 厚生労働省の調査研究では,虐待による死亡事例(2004年12月までの4年間,二210人)の約4割がゼロ歳児です。政府は,来年度予算で新たに生後4ヶ月までの全戸訪問(こんにちは赤ちゃん事業)実施を打ち出し,発生予防を充実させるとしています。児童虐待防止の対策では自治体間格差が目立ちます。2004年の改正で児童福祉法にもりこまれた虐待防止ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)も,すべての市町村で設置している県もあれば,3割の市町村しか設置していない県もあります。すべての自治体で訪問事業が実施できるよう予算の拡充が不可欠です。 社会的に弱い立場におかれている家庭で虐待が多く発生していることは重大です。野党議員がとりあげた兵庫県子ども家庭センターの約1,000件の相談事例(2004年度)の分析では,約4割が経済的に困窮しており,虐待者の約半数が心身に障害や疾病をかかえています(衆院青少年問題特別委員会)。同様の傾向が,厚生労働省の死亡事例調査でも出ています。 貧困と格差が広がるもとで,家庭状況と虐待のかかわりを調査し,支援を抜本的に改善する必要があります。福祉や医療を含む生活全般の幅広い支援が求められています。 児童虐待防止の観点からも,今の自民党・公明党連立与党の進める「弱者切り捨て」の政策は許されません。
2006年12月24日
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日本政府が中心となって国連に提出した「核兵器の全面廃絶に向けた新たな決意」決議が,12月初めの国連総会で賛成167,反対四4米国,インド,パキスタン,北朝鮮),棄権7(中国,エジプトなど)で採択されました。 決議は「全面廃絶」を謳ってはいるものの,全面廃絶を義務付ける条約の作成やそのための交渉開始など緊急焦眉の問題に踏み込んでいません。核兵器を1日も早くなくすことは唯一の被爆国日本の中心的課題です。政府の姿勢が問われます。 政府が提出した決議の特徴は,核兵器保有国に核兵器廃絶を正面から要求するものとなっていないことです。核兵器不拡散条約(NPT)の義務履行や核兵器の削減などにとどまっています。廃絶の願いに応える内容とは言えません。 2000年5月のNPT再検討会議の最終文書で核兵器保有国は,「核兵器廃絶の明確な約束」に合意しています。昨年のNPT再検討会議では新たな合意ができなかったため,前の約束が生きています。これが国際的到達点であり,核兵器廃絶に向けたとりくみの新たな出発点です。世界の廃絶要求の広がりに押されて核兵器保有国が認めた約束を履行させることが重要です。多くの国々も約束履行を迫っています。 ところが政府の決議は,前文で「最終文書を想起し」というだけで,実行措置を示す本文では一切触れていません。とるべき「実際的な措置」として「明確な約束」を明記していた2004年までの決議からも大きく後退しています。エジプトは2000年合意を「十分反映していない」と批判して決議に棄権しました。政府は圧倒的多数が賛成したと誇っていますが,当たり障りのない内容では被爆国政府としての役割を果たすことにはなりません。 さらに問題なのは,核兵器廃絶への実効的措置を求める決議に賛成せず,棄権したことです。核兵器保有国に核兵器廃絶の「約束」履行をせまった非同盟諸国提出の決議にも,核兵器全面禁止条約早期締結の交渉開始を求めたマレーシアなどの決議にも棄権しました。核兵器の「全面廃絶」といいながら,核兵器廃絶を義務付ける決議に棄権するというのは筋の通らない話です。全面禁止協定締結交渉の開始に「時期尚早」などとケチをつけるのは,結局,悪名高かった「究極的廃絶」論と何ら変わるところはありません。 政府が核兵器廃絶に向けた実効措置を避けるのは,アメリカの核戦略を最優先にしているからです。アメリカ統合参謀本部は核兵器作戦計画を作り,今年3月の「大量破壊兵器とたたかう国家軍事戦略」報告でも,「攻撃作戦は核兵器を含む」と明記しています。日本政府はそのアメリカの核兵器を,米軍再編中間報告(昨年10月)で日本防衛のための「不可欠」の「核抑止力」といっています。アメリカの核兵器が必要だという立場では核兵器廃絶要求を前面に押し出すことはできません。 政府は異常な対米追随をやめ,核兵器廃絶を正面にすえるべきです。 政府は決議でも,北朝鮮の核実験を非難しています。しかし,アメリカの核兵器を温存するという立場では説得力をもちえません。核兵器は全面的に禁止するという立場で主張し行動してこそ,北朝鮮にも核兵器保有計画の放棄を求めていくうえでのイニシアティブ(主導権)を発揮することができます。
2006年12月23日
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日本社会が力をあわせてサービス残業の根絶に取り組んでいる最中に,こともあろうに,その先頭にたつべき厚生労働省が,残業代を取り上げる制度の導入を打ち出しています。来年の通常国会に,制度導入のための労働基準法改悪案を提出する方針ですが,到底容認できません。 厚生労働省が諮問機関・労働政策審議会労働条件分科会に提示している「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について」(報告案)は,「自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設」を盛り込んでいます。 一定の要件を満たすホワイトカラー労働者について,「労働時間に関する一律的な規定の適用を除外する」としています。どんな制度なのか。衆院厚生労働委員会(12月12日)で,野党議員の質問に,厚生労働省の青木豊労働基準局長は,「労基法37条の規定が適用されない」と答えました。労働基準法37条は,使用者が,時間外労働,休日労働または深夜労働をさせた場合には通常の賃金に一定率(時間外・深夜は25%~50%,休日労働は35%)以上の割り増しをして賃金を支払わなければならないと定めています。 これが適用されないということは,いくら働いても残業代が支払われない制度だということです。 審議会でも労働側委員が,この制度の導入に反対を表明しているのは当然のことです。 対象となるホワイトカラー労働者は,専門的・技術的職業従事者,管理的職業従事者,事務従事者,販売従事者をあわせ約2,964万人で全労働者の約55%を占めます。製造業で働く事務労働者も対象から除外されていません。 多くの労働者にただ働きを強いる制度を,労働者が望むはずがありません。一体誰が要求しているのか。先の野党議員の質問に,労働基準局長は,「日米投資イニシアティブ」,「日本経団連」,「在日米国商工会議所」をあげました。日本とアメリカの双方の財界・大企業,アメリカ政府からの圧力で,残業代取り上げの制度を導入しようとしていることは明白です。 報告案は,制度の対象となる労働者の要件を,「年収が相当程度高い者」などとしていますが,年収が高いからといって残業代を取り上げる理由にはなりません。 しかも,日本経団連は,「年収要件等の規制が強く,必ずしも広範な普及が期待できない内容にとどまっている」といっています。対象となる労働者の要件を法律で定めず,「広範な」ホワイトカラーの残業代を取りあげろといっているのです。 日本経団連は,労働時間規制を外す理由に,企業の競争力をあげています。しかし,日本経団連もいっているように,「従業員の心身の健康の維持は,健全な企業経営の遂行に欠くべからざる課題」(2007年版経営労働政策委員会報告)です。現行法で残業代が支払われない管理職のなかから,過労死や過労自殺,メンタルヘルスの障害を多く生み出している実態を直視するなら,「従業員の心身の健康」を守るために,労働時間の規制が必要です。 グローバル化も労働時間の規制緩和の理由になりません。グローバル化のもとで24時間対応しなければならない社会だからこそ,使用者が労働時間の管理を行って,労働者の命と健康を守る必要があります。 残業代を取り上げ,過労死を増やす労働時間の規制緩和は撤回するよう求めます。
2006年12月22日
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財務省が来年度予算の原案を各省庁に内示しました。 安倍内閣の経済政策について,自民党の中川秀直幹事長は「『成長政策+歳出削減+適切な金融政策』のポリシーミックス(政策の組み合わせ)」だと説明し,「上げ潮政策」と呼んでいます。 「成長政策」の最大の目玉は来年度の税制改定で大企業向けに数千億円規模の減税を用意することです。 「歳出削減」では母子家庭の生活保護,私学助成,雇用関連の予算を削減します。予算とは別ですが「金融政策」では,国民の預金利子を目減りさせ銀行・企業に移転する超低金利政策の継続を求めています。 財務省原案には,財界への奉仕と対照的に暮らしに冷たい安倍経済政策の特徴がはっきり表れています。 生活保護費の母子加算の廃止や雇用関連予算の削減は,文字通り弱者を無慈悲に切り捨てるものです。これをもって「上げ潮」などと呼ぶのは,国民感情を逆なでするものでしかありません。 公共事業にも同じ構図が見て取れます。スーパー中枢港湾や三大都市圏の環状道路など,財界が要求する大型事業の伸びは突出させました。利権と浪費の温床である道路特定財源の一般財源化は先送りです。公共事業の総額は「コスト縮減」と,公営住宅予算の80%減など生活関連事業の削減や地方関連,安全にかかわる維持修繕費の大幅カットで圧縮する逆立ちした手法です。 総額3兆円の米軍再編を強行するための予算を計上した上,いわゆる「防衛予算」とは別枠扱いにします。従来の軍事費と米軍再編経費の両建てで無駄を膨張させます。 これに加えて今後,税制では大企業向けに法人税の実効税率の大幅引き下げを狙う一方で,家計には来年の定率減税全廃に続いて,消費税増税を押し付けようとしています。 こんなやり方のどこが「上げ潮政策」なのか。無駄遣いは温存し,国民から吸い上げたお金を,過去最高の大儲けを上げている大企業・財界につぎ込むだけです。 財界には「上げ潮」でも国民には「引き潮」そのものです。ポリシーミックスというより,大企業の競争力強化一本やりです。中川幹事長は「まず企業から,そして家計へ」と言っています。さんざん大企業に減税してきたのに,いまさら「まず企業」とは,抜き難い財界中心主義です。 大企業は空前の大儲けを上げてきました。しかし,2001年から2005年に,1人当たりの賃金は23万円も減りました。他方で資本金10億円以上の大企業の役員報酬は2倍,株主配当は3倍に拡大しています。 12月19日に日本経団連が発表した来年の雇用・賃金の方針によると,法人税実効税率の引き下げは要求しながら,賃上げを抑え,儲けや減税分を賃金には回さない態度を露骨に示しています。サービス残業を含めて1人当たり年114万円の残業代カットにつながる労働時間規制の緩和,ワーキング・プアを固定化する偽装請負の合法化,ベースアップと定期昇給の廃止を掲げています。 いくら大儲けしてもピラミッドの最上層で山分けするだけです。雇用・賃金,家計に配分することなど今の財界の念頭にはありません。 雇用を守るルールを確立し,福祉と暮らしを最優先する予算に切り替え,税財政の所得再分配の機能を再建する経済政策の民主的転換こそが求められています。国民も自民党・公明党の基本的性質が,まず国民・住民の暮らしではなく,第一にも第二にも大企業・アメリカ中心であることにそろそろ気付くべきです。 来年の全国一斉地方選挙と参議院選挙で自民党・公明党連立与党が議席を伸ばせば,国民の暮らしは大きく後退することがはっきりしています。逆に大きく後退するならば,予算の配分も大きく変わってきます。そのために,私自身は国民の良識ある審判を期待しています。 こんなに国民・住民を馬鹿にした政治は未だかつてありません。来年あたり終わりにしませんか?
2006年12月21日
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安倍政権の発足後初めての国会となった,第165臨時国会が閉幕しました。 安倍首相がこの国会の最重要課題とした教育基本法改悪案は,先週末,自民・公明の与党が成立を強行しました。海外活動を自衛隊の「本来任務」とし防衛庁を「省」に格上げするなどの法案も,自・公と民主の賛成で成立しています。85日間にわたった臨時国会は,安倍政権が進める政治の危険とともに,その方向が国民や世界が求めるものではないことを浮き彫りにしました。 安倍首相がやろうとしていることが,国民と世界から孤立する道であることを浮き彫りにした臨時国会閉幕にあたっての現実は,それを示しています。 安倍政府と与党の自民党・公明党は,教育基本法改悪案を衆院では連立与党だけの採決で,参院の委員会では強行採決で成立させました。未来の担い手に関わる教育の根本法を,何のために変えるのかの説明責任も果たさず,憲法に違反するとの批判も踏みにじって,議会制民主主義に反する乱暴なやり方で成立させたこと自体,安倍政権の危険を示すものです。 安倍政権がこの国会に持ち出して成立させた法律には,教育基本法改悪の他,アメリカとともに「海外で戦争する」ための自衛隊法などの改悪や,国民の主権を踏みにじり企業献金を外資系企業にまで拡大する法律などがあります。いずれも,アメリカ言いなり・大企業本位の異常な政治をますます酷くする内容です。憲法を変えるための改憲手続き法案は継続審議ですが,自民党・公明党連立与党と民主党で「修正」内容で合意しました。 安倍政権が目指すこうした政治が国民の求めるものでないことは,教育基本法改悪をはじめいずれの法案にも国民の批判が巻き起こり,国会での審議もそこそこに,与党が採決を強行したことでも明らかです。国会が開かれていたこの3ヶ月足らずの間に,どの世論調査でも内閣支持率は急落しています。安倍政治と国民との矛盾の深まりは明白です。 安倍政治には世界からも批判の声が上がっています。教育基本法の改悪と海外派兵を「本来任務」にする法律の成立に対し,米紙ニューヨーク・タイムズは「戦後の平和主義から遠のく措置を講じる」と報じました。シンガポール紙は,自衛隊が「正真正銘の軍隊」になりつつあると深い警戒感を示しています。安倍政権が進める政治が,世界が日本に求めるものではないことは,これらの指摘にも明白です。 国会の内外での批判の高まりに自民党・公明党連立与党が「数の横暴」を振りかざすとともに,野党第1党の民主党が教基法改悪では成立阻止の態度を貫かず,自衛隊法の改悪などでは自・公とともに賛成の側に回ったのは重大です。民意にそむく悪政で協力しあう「二大政党」の実態を示したものです。 安倍政権との対決は,最初の予算編成を迎え,いよいよ重大化します。国民の利益を守るために,国民は来年の全国一斉地方選挙と参議院選挙では日本の将来に関わる判断が求められます。悪政と対決し力を尽くすためにどの政党に票を投じるか真剣に考える時期に来ているように思います。
2006年12月20日
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格差と貧困の問題が社会的に注目される中,パート労働者の待遇改善は一層緊急の課題となっています。政府は来年の通常国会にパート労働法の改正を提案する方向です。 パート労働者は1,266万人と,この20年で3倍近くになりました。パートは,労働者の1/4,女性の4割を占め,若い世代にも急増しました。生活のため1日に2つ,3つの職場をかけもちする人も少なくありません。店長などの基幹的役割を果たしていても,賃金などの差別は続いています。年収130万円に届かない人は男性34%,女性56%にのぼっています。 厚生労働省の調査では,企業がパートを雇う理由のトップは「人件費が割安だから」(67%)です。パートの低賃金の背景には,財界・大企業が率先して,パート労働者を安く活用して,利益をあげてきたことがあげられます。また,現行パート労働法(1993年制定)は,差別を是正する規定も企業に対する強制力もありません。待遇改善に役立つパート法を求める声がひろがったのは当然です。 先ごろ,具体的な見直し内容を検討してきた厚生労働省の審議会・雇用均等分科会が,パート法に労働条件の明示,教育訓練などで義務化を含む一定の改善策をもりこんだ報告書(案)を発表しました。 しかしその改善はきわめて限定的で,パート労働者の要求に応えたとはいえない不十分なものです。 報告書(案)は,賃金等の処遇について,ごく一部の例外的なケースに限定して正社員との差別を禁止するとしています。仕事内容や人事異動,労働時間もほとんど正社員と同じで長期勤続と,本来パートとはいえない人が対象です。それ以外のパート労働者は,仕事内容や意欲,経験,成果などに応じて正社員との“均衡処遇”をはかって賃金等を決める「努力義務」にとどめました。 “均衡処遇”とは,安倍内閣の「再チャレンジ」策の目玉のひとつですが,残業や転勤も多い現在の正社員の働き方を基準に,それとの違いに応じてパートを処遇する考え方です。同一労働同一賃金の原則を否定し,残業が少ない,転勤がないなどの「差異」が少しでもあれば格差は当然とされます。格差と低賃金を合理化し,圧倒的多数のパート労働者の処遇改善をおきざりにしかねません。 使用者側は,これにさえ「改正そのものに反対」「法律で規制する必要はない」と激しく反発しています。このまま安上がりで使いやすい労働者としていっそうの活用をねらう財界の意向があからさまです。 また,「パートの賃金を上げずに正社員を下げてもいい」などの議論があることは,今後,正社員を含む全体の切り下げにつながる問題として重視しなければなりません。 ILO(国際労働機関)パート条約やEU(欧州連合)諸国では,パート労働者は労働時間が短いだけで,正社員との差別を禁止する「均等待遇の原則」を定めています。これが今日の国際的な基準であり,格差容認の“均衡処遇”は,世界の流れとかけはなれたものです。 パート法に「均等待遇の原則」を明記し,賃金,福利厚生,教育訓練などあらゆる面でパート労働者への差別を罰則付きで禁止することが必要です。実効あるパート法改正へさらに一歩でも前進させるように,パート労働者の皆さんの運動とも力をあわせて奮闘する決意です。
2006年12月19日
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政府・与党の社会保険庁「改革」案は,国民が求める年金制度の改善どころか,社会保障制度の解体と雇用の破壊をすすめるもので,改革の名に値しません。 政府・自民党は,保険料の「不正免除」などを口実に,「解体する以外にない」と叫んできました。しかし,問われるべきは,「保険料が高い」,「年金額をあてにできない」など年金制度の改善もせず,民間保険会社のノルマ主義を持ちこみ,収納率競争に職員を駆り立ててきたことです。 「構造改革」路線で貧困層や不安定雇用を増大させたことも,保険料納付率低下の要因です。 政府・与党案はこの根本問題にメスも入れず,非公務員の法人にして国から分離し,給付や徴収,相談など業務全般を民間委託する方針を打ち出しました。民間信販・保険会社の参入などをすすめる計画です。 年金に対する国民の怒りを社保庁「改革」にすり替え,社会保障に対する国の責任や役割を投げ捨てるものに他なりません。 民間任せになれば,人権無視の保険料徴収強化をはじめ,国が負担すべき人件費・事務費を保険料に負担させるなど国民負担増とサービス切り捨てが危惧されます。国の責任後退の行き着く先には,年金財源の名による消費税増税や「報酬比例」部分の民営化が狙われています。 既に社保庁から分離し,「公法人」で運営する政府管掌健康保険では,都道府県単位で運営するため保険料の値上げや地域格差が見込まれています。 これらは社会保険の解体をすすめるとともに,私的年金の市場拡大を狙う日米の保険業界の要求に応えるものです。 政管健保や年金は憲法25条が定める国民の生存権保障であり,企画・立案から執行まで国が責任を持って運営すべきものです。年金も健保も手続きも相談も1ヶ所ですむなど国民の利便性やハード面の費用などを考えても,国が一体的に運営した方が効率的です。 見逃せないのは,新組織移行にあたって「職員の引き継ぎ規定」を設けず,職員をいったん退職させて差別・選別採用を行い,大規模な人員削減を実施しようとしていることです。 雇用不安を煽り「命令と服従」の人事管理を徹底するとともに,参院選挙に向けて「公務員減らしの“実績”」にしようという狙いです。 組織が変わっても職員は引き継ぐという雇用のルールを壊し,非常勤を含めて28,000人もの雇用不安を政府がつくり出すなど大問題です。 もともと公務員は厳正な職務遂行を確保するために身分を保障されており,不当な差別・選別など許されないことです。 2004年,「百年安心」を謳い文句に強行した自民・公明の「年金改革」は,保険料納付率や出生率の低下など破たんが指摘され,給付水準や年金支給年齢の再見直しなどが浮上しています。住民税や国保,介護保険料が大幅アップし,年金受給者はじめ高齢者の怒りも高まっています。社会保障破壊,雇用破壊と一体となった社保庁「改革」では,国民との矛盾はますます広がらざるをえません。
2006年12月18日
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12月15日参院本会議で可決成立した改悪教育基本法は,憲法の根幹に違反する重大な法律です。どこが問題なのか見ていきます。 第一は,教育内容に対する国家介入の歯止めをなくし,教育の自由を根底から覆すことです。 先の太平洋戦争で亡くなった特攻隊の青年たちを,ある知識人は「教育死」とよびました。「お国のために身を捧げよ」と教えた教育の犠牲だというのです。 戦前の教育の痛苦の反省・教訓に立って,改悪前の教育基本法(10条)は「教育は,不当な支配に服することなく…」と国家による教育内容への介入を禁じました。これは同法の命ともいうべき条文でした。 戦後,自民党政治による教育への管理統制の強化との闘い-家永教科書裁判,各地の学力テスト裁判,最近では東京都の「日の丸・君が代」押しつけ予防訴訟など-は,憲法とともにこの10条を拠り所にすすめられたのです。 ところが改悪法はこの10条の「(教育は)国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」の文言を削り,「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり」と改変。政府の教育に対する権力的介入を無制限に拡大しました。 衆院の審議で野党議員が「政府案のどこに教育内容に対する国家的介入を抑制的にする条文があるか」とただしたのに対し,小坂憲次文部科学相(当時)は具体的に示すことができませんでした。 第二は,「国を愛する態度」をはじめ20以上の徳目を「教育の目標」として押し付けることです。憲法19条が保障する内心の自由の侵害です。 「国を愛する態度」という「目標」について衆院の審議で安倍晋三首相は「内面に入り込んで評価することはない。伝統や文化を調べたり勉強したりする姿勢,学習する態度を評価する」と釈明しました。 しかし「これでは教室で愛国心を競わせることになりかねない。…愛国心教育の名の下で,史実を都合よく使うことにならないか」(「朝日」12月13日付社説)と懸念の声があがるのは当然です。 現に法改悪される前から,愛国心をABCで評価する「愛国心通知表」があちこちで使われていました。 愛国心をはじめとした徳目が改悪法で義務化されれば,特定の価値観を子どもたちに強制する事態が全国的に広がりかねません。 「国旗・国歌法」制定時も政府は「内心にまで立ち入って強制しない」としていたにもかかわらず,東京都をはじめ各地の学校で「日の丸・君が代」が強要されています。 全国の弁護士が参加する日本弁護士連合会(日弁連)は,教育基本法は憲法に密接に関連した教育法体系の基本理念を定めた法律であると,その「立憲主義的性格」を強調して,改悪に反対してきました。 審議のなかでは,教育基本法改定案は自民党の新憲法草案の精神と一致するという驚くべき文部科学相の答弁もありました。自衛隊を軍隊と認め,権力を縛るべき憲法で逆に国民を縛り付けようとする自民党新憲法草案と現行憲法は根本的に矛盾します。 このブログで,各政党の本質と政策を見極めて,選挙で票を投じる重要性を指摘してきましたが,今の自民党・公明党連立政権はそういう意味でもっとも危険な政党なのです。 憲法はその国のもっとも基本となる法律で,この憲法を作り直そうとする自民党の新憲法草案をみれば自民党の本質が見えてきます。Yahooで「自民党 新憲法草案」で検索してみて欲しい。いろんな批判が一緒に検索されます。(検索結果が63,000もありますのでここでは省略します) 自民党が作る自民党の新憲法草案は自民党が目指す国家像があります。だから自民党の新憲法草案は自民党の本質の集合体なのです。全国民はそれを知るべきです。多くの国民がそれを知らずに自民党に票を投じていますが,今日本は危険な流れのなかにあります。この流れを止めることが出来るのは,国民しかいないのです。
2006年12月17日
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米海軍横須賀基地(神奈川県)への米原子力空母配備の是非を問う横須賀市での住民投票条例制定を求める直接請求署名は,条例案提出に必要な有権者の2%,7,114人の6倍近い41,551筆に達しました。署名を呼びかけた「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」は市選挙管理委員会に署名提出(12月15日)と同時に発表した声明でこうかかげました。「横須賀に新しい市民の風が吹き始めた」。 40,000を超える署名数が明らかになった12月15日,選挙公約を投げ捨てて原子力空母の配備を容認,「外交問題になじまない」と住民投票条例に否定的態度を見せてきた蒲谷亮一市長周辺に衝撃が走りました。 市長派のベテラン市議の一人は,ある会合で同席した市議から署名数を聞き,思わず絶句しました。「えっ,40,000を超えたのか」。 市長側近の市役所幹部も,「せいぜい30,000というのが私の見方だったが,(40,000を超える数は)“想定外”だ」と驚きを隠しません。 直接請求署名は,署名簿に生年月日を記入,印鑑も押すという厳密さが求められます。しかも署名は11月10日から12月10日までの1ヶ月間に限られていました。 署名提出後に「成功させる会」の4人の共同代表が記者会見。その1人,呉東正彦弁護士は興奮気味に「声明」を読み上げ,自身の感想をこう語りました。 「原子力空母の母港化という大事なことは,市長や市議だけで決めるのではなく,私たち市民が決める,という住民投票が市民に大きな支持を得たと言えます。新しい風が吹きつつあるということを肌で感じる」。 “軍都・横須賀”。戦前は旧帝国海軍,戦後はアメリカ軍と海上自衛隊が沿岸部に広大な軍事基地を築きあげ,とりわけアメリカ軍は殴り込み部隊である空母打撃群の根拠地,世界で唯一の海外母港にしてきました。 保守地盤が強く,「横須賀は軍の“天領”」(市商工会議所役員)という中で軍事基地に表立って声をあげることのできなかった市民。しかし「2008年に原子力空母を配備する」との日米両政府合意には,市民団体のアンケートでは7割が反対と答えました。 ところが蒲谷市長は,市長選挙で「原子力空母配備反対」を公約しながら,「空母後継艦の意見を聞く会」を“市民の意見は出尽くした”と2回で打ち切り。米海軍の一片の「安全資料(ファクトシート)」を独自の検証抜きに「安全は保証された」と配備容認を表明しました。 こうした中でよびかけられた「住民投票」署名は,「軍事基地との共存」を受け入れてきた市民の中からも「住民投票には理がある」と歓迎されました。 署名を集めることができる「受任者」は2,000人を超え,「各地でドラマが生まれました」(「成功させる会」の声明)。 米原子力潜水艦の放射性物質漏れ事故をきっかけに「空母配備反対」を決議した自治会などが署名簿を回覧すれば,地域のゴルフサークルでも署名簿がまわされました。 受任者と市民の対話も日が経つにつれ「署名お願いします」から「もうお済みですか」に変わっていきました。 こんな場面もありました。署名をよびかける宣伝カーをタクシードライバーが追いかけてきて,「どこで署名できるんだ」。丘陵部の住宅街では,お年寄りが「署名をよびかけていたので,いつ来るのかと買い物も犬の散歩も控えていた」など。 来年1月中旬には蒲谷市長に対する本請求が行われ,2月初旬には住民投票条例案が臨時市議会で審議されます。「成功させる会」は12月17日に署名提出報告集会を開き,受任者と署名してくれた市民の幅広い共同で,住民投票実現へ全力をあげる構えです。 これは横須賀市民だけの問題ではありません。首都圏3,000万の住民の問題なのです。原子力空母が放射能事故を起こせば,首都圏に住む住民は被爆するのです。税金を投入してまで,そんな危険な空母を母港化することはないのです。 放射能事故など起きないと思っているひとも多いと思います。 原子力空母がイラク戦争で空爆拠点として活躍しましたが,イラクがどうして空母を攻撃しなかったのか疑問をもったひともいると思いますが,原子力空母を攻撃できなかったのではなく,攻撃しなかったのです。イラクがアメリカの原子力空母を攻撃すると,イラク近海で放射能汚染してしまうため攻撃しなかったのです。 軍事の世界では,原子力空母を攻撃するのであれば,母港を攻撃するのは常識なのです。敵国の母港が放射能汚染するのは構わないからです。そんな空母が横須賀にあるのです。 アメリカが起こした戦争で,相手国が横須賀にある原子力空母を攻撃することは想定の範囲内なのです。横須賀が攻撃されないと言い切れるひとはいないでしょう。 覇権主義の象徴でもあるアメリカの基地が日本にあることはそういう意味で危険なのです。税金を投入し,犯罪をおこされ,戦争になれば攻撃される可能性のある米軍基地は日本には必要のないものです。 自民党・公明党連立与党そして民主党の基本的な外交政策は,日米安保である以上私自身彼らの外交政策には賛成できません。毎年2,500億円以上の税金を国民のために有効に使うことを考えて欲しいと強く願います。 全国にある米軍基地周辺の国民は,横須賀の署名運動の経験を活かして日本から米軍基地をなくすために立ち上がって欲しいと思います。
2006年12月17日
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自民党と公明党が来年度税制の与党大綱をまとめました。 設備投資費用を利益から差し引く減価償却税制の優遇措置の拡大で大企業を中心に数千億円の減税,来年度に期限が切れる株売買益と配当の軽減税率延長を盛り込んでいます。 大企業向けの減税は,減価償却税制にとどまりません。政府・与党は今後,法人税の実効税率そのものの引き下げを狙っています。日本経団連が9月に突きつけた税制要求の丸呑みです。 庶民はこれまで,さんざん増税・負担増を押し付けられてきました。来年もサラリーマンを標的にした定率減税全廃で1.7兆円もの増税が決まっています。政府・自民党公明党連立与党は参院選後に消費税の税率引き上げを検討する構えを明らかにしています。 所得を減らされ,負担の増大に苦しむ庶民から,乾いたタオルを絞るようにお金を吸い上げて,過去最高益の更新を続ける大企業への大盤振る舞いに回すのは本末転倒です。 財界や政府・与党が,こんな逆立ちしたやり方の口実にしているのは「国際競争力の維持」「競争条件を外国と同等に」など,日本の大企業の負担は重すぎるという主張です。 安倍内閣が発足し本間正明阪大教授が政府税調の会長になる「前」と「後」で,財務省が政府税調に提出した法人税の資料の一部が差し替わっています。 「前」には入っていた,“日本の法人実効税率より6%も高い米・ニューヨーク市”“法人税と社会保険料を合わせた企業負担が日本の1.5倍のイタリア”“企業の民間医療保険の負担を含めれば保険料負担が日本企業の1.4倍になるアメリカ”のデータとグラフがカットされました。「法人税の実効税率はおおむね先進国水準」,「ヨーロッパの大陸諸国では社会保険料負担も企業が随分負担している」(主税局)という観点で掲げていたものです。 政府・自民党公明党連立与党は,日本の大企業の負担が重すぎるという虚構を浸透させるための「世論操作」を,本格的に始めようとしています。 OECD(経済協力開発機構)が10月に公表した歳入統計を見ると事実は明白です。欧州大陸諸国の企業の法人税と社会保険料負担は日本の1.9倍のノルウェー,1.7倍のフランス・スウェーデン,1.4倍のスペイン・イタリアなど軒並み日本を上回っているのが実態です。 減税に執念を燃やす財界はアジア諸国の法人税率を持ち出しています。しかし,国内資本の不足を外国からの投資で補わざるを得ない途上国と比較するのは非常識です。 税率が高いから競争に負けるというなら,アメリカ企業はどうなるのか。財界の言い分は通用しません。 逆立ちした政府・与党の税制論議に,経済の専門家からも異論が噴き出ています。「法人税を増税し,所得税や消費税を減税する方向の税制改革が必要である。ところが,現実には,これとは逆方向の税制改革が行われようとしている」(野口悠紀雄・早大教授,『週刊エコノミスト』12月19日号)。「論理性に乏しい法人税減税は,企業エゴにしか思えない」(辻広雅文・前週刊ダイヤモンド編集長,『週刊ダイヤモンド』11月11日号) 財界言いなりに歯止めを失った政府・与党のやり方には道理のかけらもありません。大企業,大資産家に応分の負担を求める税制の抜本転換こそ,いまやるべき改革です。
2006年12月16日
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教育基本法を政府の改悪法案のように変えてしまったら日本の教育はどうなるのか。不安に思う国民が徹底審議を求めているのにもかかわらず,参院教育基本法特別委員会で12月14日,自民,公明両党は採決を強行しました。世論無視,多数による暴挙です。 同日の特別委で伊吹文明文部科学相は自民党議員から改定実現の感想を問われて「この理念法の上に,時代にあった日本人をつくっていくという作業の重さにおののいている」と述べました。 時代にあった人間を政府がつくっていく-戦前のような国家による国家のための人づくりを否定し,教育の自主性・自律性の原則をうちたてたのが現行教育基本法ではなかったのか。文科相の発言は改悪法案がそれを根底からひっくり返すことを思わず漏らした一言です。 「われらは,さきに,日本国憲法を確定し…この理想の実現は,根本において教育の力にまつべきものである」。前文がこう書くように,教育基本法は日本国憲法と一体のものです。改悪法案はこれを根本から覆す憲法違反であることは多くの識者・教育関係者が一致して指摘してきたことです。 改悪法案は「国を愛する態度」をはじめ20もの徳目を「教育の目標」に掲げています。伊吹文科相は「(関連の)法律,予算,学習指導要領などすべてを直す」と述べました。文科省は教育基本法改悪を突破口にして,学校教育法など33本の関連法規の改定を狙っています。 東京大学の苅谷剛彦教授は12月13日の記者会見で「そうしたことで何が起きるのか国民は何も知らされていない」と最後まで徹底審議を求めました。特に今後作られる教育振興基本計画について「中教審では数値目標で評価するというが,抽象的な教育の目標が評価の対象になったらどうなるのか」と危ぐを表明しています。 国会最終盤,慎重審議を求めるネット署名は3日半で18,000人が賛同しました。東京大学教育学部では同趣旨のアピールに,1日で教員の2/3の賛同が集まりました。 採決強行を前にした12月13日夜,国会前の歩道は廃案を求める4,500人でびっしりと埋め尽くされ,「こんなの初めてみた」と20年間つとめた国会議員秘書も驚きました。 数を頼んだ強行採決によっても,政府・与党の道理のなさと,かつてなく広がった「教育基本法を守れ」の運動は消し去ることはできません。 世論の懸念が集中した「愛国心」について,12月14日の質疑で安倍晋三首相は「内心に立ち入って評価することはない」と繰り返しました。政府も憲法の保障する思想・信条の自由を正面から踏みにじることはできません。『教基法改悪 - 国会ドキュメント』08:00 国会議員会館前。「教育基本法改悪を許さない各界連絡会」が座り込みを開始。08:40 参院教育基本法特別委員会の理事会。与党は,9時から安倍晋三首相が出席して開かれる各党質疑後に教育基本法改悪法案を採決したいと提案。野党側は「審議は尽くされていない」と反対。中曽根弘文特別委委員長は「機は熟したと判断せざるをえない。討論・採決する」と一方的に宣言。09:00 特別委が開会。自民党が質疑を始める。安倍首相は改悪法案について「慎重に深い議論をしてきた。ぜひ成立を」。11:26 特別委で日本共産党の井上哲士参院議員が質問。「新たな『やらせ』が発覚している。法案提出の資格が問われている。撤回するのが責任の取り方だ」と批判。11:54 「防衛省」法案が参院外交防衛委員会で自民,公明,民主の賛成多数で可決。12:00 特別委で国民新党議員の質問が終わる。「散会だ,散会」の声が飛び交うなか,中曽根委員長は「暫時休憩」を宣言。12:09 特別委の理事懇談会,自民,民主両党の特別委筆頭理事で協議。このなかで自民党は午後1時から特別委を開き,締めくくり質疑を行うことを提案。12:40 日本共産党の小池晃政策委員長が国会議員会館前の座り込み集会で挨拶。「(採決となる)締めくくり質疑は絶対に受け入れられない。数の力での採決をストップさせよう」と訴え。12:45 特別委の理事懇談会が終了。協議がまとまらず,特別委は休憩のまま。民主党の特別委筆頭理事の佐藤泰介参院議員は「特別委が休憩になった理由がわからん。あそこで(採決を)はかるべきだったよ」と採決を容認するコメントを記者団に。中曽根委員長は「特別委再開の目途は全然立っていないよ」。13:00 理事懇談会が開かれたものの,話し合いがまとまらず。自民,民主両党の筆頭理事が再び協議。協議後,自民党の保坂三蔵参院議員は「シナリオは細かいほど小さいことで狂ってしまうものだ」とぼやき。13:45 再び理事懇談会。午後4時45分から特別委を再開し,野党のみの質疑を行うことで合意。16:00 野党国対委員長会談で対応を協議。16:45 特別委が再開。野党側はタウンミーティングの「やらせ質問」問題などを追及。「世論はタウンミーティングだけでない」などと開き直る伊吹文明文部科学相に日本共産党の井上議員は「全く反省していない。教育を語る資格がないことが明らかになった」,「法案は撤回しかない」と批判。18:05 与党が質疑を打ち切り,採決を求める動議を提出。野党議員が強く抗議の声をあげるなか,「採決」を強行。怒りの声が渦巻くなか,中曽根委員長が「散会」を宣言。 こんな政権を支持した国民は大いに反省すべきです。これからの日本がとても心配でなりません。今日教育基本法改悪法案の廃案めざし,野党4党が内閣不信任決議案提出するようですが,国民は国会前に抗議の意思を示すために集まることを呼びかけます。 国会議員も選挙に落ちたら,ただのひとです。選挙で意思表示をすることも重要なことですが,この問題は強行採決されると,日本の将来を担う子供たちが政府の云う「時代にあった日本人」に教育されるという恐ろしい事態が起こります。そうなる前に,意思表示をすることは緊急に必要なのです。
2006年12月15日
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海外派兵を自衛隊の「本来任務」とするなどの二法案が12月14日の参議院外交防衛委員会で採決され,12月15日の本会議で可決・成立させられようとしています。社民党,日本共産党などの反対を押し切って,自民,公明両党と民主党が合意しました。 海外派兵を自衛隊の「本来任務」に格上げする自衛隊法「改正」案は防衛庁を「省」に昇格させる防衛庁設置法「改正」案と一体であり,アメリカの先制攻撃戦争への参加を本格化させる極めて重大な制度的大改悪です。憲法違反が明確な悪法を,衆議院で15時間,参議院で13時間あまりの審議で成立させるなど許せるものではありません。 憲法は,「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」(前文)し,九条で戦争放棄,戦力不保持,交戦権否認を明記しています。侵略戦争の反省にたった国民の思いを示した平和原則が軍拡政策を制約する歯止めになってきました。1954年,自衛隊と防衛庁を創る際,政府が自衛隊の任務を「日本防衛」に限定し,防衛省ではなく防衛庁にしたのもそのためです。この仕組みを変えるのは憲法の平和原則を真正面から踏みにじることに他なりません。 安倍内閣は自衛隊が海外にでていくことを当然のようにいっていますが,自衛隊法制定時の政府見解は,外部からの侵略に対処するのが自衛隊の目的なのだから「外国に対しての派遣は想像することはできない」(1954年3月11日 木村篤太郎保安庁長官,7月から防衛庁長官=当時)というものです。国会も「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」(同年6月2日参院本会議)を採択しました。 「省」昇格問題でも政府は,憲法上,「国防省という考え方が懸念」(1960年5月16日 岸信介首相=当時)と否定してきました。 「当時と今とでは考え方が変わっている」(久間章生防衛庁長官)などというのはへ理屈にすぎません。 安倍内閣が強行しようとしている海外派兵のための2つの法案は,憲法の制約だとして政府がつくった国家的仕組みそれ自体を根底から覆すものです。これは,戦争は二度と経験したくないという国民の願いをふみつけにする暴挙です。絶対に許すわけにはいきません。 政府は海外に戦争に行くわけではないと言います。これほどひどい国民騙しはありません。 自衛隊は,アメリカのアフガニスタン報復戦争やイラク侵略戦争に既に参加しています。イラクでは航空自衛隊がアメリカ軍兵士や軍事物資を航空輸送し,アメリカ軍のイラク国民への無差別攻撃を支えています。「戦争支持ではない」とか「アメリカ軍支援のため行っているのではない」(久間防衛庁長官)というのは通用しません。 法律化される海外派兵体制がアメリカの先制攻撃戦争への協力・加担を促進するバネになるのは必至です。安倍首相が解釈改憲で,共同行動しているアメリカ軍を守るため自衛隊の武力行使を研究するといっているだけに極めて危険です。 日米軍事同盟を強化し,軍事力で世界を牛耳ろうというのは,紛争の平和的・外交的解決を求めるアジアと世界の流れに逆らうものでしかありません。アメリカいいなりに海外でたたかう道を突き進むのではなく,憲法九条を守り,九条を生かしてアジアと世界の平和の流れを大きくすることこそ重要です。
2006年12月14日
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衆参両議院の教育基本法に関する特別委員会の参考人,地方および中央公聴会の公述人の有志は12月12日,「公述人・参考人として教育基本法の徹底審議を求めます」のアピールを国会内で発表しました。12月11日現在で3人の呼びかけ人を含む20人が連名しています。 呼びかけ人で元中教審委員の藤田英典国際基督教大学教授は,政府案について危ぐや問題点を指摘してきた公述人・参考人が,審議のあり方や内容についてアピールを出す事態は極めて異例なことだと強調。政府与党の国会審議に対する態度は「国民に対する冒涜(ぼうとく)であり,日本の恥である」と批判しました。 「仮に政府案が成立したとなれば,日本の教育や社会の将来に大きな禍根を残し,さまざまなゆがみを増幅させていく危険性がある」と述べ,参院においての徹底審議を求めました。 呼びかけ人の西原博史早稲田大学教授は政府案に対し,「もう一度意見表明しなければならない」と考え,アピールを出したと語り,(1) 時間をかけ徹底した審議を求める(2) 国民の意見を十分に聴き,国会審議に反映させる(3) 十分な議論がないままの拙速な採決に反対する3点を最低限の要求としてあげました。 教育評論家の尾木直樹氏,高橋哲哉東京大学教授,広田照幸日本大学教授,堀尾輝久東京大学名誉教授,世取山洋介新潟大学助教授も出席しました。 アピールには,石躍胤央徳島大学名誉教授,市川昭午国立大学財務・経営センター名誉教授(元中教審委員),岩本一郎北星学園大学教授,大田直子首都大学東京教授,粕谷たか子静岡県高等学校障害児学校教職員組合執行委員長,喜多明人早稲田大学教授,土屋基規神戸大学名誉教授,出口治男弁護士,戸塚悦朗龍谷大学教授,中嶋哲彦名古屋大学教授,中森孜郎宮城教育大学名誉教授,成嶋隆新潟大学教授,福田誠治都留文科大学教授の各氏が名を連ねています。 地位も名誉もある大学教授が政権に対して批判的意見を挙げることには相当な勇気がいることです。そうした勇気のある教育者が学校名と姓名を明らかにしてアピールを発表したことが意味していることが,自民党・公明党連立与党そして民主党が変えようとしている『教育基本法』が如何に改悪法案であるかを意味しています。 何故,衆議院で強行採決までして,早急に変える必要があるのか。 何故,税金で謝礼まで支払って「やらせ質問」をさせる必要があるのか。 国会の委員会質疑の中で,現在教育現場で起きている(イジメや不登校などの)問題を今回の改悪法案で正すことができないと明言しているにもかかわらず,「やらせ」に強行採決をする自民党・公明党連立政権の不誠実さが現われています。 マスメディアの報道機関としての役割を十分に果たせていないのも非常に残念です。 国民の立場から言えば,参議院で今回の「教育基本法改悪法案」が通過することが避けなければいけません。「国家統制」色の強い教育が行われる可能性が否定できません。そんな子供たちが社会に出て来る頃には,子供たちは立派な『兵士』になっています。 米軍基地問題も然りですが,国民の声を無視する政権に国民のための政治ができるはずがありません。私自身国民が選挙という手段で意思表示をし,国民のための政治を取り戻すことが今強く求められていると思います。
2006年12月13日
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外資50%超の企業でも「連続5年上場の国内法人」であれば献金規制の適用を除外する政治資金規正法改悪案が12月11日,参院倫理選挙特別委員会で採決され,自民,公明,民主,国民新各党の賛成多数で可決されました。これは「国家主権と国民主権の原理に抵触する重大な内容。国民の参政権保障が歪められる」重大な事態です。日本共産党と社民党は反対しました。わずか1時間半の質疑で可決されました。 現行の政治資金規正法が外資系企業の献金を禁じている理由について,政府は「政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることを防止する」ためと説明しています。 これは独立国としての国家主権と国民主権という憲法上の要請に由来するものです。法案提出者に対し「5年以上継続して上場」されていれば,この要請を満たすと考える理由についても国会の答弁は 加藤勝信議員(自民)は▽上場審査基準を満たしている▽会社の所有者(株主)と経営者が分離されている▽有価証券報告書などで株主構成などを公開しているなどを理由に「外国勢力の影響にはつながらない」と答弁しました。 この答弁では十分な説明になっていません。持ち株比率が50%を超えればいつでも経営支配を及ぼせるし,取締役は株主の利益を図る忠実義務を負っていることが問題です。「憲法研究者を含む参考人招致を行い,徹底審議を尽くすべき問題です。 また,法案に政治資金収支報告書などを要旨の公表前には公開しないとの条項が含まれている点についても問題が残ります。現在42にのぼる府県が,提出された収支報告書について,情報公開条例に基づく開示請求があれば開示していますが,多くの自治体が(政治資金の公開という)法の趣旨に沿って,積極的な運用をしています。これを一律に禁じようという今回の法案は断じて許せない法案です。 基本的には政治献金は,企業・団体献金を国家主権と国民主権の原理原則に沿って原則禁止すべきです。
2006年12月12日
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日米両政府は先週初めの,外務・防衛審議官級協議で沖縄の新基地建設計画について大筋合意したと伝えられています。これを受けて政府は,年内にも政府と地元の2回目の協議会を開き,建設計画の概要を説明する予定です。 政府は公式表明を避けていますが,日米協議では双方とも住宅上空飛行を認める主張をしたようです。政府はこれまで,新基地につくるV字形滑走路は「住宅の上を飛ばないということの上に立った」ものと説明(5月30日衆院安保委員会,額賀防衛庁長官=当時)してきました。住宅上空を飛ばないという前提が崩れた以上,新基地建設を地元に押しつけることはいよいよ許されません。 審議官級協議で,日本側は「緊急時」に限って双方向の着陸を認め,アメリカ側は「有事」を想定した飛行訓練での双方向着陸の可能性があるとのべたといいます。 日本側が「緊急時」をもちだし,住宅上空の飛行に道を開くのは政府説明と違います。政府は国会答弁でも,名護市や宜野座村との基本合意書でも,「(住宅)上空の飛行ルートを回避」すると言明してきました。「緊急時」には飛ぶこともあるとは一度も説明したことがありません。地元自治体が「合意と違う」と反発するのは当然です。 しかも「緊急時」といってもアメリカ軍が守った試しはありません。アメリカ軍の行状を見ている県民がそれを信用できるはずがありません。 久間防衛庁長官は,「緊急時にはあらゆる方向から着陸させないといけない訳だから(合意違反というのでは)話になりません」といっています。 地元には「住宅の上空を飛ばない」と説明しておきながら,いまになって,「緊急時」の双方向着陸を当然のようにいうのは言語道断です。これでははじめから県民を騙すつもりだったと言わざるを得ません。 アメリカ側の言い分はさらに重大です。米軍機は「有事」に備えて毎日訓練飛行するのが任務です。普天間基地(宜野湾市)から飛び立った輸送ヘリやC130輸送機が,住宅地域の上空を旋回しながら低空で飛ぶのも「有事」を想定したものです。軍事的要請を最優先にするアメリカ軍が,特別な時以外は住宅上空を飛ばないという保証などありません。 アメリカ側が双方向着陸を可能にするため持ち出していた2本の滑走路の前後4カ所での進入灯設置が,日本側の主張によって2ヶ所になったことから,離陸専用滑走路,着陸専用滑走路が区別され,通常時の住宅上空飛行がないかのようにいう見方は間違っています。米軍機は進入灯がなくても地上からの精密進入誘導と滑走路に設置された進入角指示灯によって夜でも着陸できるからです。 米軍機が双方向に着陸するということは,海側だけでなく陸側も飛ぶということです。住宅上空の飛行に道を開き,爆音と墜落の危険を県民に押しつけることになります。沖縄県民の負担の軽減どころか痛みをさらに激増させることになります。 県民の多数が新基地建設に反対していることは,世論調査で反対の意思を示す人が7割にも達していることからも明らかです。悲惨な沖縄戦の体験から,戦争の新たな足場づくりに反対しているのです。 政府も沖縄県も県民の意思を尊重し,新基地建設計画を撤回すべきです。これこそ県民の安全,日本と世界の平和に貢献する道です。
2006年12月12日
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東京都の石原慎太郎知事が来年の知事選への出馬を表明しました。 豪華海外出張や都事業への四男重用問題などにみられる都政私物化への批判の高まりのなか,石原氏のおごりと無反省を示すものです。 石原氏は議会で出馬表明した後の記者会見で,今度の問題について「日本共産党のネガティブキャンペーン(中傷攻撃)」と言いました。とんでもない,論点のすりかえです。 都議会は自民,民主,公明が石原氏と一体の「オール与党」議会です。日本共産党都疑団が知事の浪費と都政私物化に批判の口火を切らねば,誰もものをいわないのが都政の実態ではないでしょうか。 事実,日本共産党の告発で,初めて石原氏の真の姿を知った都民から,都庁に抗議が殺到しています。この都民の怒りを背景に,マスメディアの批判的な報道も広がっています。石原氏がこれを党略的な中傷攻撃としか認識できないとしたら,公的な地位にある者に最低限求められる「自らを省みる」姿勢が欠けているというしかありません。 石原氏は議会で,四男が都の税金で海外出張したことについて「違法性はない」と答えました。 倫理の基準を「違法でなければなにをやってもいい」というところまで引き下げてしまうなら,これはもう公人の行動規範とはいえません。 しかも四男のスイス出張の旅費120万円は,条例にもとづく手続きをとらず,都のイベント費に紛れこませて支払われました。脱法的な「税金の迂回支出」(日本共産党都議団)です。 日本共産党都議団の請求で開示された都の文書には,四男の他の海外出張でも,都の参与が同じからくりを使って,なんとか公費を支出させようと知恵を絞っている様子がくっきり残っています。 石原氏は,自分の息子を「余人をもって代え難い」,「立派な芸術家」で「大いに役に立った」と褒め上げ,世間をあきれさせました。今後も都の事業に「身内であってもどんどん使う」と言い放ち,身内の重用で行政の「公正」を傷つけた責任を,全く自覚していません。 豪華海外出張でも石原氏は少なくとも2億4,000万円以上を使いました。飛行機もホテルも最上級という贅沢三昧です。日本共産党は都議会で,飛行機の等級を規定通りにするだけでも,都が切り捨てた多くの福祉施策を復活できることをあげ,「都民の税金をなんと心得るのか」と迫りました。 石原氏は都の役人に「支出は適切だった」と何度も答えさせました。「海外出張は都民が納得できるものに厳選し,費用の節約に努めると約束しなさい」という質問には,知事はついに答えませんでした。 いま各地で知事の犯罪が摘発されています。石原氏は会見で,これらの汚職と自分の問題は性格が違うと強調し,「(批判は)笑ってはねかえす」と述べました。権力の上にあぐらをかいた知事のモラルの欠如という点では,なんの違いもないことを指摘せざるをえません。 「法に反しなければなにをやってもいい。都民には痛みを押し付け,自分は超豪華な海外視察に行く。こういう行政のトップを持つ都民は本当に不幸だ」。日本共産党の清水ひで子都議が都議会の演壇から延べた言葉は,いま広い都民の共通の認識として広がりつつあります。 石原氏が自らの誤りを認めないなら,都民を代表する資格に欠けることになるのは明らかです。
2006年12月11日
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税金の道路特定財源を何にでも使える一般財源にするかどうかが,2007年度予算の焦点のひとつになっています。12月8日には政府の「見直し案」も出ました。何が問題なのでしょうか。そもそも道路特定財源とはどんな税金なのか道路特定財源は使い道が道路整備に限られている税金のことです。2006年度予算では,国の財源として約3.5兆円,地方の財源として約2.2兆円の合計5.7兆円にのぼります。大きく分けて2種類あります。 ひとつはガソリンや軽油など自動車の燃料にかかる税金。ガソリン1リットル当たり約54円が揮発油税と地方道路譲与税という税金のかたちで上乗せされています。 もうひとつは,自動車を買ったり,車検を受けたりする時に払う自動車取得税や自動車重量税です。 国の道路特定財源は一般会計や道路整備特別会計に繰り入れられ,道路整備(道路関連事業)に回ります。この制度はいつから始まったのか 制度が導入されたのは1954年です。1949年から徴収が始まっていた揮発油税の税収の全額を国道や県道などの一般道路の建設や整備費用に充てることになりました。 当時は国道・県道の舗装率が5%以下しかなく,整備を急ぐためには安定した財源が必要との理由で設けられた制度です。 全国で道路整備が進み舗装率もほぼ100%になった現在,この制度を続ける理由は全くありません。実際,道路特定財源には使いきれなくなってお金が余る余剰金が発生しています。 小泉前内閣(2001年発足)は,その余剰金を,一般道路整備以外の,本州四国連絡橋公団の借金の返済や「新直轄方式」と呼ばれる高速道路建設の費用にも流用する方式を導入。それが公共事業の無駄を拡大しています。 「財政再建」が叫ばれ,無駄な公共事業への批判が高まる中で見直しを求める世論が高まってきました。見直し案ではどんなことが問題になっているのか おもな論点は,道路特定財源をすべて一般財源にして自由に使えるようにするのか,一部にとどめるのかどうかです。本来の税率より高く設定されている「暫定税率」を維持するのかどうかも議論になっています。 安倍首相は9月の所信表明演説で,現行の暫定税率を維持しつつ,「一般財源化」の方向で見直すことを表明していました。 ところが出てきた政府案は,国の特定財源の8割を占める揮発油税を一般財源化することには触れず先送りするというもの。自民,公明の圧力に屈して骨抜きになった格好です。道路整備に「大盤振る舞い」を続ける構図にも何らメスは入っていません。 無駄と利権政治の温床になっている道路特定財源は一般財源化し,年金制度の充実など社会保障にも使えるようにすることを提案します。一般財源化し,社会保障・福祉,生活密着型公共事業などにも使えるようにすることが緊急に必要と考えます。
2006年12月10日
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久間章生防衛庁長官が,日本政府のイラク戦争支持の決定について「政府として支持を公式にいったわけではない」(12月7日)と,小泉純一郎前首相の個人的な発言であるかのように述べたことが波紋を呼んでいます。2003年のイラク戦争開戦以来,閣内から初めて飛び出した“異論”は何を意味するのでしょうか。 久間長官の発言は,12月7日の参院外交防衛委員会での野党議員の追及に対して飛び出したもの。「(イラク戦争について)政府として支持を公式にいったわけではなく,コメントとして総理がマスコミに対していった」と答弁しました。 久間長官は12月8日になって「(当時の小泉首相の)談話を閣議決定しており,公式ではなかったというのは認識不足だった」と釈明したものの,「(アメリカは戦争を)早まったんじゃないかという思いが(開戦)当時もしていた。今でもそう思っている」と異論は引っ込めていません。 久間長官の発言は,2003年3月の開戦直後に「イラクに対する武力行使を支持する」とした首相談話が,閣議決定かどうかも確認しないお粗末で無責任なもの。閣議決定した自公政権の重大な責任も消えません。 しかし,閣僚から,イラク戦争支持の大義のなさについて認めざるをえなくなった発言が飛び出したことは,アメリカ言いなりに支持を続けてきた日本政府の矛盾が噴き出した格好です。 イラク戦争は,国連決議のないまま,アメリカが強行した無法な先制攻撃の戦争そのものでした。 しかも,アメリカとそれを支持した日本政府が,戦争の大義としていた「イラクによる大量破壊兵器の保有」情報は,ブッシュ大統領自身が「多くが誤りだった」(昨年12月)と表明せざるをえない事態になっています。 イラク戦争を支えた英国のブレア首相も退陣を表明しています。 大義なき戦争に続く軍事支配の中で,イラク民間人とアメリカ兵の死者は増えつづけ,11月のアメリカ中間選挙では,与党・共和党が敗北。イラク戦争とその後の軍事支配に対し,アメリカ国民は,ノーの審判を突きつけました。 アメリカの超党派による「イラク研究グループ」も,期限を切った撤退も可能とした報告書を提出しました。 ところが,小泉首相から政権を受け継いだ安倍晋三首相は,アメリカでさえ,イラク政策の見直しを迫られているなかで,イラク戦争支持を「正しい決定だった」(10月3日)といい,久間長官の発言を受けても,「問題なかった判断だった」(12月7日)と当然視し続けています。 さらに政府は12月8日,イラク戦争に続く軍事支配に加担する航空自衛隊のイラク派兵について,来年7月までの延長を決定しました。 久間発言は,当人の政治的思惑は別にして,世界の流れにも逆行してイラク戦争支持で居直る安倍政権の異常さを浮き彫りにするものです。
2006年12月09日
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改憲手続き法案を審議した12月7日の衆院憲法調査特別委員会では,それぞれ法案を提出している与党と民主党から,「共同修正」へ向けた歩み寄りを明確化する発言が相次ぎました。法案は,「結局は憲法九条改憲のための法整備」であり,法案の反民主性も変わらず,国民にとってより悪い方向での「修正」も出てきています。 憲法96条は,改憲について,衆参各院の総員の2/3以上の賛成で国会が発議し,国民投票で過半数の賛成が必要としています。 この際の過半数の「分母」について,与党案は当初から「有効投票総数」と定義。もっとも少ない賛成票で改憲案を通そうとしています。民主党は同党案でこの分母を「投票総数」としていましたが,委員会の議論では無効票が少なくなるように投票用紙の記載方法を変えることを前提に「有効投票総数」を受け入れる方向性を示しました。 いずれの案も過半数の定義を「民意を最大限くみ尽くす」という観点で考えてはおらず,諸外国でみられる最低投票率制度もありません。投票率が5割台の場合,有権者の2割台の賛成で改憲案が承認されかねません。 両案の主な相違点のひとつ,投票年齢については,「原則18歳以上」としていた民主党案に合わせるため,与党から「本則18歳以上」で対応したいという発言があらためて出されました。 また,この日は,教員・公務員に対する国民投票運動の規制について,自民党の船田元議員が「違反した場合でも罰則は設けない」という方向で与党案に「修正」を加える考えを表明。続けて「悪質な行為は公務員法上の規制がかかる」と述べると,もともと法案で同様の教員・公務員規制を設けていなかった民主党側も「修正の提案の部分は,対応を積極的に検討していきたい」(園田康博議員)と応じました。 しかし,規制を設けること自体が問題です。堀越事件などを例に挙げれば,規制を設ければ,(公務員に)委縮効果も現れてしまいます。 「修正」の方向が明確になるのとあわせ,前のめりの発言も相次ぎました。 公明党の石井啓一議員は「もともと両案の相違は少ない。一致した形での法案成立をめざすべきだ。修正合意を今国会中にまとめるべきだ」,同党の福島豊議員も「いつまでもダラダラやるわけにはいかない」と述べました。 答弁した自民党の葉梨康弘議員は,改憲手続き法案を与野党の「対決法案」だとは思っていないとのべ,「合意形成がはかられつつあるのはいい。早期に合意すべきであり,粛々と成立をはかる方向にすすむべきだ」と述べました。 民主党の枝野幸男議員も「基本的な認識は一致している。考え方が近づいてきたのは大きな前進だ」と答弁しました。 改憲や集団的自衛権の研究を掲げる安倍政権のもとでの手続き法整備は「まさに憲法九条改憲のための法整備」です。「国民が安倍政権に望む課題のなかでも改憲は数%にすぎない。法案の根本問題も解決していない」として,国民不在の歩み寄りではなく法案は審議未了,廃案にすべき問題です。
2006年12月08日
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ベーカー元国務長官,ハミルトン元下院議員らアメリカ超党派10人の有識者で構成する「イラク研究グループ」は12月6日,米政府のイラク政策に関する79項目の提言をまとめた報告書をブッシュ大統領に提出しました。 報告は「イラク米軍の最重要任務をイラク軍の訓練に変更」し,「イラク治安部隊に組み込まれて訓練にあたる米兵を大幅に増やす」よう提案。「現地の治安状況に予期せぬ変化がない限り,2008年第1-4半期までに,部隊警護に必要でない戦闘旅団はすべてイラクから撤退しうる」としています。 報告の発表にあたり記者会見したベーカー,ハミルトン両氏はブッシュ政権のイラク政策は機能していないと批判。ただ,報告の冒頭で「イラクの諸問題を解決する万能薬はない」と指摘し,問題の「両党派による解決」が必要だと強調しています。 報告は,無期限に大規模なアメリカ軍部隊をイラクに駐留し続けるということがあってはならないとしながら,「撤退の期限ないし予定表」を示すことには反対を表明。即時撤退も「誤りである」と退け,2008年初頭まで最低1年は駐留が必要だとの見通しを示しました。 ブッシュ大統領は同日朝,報告書を受け取った後,記者団に対し,「すべての提言に賛成するということにはならないだろうが,この重要な問題について集まって協議する機会になるだろう」と述べ,「政権として真剣に受け止める」と表明しました。 「イラク研究グループ」が12月6日,ブッシュ大統領に提出した報告は,「イラク情勢は深刻で悪化している。成功を保証しうる道はないが,見通しを改善することはできる」と指摘した上で,3項目を最重点として提言しています。 3項目は,(1) 最重要任務を変更し,戦闘部隊の撤退を開始できるようにする(2) イラク政府が国民和解など重要な段階をすみやかに達成する(3) イラクと周辺地域で新たな外交的・政治的努力を強めるというものです。 そのうえで,イラクのマリキ政権が国民和解や治安,統治といった目標を達成できるようアメリカ政府が支援すべきだと指摘。アメリカ政府はイラク政府がそうした目標を達成すれば,「政治的あるいは軍事的,経済的支援」を強め,達成できなければ弱めるべきだと提言しています。 また,イランとシリアはイラク国内に影響力を及ぼすことができるとして,アメリカ政府にイラン,シリアを含む「イラク国際支援グループ」の創設を呼びかけ,国連安保理の常任理事国や欧州連合のほか,日本やドイツの名をあげて協力を求めるとしています。 さらに,「アメリカはアラブ・イスラエル紛争と中東の不安定な情勢に直接対処しない限り,同地域での目標達成はできない」と述べ,中東問題への対応を求めています。 アメリカ軍戦闘部隊の期限を切った撤退も可能とした「イラク研究グループ」の報告は,開始から3年9ヶ月が経過したイラク戦争・占領を推し進めてきたブッシュ政権の路線の傷口が広がり,国内的にも国際的にもこれ以上放置できなくなったことを示しています。 ブッシュ大統領は2003年3月のイラク侵攻後,同年5月1日に「大規模戦闘の終結」を宣言。「対テロ戦争におけるひとつの勝利」を誇りました。 その後も11万人以上の駐留を続け,「掃討作戦」の名で軍事作戦を展開してきましたが,市民の犠牲は急増。アメリカ軍への憎悪や反発は広がり,治安は改善の兆しが見えないばかりか,悪化する一方でした。国民議会選挙(2005年1月)など“国づくり”での節々で駐留軍の増員も余儀なくされました。現在,駐留米軍は14万人を数えています。 今回の報告書が撤退対象の部隊として,「戦闘部隊」をあげたのはこうした軍事主導の限界を反映してのものといえます。しかし,この戦闘部隊の撤退にも,「治安状況にもよる」との条件がついており,治安状況次第では残留する道も残されています。 アメリカがイラクに送り込む軍事顧問や訓練にあたるスタッフを現状の4倍の2万人に増加することも盛り込まれています。「イラクに残る部隊は訓練などを中心とする部隊になる」との目的からくるものとはいえ,軍主導に変わりはありません。 イラク保健省は11月10日,開戦以来のイラク人の死者について,10万から15万人という推定を発表しました。イラクでの状況は,アメリカ軍の侵攻後,激しさを増した宗派間抗争は治まらず,「内戦の瀬戸際」の状況です。 こうしたもとで,報告書に盛り込まれた「イラク国民が自分の運命をコントロールできるよう」にすること,「外交努力にはすべてのイラク近隣国を関与させ,治安強化と国民和解を進めるための支援グループを形成する」こと。これらが実現のためには,軍事ではなく政治的な道筋こそ必要であり,それがブッシュ政権に突きつけられた課題です。
2006年12月08日
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日本が中国などへの侵略戦争に続いて,アメリカ,イギリスなど世界各国との戦争(太平洋戦争と呼ばれた)に突入した1941年12月8日から,65周年を迎えました。1931年9月の当時「満州」といわれた中国東北部への侵略から数えれば1945年8月の敗戦まで15年にわたったこの戦争で,日本は2,000万人を超すアジアの人々と300万人以上の日本国民の命を奪い,国土を破壊しました。開戦から65周年の節目にあたり,戦争の惨禍を改めて思い起こし,二度と誤りは繰り返さない反省をいまに生かしていくことが大切です。 とりわけ重要なのは,アジア諸国を侵略し植民地として支配した日本の戦争責任問題に正面から向き合い,それを曖昧にして侵略戦争を正当化する一切の逆流や“巻き返し”に反対することです。 小泉前首相は,過去の戦争を「正しかった」とする靖国神社への参拝を繰り返し,日本の戦争責任を曖昧にするものだと,内外の批判を集めました。侵略戦争を美化する態度は,アメリカいいなりや大企業中心主義と並んで,自民党政治の異常さを浮き彫りにしました。 その小泉氏以上に反動的な歴史観を持つといわれた安倍首相は,首相就任後の国会答弁で,植民地支配と侵略を「国策の誤り」とした1995年の村山首相談話や「従軍慰安婦」問題での1993年の河野官房長官談話を継承すると認めました。直後には中国,韓国を訪問して「歴史を直視」すると約束しました。内外の批判に押され,侵略戦争を美化する歴史観,戦争観が首相として口にできないものであったことを証明したのです。 日本が侵略と植民地支配の誤りを認め,「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法)ことを誓ったのは,日本の戦後の原点です。たとえ個人的にどのような歴史観を持っていても,首相になった以上はこの原点を守りぬく責任があります。そして,国会の場でも,外交交渉でも,いったん公式に約束した以上,それを行動で示す責任があります。 私は侵略戦争を正当化する逆流を,戦後の世界とアジアで日本が生きていく基本にかかわる問題だとして考えています。 もちろん侵略戦争を正当化する「靖国」派は,安倍首相の態度に動揺しつつ,巻き返しも狙っています。安倍内閣自身,戦後の「レジーム」(体制)を変えていくという安倍首相のもとで,発足後最初の国会で教育基本法改悪案の成立を企み,首相が任期中の5年をめどに憲法を改悪することを明言するなど,侵略を反省するとのことばに背いて,アメリカとの同盟のもと日本を海外で「戦争のできる国」にする策動を続けています。逆流とのたたかいは,いままさに国政の重大問題です。戦争を繰り返さないことを内外に示す意味で,憲法を堅持し,現憲法を制定した原点に帰って現実をそれに近づける努力をすることが強く求められます。
2006年12月08日
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障害者と家族の運動が政治を動かしつつあります。 この10月に全面施行された障害者自立支援法について12月6日,衆院厚生労働委員会は,参考人質疑と集中審議を行いました。支援法を強行成立させた与党も,参考人を前に,「見切り発車だった」(自民党),「問題がある」(公明党)と発言せざるをえませんでした。 一方で,自民党と公明党は,障害者自立支援法の「理念はいい」として,法そのものの見直しは言及していません。 障害のある人々の生活を直撃しているのは,障害者自立支援法による「応益負担」の導入です。 障害者と家族ら15,000人が参加した「出直してよ!『障害者自立支援法10・31フォーラム』」(東京)で,障害者団体が求めたのも,応益負担の中止など,支援法の抜本的な見直しです。こうした障害者・家族のとりくみは,負担軽減策を打ち出さざるをえなくなった自民党・公明党連立与党と,政府の姿勢に影響を与えています。 参院決算委員会(12月4日)で,野党議員は,利用者負担が無料から48,000円に増えたため知的障害児が施設から退所を余儀なくされている実例を示し,解決策を求めました。柳沢厚生労働相は,「(負担に)耐えられないから施設をやめてしまうということが生じないような方向での改善策を探っていきたい」と答えました。 政府も,障害者と家族が告発してきた深刻な事態を無視できなくなっていることを示しています。 応益負担の撤回を迫る同野党議員の質問に,安倍首相は,「所得に応じた利用料の上限が設けられている。ご理解いただきたい」と述べました。しかし,自民党・公明党連立与党が提案している負担軽減策では,利用者負担の上限の引き下げが盛り込まれています。 負担上限額の見直しは,「上限があるから」という説明で応益負担を正当化してきた与党の論理の破たんを示しています。 衆院厚生労働委員会の集中審議でも,別の野党議員の質問に,政府は,自民党・公明党連立与党の負担上限引き下げによる軽減総額が120億円(1年)にのぼることを明らかにしました。自立支援法施行にもとづく利用者の負担増の財政影響額390億円に対し,約1/3です。 応益負担の導入は,社会保障費の削減策としてうちだされたものです。施設への報酬単価も引き下げられ,経営を困難にしています。障害者の働く場である共同作業所などでは,報酬単価の引き下げに加え,支払い方法が月単位から日割り計算になったため,多くの施設が大幅な減収になっています。障害児が施設を休むさいに,収入減を心配する親が,「せんせ,ごめんなさい」というほどに切ない思いをさせています。障害のある人々の実情を無視した日割り支払いは改める必要があります。 参考人質疑で,障害者団体の代表は,障害が重くなるほど負担が増える実情を告発し,「国政の場で解決にあたって欲しい」と訴えました。 障害者自立支援法のツケを自治体任せにするようなことがあってはなりません。 障害者が地域で安心して暮らせる社会にするというなら,障害者の社会参加を妨げている応益負担を撤回すべきです。 障害者の声に応え,障害者自立支援法の抜本的な見直しに踏み出すべきです。
2006年12月07日
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北大西洋条約機構(NATO)はこのほどラトビアの首都リガで首脳会議を開きました。発表されたリガ宣言は,アフガニスタンでの活動を評価しながらあらためて軍事同盟の世界的拡大を強調するとともに,名指しは避けつつ海外派兵を自衛隊の「本来任務」にする日本との軍事連携を方向づけています。 麻生外相も「自衛隊とNATOの協力の余地が拡大する」と述べて,NATOとの軍事連携を強調しました(11月30日都内での講演)。NATOとの連携は,日本と世界の平和にとって重大問題です。 自衛隊とNATOとの軍事的連携の仕掛け人はブッシュ・アメリカ政権です。 ブッシュ政権はNATOの適用範囲を「北大西洋地域」から世界に広げ,アメリカの先制攻撃戦略に動員してきました。しかし,イラクはもちろんアフガニスタンでも,NATOはアメリカの言いなりになっていません。イラク戦争ではフランスやドイツなどが開戦に反対し,NATOとして戦争に参加させることはできませんでした。アフガニスタンでも,米英両国が圧力をかけてもドイツやスペイン,イタリアなどは激戦地である南部地域に戦闘部隊を展開することを拒否しています。 一方,日米同盟は小泉,安倍両政権の異常な対米従属路線のもとで,世界の軍事紛争に介入できる軍事同盟に大変質しつつあります。日本はブッシュ政権がイラクに大量破壊兵器があるとウソをついて始めたイラク戦争をいち早く支持し,戦争支援を続け,文字通りアメリカの副官的役割を果たしています。 ブッシュ政権の狙いは,日米安保とNATOの二つの軍事同盟の連携で相乗効果を発揮させ,アメリカの先制攻撃戦略を分担させることにあります。そこには,NATOには日本のような対米忠誠心を求め,日本にはNATO並みに集団的自衛権の行使にふみきらせるバネにするという思惑もあります。 自衛隊とNATOとの連携が意味するのは,自衛隊がNATO軍と一緒に戦うということです。ブッシュ大統領は首脳会議での演説で,自衛隊とNATO軍による統合訓練・演習ばかりか,「共通防衛計画の立案」を明言しました。NATO軍の軍事作戦を自衛隊に伝授するだけでなく,日本とNATO共通の戦争計画をつくるというものです。これは日本を世界各地の戦争に駆り出すという危険な策略に他なりません。 政府は海外で戦争する軍事態勢づくりを加速しています。NATOとの連携が日本を亡国の道に進ませることになるのは明らかです。 日本はアジアに対する侵略戦争を反省して,戦争放棄,戦力不保持,交戦権否定の憲法をつくりました。憲法九条はアジアと世界に対して,戦争は二度としないという国際的約束です。憲法九条を守り抜くことこそ日本の責務です。アメリカ言いなりの海外派兵態勢づくりはもちろん,NATOとの軍事的連携を許すわけにはいきません。 そもそもNATOにせよ日米同盟にせよ,仮想敵をもつ軍事同盟は,仮想敵をもたず加盟国内部で問題を解決するという国連憲章の集団的安全保障制度と異質のものです。その軍事同盟が世界で幅を利かすこと自体許されません。シラク・フランス大統領が首脳会議で「国連が世界規模の使命を担う唯一の政治組織であり続けるべきだ」と述べたように,国連中心で世界平和を追求すべきです。
2006年12月06日
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自民党の党紀委員会が12月4日,郵政「造反」議員11人の復党を正式決定したことは,政治理念も倫理もなく,党利党略のためなら国民を騙しても一切お構いなしという同党の体質を改めて鮮明にしました。 テレビ朝日が同日,党紀委員会決定を前に明らかにした世論調査では,「造反」議員の復党手続きを進める自民党を支持しない人は66%。「支持する」と答えた21%を大きく上回りました。 この問題では,11月27日に安倍晋三首相が復党を認める直前の11月25日-26日に実施された世論調査で,復党反対が61%(「毎日」),59%(共同)だったことからみて,国民の怒りはおさまるどころかさらに大きくなっているといえます。 なぜ国民の怒りはおさまらないのか。 それは,票とカネのためなら国民を騙しても平気な自民党と,これを「命の恩人」などといって喜々として復党する「造反」議員の態度にあります。新聞投書欄にも「(自民)党は巨額の給付金を得,参院選の布陣を強固にし,命をもらった議員は忠誠を誓ってひれ伏す。世も末だと思う」(「東京」12月2日付)の声が載せられています。 さらに,「郵政選挙」を演出して296議席を得たうえに,「造反」議員に託された郵政民営化反対の票までかすめとる。この有権者騙しに国民は怒っているのです。マスメディアも「まさに民営化賛成,反対両者からの議席の二重取りとしか言いようがない」(「毎日」11月28日付),「『民営化反対』を信じて造反組に投じた有権者を裏切ることにもなる」(北海道新聞同)と批判しています。 復党の狙いが票とカネにあることは,復党する11人のうち8人までもが,自民党が最重点とする参院選の「1人区」と重なること,11人が復党することで自民党への政党助成金が2億5,000万円も増えることで明らかです。 国民の怒りの深さは,安倍首相の支持率の大幅低下にもあらわれています。国民は,「筋道も理念も全くない。絵に描いたような党利党略」(12月3日のNHK番組で野党議員)だということを見抜いているのです。 党紀委の笹川委員長は復党決定後の12月4日の会見で,「(復党する議員には)安倍総理がいわれている再チャレンジをやっていただく」などと述べましたが,国民を完全に馬鹿にしている発言です。この怒りを忘れることなく,来年の全国一斉地方選挙と参議院選挙で示さないといけません。これで自民党・公明党連立与党が選挙で勝つと彼らはますます増長し,「国民・選挙民なんて,テキトーに言っておけば大丈夫」と高笑いさせてしまいます。 なんとかしないといけないと強く思います。
2006年12月05日
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ベネズエラ大統領選挙で,チャベス氏が大差をつけて勝利しました。アメリカ主導の新自由主義の押し付けに反対し,資源主権と貧困克服,自立と地域協力を強める政策と実績が支持された結果です。 1998年のチャベス氏初当選は,その後南米で相次いだ革新政権誕生の幕開けでした。以来,チャベス政権は,国政選挙と国民投票で今回まで9回にわたり国民の審判をうけてきました。毎回,アメリカが国内反政府勢力を露骨に支援し,「暗殺」の脅しまで使って内政干渉してきたのを打ち破り,今回もアメリカ中央情報局(CIA)やアメリカ国際開発局(USAID)の策動をはねかえして当選を決めました。 この選挙結果は,歴史的な意味をもつ「人民の勝利」(チャベス氏)であり,国民本位の変革を前進させる大きな力となるものです。 チャベス政権が実行してきたのは,世界第5位の石油輸出国として自国資源への主権を取り戻し,これらの資源を最大限に活用しながら,国民の福利を向上させてきたさまざまな施策です。 政府発表によると,極貧困世帯は,1998年の21%から2006年の10.6%に半減しました。失業率は同じ時期に,11.3%から9.6%に低減しています。 最低賃金はこの10年間に5.6倍(米ドル換算)になりました。インフレ率は,2002年,2003年をピークに大きく下降してきました。 この間には,2002年から2004年にかけて,アメリカの直接介入を受けた反政府勢力のストライキ,クーデターなどの策動を,国民とともに打ち破っていく過程がありました。この困難な時期を突破し,経済,社会改革が着実に進むようになったなかで,国民の暮らしは顕著に改善されてきました。 ベネズエラはかつて,石油などの資源をアメリカなどと結びついた一部資本に握られ,1990年代には貧困層が8割に達した国です。国民の暮らしの改善は,なによりチャベス政権が進めてきた大胆できめ細かい施策がもたらしたものです。それは,零細農家への土地分配と協同組合への組織化,就学を促す教育改革,貧困層のための低価格店の全国展開,無料診療所開設,「女性の発展のための銀行」,職業訓練などの失業対策,貧困層向け・都市開発の「住宅建設計画」に及びます。 ベネズエラの変革の特徴は,国民の直接選挙,投票による信託を受けて進める民主的な改革であることです。チャベス氏は最近,資本主義から社会主義への前進をめざし,「21世紀の社会主義」を議論しようとも提起しています。 チャベス政権は南米共同体でも,エネルギー協力など各分野でイニシアチブを発揮し,自主的な地域協力を積極的に前進させています。 ベネズエラから始まったこの地域の変革の波は,南米に広がり,中米にも及びました。今年の選挙で,米ドルを通貨にしてきた南米エクアドルの国民は,米国から自立した南米統合を支持し,米国との自由貿易協定を拒否し,米軍基地撤去を公約するコレア新大統領を選出しました。中米ニカラグアでは,国際通貨基金の「構造調整」政策を見直すと訴えたオルテガ氏が,16年ぶりに大統領に返り咲きました。 中南米に広がる大きな変化は,外国支配を許さず,自立と民主化を求める変革にこそ,この地域と世界の未来があることを示しています。 アメリカの裏庭と言われる中南米で反米,反新自由主義の流れが沸き起こっています。アメリカ追随,日本がいま進めている新自由主義の問題は,一部の資本家のみが潤って,多くの国民がその恩恵を受けられないことです。 日本は前小泉首相が「改革」と叫んでいたのは,新自由主義。「官から民へ」,「民間でできることは民間で」。一見もっともらしく聞こえますが,それによって耐震偽装事件など起きました。これからもそれに起因する問題が起きるでしょう。 勘違いしている日本国民が多いと思いますが,確かに日本は世界第2位の経済大国ですが,経済協力開発機構(OECD)によれば貧困率はアメリカに次いで世界ワースト2位です。 日本の格差拡大の原因が,非正規雇用の拡大による労働市場の二極化にあることをOECDも指摘しており,その是正を求められます。 また,雇用水準に比べ相対的貧困率の高さは驚くべきことだと指摘しております。「税制改革」についても,所得分配への影響を考慮すべきだと勧告しています。 世界のアナリストから見ても異常なニッポン。世界の流れから見ても,このままでは国民の暮らしは決して良くなるはずはないのです。アメリカ追随・言いなりではなく,国民本位の政治にすることが急務です。それは選挙で国民が国民本位の政治をしてくれる政治家を選ぶしか方法はないのです。
2006年12月05日
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大田弘子経済財政相は,11月の「月例経済報告」の記者会見で,今回の景気拡大が58ヶ月となり,「いざなぎ景気(注1)を超えて,戦後最長記録を更新した」との政府見解を発表しました。同経財相は,一般紙の記者から「今回の景気の名前についてアイデアがあるか」と質問されたのにたいし,「ノーアイデアです。マスコミの方がいい名前をご提案くださるのを楽しみにしています」などと答えました。(内閣府のホームページによる) 既に,一部の経済評論家からは,「実感なき景気」とか,「リストラ景気」,「格差型景気」,「蜃気楼(しんきろう)景気」,「低体温景気」などなど,様々なアイデアが提案されています。 いずれも,今回の景気拡大では,多国籍企業化した一握りの大企業が史上最高の利益をあげているのに対し,労働者・国民にとっては,失業・雇用不安とワーキングプア,格差と貧困の拡大が長期化しているという特徴を表そうとしています。中小企業,農業,地域経済の停滞感もいちだんと深刻化しています。 なかには,「いざなぎ景気」が古事記の「いざなぎ・いざなみ」に由来するところから,神話をさかのぼって「たかみむすひのかみ(高御産巣日神)景気」とか,小泉「構造改革」にちなんで「改革景気」などという人もいますが,これらは論外でしょう。 私は,今回の「最長景気」が続けば続くほど,「景気の二極化」がひどくなり,格差が拡大し,矛盾がさまざまな分野,さまざまな形態で噴出しつつあるという特徴を一言で表現するために,かつてない日本型の異常な「格差景気」と名づけてみたいと思います。 異常な「格差景気」の実態は,政府の統計からも明確に検証することができます。 財務省の「法人企業統計」から試算すると,資本金10億円以上の巨大企業役員の報酬(給与と賞与)は,2001年度の1,425万円から2005年度には2,811万円へ約2倍に激増しています。これに対し,同統計で全法人企業の労働者(4,158万人)の賃金は,375万円から352万円へ減少しています。資本金1,000万円未満の零細企業労働者(696人)の場合は,236万円から219万円へ減少しています。 景気の上昇期に,役員報酬は倍増しているのに,労働者の賃金は大幅に低下しているために,当然のことながら,格差は鋏(きょう)状(注,はさみのように先に行くほど広がった状態)に拡大しています(注2)。こうしたことは,日本の過去の景気回復期には例がないし,恐らく欧米諸国でもないでしょう。 「新自由主義」経済路線のもとでは,アメリカやイギリスでも景気循環が二極化する傾向は,共通にみられる特徴です。しかし,日本の場合は,もともと「ルールなき資本主義」といわれるほど劣悪な労働条件のもとで,「新自由主義」改革による労働法制の改悪が強行されてきたために,サービス残業や偽装請負などの無法が横行し,格差と貧困がとりわけ急速に広がっています。まさに,日本型の「格差景気」としか言いようのない異常さです。 これは小泉内閣が,『構造改革』としてすすめてきた『新自由主義』の経済路線-大企業の利潤追求を最優先にし,規制緩和万能,市場原理主義,弱肉強食をすすめる経済路線によって,日本経済と国民生活の矛盾をあらゆる分野で深刻になっています。 今回の「戦後最長景気」=「日本型の格差景気」が続くにつれて,大会決議の指摘は,ますます実証されています。単に経済的な矛盾だけでなく,社会的なモラルの荒廃,教育の荒廃など,新しい不安が日本社会全体を覆いはじめています。 かつての「いざなぎ景気」のときには,景気拡大が長期化するなかで,公害・環境破壊や「新しい貧困」が広がり,列島騒然となり,1967年には革新都政が誕生し,革新自治体の大波が怒とうのような勢いで全国に広がっていきました。 今回の日本型の「格差景気」のもとでは,雇用や賃金などの労働の現場で,そして税金や年金,医療などの暮らしの現場で,さまざまな困難が幾重にも積み重なり,苦しみを深めています。この現実とどう向きあい,どうたたかうか。職場から,地域から,政治を変え,日本経済の異常な歪みを変えるための機は熟しています。どうするかは,すべて国民の判断に委ねられています。(注1) 1965年11月から1970年7月までの57ヶ月つづいた景気拡大。(注2) 試算の詳細は,『経済』2007年1月号
2006年12月04日
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安倍内閣が来年度の「予算編成の基本方針」を決め,政府税制調査会が税制改定の答申をまとめました。その看板は,「成長なくして日本の未来なし」,「成長なくして財政再建なし」というスローガンです。 日本経済のバランスの取れた安定的成長は極めて重要な課題です。 しかし,安倍内閣が言う「成長」の中身は「潜在成長力を高める」(予算編成の基本方針)ことです。 潜在成長力とは機械・設備など生産力をフル活用した場合の成長力であり,小泉・安倍内閣においては“大企業の競争力”を言い換えた表現にすぎません。 政府税調の答申は,減価償却制度の見直しで,大企業を中心に少なくとも5,000億円規模となる減税を来年度から実施するよう求めています。今後の検討課題として法人実効税率引き下げを明記しました。来年で期限切れの株式売買益や配当の大幅な減税措置では,何らかの優遇措置を続ける「工夫」を求めています。 政府は,庶民には所得税・住民税の定率減税の全廃で来年も1.7兆円の増税を押し付け,参院選後には消費税増税の議論を本格的に開始しようとしています。生活保護の「老齢加算」に続いて「母子加算」を廃止し,“最後のセーフティーネット”と呼ばれる生活保護制度をずたずたにする方針を示しています。 雇用では,1人当たり年114万円分の残業代を企業が「横取り」する「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入など,労働法制の大改悪を打ち出そうとしています。 巨額の貿易黒字を重ね,外資の3割超が「優良企業が多く競争が激しい」ことを日本進出の障害と答えている(内閣府調査)ように,大企業の競争力は強すぎるほどです。 これに比して国民の暮らしには格差と貧困がまん延しています。ワーキングプアが広がり,「成果主義」の影響も加わって全体の平均賃金が減少しています。 政府は「戦後最長の景気回復」と発表しましたが,日本経済は,大企業の利益は最高なのに庶民の家計は最低という,極端なアンバランスを示しています。強すぎる大企業をさらに手厚く支援し,弱りきった庶民をますます痛めつけるなら,供給と需要の不均衡は一層広がり,日本経済の安定的な発展は到底望めません。 総額人件費を減らす大企業の雇用戦略を支え,大企業減税の一方で庶民に負担増を強いるような経済政策を取る限り,家計は低迷から脱することはできません。需要の過半を占める家計が元気を取り戻さなければ,日本経済の安定した回復は「絵に描いたもち」です。 国内の不均衡の帳尻を輸出への依存で合わせる外国頼みのやり方には持続性がありません。なにより,大企業ばかりが潤って,暮らしが豊かにならない「回復」など国民にとっては無意味です。 小泉・竹中路線は「改革なくして成長なし」と叫んで大企業中心主義の経済政策を強行してきました。 一見,小泉・竹中路線をひっくり返したかのように見える安倍内閣のスローガンは,「成長」=「大企業の競争力」を正面から掲げ直しただけです。その本質は,法人税の10%減税や偽装請負の合法化を求めるなど,財界の要求がかつてなく露骨になっていることにはっきりと表れています。小泉・竹中路線をエスカレートさせた安倍路線に国民の未来を委ねるわけにはいきません。 国民の暮らしが悪くなるのは,政治にも責任があります。最近は問題の根本に政策による原因があります。自民党・公明党連立与党は大企業から政治献金をもらい,大企業優遇の政策ばかり。これに同じく大企業から政治献金をもらい一緒になってこれに同調しています。 日本の大企業の競争力は世界最高水準であることは明白です。国民の生活水準はどうでしょうか?政治を変えなければ,国民の暮らしが良くなることは決してないのです。政治を変えるには,選挙で自分たちのために政治をしてくれる候補者に票を投じるだけです。 また市長が逮捕という事件がありましたが,自分の私利私欲のために歪んだ政治・行政をしている候補者を選んだ国民・住民もイメージではなく,候補者の本質を見極められる努力が必要です。 最近の一連の談合・汚職の事件で逮捕や辞職された議員や行政長は,選挙のときどこの推薦あるいは公認だったのでしょうか?『罪を憎んでひとを憎まず』ですが,その根本には政党の本質があると考えられないでしょうか。
2006年12月03日
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安倍政権と財界は“もっと企業減税をやれ”の大合唱です。史上空前の大儲けをする大企業をさらに応援する一方で,財源がないからと庶民増税を企んでいます。これでは低迷する家計は大打撃。話があべこべです。安倍政権は「国際競争力強化」のためだといいます。そんな言い分はどこからみても通用しません。 安倍首相は「わが国経済の国際競争力を強化し,その活性化に資する」ための税制「改革」を唱えています。「わが国経済」といっても,国内総生産(GDP)の55%を占める個人消費のことは眼中にありません。それどころか,庶民大増税で個人消費を冷やすことばかり考えています。安倍政権が熱中しているのは「わが国企業」の国際競争力を強化するという口実による大企業減税です。 しかし,日本の大企業の国際競争力は驚くほど高いのが現状です。トヨタ自動車は純利益1兆円を突破し,営業利益でも2兆円を超えようとしています。 売上高でみると,日本の大企業の多くが上位に入ります。少し前の数字ですが,経済産業省,厚生労働省,文部科学省が共同で編集している「ものづくり白書」(2005年度)が業種ごとに売上高の順位を明らかにしています。 上位10社に入った日本企業は製造業17業種で69社(複数業種であがった社を含む)。実に4割を占めました。ロボットでは8社,電線・ケーブル,アルミニウム圧延,工作機器,情報通信機器では6社と圧倒的です。業種全体の売上高が大きい自動車でもトヨタ(4位),ホンダ(6位),日産(7位)が入り,12位がマツダです。 異常なのは,大企業は国際競争力が強く,国内総生産はアメリカに次いで世界第2位なのに,庶民にその実感がないことです。 それは,大企業の儲け方と儲けの還元の仕方に問題があるからです。 日本の大企業の儲けは「リストラ効果」と「輸出頼み」といわれます。人件費を削減・抑制し,部品の単価切り下げで輸出競争力をつけるというやり方です。「ワーキングプア」(働く貧困層)が社会問題化し,サービス残業や「偽装請負」という無法が職場でまかり通っているのも,コスト削減競争の結果です。 アメリカ労働省は独自に30ヶ国あまりの時間あたり人件費を比較していますが,2004年時点で日本は15位。米国や大半の欧州諸国を下回っています。 全日本金属産業労働組合協議会(IMF-JC)が試算した実労働時間あたり人件費でも,日本を100とすると,ドイツ138,米国105です(2005年12月「日本経団連『経営労働政策委員会報告』に対する見解」)。 「リストラ効果」で大企業が大儲けをしても,労働者にはそれにみあった還元はされていません。 財務省の法人企業統計によると,資本金10億円以上の大企業の経常利益は2000年から2005年にかけて1.5倍に増えました。役員報酬は総額1.7倍,1人当たり1.8倍,株式配当は2.5倍になりました。ところが,従業員給与は同期間,総額で0.95倍,1人当たり0.97倍と逆に減りました。 2005年時点で大企業の役員報酬は1人当たり2,810万円。これに対し従業員年収は588万円。格差はますます開きました。 もっと大企業向け減税をすれば,国際競争力が強まり,家計にも波及するという安倍政権の宣伝は通用しません。 政府税制調査会の本間正明会長は「(税収の)自然増収の一部を財源に,法人課税を手当て(減税)していく」(「毎日」11月7日付)と語っています。企業の業績があがり,納める税収が増えれば企業に還元するという考え方です。大企業の景気が悪くても良くても“大企業減税先にありき”です。 大企業の業績があがったのは,労働者や下請け業者らの努力があってのこと。儲けに応じた税金を負担し,国民に還元すべきです。 企業の儲けはバブル期を超えたのに,法人税の相次ぐ減税で,法人税収は急減しています。日本の大企業が負担する税と社会保険料の負担(GDP比)は,ヨーロッパ諸国と比べてもまだ低い水準です。 かつて谷垣禎一財務相(当時)は記者会見で,「(法人基本税率が)30%で(同税収が)13.3兆円ですから,これを440%にしますと,(同税収は)18兆円を多分超える」と語りました。 大企業に応分の負担を求めれば,庶民増税をすることなく,大幅な財源を確保することができます。こうした財源を充てれば,社会保障を切り詰める必要もありません。
2006年12月03日
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大手銀行6グループ(三菱UFJ,みずほ,三井住友,りそな,住友信託,三井トラスト)は9月期中間連結決算でも,過去最高を更新する最終利益(純利益)を計上しました。しかし,どのグループも法人税を納めていません。税務上の優遇によるものですが,『空前の儲けを上げているのに,なぜ税金を払わないのか」と国民の怒りが高まっています。 6グループのうち,三菱UFJとみずほが2002年から,三井住友は2001年から法人税ゼロが続いています。(図) いまは大幅な黒字でも,不良債権処理に伴って過去に積み上げた赤字と相殺される税務ルールのためです。 しかも黒字で埋めきれなかった赤字は,翌年以降に繰り越せます。これが「繰越欠損金制度」です。不良債権処理を後押しするためとして,2004年度から繰越期間が5年から7年間に延長されました。この間に新たに赤字が発生すれば,繰越期間はさらに延びることになります。 このルールは,すべての企業に認められていますが,不良債権処理で巨額の赤字を抱えた大手銀行に大きな恩恵を与える仕組み。その恩恵は,不良債権処理を終えた後も続いています。 日本経済研究センターでは,繰越欠損金を解消し,法人税を払うようになるには三菱東京UFJ銀行が約2.5年,三井住友銀行は約3.3年,みずほ銀行が約4.4年かかると試算(2006年3月期決算ベース)します。 一方,大手銀行は大儲けしているのに,利用者には還元していません。預金金利は多少上がったとはいえ,普通預金の金利は年0.1%。100万円を預けていても1,000円(税引き後800円)の利子しかつきません。 相次ぐ銀行店舗の統廃合や人減らしの影響で,窓口やATM(現金自動預払機)の前で行列ができ,長時間待たされることも珍しくありません。 6大銀行グループすべてが法人税を納めるとどのくらいの金額になるのでしょうか。業績予想(2007年3月期通期)で,最終利益は総額2兆9,600億円と見込まれています。それに法人税率30%(国税分のみ)を掛けて計算すると税額は8,880億円になります。 この税収があれば,住民税の定率減税半減(約4,000億円),公的年金等控除の縮小など高齢者を苦しめる住民税増税(約1,600億円),高齢者分の介護保険料の引き上げ(約2,000億円)も障害者の支援費制度・医療の自己負担強化(約700億円)などをやめてもおつりがきます。 銀行は公的資金を受けて救われ,今日のように莫大な利益を上げるようになりました。それなのに,税金も納めず国民に還元もしないで,自民党だけには献金を再開しようとしています。銀行業界が日本経団連の要請を受けて,9年ぶりに政治献金を再開する検討に入ったということです。 銀行側は献金の目的を「社会貢献のため」といいますが,社会貢献というなら,利用者・国民に対する利益還元こそ真っ先に行うべきではないでしょうか。
2006年12月03日
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11月30日の衆院安全保障委員会で,自衛隊の海外派兵を本来任務に位置付け,防衛庁を省に移行させる「防衛省」法案について,「これまでの政府の憲法見解からも逸脱した自衛隊になる」と批判がでましたが,衆院安保委員会で自民,民主,公明などの賛成で可決,衆院本会議でも可決されて衆院を通過,参院に送られました。 現行の自衛隊法第三条は,自衛隊の任務について“日本防衛”に限定しています。同野党議員は「自衛隊は,わが国防衛のための必要最小限度の実力組織だから憲法に違反しない」としてきた歴代政府の憲法見解と一体のものとして,任務を“日本防衛”に限定してきたのではないのかとただしました。 久間章生防衛庁長官は「基本的にはそういうことだ」と答弁しました。 「防衛省」法案は,自衛隊法三条を改悪し,海外での活動まで任務としています。野党議員は「憲法解釈が変わってもいないのに,なぜ任務を変更し,海外活動を任務に位置付けることができるのか」と追及しました。 久間長官は「現在行っている業務を(本来任務に)位置付けるもので,憲法の関係で問題ない」とまともな説明ができませんでした。また本来任務に位置付けることで,「(海外派兵への)即応態勢の部隊」や「(海外派兵に備えた)教育隊」の編成などの体制づくりを進めていく考えを示しました。 海外派兵を任務の中心にすえ,そのための組織,装備,作戦,訓練を行うことは,これまで政府見解に照らして『自衛のための必要最小限度の実力』を超える存在になるものです。 さらに,新たに任務に加える周辺事態法,テロ特措法,イラク特措法に基づく活動が海外でのアメリカ軍支援活動であり,自らの存立目的=任務規定に,他国軍隊への支援を位置付けるなどという軍隊に他なりません。自衛隊を『アメリカ軍戦争支援隊』に変えるものです。 それに加え,衆院安全保障委員会は11月30日,自衛隊の海外派兵を本来任務に位置付け,防衛庁を省に移行させる「防衛省」法案とともに,同法案に対する付帯決議を,自民,公明,民主の各党の賛成多数で可決しました。日本共産党と社民党は反対しました。 同決議は7項目で構成。自衛隊が海外で活動する際に,「装備品や人員の配置等について適切な整備を行う」と明記し,海外派兵の本来任務化にあたっての体制整備などを求めています。 考えれば,カンボジアのためのPKO法案が始まりで,歴代自民党政府が既成事実を少しずつ作り,自衛隊を海外で任務に就かせてきたのはこの法案のためであっとと思います。 憲法違反のことであっても,憲法解釈を捻じ曲げ,最近になっては,憲法が時代と合わなくなってきたと言い出す始末。合わなくなってのではなく,捻じ曲げてきたのです。憲法には前文がある憲法です。前文というのはその法律の解釈の仕方を勝手に変えないようにその法律の趣旨を表したものです。そんなことお構いなしの自民党・公明党・民主党です。そんなにアメリカが良いのなら,アメリカ市民にでもなればいいのに…。また日本人を戦争に行かせたいのか。
2006年12月02日
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九条改憲のための条件づくりとなる改憲手続き法案をめぐって,自民,公明,民主三党の共同修正への動きが本格化しています。 12月1日の記者会見で民主党の鳩山由紀夫幹事長は共同修正へ向けて「基本的に自民・公明と民主党との間で合意がなされた」と発言。与党幹部も鳩山氏の発言を受けて,「現場レベルで合意がなされたという報告は受けている。民主党の幹事長からそういう発言があるなら,今国会で衆院の委員会採決ぐらいまではいけるのでは」と意欲を示しました。 民主党憲法調査会関係者は「具体的な共同修正案づくりへの詰めはまだ時間がかかる」と言いますが,共同修正へ向けての基本合意は,改憲手続き法案成立へ向けて重大な段階を画するものです。 手続き法案を審議している衆院憲法調査特別委員会でも自民党理事が11月30日の理事懇談会で,週1回で行ってきた委員会開催を週2回とするよう執ように提案。この間,自民党の提案に難色を示してきた民主党がこれに応じたため,国会の会期もあと2週間残すのみという中でペースアップする展開です。 自公民で共同修正の動きがあるのは,改憲手続き法案で自民・公明の与党案と民主党案の2つの案があるからです。両案は,改憲案が通りやすい基本的な仕組みは同じですが,いくつかの相違点もあります。 具体的には,(1) 国民投票制度を改憲に限定するか(2) 投票年齢を20歳以上とするか18歳以上とするか(3) 改憲案の承認の要件を「有効投票の過半数」とするか「総投票の過半数」とするかなどです。この間の特別委員会の議論では,自民党側が投票年齢などで歩み寄るなど,共同修正に向けた地ならしが行われてきました。 こうした動きは,「来年の憲法記念日,現憲法施行60年までに法案を何としても成立させたい」(自民党憲法審議会関係者),「早期に手続法を成立させ改憲論議を本丸にステップアップさせたい」(同前)という改憲派の強い執念を現すものです。 11月30日の衆院憲法調査特別委では,公明党の赤松正雄議員が「(国会の憲法調査会終了後)1年7ヶ月空白期間があって,憲法改正について国民に提示する論点整理が,詰めた議論がされないでいることはいささか残念」などと発言。自民党の中山太郎委員長が気色ばんだ様子で“反論”する一幕もありました。 “ 1年半無為に過ごしてきたのではなく,改憲論議を次のステップへと進めるため全力を尽くしてきた”と,言いたかったようです。 自民党は今週,改憲手続き法案で民主党との共同修正を進めるためにつくった特命委員会の開催を中心に党内調整を本格化させます。民主党も党憲法調査会の役員会を開催し,自民党との共同修正に向けての中間的な経過説明を同党ネクスト・キャビネット(次の内閣)に提出する方向です。 法案審議の中では,野党議員らの追及によって改憲案を通しやすくするための法案の仕組みがますます明らかになりつつあります。九条改憲との一体性と合わせ,広く国民に知らせていくことが重要です。
2006年12月01日
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