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A氏:一昨日の朝日の夕刊の「ニッポン人脈記・安倍政権の空気17回目」に安倍首相の「美しい国」とはこういうことだという記事があるね。 国会で質問に答えたものだという。私:俺も読んだよ。 次のように言ったとあるね。「明治・大正期に外国人の多くが日本を称賛した。 アインシュタインは、謙虚さと質素さ、純朴で静かな心、これらを保って欲しいと述べた。 質素でも立ち居振る舞いが美しい日本人でありたい」A氏:これに対して記者のコメントは、明治、大正期はなお封建的な考えが強く、その時代をあえて理想と語る安倍流の「美しい国」は、戦後の価値を否定する復古主義に見えると批判的だね。私:この記者の考えがおかしいね。 明治、大正を封建的としてこれがすべて悪いとしているね。 これはマルクス史観の影響かね。 それに、戦後の価値とはなんだね。 いわゆる戦後民主主義のことかね。 運動会で一緒にゴールする結果平等の民主主義、アメリカの核の傘に守られた平和。 それとも金があっても給食費を払わない親、子どもを虐待する親、親を殺す子。 これが戦後の価値かね。A氏:手厳しいね。 しかし、外国人がほめた日本の「美しい国」は、資本主義に毒されていない日本ではなかったのかね。 それが今、小泉、安倍政権の市場原理主義推進で「すべては金」の社会になりつつあるのではないの? この点で安倍首相の政策は基本的に矛盾するね。 君のブログでアインシュタインが大正11年に来日し、日本をほめていた話があるが、彼は日本人の集団主義、自然との一体の文化など、日本文化を高く評価していた。 これらは資本主義が進んだ欧米がすでに失ったものだし、戦後、日本が失いつつあるものだね。 その反省を安倍首相はしているのだろうか。 それなら市場原理主義をやめないと一貫しないね。私:同じコラムで自民党の加藤紘一氏が「安倍政権が公立学校に競争原理をとり入れようとするなど、地域社会をないがしろにした時は立ち上がらないと」と言っているとある。 加藤氏は「教育バウチャー制」に反対なんだね。 加藤氏の考えは封建的かね。 「謙虚さと質素さ、純朴で静かな心」などは明治、大正の地域社会がバックアップしてきたものだが、それをバウチャー制は壊そうとしている。 これも安倍政権では基本的に矛盾だね。A氏:教育再生会議の再生とは、この「謙虚さと質素さ、純朴で静かな心、質素でも立ち居振る舞いが美しい日本人の再生」なんだね。私:しかし、明治だって、古い日本文化をどんどん捨てたのではないの? あるドイツ人が明治期に日本に来て、貴重な伝統文化を平気で捨てる日本人に驚いているね。 日本の初代の文部大臣森有礼は、日本語をやめ英語にするという考えを持っていた。 日本語の文化や漢字の文化の放棄も考えていた。 福沢諭吉は仏教を遅れた宗教だとして、キリスト教を国教とすることもやむをえないと考えていた。A氏:明治で捨てようとしたものが大正と昭和初期まで残っていたが、戦後民主主義でまた大きく捨てた。 このダブルパンチで「謙虚さと質素さ、純朴で静かな心、質素でも立ち居振る舞いが美しい日本人」が消えたのかね、私:「幕末・維新」によると、外国人が日本をほめているのは明治・大正だけではないよ。 ペリーが来航したときには、日本人が「嫌悪と警戒」をしたイメージだが、実際はそうでなかったようだ。 江戸女性に対する欧米人の評価は高く「陽気で、純朴にしてしとやか、生まれつき気品にあふれている」「感じがいいのだ」「物怖じしない」「中国の女と違う、いささかの恐怖も気後れも示さない」などある。 下田に来たハリスは、下田を散歩して「容貌に窮乏をあらわしている一人の人間をも見ていない」「子どもの顔はみな『満月』のように肥えているし、男女ともすこぶる肉付きがよい、彼らが十分に食べていないとは考えられない」と言ったという。 イギリスのオールコックも伊豆の韮山を歩き「よく耕作された谷間」「非常な豊かさになかで家庭を営んでいる幸福で満ち足りた暮らし向きのよさそうな住民」と言っているという。 当時の日本は地域格差がひどかったせいもあるから、よい地域もあったんだね。 これは幕藩政治では経済政策は全部藩に任せたせいだね。 地方交付金などなかったからね。A氏:そうするとこれからは地方交付金など当てにできないとすると、江戸時代のように地域格差が拡大しそうだね。私:そうなるかもね。 いずれにせよ、江戸時代を欧米と比較して未開の文明社会という先入観にとらわれていたが、事実はそうでないということが1980年代から歴史の研究で分かってくるんだね。 捨ててきた日本をもう一度、見直すというのが、ようやく本格的に、バランスがとれた視点、先入観にとらわれない相対的思考で行うようになってきたのは確かだね。 若い研究家が増えていて期待したいね。 「謙虚さと質素さ、純朴で静かな心、質素でも立ち居振る舞いが美しい日本人」をとりもどすためにも。
2007.03.31
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私:昨日の「閔妃暗殺」で著者が福沢諭吉と朝鮮の関係を書いているね。 君は、一万円札の福沢諭吉の肖像をどう思うね?A氏:国民的な常識ではないの。 福沢諭吉は明治維新に活躍した近代化の啓蒙家であり、「天は人の上には人を作らず、人の下に人を作らず」と言ったことで有名だね。 「学問のすすめ」は名著だね。 日本の近代化に尽くした人としては肖像になっては当然だろう?私:ところが、角田房子氏が1984年(昭和59年)にソウル滞在中に「一万円札の福沢諭吉の肖像は一部の韓国人に強い不快感を与えている」ということを聞き、とっさに理由がわからなかったという。A氏:福沢諭吉は「脱亜論」を書いているからではないの? 近代化に遅れているアジアには訣別しているからね。 その遅れているアジアに朝鮮も含まれているからね。私:角田氏は、いろいろ調べたね。 例の日本船が江華島の朝鮮を挑発して、攻撃させた1875年の江華島事件で、世論は「朝鮮討つべし」だった。 しかし、福沢諭吉は、朝鮮は「小野蛮国」だから相手にするなということで逆に世論に反対しているという。 しかし、このとき、諭吉は朝鮮の人に会っていない。 会ったのは1880年になってからだという。 会ったら、考えがガラリと変わる。 1881年には二人の朝鮮人を慶応に入学させ、自宅にひきとって親切に指導したという。A氏:朝鮮の近代化にも熱心になったんだね。私:1881年には諭吉は「西洋諸国が東洋に迫ってくるのは、火が蔓延してくるようなものだ。 日本だけ不燃建築にしても、近くの国が古い木造家屋のままでは類焼のおそれがある。 彼らも不燃建築にしなくてはならない。 そのためには脅迫することも辞さない」というようなことを言っているという。A氏:朝鮮相手とせずという態度がガラリと変わったね。私:1883年には朝鮮で新聞を発行するため、二人の弟子を朝鮮に送る。 この二人のうち、一人には「朝鮮側の自主性や習慣を重んじる」ように言いながら、もう一人には「日本以外の他の国が指導するわけにいかない。朝鮮を指導するのは日本の権利であり義務だ」という。 この矛盾が諭吉の中に共存していたんだね。A氏:1884年の例の3日天下の甲申政変のクーデターを起こした金玉均は、朝鮮の文明開化運動について諭吉から物心両面の支援を得ていたね。 甲申政変は日本政府と諭吉らの民間が一体となってやらせたという説もあるね。私:クーデターに失敗した金玉均は日本に亡命してくる。 諭吉は、この3,4ヶ月後に「脱亜論」を出すんだね。 朝鮮を「開化の誘導に価しない国」と見限る「訣別の辞」となるね。 金玉均のクーデター失敗に相当がっかりしたんだろうね。 中国の開化の遅れに対しても同様の考えだから、日清戦争は「文明の日本が野蛮の清に対する戦争」と論ずる。A氏:なるほど。 朝鮮の人でこれを知っている人は福沢諭吉に反感を持つわけか? しかし、諭吉は同じアジア人として、開化が遅れて、西洋にやられるのにイライラしていたんだろうね。 しかし、朝鮮側は「善意の悪政」と受け取る。私:勝海舟は逆だったね。 「脱亜論」には反対する。 だから、昨日の日記にあった何度も担ぎ出された朝鮮の大院君とも互いに敬意を表する仲であったという。 彼は日本が「西洋型近代国家」になることに反対だった。 「武士道」の新渡戸稲造は海舟を高く評価しているというね。 諭吉は、当時、文明諸国と平等に付き合うには、「宗教も西洋風にしなくてはならない」と言い出す。 キリスト教化だね。 仏教は未開発な国の宗教だというわけだ。 諭吉を知る人は、今は韓国には少なくなっただろうが、こういう一面も一万円札の諭吉にあったことをわれわれは、アジア人の常識として知っておくべきかもね。 もっとも、「福沢諭吉の真実」という本では、これらの韓国批判は諭吉本人の文章でないという。 相対的思考としてはそちらの知識も得る必要はあるがね。
2007.03.30
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私:この本も1988年頃に、「積読」で買っておいたんだが、「日清・日露戦争」を読んで朝鮮問題に知的興味を持って、この本を読むことになったね。 この「閔妃暗殺事件」は「日清・日露戦争」の本では、1頁程度しか扱っていない。 この殺害は日本人が中心であったことが問題として書かれているが、暗殺の理由などは書かれていない。 それがこの「閔妃暗殺」の本では詳細に書かれている。 A氏:閔妃というのは誰の王妃なの?私:1864年(日本の元治元年)に朝鮮王朝の若い王が死去した。 これを機に朝鮮の政治改革のため、政権より金一族を排除するとともに、大院君が自分の子どもを王にするという一種の無血クーデターをやる。 政治の実権は当然、父親の自分がとる。 この子どもである王が高宗で当時12才、2年後に1才下の王妃として向かえたのが閔妃だね。 高宗は李朝鮮王朝の最後の王だね。A氏:当時、日本は幕末で尊皇攘夷と開国派に分かれるが、朝鮮はどうだったのかね。私:同じだね。 欧米侵攻の象徴としてキリスト教が考えられ、大院君は徹底的なキリスト教弾圧を行う。殉教者8千人と言われ、世界のキリスト教殉難史でも最大規模という。 1866年にフランス、アメリカの侵攻があったが追い返す。 これが変な自信につながり、近代化が遅れる。 1868年に高宗の側室に子供が生まれて、孫を得た大院君は大喜びする。 これが正妻である閔妃としては、大院君に恨みを持つ一因になったとあるね。A氏:閔妃はどういう人だったの?私:美人で小柄らしかったが、よく勉強しており、政治的な才能があり、高宗をあやつっていたようだ。 そして、1873年に高宗は、閔妃の政治工作で、政治的に成果を上げなかった父の政治介入をやめさせる。 こうして、実質的な閔妃の一族中心の政治活動が始まる。A氏:1873年(明治6年)というと、日本では征韓論が始まる頃だね。私:そうだね。 日本から、明治新政府ができたので条約交渉に来る。 これはひどいもので日本の天皇が韓国の国王の上にくるというものだね。 そうしているうちに1875年、江華島事件が起きる。 これは、日本が仕組んだ挑発行為だね。 朝鮮の後にいる清のすすめで、一応、江華条約を結ぶがこれはひどい不平等条約で、日本はペリーにならったといわれるね。 これをきっかけに、朝鮮は開国となり、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスと条約が結ばれる。 この結果、国内で攘夷派が騒ぎ、国内での対立が激しくなる。A氏:1882年に朝鮮では壬午事件が起きるがそのせいかね?私:そうだね。 一旦、退いた攘夷派の大院君をかつぎあげ反乱軍がクーデターを起こす。 閔妃は逃れる。 清国と日本が内乱鎮圧に介入する。 特に清国の介入はひどく、大院君は国を乱したということで中国に拉致される。 これで閔妃はまた、復活する。 結局、このクーデターは清の朝鮮に対する宗主国としての権限を強化することになる。 同時に、閔妃も清国よりの姿勢を示すが、清の押付けが増加するにつれ、ロシアとの接近もひそかに考える。A氏:なかなか、したたかだね。 しかし、その清も1884年ベトナムでフランスに敗れるね。私:日本は強腰になる。 1884年、日本に視察に来て、朝鮮の開国の遅れに危機感をもった金玉均は、クーデターを起こす。 いわゆる、甲申政変だね。 このときは、日本は深入りせず、清が介入して、3日天下で終わる。 このとき、清は朝鮮に対するロシアとの関係を危惧し、拉致した大院君を朝鮮に戻して、清の指揮下に置くようにする。 当然、閔妃は反対するが、1885年、3年ぶりで大院君は国に帰る。 しかし、その間に、閔妃はかっての大院君の関係者を排除してしまう。A氏:イギリスもロシアの朝鮮への南下には警戒していただろうね。私:しかし、国内政治は混乱を極め、東学という民間宗教の団体が力を持ち、朝鮮全体に反乱が拡大する。 高宗は閔妃の意見もあり、清に救援依頼をする。 いち早く、日本も大軍を送る。 そして、日本は、また、隠居中の大院君を担ぎ出し、新内閣を作る。A氏:日清戦争は清が負けたから、閔妃は残念だったろうね。私:いや、閔妃はロシアとのつながりもさがすね。 日清戦争に勝って日本が全面的に朝鮮支配に乗り出すが、反日感情が激しく、うまくいかない。 1894年、井上馨駐韓公使は大院君を排除して、また、新内閣を作る。A氏:ところが、清に勝った日本は三国干渉で煮え湯をのませられ、その国力の評価はさがってしまうね。私:これを機に、各国は朝鮮へのいろいろな経済介入が始まる。A氏:日本は歯軋りして見ているしか仕方がないね。私:1895年三浦公使が新任される。 このとき、すでに朝鮮政治の裏にいる閔妃の暗殺が計画されていたようだね。 暗殺とともに新内閣をつくるため、10月8日、また、大院君が隠居所から担ぎ出される。 暗殺の朝、宮廷に数十人の軍人や日本人などが乱入して、ついに閔妃も殺害される。 享年44才。A氏:犯人はどうなったのかね?私:大きな国際問題になるが、日本政府はなんとかおさめる。 暗殺の容疑者48人は、広島地方裁判所で裁判を受けたが、全員無罪。 この事件は多くの文献や書籍が出ているが、著者はそれらを読んでみて、矛盾が多く、明確な犯行経過の特定は難しいとしているね。 しかし、いずれにせよ、これにより、反日感情はさらに悪化していったのは事実だね。 3度も担ぎ出された大院君は1898年78才でなくなる。 勝海舟と親交があったという。
2007.03.29
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私:この本は読んでいない。 もう、題名に下流とか格差とかつく随筆的な本は、似たようなものだから読まなくなったね。 図書館で借りて読もうかと思ったが、20冊くらい蔵書があるのに、200人を超える予約が集中している。 予約もやめた。 この本は書評を読むだけで大体、著者が言わんとして趣旨はわかるね。 それに書評自体が面白い。 ここで書評の感想をまとめておきたい。 日経ビジネスの書評では「我が国の格差問題の原因について1つの衝撃的な解答を示す書」とあるね。 ちょっと、大げさな感じがしたね。A氏:俺は新聞の広告で見たが、要するに「学ばない子どもたち」「働かない若者たち」という層が発生し、これが下流になるということなのかね。私:著者の専門が文学・思想史なので統計的な分析や実地調査に基づいたものではないようだね。 我が国で下流に落ちる若者たちは、「人類史上初めて登場するタイプ」でないかという。 「教育を受けたいが受けられない」「働く職がない」「正社員になりたいがなれない」でなく、「教育を受けたくない」「働きたくない」「正社員になりたくない」と本人が希望しているというわけだね。A氏:教育や労働は強制される「苦役」だから、避けられるものなら避けたいというわけか。 俺の若いときに、同僚に定年は40才くらいがいいと言っている奴がいたね。 ビックリして理由を聞いたら、40才で定年になったら早く年金で好きなことをしたいからだという。 大体、欧米人は労働を苦役と考えるから、そういう考えだね。 別に人類史上初めてだと大騒ぎすることもないと思うね。私:マルクスが「働かざる者、食うべからず」と言ってから、面倒になったのかな。 要するに働かないで、金利で食っている資本家を非難したものだね。 しかし、できたら仕事に縛られず、遊んで好きなことをしたいという気持ちは誰にでもあるのではないの?A氏:俺たちの若い頃、課長、係長になりたくないという人間はかなりいたよ。 責任が重くなるのが嫌だし、部下を使わないといけないからね。 植木等がなくなったが、無責任時代という言葉があったよね。 別に「人類史上初めて登場するタイプ」ではないと思うね。私:歴史的に見れば、老子は無為自然だし、寒山拾得みたいな話もあるね。 地位や名誉に価値を認めない生き方は昔からあるね。 学問をムダだとして無学を良しとした考えもあるしね。 ところで愉快だったのは、ウェッジ4月号の書評で「自分は教育サービスの買い手」と錯覚して、学びから積極的に逃避する子どもが増えているという。 これは、教育サービスを市場原理主義で改革しようとする点と合致するので皮肉に聞こえるな。 市場化したら、よい教育サービスを選択できるかもしれないが、同時に教育サービスを買わない選択ができることになるとういことか。 勉強も苦役と感ずることもあるからね。A氏:教育バウチャー制では、バウチャーを金のように捨てればよいわけだ。 まぁまぁ、食っていければ、無理に勉強することもない時代の一つの生き方かもね。 しかし、親に頼っているときはよいが、頼る親がいなくなったら大変だね。 若いときは、体力もあるが、年をとると体も自由にならないしね。 昔から、そういう子供は親が「勘当」したんだが、今ははやらないのかね。 金があるのに給食費を払わない親のほうが「人類史上初めて」かもしれないね。 可愛い子には旅をさせろとか、虎はわが子を千尋の谷に落とすなどという言葉は古いかね。私:未来はなんとかなると考えているんじゃないの? そう考えれば気にならないのではないの? 問題は、そういう覚悟を寒山拾得みたいに生きるポリシーとして持っているかどうかだろうね。A氏:将来、公園のビニールテントの中で俳句を読んで悠々と過ごす夢を持つというわけかね。私:それも人生だから、そういう覚悟をしていればよいということか。 こうした若者が増加する原因の1つは「孤立化」だというが、それは労働しないでも食っていける環境にあるからで、労働したら人のつながりがあるから、「孤立化」はないと思うね。 「孤立化」するから、労働しないのではなく、労働しないから「孤立化」しても生きていけるのではないの? 大きな問題はこんな問題でなく、「教育を受けたいが受けられない」、「働きたいけど働けない」、「正社員になりたいがなれない」の解決だね。
2007.03.28
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私:この本の知的街道は、原田敬一著「日清・日露戦争」岩波新書つながりだね。 この本を読んで、1890年から1910年の間にあった日清・日露戦争は、実は朝鮮をめぐる戦争であること。 だから、それは日韓併合で象徴的に終わっている。 考えてみると、日本と朝鮮との戦いは秀吉の文禄・慶長の役が先行しているね。 それで、1989年発行で「積読」になっていた「空虚なる出兵」を読む気になったんだよ。 もっとも、2002年に同氏の「文禄・慶長の役」が出版されているがね。A氏:そこで知的街道はつながるわけだ。 文禄の役は文禄元年1592年4月に日本が釜山に上陸してから始まるね。 4月末には早くも京城を陥落させる。 ここから、小西行長は平壌へ、加藤清正は半島東北に行く。 6月に平壌も落ち、同じ頃、加藤軍も北朝鮮の最北の会寧まで行き、朝鮮の広範囲が日本の支配下になる。 翌文禄2年正月、明軍が反撃に加わりその大軍に小西行長軍はやられて後退する。 4月には明軍は京城に入城。 日本軍は南海岸まで撤退。 明軍もそれ以上攻めず、休戦状態となる。私:ところが講和条約が秀吉の思う通りでないため、慶長2年(1597年)2月再攻撃となる。 8月、全羅道・忠清道を占領したが、明軍の攻撃で逐次、慶長3年の11月にかけて海路を撤退する。 この間、秀吉は慶長3年八月十八日に死去。 6年間の戦争は事実上、終わる。 正式の講和は慶長12年(1607)徳川幕府とすることになる。 15年もの時間がかかっている。A氏:日本と朝鮮の間では実に大変なことだったんだね。 特に朝鮮側は戦場にされて、国土を荒らされた。 朝鮮戦争で、アメリカ軍と中国軍が国土を戦場としたようにね。私:秀吉が朝鮮侵攻をきめた動機は、日本は神の国であり自分が神の子であり、だから、下位の明を制することにあった。 この考えは、明治の脱亜入欧の考えや昭和の八紘一宇と似ているね。 そして、戦争は事前の情報分析も十分でないのに開始された。 秀吉らしくないね。 そして、結局、朝鮮やアジアの反感を買い、最後は太平洋戦争で本土までやられる結果につながっているようだね。 この本は、文禄・慶長の役を日本だけの視点でなく、朝鮮の資料などを参考にバランスがとれた解説をしているね。A氏:それまでは戦国時代で戦争をしていた大名が、はじめて文化も言葉も違う異国で戦をするのはかなり大変な経験ではなかったのかね。私:日本軍は最初は、十分な兵力とすぐれた鉄砲で圧倒的に優位な戦闘力があった。 この本ではそれに鋭利な大刀が有力な武器だったとあるが、これは間違いではないかね。 日本刀は日本の戦国時代では重要な武器でなかった、と思う。 槍が中心だったから、槍の間違いではないかね。 逆に、明が平壌に来たときには、明には大砲があったので、これにやられるね。 それになれない土地で寒さや食糧で苦しんだようだね。 これが最大の敵だったようだね。 この当時、宣教師で「日本史」を書いたルイス・フロイスによると、朝鮮に渡った日本兵士と輸送員合わせて15万人のうち、約5万人が死亡したという。 敵によって殺されたものはわずかであり、大部分の者は、まったく労苦、飢餓、寒気、及び疾病によって死亡したという。A氏:太平洋戦争の日本陸海軍の戦死者約200万人のうち、餓死者が7割というのとよく似ているね。私:この本は朝鮮側の資料も参考にしているのか、日本軍の残虐行為についてもふれているね。 文禄の役は、残虐行為は公的には禁止されていたが、慶長の役には、文禄の役の敗北で頭にきた秀吉が徹底的な殲滅作戦を言い出したようで、組織的な残虐行為になったようだね。A氏:昔から日本には旅の恥はかき捨てとあるが、外国に出ると人格が変わるのかね。私:耳塚というのも、改めて考え直したね。 われわれが、小学校の頃、教えられた加藤清正のトラ退治とかいう勇ましい話のイメージは文禄・慶長の役の一面に過ぎないね。 それにしても、この役で一兵も出していない徳川家康が天下を取り、一方、明は夷荻の清にやられる。 秀吉の子飼いの清正がなんで、関が原で家康側についたのか分かったよ。 この役で仲が悪かった小西行長が石田側だったせいなんだね。 また、日本軍は朝鮮の陶工を多く連行する。 多くの書物も持ち帰る。 これらが日本の文化に加わる。 朱子学も伝わるね。 しかし、これは結局、中国や朝鮮のような政治イデオロギーにならないね。 俺たちは、隣の国の朝鮮の歴史を案外知っていないね。 とにかく、いい勉強になったよ。 一つの知的街道ができたね。
2007.03.27
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私:雑誌を整理しているとき、先月の日経ビジネスで短期集中連載で団塊世代の特集をやっているのが目に付いた。 A氏:もう、団塊の世代の定年退職問題が目の前なので、いろいろ騒がれているね。 俺たち世代の一回り下になるのかね。 そのせいか、どうもピンとこない点があるね。私:この日経ビジネスで手島龍一氏57才が「私には団塊世代の共通体験がないんです」という2頁ほどの談話記事があった。 これが面白かったね。A氏:手島氏と言えば、「ウルトラ・ダラー」の著者だね。 今、問題になっている北朝鮮の偽ドルが関係した本だね。 俺は読んでないが、テレビでよく見たね。私:手島氏は、団塊世代の共通体験として「高度成長」「受験戦争」「戦後民主主義」の3つをあげているが、これはわれわれ一回り上の世代には分かりやすい説明だね。A氏:俺たちは、この3つの入口からの社会も体験しているね。私:しかし、手島氏はこの3つを実感した経験がないのだという。 氏の父親が中規模炭鉱の山主だから、世間が高度成長のとき、石炭は衰退産業だったから、高度成長に伴って、次第に豊かになるという実感がないという。A氏:なるほど、「高度成長」以前のわれわれはひどい貧乏だったが、手島氏は逆だったんだね。私:それに氏は、北海道の受験競争のない高校を選んだ。 豊かな自然に恵まれた自由な学生生活を送ったようだね。A氏:俺たちの高校生活は、激しい受験戦争が始まる直前だったが、比較的にのんびりしていたね。私:戦後民主主義の幻想を手島氏は、炭鉱を経営している父親から知ったという。 戦後、金のある炭鉱主の父親に政治家、官僚、軍人が群がる。 その裏が見える。 組合の左翼も昼の団体交渉で偉そうなことをいっても、夜の経営者との宴席では札束の詰まった菓子箱をもって喜んで帰っていく姿を見る。 右も左も、真実は二重底、三重底だ。 むしろ、父親に学ぶ。 父親はどんな偉い人が来てもなかなか上座にあげなかった。 しかし、炭鉱の最前線で働いている真っ黒な顔と手をした従業員が来ると、すぐに上座に通して、自らお酌をしたという。A氏:日本経営には、第一線労働者が稼いでいるという意識があり、現場は殿様という言葉があったね。 今は、なつかしい言葉だね。私:俺なんか、新入社員で工場事務に配属されて、ちょっと暇なときに専門書を読んでいると、工場長が来て、本は家で読め。 お前たち、間接部門は一銭でも稼いでいないのだから、ヒマなら、現場を手伝え、と言われたよ。A氏:団塊の世代と人括りしているけれど、手島氏の例は特殊な例外でなく、それぞれ違った人生はあるのではないかね。私:イギリスの有名な作家のサマセット・モームは医学生だった頃解剖実習で学んだのは、教科書通りの構造をした人が少ないということだったという。 すなわち、一般の人は、教科書のモデルから、どこか偏っているという。 彼は、その経験をもとに小説のストーリーを考えているから、どんでん返しが多いね。 例えば、真面目な典型的な牧師が不倫をするとかね。 団塊世代と一色に考えないで、今まで、たどって来た個性ある生き方に視点をうつしてほしいね。 それにしても、手島氏の自由な生き方は羨ましいね。
2007.03.26
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私:一昨年9月頃、面白い英語のメールが来たよ。 「今日、ビンラディンがパキスタンで逮捕された。今日の夕方のBBCで緊急放送されるが、その前にこのメールに添付した画像でその情報を早く見ることができる」 アンチィ・ウイルスが働いて別ファイルに隔離された。A氏:その画像にウイルスが入っている危険性があるんだろうね。私:もちろん、夕方まで待てば、デマであることがわかることだが、せっかちな新しいもの好きの人はひっかかりやすそうだね。 別の話だが2ヶ月ほど前、次のような趣旨のメールが英語で来た。 「私はパリにいる銀行家です。 たまたま、何年か前に死亡した外国人の請求のないいくつかのファンドを知ることになりました。 彼は、親戚はありません。 金額の合計は、1100万USドルです。 このファンドはまだ、請求はないので、私は貴方を遠い親戚として提供したいと思います。 もう、6年以上たちますが、誰も請求してきていません。 ファンドはこの外国人が死亡する前は、石油商人であることからして、合法的なものです。 私は銀行に勤務しているので、必要な書類の作成について貴方の力になれます。 申し込みだけしてください。私の取り分を半分として、貴方は半分の金額を取得できます。 ファンドは貴方に送られるので、私の半額とともに、私は貴方が100パーセント信用できることが必要です。 私は貴方を信用できますか? すべては最高の秘密のうちに行われなくてはなりません。誰も介入させてはなりません。 第三者の介入も不要です。100パーセントの信頼です。 分からないことがあったなら、私の個人メールに問い合わせてください。 そうすれば、すぐに手続きを開始します。 すべての手続きは、3、4日で終わります。 私はフランス語を第一言語として使っているので、英語の間違いがあったらご容赦ください。 貴方のよいご返事を待っています。」 確かに、英語は得意でないらしく、主語のiは、小文字だったね。A氏:ウイースルの問題はなかったの?私:通常のメールだね。A氏:100パーセントの信頼というけれど、送信者のほうの信頼が問題なのにね。 ある意味で愉快だね。私:また、これも別の話だが、2月には、あるセキュリティの会社と称するところから次のようなメールが来たね。 「われわれは、2月7日から新しいオンラインの支払いシステムがスタートすることを貴方にお知らせすることを喜びに思います。 システム名称は○○です。 これはナショナル都市安全局の最近のプロジェクトの1つです。 これは安全な装置でオンラインの送金を実施するためのオンラインアクセスコードを発生するものです。 この装置を入手するには、申込用紙に登録して記入することが必要です。 申込用紙に記入すると、その住所に2週間以内に、この装置が送られます。 このシステムは効果的だけでなく、すべて無料です。 注意してください。 もし、申込用紙の記入が72時間以内に行わなければ、アクセスは一時的に安全のためにブロックされます。 したがって、登録を速やかに行われることを薦めます。 登録は下の下線部分をクリックして指示にしたがってください。 記入は2、3分で終わります。」A氏:下線部分とは何かね?私:クリックはしなかったが、アドレス番号からしてホームページだよ。 おそらく、クリックしたら申込用紙の様式が出るんだろうね。 そして、個人情報の漏洩となる。 詐欺に使われることは明らかだね。
2007.03.25
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私:前に官舎が土地の高い国会の近くにないと不便だという理由に、国会答弁資料作成のためだということを言っていたが、変なことを言うなと思っていたんだよ。 資料作成のため徹夜することもあるからだという。 早めに議員が質問を用意すればいいことではないのではないか。 なんでマスコミも疑問を持たないのかと思っていた。 だから、日本のホワイトカラーの生産性は低いんだね。 民間なら、当然、ムダなコストダウンのため、そうしているね。 もっとも、民間でも社長や上司のわがままから、徹夜で資料を作る会社もあるそうだね。 そういう会社は大抵残業代ゼロだからイージーな人の使い方をしているんだろうがね。 そうしたら、今週の日経ビジネス(3月26日号)の「終わらない話」欄で伊藤忠商事丹羽会長が、ズバリ、この問題を指摘していて痛快だったね。A氏:俺も君言われて読んだが、考えてみればおかしいね。 国会での一人の質問者に対して、待機している官僚はなんと2000人だという。 英国では前々日まで質問の骨子を通告するのがルールであり、前日に、官僚が徹夜するというバカなことはないという。私:だから、それは英国の話だと思っていたら、日本でも同じルールがあるという。 守らないだけだという。 日本の議員様は「御偉い」のだね。 官僚を奴隷のようにこき使うのに快感を覚えるのかね。A氏:大体、北朝鮮からミサイルが飛んでくるというなら前日に質問内容が決るが、通常の質問は、前日でなく、十分に事前に計画できるはずだよ。 計画性がなく、思いつきで質問するのは議員の本業怠慢だよ。私:議員が怠慢な活動をしているために、これを支えるために膨大な官僚の残業コスト、官舎コスト、官僚のやる気の消失コストをかけていることになる。 マスコミも、そのコスト計算をしてムダの追及をしていないようだね。 みのもんたのTBSの「朝ズバッ!」で追及してもらいたいテーマだね。 2日前に質問骨子を出さない議員は誰か、何故かとかね。 今まで放置していたのはマスコミの怠慢でもあるね。 なにか、都合の悪いことでもあるのかね。A氏:丹羽氏はそういう怠慢な議員は公務員改革を主張する資格はないとしているね。私:そうだね。 まず、なんでも「隗より初めよ」だよ。 竹中平蔵氏は、「大事は些事に宿る」と言っているね。 口先だけではダメだよ。 第一、日本では公務員改革というが、民間のほうがリストラなどで先行している。 サッチャーの市場原理の展開は官庁から始めたイギリスとは逆だね。 ホワイトカラーのムダは、大抵、上の人の思い付きからきていることが多い。 ホワイトカラー・エグゼンプションだって、このように、議員の怠慢によるムダをなくすことからテスト実施すべきだよ。
2007.03.24
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私:このブログでクリント・イーストウッドが「硫黄島」に続いて「南京虐殺」を映画化するということを書いたが、これはデマだったのだね。 昨年6月号の文藝春秋で報告されていたらしいが、不勉強で知らなかったよ。A氏:デマとなんでわかったの?私:今月の文藝春秋の「『ザ・レイプ・オブ・南京』映画の罠」で、産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏の記事を読んだからだよ。 このクリント・イーストウッドのデマは、1年ほど前に読売新聞が上海発で報道したのがきっかけらしい。 古森氏がイーストウッドのマネージャーに直接電話して確認したらウソであることがわかる。A氏:問題はデマの出所だね。私:小森氏がさかのぼっていくとそれはアメリカに組織を張り巡らしている中国系の政治活動組織「第二次大戦アジア史保存同盟」(ALPHA)だという。 ところで、このデマの話とは別にアメリカの南京映画の話があったんだね。 アメリカで昨年、大手インターネット企業のAOLの副会長テッド・レオンシス氏が、アイリス・チャン女史の「ザ・レイプ・オブ・南京」を読んでこれを映画化することを考える。A氏:アイリス・チャン女史の「ザ・レイプ・オブ・南京」は10年位前にアメリカで出版され、ベストセラーになったのではないの? しかし、内容的に問題が多く専門家からは非難を浴びたようだね。 天皇が関与した計画的、組織的な虐殺だという。 ヒットラーのホロコーストを真似ているようだね。私:だが、この間違いをきちんとアメリカで正す活動が日本側になかったようだね。 この甘さが「慰安婦」問題同様、いつも尾をひく原因になるようだね。 チャン女史は2004年11月に自殺するが、この本は、ついにレオンシス氏制作の映画となって一人歩きする。 このドキュメンタリー映画は長さ91分の「南京」というタイトルで昨年末に完成し、独立系の中小プロダクション制作の映画作品を審査する「サンダンス映画祭」出品され、編集賞をとったという。A氏:制作はレオンシス氏とは言え、ALPHAはこの映画を大いに宣伝しただろうね。私:ALPHAは「慰安婦」問題もニュースで盛んに流しているようだね。 アメリカでは、このような反日の宣伝組織が他にもあるが、中国当局との密接なきずながあるという。A氏:なんで、わざわざ、アメリカで宣伝するのだろうね。私:映画もアメリカ映画だとアッピール力は大きい。 慰安婦問題のようにアメリカ議会での採択決議は国際的な重みを持つ。 反日キャンペーンはアメリカからの発信が、日本が一番嫌がると思っているんだね。A氏:レオンシス氏制作の「南京」の映画はどういう影響を与えるだろうか?私:古森氏によると、この映画は一般の映画館で上映することは今のところないらしいし、アメリカのマスコミもあまりとりあげていないとのこと。A氏:しかし、南京事件70周年という今年に向けて、ALPHAのような反日組織がこの映画を利用するキャンペーンをするだろうね。私:今、米中合作のドキュメンタリー映画「南京の悪夢」という作品が完成しているというし、中国側でも劇映画の計画があるという。 だから、今年はこれが「慰安婦」問題同様、反日キャンペーンになる可能性が高い。A氏:いずれにせよ、「慰安婦」問題も同じだが、日本は不公平な情報については、今までのような沈黙主義でなく、おかしな点は、明確に声を大きくして反論すべきだね。 いいチャンスだよ。 相手は、日本人の「謙虚」なんて「徳」は理解できないのだから。 「論語」は、日本にあって、中国にはないね。私:そうだね。 しかし、日本人の有識者の中にも、ALPHA式の考えを持つ人がいるのでやっかいだね。 この人たちの対応も並行して明確にすべきだね。
2007.03.23
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私:朝日新聞の夕刊の一面の左側に「ニッポン人脈記」という連載があるね。 今は、「安倍政権の空気」というシリーズで一昨日の20日はその12回目だったね。 この日の記事は豊臣秀吉の軍師・竹中半兵衛にもじって小泉純一郎には竹中平蔵がいたという記事でスタートして、その関連の人脈を上げているね。A氏:竹中人脈は、国際基督教大教授八代尚宏氏、産業再生機構の富山和彦氏、慶応大学教授の跡田直澄氏、北大教授の宮脇淳氏、政策研究大学院大教授の大田弘子氏などだね。私:矢代氏はホワイトカラー・エグゼンプションの提案者で、徹底した市場原理主義者だね。 今月の文藝春秋4月号でも「闘論 格差社会の犯人は誰だ」で森永卓郎氏と激論を戦わしているね。 これを読むと氏はまさに典型的な市場原理主義者だね。 大田弘子氏は、今、経済財政担当大臣となっている。A氏:しかし、20日のこの欄の記事のタイトルは「危うし、軍師の置き土産」としているように、竹中氏は自分の置き土産が次第に危なくなっていることを懸念しているようだね。 最近は、大田大臣の批判を公然としているという。私:ホワイトカラー・エグゼンプションも宙に浮いた。 竹中氏が総務相のときに推薦していた宮脇氏の委員会人事が差し替えられた。A氏:安倍カラーが強く打ち出されるとともに、小泉カラーは薄まるようだね。私:興味あるのは朝刊の連載との関連だね。 朝刊の一面左の連載欄は、今週から新連載の「分裂にっぽん」だが、最初は「海外からの警告」として、市場主義で格差拡大などの問題を起こしている海外の状況を実に詳細に報じている。 21日のこの欄の記事は「新自由主義の先行国が次々に立ち止まる。 周回遅れで進める日本に潮目の変化はあるのか」で終わっている。A氏:なるほど、竹中平蔵氏が進めた日本の市場主義は、危なくなっているという夕刊の記事。 それと、世界の市場原理主義が立ち止まり出したという記事は、注意してリンクさせると密接な関係にあるね。私:おそらく、日本の潮目は今年、7月の参議院選挙かもしれないね。 周回遅れの市場原理主義のマラソンランナーとして進むか、それとも立ち止まって第三の道をさぐるか。 それで日本の今後、二、三十年の「国のかたち」は決るかもね。
2007.03.22
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A氏:このところ、連続して各地の原発のデータ改ざんやトラブル隠しが報じられているね。私:こういうときに、いつも話題になるのがハインリッヒの法則だね。A氏:災害で、重大災害を1とすると、軽傷の事故が29、そして無傷災害は300になるというもので、これをもとに「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景に、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある」という法則だね。私:この法則は、災害予防に応用される。 重大事故を防止するためには、ヒヤリ・ハットの段階でつぶせということになるんだね。 病院でも、医療事故を防止するため、第一線の看護師のヒヤリ・ハッとの情報収集を重要視する。 大阪の八尾病院は1997年からハット・ヒヤリ報告書をスタートして一時テレビでもとりあげられたね。 驚いたことに、今度の原発のデータ改ざんやトラブル隠しのニュースには、原子力委員会にはそういう基礎的な発想がないみたいだね。A氏:大きな事故しか中央に報告されない仕組みだね。 各原子力発電所のヒヤリ・ハット情報を集め、これを各発電所に流せば、予防につながるはずだがね。 病院よりはるかにリスクの大きい原子力発電所の安全管理にハインリッヒの法則の積極的な応用がないとはね。私:昨日の朝刊を見ると原子力委員会はやっと事故情報の共有化を原子力白書にまとめ、閣議に報告したとあるね。 それから、もう一つ重要な問題がある。 人間は通常は悪いことは隠す。 自分にとって良いニュースは流す。 それではトラブルが根本的になくならない。 だから、トヨタは不良品発生を予防するには、「悪いニュースを優先する」という発想が社員に根付いていることが必要だとして、訓練したり、システム化したりする。 トヨタがアメリカでトヨタ生産システムをアメリカ人に教えるときに、まず、「Bad news first 悪いニュースを優先」を徹底して訓練するという。 悪いことは隠さない、オープンにしたらほめる。A氏:ヒヤリ・ハットを成功裡に導入するには、根底にそのような考えが徹底化されていることが必要だね。 ミスしても怒ってはいけない。私:原子力のトラブル隠しの原因には、周囲がトラブルに異常に神経質になっている背景があるかもしれないね。A氏:原子力に反対や賛成する人でも、うるさい人達は、ちょっと、トラブルと大きく騒ぐ。 これも一因かもしれないね。 ちょっとしたことで騒がれると、原子力を扱う人達は、コンプレックスをもつようになり、隠すようなムードになって、結果的にはかえって住民にも悪い方向に行く。 もっと、オープンな雰囲気なら平気で「悪いニュースを優先する」というムードになり、かえってより安全になるかもしれないね。私:そういう「悪いニュースを優先する」というムードにならないかぎり、また、データ改ざんやトラブル隠しは再発し、大きな事故になる要因をはらんでいることになる恐れがあるね。A氏:八尾病院のホームページを見たら、次のような記事があったね。 責任の重大さ,プロに失敗はないとのプライド。 失敗を認めたくない意識等のために,状況を正確に捉え,生じた突発事故から患者さんへの被害を最小となるように行なわねばならない状況にありながら,患者さんが抱えている病気だけに向かう医療を日頃から行う習慣が根付いていると,隠したり,嘘を言ったり,報告し,説明するのが遅くなる。 患者と同じ側に立ち,患者の闘病をとともに戦い,援助する医療が毎日行えていると,緊急事故発生の報告と,最も良い治療を、責任を持って行える人への連絡を含めて,組織的な緊急事態への対応がスムースになされやすい。 隠す,うそを言うなどの間違った行為をなすことは少なくなるだろう。 私:こういうムードを原子力の安全について、どのように作り出すかだね。 それも原子力委員会で提言してもらいたいね。 そう言えば、昨日の新聞では、別の記事だが幼児のシュレッダーによる指切断事故の対応の遅れを反省して、「あなたの身の回りの『ヒヤリ・ハット情報』を集めます」と内閣府がデータバンクを創設することをきめたそうだね。 安全管理では基本的なことだが、遅ればせながら、基本に戻ったね。 原子力のほうはどうなるかね。
2007.03.21
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私:ホリエモンが実刑判決を受けた日の夜にTBSかなんかのインタビューがあったそうだ。 しかし、俺は、一応、18日・日曜日のサンディプロジェクトのほうを録画しておいたよ。 当日もちらちら見ていたが、今日、じっくり見た。 が、どうも疑問が湧いてきて、ピンと来ない。 松岡農林大臣の事務所費の答弁を聞いているようで、事実がますますわからない薄気味悪さが残ったね。A氏:俺は録画をしなかったがじっくり見たよ。 俺もなんだか、しっくりこなかったね。 新しい疑問が湧くばかり。 第一、検察はホリエモンが主役で計画的に粉飾決算をしたというが、判決は主役は宮内になっている。 ホリエモンはそれを知っていたはずだという共同罪だね。 ガラッと検察のストーリーが変わっている。 あれだけイー・メールを確保したのに、ホリエモンが明らかに知っていたという客観的な事実がないのかね?私:こないだの宮崎かどこかの十何人のか選挙違反の無罪事件のような自白だけの証拠みたいな感じだね。 それに、同時に大粉飾をしたコーディアル証券の上場廃止がなくなり、処罰も軽い罰金程度ですんだ。 これとの比較で、ホリエモンの処罰はフェアでないという疑問が湧いているね。 これは、おかしいな、何か裏があるのではないかという疑いが当然湧くね。A氏:主任弁護士も画面で参加していたが、検察は宮内がダミーファンドを計画的につくり、粉飾したというが、当時の会計基準では違法でないという。私:裁判官はダミーファンドと言わず、脱法行為を目的として作ったファンドだといっているそうだが、宮内氏も当時は脱法行為とは思っていなかったという。 熊谷氏は現在も脱法行為と思っておらず、二人の公認会計士も脱法でなという。A氏:それにもかかわらず、宮内氏が罪を認めたのは、検察との司法取引があったのではという。 というのは、宮内氏は、すでに自殺か他殺かわからないが死んだ野口氏とともに背任行為をしており、検察はこれをチャラにするから、粉飾はホリエモンが主役で計画した違法行為として認めて証言せよとなったという推測ができるね。私:今回の問題は、ホリエモンはどうも蚊帳の外だし、熊谷氏も蚊帳の境をウロウロしている程度だったらように思うね。 これは橘玲氏が「マネーロンダリング入門」で、ライブドアの金の流れは複雑なようで、個々の流れは単純で違法性は少ない。 だから、検察はマネーロンダリングでなく粉飾決算にもっていった。 この複雑な金の動きは宮内氏が中心でやったようで、ホリエモンは宮内氏の差し出す書類を読みもせず、サインだけしていた。。 ホリエモンは、創業時はともかく、最後は事業に対する興味をほとんど失っていたようだと述べたのが事実のようだねA氏:株主に迷惑をかけたというが、コメンティターの高野氏の言うように、日興コーディアル証券同様、金融庁の注意程度で進めていたら、株価低下の大騒動にならなかっただろうね。 検察も金曜日に捜査開始しないで、週明けに捜査開始したから投資家も打つ手が遅れたようだね。 何かわざわざ株価をさげるように動いた感じだね。 それに株主の被害というが、日本にはアメリカと違い、証券詐欺法がないので法的な被害者がないし、投資者の保護というのも、生身の被害者と違い抽象的な概念だという。私:検察も日興コーディアル問題をホリエモンのようにハードランニングをすると、株価の混乱が桁違いに大きいし、それで今回はソフトランディングしたんだろうという。 検察も金融庁もホリエモン事件の騒動で学んだだろね。A氏:しかし、日興コーディアルは1年以上前から問題がわかっていたのに、検察も入らないし、金融庁も介入しないで来た。 コメンティターの財部氏は、日興コーディアルの常務が成蹊大学出で、安倍首相と同じ大学出であるのと関係があるのではないかという。 1年ほどの間に官邸に大いに働きかけたのではないかというね。私:このへんは深い暗闇部分だね。A氏:それにしても、裁判官はホリエモンに反省の色がないということをすごく問題にしていたというが、無罪を主張しているホリエモンが反省するのは矛盾だね。私:しかし、経営者として彼を見ると、若くして大金を手にしたが、真に事業を助け合う同志を手にすることに失敗したね。 宮内、野口という重要な幹部に裏切られる。 急成長したから、内部管理がおいつかない。 どうしても放任になる。A氏:彼は40才になって十分金を稼いだら、仕事をやめるというようなことを言っていたようだ。 今回の騒動がなくても、経営はそう長続きしなかったのではないかと思うね。 まさに、虚業だったと思うね。私:小泉・竹中旋風に乗って自由に駆け回り、先輩のエスタブリシュメントを嘲笑し、あっという間に大金を儲け、最後にエスタブリッシュメントの壊滅的な反撃を受けたという波乱の一幕かね。
2007.03.20
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私:岩波新書のシリーズ日本近現代史10巻の第3巻だね。 この巻は、第1回総選挙の明治23年(1890)から、日露戦争に勝ち、明治43年(1010)の日韓併合までの20年間をカバーしている。 俺たち世代は、小学校を戦中で過ごしたので、何か日本の近現代史を知っているように錯覚していたが、改めて読むと、ほとんど知っていないね。 これでは、被害を受けた近隣のアジア人ときちんと対応できる自信がないね。 今の学生がほとんど日本の近現代史を学校で勉強しないで卒業を迎えるのと似ているね。 特に、日清戦争の日本近代史での重要性を改めて知ったよ。 そのせいか、この新書は240頁ほどあるが、日露戦争関連の説明は20頁ほどしかない。A氏:でも、日露戦争のほうがはるかに規模が大きいし、大国ロシアを負かしたという点で画期的な出来事ではないの?私:実は、日清戦争の戦後がすでに日露戦争の戦前とダブっているんだね。A氏:日露戦争は日清戦争の継続の一つということかね?私:この本を読むと一言でそんな感じを俺は持ったね。 しかも、日露戦争の最後が日韓併合であるように、韓国をめぐる清とロシアの対応でつながっているね。 いずれも、中心に朝鮮がある。 韓国をめぐって、清と対立したのが日清戦争、ロシアと対立したのが日露戦争ともいえるね。 日本はどうしても韓国を手元に置きたかったんだね。 しかも、日清戦争は、アジアの文明が遅れた中国と日本のアジアの国同士の戦争だった。 それが小国の日本が勝った。 「清は弱い」ということで逆にフランス、ロシア、ドイツ、イギリス、アメリカが清の植民地に乗り出すきっかけともなっているね。A氏:まさか、清という大国が、日本に簡単にやられると思っていなかっただろうね。 欧米諸国の寝ていたトラの尾を踏んでしまったんだね。 各国が一斉に清の植民地化をすすめだす。 それで日本だけによい餌を与えまいとして三国干渉が生まれるわけだね。 それにしても俺も改まって、なんで日清戦争が始まったのかと考えるとよく知らないね。私:朝鮮内部は壬午事件、甲申政変などの内乱があり、その都度、清と日本軍が進駐した。 一時、安定していたが、1894年、東学農民戦争が起こり、政府が清に援軍を要請したという報告から、伊藤内閣はすぐに対応して朝鮮にかなりの大軍を派遣する。 ところが、その後、農民軍は和約して解散したため、日本軍がいる意味がなくなった。 そこで駐留目的を「朝鮮の内政の改良」にという決定に変えて対立を煽ったかたちだね。 だから、日清戦争というけれど、戦場は朝鮮が中心だね。A氏:日清戦争で、日本軍は明治政府以来の徴兵制の軍隊が国を出て戦争することになるんだね。私:だから、海外の生活体験を初めてする平民が生まれることになるね。 その多くは、上陸して感じたのは「不潔」と異様な「におい」だったという。 それから、過酷な夏の暑さと冬の寒さだったという。A氏:それは心理的に差別につながるかもしれないね。私:日清戦争に関連して大変だったのは、むしろ、台湾戦争だったろうね。 そして、日本ははじめて植民地みたいなものを抱え込む政治体制になる。 そして、本格的な日本帝国体制がここではじまることになる。 一方、政治は議会政治、政党政治が叫ばれるようになる。 一時、行政府へ政党内閣が構造的に介入でき、官等歴階という年功序列で保たれてきた官僚秩序は崩壊しそうになる。 官僚制を目指す山県有朋たちは危機感を持つ。 そして、官僚には文官任用令をしく。 これに最も反対していたのは伊藤博文で彼は政党内閣を展望しており、山県有朋と大きく異なっていた。A氏:伊藤博文と山県有朋がそれぞれ描いている「国のかたち」が違うんだね。 日本は伊藤博文の道を進まず、山県有朋のほうに進むんだね。 その年功序列の官僚制が今、天下りで問題になっているね。私:日清戦争の結果、列国は清国を植民地化しようとする。 ロシアは清に軍を派遣した。 列国は協議して、ロシアは撤兵することにきまるが、約束した期限通りに満州から撤退しない。 これが満州と朝鮮を一体と考え出した日本と対立する。 最後にロシア側が日本案を呑むという妥協をしたが、その電文が東京に届かず、戦争は開始される。 日露戦争は両国にとって戦わなくてもよい戦争であったという。A氏:なんで電文が遅れたのかね。私:開戦を前にして満州地域で日本軍が行っていた電信線破壊のためではないかという。 ところで、この本を読んでいて驚いたのは、明治天皇がかなり深く政治の決定に参加していることだね。 内閣などでもめると天皇の裁可をさかんにお願いしている。 そして、かなり的確な指示を得ているね。A氏:いわゆる天皇親政だね。私:政党内閣も嫌っていて、明治天皇は人事に介入している。 昭和天皇は明治天皇にならって親政を嫌ったというが、どうも事実と違うね。 自殺した近衛文麿が昭和天皇にもっと親政を期待していたのもわかる気がするね。 最近、文藝春秋4月号で「小倉侍従日記」が公開されているが、昭和天皇が明治天皇のように親政していたら、日本の歴史は大きく変わっていたろうね。 歴史にイフがないのは悲劇だが。 日露戦争が終わり、次の大正時代には戦争がないね。 第一次世界大戦は日本はほとんど戦っていないしね。 民主化が進む。 そこで次のシリーズ第4巻は大正デモクラシーとなるね。 これはまだ、来月発売かね。 期待したい。
2007.03.19
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私:岩波新書のシリーズ日本近現代史3巻目の「日清・日露戦争」を読み出したらビックリしたよ。A氏:何が?私:最初の「はじめに」が次の文章で始まっているんだよ。 「三月を前に、人形店では、お雛さんコーナーが賑わっている。内裏雛の並べ方に二種類ある」A氏:エッ、二種類あるの? 俺は気がつかなかった。私:俺もこの文を読むまで気がつかなかったよ。 男雛を向って右に置く「京雛」と、左に置く「東京雛」のに種類だという。 東京と京都の中間にある飛騨では混在しているという。 下の写真は「東京雛」だね。 A氏:どちらが正しいのかね。私:「天子南面東立」という中国王朝以来の「伝統」では、「京雛」の位置が正しいことになるね。 向って右のほうにくるのが上位になるからだ。 天皇から見ると左側(われわれからすると右側)のほうが上位だから、大臣では、左大臣が一番上だね。A氏:なんで「東京雛」の並び方が生まれたのかね?私:明治維新で、積極的に西洋化した影響だという。 ヨーロッパでは右左が逆だという。 明治34年に小学校儀式の際、天皇・皇后の写真を飾るとき、南に向け、向って左に天皇、右に皇后を置けという訓令が出ているという。A氏:東洋の「伝統」が変わって、国民の下まで、欧化した「伝統」が創られたことになるね。 それが強制的に押し付けられていくことになる。 「東京雛」が拡大した裏にはそれがある。私:問題は、紫宸殿の「左近の桜、右近の橘」だが、これはわれわれのほうから見ると、上の写真のように桜が右、橘が左だね。A氏:もともと、桜が上の位だね。私:これは実際に植えてある木なので動かせないから、「東京雛」も「京雛」と同じだね。A氏:現実との妥協か。私:ウィキペディアによると、 「昭和天皇は何時も右に立ったが皇后が左に立つのは皇后のほうが位が高いことで矛盾である。 実は明治天皇までは左が高位という伝統で左(われわれから見ると右)に立った。 ところが明治の文明開化で日本も洋化し、その後に最初の即位式を挙げた大正天皇西洋式に右(われわれから見ると左)に立った。 それ以降から皇室の伝統になり、それを真似て東京では、男雛を右(向かって左)に配置する家庭が多くなった。 ところが京都では伝統を重んじ、現代でも向かって右に置く家庭が多い。 日本人形協会では昭和天皇の即位以来、男雛を向かって左に置くのを『現代式』、右に置くのを『古式』としどちらでも構わないとしている」という。 明治に出ている小学校の訓令と違った解説だね。A氏:「伝統」も明治以降は創られている可能性が高いね。私:この新書によると大正天皇の成婚式も天皇家史上最初の「神前結婚式」で行われたという。 ヨーロッパの教会式の真似だね。 これにより自宅での三々九度の祝言による「伝統」が崩れ、神社による「創られた伝統」の神前結婚式が民間にも広がる。 それにしても、この新書を読み出したんだが、日清戦争というのは明治の歴史では大変なことだったんだね。 司馬遼太郎の「坂の上の雲」に引きずられて日露戦争のほうが大事件だと思っていたが、日清戦争のほうが歴史上、大きな問題を提起しているんではないかと思ったね。 これは明日、語ろう。
2007.03.18
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私:中村氏は言語学者だ。 このCDは1時間ほどの國學院大學の2001年の公開講座の録音だね。 君は源義経を読むきに「源の」と「の」を入れるだろう?A氏:なるほど「の」がかくれているんだね。 意識しないで読んでいたよ。 漢字だけだと、「の」はないものね。私:実は源は「みなもと」と分解できるが、昔は、「な」は現在の「の」の機能を持っていたんだね。「みなもと」は「水の元」で、この「の」が「な」となっているんだね。 「眼:まなこ」がそうで「ま:目」+「な:の」+「こ:子」の合成だね。 「つ」も以前は現在の「の」の役割を持っていた。A氏:例えば?私:「まつげ」がそうで、「ま:目」+「つ:の」+「け:毛」と分解できる。 「沖つ白波」も「沖の白波」の意味だね。 「だ」も昔は現在の「の」の機能を持っていた。 「けだもの:獣」は「け:毛」+「だ:の」+「もの」と分解できるね。 「くだもの:果物」も「く:木」+「だ:の」+「もの」と分解できる。A氏:木になるものだから、果物か。私:「隠れている『の』」がある。 君は「榎」をなんと読む?A氏:「えのき」だね。 アレッ、「の」が出るね。私:ところが幕末で有名な「榎本武揚」は「えのきもとぶよう」とは言わないね。 「の」にはかって主客を示す「の」が多かったらしいが、歴史的に減ってきているらしいね。 芥川龍之介は逆に多用したという。 主客を示す「の」は「が」に変わってきているとのこと。A氏:主客を示す「の」とは?私:例えば、「雪『の』降りたるは」は「雪『が』降ったことは」となるね。 それから、連体格の「の」というのがある。 人物画を前にして「これは誰の絵?」と質問を受けたとき、君はどう答える?A氏:場面によって違うね。 「誰の絵」が「誰が描いた絵」か、「誰が所有している絵」か、「誰を画いた絵」か、どれを意味しているかで答えが違うね。私:日本語は、文自体で場面を確定できなくて、正確な理解にはその背景となっている場面とのつながりが不可欠だね。 そういう意味で、昔、「よりの」、「からの」、「への」というものの移動を示す表現は少なく、「の」だけで表現されていたという。 古文で「京の御文」というのがあるそうだが、これは「京からの手紙」と現代では言うだろうね。A氏:正確に表現しようという歴史的な変化もあるんだね。私:しかし、同時に、翻訳語の影響のせいか、あいまいな「の」の使用も増えていて、好ましくないとしているね。 例えば、「X氏の援助」というのは、X氏が援助するのか、X氏が援助を受けるのか明確でない。 「叔父の援助」も同様だね。 昔は、このような使い方の「の」はなかったという。A氏:「日本語にはもともと主語概念はない」というように、日本語は表現は簡単だが、文だけではあいまいになりやすいね。 マニュアル向きでないね。私:だから、日本文はマニュアルだけでなく現場での説明が不可欠なんだね。 現場主義だね。A氏:主語を明確にして「私はあなたを愛します」なんて英語的な日本語を使ったら相手は逃げてしまうかもしれない。 主語なしの簡単な「好きだよ」のほうが、意志がスムースに通ずるだろうね。私:英語は例えば、「机」という名詞一つ表現するだけでも、単数か、複数か、単数の場合はaをつけるのかtheをつけるのか、明確にして文を表現しなくてならない。 日本語はそういう配慮は、文章上、必要ない。 それに英語は、動詞も、現在、過去、過去完了と時制を考えといけない。 表現に規制が多いが、文章だけで正確な伝達にはなるね。A氏:日本語は文章表現は楽だが、背景とセットにしないと正確に伝わらないね。私:最後になるが、文の最後につく「断定の『の』」があるそうだ。 「もう、いいの」という「の」だね。 この講演している中村氏は年頃の娘さんがいるそうだが、この言葉を常に言われて困っているそうだ。 この文にイントネーションをつけると疑問文になり、意味がガラリと変わる。 「もう、いいの?」 このほうが優しい感じとなるがね。
2007.03.17
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A氏:事故が起きたのが13日午前。 原因がボルトの脱落だったと発表したのが14日夜。 ところが、14日昼には全日空グループの同型機は、作動確認だけで運行を再開したという。 だが、原因がわかったので14日夜から15日朝にかけ、日本航空も含めボルト部分の点検を行い、全機ボルトに問題はなかったという。 なんで、14日の夜の原因を待ってから、ボルトを確認をしないで14日昼に飛行開始したのか。 これが問題だね。私:新聞報道によると「機体に根本的な欠陥が見つかったわけでなく、点検で安全が確保できれば問題ない」ということだそうだ。 しかし、後から、わかった原因では、ボルト脱落だから、格納扉を開け、ボルトのカバー部分を外して点検しないと、安全は確保できなかったわけだ。 おかしな言い訳だね。 取材側もその点の突込み記事がないね。A氏:ボルト部分の定期点検は4千飛行時間ごとの目視点検にルール上はなっているというが、事故機は3千時間程度だから、点検はまだしていなかったという。 冬柴国土交通相は、この点検の4千時間が長すぎると考えたのか、4百時間に短縮すべきとする考えを表明したという。私:日本の高度成長を支えた品質管理は、点検で品質を保証しようとしなかったがね。 なんで、こんな重要な箇所のボルト脱落や部品破損があったかが重要問題だね。A氏:それになんで4百時間が出たのか、科学的根拠が必要だね。 原因によっては399飛行時間でボルトが外れるかもしれないからね。 定期点検で発見する異常ではないと思うね。 根本対策になっていない。私:異常が出たら、即、分かるシステムが必要だね。A氏:この格納扉の開閉機構がどういう異常検知になっているかが問題だね。 緊急処理も働かない機構であったようだね。私:設計上の問題までさかのぼるべきではないかね。 今朝の新聞は北海道電力の原発事故隠しで一色で、こっちの胴体着陸事故は忘れられそうだが、そういう観点からの報道を今後期待したいね。 それは原発事故隠しの報道がまた同じレベルになることを恐れるからだよ。
2007.03.16
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私:最近の新聞記事を読むと、なんだか、ポイントがまったく分からないね。 新聞の取材レベルが問題なのか、社会が問題なのか分からないが、本当のことがピンとこないね。A氏:例えば? 私:例の死刑囚の判決が2対1で決り、その反対1の判事が何十年もたった今、無罪を言い出す。 多数決で決るのが民主主義なら、多数決の本質的な問題ではないのかね。 この3人の議論の場が分からない。 公開するなら、その議論も公開すべきだね。 それとも墓場まで持っていくルールになっているのかね。 それがピンとこないね。 かって、薬害エイズ問題で、例の安倍ワンマン教授の議論の場が録音されていたが、謙虚な科学者の議論の場でなく、権力の場だったね。 同じように多数決で気になったのは、自民党の衛藤氏の復党だ。A氏:異例の投票で10対7で復党が決ったという。 危ないところだったね。 阿部首相としては憂慮すべき状態なのに「多数決ではっきり決ってよかったですね」とコメントする有様。私:その前日に安倍首相は「誰も復党に反対する人はいません。 誰がいます? いないでしょう?」と言っていたんだがね。 7人反対する人がいたじゃないかね。 開いた口がふさがらなかったね。A氏:松岡農水省と同じだね。 従軍慰安婦も問題になってきたね。私:これもよくわからないね。 大体、何で今頃、アメリカでまた騒ぐのかね。 なんか、裏があるようだが、その解説がないのでピンとこない。 狭義の強制とかいう言葉を発明しているようだが、これは軍や政府の直接のシステムとしてやったのか、個人レベルでやったのかの違いではないの。 当時は従軍慰安婦と言う言葉はなかったというからね。 日本でも朝日新聞と産経新聞では言うことがまったく違うね。 太平洋戦争で負けたとき、占領軍がくると女性は強姦されるだろうと予測して、その対策として占領軍の「慰安施設」を作るね。 大蔵省は金を出すが表に出ないで業者にまかせた。 このとき、後に総理大臣になる当時大蔵若手官僚の池田勇人は「一億円で純潔が守れるなら安いものだ」と言ったというね。A氏:今、新聞では例の西武のスカウトの裏金が問題になっているね。私:これも、そもそも、誰が言い出して自由枠を社会人と大学生に設けたのかだよ。 そうすれば、裏金が出ることは予測されたはずだよ。 ところが重い罰則がない。 大の男がその心理を読んで処罰の対応を考えず自由枠を設定した根拠は別にあるはずだね。 それが報じられていないからピンとこないんだ。A氏:そういえば、田中康夫前長野知事が警察から事情聴取を受けたというニュースが朝日新聞に載ったが、あれは後でデマだったんだね。 日曜のサンディプロジェクトに田中氏が出席して、彼の説明で初めて知ったよ。私:俺もあのTVで知ったよ。 地方紙はウソだったことを報じているが、事情聴取を受けたというニュースを大きく報じた朝日新聞にはなかったようだね。 松岡農水相同様、黙殺かね。 読売新聞も黙殺らしいね。 なんで黙殺したのかピンと来ないね。A氏:それにだいたい、田中氏に対する事情聴取を大きく取り上げたのは何故かね。 本音は都知事選がらみなのかね。 それに何故、長野県庁の部長がそんなウソをつき、今頃、なんで真実を自白したのかね。私:胴体着陸機の前輪扉ボルト脱落も、何故、脱落したかは今後の追及だが、他のメーカーの航空機は同じ構造なのかのニュースがないね。 この航空機の設計上、どういう考え方なのか知りたいところだね。 どうも、いろいろ、こちらの知的関心が満足できない報道が多いね。 もっと、ジャーナリズムがフェアな深い追及をしてもらいたいね。
2007.03.15
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私:先週、アマゾンからメールが来て、チャンドラーの「ロング・グッドバイ」の村上訳が発売となり、予約の情報だったので、予約した。 先週末に宅配便で到着した。 2000円なので送料無料だね。 意外に厚く、訳者のあとがきが45頁くらいあり、全部で580頁の大作だね。 ちょっと、簡単に読み終わることは不可能だね。 A氏:今朝の朝日新聞でもとりあげていたね。 すでに、文芸評論家の池上冬樹氏が、約半世紀前の清水訳の「長いお別れ」との比較読みをしてその印象をのべているね。 清水訳は声に出して読みたい明快なハードボイル、村上訳はじっくり味わう都市文学だという。 そして、村上春樹氏はハードボイルドという言葉を意図的に避け、「準古典小説」と言っているので、これを機に、ハードボイルド復活を期待する作家大沢在晶氏は渋い顔をしているという。私:もともと、村上氏はハードボイルドの作家ではなかったからね。 それに題名も英語にこだわって「ロング・グッドバイ」と意図的に日本訳を避けている。A氏:新聞では英語のqueenは清水訳では「女王」だが、村上訳では「おかま」と訳しているとあるが、かなり時代の変化もあるんだろうね。 ところで、前の「長いお別れ」の日記で清水訳で理解できないいくつかあげていたが、村上訳で納得できたかね。私:3箇所あるね。 まず、3章の始めのところ。After the society page dog vomit even the wrestler looked good. But the facts were probably right. On the society they better be.清水訳「社交欄の"犬"がゲロを吐いた後では、レスラーさえ好ましく見えた」村上訳「犬の嘔吐物のような社交記事を読んだ後では、プロレスラーたちでさえ善良そうに見えた。 しかし、たぶん書かれていることはすべて事実なのだろう。 新聞の社交欄で嘘っぱちを書いたら、ただではすまない」 犬のゲロは村上訳が分かりやすいが、何故、ここでプロレスラーが出るのか意味不明。 もっと日本的に言うと「やくざどもでも善良に見えた」とか「ごろつきが善人に見えた」というような意味かね。 清水訳はBut以降はとばしている。 訳をとばすのはこの人の癖だね。 村上氏はとばしていないが、かなり意訳だね。A氏:2箇所目は?私:11章のはじめのところ。I switched on the buzzer to the other door and filled a pipe and lit it and then just sat there waiting for somebody to scream for help.清水訳「もう一方のドアのブザーのスイッチを入れて、パイプをつめ、火をつけて、椅子に座り込み、誰かが助けてくれと叫ぶのを待った。」村上訳「ブザーを押してもう一つのドアを開錠し、パイプにタバコを詰めて火をつけた。そして腰を下ろし、誰かが悲鳴を上げて助けを呼ぶのを静かに待った」 ブザーのスイッチをオンにしただけなのか、開錠したのか、両者の訳が異なるね。 英語的には清水訳のほうが正しいと思うがね。A氏:第三点は?私:13章の最後のほうだよ。The case is closed, finalized, and laid away in mothballs.清水訳「事件はもう終わったんだ。虫除けといっしょにしまわれちまったんだ」村上訳「この事件はすでに片がついて、はんこが押されて、防虫剤とともに押入れに仕舞い込まれた」 村上訳のほうが説明が多いね。 まぁ、53章あるからね。 これからボツボツ読んでいくよ。
2007.03.14
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私:今日、用事で静岡に行き、静岡駅17時23分発の特急東海4号で帰ってきたよ。 列車がまだ、出発前でホームにいるとき、2、3の人が特急の車体やいろいろな掲示を写真にとっていたね。A氏:鉄道マニアかね。私:ハイキング姿の中年の夫婦が「今月でこの特急東海がなくなるので、鉄道ファンは記念に写真を撮っている」といっていたね。 発車してから、3月17日が最終でこの特急はなくなると車内放送があった。A氏:俺はあまり利用したことがないが、便利なんかね?私:俺みたいに東海道線の大船に近いと、この特急は大船に止まるので便利だね。 朝の東海1号で9時半に静岡に着くと、1分の待ち合わせで、浜松方面行きの各駅停車に連絡する。 同じホームの向かい側に待っているんだ。 だから、静岡より浜松寄りの焼津、藤枝、島田などに用事でいくときは便利なんだよ。A氏:1分の待ち合わせ! 効率的だね。私:それと、東海道線は、三島と静岡の間で在来線と新幹線が離れるね。A氏:そうだね。 新幹線の新富士駅から在来線に行くにはバスかタクシーでかなりかかるね。私:だから、在来線の富士駅を使う人は、この特急が便利なんだね。 十年位前に富士駅近くの会社に用事があってよく通ったが、往復ともに、この特急を使って便利だったね。A氏:それなのに、なんで廃止になるの?私:いつも空いているんだよ。 いつかは廃止になるのではと不安だったが的中したね。 採算上、問題だったのだろうね。 大船に着く前に、車掌とデッキで立ち話をしたんだが、やはり利用者がすくないのが理由らしい。 代わりの特急もないらしい。 「3月17日のこの4号が最後です」と残念そうに言っていたよ。A氏:歴史があるんだろうね。私:今のタイプの特急になったのは、もう、十数年前になるのかね。 もっとかな。 斬新なボディスタイルとカラーで鉄道ファンには受けたようだね。 その前は確か、急行東海であったように思う。 そのときは、普通の列車を使っていた。 特急に格上げしてからボディがよくなったね。A氏:君は急行時代からの愛用者かね。私:愛用というほどでもないが、急行東海というと用事が終わり家に帰るときに使ったのでなつかしいね。 混んでいた記憶があるね。 それから、面白かったのは、特急になってから6両編成になって、2両が指定なんだが、後、4両が自由席なんだ。 特急券は自由席は車内で車掌が回ってくるので買える。 ところが、静岡を出るときは、指定は後ろの2両で、先頭のほうの4両は自由席なんだ。 そうすると、検札が指定からはじめると、先頭の6両目の自由席の検札が熱海、小田原あたりになることがある。A氏:じゃ、静岡から乗っても小田原から乗ったと言えば、特急料金は安くなってしまうね。私:静岡から大船までは特急料金は2千円くらいだが、小田原からなら5百円だ。 それに小田原までの間に降りたら、特急料金はゼロだね。 結構そういう人がいたよ。A氏:確信犯は、6両目に乗れだね。 車掌も人数ギリギリなんで、手が回らないんだね。 悪循環だね。私:あるとき、2人の車掌で、先頭の自由席から検札をしたことがあったね。A氏:常習犯はあわてただろうね。私:俺は、今月末にまた用事で静岡に行くんだが、そのときはもう特急東海はない。 どういう経路にしようかと考えている。 いずれにせよ、いろいろな思い出を残し、東海号も去っていくか。
2007.03.13
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私:いや、インフルエンザというのはやっかいだね。A氏:未だにスッキリしないかね?私:39度の熱が出たのが、2月24日の夜。 翌日は日曜日なので、かかりつけの医者でなく、日曜もやっている別の医者にいった。 例のタミフルが出た。 並行して、痰を出しやすくする薬や気管支拡張剤などの薬が4種類出たね。 タミフルの効果か、3日くらいで平熱になった。 まあ、これで無事回復と思ったんだがね。 ところが、1週間たったんだが、咳がやまない。 それに排尿がおかしくなった。A氏:併発症が出たのでは?私:気管支拡張剤だという薬の説明書をよく読んだ。 そしたら、副作用として膀胱の緊張をとり、また尿道括約筋の収縮力を高めるとある。 これだなと思ってこの薬は途中でやめたよ。 でも咳のほうがおさまらない。 喘息みたいな咳で頻度が多いので右脇の肋骨の筋肉が痛くなってきたね。 初めての経験だね。A氏: もう一回、診察してもらったら?私:俺もそう思って、3月5日の月曜日にかかりつけの医者に行った。 咳の痰に色がついているというと、医者は首をひねり、念のためレントゲンをとった。 右肺の下が少しぼやけている。 軽い肺炎だという。 まぁ、抗生物質が5日分でたね。 ついでにまた、痰などの薬が3種類ほど出たね。A氏:薬漬けだね。私:ひどい咳は2,3日でおさまり、ようやく楽になった。 2月25日以来、3月6日と9日には用事で外に出たが、後はできるだけ安静にしていた。 そのため、2週間の間、運動らしい運動もしていないし、スポーツクラブもお休みだから、一面では体に良くないね。 そのせいか、今度は、3月9日くらいから、体がだるくなり、気力減退みたいになってきた。A氏:いつもやる気満々という君らしくないね。 2週間くらい続いた異常な薬漬けで肝臓が弱ったのではないの? それと1週間続いたという喘息的な咳で体力を消耗した後遺症のではないの?私:そこでまた、3月10日の土曜にかかりつけの医者にいったんだ。 普段、自分で車を運転していくか、歩いていくのを、家人が心配してタクシーで行ったね。 土曜日のせいか、医者は混んでいて、1時間ほど待ったら、待っているうちに、脈拍200くらいの頻脈になった。 発作的だね。 静脈注射一本でピタリとおさまったが、別に激しい運動をしたわけでなし、待合室で静かに待っている間に起きたから原因不明。 疲労感については医者も肝臓を疑って血液検査をした。 町医者なんで詳細結果は2、3日かかる。 面白いことに頻脈がおさまってから、疲労感がなくなってきた。 だから、歩いて帰ったよ。A氏:あまり、問題なければよいがね。私:まだ軽い咳は出るが、ほとんど、出なくなったし、今日は疲労感がない。 今日は、用事があるので東京まで外出する。 しかし、人によるとインフルエンザにかかると完全に正常に戻るまで、1ヶ月はかかるそうだね。 俺もかかったのは2月24日と推定されるから、もたもたしているとスポーツクラブで運動できるまでにはもう少し、かかりそうだね。 そうなると、やはり1ヶ月になりそうだね。A氏:あせらないことだよ。私:はじめてのインフルエンザ経験だが、こりたよ。 やはり、免疫力、抵抗力が低下しているのかね。 年は争えないね。
2007.03.12
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私:昨日に続き、一部和訳つきジャパンタイムス・ウイークリーからの一つの記事からだ。 出だしの囲み記事は「第二次大戦に負けて後、多くの日本軍人は彼らの運命は尽きたと思ったことだろう。 しかし、アメリカ政府からの支援と金があった」とあるね。A氏:この日記でも戦争責任の知的大街道でとりあげてきた問題だね。私:まず、トップに辻政信が登場する。 中国市民の虐殺とバターン死の行進の共謀罪で追いかけられていたのが、その後、アメリカのスパイになる。 一昨年、昨年と情報公開されたCIAのマル秘情報には、彼のような日本軍人がいかにして占領軍の情報機関のスパイとして取り込まれたかを明らかにしているという。 辻に加えて、児玉誉士夫、服部卓四郎の名前があがっている。 児玉誉士夫は有名な政商だが、服部卓四郎は参謀本部の作戦課長で、東条の秘書だった人だね。A氏:いずれもマッカーサーの直下にいたウィロビー少将のG-2という組織のバックアップを得るんだね。 彼は、強硬な反共主義者でムッソリーニの崇拝者であるという。 彼は、日本軍人は日本をアジアにおける日米同盟下の反共の砦にしようとしていた。 GHQは、一方で平和憲法を進めていたのにね。 また、CIAの活動はウィロビーとは別にあったんだね。私:吉田首相が、再軍備に消極的であったのは歴史的に有名だが、最近、そのために服部卓四郎が計画したという「吉田首相暗殺計画」というテレビ番組があったね。A氏:吉田首相は再軍備推進者にとっては目の上のたんこぶ的な存在だったんだね。私:日本陸軍の諜報活動をしていた幹部である川辺大将、有末中将は敗戦後、G-2に落ち着き、地下活動を開始する。 彼らの部下は戦時中の体制通りのものもあったという。A氏:そういう意味で日本軍の幹部は敗戦後も活躍していたんだね。私:1954年のCIAの文書によると、辻はチャンスさえあれば、第三次大戦をなんの躊躇もなく開始したようなタイプであったという。 しかし、CIAの公開文書では、日本軍幹部のスパイ活動の点数は辛いね。 金や資材をもって姿を消した者、CIAと占領軍に同じ情報を流し、ちゃっかり、二重にもうけていた者などがいたんだね。 スパイの価値が低かったと評価しているね。 児玉誉士夫も評価がよくない。 CIAは、彼はアメリカの関心よりも金儲けのほうに関心があったと評して、情報スパイとしては無価値であり、嘘つき、ギャング、ペテン師、泥棒だったと酷評しているという。A氏:児玉誉士夫はロッキード事件の中心人物でもあったね。私:ジョンダワーが言うように、アメリカがいかに日本の即急な再軍備に熱心であったかは、想像できかないほどであるという。 そして、彼は「今日の日本の強力な右翼を言及するとき、アメリカの強力な支援があり、深い根をもっていることを知らなければならない。」という。 しかし、このCIA文書の公開でも、例の昭和24年(1949)の国鉄三大事件である下山事件、三鷹事件、松川事件の謎は解けないね。 帝銀事件もそうだね。 松本清張は、GHQの活動を疑っているがね。 謎で終わるのだろうか。
2007.03.11
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私:ジャパンタイムスの和訳つきのウイークリーは、タブロイド版の20頁くらいのものだが、昔、英語の勉強用にとっていたのが、慢性的に続いているね。 だから、今は、面白い記事を拾い読みで読む程度だ。 今週は、映画「タイタニック」の監督キャメロンが、イエスの墓を発見し、その墓に彼の妻マリアと子どもが一緒に葬られているというニュースがあった。 彼のドキュメント映画「キリストの失われた墓」で主張しているという記事だね。A氏:ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」と同様にキリスト教で教にまた、一石を投ずるものだね。私:キャメロンとイスラエル生まれの共同制作者のジャコボビヴィシ氏はイエスとマリアは結婚し、息子ジュダをもうけ、三人ともイスラエルの墓に埋葬さているという。 キャメロンは、1980年代にイスラエルのタルピオットにある墓のフィルムに基づいているという。 骨箱に刻まれている名前やDNAがそれを証明しているという。 彼は「私は考古学者でも聖書学者ではないが、ドキュメンタリー映画の製作者として事実を明らかにすることを恐れてはならないと思う」と述べているという。A氏:キリスト教ではイエスは独身だからね。私:10個出てきた、骨箱のうち、5個に刻まれている名前は新約聖書にある人の名前であり、6番目はアラム語が書いてあり、その意味はイエスの子・ジュダとあるという。A氏:そうすると、ジュダは最後の晩餐でイエスの膝で寝ている子どもになるのかね。 私:考古学者やキリスト教団のほうでは懐疑的だね。 掘り出された骨箱にはイエスやマリアの名前があるというが、これはイスラエルにはよくある名前だという。 DNAだって、マリアのDNAなどないからナンセンスだという。 どうも、「ダ・ヴィンチ・コード」や「ユダは裏切り者でなかった」のように物議をかもすジャーナリズムがなかなか根強いね。 「ダ・ヴィンチ・コード」は日本の隠れキリシタンでも根強かったマリア信仰をあつかっていたね。 「ユダは裏切り者でなかった」のほうは、「ダ・ヴィンチ・コード」ほど騒がれなかったが、今度のキャメロンの主張はどうなるだろうかね。
2007.03.10
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私:岩波新書シリーズ日本近現代史10巻の第2巻だね。 今、敗戦責任から、軍部、大正、明治とさかのぼっている知的大街道の中にいるね。 この本は、西南戦争が終わる明治10年から、日清戦争前の明治20年代までを扱っている。 明治11年大久保利通が暗殺されるまで、ある意味で彼の力が政府をまとめていたが、彼の死後、いろいろな勢力が対立して動き出す。 これがこの時期の特徴だね。 明治政府というのは単純な経路をたどってはいないね。A氏:ほんとうに明治政府ができ、明治10年くらいの間の短い間に廃藩置県、地租改正、四民平等など、いろいろな画期的な政治的、社会的な改革の手が打たれているね。 その反発もあっただろうね。私:自由民権運動も盛んになる。 政府と対立するが、一方で民衆のほうは、彼らの苦しい日常の生活もある。A氏:政府と民権運動の対立というより、民衆を加えた三者の関係としての視点に興味があるね。私:徴兵令が施行されても、徴兵逃れが多くて集まらない。 民衆は、生活が楽になれば、政府がどうでもかまわない。 しかし、民権運動家はそういう民衆では困る。A氏:日本ではヨーロッパでいう戦う市民は存在しなかったからね。私:経済で興味あるのは、江戸経済が地域単位の自治体制からなっていたことだ。 江戸時代の村に流民・乞食が少なかったのは、村の土地を他村に売却するのを恥とし、借金を庄屋が立て替えるといった「一村団結の精神」があったからだということだ。 それが、明治の地租改正でこれが崩れて自由化すると「金儲けの自由」と「飢える自由」が生まれ、農村から貧民が東京、大阪に流入し、スラム街が発生する。A氏:一種のワーキングプアの発生だね。私:江戸時代に放火が多かったのも、これと関係するね。 江戸時代には、小生産者を貧乏にさせる高利貸・商業活動は「不当」であると考える。 だから、小生産者が極度の貧窮に陥ったさいには、それらの高利貸・商人・豪農がそれまでの蓄財を放出して、小生産者を救うのが当然であると考える。 それを行わないものは不徳の者として制裁を加えられるべきであるという経済観念があったという。 貧乏人は失うものはない。 だから、放火する。 放火すると貧乏人の仕事も増える。A氏:しかし、これは近代国家の自由経済の原則に反する考えだね。 だから、明治で重罪になったのかね。私:明治時代に日本に来た外国人が日本人の働き方をみて、日本人は必ずしも勤勉であるとしていないことだね。 しかし、工業化が拡大すると、そうもしていられなくなるね。A氏:江戸っ子は宵越しの金は持たないという言葉もあるからね。私:明治憲法は、いろいろな勢力が入り混じり、いろいろな意見が交錯するね。 伊藤博文は内閣の権限強化を持ち出すが、井上毅は反対する。 山県有朋は内閣より軍部を優先する。 妥協の産物だね。 明治天皇の頃は、その柔軟性がうまく働くが、昭和天皇のときはマイナスに働く。A氏:今の学校制度は6.3.3制だが、戦前の学校制度はもう、明治時代にできていたのではないの?私:そうだね。 明治20年代にほぼ体系化する。 学歴社会となる。 「学力」さえあれば、小作農や労働者の子どもでも東大に進学できた。 もし、成功できなければ、それは自己責任だね。 学歴主義こそ、機会の平等、優勝劣敗、自己責任という自由競争の典型だね。A氏:俺の田舎で、貧乏な農家の子どもが優秀で東大を出て、戦時中に大臣までなった人がいたね。私:しかし、戦後は政界も次第に世襲化してきたね。 教育は元田永孚らの徳育重視の天皇主義に対して、初代文部大臣森有礼はあくまで自発的に国家に献身する「国民」の形成が目的だった。 だから、小学校に英語を組み込む一方、集団的心性や身体規範の育成に力を入れた。A氏:その森は、明治憲法発布の日に西野文太郎に刺殺されるね。 森が伊勢神宮に土足で入ったとか、キリスト教徒だとか、日本語廃止論者だいう噂に憤慨したらしい。 一方で、儒教的な教育勅語などや万世一系の天皇という考えがあり、一方で国語を英語にしようとする人が初代文部大臣になるというように、明治は混沌とした時代だね。私:その伊勢神宮も江戸時代は民衆のお参りするところだったので、すぐ近くに遊郭や歓楽街があった。 しかし、万世一系の明治天皇制とともに、伊勢神宮は聖地となり、遊郭や歓楽街は一掃された。 なお、この本で「カンバン方式」の批判があるが、どうも適切でなく著者の八つ当たりのような感じだね。 それにドイツ軍人メッケルの教え方が戦術的で戦略的でなかったというのも、その弟子児玉源太郎の日露戦争のときの戦略的な動きを見ていると必ずしもそうではないと思えるね。 このシリーズの次の第三巻では、明治はいよいよ、日清・日露戦争の時代に入る。
2007.03.09
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私:松岡農水相の事務所の光熱費問題が出たとき、やっぱりと思ったね。 この人が農水相に任命されたときから、何か不吉な感じがしていたんがね。A氏:ベテランの農水族だけに従来から業界との癒着を疑われていたからね。 俺も金のことが出るとやばいのではと思っていたんだがね。 安倍さんはなんでこの人を選んだのかと思ったけれどもね。私:それに気になったのは衆議院の予算委員会での亀井静香氏の長演説だ。 この演説の中で、「実務能力中心の組閣であるので、ベテランの松岡大臣もしっかりやってくれ」というようなことを言っていたことなんだね。 何で、松岡大臣だけ、名指しで激励したのか。 皮肉で言ったのかね。 もう、すでに、事務所費用の問題で多田大臣は辞めたあとだからね。 亀井氏は何かを知っていたのかね。A氏:君のいうように、この長演説で、亀井氏は、大分の自民党復党問題を公明党の介入があったと意地悪く質問をしていた。 直後、急に安倍首相が、亀井氏が指摘した大分の衛藤議員の復党を公明党に遠慮せず、強引に押し切ったからね。私:それに俺は、今週、月曜日に、参院予算委員会のNHKの国会中継を途中から見たんだが、偶然、野党がこの光熱費問題で松岡大臣に質問していた場面が出たんだね。A氏:例の浄水器問題のはなしだね。私:大臣は浄水器とははっきり言っておらず、「なんとか還元水とか」というような説明だったね。 そして、野党議員がさらに追及すると「こんな細かい議論で時間をつぶすより、もっと天下国家を論ずるべきだ」というようなことを言ってけつをまくった感じだね。 窮鼠ネコを噛むという感じかね。 しかし、竹中元大臣のいうように、「大事は些事に宿る」とも言えるね。 他の経費も疑われることになりかねない。A氏:質問する野党ももうゴマカシであることを知っている。 そして、松岡氏も合理的な逃げようがない。 言い訳を言うほど、ウソにウソを重ねることになる。 今朝の朝日新聞では朝日の記者が事務所を見ているが、浄水器も見当たらなかったという。 議員会館の部屋は狭いらしいから、すぐわかるらしいね。私:それに浄水器や加湿器は光熱費でなく備品費だね。 いずれにせよ、光熱費ゼロなのに、ここ数年、毎年数百万円の光熱費を計上しているが、新聞では、議員会館だけを事務所にしているのに光熱費を計上しているのは松岡議員だけだという。A氏:柳沢大臣のように徹底的にあやまったらどうかね。私:最初から事務員の経費計上ミスならそれであやまることもできるが、月曜日の国会で「自分も確認して報告している」と言い切って答弁しているので、ウソの上塗りになってしまうね。 あやまっても、金の行く方が又、問題になる。 たちの悪い問題になってきたね。 落としどころはどこにするのかね。
2007.03.08
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私:この著者の文藝春秋の記事はすでにとりあげたが、この本は、ソニーの成果主義批判の本ではなく、その問題の原点をさぐっていく本だね。 図書館で予約しておいたのが順番が来たので読んだよ。 初版は昨年秋だね。A氏:マネジメント革命というけれど、何が革命なの?私:マネジメントは人を扱う。 だから、人とはどのように動くのかという見方が底にある。 成果主義の問題点の底には、働く人の人間観がある。 それは、組織や人間が合理的に動くという発想だね。 労働者は商品だという見方もある。 しかし、現実はそんなに人はそんな単純なものではないから、矛盾が生まれる。A氏:成果主義とは限らず、昔から管理を強化して、近代的な経営手法を導入すると企業がおかしくなると言われていたね。私:だから、氏は、人の仕事への心理的動きから深く追求する。 内発的な動機を重視するが、これはすでに成果主義の本場のアメリカでその反対を行く「フロー理論」が生まれていることをこないだの文藝春秋の記事でも紹介した通りだね。 フロー状態とは、行為に集中している状態で、これはスポーツでも同様だね。 フロー状態にはいる条件は、目標と能力がバランスしていて、状況を自分でコントロールでき、内的動機に基づいていることだという。 だから、基本的に誰かの指示・命令によって行動するのではない。A氏:マネジメントが指示・命令を控えることがポイントになるんだね。 外的動機というは、他人の評価を気にして仕事をすることだね。 成果主義はまさにそれだね。 それはフロー状態を作らないことになるね。私:興味があったのはテニスの例だね。 内的動機に偽の要求があるというのだ。 テニスだと、プレイ中に「ボールから目を離すな!」「ラケットは振り切れ!」「センターに返せ」と自分自身に叱咤、激励をしている自己があるときがある。 これはコーチなどの指示・命令が内部にいるだけで、本当の自己ではない。 これをセルフ1というが、本当の自分(セルフ2)に集中すると自我意識もなく、自己評価もない。不安、不信もない。 快く落ち着けるリズムが生まれ、急速に仕事が進むのもこういう状態のときだという。A氏:すると、マネジャーが指示・命令をあまりしないとなるとどういうマネジメントスタイルになるのかね。私:成果主義の管理型マネジメントに対して長老型マネジメントとしている。 しかし、この長老という言葉はよくないと思うね。 だから、誤解しないように、著者は例えば、インディアンの長老のようなイメージで説明している。 細かい指示を出さず、メンバーの自律性にまかせ、空気のような存在だが、皆安心して動けるように配慮している。 しかし、緊急の場合は全面に出る。 司馬遼太郎の「坂の上の雲」から、大山巌元帥の例もあげている。 彼は細部は児玉源太郎らにまかせる。 しかし、万が一、失敗したら責任は自分がとる。A氏:仕事の目標はどうするの?私:上からおろさない。 チーム間で共有する。 元京セラ会長の稲盛氏のいうアメーバ経営だね。 チーム活動は日常で自然に入ってくる情報で把握し、管理型のように報告を強制しない。 徳でおさめ、権力でおさめない。 最終目標は、業績でなく、人を育てることにある。 管理型では、勝ち組は自己の力以上に、自己の能力を過信しがちになり、他を低く見る。 長老型では、人は成熟するので謙虚になり、間違いも隠さない。A氏:そうすると管理することが職務の人は、「管理する」ことをある程度、放棄し、「管理しない」ための学習と行動を身につける覚悟が必要だね。私:「マネジメントは、指示・命令によって組織をコントロールしなければいけない」という誤った信念が、ダメ上司を誕生させる最大の原因だという。A氏:この長老型マネジメントは過去の日本式経営に近いのではないの?私:例のISO9001などのアイエスオーのマネジメントシステムに対して反論があるね。 これは指揮命令に基づくマネジメントシステムだと批判して、トヨタなどの日本式をメンバーがシステムとして共同する型として対比して本を出していたイギリスのコンサルタントもいるね。 このコンサルタントはデミングを研究していたが、デミングも目標管理には批判的だね。 先の稲盛さんも仏教的な深い人間観をもとに人重視のアメーバ経営を提唱しているのも同じ考えだね。 人は商品ではないのだからね。 「希望の国」はそういう長老型マネジメントの国であるべきかもしれない。 もっとも、今、日本のマネジメントは、御手洗構想のもとでアメリカの尻を追いかけているがね。 御手洗氏は「希望の国」にはイノベイションが必要だというが、こういう労働を商品と考えないマネジメントのイノベイションも必要ではないの?
2007.03.07
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私:先週のTVドラマ「相棒」はすぐに犯人がピンと来た。 A氏:俺も見たが、新聞記者がある部長の収賄のスクープをする。 記者は得意になる。 ところが、捕まった部長が自白せず、勾留が長引く。 どうも事実でないらしい。 そのうちに、その部長が自殺する。 新聞記者も結局やめてしまう。 それから、数年たって発生した交換殺人の犯罪の黒幕に、自殺した部長の子どもが登場するというわけだね。私:父親の死に対する新聞記者への復讐だね。 その復讐心がすさまじいことを、ある人の体験談から知っていたので、ピンと来たのだ。 その体験談は、10年位前にある中堅企業の重役と夕食をともにしたとき、その重役の体験談として語られた。 彼は、今まで、社員には話してないんだがと言って、今までの人生を話した。 彼は大学を出て、ある地方では大手の新聞会社の新聞記者になった。 そして、若くして、市会議員の汚職をスクープした。 彼は大得意だった。 正義感で鼻高々であった。 ジャーナリストとしての将来は、洋々たるものを感じた。 ところが、この市議が自殺した。 通夜に彼は出かけた。 そうしたら、中学生くらいの女の子が、彼を指し「この人が父を殺しました」と叫んだという。A氏:それはショックだったろうね。私:彼は、ショックで新聞社をやめた。 数年間、気持ちがうつろで、どんな仕事も手につかなかったそうだ。 毎年、その市議の命日には、ご焼香に訪問するが、冷たく扱われる。 しかし、彼の努力で多少のギスギスさは解消されていったようにみえた。A氏:彼にしてはつらいものがあったんだろうね。私:こうして、十年ほどたった。 その間、彼は、今の社長に救われ、ちゃんと勤めるようになり、才能があるので抜擢されていた。 そんなある日、その市議の娘さんが結婚するということで、その娘さんから招待状が来た。A氏:出席は問題ではないの?私:彼は素直に出席した。 しかし、娘である花嫁は「この人は、父を殺した人です。」と言って彼を出席者に紹介したという。A氏:やっぱりな。私:彼は、これは、一種の和解であると解釈したようだが、依然として、心の底に残る重いものを感じたであろう。 日常の彼は明るいジェントルマンだがね。A氏:今はやりの「鈍感力」の問題かね。私:もっと深いと思うね。 鈍感力なんかの問題ではないね。 心優しい真のジャーナリストというのはこういう運命をたどるのだろうかね。 ドラマ「相棒」のほうでは、子どもとこの記者とは分かり合う方向を示唆して終わる。 しかし、現実のドラマのほうがきびしいね。 明日、また、「相棒」がある。 ミステリーファンとして、楽しみにしているよ。
2007.03.06
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私:昨日に続き、この本について語ろう。 昨日は、俺が知的関心を持った「国のかたち」のことだったが、今日は、「明治の外資」と「勝海舟と新渡戸稲造の関係」だね。A氏:外資と言えば、日本は特に輸出すべき天然資源も製品も持っていないのに、一方では、近代化のためにいろいろな物を輸入しなくてはならない。 当然、債務国だね。私:ところが意外なのは、外債依存度が非常に低いということだね。 主な理由の一つに明治天皇がこれを嫌ったということがあるらしい。 アメリカのグラント前大統領が来日の際、エジプト、スペイン、トルコのように外国から借金すると国の資産が抵当になってしまっている、という助言があり、これがきいていたという。 それと当時は財政も楽でないから、安易な借金は大変な負担になることが予想された。 また、国としての信用もまだ低い。A氏:戦争には金がいるが、明治政府がはじめて戦争をするのは日清戦争だね。私:日清戦争前に公募された外債は2つだけで、一つは鉄道建設のためのもので、約500万円で明治3年発行で、明治15年に償還を終わっている。 もう一つは、明治6年に約一千万円の公債。 明治8年から予算制度がスタートするが、そのときの歳出が6900万円だったという。A氏:そうすると、外債に頼らないとすると、自国内経済で税収入を増やし、一方で歳出を抑えるしかないね。私:これが松方緊縮財政だね。 これによって、863万円だった正貨保有高が3年後の明治18年後には3832円まで増大する。 しかし、日清戦争で特別、外債を発行していない。 逆に、韓国には強制的にかなりの借金を押し付けている。A氏:先進国に対しては、防衛政策をとり、後進国には先進国と同じ政策をとるということになるね。私:外債を積極的に利用したのは日清戦争後だね。 政策の大転換が行われる。 この間、金本位制も確立して、国際的な信用も得るようになる。 明治30年に国債がロンドン市場でも売り出される。 日露戦争のときは、歳出2億円程度の財政に対して、10億円ほど外国から金を調達したといわれる。A氏:それは大変な借金ではないの?私:それが運のよいことに10年後の第一次世界大戦で、日本経済は大盛況となり、借金などはすべて返済される。A氏:戦後の朝鮮戦争のようだね。 ところで勝海舟は、外貨問題と関係するの?私:勝海舟は軍事専門家だが、軍事を考えるときに常に財政との関連を考えていた。 だから、彼は日清戦争には財政面でも反対であった。 それに、彼が当時の日本指導層の考えと違うのは、清や韓国を尊敬していたことだね。 当然、外債を募集してまでして、清国と戦争することは反対する。A氏:新渡戸稲造との関係は?私:新渡戸は勝海舟を非常に高く評価している。 勝は「私は人を殺すのが大嫌いで、一人でも殺したものはないよ。---人に斬られても、こちらは斬らぬ覚悟だった」と言っているという。 それを新渡戸は特に引用して「これが艱難と勝利の火炉の中にて武士道教育を試みられし人の言である」と非常に強い共感を表明しているという。 「武士道」のなかで「武士道の究極の理想として平和を体現した人物が勝海舟である」といっているという。A氏:勝海舟が戦争には金がかかるから財政と一体化を考えていたというのは「武士は食わねど高楊枝」ではなかったんだ。 「腹が減っては戦はできぬ」という合理的な考えだね。 その勝を新渡戸がほめているんだから、「武士道」も同じ考えだね。私:だから、伊藤忠会長の丹羽氏が「財界だって格差社会は『ノー』」で「武士は食わねど高楊枝」が戦をしなくなった江戸の「武士道」だと、ある学者の説を引用していたが、これは間違いだね。A氏:それを言いたかったのか。私:まぁ、そうかね。
2007.03.05
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私:2005年に小泉総理時代、日本政府の歴史認識が問題になったが、どうも議論が靖国とか教科書だとかで浅い。 その危惧から、当時の民主党代表の岡田氏が歴史の調査会をやってくれないかということで、藤井議員が「日本の近現代史調査会」を作った。 この本は、2005年6月から1年間ほど14回、6人の大学教授による明治維新から現代までのその調査会での講義録だね。 最初、昭和史だけという話が、昭和はその前の明治からつながっているということで、明治維新から始まっているね。A氏:君が太平洋戦争の戦争責任から、明治維新にまで次第に知的街道を開いてきたのと似ているね。私:講師である大学の先生も、マスクス主義的な歴史観をもって説明する人、逆に、極端に右翼的な歴史観をもっている人も避けたという。 講義の速記録がもとになっているので読みやすかった。 逆に、あまり、俺も戦争責任知的街道でかなり本を読んでいたので、知的興味をひくようなものはすくなかった。 あえて、興味をひいたのは 明治のときの政治家などが描いた国家構想 明治国家の外資との関係 勝海舟と戦争の見方と新渡戸稲造の武士道との関係だね。 今日は、この3つのうち、最初の国家構想をしゃべろうよ。 後は明日だ。A氏:国家構想というと今、政治的に話題になっている「国のかたち」だね。私:そうだね。 ここでは、前半で5つの国のかたちをまとめて、講義しているね。 1.大久保利通:近代国家 2.山県有朋:官僚国家 3.坂本竜馬:通商国家 4.福沢諭吉:「民」の自立 5.西郷隆盛:「日本の魂」A氏:単純な「富国強兵」国家構想ではないだね。私:明治政府は金が豊富にあるわけでない。 富を生まない軍備費に回す金はさらにない。 だから、近代的な産業を起こし、「富国」が優先する。これを大久保利通が推進する。A氏:大久保利通は暗殺されているね。 それで強力な推進力を失ったようだね。 坂本竜馬の国家構造は「船中八策」が有名だね。 上下二院制の議会制度だね。私:そして、最後の講義のほうで伊藤博文の国家構想があるね。A氏:伊藤博文は、プロシアの憲法を真似たと言うではないの?私:これは少し事実と異なるらしい。 確かに、伊藤は明治15年から16年に憲法調査にドイツ、オーストリアに行く。 しかし、その前年の明治14年に政変があった。 イギリス式憲法導入派の大隈重信らがドイツ型の欽定憲法採用派の岩倉具視らにより、政府部内から追放されるというクーデターが起きた。 これによって、伊藤がドイツに行く前に、ドイツ型の欽定憲法を採用が既定の路線として決っていたわけだ。A氏:じゃ、どうして伊藤博文は1年余を費やしてまで、ヨーロッパにいったのかね。私:ドイツ流の憲法理論は、岩倉具視が伊藤を蚊帳の外に置くかたちで井上毅がまとめたものだ。 だから、伊藤はそのまま、形だけの地位にいるのが嫌で、もっと、本場の実態を知りたかったらしいね。 ところが行ったプロシアやオーストリアは、皆、憲法は失敗だったと話す。 しかし、逆に、伊藤は日本だから成功すると自信を持つ。A氏:何故?私:実は、プロシアやオートリアは、いろいろな民族の集まりで宗教も異なる。 その点、日本は有利と見たのだね。 そして、伊藤は、国会のスタートの後、行政の重要性、そして、政党政治の重要性を説いてまわり、自ら先頭に立って、実践する。A氏:伊藤博文は、初代内閣総理大臣となり、政党がスタートすると、初代立憲政友会総裁になる。 彼の民意を反映した立憲政治という「国のかたち」を進めていく。 しかし、伊藤博文は暗殺されるね。私:伊藤の後をついだ原敬も暗殺されるね。 坂本竜馬も大久保利通も暗殺だ。 後に活躍した高橋是清も殺される。 このようなことがなかったら、日本は今と大きく異なっていたかもね。 一人の死であろうと、歴史を振り返ると国家の運命に大きな影響を与えることをしみじみ感ずるね。
2007.03.04
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私:なんでこの本を図書館に予約したのか、動機を忘れたが、順番が来たので読んだ。 ところが、実に思いがけない知的街道ができたね。 今まで、誤訳問題などを通じて、英語と日本語の問題に関心を持っていたんだが、この本を読んで、目からウロコが落ちた感じだね。A氏:三上章(みかみあきら)とは、どういう人なの?私:要するに、日本語の文法は、主語が省略されることが多いという考えでなく、もともと主語という概念がないという考えだね。 すなわち、今までの日本語の文法は英語文法の枠を超えていなかったのに対して、日本独自の文法構造を明らかにしたんだね。 これが三上文法だね。A氏:俺たちが学校で習った文法は英語との対比だったね。 主語、述語など英語と関係していたね。私:この本は、三上文法の解説書でなく、三上氏の伝記的な読み物だね。 明治36年生まれで昭和46年に68才でなくなるまでの評伝だね。 伝統的な文法論に対して、革新的な日本語文法を創造したが、保守的な学会では認める人が少なく、ある意味で失意のうちになくなった人だね。 著者は、カナダの大学で日本語を教えることになって、いろいろ悩んでいるときに、1979年頃、三上文法に出会い、ショックを受け、それから三上氏に私淑するようになる。 三上氏の本に「象は鼻が長い」という本があるとのこと。A氏:「象の鼻は長い」ではないの?私:君はまだ、英語の枠にはまっているんだよ。 「は」も「が」も主語につかないんだね。 もともと、主語がないんだから。 主語がないという説明よりも外国人には「動詞の活用がない」としたほうが分かりやすいという。A氏:なんだか、奥が深そうだね。 そういえば、養老孟司氏がどこかで「日本語にも定冠詞、不定冠詞の機能があり、それが『は』と『が』の違いだ」と言っていたね。 養老孟司氏の説明は、まだ、英文法の枠を超えていないようだが。私:明治以来、日本人が自分たちの言葉の文法を自主的にもてなかったので、過去、英文法の比較でしか、日本語の特徴を説明できなかった。 一種の舶来尊重主義だね。 だから、三上文法は日本人として独自の納得できる文法を考え出したわけだね。A氏:何か、憲法問題と似ているね。 押し付けられた考えと、自分の足元をしっかり見つめてその特徴を明確に発信できる考えの違いだね。私:三上文法は日本語の特徴を堂々と説明できるから、受身でなく、世界に積極的に発信できるね。 英語の訳の関係で、面白い例があった。 次の文は川端康成の「雪国」の冒頭だね。 「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった」というのがある。 これを有名な翻訳家サイデンステッカー氏は次のように訳している。 「The train came out of the long tunnel into the snow country」 この2つの文を関連させないで、独自にそれぞれシーンを想像してみると面白いね。 日本文を読むと、読者は汽車に一緒に乗っている感じだね。 トンネルの出口が開けてくる感じだ。 英語はどうだね?A氏:上から見ている感じだね。 汽車がトンネルに入り、そして出て行く。 どうして、この違いが出るのだろうね?私:日本文には、主語がないからだ。 時間の推移を含んだ出来事を表しているだけだ。 ところが英語にするには主語がないと形をなさないので、原文にないthe trainが登場してしまい、原文の雰囲気が消えているんだね。A氏:日本語の特徴かね?私:ところが、著者は、そういう視点から西洋の古典語を研究すると、英語ももとは無主語文だという。 その論文によってカナダで博士をとっている。 だから、著者は現在の主語という文法概念には、普遍性がなく、時代が下がってから英語など一部の印欧語に発生した例外的な現象ではないかという考えすら持っているという。 この本は三上章の伝記が主な内容なので、この知的街道はその内容に進んでみたいね。 まず「象は鼻が長い・入門」からだ。
2007.03.03
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私:昨日のNHKの国会中継を途中から見たよ。 予算委員会だね。 3時頃からだから民主党の質問の後半になっていた。 討議された問題はTVニュースや新聞でも分かるが、生放送の場合は、ノーカットだから、細かいやりとりも見られるのがよいね。 実際、今日の朝刊では、予算委員会の記事はなかったね。A氏:俺も午後は時間が空いていたので見たよ。私:格差問題は、安部首相が「格差があるのは自然」「格差に問題があるとすれば」といろいろ言いぬけてきた。 これに対して、民主党は、なんとか、「格差問題がある」と言わせたい。 だから、民主党議員から「この数ヶ月、安部首相の格差問題に対する表現が微妙に変わってきている」ということを細かく突き、2、3回、しつこく、質問があったね。 安部首相は逃げるが、そのたびにいろいろな非論理的な言葉が出る。 ついに「是正すべき格差」という新語が出たね。 小泉さんのように逃げ切れなかった。 これは民主党議員のほうに軍配が上がった感じだね。 「首相のいう『是正すべき格差』というのは、民主党のいう格差問題の内容と同じである」として、この問題を締め切ったね。 しかし、こんな抽象論議で安部内閣は貧困で苦しんでいる人々への対策を半年も遅らせてきたと、痛烈な皮肉を言っていた。 格差問題は安部さんが一本取られた感じ。A氏:別の問題で、安部首相が予算はつかないとしたことについて、民主党議員が「そんなはずがない」として柳沢厚労相に質問をふる。 最初の柳沢厚労相の返事はあいまいなまま、席に帰えった。 そこで、「予算を取るのですか、取らないのですか」という再度の追及で、柳沢氏は席についたまま、頷いた。私:これも安部首相は一本取られた形だね。 俺はそのほうに興味が行ってしまい、何の討議をしていたのか忘れたよ。 たしか、「ジョブカード」の話ではなかったかね?A氏:また、英語か。 「美しい日本」はカタカナ英語に満ちた社会なのかね。 どこからこの英語が出てきたのかね?私:要するに公的に認められた「職業能力証」みたいなものらしい。 ワーキングプアの対策らしいね。 本来の英語は、俺が製造現場にいた頃、アメリカでは日本の「作業指示書」のことをそう言っていたね。 それから、民主党議員が「雇用形態が変わってきたので、経済成長がそのまま、労働者の賃金増に反映していない。本当に、経済成長が底上げになるのか?」と質問した。 首相は「失業率が良くなった」とか「求人倍率が1を超えている」のは、経済成長のせいだということを言っていて、「もうけを配分し賃金が向上した」とはいっていなかったね。A氏:これも後で「私は経済成長が労働賃金を『直接的』に向上したと言っていません」という準備かね。私:アメリカでは10年来の1998年に最大のリストラがあったのに、失業率が減少していない。 それはパートなどの労働が増加して、雇用構造が大きく変化したからで、日本も同じだね。 求人率も正社員と非正社員と分けて比較しないと、格差が拡大しているから、データも今までと読み方が変わってくる。 この後かどうかはよくわからないが、甘利通商産業大臣が財界トップ100人くらいを集め、派遣社員の正社員化を要請している。 この中には例の偽装請負のキャノン会長の御手洗会長もいた。 氏は「偽装請負は犯すほうが悪いのでなく、法令がよくない」と言っていくくらいだから、素直に政府要求に従うのかね。 しかし、この会議をやったというのは、史上最高の大手企業の利益が労働者に回っていない、すなわち、経済が向上しても、低い賃金の底上げになっていないことを安部首相が気にしている証拠だね。 A氏:ここ2、3日、大分の郵政造反落選議員の復党を安部総理は、幹事長の反対を説得し、かなり強引に決定したね。 旧知の人らしいね。私:この理由はいろいろ各マスコミで書いているが、俺は先週の予算委員会での亀井静香氏の追及がきいたのではと思うね。A氏:どういう追及?私:亀井静香氏は大分の議員の自民党復党問題は公明党からの介入があってやめており、天下の政党が他党の介入を許していると質問した。 首相は「そのようなことはない」と答え、閣僚席にいた冬柴国交大臣が「私はたまたま閣僚席にいるが、公明党員でもあるので、そのようなことはないということを言いたい」と答弁していたね。 俺はよく事情を知らないので、気にもとめないで聞いていたが、今週になって驚いた。 なるほど、こういう裏があって、復党問題も次の参議院選挙をにらんでの戦略だなと分かった。A氏:テレビでは大分の公明党県連の長が、大分の自民党の県連の長を訪れ、復党を撤回するように安部総理に言ってもらいたいと申し込んでいるシーンがあったね。 予算委員会での冬柴氏のメンツ丸つぶれだね。 だいたい、復党問題は首相了解の上で、昨年末には決着がついていたんだろう?私:亀井氏の批判に内心ではかちんときたんではないの? 首相のでんぐり返したね。 首相の言い方はゆれているようだが、案外、内心は勝気で、裏ではいろいろ手を打ってはいるようだね。 参議院選挙前に安部カラーを鮮明に出せるか、これからが本命からかもね。
2007.03.02
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子どもは生まれか、育ちか 私:ベストセラー「バカの壁」の養老孟司氏は、いとも簡単に「基本的な寿命はすでに生まれたときに遺伝子DNAで決まっている」とそっけなく言い切っているね。A氏:そうだね。 しかし、養老孟司氏はいくら、遺伝子でも、偶発的な交通事故まで、コントロールできないから、もっと短くなる確率もあるとも言っているね。 これは、一部のヒューマニストや平等論者にとっては、耐えられないだろね。 何故なら、人は生まれたときからどうしようもない差別があるというのだから。 そのハンディは場合によっては、一生、負い続けるのだから。私:事故にあいやすいという遺伝子はあるかもしれないが、そういう人でも一生、事故にあわないで終わることもある。A氏:知識でなく子どもの性格や行動特性はどうだろうか。私:このNHKブックスの「人間の本性を考える(英語の題名はThe Blank slate)」という翻訳書が2004年に出たものだ。 その第19章が「生まれか育ちか(原書はChildren)」について論じた章で、興味深かった。 著者は、次の3法則を提示している。 第1法則:人間の行動特性はすべて遺伝である。 第2法則:同じ家庭環境で育った影響は、遺伝子の影響より少ない。 第3法則:複雑な人間の行動特性に見られるばらつきのかなりの部分は、遺伝子や家庭の影響では説明されない。A氏:やはり遺伝子が重要なカギだね私:著者は、子どものときの行動特性の50パーセントは第1法則の遺伝できまり、第2法則の育ちの中心である家庭環境はほとんど関係ないという(せいぜい、ゆずって10パーセント)。 後の40から50パーセントのばらつきは、人が意図的に押し付けられない、個人的な「運命(親や人が制御できない運という意味での運命)」に影響されるという。 親や社会が十分ねりあげた計画の及ばないところにある部分である。 1950年代に、インドの僻地の村に住んでいたある女性に、子どもにどんな人間になってもらいたいと思っているかと聞いた。彼女は、肩をすくめて「それはこの子の運命で、私が望むことではありません」と答えたという。A氏:それが正解かもね。私:原題のBlank slateとは、「書き込みのない石板」という意味で、日本語の「白紙」という意味になろう。 これを「生まれか育ちか」にあてはめると、「子供は生まれたとき、白紙だから、後はこれに書き込む育ちで決まる」ということになる。 そう思いこむと、親の責任が重くなる。A氏:そこで、親は不安になり、専門家と称する人の権威が欲しくなる。 そういう需要を満たすために多くの児童教育論者が生まれる。 しかし、著者は、「白紙」ではなく、遺伝子でほとんど決まるとしている。 子供が非行に走るのは親のしつけなどの責任ではないということか。私:著書は、親のせいにする児童教育論者には、批判的だね。 当時の新聞書評では、この本で、子育てで責任を感じて、いろいろ悩んでいる親はホッとするだろうと言っているね。 まぁ、あまり、子どものことで、力まないことなんだろうね。 子どもが押しつけととるだけだろうし、親のエゴを押し付けているだけかもしれないしね。 シートン動物記を読むと、動物は知識や訓練まで親が遺伝子でやっており、子どもはそれを卒業すると、自ら巣を離れ独立していくね。 親も子どもの巣離れを期待する。
2007.03.01
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