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ジェロ『氷雨』A氏:紅白歌合戦に君のブログでふれていた演歌歌手ジェロが初登場だね。 演歌歌手・ジェロ、ジェロとキリンのコーヒーファイア・コマーシャル、ジェロと氷雨と、ジェロ街道が続いたね。私:黒人歌手がNHK紅白歌合戦に登場するのは初めてではないのかね。 アメリカ大統領が初の黒人であるように。A氏:ところで、今、演歌が売れているようだね。 それも若い世代に売れているようだ。 11月13日の「クローズアップ現代」で「演歌の逆襲」でとりあげていたね。 君の予測通り、これにはジェロの登場が大きな影響を与えているようだね。私:俺もこの「クローズアップ現代」を見たが、一方で小室哲哉が逮捕されるというニュースとダブって、音楽界の大変動だね。 最近の音楽界は大量消費で、消耗品のように曲も息の短いものがどんどん作られてきた。 若い人によってカラオケでも歌われる。 しかし、だんだん、あきてきてカラオケも流行らなくなってきたらしいね。 長く続く歌が求められるようになってきたんかね。A氏:ミュージックからソングへの変化だと言うね。 小室哲哉の歌なんか、歌詞がよくわからなかったね。 ソングとなると、歌詞が重要だね。 演歌は歌詞が勝負だからね。私:ジェロには紅白歌合戦では、デビュー曲の「海雪」を歌ってもらいたいね。 今のところ、これが彼にピッタリだからね。A氏:「クローズアップ現代」では「海雪」の作曲過程をとりあげていたね。 作曲は宇崎竜童がやったんだが、プロジューサーの意見でかなり修正をしたんだね。私:音楽界もどう変るかね。 経済同様、落ち着いた本来の姿にもどることを期待したいね。
2008.11.30
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A氏:今朝の新聞は、昨日の首相と小沢民主党党首の「党首討論」をトップに掲げていたね。 俺が興味を持ったのは、「識者の評価」としての村井哲哉明大講師の意見だね。 村井氏は、麻生さんと小沢さんとの権力闘争にどう向かい合っているかの違いがにじみ出ていて、その意味で見ごたえがあったと評価しているね。私:俺も読んだが、多くの評価が期待はずれだという中で、興味ある評価だね。 村井氏は吉田茂元首相の研究を通じて、彼が権力闘争で、潔い姿勢をとっていたことに注目しているね。 49年衆院選のときの吉田氏と05年の郵政選挙のときの小泉一郎元首相は、負ける恐怖を知らない姿勢だったという。 国民は「逃げない政治家」をかぎ分ける本能を持っているという。A氏:その吉田氏の孫の麻生氏が、吉田氏が本来持っていたキップの良さがなりをひそめ、啖呵を切ることもなかった。 これに対して、小沢氏は「あなたが国民の支持を得たら、思う通りの政策を実行したらいい」「こちらは失うものは何もない」と開き直っていたという評価だね。私:村井氏は軍配を小沢さんに上げているようだね。 ところで、これと関連するのが、昨日の朝日の夕刊に連載の「人脈記」だね。 昨日から新連載で世論調査のテーマが始まったね。 世論調査の結果が最近、政局を動かすようになったが、これには「オートコール」というシステム開発が裏にあるんだね。 これに05年の「郵政解散」総選挙のことが書いてある。A氏:俺もこの記事を読んだが、この選挙のときはオートコールは自民党では使っているんだね。私:当時、世耕弘成自民党参院議員は選対でオートコールを使ったそうだね。 彼はオートコールの結果を選挙に使おうとする。 しかし、当時の首相政務秘書官の飯島勲氏は、オートコールの結果を小泉首相には見せていないという。 調査がどうあれ、郵政法案が否決されたら解散、と小泉はきめていたからと言う。A氏:進退が潔かったんだね。私:それが政策の中身はともかくとして、国民に受けて、大勝利となったね。 たしかに、国民は「かぎ分けていた」ことになるね。 今、自民党ではこのオートコールで世論を調査して、政治判断に反映しているようだが、福田首相の突然の辞任、麻生首相の選挙延ばしなど、逆に、その弊害が出ているのではないかね。 その点、今後、この欄がどのような連載内容になるのか、興味があるね。
2008.11.29
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私:イギリスは、日本と違って第2次大戦では戦勝国なのに、戦後の中学テキストは自虐史観的なものであったという。A氏:労働党政権が、社会主義国家を理想としたイデオロギーからきているね。私:この本では、具体的に「自虐的な」7つについての改訂例をあげているね。 改訂の方法は、いずれも、過去のイギリス国家の行動の全面的肯定でもないし、全面否定でもない。 プラス面、マイナス面のバランスをとっているね。 第1の例は、「植民地支配で肥大化した大英帝国」を「植民地支配を行ったのはイギリスだけではない」と改訂。A氏:イギリスの他にフランス、ドイツ、ベルギー、スペイン、ポルトガルなどがあるね。私:第2の例は、「殺人国家イギリス」を「植民地支配はインドに恩恵をもたらした」と改訂し、イギリスはあらゆる植民地に鉄道を敷いたとしているね。A氏:日本も鉄道を敷いているのは、その真似かね。私:第3の例は、「強制連行された黒人奴隷」を「奴隷貿易を行ったのはイギリスだけではなく、世界史の悲劇」と改訂。A氏:イギリス以外にフランス、スペイン、ポルトガルがあるね。私:第4の例は、「イギリス発展の犠牲となった黒人奴隷」を「アフリカ士候の残虐な圧制やイギリスが奴隷解放の旗振り役であった」ことの説明の追加と改訂。A氏:リンカーンが「奴隷解放宣言」を出した1863年よりも早い1807年に、イギリスは奴隷貿易廃止をしているね。私:第5の例は、「アジア、アフリカの搾取を指示するビクトリア女王」を「『ビクトリア王朝』はイギリスの繁栄の時代として描く」ように改訂。 第6の例は、「人種差別を正当化する『女王を頂点とする階級社会』」を「近代国家イギリスの基礎を築いたビクトリア朝」に改訂。A氏:イギリス国民に自信を持たせるには、やはり、ビクトリア時代を正確に学ぶ必要があるんだろうね。私:第7の例は、「人種差別を正当化するキリスト教」を「世界の人々に多大な影響を与えたキリスト教が説く人間のあるべき姿」に改訂。 キリスト教が説く「人間のあるべき姿」とは次の3つだね。 1.人間は神によって作られた特異な存在だということ。 2.貧困、奴隷、虐待、不正義を排除する活動に尽力を尽くすこと。 3.聖書が描く新しい世界を希求すること。 そして、教科書を統一して、現場任せの教育を修正したわけだね。A氏:下村博文議員が日本の教科書に驚いたと同様に、イギリスでは子どもの保護者が学校で何を教えられているかを知らなかったのが、この教科書の改訂統一で保護者も学校での教育内容を理解できた。私:日本では、イギリスの逆で、伝統的に教科書は文科省の検定があるね。 サッチャー改革は、この日本の真似をしたことになるね。 問題はその日本の教科書が偏向しているというのが問題だと、この本では言っているね。 まだ、「沖縄の集団自決」問題は、教科書がらみでもめているね。A氏:話はちょっと違うが、例の沖縄県民の11万人集会のことだが、こないだオバマが大統領戦に当選して、防弾ガラスに囲まれた野外の集会で挨拶したときに集まった人の数がものすごかったね。 それでも数万人だと言っていたね。 あのテレビ下面を見ると、11万人の人がいる広場というのはものすごいと思ったね。私:まだ、11万の数字は日本の戦後の「自虐魔法」を象徴しているね。 日本刀による中国人「百人斬り」のように、数字が感情的だね。 そういう教育は避けたいね。 自衛隊の幹部教育のように、「戦前の反省から、事実関係や知識を積み上げていく科学的な授業を重要視」してほしいね。
2008.11.28
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私:「イギリス『教育改革』の教訓・「教育の市場化」3.4で、イギリスの「教育改革」を知ってから、「サッチャーの改革」が、経済とともに「教育改革」に重点を置いていいたことが分かったね。 それが労働党政権のブレア政権でもさらに強化して受け継がれていることも分かったね。 その知的街道から、この本に辿りついた。A氏:これは平成16年(04年)9月末から10月初めにかけて、自民党から4名、民主党から2名がイギリスのサッチャー教育改革を調査した報告だね。私:この本を読むと、その後の「教育基本法の改正」、「『ゆとり教育』の見直し」、「41年ぶりに復活した全国統一テスト」、「中山大臣の日教組発言による辞任」などの一連の流れの原点が「サッチャー教育改革」の模倣であることが分かるね。A氏:民主党も視察団に参加しているのを見ると、民主党が教育問題について、あまり、自民党の動機に反対していない点も理解できるね。私:ところがこの本のある部分を読んでビックリしたね。 このところ、毎日のように新聞やテレビがトップニュースとしてとりあげている「元次官宅襲撃事件」だが、自首した小泉被告がその殺人動機を「34年前の家族のようなペットを殺された復讐」だということだね。A氏:それとサッチャーの「教育改革」とどういう関係があるの?私:サッチャーの「イギリス病」退治の計画は綿密で、そのためにシンクタンクを設置しているね。 このイギリス調査団の下村議員が、そのシンクタンクのマークス博士の発言を紹介しているが、それは 「青少年の荒廃は家族の存在と深く関係している。 残念ながらイギリスには『ワイフ』を『パートナー』と書かせる風潮がある」 と言っていたという。A氏:要するに伝統的な夫婦・家族の結びつきを壊そうという風潮がサッチャーの「教育改革」の前にあったということか。私:当時、驚いて、下村議員が日本に帰って、日本の教科書を見たらやはり「パートナー」となっていたという。 結婚や家族というものは個人を抑圧する、対立する悪者のような内容だという。 日本のある教科書は、家族・家庭に対しても攻撃的で 「祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えていない場合もあるだろう。犬や猫のペットを大切な家族の一員と考えている人もあるだろう」 と書いてあるという。A氏:なるほど、そこで「元次官宅襲撃事件」の小泉被告の「34年前の家族のようなペットを殺された復讐」がからむのか。私:今週の「週刊新潮」の広告では小泉は「宮崎勤」「宅間守」「個室ビデオ放火犯」と同一世代としているね。 やはり、教育と関係するのだろうか。 イギリスではすべての中学校に宗教教師がいるという。 日本では給食で「いただきます」と合掌すると、宗教儀式にあたるから、宗教教育に枠をはめた旧教育基本法第9条、憲法20条違反だという。A氏:この本が出版された後、安部政権で「教育基本法」が改定されるが、この9条では「宗教に関する一般的な教養の尊重」というのが追加されるね。 食事前の「合掌」が「宗教に関する一般的な教養の尊重」の一例かね。私:俺の孫は、食事の前に「いただきます」と合掌するね。 これはいいことだよ。 俺の家族は神道信者でないがね。 これは幼稚園でも教えているね。 この幼稚園は神道とは無関係だし、公的教育ではないが、この合掌を神道の宗教儀式だというのはたしかにおかしいね。私:この本の最後に、当事、自民党幹事長代理の安部氏も座談会で参加しているが、そこで盛んに自虐史観を批判し、「教育基本法改正」の重要性を主張しているね。 2年後の平成18年(06年)12月に「教育基本法」が安部政権のもとで改正される。 その改正内容は、サッチャー改革の後をたどっていると言えるね。 明日は、「サッチャーの教育改革」で、「イギリスの自虐史観の教科書」がどのように改正されたかにふれよう。
2008.11.27
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教育改革を評価する私:このブックレットは、「教育改革の町」として06年当事、全国的に知られていたという愛知県犬山市の改革をとりあげているね。A氏: 「杉並区立『和田中』の学校改革・検証 地方分権化時代の教育改革」岩波ブックレットNo.738・08年9月刊の前に出版されたブックレットだね。 同じ知的街道に属するね。私:しかし、和田中の改革と犬山市の教育改革は異なるね。 東京都杉並区のやり方は、民間出身の校長・藤原和博氏を迎え入れたように「外」からの力を借りる方式だね。 学校選択制による学校間の競争、教師の個人評価による教師間の競争などを通じての公的教育の質的向上だね。 子どもや親を消費者とした、市場原理的な改革だね。 しかし、犬山市の改革は、教育現場での教師の具体的な教え方にしぼった改革だね。 外の力でなく、教師自体の専門性を高める方向に重点をおいている。A氏:いくら、競争であおっても現場第一線の教師の力が向上しなかったら意味がないね。 民間企業で盛んに導入された個人の成果主義が崩壊したようにね。 競争によって、第一線の活動でいろいろな斬新なアイデアや技術が生み出されればいいが、逆にその障害となると、無意味だね。 「窮すれば通ず」もあるが「窮して終り」もあるね。 民間企業はチームで活動していることが多いので、個人の成果主義だと、チーム力が低下するね。私:だから、犬山方式は「市独自の副教本作り」「少人数授業・少人数学級」「2学期制」など、現場の教え方の技術中心の改革だね。 和田中の藤原校長が、あまり、第一線の個別の教え方に介入していないのと大きく違うね。 藤原校長が、教師経験者からなったわけでないからだろうね。 それに東京都杉並区は学校選択制だね。 しかし、犬山市のやり方も1997年に教育長に就任した瀬見井久氏のリーダーシップによる点が多いというが、氏も教育行政畑の人でなかったという。 石田芳弘犬山市長の要請によって就任する前は、県の行政職にあったという。 予算の権限を持つ市長と、教育長の考えの一致が背景にあるね。A氏:少人数クラスにすると教員数が増加するのではないの。 費用が増加するのではないの?私:給食費を外部委託することによって浮いた費用で臨時職員をやとったという。 また、数万円もする指導書を買わず、教員自ら副読本を作るようにしたという。 教員同志の研究会もさかんにしたという。 要するに、教育現場の中心である教師の力を具体的に発揮させ、向上させる方法を中心にしたわけだね。 子どもも多様化しているから、先生の教え方の工夫も要求される。A氏:学校の裁量による学級編成と教育課程づくりだね。私:習熟度別学習とか学校選択制によるものでなく、教師による内側からの改革だという。 そして社会的な格差を教育に及ぼさないという改革だという。A氏:フィンランド方式に近いね。私:フィンランドは国が教師の資格を重くして、その上で教師の自由裁量に任せる方式だね。 国が教師に力をつけ、力があるものに任せる。 日本は教育効果が問題になると教師の「個人的な自己責任」のせいにして、「競争心がないから、努力しないのだ」ということで市場原理的な発想になるんだね。 タクシーと似ているね。A氏:規制を緩和して、競争させれば、料金もサービスもよくなるというのが、結果的に料金は上がり、運転手は貧困化した。 それは競争によって、運転手による画期的な運転現場の効率改善がなかったからだね。 運転手にそのようなアイデアの出るような訓練や条件を与えないで、個々に競争市場に放り出したことになるね。 結果は「窮して終り」になったね。私:教師が内側から改革するには、少人数制のような条件と、自主裁量の提供と、それに対応できる教師間の研鑽の時間と場の提供が不可欠だろうね。 それが市場原理的な方法によって提供できるかどうかだね。 そうでなければ、タクシーと同様の結果になるだろうね。 フィンランドはその道をとらなかったね。
2008.11.26
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A氏:新聞、テレビのマスコミは連日、「元次官宅襲撃事件」を報じているね。 そのため、例の「前空幕長論文」問題1.2が忘れかけてきたように思えた。 それが、昨日、今日と連日で朝日新聞の「あしたを考える」という欄で大きくとりあげ、この問題の底流にふれているね。私:先週の16日日曜のテレビ朝日・サンディプロジェクトでは、田原総一郎氏が大問題だととりあげていて、軍のクーデターまがいの危機感をあおっていたね。 一週間後の一昨日の23日のサンディプロジェクトでは、今度「元次官宅襲撃事件」とテロとの関係に話が拡大し、戦前の五・一五事件や二・二六事件の頃と似ていると田原氏は強調していたね。A氏:今、政治や経済が与える閉塞感はすごいね。 首相が2人続けて、政権を1年で放り出し、3人目も同じ行き詰まりの状態だ。 麻生首相が基礎的な漢字の読み方も知らないとなると致命的だね。 日本人ではないからね。 英語のほうがうまいようだが。私:そして、百年に一度と言われる不況の恐怖感があるね。 この変な不安感ムードは、こわいね。A氏:前空幕長の話題にもどるが、新聞記事では旧陸軍と自衛隊とは組織の上では断絶しているが、国家や国民を守るという役割は共通しているものがあるという。 「何が連続し、何が連続していないのか」について明確な規準がないと新聞は書いているが、旧陸軍と連続しているものなどないのではないの?私:自衛隊の幹部教育は、戦前の反省から、事実関係や知識を積み上げていく科学的な授業が重要視され「歴史観や国家観を真正面から取り上げる講義はない」と防衛省の幹部は言っているそうだね。 だから、旧陸軍との連続性はないはずだね。 その点で田母神氏が統幕学校の校長時代の03年に、幹部教育に「歴史観・国家観」の講義を新設したのは「異例」のことだという。 しかし、なんで「異例」のことが放置されたのかね。A氏:16日日曜のテレビ朝日・サンディプロジェクトでは、元自衛隊の将校だった志方俊之氏と軍事ジャーナリスト田岡俊次氏が対立したね。 しかし、二人の意見はすれ違いだね。 君が言うように、この問題は2つの論点を分けないと、混乱するね。 1つは「侵略戦争史観」「東京裁判史観」の議論。 2つ目は、文民統制・シビリアンコントロール問題だね。私:産経新聞は、自衛隊を「日陰の存在」にしている1の問題をクローズアップしたいようだ。 朝日新聞は、それと反対の史観だからね。 今日の朝日新聞では、見出しに「政界、共感が見え隠れ」とあるが、これを強調したかったのかもしれないね。A氏:前防衛大校長の西原正氏の談話が載っているが、田母神氏の「負の歴史」の全否定は不健全であり、自衛官も思想の自由はあるが、公務員である以上、政府見解と違うことを公言することは問題で、米国でも軍のトップが「イラク介入反対」と言えば解任されるとしているね。 朝鮮戦争でマッカーサーを解任したトルーマン大統領を思い出すね。私:これも「侵略戦争史観」「東京裁判史観」と、シビリアンコントロールが混同されているね。 先週の「週刊朝日」では、田母神論文は「『上杉謙信が女だった』という珍説と同じだ」と、現代歴史家の秦郁彦氏と田岡氏の対談を特集している。 田岡氏が特に問題にしているのは、論文の質よりも「自分に都合のいい情報だけつまみぐいして主張する思考パターンだ」ということだね。 これは戦争するときの司令官の思考力としては三流だね。 謀略の罠に容易にはまるパターンだね。A氏:戦前の反省から、事実関係や知識を積み上げていく科学的な授業が重要視されているという自衛隊の幹部教育方針と反するね。 「相対的思考」の欠如だね。私:防衛庁から防衛省に格上げされてから1年10ヶ月の間にトップの大臣が6人目という短いサイクルも「統制する側の大臣が制服組になめられる要因」としているね。A氏:それは防衛省だけでなく、大臣がコロコロ代わる他の省庁も同じではないの? 社会保険庁なども長官はコロコロ代わっていて、その間にデタラメを繰返してきた。私:最近は、首相までコロコロ代わり出したね。 麻生首相が選挙を延ばすなら、日本語が正確な福田さんはやめなかったほうが国のためだったようだね。 福田さんの読みは外れたようだね。
2008.11.25
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気骨の判決私:国会でも、この選挙介入について、昭和18年2月4日の本会議で、貴族院議員の大河内輝耕氏が膨大な資料で東条らにつめよっているが、所詮、翼賛議会。 司法の判断を待つしかなくなるね。 そして、 東条は昭和19年2月28日に、司法のトップ層が集まる「全国司法長官合同」という集まりを臨時に開催させる。 そこで、東条首相が威圧的な訓辞をした。A氏:三権分立でいくとすると、東条は翼賛選挙で立法と行政を一体化させたが、今度は司法まで一体化しようというわけだね。 独裁国家体制を目指すね。私:このときの東条の演説は法曹界では「東条演説事件」と呼ばれているという。A氏:そのような東条らの圧力に抗して、審議を進めるのだから、吉田判事に対する圧力は大変だったろうね。私:死を覚悟の調査であり、審議だったらしいね。 これには吉田判事の人物が影響しているね。 明治17年生まれ。 貧しい家に育ち、苦学する。 そこで「気骨の人」が育つ。 そして、21歳で難関の司法試験には2番目の成績で合格する。A氏:この頃は、日本に階級格差はなかったんだね。私:昭和19年6月に大審院刑事部が不敬罪に問われていた尾崎行雄に無罪判決を言い渡す。 このときの判事、三宅正太郎は、かって、吉田の部下であったという。 翌7月にはサイパン島が陥落し、東条内閣は総辞職。 しかし、軍部の司法への圧力は変わらず、軍人有利の判決が多発。A氏:そして、これに対抗して昭和20年3月1日の選挙無効の判決になるわけだね。私:吉田はその3日後に大審院を辞職している。 国家に逆らう判決を出した吉田は終戦まで危険人物として見なされ、特高の監視も続いていたようだね。 吉田は大学の講師を続けていた。 敗戦の年、政党作りを始めた鳩山一郎の要請で、自由党政調調査会の顧問に就任する。 「気骨の判決」を鳩山が歓迎していたことを示すね。 そして、自由党の憲法改正案作成に参加する。 昭和46年9月20日、老衰のため87歳で他界。 氏を知る人は、 「自分自身が社会の底辺で苦労を重ねただけに、貧しい人にも豊かな人にも、一切の予断を抱かずに、平等に謙虚に耳を傾け、その人のことを全て信頼しようとする『人間主義』だった」という。A氏:今、日本の政治も混乱しているが、こういう「気骨のある人」がいたらねと思うね。 しかし、社会の底辺を知らない世襲議員が多い国会だからね。私:アメリカは苦労人の黒人オバマを選んだ。 日本はどうなるのかね。
2008.11.24
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気骨の判決私:昭和20年8月15日に敗戦となる。 その年の3月1日、当時の大審院第三民事部の裁判長吉田久は、昭和17年4月30日の衆議院選挙で、鹿児島県2区の選挙は無効だとした判決を出す。 大審院の判決は今の最高裁の判決と同じだ。 これにより、19日後の3月20日には選挙をやり直している。A氏:買収問題かなんかあったのかね?私:いや、違う。 政府の介入だね。 昭和16年10月に東条内閣が誕生する。 日本は憲法上、三権分立だが、東条は、国策に沿っておとなしく従う議会を作ることを考える。 当時は、まだ、元気のある議員がいた。 昭和15年2月には、民政党の斉藤隆夫が、有名な「反軍演説」を行っているね。A氏:陸軍は、この演説は聖戦への侮辱だとして攻撃し、記録は削除され、斉藤は議員を除名される。私:削除された内容は「ただいたずらに聖戦の美名に隠れて、国民的犠牲を閑却し、曰く国際正義、曰く道義外交、曰く共存共栄、曰く世界の平和、かくのごとき雲を掴むような文字を並べ立てて、そうして千載一遇の機会を逸し、国家百年の大計を誤ることがありましたならば、現在の政治家は死してもその罪を滅ぼすことはできない」A氏:今から、みると、まさに国家百年の大計を誤ったね。 アジアの共存共栄の美名のもとにね。私:当時、東条は陸軍大臣だね。 こういう一部議員の存在を苦々しく思っていた。 自分が首相になったとき、議会も思う通りに動かしたい。 昭和17年2月に東条首相は、一部の議員、陸海軍の幹部、財界や大政翼賛会の幹部を官邸に招き、選挙に向けての協力を依頼する。 これにより「翼賛政治体制協議会(翼協)」が作られる。 そして、選挙候補者に対して「翼協」推薦候補を出す。 反政府的な候補者がいる選挙区には「翼協」から対立候補を立てる。A氏:「刺客」だね。私:推薦を受けなかった政治家には、片山哲、鳩山一郎、芦田均、三木武夫という戦後の総理経験者も含まれていた。 戦後の大臣も務めた安藤正純、河野一郎、一松定吉、西尾末広、犬養健、世耕弘一などがいる。 「憲法の神様」の尾崎行雄も非推薦だね。 「反軍演説」の斉藤隆夫も当然、推薦されない。 そして、これらの非推薦候補に対して、選挙活動で「翼協」や警官などのあからさまな妨害が始まる。A氏:開発途上国の選挙みたいだね。私:昭和17年4月30日の選挙は、投票率83.1パーセント。 「翼協」推薦候補は、381人が当選し、全候補の8割を超える。 東条の試みは一応、成功するね。 しかし、三木、斉藤、尾崎はそれでも当選する。 鳩山一郎は、当時の日記に 「だんだんと乱暴の干渉をきく。 憲法は実質的に破壊される。 選挙にして選挙にあらず」 と書いているという。A氏:しかし、そういう中で、なんで、大審院まで選挙妨害の訴訟が出たんだろうね。私:鹿児島2区で当選した4人は全て「翼協」推薦候補だった。 落選した非推薦候補らは黙っておらず、ひそかに選挙介入の証拠を集め、選挙無効の訴訟を霞ヶ関の大審院に提訴する。 鹿児島県知事まで選挙介入している。 当時は、県知事は内務省からの移動人事だね。 こうして、この本の主人公である大審院判事吉田久氏が登場することになるね。 明日は、その話に移ろう。
2008.11.23
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タクシー王子、東京を往く。A氏:君のブログでは、タクシー知的街道があるね。 タクシーの値上げ、タクシー参入一部制限、大阪のタクシー、タクシー運転手との車内での会話・その5、タクシーの運転手との会話・大阪府のビッグプロジェクト、大阪のタクシー、家紋とタクシー、ゲリラ豪雨再会とクーラー病、ガソリン代とゲリラ豪雨と続いたね。 それとタクシーの運転手は景気の変化をいち早く感じる職業だね。私:俺がタクシーに興味があったのは、規制緩和に関係しているからだ。 規制緩和すると競争で経済効率が上がるといったが、結果は、料金が値上げとなり、運転手が貧困化した。 規制緩和の典型的な失敗例だね。 俺は、ムダをなくす規制緩和撤廃は必要だが、一方的な「市場原理主義」による「規制緩和至上主義」は危険だと思っているね。 なんでも、1つの主義を徹底するのは危険だね。 現実は多様だからだ。 養老孟司氏、同様、「教科書に墨を塗った世代」の身についた感覚だね。 田母神前幕僚長の発言のように、単細胞的な発想と違うね。 「相対的思考」でもあるね。A氏:この本の著者は、タクシー業界の大手日本交通の3代目社長だと言うことだね。 テレビに出たこともあるね。私:3年前に34歳で業界最年少の社長となるが、先代のバブルの負債の返済で、苦労するね。 しかし、この本は、そういう話が中心でなく、約1ヶ月間、社長業務を放り出し、実際に一人のタクシードライバーとして活躍した日記風の話だね。 文章が軽やかで、読みやすく、ドライバーの運転心理や、乗せた客の描写など、内容的にもあきさせないね。 休みがあるから、1ヶ月で13回の乗務。 やらせはなく、すべて普通の運転手と同様に、終業後の洗車までやる。A氏:一時問題になったタクシー運転手の貧困化問題は出てこないの?私:その話は出てこないね。 この本によると、日本交通のタクシー運転手の平均年収は521万円、東京のタクシー運転手の平均は448万円だという。A氏:結構、稼いでいるね。 もっとも、最近の突然の不況で先は分からないがね。私:俺はタクシー業というのは、規制緩和して競争しても、画期的な技術革新やビジネスモデルが出る業種でないので、あまり意味がないと思っていたが、結構、改善はしているんだね。 日本交通は、タクシーをハイヤーレベルに黒塗りにしたり、専用プール場所を作ったりしているね。 そして、無線通信、GPSなどのIT化をしているね。A氏:IT化になると施設費用、ソフト費用などでやはり日本交通のような大手が有利だろうね。私:そうだね。 それにこの本を読むと東京の客はカネがある感じだね。 大阪と違う感じだね。 背景には、東京と大阪の経済力の違いを感ずるね。 やはり、東京のほうが、金持ちが多いという感じだね。 13乗務で、客を乗せた回数が427回、売上約83万円だから、1回平均約2千円かね。 そして、ときどき、万円単位の長距離客が乗ることが結構あり、これが売上増に貢献していることが分かる。A氏:それが、大阪では5000円以上は半額だから、痛いね。私:大阪のタクシー運転手がそう言っていたね。 この本を読むと、タクシー運転手も結構、頭を使うし、ノウハウがあるから、適任者とそうでない人は分かれるようだね。A氏:収入格差かね。私:なんでも格差はあるよ。 問題は、それによる貧困だね。 格差によって市民として正常な生活ができない貧困化だね。 そしてそれが子どもの教育につながって、階級のように固定化することだね。 格差問題にはその混同と誤解があるようだね。 とにかく、面白い本だった。 中身はあまりないがね。
2008.11.22
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イギリス「教育改革」の教訓私:「イギリス病」の労働党政権の下、イギリスの少年犯罪は増加し、子どもの基礎学力は低下した。 それがまた、イギリス経済の停滞の原因となり「イギリス病」を加速したということになるね。 社会主義教育の「イギリス病」からの脱出が急務だったわけだね。A氏:サッチャーの「教育改革」はこのような背景で行う必要が生まれたのだね。私:サッチャーの「教育改革」の内容については、このシリーズの4の1でふれたが、再録する。 サッチャーの「1988教育改革法」だね。 1.全国共通カリキュラム 2.統一学力テスト 3.統一学力テストの結果公表 4.これによる親への学校選択権の付与 5.学校の自治の保障 6.国による学校査察機関の設置 この「1.全国共通カリキュラム」には、イギリス国民としてその宗教的伝統であるキリスト教を理解する必要があるとして、これを必修科目とした。A氏:日本の道徳教育と同じだね。私:「サッチャー教育改革」の結果は、インターネットの「イギリス病を克服した教育改革」によると 1977(昭和52)年の年間20万人を超えていた少年犯罪者数が、2002(平成14)年には約10万人と半減。 中学校卒業時の全国共通試験で基準レベル以上の成績をとった生徒は、1955(昭和30)年には10%に過ぎなかったが、1998(平成10)年には46%まで増加。 1976(昭和51)年のバークシャー州教育レポートは「ある中学校では、入学者の2/3が九九を知らなかった」と報じていたが、2000(平成12)年に経済協力開発機構(OECD)が15歳を対象とした国際学力比較調査では、32カ国中、イギリスは「数学能力」8位、「科学能力」4位という好成績。A氏:岩波のブックレットでは、サッチャー教育改革を批判しているが、「イギリス病」克服のときは、反対のデータが出ているね。私:フィンランドは、サッチャー方式と明らかに逆の考えで公的な教育を行っているが、それぞれ、国の歴史が背景にあるね。 日本も「侵略史観」「東京裁判史観」という過去を背負っているからね。 「沖縄教科書問題」はいまだにもめているからね。A氏:中山大臣のような日教組アレルギーもあるね。 大分県のような教員の縁故採用という日本的なシステム問題もあるね。私:単純なイギリスの真似も、フィンランドの真似も弊害もあるだろうから、日本は独自の道をさぐるしかないのだろうね。 そのためには、和田中のようなトライ・1.2をしている多くの公立学校のノウハウを生かしして拡げて行くことが必要だね。 16日のテレビ朝日のサンディプロジェクトで、財部氏のフィンランドの取材があったが、最近、理科系の学生が増加してそうだね。 国際的な技術競争力アップの国家戦略だね。 日本も戦後、アメリカに技術力、工業力で負けたというコンプレックスからか、理科系重視の教育ムードが当時の国家や産業の指導者にあったね。 それが世界的に強い「物作り」に強い日本のもとになった。A氏:ところで、イギリスは「イギリス病」を克服して、金融業で成長を遂げてきたが、今度の金融危機でどうなるだろうかね。 4年後のロンドンオリンピックのカネも必要だしね。私:ベルリンの崩壊で、社会主義が崩壊した。 しかし、今、資本主義もおかしくなってきた。 日本では「蟹工船」がよく売れ、ドイツでもマルクスの「資本論」が売れている。 教育もどのように変るのかね。
2008.11.21
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イギリス「教育改革」の教訓私:インターネットで「イギリス病」を検索したら、「イギリス病を克服した教育改革」というのが出てきた。 表題の岩波のブックレットとは関係ないようだが、実は、深い関係にあるね。 岩波のブックレットでこの「イギリス病を克服したサッチャーの教育改革」にふれていないのは、片手落ちだね。A氏:「イギリス病」というのは、第二次大戦後にイギリスが労働党政権になり、社会主義政策をとったのが原因だろうね。 産業の国有化が進むね。 それが、1960年代に崩壊して「イギリス病」になる。 社会主義イデオロギーの失敗だね。 ソ連が崩壊して、社会主義イデオロギーの最後の砦が敗北するのが、1990年代だが、社会主義イデオロギーの敗北は、すでに1960年代にイギリスで始まっていたんだね。私:このインターネットの「イギリス病を克服した教育改革」という項目は、国際派日本人養成講座という中にある一つのテーマだね。 まず、歴史は1944年に始まる。 当時、イギリスはチャーチル首相の下の保守党・労働党の連立政権。 そこで「教育法」が決まるが、チャーチルは戦争で多忙で、この法律は労働党の考えが強く出ており、次の3本柱からなっているという。 1.児童の権利を尊重する人権教育の推進 2.イギリス帝国主義批判の歴史教育の推進 3.教師の自主性を尊重する教育行政の確立 この2の「イギリス帝国主義批判の歴史教育の推進」はイギリス教員組合である「教師労働連盟」のマルクス主義的な階級闘争史観がベースにあったという。 反人種主義が当然、含まれるね。A氏:イギリスは人種主義的な植民地政策をとってきた大国だから、第2次大戦後には植民地の独立とともに、その植民地政策の歴史教育が問題になるね。私:植民地からの移民が増えるが、その移民の自主性を重んずるために、組合教師たちはイギリスの公立校でありながら、「国語(英語)」の時間を削って、インドや中南米の言葉を教えたり、イギリス史にかわって旧植民地国の歴史を教えたり、キリスト教の集団礼拝を取りやめたりしたという。 イギリスのこうした流れの中で登場したのが、自虐的な中学校用歴史教科書であったという。 イギリスの「侵略」に比較したら、日本の「侵略」なんてゴミみたいなものだからね。A氏:イギリスの植民地政策の人種差別を自虐的に教えるのかね。私:例えば、教科書に「地球のボールから餌を食べている巨大なブタ」がマンガで描いてある。 これは大英帝国(巨大なブタ)が貪欲に植民地を搾取して肥大化した様子を示すものだという。 あるいは、イギリスの君主制と階級社会の批判や、キリスト教が人種差別を正当化する宗教であることの非難を教科書にマンガで示したという。A氏:そういう自虐的な歴史教育では、イギリス国民は、国としての自信を失ってしまうのではないの? 宗教も否定され、道徳心も失うね。 マルクスは「宗教は阿片だ」と言うからね。 マルクス主義教育だね。私:1979(昭和54)年に登場したサッチャー保守党政権は、経済が停滞している「イギリス病」の原因の一つにこの教育があるとし、介入しようとした。 しかし、「教育法」の3本柱の1つである「教師の自主性を尊重する教育行政の確立」が障害となった。 「教師の自主性」という美辞麗句の陰には、公教育では学校を選べず、教師も選択できない生徒が特定イデオロギーを押しつけられる、という事態が生まれていたという。A氏:イギリスで、自虐史観を教えたり、教員組合が強かったりというのは、何か戦後の日本教育の問題と似ているね。 安部政権での「教育基本法」の改正動機と似ているね。私:最近では、中山大臣が辞任に追い込まれた日教組問題にも似た問題が出ているね。 明日は、これに対してサッチャーのとった対策にふれよう。
2008.11.20
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イギリス「教育改革」の教訓私:2004年7月、ウェールズ地方政府のジェーン・デビットソン教育長官は「ウェールズ全域の小・中学校でナショナル・テストは廃止する」と発表した。 これは、ロンドンの中央政府にとっては衝撃的で、「本家に反旗を翻した」ことになる。 実は、ウェールズはその前の2001年にテスト結果の公表をやめることを決定しているおり、7歳児のテストも同じ年に廃止している。 ウェールズ地方政府のデビットソン教育長官は、ウェールズの教師と親たちと話して意見を聞いて決定したという。 2003年に「ナショナル・テスト見直し委員会」を設置して、学校関係者、生徒、親から幅広く意見を聞いた。A氏:サッチャー改革の弊害が出ていたのかね。私:子どもが被害者になっているんだね。 ナショナル・テストで学校がよい成績をとると学校は人気校になり、入学希望者が増え、予算が増える。 子どもにプレッシャーがかかる。 いろいろな地方行事への参加時間や野外で遊ぶ時間をケチって、模擬テストに費やされる。 子どもを勉強嫌いにして、言語能力、社会性、独立性、創造性の発達に影響を及ぼすというわけだね。 こうした調査により、ウェールズ地方政府はナショナル・テスト廃止に踏み切ったわけだね。 幼児教育は、「机に座った学習から幼児を解放」し、7歳まではフォーマルな教育をせず、戸外活動を重視するようにカリキュラムを修正中という。A氏:「よく学び、よく遊べ」だね。私:スコットランドのほうは、サッチャー教育改革導入の最初から、強い抵抗があったが、妥協案で押し切られたようだね。 しかし、その後、見直しが進み、「子どもの学力を数値によって測る体制から、『子ども中心』の教育への移行」を推進しているという。A氏:御本家のイングランドではどうなんかね。私:当然、教職員組合や校長会から反論が出ているようだね。 ブレア政権は、これに対して柔軟な姿勢を見せるようになったという。 しかし、「市場原理」的な根幹を変えるものではない。 2006年には、校長は競争に疲れてきたのか校長会が反旗をあげたという。 すでに、校長不足がイングランドに起きているという。 一方で、独創的な教育をしている学校も出てきたという。 2009年の選挙で保守政権が登場すれば、教育制度は大きく変わるだろうという。A氏:ブレア政権は、サッチャーの教育改革による格差をかなり解消したのではないの?私:しかし、労働党政権下でむしろ貧富の差が広がったという指摘がされているという。 統計によると貧困層の中でさらに下層に落ちた世帯が大幅に増加しているという。 著者はここでフィンランドの市場原理によらない教育モデルにふれているね。 フィンランドには統一学力テストもないし、国家による査察制度もない。 学校と教師は社会から信頼され、教育の責任を担っている。 フィンランドの教育相は「フィンランドの教育は『子ども中心』である。 競争原理はスポーツの世界には適しているが、教育には適さない」と言っているという。A氏:これは君のブログの「平等社会 フィンランドが育む未来型学力」、フィンランドの子、なぜ優秀、「競争やめたら学力世界一・フィンランド教育の成功」1、2、「受けてみたフィンランドの教育」1、2、「教育立国フィンランド流 教師の育て方」と続いたフィンランド教育の知的街道で繰り返し登場する考えだね。私:ところで、俺はこのブックレットを読むうちに、サッチャーも「イギリス病」退治でたいぶ苦労して、教育に「市場原理」を導入したと思うんだね。 へそ曲がりの俺は、サッチャー以前のイギリスの教育状況に知的興味が湧いて来たね。 それが、このブックレットにないのが残念だと思ったね。 明日からは、このブックレットにないが、サッチャーの「教育改革」以前のイギリスの教育状況を調べてみよう。
2008.11.19
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イギリス「教育改革」の教訓私:著者は、イギリスで暮らし、息子のイギリスでの公立学校で起きていることを間じかに見ながら、ジャーナリストとしての取材を行う。 この薄いブックレットはそれをまとめたものだね。A氏:イギリスの教育と言えば、サッチャーの教育への「市場原理」導入による「教育改革」が有名だね。 公的教育に統一学力テストを導入し、テスト結果を公表し、学校を競争させ、親に好きな学校を選ばせるというわけだね。私:このブックレットは、その約20年の効果をまとめている。 サッチャーの教育改革の内容は、「1988教育改革法」が中心だね。 特徴は、公的教育についての次のようなものだね。 1.全国共通カリキュラム 2.統一学力テスト 3.統一学力テストの結果公表 4.これによる親への学校選択権の付与 5.学校の自治の保障 6.国による学校査察機関の設置A氏:カリキュラムとテストは国が標準を決め、そのカリキュラムにそって、学校の成績がよくないと学校の経営自己責任を査察機関から問われるというのは、「市場原理」導入にしては、厳しいね。私:サッチャーが教育改革を必要とした理由は、戦後の「イギリス病」による国民の学力低下を脱するためだね。 「揺り篭から墓場まで」という社会福祉政策の見直し、国営企業の民営化などと並行しているね。A氏:イギリスは1997年に労働党のブレア政権となる。私:ブレアはサッチャー教育改革を引継ぎ、政権の重要課題を教育に置いた。 保守政権では教育費の削減、教員減に悩んでいたのに対し、教育費用を増大させ、教員の給与を上げ、増員するなどの積極政策をとった。 しかし、統合テストとその結果発表などのサッチャー改革の柱は維持して「学力向上」を継続し、強化して、国家管理が強まったという。A氏:「市場原理」を学校の教育競争に導入すると、「落ちこぼれ学校」が生まれるのではないの?私:成績低迷校は、主に都市部の貧困地域に集中し、格差を固定化しつつあった。 ブレア政権は、それらの学校に対する支援策や雇用策を実行する。 サッチャーの「教育改革」のプラス面は、ガリキュラムを統一したことで、それまで教師任せの内容が明確になったことだね。 それと学校の自主的な責任が与えられたので、学校経営の行動が機動的になってきたと考えられる。A氏:それだけイギリスは教育政策に力を入れたんだが、目的とする学力は向上したのかね?私:ブレアは2006年11月末の演説で学力は向上したと言っているという。 しかし、効果があまりなかったというデータもある。 そして、「思考力」や「表現力」の低下が指摘されているという。A氏:点数で学校の競争が測定されるから、生徒は「点取り虫」「詰め込み」教育を受けるようになるのかね。私:日本でも学力テストをすると教師が「指差し」というような、ひそかに生徒に正解の場所を指で示すという不正行為が問題になったが、イギリスでも起きているんだね。 日本では、成績の悪い子はテストの日には休ませる手もあるという。 しかし、イギリス政府がこのテストに固執するのは、依然としてイギリス人の基礎学力に問題があると考えているからだという。 このシステムの弊害に反抗しているのは、イギリス本土(イングランド)以外のウェールズとかスコットランドだね。 明日は、その地域とフィンランドとの違いにふれよう。
2008.11.18
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私:先日夜、突然、俺の「前空幕長と『言論の自由』」のブログを見た知人K氏から電話をもらった。 産経新聞に問題論文の全文が掲載されたとのことなので、FAXしようかという電話だった。A氏:ところで、一昨年の君のブログの「われ巣鴨に出頭せず」で、昭和3年の張作霖爆破事件や昭和7年の上海事件がソ連の陰謀だということを引用していたね。 田母神前空幕長の論文には、これが載っているようだね。私:「われ巣鴨に出頭せず」の著者は、この情報はかなり確度が高いというが、ウィキペディア(Wikipedia)の「張作霖爆殺事件」によると「異説」としてあげており、専門家の間では評価は低いようだね。 「満州事変から日中戦争へ」でも、河本大作大佐らの計画として扱っているね。A氏:河本大佐は、この事件で左遷されるが、君のブログでは、山西省での戦後の居残り日本兵を扱った「蟻の兵隊」1.2.3で、山西省の日本国策会社の山西産業の社長として登場するね。私:電話をもらったK氏から、昨日、突然の電話の失礼を詫びた丁寧なメールが来たよ。 K氏はまだ、現役パリパリのやり手だ。 彼の父上が俺たちの兄貴の世代だね。 K氏の父上は、終戦前は勤労動員で授業どころでなく、複列24気筒のどデカいエンジンを作らされていたそうで、「部品はない、何は無い」で、ちっともエンジンが出来ず、4台できるとトラックに積んで、「万歳」して出荷していたという。 計画倒れになった4発爆撃機(連山)のエンジンだったのかもしれないとのこと。 K氏の母上も田舎に疎開して、勤労動員で電波探知機を作っていたとのこと。 K氏は「オフクロがそんなことやらされるようなら、そりゃ、負けるわ!」 とメールに書いてあった。 また、K氏は、「どうも、山本七平さんの『日本軍もの』などを読む限りでは、『侵略』どころか、何か盲滅法に動き回って、外地の住民にも食料の挑発などで生活をムチャクチャにしたうえ、『勝手に自滅した』に近いように見えます」と書いてあった。 その通りで、東京裁判の「共同謀議」の疑いをかけられるほど、名誉な敗北ではないね。A氏:「村山談話」の村山さんも、一時は、自衛隊は違憲、日米同盟廃棄といっていたのではないの? それが首相の地位のニンジンでごまかされたのか、自衛隊は違憲でないと言い出す。 かついだ自民党も自民党で人としての節度がないね。 結局、「村山談話」であいまいなまとめをしてしまい、敗戦の総括をきちんとしなかったことが、まだ、長く尾をひいているようだね。私:しかし、戦後の日本をゼロから築いた人たちは、負けた悔しさをバネにしたと思うね。 アルプス電気の創業者故・片岡勝太郎氏は、戦争中は中国で中尉かなんかで無線部隊にいたが、無線機の部品がアメリカ製なんで日本技術の低さを痛感したという。 敗戦後、大手企業の課長をやめ、そのアメリカコンプレックスからか、電子部品メーカーを数名の同志と立ち上げ、苦労して、アメリカを追い越すまでに成功する。 技術に負けたくやしさだろうね。A氏:ソニー、ホンダなどの創業者は世代的にその技術コンプレックスがあったようだね。 皆、「負けた悔しさ」が体にしみこんで、戦前、戦中の日本にならないように苦労したんだろうね。 戦後の「物づくり」日本の立国をした世代は、それら負けた悔しさをバネにしたと思うね。私:K氏のメールは最後に「とにかく、事実は事実、外交テクニックは外交テクニックとして、明確にしておく必要はあるでしょう。 私にとっては、まず『事実』が知りたい、そう思います」としめていた。A氏:その外交も、国際連盟脱退、日独伊三国同盟の締結、日ソ中立条約の締結などの立役者の松岡洋右は、後でヒットラーの対ソ戦略にだまされ、「奇々怪々」としてガックリするね。 その松岡が、君のブログの徳富蘇峰著「終戦後日記・『頑蘇夢物語』によると、敗戦間際に、病床で、「日本には必ず、神風が吹くから負けない」と言っていたそうだから、英語はペラペラでも、しっかりした人としての信念がなかったのだろうね。私:外相広田弘毅の「トラウトマン工作」なんて、何をやっていたのか訳が分からないね。 とにかく、敗戦のコンプレックスから、日本人の歴史に対して、変に元気よくなったり、被害者意識なったりしないことだね。 戦前を乗り越えて、敗戦の荒廃をなんとかGNP世界2位まできた戦後をかみしめるべきだね。 戦前をきちんと反省して、失敗から学び、日本軍幹部のようなデタラメを再びしないことだね。 特に自衛隊はね。
2008.11.17
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『地球温暖化』論に騙されるな!私:面白かったのは、温暖化・寒冷化と歴史との関係だね。 4世紀、温暖化で中央アジア一帯に緑が増え、このあたりで暮らす人間の数が増えた。 もちろん、この温暖化は二酸化炭素によるものではない。 ところが、同じ頃、温暖化から寒冷化が始まる。 そのため、中央アジアでは緑が消え、砂漠化し、遊牧民は生活ができなくなり、鍋釜を持って家族を連れ、民族大移動が起こる。 日本でも、聖徳太子の頃、大陸から多数の帰化人が来るが、これも寒冷化のための南下が考えられるという。A氏:これからは、地球は温暖化よりも寒冷化が予測されるのかね。私:すでに述べたように、地球温暖化の要因は5つあった。 その第1の要因の太陽の活動は、2000年くらいから、黒点が減り始めていることだね。 さらに過去の傾向を考慮すると、さらに低下する可能性が非常に高いという。A氏:これは地球の温度を下げる方向に働くね。私:第2の要因は、地球磁場と宇宙線だったね。 これは、地球の磁場がここ100年で急速に減少しているという。 そうなると、2035年ごろまでに宇宙線が増加して、雲が増え、地球の温度を下げる方向に働く。A氏:これは、文言春秋5月号の同氏の「地球はこれから寒冷化する」にもあったね。 大気の主体は水蒸気の雲で雲の量が1パーセント増えると、気温は1度下がる。 人為的二酸化炭素より、雲の量の変化の方がはるかに温度への影響が大きい。 その雲の量にもっとも大きな影響を与えているのは、最新の宇宙物理学によると、銀河宇宙線の飛来量だ。 昨年のIPCCの4次報告書からは、温室効果ガスとして二酸化炭素の約10倍の効果を持つ水蒸気についての記述が消去されているそうだねA氏:第3の要因は火山の噴火だが、これも起こる可能性は否定できないね。 噴火すれば、地球の温度を大きく下げる方向に働く。私:第4の要因は、地球の軌道だが、今後、南半球に太陽エネルギーが多く届く時期になると予測されるが、海の存在のため、気温があがりにくいと考えられる。 最近の宇宙物理学では地球の気象は銀河の中の相互作用できまるという。A氏:最後の第5の要因は温暖化ガスだが、これも気温を上げる原因となる。 それに関係するのが人為的二酸化炭素だね。私:しかし、これは、年に1.0~1.4ppm程度の増加で、温度に換算すると0.004~0.005度の上昇に過ぎないから、その温室効果は微小だね。 いずれにせよ、著者は、地球寒冷化の対策も打っておくことが必要だという。 寒冷化と食糧供給問題もリンクする。 環境問題も「相対的思考」が必要だね。 ここで、また、例の「ほんとうの環境問題」池田清彦・養老孟司共著(新潮社刊)にある養老孟司氏のユーモラスな名言を再録しておく。 「 アル・ゴアは、温暖化問題は倫理問題だと述べて欧州からほめてもらった。 ノーベル平和賞受賞。 裏がないわけがないでしょ。 世界一炭酸ガスを出しているのは、アメリカなんだから。 ゴアという人は政治家ですよ。 私が住んでいる神奈川県からかって選出されていた参議議員の秦野章氏は『政治家に倫理を求めるのは、八百屋で魚を買おうとするようなものだ』と述べた。 その政治家(ゴア)が倫理問題だというだから、きっと倫理問題なのであろう。 つまり炭酸ガスを出さないのは、倫理なのである。 それなら息を止めて、みんな死んでしまえ、という風にヤケクソなのである。 私が若かったら、たぶんグリーンピースみたいな環境原理主義運動に走っていたかもしれない でも、一億玉砕、本土決戦という戦争をどちらもなしに通り抜けたし、みんなで棒を持って覆面で闘う人たち(注、全共闘)には、エライ目に会わされたから、大勢でやる政治運動はやりたくない。 そういうわけで、池田さんと二人で、ブツブツいうしかないのである。 新潮社もこんな本を出して、どういうつもりなんだろうなあ。」A氏:講談社もこんな本を出してどういうつもりなんだろうね。
2008.11.16
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『地球温暖化』論に騙されるな!私:地球温暖化の第1の要因として温室効果ガスがあるが、第2の要因としてまず、太陽の黒点活動があるね。 太陽の黒点活動が盛んになると、太陽エネルギー増加で地球の温度はあがる。 あるデータでは気温の上昇は太陽活動の活発度とおおむね比例しているという。 1960年からのデータだと、11年サイクルで温度が上下しているね。A氏:地球の磁場も関係するそうだね。私:地球温暖化の第3の要因として、地球の磁場がある。 地球の磁場は変化しているんだね。 弱くなると、宇宙線がたくさん入ってくるので、雲が増える。 地球を覆う雲の割合が増えると地表の温度は下がる。 この400年あまり、磁場は減少していることは事実なので、雲ができやすくなっている。 寒冷化の予兆だね。 今から約4万年前には、地球磁場は現在の約3分の2まで落ち込み、地球が寒冷化した。 この要因は、IPCCのシミュレーションに含まれていないという。A氏:第4の要因は?私:火山活動の変化も無視できないという。 最近では、1991年のフィリピンのピナツボ火山の噴火は、2年間にわたって、地球の平均温度を0.5度から0.6度低下させた。 この数字は、人類が150年かけて大気中に蓄積した二酸化炭素の温暖化ガス効果すべてに匹敵するという。 第5番目の要因は、地球の公転の変化だという。 地球と太陽の距離は一定でない。 10万年、あるいは40万年の周期で変化するという。A氏:地球温暖化と二酸化炭素の関係はよくわかったが、著者は、今の石油による二酸化炭素の増加を気にしないわけではないのだろうね。私:問題にしているのは、石油資源が枯渇するのは、時間の問題だということだね。 早期に、代替エネルギーをさがさないといけないね。 著者が、むしろ、警告しているのは、地球の寒冷化だね。 食糧問題からみたら、温暖化より、寒冷化のほうが怖い。 そして、確実に寒冷化は進んでいるという。 温暖化防止で皆が熱を上げているために、寒冷化の対応が遅れることを恐れている。 明日は、寒冷化について考えよう。
2008.11.15
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『地球温暖化』論に騙されるな!私:著者は、今年の「文藝春秋」5月号で「地球はこれから寒冷化する」という記事を書いていて、このブログでとりあげた。 地球温暖化の「二酸化炭素犯人説」のインチキを指摘しているね。 この本の冒頭でノーベル平和賞をもらったアル・ゴアの「不都合な真実」を批判しているね。 「不都合な真実」では「大気はとても薄いので、私たちはその組成を変えてしまうことができる」とあり、その大気中の二酸化炭素が今にでも、大気中に満ち溢れ、その組成を変え、温暖化を加速するかのように危機感をあおっているという。A氏:しかし、大気中の二酸化炭素の割合は質量比で0.054パーセント。 体積比0.04パーセント。 しかも、毎年の増加量は1ppmくらいだというね。 ゴア氏の言うようなそんなに大きな変化は考えられない。私:ゴア氏は「西南極の氷、またはグリーランドの氷がすべて溶けると、海面が約6メートル上昇する」と言う。 しかし、氷が溶けて水蒸気が増えれば、その水蒸気が上昇して雪となり、降り積もって氷になる。 ゴア氏がよりどころとしているIPCCの専門的な予測さえ「海面の上昇は最大約60センチ」だという。A氏:単位を間違えたのではないの?私:イギリスの高等法院は、この映画は科学的な根拠がおかしな箇所があるので、学校でこの映画を上映するときは、注意が必要としているという。 ゴア氏の主張のよりどころが、IPCCの研究成果だが、これが問題だね。 世界各国から約4千人の科学者が参加しているというが、いろいろな専門分野があるからね。 これが複雑にからんでいるのをゴチャゴチャ投入して、スーパーコンピュータでシミュレーションして平均的な数値を出す。 シミュレーションはいろいろな仮説をもとに人がプログラムを組む。 養老孟司氏は、このシミュレーションが問題だとしている。A氏:スーパーコンピュータの結果だといっていも、計算の論理は人が作ったものだね。 地震さえ、予告できないのに、地球規模の問題を正確に予告できるのかね。 神を恐れない行為だね。 専門バカの弊害かね。私:最終報告書の作成には、そんなに大勢ではまとめられないから、せいぜい、数名だという。 その数名の主観的な要因が大きいだろうね。A氏:2007年にIPCCが第4次報告で、二酸化炭素が地球温暖化の主犯であることを報告し、ゴア氏が映画「不都合な真実」でヒットさせ、両者はノーベル平和賞を受賞するね。 異常気象、氷河の後退、砂漠化、森林消失、凍土の融解と砂漠化、山火事、ホッキョクグマの死亡、ハリケーンや台風の増加、水没する島国、伝染病。 「みんな二酸化炭素が悪い」という、マスコミの大合奏となるね。 「みんな貴方が悪いのよ」というわけだね。 しかし、これが全部、デタラメとはね。 信じている人はショックだね。私:事実として、二酸化炭素は増加している。 同時に、気温も上昇しているのも事実。 しかし、過去のデータによると、地球温度上昇の後、二酸化炭素が増加している。 すなわち、海水の温度上昇で、海水中の二酸化炭素が放出されたと考えられる。 また、1940年から1970年の30年間に、人間の活動で二酸化炭素は急激な上昇線を描いているが、その間、地球の平均気温は低下している。A氏:二酸化炭素の増加は、地球温暖化の「原因」でなく「結果」ということだね。私:たしかに、人間の活動によって二酸化炭素の活動は増加しているが、大気中の0.04パーセントにすぎない。 だから、毎年、二酸化炭素が1ppm増えた場合、計算では地球の平均気温はたった0.004度の上昇だ。 地球が温暖化しているのは確かだが、著者は、大きな5つの要因をあげている。 それを明日、語ろう。
2008.11.14
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A氏:昨日の新聞は、例の田母神前空幕長の参考人招致問題を報じていたね。 今朝の朝日新聞の「私の視点」ワイド欄では、元自衛隊の陸将の志方俊之氏をはじめ、3人の人が違った視点でコメントしているね。 志方氏は憲法9条の曖昧さで、田母神氏が「キレタ」というようなことを書いていたね。私:軍人の上層部がすぐに「キレル」タイプでは、不適格だね。 俺はたまたま、昨日、図書館に本を借りに行くついでに、朝日、読売、毎日、産経、日経と主な新聞をざっとみたが、皆、この問題をとりあげていたね。 この問題は、二つに分かれるようだね。 一つは、「過去の日本の戦争が侵略戦争かどうか」の問題。 2つ目は、軍人の「言論の自由」という、「シビリアン・コントロール」問題だね。A氏:朝日新聞の天声人語は、日本の占領時代、帝王のように君臨していたマッカーサー元帥がトルーマン大統領にいきなり解任される話から始めているね。 当時、まだ若き宮沢元首相は、「シビリアン・コントロール」に目を開かれたとある。私:日経と朝日では、日本でも戦後、来栖統幕議長が、「日本が奇襲攻撃を受けた場合、超法規的行動をとらざるを得ない」と発言し、当時の金丸防衛庁長官は「シビリアン・コントロールに反する」として、事実上、議長を解任している例をあげている。 読売も、自衛隊の最高指揮官は、総理大臣だからその総理大臣の政府見解に従うのは当然としており、「シビリアン・コントロール」として扱っているね。 本来、軍隊とは、普通の企業組織と違い、「個人の自由」は極めて限定された組織で、上官の命令には従う厳しい規律を持った組織だがね。 よほど、今の自衛隊は「自由」なのかね、それとも無統制なのかね。A氏:軍隊での「規制なき言論の自由」となると、関東軍の「下克上」を思い出すね。私:それは、「日本は侵略戦争などしていない」という問題に関係するね。 産経は、「シビリアン・コントロール」よりも、この侵略問題の方をもっと議論すべきだとして産経らしいコメントをしている。 田母神前空幕長の論文は、俺は読んでいないが、日中戦争や太平洋戦争は、蒋介石、コミンテルン、ルーズベルトなどの陰謀の罠にひっかかったせいだということらしい。 これを真面目にとれば、当時の日本軍は「謀略の罠にはまりやすい」「やわ」な軍隊だったということになるね。 誇れる過去の歴史ではないね。A氏:君のブログの「戦争で人が死ぬということ」によると、太平洋戦争の戦闘員の戦死者は陸軍165万人、海軍47万人で、広義の飢餓による死者の比率は70パーセント。 海軍の海没者(海没とは、移動などの途中で輸送船が撃沈されて兵士が死んだことをいう)は18万人、陸軍は18万人。私:司馬遼太郎は、日本は日中戦争、太平洋戦争と、なんでこんなバカな戦争をしたのか、しかし、日本人はそんなバカな国民でないはずだ、と明治から歴史をさかのぼる。 「坂の上の雲」は日露戦争の戦いを書いているが、この頃の日本軍人は一流だね。A氏:「明石大尉によるロシア革命への裏工作」があり、逆に「謀略」をしかけている。 日本の戦国時代の武将のように「大人の謀略センス」を持っていたようだね。 それがいつの間にか、列強の謀略の渦のような20世紀の植民地化時代に、「謀略に弱い」「罠にかかりやすい」な国家や軍隊に日本はなったのかね。私:毎日新聞では、第3代防衛大学学長の猪木政道氏の言葉を引用し、1928年の張作霖暗殺事件以降、陸軍が無法集団化したと言っているね。 これは山本七平氏が「一下級将校の見た帝国陸軍」でも述べているね。 司馬遼太郎氏は、大正の末から昭和の敗戦まで、日本人は魔法の世界にとりこまれた日本史上でも特異な時代だとしている。 司馬遼太郎はその原因に「統帥権」をあげているね。A氏:石原莞爾を参謀とする関東軍は政府方針を無視して、満州を攻略する。 規制を受けない「自由」だね。 ところが、石原莞爾は1937年、中央の中国への戦線非拡大方針に反して行動する前線に行き、中央の統制に服するよう前線に説得に出かけたが、かえって現地参謀であった武藤章に「石原閣下が満州事変当時にされた(下克上の)行動を見習っている」と嘲笑される。 武藤章の上司を無視した「自由」だが、その武藤も後に日米開戦で部下の「下克上」にあっているというね。 下克上参謀の典型は、辻参謀だね。私:多くの戦死者は組織のシバリのない「自由な」下克上で無法集団化した日本軍の犠牲者なのか、「国際的な罠にかかった」犠牲者なのか。 多くの戦死者の意味は、田母神氏の世代は、いざ知らず、俺たち世代には重い事実だね。 田母神氏は、軍人なんだから、専門家としてこういう軍事の歴史を論ずるべきだね。
2008.11.13
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私:藤原校長は、「よのなか」科の授業を導入することで、意欲的に学習する子ども、情報処理力と編集力を備えた子ども、自立し貢献する子どもを育成することを目的としていた。 その結果を調べるために、2003年度に和田中に入学した生徒たちの1年のときと、3年生のときの3年間の変化を質問紙調査と学力調査で比較している。 また、同じ杉並区のA中との比較をしている。 3年の間に、和田中は、学力はA中よりも低下し、かつ、和田中内の学力格差も拡大しているね。 原因として、勉強や授業に対する意識の変化があったのかという調査では、和田中の生徒の学習意欲は、A中よりも低下している結果だという。 しかし、「よのなか」科の効果なのか、「発表したり、調べたりする授業への希望」は増加している。A氏:何故だろうね。私:そこで生徒たちの生活について調査をしているね。 家庭の状況では、「家出したい」という生徒は3年間でA中は低下しているのに、和田中は増加し、「親が分かってくれていない」という割合もA中はほとんど変化がないのに、和田中は倍増している。 携帯電話などの所持割合は和田中のほうがA中よりも大幅に多い。A氏:和田中の生徒は家庭でのしんどい状況の中で勉強への意欲を失ったのかね。私:しかし、和田中では、A中に比較して、「学校を楽しい」という生徒は増加し、「先生が気持ちを分かってくれていない」という生徒は減少している。 このことから、和田中では先生の支え、生徒同士の支えが出来ていたことを示すと考えられるね。A氏:和田中の生徒のほうが家庭環境がよくない生徒の比率が高いのではないの?私:そこで小学生のときからの学力不足のハンディを中学に持ち越しているか、家庭の状況はどうか、を調査した。 家庭状況の調査では、父親が大卒か、小さいときに絵本をよんでもらったか、家にコンピューがあるか、などの調査だね。A氏:「おやじのせなか」だね。私:その結果、「有利層」「中間層」「不利層」の3つに分けて、和田中とA中を比較した。 その結果、和田中はA中に比較して「有利層」は半分、「不利層」が多い、ということがわかる。A氏:和田中は、A中より「発表したり、調べたりする授業への希望」が多いというが、それはどの層で増加したの?私:それが「不利層」に多くなったんだね。 そして和田中の「不利層」の特徴は、「学校の生活は全体的に楽しい」という回答が3年間で倍増していることだね。 A中の「不利層」にはそのような変化はない。A氏:「不利層」の生徒は、学習面でも家庭環境の面でも不利な環境におかれていた。 それが、学校の「よのなか」科教育などで、多様な経験をし、「居場所」を得たということかね。 君のブログの「ルポ・"正規社員"の若者たち・就職氷河期世代を追う」・2の2に、日本で新卒フリーターが全国で一番低い県として富山県をあげているが、その原因としてあげているのが、中学2年生に職場体験を義務付けている「14歳の挑戦」事業だね。 和田中の「よのなか」科の発想と似ているね。私:最後に藤原氏へのインタビューがあるね。 子どもの多様化で教えるほうも変化が必要だが、日本はフィンランド方式のようなきめこまかい指導、個別指導の体制は組めない。 だから、「教員が全部やるから、予算も人も増やしてくれ」というのは無理で、やはり、「地域本部」のような総合力の支援が必要だという。 07年の全国学力テストで秋田県の小学6年生はすべての科目で1位、中3は1位から3位という好成績だったことから、秋田県の公立学校の教育方法が注目された。 その原因が、秋田県でも和田中と同様の方法で、地域や大学などを巻き込んだ教育方針が一貫している点にあるという。 ところで、文科省が「地域本部」に50億の予算をとったので、藤原氏はその支援をするようだね。 また、橋下大阪府知事が府の教育改革に動くときは支援したいという。 今後の活躍を期待したいね。
2008.11.12
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私:杉並区立の和田中学校は、民間出身の校長・藤原和博氏をもとに、いろいろな教育の試みを行って、マスコミでとりあげられていたね。A氏:君の教育知的街道で、鼻につく勝ち組の教育論、東京・杉並区和田中学の夜間塾「夜スペ」耕論、「バカ親、バカ教師にもほどがある・子ども化する大人たち」1、2、3、4、「躍進秋田と和田中の秘密・みんなが見ていると子どもは伸びる」として、藤原校長が登場するね。私:この本は、和田校長が自らまとめたブックレットでなく、教育専門家6名が、客観的にデータを調査して、その結果をまとめたものだね。 その面で、マスコミで騒がれた「表」の部分と、見えなかった「裏」の部分も明らかにしているね。 まず、杉並区の公立中学校という特殊な条件がある。 比較的に高学歴の親が多い地区だから、中学は国立・私立への進学率が高い。 統計によると、杉並区公立小学校卒業生の3人に1人は、公立中学校に進まずに、私立や国立の中学に進学しているという。 だから、学力が小学校と比較すると、公立中学のほうが低下する。A氏:ところで、民間の藤原氏が校長になったいきさつはどうなのかね。私:1999年(平成11年)に現区長の山田宏氏が前区長を破って初当選をしたのがきっかけだね。 山田区長は選挙公約に「行政改革」をかかげ、その柱の一つに地方自治による「教育改革」があった。 杉並区は2002年に「学校希望制度」を導入し、2003年には小学校3年生から中学3年までの全生徒に学力調査を行い、学校別に成績を公表した。 個々の学校を競争させようというものだね。 「新自由主義的」な性格を持つね。 また、「杉並区教育改革アクションプラン」が2002年(平成14年)にできる。 そのプランの中に「民間人校長の登用」というのがあり、平成15年度1中学校、平成16年度1中学校と計画された。A氏:民間の刺激によって、教師の意識を改革しようというものだね。私:藤原氏は、区民代表年として、このアクションプラン作成に参加していたんだが、このプランを発表すると、校長の中には「こんなプランは区の教育委員会が勝手につくったものだから、従う必要はない。 風が過ぎるのを待っていればよい」などと発言するものがいた。 藤原氏は、大いに憤慨して、「この人たちに任せていたら、改革は進まない」として、自ら校長を引き受けたと言う。A氏:君のブログにもあるが、藤原氏が授業を50分から45分にして効果を出したが、真似をした校長はゼロだったと言うね。 フィンランドは45分だね。 地方自治といっても、自主的で革新的なアイデアと実行がなかったら、キレイごとで終わるね。私:従来の校長は藤原校長からアイデアをもらわない。 「異端児」扱いだね。 藤原氏は、後に校長会を脱退するが、校長会は抵抗勢力の団体だね。 「前例主義」が根強いね。 杉並区は、藤原氏が校長を辞めた今、ボトムアップの教育改革は難しいことを覚り、和田中方式をスライドするのでなく、区の教育委員会で吸い上げ、トップダウンで拡大しようとしているようだね。A氏:教員の方はどうだろうか。私:藤原校長は、教師に押し付けるようなことをせず、学校の教師の大変さと教師の努力に敬意を払っていたという。 専門職としての教師の力量をまずは認めながらの改革だったという。 だから、改革のエネルギーには、教職志望の大学生、PTA、地元住民などが参加した「地域本部」などの外部の力を投入している。 この方法は、教師の負担を増やさず、生徒たちの学習経験を充実させる現実的な選択とも言えるね。 明日は、この藤原校長の評価を数字的に追ってみよう。
2008.11.11
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上妻宏光『月の下で』 私:この「おやじのせなか」という朝日新聞の欄は長い間続いているね。 有名人の「おやじ」との関係を語る欄で、それぞれの親子関係を具体的に述べていて、いい話が多いね。A氏:俺も愛読しているよ。 親子の本当のコミュニケーションが希薄になっているというが、やはり、子どもはよきにつけ、悪くにつけ、親の背中を見て育っているのだね。私:11月9日のこの欄では、35歳で三味線演奏で活躍している上妻宏光(あがつま・ひろみつ)氏と彼のおやじとの関係が語られているね。 実に、面白かったし、感動的だったね。A氏:俺も読んだ。 彼の「おやじ」は、茨城にある電機メーカーにつとめる普通のサラリーマン。 しかし、何故か、彼が5歳くらいの頃から、晩酌の後、趣味で三味線で津軽民謡を練習するんだね。 それを聞いているうちに彼が興味を持つ。私:しかし、三味線は高価だから触らせてもらえない。 「おやじ」が会社に行っている留守中にこっそり、見よう見まねで弾く。 それが「おやじ」にばれて怒られる。 それを繰返すうちに、「おやじ」に「習いたいのか」と聞かれ、正座してお願いする。A氏:6歳で「おやじ」と同じ教室に通い始める。 しかし、勤めがある「おやじ」と、学校が終わると三味線を弾く彼とは練習量が違う。 半年ほどで「おやじ」を抜く。私:そのせいか、「おやじ」は彼が小学校3年くらいのときに、三味線をやめてしまう。 彼は、老後の「おやじ」の趣味を奪った悪い息子だと言う。 まぁ、「おやじ」は彼の裏方で彼を支えるようになる。A氏:彼は、15歳で腕を磨くために、東京に出る。私:あるとき、茨城の店に修理に出してある三味線が急に必要になった。 「おやじ」が鈍行で8時間かけて上野に届けに来たという。 また、鈍行でとんぼ返り。A氏:特急料金をけちって、息子の東京暮らしを支援していたのだね。私:彼は、今、まだ、35歳だが日本の大衆伝統芸を受け継いでいる。 伝統芸によくあるような、父親の後を継いだわけではないね。 庶民の親子のコミュニケーションだけだね。 彼の「おやじ」はまだ、健在だろうが、「せなか」でよき息子を育てたね。 カネはそんなにないのにね。 ほのぼのした親子だね。 それだけでも偉大な「おやじ」だね。 それにしても、普通のサラリーマンが、趣味で三味線を習うとは、「おやじ」も型破りだね。
2008.11.10
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教育立国フィンランド流教師の育て方私:フィンランドの教育理念は、自己の個性を生かした独立した人生を送る人の育成だね。 PISAで一位というのも、その教育理念の結果に過ぎない。 そのフィンランドの自信をゆるがしたのが、2007年11月7日に起きた事件だね。A氏:フィンランドの南部トゥースラのヨケラ高校で、18歳の男子生徒が授業中に、銃を69発乱射。 在校生6名、看護師1名、校長が犠牲となる。 その男子生徒は自殺。私:同様の事件は1999年4月にコロラド州コロンバイン高校で起きているね。 2007年4月には、バージニア工科大学乱射事件があるね。 フィンランドで事件を起した学生は、米国ペンシルバニア州で大量の武器を収集して地元高校を襲撃しようと計画していたとして拘束された14歳の少年と、これらの事件についてメールのやり取りをしていたことがわかる。A氏:兆候があったんだね。私:ネット上で過激な発言を繰り返し、高校虐殺のタイトルを流していたという。 しかし、普通の家庭に育ち、成績も中の上程度なので、皆、まさか本当にやるとは思っていなかったという。A氏:フィンランドは銃規制がゆるいのかね。私:アメリカは、西部開拓時代の名残りの「自衛」のための銃保持だが、フィランドは狩猟文化が背景にあり、18歳から徴兵制がはじまるので、家庭に銃があることは特別なことではないらしい。 だから、米国、イエメンに次いで、銃所持率が世界第3位だね。 この問題を起した高校生は事件直前の10月に拳銃所持の許可を得ている。A氏:自立性を重視するフィンランド教育に何か、盲点があったのだろうかね。私:フィンランドは、この事件でショックを受けたようだね。 しかし、こういう問題はむずかしいね。 原因が多様だからね。 自殺した本人が生きていても本当のことはわからないだろうね。 ただ、フィンランドでは、高校から大学と同じように授業を自主的に選択するので、中学と比べて個人の判断の負担が増加するという。 それに義務教育では、いろいろなケアがあるが、高校からは少なくなるらしい。 対策として、ケアの強化がとられたらしいね。A氏:日本だとすぐに金属探知機を置けとかの警備強化だろうね。私:社会的にインターネットなど、IT化が進むと精神的な余裕がなくなってくるのではないかとも考えられるね。 家族とのコミュニケーションも携帯電話ですんでしまい、ナマの会話が減る。 友達同士でゲームをやっても別々にやる。 ゲームを友達と一緒にやったと言っても、一人ひとりは別のゲームで部屋が同じだけだ。A氏:子どものほうがどんどん、多様化しているんだね。私:親子、教師、地域とのフェース・ツー・フェースのコミュニケーションが、人を孤立させない原点かね。
2008.11.09
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教育立国フィンランド流教師の育て方私:PISAで世界一を維持しているフィンランド。 そのフィンランド教育知的街道は「平等社会 フィンランドが育む未来型学力」、フィンランドの子、なぜ優秀、「競争やめたら学力世界一・フィンランド教育の成功」1、2、「受けてみたフィンランドの教育」1、2と続いてきたね。 この本の著者・増田ユリヤ氏は、高校教師経験もあり、国際教育ジャーナリストとして活躍している。 フィンランドは、PISAで有名になってから、世界の国々から視察にくるようになったが、その半分は日本人だという。A氏:その結果かもしれないが、日本では従来の「ゆとり教育」を見直し、学力低下を防止しようという動きになっているね。私:この本が従来のフィンランド教育をレポートした本と違うのは、フィンランドの国家戦略と教育方法の一体化だね。 その教育方法から、当然、教師の質の高さ、地位の高さが要求される。 著者が2005年にフィンランドに取材を始めた当初、校長たちに「フィンランドがPISA調査で学力世界一となった秘訣はなんですか?」と聞いたら、どの校長からも「教師、教師、教師!」という言葉が返って来たという。A氏:1990年にソ連崩壊によって、それまで経済的にソ連に依存してきたフィンランドは、失業率20パーセントに達し、深刻な不況になるね。私:そこでもともと資源に乏しいフィンランドでは「人」という資源に投資する国家戦略を立てた。 それも「自分で考える人」の育成を考えた。 「大胆な教育改革」として「すべての子どもに平等の教育」「教育現場への信頼」「質の高い教員の養成」を柱とする。A氏:大学まで教育費は国庫負担だね。 だから、塾もないから、「すべての子どもに平等の教育」だね。私:その根底には、教育効果を点数で評価しないという考え方があるね。 教育の目的は、点数を多くとり、競争に勝つ子ども育てるのでなく、自分で考える子ども育てることに徹底しているね。 だから、詰め込みの塾は要らない。 「教育現場を信頼する」から、現場の教師の教育方法の裁量は広い。 教科書も教師1人ひとりに採用権がある。 日本の文部省のような現場に口出すシステムがない。A氏:それだけに、教師の質の高さがカギを握るのだね。私:習熟度別クラスによる教育も、点数で評価して、点数の低い子を特に教育するという日本的な発想でなく、他の教育方法を考えてやるので別にするためだという。 生徒の個性、動きに合わせて、教育方法を考えるから、教師の教え方のアイデアは無限だね。A氏:教師というのは、アイデアマンでなくてはならないということだね。私:著者は、優秀な教師を育成する教育実習をかなり詳しく取材しているね。 俺は専門家でないので、詳しいことは興味がないが、無限の教え方のアイデアが必要だと思ったね。A氏:教師は日本のように多忙なのかね。私:そうではないようだね。 先生への信頼があるので、日本のように先生が一々、上に報告書を書くという無駄な時間がないのではないのかね。A氏:日本の教育界は、この十年、市場原理主義化をすすめてきているね。 「教育は買うものであり、選択するものであり、教育はサービスであり、顧客満足を最大化しなくてはならない」私:しかし、フィンランド教育は、逆だね。 「教育は教師が子どもや地域社会と一緒につくるもの」だね。 フィンランドはそれをきちんとやっていたら、自然にPISA第一位になった感じだね。 韓国のようにPISAの高い点数獲得を目的とした教育ではないね。 目的と手段が全く違うようだね。 そのフィンランドで昨年、まさかと思う高校生の銃乱射事件があった。 明日は、それについて話そう。
2008.11.08
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A氏:昨日の夕刊で、ジェラシックパークの作者のマイケル・クライトン氏が、がんのためロスアンゼルスで死去したと報じているね。私:66歳で若いね。 俺は映画「ジェラシックパーク」は面白いと思ったが、それよりも、「恐怖の存在」で地球温暖化のインチキを暴いたことで知的興味がわいた作家だね。 2005年にある新聞の小さな記事で、ベストセラー作家のマイケル・クライトンが、新作スリラー「State of fear;和訳は『恐怖の存在』」を発表したとあったのに惹かれた。 彼は、地球の温暖化について疑問を持っており、それがこの小説のテーマになっているという。 彼は、その3年前から、地球温暖化に興味をもち、いろいろな資料をあさった。 しかし、多くの資料をみるたびに、次第に専門家の言う地球温暖化の警告に疑問をもつようになったという。 地球温暖化の警告は、世界の支配勢力が、冷戦と同じように、市民を緊張した「恐怖の存在」に置きたいためであるという。 クライトンの「ジュラシック・パーク」で、恐竜のDNA禁止法が検討されたというが、ある人が「それはお話だよ」と言ったら、取りやめになったというのと似ているね。A氏:ノーベル平和賞をもらったゴア氏が「環境の恐怖」をあおっているのを思い出すね。私:このクライトンのニュースがきっかけで、環境論を「相対思考」で見る知的街道が始まったね。 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」、1、2、3、「地球温暖化の陰に原発推進論」、「ほんとうの環境問題」、「地球温暖化キャンペーンの欺瞞」、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」、「恐怖の存在」、「地球はこれから寒冷化する」、地球環境についての社説コメント、「環境危機をあおってはいけない・地球環境のホントの実態」、「1秒の世界」と続いたね。 氏が知的興味と環境問題に「相対的思考」を与えてくれたことを感謝し、ご冥福を祈る。
2008.11.07
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私:今朝の新聞はオバマだらけだね。 今回のアメリカの大統領選挙結果は、おそらく今後の世界の動きに大きな変化を与えるだろうと思っていたので、あらかじめ、その知的街道ができていたね。 「大統領はカネで買えるか?・50000億円米大統領選ビジネスの全貌」、「中傷と陰謀・アメリカ大統領選狂騒史」、「アメリカ大統領の権力・変質するリーダーシップ」と辿ってきたので、今回、一連のアメリカのニュースはよく理解できたよ。A氏:オバマ氏の最後のテレビ放送を独占してのキャンペーンはすごかったね。私:そのカネの出元は、小額の個人献金の積み重ねだね。 チリも積もれば山となるだね。 今回の大統領選は、まさに、一般庶民が積極的に参加した勝利だね。 ベルリンの壁の崩壊で共産主義が倒れたように、オバマ氏の勝利でレーガン以来30年続いた新保守主義、市場原理主義が崩壊したね。 新保守主義、市場原理主義は、日本もそうだが、世界に伝染しているから歴史的な大事件だね。A氏:ところで、オバマ氏は、黒人奴隷の子孫ではないと言っているマスコミが多かったようだが、これはあまり意味がないね。私:「マイ・ドリーム、バラク・オバマ自伝」を読むと、彼が人種差別に苦しむ体験が多くのページを占めているね。 ものごころがつく4、5歳から差別を意識し出したという。A氏:今朝の新聞はオバマ氏だらけだが、そこに、オバマ氏の好物は「ジャークチキン・サンドイッチ」で、800円くらいのものだという記事があった。私:毎日のようにホテルで食事して、ホテルのバーに行き、カップラーメンの値段も知らない、日本の首相と、全く違うね。 そのうち、来日することがあるだろうね。 秋葉原にでも行くのかね。 もっとも、若者の街が、無差別殺人で暗い影を投げているがね。A氏:オバマ氏は日本にきたことがあるのではないの?私:「マイ・ドリーム、バラク・オバマ自伝」によると、ハワイで母親が再婚して、インドネシアに行くのだが、たしか、その移動のときにちょっと日本に滞在しているね。 もっとも幼児期の頃だから、印象はあまり鮮明ではないだろうけれども。A氏:小泉・竹中路線は、アメリカのレーガン大統領から30年来続いた「小さな政府」「民にできることは民へ」という新保守主義、市場原理主義を追いかけてきたが、オバマ氏の方向転換でどうなるだろうかね。私:ところで、オバマ氏は政治経験が少ない。 しかし、なんとかやることを期待したいね。 かって、民主党の小沢氏が、民主党は政権担当能力に不安があると自分の党のことを言っていたが、誰だって、最初はあるんだよ。 問題は、庶民のバックアップだね。 オバマ氏は、今回、多くの若者のボランティア組織の強いバックがあったようだが、日本の民主党にもそういうバックがほしいね。 アメリカのマネをするなら、2世、3世議員でなく、800円の「ジャークチキン・サンドイッチ」が好物であるような庶民議員から、首相が選ばれるような政界になってもらいたいものだね。
2008.11.06
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世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す私:今、ホテルのLANで、この前に君と対話した控えをブログでアップしているよ。 アメリカ大統領選はオバマ有利らしいが、アメリカはレーガンからブッシュと続いた市場原理主義と決別するだろうか。 この本は、格差問題の知的街道で買った本だが、400頁の大著で「積読」になっていたね。 その間、経済は氏の予想通りに悪化して世界的な経済危機がきてしまったね。 著者のジョセフ・スティグリッツ氏は、2001年にノーベル経済学賞を受賞しているね。 朝日新聞では連載で「経済危機の行方」という長時間インタビューコラムがあり、これに世界的な経済関係者が登場しているね。 この本を取り上げたのは、11月3日の新聞では、このスティグリッツ氏が登場しているからだよ。A氏:俺もこの新聞連載を読んでいるよ。 ノーベル経済学賞では、今年、クルーグマン氏が受賞したが、この人もブッシュ批判をしてきたね。私:スティグリッツ氏は、このインタビューで、この危機をきっかけに新自由主義は終わりを迎えなければならないという。 規制緩和と自由化が経済効率をもたらすという見解は行き詰まったという。A氏:ベルリンの崩壊で共産主義が欠陥のある思想だと誰もが理解した。 同様に、今度の金融危機で、新自由主義と市場原理主義は欠陥のある思想であることを殆どの人が理解したという。私:氏はそれを研究で説明してきたが、今回の危機で経験によってそれが示されたことになるね。 この「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」という本の日本語タイトルは、意訳だね。 英文のタイトルは「Making Globalization Works」だね。 直訳すると「正しいグローバル化」というようになるかね。A氏:氏は、「正しいグローバル化」のために、新たなブレトンウッズ会議が必要だという。私:今月半ばにワシントンで開かれる「G20サミット」が期待されるが、そのサミットを「誰もが尊敬しなくなっている大統領」が主導するのは問題だと厳しいね。A氏:ブッシュ大統領のことか。私:新大統領が動くのは来年1月からだ。 まだ、3ヶ月ある。 この重要な時期に痛い空白だね。A氏:日本も選挙する、しないで一種の空白となっている。私:麻生首相が言うように、「百年に一度」の問題にぶつかっているのなら、緊急策をとって、すぐ、国民に信を問うべきだと思うがね。 選挙という自党の小さな利益のために、タイミングを逸したようだね。 アメリカは選挙がちょうど、ぶつかり、3ヶ月の空白があるとは言え、新政権で新規巻き直しが期待できそうだがね。 昼のアメリカ大統領選の結果が心待ちだね。
2008.11.05
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私:今日、大阪に用事があったんで、昨夜、大阪のホテルに泊まったよ。 夜、ホテルの部屋のテレビで、NHKの歌謡番組「わが心の大阪メロディー」で、大阪に関係のある歌の特集をやっていたのをなんとなく見たね。 大阪歌謡を聞くと、東京に対するコンプレックスを感ずる詩が多いね。A氏:大阪府は、今、大赤字だね。 一方、東京都は裕福だ。私:俺は、20年前に2年間くらい仕事で毎週のように大阪に行っていたね。 大阪の人に「サカチョン」と言われたよ。A氏:サカチョン?私:オオサカのチョンボー(独身者)の約だね。 今の単身赴任みたいな意味だね。 毎週、新幹線で往復したが、この新幹線が東京都と大阪の間を短縮して、本社を東京に移した会社も大分増えたのではないの。 10年前も半年くらいだが、別の大阪の会社によく出張したね。 このときは、道頓堀の近くのホテルによく泊まり、道頓堀をよく散歩したよ。 阪神が優勝し、ファンが掘に飛び込んだ頃だね。A氏:そういえば、パナソニックとサンヨウが合併するね。 両方とも大阪の大企業だね。私:昨日の新幹線で、丁度、席が進行方向右の窓際だったので、岐阜羽島を通過してからすぐに、サンヨウの太陽電池の巨大建物が見えたね。 夜、テレビの報道ステーションで、この巨大建物が出たね。 キャスターの古舘氏が、その建物の写真の上にパナソニックの看板をかかげたね。 ところで、俺が大阪を歌った歌謡曲で思い出がある曲は「大阪しぐれ」なんだが、歌ったかどうか、見逃したね。 20年前に出張で通った相手の社長は、カラオケ好きで夜、北の新地の酒場に付き合わされたが、彼は「大阪しぐれ」が十八番でうまかったね。 俺はカラオケなど相手にしなかったのが、この付き合いで覚えたね。 今、この社長はかなりの年で、酒はやめている。 最近、北の新地の夜は不景気で客が激減しているという。A氏:そういえば、今朝のテレビで音楽プロジューサーの小室哲哉が大阪のホテルで逮捕されたそうだが、君のホテルではないの?私:そのホテルは新大阪駅近くらしいね。 俺のホテルは、中之島のほうだから、違うね。 しかし、小室哲哉といえば、次から次へのヒット曲で大金持ちになったのにね。 彼の多くのヒット曲は、このNHKの「わが心の大阪メロディー」に登場するような息の長い曲はあまりないようだね。A氏:彼の歌は、大衆消費社会の象徴のように、消耗品のように消費されて残らなかったのかね。私:今日、もう一泊、大阪に泊まる。 明日、昼、用事を済ませて、夜、横浜に帰るよ。 君との会話はホテルの無料LANで今、アップしている。 明日は、昼には、アメリカの大統領選の結果が出ていると思うね。 歴史的な日だね。 では、また。
2008.11.04
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日中戦争期における経済と政治私:1935年8月に石原莞爾は参謀本部の作戦課長に就任して、ソ連に対する戦備の遅れに驚き、以後、対ソ戦争準備の充実に重点をおくようになる。 従って、石原にとっては、中国と和平を維持し、ソ連に対抗することが必要だった。 しかし、1937年7月7日の盧溝橋事件が上海へと拡大する。 石原の考えに反して、軍を中国に投入し日本は日中戦争の深みにはまり出す。 しかし、戦略的にソ連重視だから、中国に投入した日本軍は質が悪く、これが南京事件の背景にあるね。 ところで、「トラウトマン工作」は、1937年末から38年初めにかけて参謀本部の石原莞爾が中心になって推進されたとあるね。A氏:しかし、同じ参謀本部内でも中国への強硬派が強く、上海への増兵が決まった直後、石原は作戦本部長としては辞表を出し、関東軍に転出するね。私:しかし、関東軍参謀副長に転じてからも、石原は参謀本部内の和平論に大きな影響を持っていて、多田駿参謀次長は、石原系の中心的な人物だった。 多田参謀次長は、後の「トラウトマン工作」打ち切りを決定する1938年の1月15日の大本営政府連絡会議で、陸相、外相、海相ら政府側に対して、激しく対立するね。 しかし、内閣の瓦解を避けるために折れたという。 多田参謀次長は南京攻略も反対した。A氏:石原派の「トラウトマン工作」の意図は純粋に平和を希求したものでなく、対ソ戦争準備を至上目的としていたわけだね。私:「トラウトマン工作」は中国の停戦を実現するだけでなく、その後もそれを継続するに必要な、財政経済的・外交的・軍事的な配慮が不十分だという危惧があったようだね。 近衛内閣が「トラウトマン工作」に反対する理由として、日本の戦時経済の脆さに対する危機感があったという。 当時、日本は中国本土では連戦連勝だが、ここでこちらから和平を言い出すと、弱腰と見られ、対外的には日本為替の暴落、公債の下落とういことで、商売に影響するという見方があったようだね。A氏:政府側は財務上の配慮が大きかったのかね。私:それは和平そのものに反対するのでなく、その方法の違いにあったと言える。 それは「トラウトマン工作」中止の後も別な方法で和平をさぐっているからだね。 広田外相も、職業外交官としての経験から中国側には誠意がないと判断していたようだ。 参謀本部の和平工作は、無理をして停戦を急ぐ危険なものに見えた。A氏:君のブログの「広田弘毅」では、後に政治学者猪木政道氏はその著書で、「1936年のはじめころから、広田は決断力を失っていたのではないかと思う」とあるが、そうすると、これは怪しいね。私:ところで、「広田弘毅」は東京裁判で死刑となるが、判事は6対5の1票の差で決まったと書いてある。 しかし、「東京裁判」を詳細に知っている人は、票決は公表していないから、それは信用できるものではないという。 だから、これも怪しい。 とにかく、この和平問題は、当時の中国ナショナリズムと日本の対中侵略の流れは容易に回避できないものであることがわかるね。 そして日本側にはリーダーシップのある人がいなかったね。 陸軍省、参謀本部自体が、和平・強硬両派に分かれており、陸海軍の間にも対立があり、さらに、軍中央と現地軍との間にも対立があった。 バラバラだね。 「東京裁判」で連合国側が問題にした戦争指導者たちの「共同謀議」などありえないね。 それがあったら、もっと別な道があったかもしれないね。
2008.11.03
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日中戦争期における経済と政治私:この本は著者の博士論文のもとになったものだという。 300頁の小さな字がピッシリ埋まった専門書だね。 専門家でない俺は、もちろん、全部、読むつもりはない。 これを図書館から借りたのは、簡単な知的興味からだね。 それは、「広田弘毅」の本で、近衛声明の「今後、国民政府を対手とせず」が出る経過が書いてあり、その辺の事情をもっと知りたいという知的興味がわいたからだね。A氏:この「近衛声明」は日本が太平洋戦争に踏み込んで行くきっかけとなったものだね。 日本の近代史を後から振り返ってみると、その後の日本の運命を決めた大きなターニングポイントだね。私:中心となるのは「トラウトマン工作」だね。 これについて、この本では10頁程度、ふれているので、これに知的興味をもったね。 これをまとめておきたいと思ったね。 それが終わったら、図書館に返すよ。 しかし、この本のこの部分は、時系列が相前後して読みにくいね。 読みにくいと博士論文にならないのかね。 ところで、この本によると、「トラウトマン工作」に対しては、最初、広田や日本の外務省は乗り気でなかったとあるね。A氏:ドイツは、蒋介石軍に武器を提供し、かつ、上海事件ではドイツは軍事顧問団まで派遣していて、日本は苦戦するという苦い経験があるね。私:しかし、一方、ドイツ側は、中国が戦争とともに共産化することを恐れてきた。 ドイツはソ連に有利に展開する心配が出てきた。 だから、必ずしも日中戦争を日本に有利な形で収拾しようというものではなかった。 むしろ、中国に巨大な権益を持ち、中国にとっても関係の深い英国を利用して、日中和平をはかったほうが、日本有利の形で停戦になると日本の外務省は考えていたんだね。 広田外相は、1937年11月2日にドイツ大使に日中和平条件を正式に伝える前日にもイギリスの仲介にまだ未練があったという。 この辺の経緯は「広田弘毅」の本にはないね。A氏:外務省はイギリスを重視していたんだね。私:イギリス頼みの広田が、ドイツに変った経緯は、高木惣吉海軍省臨時調査課長の集めた極秘情報「広田外相の講和条件提示に関する経緯」になまなましく書かれているという。 それによると、当初、杉山陸相が広田外相に和平工作を頼み、広田は英国の仲介工作に乗り出す。 1937年か9月から10月初旬にかけて、英国はクレーギー英国大使を通じて広田外相の和平条件を中国に伝えたが、蒋介石の拒絶にあって終わっていた。 英国は、当時は外交は米国と共同歩調を取っており、日中戦争への介入に消極的だったアメリカに合わせて、あまり和平には積極的でなかったようだね。 しかし、日本外務省としてはこのルートによる和平調停の継続を強く要望していた。 ところが、陸軍省と権力争いをしていた参謀本部が陸軍省とは別に、ドイツ外務省とではなく、ドイツ軍に対して和平交渉を始めたんだね。私:陸軍の「下克上」だね。 その結果、陸軍内部からの突き上げを恐れた杉山陸相が広田外相に依頼していた英国を通じての和平交渉を断念したという。A氏:列強が駆け引きしていて外交の難しい時期だね。 それにしても、日本軍の内部分裂はひどいね。私:陸軍内部では参謀本部内も武藤章作戦課長らの中国に対する強硬派と、参謀本部の石原莞爾作戦部長などの不拡大派の対立があったね。 今村均陸軍大将の回顧録・「今村均回顧録」によると、石原が武藤章に日中戦争反対を説くと、武藤は「私はあなたが、満州事変でとった行動を真似しているだけです」と言い返したという。 武藤がそういうや否や、他の青年将校が口を合わせて哄笑したという。A氏:軍の中では石原は不人気だったんだね。 武藤は後の東京裁判で死刑判決を受けるがね。私:実は「トラウトマン工作」は、日中戦争拡大を阻止したい、その石原が熱心だったようだね。 明日はそのへんから、話しを進めよう。
2008.11.02
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私:今日、朝、東京ビッグサイトに行ってきたよ。 この前、行ったのは、春頃で電子関係のメーカーの見本市があったので行ったんで、半年ぶりだね。A氏:今、何をやっているんかね。私:10月30日から11月4日まで日本国際工作機械見本市が行われている。 俺は知人から招待状をもらったんで、行ってきたよ。 ウイークディなら会場が空いていると思っていて、昨日金曜日に行く予定にしていたんだが、用事が出来て、今日の土曜になってしまった。 日中になると会場が混雑するかもしれないと思って、9時頃、新橋について、ゆりかもめに乗ったんだが、ラッシュ並みのものすごい混雑だ。A氏:土曜だから、普通の通勤客はいないんだろう?私:国際展示場正門駅で、ほとんど下車。 会場は、もう人だらけだね。 朝から盛況だね。 外国人もかなりいたね。A氏:今朝の朝刊では、日銀が利下げを決定したことをトップで報じているね。 大学の新卒の内定取り消しが増えていることも報じている。 第2次の就職氷河期がくるかもしれないとしている。 世界トップを行く日本の工作機械業界はどうなるだろうね。私:この見本市で多くのメーカーがいろいろな高度の工作機を展示しているのを見ると、日本の力はすごいと思うね。 そんなに簡単にへこたれそうもないというのが、現場で見た印象だね。 招待状の社長の挨拶に「どのような経済状況の下でも、『モノづくりの原点』に立ち、高精度と無人化を一貫して追求することが、最良の道です。 この信念を持ち、顧客の皆様とともに、飛躍するよう技術の研鑽に邁進してまいります」とあったね。A氏:心強いね。私:工作機は輸出が多いので、当座、急激な円高で苦労するだろうが、技術力は世界一を維持してもらいたいね。
2008.11.01
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