全4件 (4件中 1-4件目)
1
(財務省のPR担当さながらの学者、論説委員) 安倍首相の判断で、消費税の再値上げは延期された。しかし、延期決定の後も、新聞、テレビなどのマスコミに登場する学者、新聞社の論説委員、評論家などに、「消費税の再値上げ延長は間違いだった」という人が少なくない。 彼らがそういう理由は2つで、「日本経済の景気回復の足取りはしっかりしていて、消費税再値上げに耐えられる」ということと、「消費税を再値上げして、膨れ上がった国債の残高を減らして、財政再建をしないと、国債が暴落して、日本は大変なことになる」である。 この2つの主張は、財務省が言っていることそのままで、こうしたことを財務省のPR担当のように言い続ける人は、自分で考え、自分で判断できない人、または、財務省の嘘の刷り込み、説得に心底だまされている人達、更に、消費税再値上げで、メリットを受ける人達で、国民や国家を考えることができない愚かな人達であるとしか言いようがない。 いずれにしても、自分で自分に唾をしていることに気が付かない人達としか言いようがない。(質が落ちた官僚) 経済の回復の足取りがしっかりしていて、再値上げに耐えられるということを言う人は、実際に街を歩いていない人、経済の実態を見ていないで、役所が発表したり、役人が言っていることを鵜呑みにしている人達である。 大手マスコミの経済記者として、官僚と嫌という程付き合って来た筆者の経験では、役人、官僚という人達は平気で嘘をつくし、データは自分たちに都合の良いようにまとめたり、時には数字をいじったりすることは日常茶飯事である。 城山三郎氏が小説「官僚たちの夏」を書いて、日本の高級官僚の日本を思う心、志の高さを描いたことなどから、多くの日本人は、東大卒の主要官庁の官僚を信頼し、彼らに任せておけば、政治家が少しくらい間違っても、官僚が日本を良い方向に導いてくれると思っている人が少なくない。 しかし、城山氏が描いた通産官僚の姿は、戦争に負けて、どん底から立ち直ろうとしている時代の日本の官僚像であって、高度成長時代以降の官僚の実態は全く違う。それは、「ノーパンしゃぶしゃぶ」などでの接待などで話題となり、収賄で摘発された大蔵省(現財務省)幹部、日銀幹部などでも明らかである。 筆者の経験でも、筆者が若手の頃の官僚は古武士の風格があり、本当に天下国家を真剣に考えていた。しかし、筆者が40歳代になるあたりから官僚は大きく変わって来た。自分の都合、自分の省庁の利害でしか行動しない官僚が増えて行き、まともな議論ができなくなって来たのである。(国民は愚かだと思っている高級官僚) 官僚がなぜ、そう変わったか理由は簡単である。今の50歳代くらいより若い世代の東大出の官僚の多くは、有名私立の中高一貫校から東大に進んだ人が多い。そうした人たちは家が豊かで、両親も一定以上の教育を受けている上、自分は子供の時から、遊びたいこともせずに勉強に邁進し、東大まで進んだ人達である。 こうした人達は、高卒で中小企業で汗水をたらしながら働き、生活をしている人達の実態は知らないし、知ろうともしない。そして、小中高と、勉強ができない落ちこぼれは、努力をしない怠け者たちと思って、軽蔑して育って来たのである。 こうした官僚たちの目線は高いところから国民を見下ろしているというもので、「国民の多くは愚か者で、自分たちが指導し、間違えない方向に誘導しないといけない」と真剣に思っている。 サリン事件が起きた時に、実行犯の一流大学出身のオウム真理教幹部の言葉に、「愚かの国民は殺してやることが、彼らのためだ」というのがあった。当時、筆者は当時の大蔵省、通産省の若手官僚とその話を議論したことがあるが、多くの人が、「オウム真理教の人のその考え方は理解できる。自分もそう思う」と話をしていた。 こうした人たちが今、財務省や経済産業省のトップクラスを占めているのである。「官僚たちの夏」に描かれている東大出の官僚とはまったく違うのだということを認識しないと、間違ってしまう。(財政が再建して、国民滅ぶの愚) 「国民に痛みを我慢してもらっても、財政再建をしないといけない」これも財務省官僚が良く言う言葉で、それをコピーそのままに言う学者、評論家、マスコミの論説委員の人は多い。 だが、こういう財務省の論理は、「財政は再建したが、国は亡び、国民は塗炭の苦しみを味わった」ということになりかねない。国や経済は、そこで生活する人の健全な生活があって、初めて成り立つもので、国や国民を滅ぼしての財政再建など何の意味もないことを、勉強優等生で来た今の官僚には理解できない。 それは地べたを歩く国民とは別事件で生きて来たからであり、フランス革命の時に、国民が「明日生きるためのパンがない」と言った時に、「パンがなければ、ケーキを食べれば良いじゃない」と答えたマリー・アントワネットの心理と同じである。 前にも書いたが、欧州では、ドイツが主張する財政再建のために、国民に厳しい生活を求める考えに対して、「それは違うのではないか」という国民や政治家、学者が増えて来ている。財政が破綻してはいけないが、財政再建のために、国や国民が亡びるような施策は間違いだという論である。 日本のマスコミはこうした動きをほとんど紹介しないが、こうした声がどんどん大きくなっていて、「高福祉、高負担」を是としてきた欧州で、それは間違いだったのではないかという主張が強くなって来ている。(日本では無理、本格的な軽減税率の導入) 「財政再建のためには消費税の引き上げしかない」 これも財務省の官僚が言っていることだが、本当にそうだろうか。 日本のマスコミは官僚が言うことを無批判にそのまま流すので、それがいつしか国民にも定着していくが、官僚が言うこと、マスコミが言うことには間違いが多い。違うのではないかという発想で彼らの言うことを聞かないと大変なことになる。 欧州では消費税は20%台、30%台だが、食料品など生活必需品の税率は極端に低い。だが、この軽減税率の発想は日本の財務省にはほとんどない。万一、財務省がうんと言っても、何を軽減し、何を高い税率にするかで紛糾するのは必至で、徹底した議論の中でものごとを決めて行く習慣がほとんどない日本では、話がつくことはまずない。 万一どうにか話がついても、欧州のように広く生活必需品を軽減税率の対象にすることには絶対ならない。それには、財務省が猛反対をするからだ。 となると、すべての商品にまずは10%、やがて、20%台の消費税が導入され、多くの国民は塗炭の苦しみの底に突き落とされ、国の経済はどん底に落ちていくのは間違いない。(消費税の引き上げなくても、できる財政再建) これも前にも書いたが、国民の半分は税金を払っていないし、会社の半分も税金を納めていない。これを日本で活動する法人も個人もすべて10%の税金を納めるようにすれば、財政問題はすべて解決するというデータもある。 日本には多くの税制優遇制度がある。1つの例だが、住まなくなった家を放置しておいても、そこに壊れかけでも家が建っていると、税金は6分の1になる。 だから、朽ちかけの家が手入れもされずに放置され、周辺住民に迷惑をかけている。人が住んでいない家には、普通の税金をかける。場合によっては、人が住んでいる家の2倍の税金をかける。こうした方がよほど現実に即しているが、そうならない。 既得権者が撤廃に反対するので、なかなかなくならないが、すべての税制優遇策をまずゼロにし、それをベースにして、優遇制度は一般国民から無差別に選んだ審議会のような会議で議論して、国民の3分の2が必要と思ったものだけ残すようにするのだ。 学者や評論家、マスコミの論説委員たちからなる審議会は、役所の代弁者になるので、まったく信用できない。裁判の時の陪審制度のように、一般国民の声でものを決めて行くのである。 勿論、アメリカの陪審制度のように、利害関係者が委員に選ばれた国民に働きかえるのは厳禁にしないと、「説明、レクチャーを」と言って、財務省などの役人が説得にあたって、国民を間違った方向に誘導しかねないので、これを徹底することは何よりも大切である。
2014.11.29
コメント(0)
(大義なき選挙を連呼するマスコミ、野党) いよいよ選挙戦に突入の様子となった。 前回の選挙で、自民党が大勝ちしたので、自民党が議席を減らすのは、織り込み済みだが、悪夢は自公与党の過半数割れである。そうなった時の日本経済に与える打撃は国民が考えているよりも遥かに深刻である。 そして、例え、過半数を得ても、議席を大きく失うと、安倍首相の求心力は衰え、政策実行能力に陰りが出て来る。そうなると、したいこともできなくなって来る。そうした意味では、今回の選挙の結果は、日本の将来を考える上で、きわめて重要な選挙である。 筆者は決して、自民党も公明党も、安倍首相も別に好きではないし、その政策に疑問符がつくものも少なくない。ただ、民主主義下の選挙というのは、ベストのものを探すのではなく、比較してベターなものを選ぶというものなのである。そういう観点から、今の日本で自民党以外に政権を任せられる政党はない。 だが、日本国民も、それをリードする役割のマスコミもそれがわかっていない。 マスコミも野党も、今回の選挙について、「大義なき選挙」とか、「アベノミクスの失敗」という形容詞で語っている。野党が「今は選挙などしている時などではない。経済対策を打つ時なのに」と語ったりしていて、一見、説得力があるように聞こえるが、これなど、「今、選挙をされたら、自分の党は負ける。少なくても勝てない。もう少し先に延ばしてくれ」というのが本音である。しかし、多くの野党の人間が何人も言うと、聞く者に変に説得力を持ってきてしまうのが報道の怖さである。 かつての民主党政権下で、民主党と自民党、そして、公明党の3党合意で出来た消費税引き上げの方針を変更することに国民の賛否を聞くということに、どうして大義がないのか、筆者には理解できない。 今、選挙をしたら、自民党に有利だという考えが透けて見えると、マスコミは批判するが、日本の衆議院の政治制度は知事や市長選挙と異なり、きちんと決められた4年に1回ではなく、解散権は首相にある。解散権がある者が自分に有利な時期に解散をするのは当然なことで、それが嫌なら、知事選挙のように4年に1回と決めるように法律を変えるべきである。 制度の範囲内で行動することを批判するのは、おかしな話である。(まともな政策をまとめ、実行できない民主党) 野党だけでなく、マスコミも「大義なき選挙」「アベノミクスの失敗」というと、国民はそれに引っ張られて、自民党が大きく議席を減らすことはあり得ない話ではない。かつて、民主党政権が誕生した時の悪夢がまた、起きる可能性がないことはないのである。 自公が過半数割れをしたら、政権は民主党中心のものとなる。民主党の政権下の3年半はいかに日本に大きなマイナスとなったか、ご記憶の方も多いと思うが、大地震の時、福島原発事故の時、そして、沖縄問題でも、民主党政権の対応は、混乱に輪をかけ、国益を大きく損ねた。 民主党は元々、自民党にいた鳩山氏が自分が首相になりたいがために、莫大な自己資金を使った作った党であり、それに、自民党不満分子や、組合の支持を受けている旧社会党の流れを汲む人間、そして、目立ちたがり屋の弁護士などが合流してできた政党である。 それがために、議員それぞれの政策、主張は1つの政党とは言えないくらいに幅が広すぎて、政権与党として、きちんとした政策をまとめることなど、元々不可能な政党である。 それが何故、政権を取ったかと言えば、マスコミが自民党の政権を過剰に攻撃し、民主党を持ち上げて報道して、民主党が政権を取ったら、世の中が良くなるような錯覚を国民に与えたことにある。 そして、政権と取ってみたら、不必要な組織や予算の削減という名目の公開ヒアリングというパフォーマンスで、マスコミからは評判をとったが、実際は削ってはいけない組織や予算を削り、本来削らないといけない組織や予算の復活を許し、地震や原発事故という大災害時に政権与党の能力がないことを露呈して、国民の支持を失ったのである。 自分たちの応援で、実際に民主党が政権を取って、自分たちがしたことが間違えで、国民に迷惑をかけて申し訳ないと謝ったマスコミサイドの人間は、私の知る限り、田原総一郎氏など1人、2人で、ほとんどのマスコミ、評論家、学者は間違えたことさえ認めていない。責任を取らないのがマスコミ、学者なのである。(対抗する経済政策ですら、提案できない民主党) 筆者は言いたい。民主党など野党がアベノミクスが失敗だったというなら、具体的な経済政策を提案すべきである。それができないなら、アベノミクスを批判する権利はない。 日本のマスコミは肝心なことを伝えず、政権与党や自分たちに都合の悪い知事、市長を攻撃する原稿を書くことに懸命なので、日本のマスコミの書くことは多くは信用ができない。 悲しいことに、今の日本で何が起こっていて、何がどう評価されているかを知るのには、海外の評判、反応と、ネットの情報、そして、新聞やテレビが報道しないことを書く一部の週刊誌などを参考にするしかない。大手マスコミがほとんど機能していないのである。 政治だけでなく、フィギャースケートで怪我をした羽生がどうして選手生命の危機がわかりながら滑るようになったかは、新聞やテレビは報道しておらず、週刊誌やネット情報を参考にするしかない。 羽生の話はともかくとして、海外の要人、識者、マスコミなどのアベノミクスに対する評価は基本的に高い。 世界第3位の経済大国が20年もデフレで世界経済の足を引っ張っているのを何とかしてほしいというのが、世界の論調であり、その対策の1つがアベノミクスであったのである。だから、海外からすると、やっと、日本がデフレ対策を実行し始めたということなのである。 その日本で、4月の消費税引き上げの影響で、立ち直りかけた経済の腰が折れかねないので、消費税の再値上げを先に延ばすということだから、世界の論調は消費税の再値上げ延長に賛成なのであるが、日本のマスコミはそうしたことはほとんど報道しない。 今の政権が官僚や既得権者の抵抗に遭って、思い切った規制緩和が出来ていないのは事実である。 だが、民主党を中心とする別の政権ならできるかと言えば、もっとできず、後退するのは火を見るよりも明らかである。例えば、自民党は農業改革を阻んでいる最大の原因である農協改革に取り組んでいるが、民主党中心の政権になれば、こうしたことも大幅後退するのは必至である。 「消えた年金」の問題に取り組み、解決をすると大見得を切ったが、ほとんど何もすることができなかったのが民主党である。消えた年金問題は、自民党の失政ではなく、担当官庁の制度設計の失敗の問題であり、手書き資料をコンピューター化していく過程で起きた問題であり、どの政党が政権を取っていても、起きた問題だったのである。 他党を批判するのは簡単である。でも、自分なら、こうするという対案を出し、それを国民に訴えないといけない。民主党なら、自分たちの政権時代の3年半の間違い、失敗を総括して、次に政権を取るなら、こうするということを明らかにしない限り、今の民主党に自民党を批判する資格はないと筆者は考える。
2014.11.20
コメント(0)
(街を歩けば、マイナスは当然の結果とわかる) 今年7月から9月のGDPの速報値が発表され、2期連続のマイナスになった。 これについて、多くのエコノミスト、学者、評論家、政治家、官僚が「予想外」と言っているが、これを予想外という人は、いかに自分が無能であるかと、自分で示しているようなものである。 かなり以前のことだが、筆者は駆け出しの記者時代、地方支局に勤務していて、市長選挙があった。その県は自民党が強い地域だったが、自民党から2人の候補者が立候補し、社会党の候補と争った。マスコミは事前予想で、揃って自民党の1人の候補者の勝ちを予想していたが、結果は社会党候補が勝った。 マスコミの全予想が外れたのだが、選挙結果が報道されている街頭テレビの前で、普通のおじさんが、「自民党が2人も立てば、勝てる訳ないわな。それを自民党が勝つと事前予想した新聞、テレビの担当者は何を見ているのかな」と呟いた。マスコミの記者の目が色眼鏡で曇っていたのであり、素人の有権者の方がまともだったのである。 世の中にはこうしたことが多くある。エコノミストとか、学者、記者とか言われる人たちは、自分が専門家だという自負心があるので、どうしても、ものごとを冷静、客観的に見ることができない。「こうあるべき」「こうなるはず」という意識が強く、結果判断を間違えるのである。 前にも書いたが、スーパーや百貨店を歩けば、4月の消費税引き上げで、消費者の財布のひもが固くなり、それまでのアベノミクス効果で、少し良くなっていた景気が悪くなっていることは、素人目にも明らかである。だから、GDPがマイナスなのは当然の結果であって、それを予想外というのは、いかに自分の目が曇っていたか、街を歩いていない証拠で、自分で自分の無能さを言っているようなものである。(増税分は福祉ではなく、借金の返済に使うはず) それにもかかわらず、自分の無能さを棚に上げて、GDPが発表になった後も、「景気は悪くなっていない」と言っているエコノミスト、学者、評論家が多いのは信じられない。そういう人には、「今すぐ、あなたは自分を恥じ、頭を修正しなさい」と言いたい。 前にも書いたが、財政再建のために消費税の引き上げが必要で、将来的にはヨーロッパ並みの20、30%台が必要と言っている学者やエコノミスト、政治家が多いし、その話をマスコミもその通り書くので、一般の人の間にも、そのいわゆる「常識」が広まっているが、これは財務省の広報宣伝活動が効いているためである。 消費に税金をかけ、その率を上げて行けば、景気は悪くなるのは当たり前の話で、景気を良くして、税収を増やすためには、消費に多くの税金をかけてはいけない、むしろ減税をしないといけないのである。そんなことは子供でもわかる論理である。 消費税を上げないといけないという人の論理は、所得が伸びない少子高齢化社会では、福祉に金がかかる一方で、所得税や法人税の伸びに期待ができないので、消費税に頼るしかないという説明である。その人たちはもう一方で、国の借金がGDPの2倍もあるので、これを減らすためにも、消費税を上げないといけないと言っている。 でも、少し考えれば、これは明らかに矛盾した話であり、財務省の屁理屈に多くの人がだまされているか、矛盾と知りつつ、財務省にいい顔をしたいから、その矛盾を隠してPRの乗っているのである。 国の借金が膨大でこれを減らさないといけないということは、増税分は福祉に回すのでなく、借金の返済に充てないといけないということである。ということは、消費税値上げ分は福祉の充実のために使ってはいけないということである。 日本の福祉がヨーロッパなどに比べると低い水準ということを言う人が結構いるが、自分が世間一般の分類で、高齢者になって感じることは、日本の福祉、特に老人に対する福祉は、やりすぎで、無駄が多く、ここを切り込むことが緊急課題であると痛切に感じる。 役所からは、所得に関係なく、無料の健康診断の案内などは頻繁に来るし、後期高齢者になると、週に2、3回無料で食事が届いたりする。公共の施設の利用料金は無料か半額である。低所得者だけに限定するのなら良いが、なぜ、全員にとなるのか理解できない。筆者の身の回りにいる同じくらいの年配の人は皆、こんなの金の無駄使いだと言っている。 しかし、老人福祉を削ると、選挙に勝てないという強い思いが政治家にあるので、無駄なバラマキが止まらないのである。(バラマキの時代はとっくに終わった) かつて、社会党が強かった時代、社会党、共産党系の知事や市長がこぞって、福祉の充実の名の下に、福祉のバラマキをして、老人対象に医療や公共料金の無料化などを行った。その結果、高所得で、高そうな高級毛皮を着ているお年寄りが無料パスでバスに乗って来たりしたのである。 当時、所得制限などをつけることは、みみっちいとされ、全員が対象になったのである。その時代の感覚が、マスコミ、役人、政治家にまだ色濃く残っていて、何かあると国や地方自治体に頼もうとする論調が今でも多い。時代が変わり、国や地方自治体は出せる金は限定的になり、それをいけに有効に配分するかということを考える時代になったにもかかわらず、何かあると、マスコミは「国や地方自治体は何をしているのか」と書くのである。 日本の新聞、テレビではほとんど報道しないが、老人だけが優遇されるような高福祉社会はおかしいという議論がヨーロッパの国では結構出ていて、福祉をどうするかという議論が盛んに行われている。 財政再建も、これまで言われていた財政の健全化の考え方が正しいのかという議論が結構出て来て、景気が悪くなっても良いから、税金を上げ、公的な支出を減らして、財政を健全化しろという考えは間違いではないかという意見が強くなってきている。 財政を膨らむままに放置するのは良くないに決まっている。しかし、これまでの考えを見直し、あるべき国や財政のあるべき姿をもう一度、財務省、大蔵省の宣伝下ではなく、自由に議論して、国民的なコンセンサスを作り直す時期に来ているのである。 その議論をする時に、財務省は客観的なデータを出すのは良いが、PR活動を熱心に行うことを禁止しないと、失敗した今年4月の消費税引き上げのような愚作がまた行なわれるようになるのは自明の理である。
2014.11.18
コメント(0)
(街を歩いたら、消費税値上げなど主張できない) 安倍政権は消費税の再値上げを延期することを決めたようだが、ここしばらくのマスコミの登場してこの問題を論議する大学教授、エコノミスト、大手新聞社やテレビ局の担当者の話は、ほとんどが「経済の実態は悪くない」「消費税の値上げを延期したら、国債が暴落する危険が高く大変だ」というトーンで、話の内容はほとんど一緒、論理はワンパターンで、まさに財務省に洗脳されているとしか思えない内容である。 「今、景気は悪くない。4月の消費税値上げの影響は限定的」という話をする学者やエコノミストに言いたい。「あなたは街を歩いていますか。スーパーや百貨店に行って、消費現場がどうなっているか見たことがありますか」と。日本のGDPの半分は個人消費である。半分を占める個人消費がどうなっているかという視点が彼らにはない。 筆者は意識して街を歩くし、小売の店を回るが、4月の消費税値上げで、個人消費は大きく減退し、半年経った今もその影響は深刻である。値上げ前に土日だと、レジで長い行列が出来ていたスーパーの店頭では、今、ほとんど待たなくて会計をしてもらえるし、大手百貨店からは買い物を勧誘するDMや電話が以前と比べ物にならなくくらい来て、消費者がものを買わなくなっていることを表している。(マスコミがほとんど報道しない海外からの延期要請) 消費税の延期に反対の学者やエコノミスト、マスコミの担当者が、財務省の考えそのままに、言うことに、「消費税を先送りしたら、国際公約違反で海外が失望し、国債が暴落し、金利が暴騰する」というのがある。 しかし、日本のマスコミはほとんど報道しないが、アメリカを初め、海外からは、日本に「消費税の再値上げの延期」を要請してきている。今、世界的にこれだけ経済が減速状態の時に、消費税を再値上げしたら、日本経済が悪くなり、世界的に悪い影響を与える」という考えによるもので、アメリカを代表する大手新聞も社説で、消費税再値上げの延期をすべきと書いている。 消費税の議論をするとき、財政再建の話が良く出て来るが、今、ヨーロッパでは、ここしばらくの間言われて来た財政の健全化という考えそのものが景気を悪くさせた原因であり、枠組みや仕組みを再度考え直すべきだという主張が大きな声になっている。 大蔵省、財務省の言うように、財政健全化に取り組み、財政構造は良くなったが、経済が決定的に悪くなったというのでは、本末転倒であり、彼らが言う財政健全化ではなく、別の知恵があるはずだという論理である。(人の心がわからない財務省官僚) 東大出の人たちが多い財務省官僚は、子供の時から習った算数そのままに、「1+1=2」の発想である。しかし、算数、数学と違い、世の中では「1+1=2」にならないことが多い。消費税を2%上げたら、税収が2兆円増えるというが、増税は消費を冷え込ませ、税収が増えないことはいくらでもある。逆に、減税をすると、景気が良くなり、税収が増えることも珍しくない。 税収を増やしたかったら、減税をすべきということを言う人がいるくらいだが、子供の時から「1+1=2」の勉強しかしてこなかった東大出の財務省官僚はそれがわからないで、増税は計算通り税収増になると信じて疑わないのだ。 筆者は今、消費税を予定通り再値上げしろと言っている学者、エコノミスト、大手マスコミの担当者は3つのタイプがいると考えている。1つは財務省の顔色を見ながら、その意向に沿って話をしている人、2つ目は財務省の説明、レクチャーを鵜呑みにして、正しいと勘違いをして、自分の主義で話をしている人、そして、消費税の値上げで恩恵を受ける人である。 政治家に消費税値上げ賛成論者が多いのは、増税すれば、税収が増え、それにともなって、自分たちが配分を主張できる財源が増えると考えているからである。本来、再値上げに反対のはずの財界の代表も消費税値上げ賛成派なのは、海外との取引が多い大手企業は海外輸出で、消費税分が自分たちに戻ってくる戻し税に期待するからである。日本全体のことを考えているのではなく、自分の都合で意見を言っているのである。 また、「今回の解散は大義名分がない」と言う評論家や学者、ジャーナリストが多くいるが、そうした人は消費税引き上げ論者であったり、批判のための批判をしている人たちだ。大きな方針変更の是非を国民の問うのは当然であり、「大義名分がない」という発想が筆者には理解ができない。(消費税が最善の課税方法ではない) そもそも、少子高齢化社会で、税収をきちんと確保するには、消費税が一番良いということを、当然のように、学者もマスコミの担当者も言うが、筆者は違うと思う。 個人でも会社でも、その他、団体でも、収入の1割の税金をすべてから取るということにしたら、消費税でも、法人税、所得税でも、取る名称、形はなんでも、ほとんど差がなくなる。そして、税収不足は、これで解消するという専門家の計算もある。 今、個人も法人も半分程が税金を払っていない。これを止めて、全員、個人の法人も団体も1割の払えば、大きな税収増になる。法人で赤字の会社は税金を払っていないが、赤字の会社は売上高の何%の税金を払うと決めるのだ。「外形課税」と言われる考え方である。 売上高1千億円以上、1千億以下百億円以上、1億円以下の3段階くらいに分けて、税率を変えて、赤字企業に売上高の何%という形で課税するのである。こうすれば、中小企業に配慮はできる。そも売上高が百億円を超えている企業で、売上高の1、2%くらいの税金が払えない法人は消滅してもらうというくらいの厳しさは必要である。 税金を払えないような法人が生き残っているから、過当競争が起き、まじめに努力している優良企業の足を引っ張るのだし、社会保険に入っていないような法人が出て来てしまうのである。 個人も収入の大きさに関係なく、全員1割の税金を払うのだ。そして、利益、収入の多い儲かっている会社、個人には税率を増やせば、消費税だけ、将来的に、2割、3割にするという話はなくなる。 「広く薄く取る消費税が一番、公平で、税収の安定になる」。財務省の担当者はそういうが、個人、法人、消費すべてに1割の税金をかける方が、余程、広く薄く取り、公平で税収の安定になるが、その話はしない。役人は自分たちに都合の良い論理でしか話をしないのだ。(官僚や企業が言う論理をそのまま報道するマスコミ) 最近のマスコミの報道を見ていて感じるのは、今のマスコミは、役人に「あなたの言っていることは違うのではないか」というようなことを言って、財務省の担当者に議論をふるような記者がいないことだ。 子供の時から、教師から「言われたことをそのまま覚えろ」と言われて育った優等生だからである。だから、役所や企業のPR通りの原稿を書き、一般の国民に「消費税を上げないと大変なことになる」という財務省のPRを信じさせる発言や原稿書きをする結果になるのである。 記者のそうした性向を助長しているのが、筆者時代にはなかった最近のマスコミのシステムである。それは記者会見の場で、パソコンを持ち込み、会見で話をする政治家、官僚、企業幹部の話を顔もほとんど見ないまま、パソコンに内容を打ち込む姿である。 会見でもインタビューでも、話をする政治家や官僚、企業経営者は平気で嘘をつくし、同じことを言っても、顔や表現の仕方で、意味が違うことがいくらでもある。それを見分けるために、話をしている相手の顔や表現の仕方を集中して見るのだが、今の記者は神経の8割をパソコンの打ち込みに使っているので、その見分けができない。 そんな調子だから、まともな質問はできないし、言っていることがおかしいという反論、批判も弱くなるのである。情報を一刻も早くという発想から、このシステムが出て来たのだと思うが、1分1秒を争う報道は通信社に任せればよいのであって、それはほとんどのマスコミの使命ではない。 10分、20分遅れても、本質を見極め、発言者の嘘の論理に迫り、正しい内容の報道をするのがマスコミの役割だと思うが、現在のシステムではそれができなくなってしまっている。1日も早く、この制度を止めるべきだと思う。
2014.11.14
コメント(0)
全4件 (4件中 1-4件目)
1