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2026.06.20
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 有賀未来「あなたが走ったことのないような坂道」(新潮社)  同居人の チッチキ夫人 が​
「これ、借りられたら借りてきて。」
 ​毎週、図書館に通っているボクにそういうので、予約すると借りられました。
香港 生まれ、日本語暮らしらしい 19歳の作家有賀未来 「あなたが走ったことのないような坂道」(新潮社) です。
高校3年生 18歳 新潮社 新人文学賞 をとったということが 朝日新聞の読書欄 で話題になっていたようでのリクエストだったようです。彼女もすぐ読み終えたようで、ボクも読みました。
 で、どうだったか、ですね。とりあえず書き出しです。​
 世の中って結構残酷っぽくて、でもそれを受け入れるにはちょっと早っぽくて、で、あたしどうすればいいかわかんないし、だから、今はとりあえずこーやって爪を齧ることしかできなくて、右手も、左手も、全部の指先がぼろぼろになって、真っ赤になって、爪と肉の境から血が滲んで、それを舐め取って、冷たい酸素に触れると焼けたように痛くて、それでも、あたしは生きてるんだって、生きていくしかないんっていうか、それ以外のやり方知らない、だけ?(P3)
​  語りて 黄星瑤(ウォンシンユー) 香港 生まれ、香港から日本に移り住んでいる 養父母 に育てられている日本育ちの高校生です。日本語しか話せないし書けない女の子です。
 で、 彼女 が自分を見つめて感じているのがこんなふうに語られます。
「はじめまして、黄星瑤です」と言ったときの、あの感じ。弛んでいた空気がピンと張り詰めるあの感じ。あー、このひと外国人なんだ。というフィルターがかかるのがすぐにわかるあの感じ。それでも別に私気にしないですよ、っていう、あの、感じ、に、いつまで経っても慣れなくて、多分一生、慣れない。(P6~P7)
 で、作品の 最後のフレーズ がこうでした。​
背中から抱きしめられて、その細い指で口を押えられて、あたしの涙が、血が、熱くて、さらさらと、流れて、なおに吸い込まれていく。やめて、やめてよ。そんな簡単に、あたしを解決しないでよ。かすり傷が酸素にふれて、焼けたように痛い。(P93)
 読んでいて、で、この 最後のフレーズ を読み終えて浮かんできたのは、​
もしも、教室で出会う高校生が、この作文を夏の課題とかで出して来たらボクはどうするんだろう。
という問いかけでした。
 まあ、 書き手が17歳 こっちが元高校教員 というせいで浮かんできたのかもしれませんが、腰抜けちゃうでしょうね(笑)。
「台湾生まれ日本語育ち」 温又柔さん とかに共通する、 有賀未来さん 香港 ですけど、なんというか、ボクたちが忘れている 世界性 というかを期待させて楽しみな書き手の登場です。
 上に貼った 表紙の写真 で、ミニスカートの彼女が坐っている場所のイメージに、ちょっとワクワクしますね。​
ここから跳んだらどうなるか?
 ボクが、この作家に期待するのはそういう感じです。

 2026-no063-1278



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最終更新日  2026.06.20 00:20:38
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Re:週刊 読書案内 有賀未来「あなたが走ったことのないような坂道」(新潮社)(06/20)  
学校の先生でらしたのですね!国語の先生?先生は好きです!記憶の明けの明星のような恩師が二人います!詩を書いています! (2026.06.20 00:53:30)

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