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同居人の チッチキ夫人
が
「これ、借りられたら借りてきて。」毎週、図書館に通っているボクにそういうので、予約すると借りられました。
世の中って結構残酷っぽくて、でもそれを受け入れるにはちょっと早っぽくて、で、あたしどうすればいいかわかんないし、だから、今はとりあえずこーやって爪を齧ることしかできなくて、右手も、左手も、全部の指先がぼろぼろになって、真っ赤になって、爪と肉の境から血が滲んで、それを舐め取って、冷たい酸素に触れると焼けたように痛くて、それでも、あたしは生きてるんだって、生きていくしかないんっていうか、それ以外のやり方知らない、だけ?(P3) 語りて 黄星瑤(ウォンシンユー) 、 香港 生まれ、香港から日本に移り住んでいる 養父母 に育てられている日本育ちの高校生です。日本語しか話せないし書けない女の子です。
で、作品の 最後のフレーズ がこうでした。「はじめまして、黄星瑤です」と言ったときの、あの感じ。弛んでいた空気がピンと張り詰めるあの感じ。あー、このひと外国人なんだ。というフィルターがかかるのがすぐにわかるあの感じ。それでも別に私気にしないですよ、っていう、あの、感じ、に、いつまで経っても慣れなくて、多分一生、慣れない。(P6~P7)
読んでいて、で、この 最後のフレーズ を読み終えて浮かんできたのは、背中から抱きしめられて、その細い指で口を押えられて、あたしの涙が、血が、熱くて、さらさらと、流れて、なおに吸い込まれていく。やめて、やめてよ。そんな簡単に、あたしを解決しないでよ。かすり傷が酸素にふれて、焼けたように痛い。(P93)
もしも、教室で出会う高校生が、この作文を夏の課題とかで出して来たらボクはどうするんだろう。 という問いかけでした。
ここから跳んだらどうなるか?ボクが、この作家に期待するのはそういう感じです。
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