殿上人日記

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2016年12月07日
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ある人が殆どであると思う。普通なら大壁かもしれないが
うちは真壁だからとか言われても、何のこっちゃって話だ
大壁は柱が隠れている壁で、現在の建物は殆どがこれだが
昔ながらの住宅のように柱などが見えている壁が、真壁だ




全部の収納の扉を開けて、いちいち中を確認していた
地元自治体からやってきた固定資産税の調査員の方が
一番、時間をかけて熱心に見ていたのがうちの和室で
あった。壁の材質は? 柱の寸法は、床の間の寸法は

必要があるので和室は必須であった




昨今の仏壇のない若い人たちの新築の家でも、和室は
小さな子供を遊ばせるのに、旦那がごろんとしたいし
お客さんが泊まるのになどと、作られる場合が多いが
その殆どは、和室とは名ばかりの大壁の洋室に、畳
(琉球畳が多い)を敷いただけのものばかりである




費用も掛かる真壁の本格的な和室を作る人も少なくなり
左官屋さんや、畳職人さん、和室が作れる大工さんらの
腕を磨く場も少なくなり、技の継承もむつかしくなって
いるそうである。本格的な和室を作る予定のある施主は
ちゃんと職人さんが揃えれるのかを見極めて、業者も





何せ、本格的な和室はクロスなどで全てが隠れてしまう
大壁とは違って、大工仕事が見えて1ミリの狂いさえも
生じてはいけないのだから、ある意味で大工さんの腕の
見せ所でもある。なんて偉そうな事を言いながらうちも
コストの安い和風なやつをメインのリビングにくっつけ





大黒柱がない!と騒いだ昔気質の舅もいるし、そんな
適当な和室で済むはずがないとは薄々は感じてもいた
巨人ファンの設計士さんはメインのリビングではなく
普段は独立をした客間として、何かあったら舅&姑の
部屋と二間続きにできるように、和室をセッティング




普段は琉球畳の今時の和室も作るが、田舎の工務店なので
今でも、たまには本格的な和室の施工も頼まれるみたいで
地元の東濃檜の他に、木曽檜の官材もストックされており
それをうちでも使ってくれるというそうで。前にも紹介を
しましたが、木曽檜の民間の植林をした木材ではなくって




木曽檜の官材は、国有林の年数の経った良質の天然檜で
名古屋城本丸御殿にも大量に使われているので、値段も
跳ね上がって品薄になっているんだとか。ここにあるのは
以前に一度にたくさん買ったので、まだ安かったそうだ
その貴重な木曽檜の官材を、和室の長押に使用するそうだ




こちらは和室の床柱に使われるもので、どれでも好きな
ものを選んでいいと言われても何が何だか。6畳という
狭い和室でもあるのであまり太いのもかっこ悪そうだし
黒っぽいエンジュと、赤褐色の一位というのは旦那は黒
嫌いだからと一位となった




上棟をしたばかりで柱しかない頃の和室。壁に隠れる
事もない上質な柱なので傷や汚れがついてはいけないと
いう事で、ずっと保護材がまかれていた




この和室の柱は地元の東濃檜である。木曽檜には負けるが
日本有数のブランド檜であるのには間違いがない。何せ
伊勢神宮の内宮は木曽檜が使われるが、下宮は東濃檜で
あるそうだし、それに準ずる位置づけ? 伊勢神宮のは
式年遷宮用の御用林があるみたいだが




ウィキペディアによれば
>東濃ひのきとは、岐阜県東濃地方の東部地域裏木曽を
>中心に産出されるヒノキの銘木である。この地域は檜の
>生育域の北限に近く、以下のような特徴がある




>年輪幅が2~3ミリ
>均一でほぼ真円である
>材質はピンクで艶がある
>節が小さい。又は殆ど無い
>香りが高い




やっぱ、高級木材と言われるだけある良い材質だ
ほんのりピンクだし、節とかないし、香りも良い
地元だからこそ、こんな木材も手に入りやすいの
かもしれない




前にこのあたりの写真を載せたら、ブログにお邪魔
させていただいている信州の大工さんが、懐かしい
ってコメントを頂いた。クロス貼りではなく塗り壁を
する為の穴の開いた石膏ラスボードを久しぶりに見た
そうで↑




左官工事で仕上げる日本の伝統的な塗り壁は、継ぎ目がない
一体の壁面を仕上げられ、防火性や断熱性に優れ、調湿性も
あるそうです。調湿性は室内に湿気が多い時は素材が湿気を
吸収し、乾燥時にはこれを放出するので結露防止や、適度な
湿度の維持に効果があるとされ、日本の気候や風土に適して
いるんだとか




最近は自然素材を大事にしたいという若い施主が珪藻土を
使ったり、かっこいいからと漆喰の塗り壁をする場合も
あるそうだが、これは「聚楽壁」といって、お茶室など
にも使われる伝統的な工法だ。秀吉が聚楽第を作った時
近くの土を使って塗ったのが、名の由来であるのだとか




やっぱ湿気のある蒸し暑い日本には、日本ならではの
素材や工法って存在するのかもしれないし、寝室とか
塗り壁も良かったかも・・・なんて、思ってもしまう
位だ。あとは予算の関係とかもあるんだろうけど・・・




平成の世の家なので、エアコン用のコンセントなども上部の
壁には設けてあるが。その下の長いのが例の木曽檜の官材を
使ったという長押(なげし)だ。古くから日本の木造建築の
構造は柱梁桁(はしらはりけた)構法が基本で、これは柱や
梁を組み合わせて骨組を作って、梁と垂直に桁を渡し建物を
自立させる構法である




しかし桁は柱の頂部をつなぐだけなので強度がないので、柱の
頂部に凹型の溝を彫って、そこに貫(横材)を落とし込む頭貫
(かしらぬき)という技法が考えられた。更に柱をしっかりと
立てておくために、柱の両側から横材を当てて釘で留めたのが
長押の始まりだったのだが、柱の中間部に貫を通し柱どうしを
しっかり緊結する貫構法が出来、長押がなくても建物の強度は
保たれるようになった




その為、長押はだんだん薄くなるが、見た目は幅広となって
和室の空間を引き締める装飾的な存在となり、部屋の格式を
決定するものとしても重視されていたそうだ。確かに長押の
ない和室なんて・・・・。あっ、本格的な和室だといっても
近代的なペアガラスの入ったサッシは入ってます




和室の雰囲気を壊さないように、カーテンとかではなくって
障子も入っています。ちなみに障子は平安時代には生まれて

>日本家屋独特のほの暗さの文化や陰翳の美を演出するもの
>として、日本の建築文化の象徴的な存在であった。近年は
>適用範囲の広い意匠性と適度な透光性のほか、ガラス戸との
>組合せによる断熱効果、紫外線の軽減効果、紙による調湿




>効果といった優れた性能が評価され、洋室においても
>カーテンの代替として障子が用いられる ウィキペディアより

阿斯波良能、志邪志岐夜邇、須賀多々美 伊夜佐夜斯岐弖
和賀布多理泥斯(葦原の しけしき小屋に 菅畳 いやさや
敷きて わが二人寝し)とは古事記にある神武天皇の御製で
ある




古くはベッド代わりに寝所に敷いただけの畳も、お茶室の
登場で部屋一面にに敷き詰められるようになった。偶然
畳屋さんが入った時に家に行ってたので、頭を下げる事が
出来た。旦那、工務店さんに何か気になる事はありますか?と
聞かれ、新畳なのに硬くないと言って恥をかく




と言うのも昨今の一般で使われている畳は、コストダウンも
あって、畳床に発泡ポリエチレンなどの新建材が使われており
踏み心地が硬いのだ。ところが、うちの和室は藁床が使われた
本物の畳だから、弾力があるのでふわっと優しい踏み心地だし




畳はフローリングと違って保温効果があって、調湿性も持ち
防音性も優れているのだとか。和室の敷居は襖が滑りやすい
ように竹滑りの施工。竹には油分があるので使えば使うほど
滑りもよくなり、襖も長持ちするんだとか




実家から肉筆の掛け軸も持ってきているし、半間程の
床の間もしつらえました。舅の今は亡き弟の妻がよく
買っていたからとトップアートの掛け軸を新築祝いに
くれたのだけど、それを床の間に飾ってないのは何故?
と後から電話で言われたし。モノを貰うというのも気を
使うものだ




前の家の床の間には、海外の土産に貰ったとかいう
バッファローの角が飾ってあって、それが嫌で捨てて
しまったのけど、大きな信楽焼の狸の置物を置く訳にも
いかないし。何かしらしぶい花台でも買ってきて上に
花でも飾ればいいとは思うが、殺風景なまま




そうそう床柱の一位の木だけど、和歌の世界ではアララギ
またはオンコとも言い、衣冠束帯に身を固めた時に威儀を
整えるために持つ笏(しゃく)をこの木で作ったからだと
言われています。また仁徳天皇が笏をこの木で作った時に
官位1位を与えられたからとも




天井もクロスとかではなく、ちゃんと竿縁天井で仕上げられ
照明も木製のものにした。ちなみに竿縁が床の間と直角に
取り付けられた天井は床刺しと言って、不吉とされており
この和室のように床の間と平行にするんだとか。これは畳も
同様で床の間の前の畳は平行(横長)に敷なければならない




襖絵は花とか色々なデザインがあったが山に囲まれ、山のある
生活なので、やっぱ山って事で。鹿児島旅行の日記の前に家の
建て替えの内覧がまだ少しだけど残ってましたので、こちらを
先に紹介します

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最終更新日  2016年12月08日 10時35分43秒
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