yuuの一人芝居

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となり 続編 鳴き声 執筆中


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小説 夏の路


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今拓く華と路と空と風8


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今拓く華と路と空と風10 執筆中


時代小説  倉子城物語朗読劇芸文館公演


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この作品は「あの瞳の輝きとわに」の第二部


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干潮 この作品は「倉子城草紙」にて出版


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この作品で脚本賞を頂く。


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青年劇 秋桜・・・公民館公演


倉敷水島文化センターで公演


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戯曲 天使達のララバイ 連載中


小説 冬蛾 連載中


小説 十七歳の海の華・・・1


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創作秘話 「17歳の 海の華」


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随筆 風立つ頃に 1


随筆 風立つ頃に 2


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和楽座公演


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随筆 記憶の薄れいく中で


随筆 風の路 1


随筆 風の路 2 


随筆 風の路 3 


随筆 風の路 4


随筆 風の路 5


随筆 風の路 6


随筆 風の路 7


文化の意味を問う


戯曲 入れ歯のできる日まで 港区福祉会館


入歯の出来る日まで 冊子として出版


倉敷市公民館で公演


おはなし 星に願いを 1


星に願いを 2


星に願いを 3


星に願いを 4


星に願いを 5


この作品は 倉子城草紙に収録


戯曲 はちすの露1  倉敷市芸文館公演25年


戯曲 はちすの露 2


戯曲 はちすの露 3


あしあとひとつあしおとふたつ 芸文館公演


あしあとひとつあしおとふたつ  2


創作秘話 あしあとひとつ あしおとふたつ


小説 水島灘物語 連載中


小説 冬蛾 連載中 1


立石孫一郎についての考察


立石孫一郎についての考察 2


三っの石橋架かる町 冊子として出版


倉敷市民会館大ホールにて公演。


倉敷本町公民館にて公演


偉大な愚か人達 冊子として出版


この作品は 東京都町田会館にて公演


新見市民会館にて公演


倉敷本町公民館にて公演


ここに書いている小説は雑誌に掲載


波倉の町 倉敷市民会館大ホール公演


冊子として出版


戯曲 波倉の町 連載開始


蔵のある町 倉敷市民会館大ホール公演


戯曲 あの瞳に支えられ桜散る時・・・


この作品は「あの瞳の輝きとわに」の第三部


倉子城物語 波倉の村から 連載中


恨の藤戸は流れ星 倉敷公民館ホール公演


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小説 砂漠の燈台 2


小説 砂漠の燈台 3


小説 砂漠の燈台 4


いつか何処かで・・・。1-28


いつか何処かで・・・。29


明日は今日より素晴らしい・・・。1


2006年03月22日
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春を迎える前の雨か・・・。しとしとと落ちているが・・・。寒い・・・。洗濯物をエアコンで乾かしている・・・。小松菜が黄色い花びらを開いて・・・。春菊がすくすく大きくなって花をつける日は何時か・・・。雨の中汚れを洗われ緑鮮やかに・・・。
王ジャパンの快挙に国民は心ゆすぶられ・・・喜び泣いたが・・・。
懲罰委員会に出た永田は紹介者の名前を言わず・・・。これだけ国民、仲間にやめろといわれてもその決断ができないとは・・・。男じゃない・・・女々しい・・・これは女性に失礼か・・・。辞めてほしい・・・。この男のために何十億の税金が無駄に使われたか・・・その責任が取れなくて・・・。みんしゅとうがいくら政府の税金の無駄遣いを指摘しても、自分の責任が取れない党の意見など誰が聞くのか・・・。
永田は辞めろ・・・潔く辞めろ・・・自分のことは自分で決めろ・・・鳩山に任すとは・・・卑怯だ・・・。辞めろ・・・。国民にために辞めろ・・・。
国民はうんざりし腹を立てているのだ・・・。

九太郎がいく・・・14

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主は雨が降っているときは頭の回転が正常でなくなる・・・。交通事故の後遺症で鬱の状態になるらしい。
今日も一人で三太郎兄さんの物語を読むことにするか・・・。


 曇り後雨時々晴れ。猫の額ほどの庭には、サツキが赤と白の花びらを開き重く湿りがちな気分を和らげてくれていた。何故、土地が狭いと猫の額と言う表現を使うのか、これは偏見と言うものではないか。まあいいか・・・。
 主人は朝から忙しげに貫之さんの部屋を掃除していた。俺が擦り寄って行っても、相手にしてくれなかった。何時もなら、
「三太郎は元気かな。ご機嫌は如何かな。ストレスは蓄めるでないぞ。雌猫にもてるといいがなぁー。美醜に拘るでないぞ、最近は整形美人に性格ブスと言ってな、ややこしい人間が増えて、人間社会は混乱しておる。どこを見ても、どちらを見ても同じような女性でな、個性なんかないのだ。判断に困ってしまうのだ。化粧の下の顔を見なくては人相学は成り立たなくなる。そう人相見が言っておった。昔から、顔は心を映すとか、心の鏡とかと言う言葉があるが、今ではその言葉は死語になりつつあるのだ。実に嘆かわしい、愚かしい。父に母に貰った顔で、堂々とどうして生きられないのかと言いたい。心を研けば自ずと顔は美しくなり、その自信が姿形を輝くものにするのだという、嘗ての格言諺が今では通用しなくなった。おまえの世界ではそう言うことがあるまいが、決して整形美人と性格ブスに子種をやるではないぞ」
 と言うようなことを、言って遊んでくれ、教授してくれるのだが、今日はどうもその心の余裕はありそうになかった。
「あなた、なにをそんなに興奮しているのですか。貫之の部屋はさっき私が掃除をしておきました」
 静さんが部屋を覗いてそう声をかけた。
「分かっておる、念には念を入れてと言うではないか。万一、掃除が行き届いてなくて貫之が振られるというような状況になったら、可哀相ではないか」
「それは日頃の貫之の生活に問題があるのですから仕方がない事でしょう。自業自得というのでしょう」
 静さんも何時になく言葉を荒げて、主人に口返事をしている。何時もなら、主人の言う事に逆らった事がないのだが。
「お前さんは知らないだろうが、貫之が此処まで漕ぎ着けるには大変な努力と忍耐がいったのだぞ。だいぶ前にお前さんに言ったと思うが・・・」
 主人も今日は否に下手に出ているのだ。

「それは、まあ、そうだが。だが、それだから余計に心配なんだ。万一、失恋がもとで世を果なんで命を絶つとか、得度して、坊さんになるとか・・・」
「そうなったらそれでいいではありませんか。そうなることが貫之の運命なら・・・」
「否に今日は逆らうではないか。さては、貫之の心がお前から離れて、その娘に移ったのを嫉妬しているのだろう」
「あなたと一緒にしないでください。私は、貫之より、あなたの方が心配なんですから」「それはどう言う事だろうか」
「あなたの頭の中には、貫之と今日来る娘とのドラマが進行していて、結末まで進んでいるのでしょう。何時結婚して、どこへ新婚旅行に行って、何人子供を産んで、その孫を背負い、どこを散歩させ、どんな玩具を与え、いつ頃最初の夫婦喧嘩をして・・・と」

「分かりますわよ。結果においてそうならなかった時の事を考えると・・・。その時には怒る泣く・・・。そんなあなたをどう扱えばいいかを考えると今日の来る日とても恐かったのですよ」
「だが・・・」
「現代の女性は、お父さんが考えている程・・・」
「つまり、お前さんのようではないと言いたいのかね。大和撫子ではないといいたいのかね」
「先だって、三太郎くんに言葉を投げていたではありませんか。整形美人と性格ブスがどうのこうのと・・・」
「だから、この私が、曇りない眼でそれを判別しょうとしているのではないか」
「それが、貫之にとってはいらぬお節介になると言っているのですわ。貫之が選んだ娘を、信用してあげようではありませんか」
「うーん。だが・・・」
「それより早く、五右衛門を連れて散歩に行ってらっしたら・・・」
 軍配はどうやら静さんに上がったようだった。
 俺は主人が五右衛門君を連れて川沿いを歩いて行くのをじっと見詰めていた。マントヒヒが背を丸めて五右衛門君に連行されているように思えた。
 散歩から帰って、主人は書斎に閉じ籠もり、何やら懸命に書いていた。余程静さんに言われた事が堪えたのだろうか。だが、そんな和な主人ではない事は、俺は百も承知二百もがってんだったのだ。
「病み上がりで少し痩せたなぁー。まだ本調子ではないのか」
 と五右衛門君が、貫之さんの部屋の網戸越しに声を掛けた。
「うん、まだ腰がふらつくのよ。兄さんは近頃どうなんですか。足の具合は」
 俺は網戸に近寄ってそう応え、そして問った。
 五右衛門君は産まれもって少し足が悪いのだ。人間で言えば正座が出来ないという具合に。五右衛門君を俺は、先に此処に住んだことに敬意を評して、兄さんと呼んでいた。
「うん、生れつきだから。聞くけど今日はなにかあるのかい」
「うん、貫之さんの彼女が来るということなんだ。それで何かと忙しそうなんだ」
「でも、主人は何だか淋しそうだったぜ」
「チョツトあってな。なあにちぃとやそこらでへこたれるようなお人じゃあないよ。世間の冷たい荒波を掻潜り、泳いで来たお人だから。伊達に、あんな風貌はしていないよ」
「君は何を観察しているのかね。あの怠け者の様な懈怠の中には、蚤のような心臓がひ弱に打っているんだぜ。細心な感性があるからこそ、静さんも惚れているんだぜ。静さんは足が少し悪いだろう。交通事故で二年近く入院をしていたんだそうだ。その間、一日も欠かすことなく見舞いに行ったそうだ。余程惚れ合ってなくては出来ることではないぜ」
「それは初耳だよ。そんな事があったのか・・・。うーん・・・」
「それに、主人の芝居はなんとか賞を貰っているし・・・。まだ、芝居が忘れられなくて、よく独り言を言っているのだよ」
「うん、家の中でものべつまくなしに喋り続けているよ」
「本当はとても淋しがりやなんだ。淋しいとついつい泣きたくなり吠えたくなるだろう」「うん、それには一理も二理もあるな。貫之さんが今日来る彼女に取られるのが堪らなくて・・・」
「それは、ママさんの方だろうよ。パパさんは嬉しいんだよ、だから感情を押さえられなくてじっとしておられない。だけど、その仕草をどう表現していいか分からない」
 五右衛門君は、主人をパパさんと呼び、静さんをママさんと言った。
「なにぶんにも不器用なお人だから・・・」
「君にはまだ分からないと思うが、父親に取っては息子の彼女、つまり、嫁は言ってみれば第二の夫人の様なものなんだょ。息子を通して嫁と睦み合うと言うことになるらしいんだょ」
「じゃあ、分身の分身が、主人のチンチンだとでも言うのかい」
「そう言うことになるかな。巧く言えないが、息子の嫁は父親に取って可愛くて仕方がないと言うことになるらしいのだよ」
「よく分かるのですね」
「ああ、君よりは少しパパさんとの付き合いが長いものでね。散歩の途中で、洗濯物をしまっている若いお嫁さんを見ると、うちの倅にどのような嫁が来るのか実にドキドキするな。可愛くて素直であって欲しいな。いいや、健康で、倅を心から愛してくれたら何も言わんのだが・・・と言いながら涎を垂らしていた事があったよ」
「そんなものですかね。あの主人にしても平凡な父親だって事ですか」
「人間てそれ位な者よ。感激屋の泣き上戸・・・」
「そんな主人が好きだょ」
「僕だって・・・」
 とまあ、兄さんとこの様な会話を交わしたのだった。
「今日は、五右衛門と三太郎がいやに騒がしいわね。どちらも発情期を迎えたのかしら」 静さんがそう言いながら入って来た。そして、網戸越しに、例えば人間の世界で言い換えるならば、刑務所の面会室にある穴の開いたガラス越しにと言うことになろうか、兄さんと俺が何やら額を寄せ合って話している姿を見て、
「なんと仲の良いことでしょうかしら。何時もこうあって欲しいわね」
 と笑窪の出ない頬を歪めて言った。
 それからは、なにがどうなったか、主人が書きかけている原稿用紙の束の上で寝込んだので分からない。川面を叩く雨の音がまるで子守歌のように聞こえたのを覚えているだけだ。

文章を書くこころ文章を書くこころ
手紙、原稿、論文…日常生活の中で、文章を書かねばならない場面は多い。知的で味わい深く、自分の考えをうまく伝える文章を綴るには、何を心がければよいのか。本書は、エッセイの名手として知られる著者が、書く前の準備、上手な文章にするための心得、手紙のコツなど、文章上達のための基本を披露する。書くことへの苦手意識がいつの間にかなくなる、親身のアドバイス満載の書


 雨の中小松菜花をつけて立つ
                 秋の名残が春に咲くのか

 2006/03/22強の雨が去ると春が来るのか・・・。







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最終更新日  2006年03月22日 16時12分55秒
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Re:2006/03/22 春の雨か・・・。(03/22)  
お局ちゃん  さん
こんばんわ。

午後から雨が降ってきました。
今も降っています。

三太郎君の人間観察は面白いですね。
主人を見る目が楽しいです。
良いところも、悪いところも、全てを表現してゆくのが小説なのですね。

動物同士も仲が良くて微笑ましいです。

何時も、ありがとうございます。

(2006年03月22日 21時16分45秒)

Re:2006/03/22 春の雨か・・・。(03/22)  
学天坊  さん
動物と話が出来たらとたまに思いますが、ちと怖い気もします。いったい何を見られ、何を見抜かれているのだろう。
まぁ我が家にはいないので安心ですが、寂しい事かもしれません。
体調は如何ですか。
お大事に。 (2006年03月23日 10時50分27秒)

yuu yuuさんこんにちは♪  
みえこ55  さん
体調はいかがですか?天気が悪いと,それだけでも憂鬱になりますよね。
顔って面白いですよね。今も冗談で友人と顔は変えられるけど心はねえ~!なんて会話をしてきたばかりでした。
そうは言いながらも顔をチエックしてしまったり。。。
人間って勝手なことを言ったりやったりしますね。
私も人のことは言えませんけどね(笑) (2006年03月23日 13時05分45秒)

Re:2006/03/22 春の雨か・・・。(03/22)  
tabioneko  さん
整形美人と性格ブスには子種をやるでないぞ。。。。整形してないブスには、子種はいただけないのでしょうか??
今の旦那さんの子供が出来ずじまいの我が家です(笑)
子供は前の旦那の子供ですが、今では旦那とうまくやってます。 (2006年03月23日 16時36分03秒)

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