だから、お金を悪者にする人はお金が嫌いな人だと思っていたし、お金持ちでない人はお金持ちになりたくない人だと思っていた。好きなのに稼げない、お金持ちになりたいのになれないというのは、私の中ではあり得ないことだから。
あれだけの資産家の老紳士たちと週に何度もお茶をすすりながら談笑していた大学生は、きっと日本中を見渡しても私ぐらいだろう。 あえて、みんなと違うことをする。これは今でも日々実践している、成功法則のひとつ 。
いかに時間を使わずに、いかに楽をして着実に稼ぐか。 大多数の日本人は、こう聞くと眉をひそめるだろう。拒否反応を起こす人もいるかもしれない。なぜなら、楽をすること、お金を稼ぐことは「悪」だという刷り込みが行われているから。 しかし、これを批判する人の中に、残念ながらお金持ちは一人もいない。 そもそもお金持ちの世界とその他の世界では、常識が違うのだ。 それゆえにお金持ちはお金持ちで居続けるし、そうでない人は一生お金の不安や心配を抱えて生きていくという、二極化が生まれている 。
「その他にも、金持ち界の常識はたくさんある。
・お金はなくならない
・人生は好きなことだけをするためにある
・辛いこと、苦しいことは避けていい
・金持ちでない人は、それを自分で望んでいるだけ
・金持ちと一緒にいるほど金持ちになる
・お金は人を優しくする
・自分の『好き』がお金に換わる
・労働で豊かになることはできない
・お金も人も『気』の良いところに巡ってくる
・良いとこ取りの人生が普通
なんてね。どう? こっちのほうが楽しそうな世界だとは思わないかい?」
「特に日本はお金の呪縛がとても強く、幼い頃から知らず識らず、親に、学校に、社会に洗脳されてきている。誰が悪いというわけじゃないよ。あすかちゃんの上の父母世代も、もっと上の祖父母世代も、みんなどちらかというと被害者だ。 呪いのように脈々と受け継がれる『貧乏』の血。それをここらで断ち切ってあげないといけない。下の世代に惨めな思いをさせたくないのであれば、なおさらね 」
お金を求めるのはもちろん、悪いことではないよ。ただ、『お金』に焦点を当てるのではなくその先の『感情』を手に入れたいということを、お金持ちになるんだったらしっかりと自覚しておく必要がある。
お金を稼ぐ、という行為は、思っている以上にずっと簡単だ。するべきことと言えば、そのとき社会に求められている価値を提供するだけ。そうするだけで、お金は自分の元に集まってくるようになる。
金持ちに『なる』人とそうじゃない人の差はね……あすかちゃんも、もう気づいているはずだ。 なんてことない、『理由』だよ。心からの、稼ぐ理由。それは原稿用紙何枚分といった仰々しいものである必要はない。そんなものはむしろ、最初の段階ではないほうがいい。頭でっかちになると、うまくいくものもいかないからね。 とにかくシンプルに、簡潔に。俗世的なものでも構わないよ。いい車に乗りたい、モテたい、有名になりたい。なんでもいいから、ひと言で表現できる『心からの叫び』だ。だから『どうして稼ぎたいの?』って聞いたんだよ。
貧乏人の悩みの九十九パーセントはね、お金で解決できるんだよ。
「 でもね、残念ながら、『節約』自体には人生を劇的に変える力はない。収入をひたすらに上げ続けることでお金持ちになる人、投資だけでお金持ちになる人は一定数いるが、節約だけでお金持ちになったという人を、僕はまだ一人も知らない。きっと今後も遭遇することはないだろう。なぜなら、節約というのはあくまでもお金の『枠』が決まった状態での行為であり、元々あったお金以上にプラスに転じることは物理的にあり得ないからね 」
世の中には『生き金』と『死に金』があってね、貯めるだけで手をつけずに寝かせておくだけのお金は『死に金』
人間はとてもわがままでね、『お金が欲しい』『お金持ちになりたい』と言いながら、勝手にお金を振り分ける人がとても多い。これ、心理学ではラベリングと呼ばれるものなんだがね。このお金は良いお金、このお金は悪いお金。こういうお金は受け取りたい、こういうお金は受け取りたくない。例えばあすかちゃん、さっき僕があげようとしたお金を返してきただろう? でも、仮にそれがもし宝くじで当たったものだとしたら、たぶん何の抵抗もなく受け取っていたんだよね
「このラベリングっていうのはお金を自分から選り好みする行為なんだけど、この線引きには全く意味がない。お金に色はないからね。お金そのものに綺麗、汚い、良い、悪いというのは一切存在しないんだ。全ては個々人がつくり出した偶像。単なる思い込みにすぎない」
「 こういった線引きをすればするほど、豊かさはどんどん遠ざかっていく。自分からわざわざ『このお金は嫌』『この豊かさはいらない』って熨斗をつけて返してしまっているんだからね。そんなことを繰り返していては、次第にどんな性質のお金であっても、自分のところへは近寄ってこなくなってしまう 」
「外見のアドバンテージがなくなったときに勝負しやすいのは『知性』『教養』『可愛げ』『経験』、そしてそれらがもたらす『自信』といった中身の部分。これらは色褪せることはないし、どんどん魅力を増していく。しかも、早くから身につけるほど恋愛や婚活市場で圧倒的に優位になれる優れものよ。中身が空っぽのまま、単に歳を取るだけの女にはなりたくないでしょう?」
終末医療を担当していた彼女曰く、死を間近に控えた人々が口にする後悔の中で最も多いのは、次の五つなのだそう。
一.他人が自分に期待するような生き方ではなく、もっと自分らしく生きれば良かった
二.あんなに一生懸命働かなくても良かった
三.言いたいことを我慢せず、はっきりと口に出せば良かった
四.友人関係を続けていれば良かった。もっと友だちと連絡を取れば良かった
五.もっと自分の幸せを追求すれば良かった
お金は命令通り働く優れものだが、能動的に働くことができない。あくまでも受け身。こちらが指示をするまでは、積極的に動くことも、向こうから提案が来ることも一切ない。 したがって、お金を有効に働かせるには使い手側、つまり僕たちが、適切で正確な指示を出す必要がある。自分がトップとなり、有能な部下を動かし、正しいパフォーマンスを出させるんだ。
「この器の大きさや形状は、実は後からいくらでも変えることができる。自分の器は固定じゃなくて、どんどん広げられるんだ。そのための唯一の方法が、自分の限界を更新し続けていくことなんだよ」
「例えば、自分の中での平均値、基準となる金額ってあるでしょう? お洋服ならこれぐらい、外食ならこれぐらい、宿泊ならこれぐらい、といった、大体の目安。この基準を少しずつ、上へ上へと持っていくんだ。 何も、一気に上げる必要は全くない。無理をしすぎると力がかかりすぎて、器が壊れてしまうからね。壊れてしまうと修復が大変になる。余計な時間も取られる。だからあくまでも少しずつ、少しずつ広げていくようにするんだよ」
「基準は一度上げたら戻してはいけない。戻さないように、上げたまま保つ努力をする。努力と言ったって難しいことではないよ、ただ、その金額感を常に意識しておくだけ。前の基準で選ぼうとしていたら、本当に良いの? 本当に選びたいのはどっち? って、都度自分に問いかけるようにしてね。 そのときに焦点を当てるのは、金額じゃなく、心地良さや喜びのほうだ。どちらも選べる自分になったことを慈しむ。常に自分の心に忠実にね。現実というものは、自分の意識によって、どんどん変わっていくものなんだから 」
でも、お金は自分のものじゃない。もっと言えば、誰のものでもない。当然私のものでもない。 お金はお金。自然と巡りゆくもの。私たち人間に、その循環を止める権利なんてないんだ。 たまたま自分の手元にあるときに、どんな使い方ができるか? それが問われている。一期一会を大切に、そのときの自分にとって『良い』お金の使い方をする。数字だけ見れば一時的な増減があったとしても、豊かさへの投資は、絶対に君を裏切らない
「独り占めしていては永遠に豊かにはなれない。このお金を払うことで確実に、世界は大きく広がる。大丈夫、なくならないから。正しい使い方さえしていればちゃんと、このお金は何倍にもなって還ってくるから、安心して」
ストール一枚に二十五万円なんて、きっと二十二歳の会社員が普通に過ごしている分には支払うことなどない金額だったろう。だからこそ、ここまですぐに効果が現れているんだけどね。表情も立ち居振る舞いも、まるで別人のようだ。 自分にお金を使ってあげることで、自分自身を大切にする感覚を掴んだんだろうね。それがいかに大事なことであるか、も。自分にお金を使うと、潜在意識の中に『自分がその金額に見合う人物である』と刷り込まれる 。これからこういったお金の使い方をするたびに、あすかちゃんはどんどん素敵な女性になっていくよ」
人生の九十五パーセントは運で決まる。そして『運の良い人』というのは確実にいる。これは金持ちであれば共通だと思うけど、運気は感染るものという確信があるから、運の良い人となるべく多く一緒にいたほうが絶対に良いんだよね。
うまくいく人には共通する『特徴』があるんだよ。 何かでずば抜けた成果を出した人、何かを成し遂げた人というのは、絶対にこういった発言をしない。 『でも』『どうせ』『だって』。これらは頭文字を取って『三D』と呼ばれることもあるね。投資に限らず、成功者の世界では原則として禁句とされている 。
君のことを傷つける人に時間を使う必要はない。君の邪魔をする人、君を大切にしない人に貴重な時間を割くものではないんだ。人生は短いし、いつ死んでしまうかもわからないのだから。あなたにはちゃんと、あなたの関わるべき人がいる。
自分のためよりも他人のためにお金を使ったほうが幸福度が高まる、というデータだった。その研究では同時に、幸福になれるお金の使い方が八つ提唱されているという。
・モノではなく経験を買う
・自分ではなく他人の利益のために使う
・少数の大きな喜びではなく多数の小さな喜びに使う
・期間の延長や保障にお金を使わない
・支払いを先延ばしにしない
・買ったものが生活をどう向上させたか振り返る
・買ったものをいつまでも比較しない
・他人の幸福に細心の注意を払う
これはアファメーションという、心理学の技法でね、発した言葉をもう一度自分の耳で聞くことで無意識下に届き、夢が叶いやすくなるんだ。普段、僕たちが自分で思考する際に使っている顕在意識はわずか五パーセント。九十五パーセントは思考の枠を超えたところで稼働している潜在意識だ。 この潜在意識が『無意識』と呼ばれるもので、ここにちゃんと刷り込むことができると、夢や理想は圧倒的に叶いやすくなる。だから、これがしたい、あれがしたい。そういった夢ができたらどんどん公言したほうが良い。
心配しなくても大丈夫だ。お金を得た後に見られる景色から、必ず新しい夢が見つかるようになっている。だって夢は常に、更新し続けていくものだからね
「お金は切り詰めるほどに貧乏になる。それは、目先のことしか考えていないからだ。視野が狭すぎる。目先のこと、自分のことしか考えていない人に、誰が集まると思う? 決して、日々贅沢三昧しろと言っているわけじゃない。貯金だって多少あれば便利だし、節約も才能のひとつではある。 ただ、何かを選ぶときには『金銭的にどうか?』という判断基準を一度封印し、自分の『好き』を叶えていくことを大事にしてほしい。そういったお金の使い方を試し続けていれば、どんどん豊かになっていけるからね。
【感想】
物心ついた時からお金が好きな20歳の女子大生が、証券会社の窓口で絵にかいたようなお金持ちの老紳士と出会い、お金持ちになる方法、お金持ちの世界での常識を教えてもらう、というストーリー。お金持ちのお金に対する考え方がこの1冊に凝縮されていて、「そんな考え方があったのか」と驚かされたし、少しでもその考え方を自分の中に落とし込んでいこうと思った。お金にラベリングしている限りお金持ちにはなれない、というのも驚かされた事実の1つ。汗水たらして稼いだお金はいいお金、タダで手に入ったお金は悪いお金。こういったラベリングは一切しない。お金にいいも悪いもない!自分にお金をかけることで、自分は大事という意識を脳に刷り込ませていくのもお金持ちの世界の常識。お金の使い方で金持ちになれるかどうか決まる。
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