物件は建てたら終わり、買ったら終わりで、あとは勝手にお金を生み出してくれるわけではありません。本当に大事なのはそのあとで、いかに入居者を集めて、満室で経営していくかにかかっているのです。
将来の経済的安定というレベルで投資をするなら、最初からアパート一棟を狙うべきでしょう。 なぜなら都心の区分所有マンションを増やしていくというやり方は、投資効率が悪いからです。リスクが分散されるメリットはありますが、仮に6世帯分の収入を得るためには、6回も決済しなければなりません 。
また都心の区分マンションは、比較的安定した収益が見込めますがその分、総じて利回りが低めなのも、僕がお勧めしない大きな理由です。 都心であれば、利回り 10%程度でも「高利回り」といわれるくらいで、それでは物件価格分を回収するのに 10年もかかってしまいます 。
やるなら最初から一棟アパートです。 それも少なくとも利回り 15%以上、できれば 20%前後の高利回りの物件を狙います。 もしも物件価格1500万円で利回り 20%のアパートを手に入れることができれば、利息や税金、リフォーム費などを引いても、実質利回り 15%程度で運営できます(アパートですから管理組合への管理費や修繕積立金はありません)。満室で運営できれば6〜7年で物件価格の回収を終え、無借金で年間家賃収入300万円が手に入ることになります 。
僕が考える経済的な安定を得られるレベルとは、 10年後に無借金で年間家賃収入を1000万円、市場価格数千万円の実物資産(不動産)を保有することです 。年間1000万円というのは、あまり所得が高いと累進課税で支払う税率が高くなるのと、それくらいあれば日本の経済状況がいかに悪くなっても家族が食べるのに困らないだろうということで設定しました。
購入する物件の利回りを 17%とした場合、次の3ステップで達成できるイメージです。 ?@1600万円のアパートを1棟購入(利回り 17%で満室時の年間家賃収入272万円) ?A次にもう1棟同じく1600万円のアパートを購入する ?B1600万円のアパートを2棟購入(利回り 17%で満室時の年間家賃収入544万円) さらに具体的にいうと、 ?@1600万円で利回り 17%の物件であれば、7〜8年で回収。低金利で長期のローンを組んで、繰り上げ返済はほどほどにして資金を蓄えます。 ?A蓄えた資金を元手に1〜2年後にまたローンを組んで1600万円の物件を購入。 ?B同じように資金を蓄え、1年後に同規模のものを2棟、もしくは3200万円の物件を購入します。 そうすれば 10年後には、「無借金で年間1000万円の家賃収入と数千万円の実物資産」という目標をほぼ達成できます。
狙いはズバリ、以下の2つのどちらかです。 ?@地方の一棟アパート ?A都心ならば築古の一棟アパート いずれも購入価格1000万〜2000万円の間で、利回りは 15%以上、できれば 20%くらいを目標としたいところです 。
不動産は、読んで字のごとく「動かない(動かせない)資産」です。しかし、 利益を生んでこその「資産」ですから、入居者を呼び込み「稼働」させなくてはなりません。単に所有しているだけでは、固定資産税や都市計画税だけを取られていくので負債となってしまいます 。 ですから僕は、投資すなわち事業として購入する不動産は、稼働して資産を生み出す「稼働産」でなくてはならないと考えます。よく「資産価値」という言葉を耳にしますが、極論すればそんなものはゼロでもかまいません。「売ったらいくらになる」という価値よりも、「継続的にどれくらいの現金を生み出してくれるか」という稼働力(=収益性)を重視しています。
普通の利回りの物件でも、掲載日に注目することをお勧めします。掲載してから長い時間たっている物件というのは、ずっと売れ残っているわけで、そこに値引きのチャンスが出てきます。
僕の知る大家さんは家賃も下げずに満室経営を行っていました。その秘訣は、敷金礼金をゼロにするだけでなく、入居にかかる初期費用を家主負担ですべてゼロにしたことにありました。 事務手数料、火災保険料から家賃保証会社への保証金、さらには1ヵ月分の前家賃まで家主が負担してあげるわけです。しかも2年ごとの更新料もなし。そうなれば更新のタイミングで入居者が出ていくこともなく、逆に競合物件から入居者が移ってきやすくなります。単身者であれば荷物は少ないですし、更新料を払うよりも引っ越したほうが、1ヵ月分の家賃が浮きますから絶対におトクです 。
地方に物件を買うとき、僕が重視しているのはまず部屋の広さです。狭いものはダメだと思います。最低限、「単身者用であっても一戸当たり8坪(約26・4?u)」は欲しいところです 。
次に、その地方がいわゆる「車社会」である場合は、「全世帯分の駐車場を敷地内に確保できること」が僕の中の必須条件です。それさえ満たしていれば、駅からの距離はほとんど気にしません。
「樽いっぱいのワインに、一滴の泥水を加えると、それは泥水である」 という格言をご存じでしょうか。
縁起でもない話ですが、仮に一部屋で自殺や殺人事件などがあった場合に、アパート全体が風評被害を受ける危険性があります。まるで一滴の泥水が樽全体に及ぶように、1世帯で起こった事件・事故が建物全体に影響を与えるのです。その場合、例えば全8世帯よりも全24世帯の物件のほうが、被害総額も大きいということになります。
ボロ物件だからこそ勝機があります。都心の物件の場合は、最寄り駅の大きさや駅からの距離といった立地の利便性が、たいていの難を吸収してくれます。そうした立地のいい場所に、安く物件を仕入れて、きれいにリフォームして貸し出せば、とんでもない優良物件に仕上がる可能性があるのです。
物件を購入して大家になると、毎年3月に確定申告をすることになります。建物については減価償却が認められます(土地については時間の経過により劣化するわけではないので、減価償却資産には含まれません)。 そこで問題になるのが、中古物件を購入した場合です。使用可能期間を見積もることで耐用年数(=償却期間)を自分で決められるのです。
不動産を売ると手数料や譲渡所得税などがかかります。この譲渡所得税というのはなかなか高額で、買ってから5年未満の短期で売ると39%、5年以上の長期でも20%かかります。
【感想】
個人的に、将来的に不動産投資をするという目標があり、読んでみた1冊。不動産投資をする上で絶対に必要な基礎的な知識から、いかにして資産を築いていくかというかなり具体的なプロセスまで書かれていて、かなり勉強になった。地方の一棟アパートを狙うべき理由も明快で、説得力がある。この本を読んで、不動産投資がより身近なものに感じられたし、早く不動産投資を始めないと!という気持ちにさせられた。
[新版]まずはアパート一棟、買いなさい! 資金300万円から家賃年収1000万円を生み出す極意 新品価格 |
【このカテゴリーの最新記事】