少し前からずっと気になっていることがあります。「伏字」についてです。
ディズ○ーランドとか、ワ○ミとか、f○○kとかのあれです。
これらの語句を発言する時、みなさんは当然のように○をつけて、どうしてそれが伏字でなければならないのか、深く考えたことがありますか?
特定の商品名だから、特定の会社名だからこういう公共の場では伏せなければならない、そういう感じでしょうか。
私は以前、校正についてほんの少しだけかじり、勉強したことがあります。個人的には、上記の考え方は神経質、あるいは無神経すぎる、とも言えるかと思います。
私が、動画のコメントなどで、あるいはブログやSNSで、伏字を使うことは問題ないと考えている理由は以下になります。
1・商用利用を目的とした作品ではないから。
動画のコメントもブログもSNSも、基本的には人がお金を払って購入するものではないし、発言者の著作権が発生するような「作品」ではないと判断します。
しかし、動画コメントはまだしも、ブログやSNSには素直に頷けない部分もありますよね。広告商品を紹介するアフィリエイトはどうなのでしょうか。私自身、よくわかりませんが、次の理由で説明できます。
2・その使用法が、その企業、団体に不利益を与えるかどうか。
その言葉に伏字を使うかどうかは、実のところ全てこれにかかっていると思います。どのような意図でその言葉を発したのか。その言葉が、明らかにその企業、団体を貶めたり、何らかの不利益を被ると予想される場合はもちろん伏せるべき……というか使わないのが一番ですが、ちょっとした感想、自身の意見などで特に相手のイメージダウンに繋がるような用法でなければ伏せる必要はないのではないかと思います。
たとえば、あなたが作っているお話の舞台が現代で、恋人たちが仲睦まじく遊園地に行き、目一杯楽しんで帰ってきたというのなら、その遊園地が「ディズニーランド」であると明記しても問題ないのではないかと考えています。
もしその遊園地に凶悪犯罪者が紛れ込んで大虐殺を行ったというのでしたら、それは実際のディズニーランドのブランドイメージを崩すかもしれないので別の名前に変えるべきかもしれません。
このように、伏字と言うのは意図があってなされるものですから、私たち一般人が躍起になって文字を伏せるのは少しおかしいのではと思うのです。
文字を伏せることによってメタ効果が発生しますから、その効果が面白いというのであれば勿論使って構わないです。
もしあなたが小説を書いていて、これを応募しようと思っていても、やはり今の段階では特に気にしなくていいと思います。その作品が認められて、いざ出版となれば、必ず手直しが必要になりますし、必ず校正の目が入ります。
そしてあなたの作品を文字通り、本当に穴の開くほど読み込んでくれた校正さんが、必ず登録商標については「表現はよろしいですか?」と指摘してくれます。
「ボンド」「キャタピラ」のように、もしかしたら普段私たちが何気なく使っている言葉にも、特定の商品名を表すような登録商標が紛れているとも限りませんから。
そこでようやく、じっくりとその言葉について考え、伏せるべきか、あるいは名前を変えるべきか、それとも、あえて伏せないでおくか、作者であるあなたの責任を以って決断し、書籍として世に出ます。
世の中のあらゆる印刷物の99.9%はそうやって出版されています。
タグ: 伏字
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