2023年08月26日
531.Kingdom Hearts III
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「キングダムハーツ3」のレビューです。
そうです、キンハー3。実はこいつがやりたいからこそ、今までずっと過去作をちまちまプレイしてきたんですね。ようやく……ようやくプレイが叶い、そして無事コンプすることができました。感無量です。すごかった。いろんなものが、要素が、ゲームという枠を越えてインフレしまくっててすさまじかったです。
まずはなんといってもグラフィックの圧倒的綺麗さ、これに尽きますね。前回、デモみたいな作品を通して今作3のグラフィックの質感は予習済みだったのですが、そのままの本当に綺麗で滑らかなグラフィックで、最初から最後まで遊べたのは素晴らしい体験でした。マップが広いためワールドに進入した直後のロードこそやや長いものの、全然待てるレベルで、それ以降のロードはほとんどないので技術力の高さを感じます。マップがえらい広い。
ソラを始めとするキンハーオリジナルのキャラクターも、等身が上がって自然な感じなのはもちろんですが、CGで作成されたディズニーキャラクターたちの動きや表情はもはや本家作品を上回っているのではないかと思えるほど美麗で、ラプンツェルやエルサの表情、ラプンツェルの世界での灯篭流し、アナ雪の世界でのエルサのあの有名な氷の城建造シーンは、何故か目頭が熱くなるほど美しかったです(雪の世界を攻略中、何度かグーフィーたちが「アレンデールの城が見える」とか言い出すんですけど、アレンデールの城や街って氷の城のことではないですよね? その位置からどれだけ目を凝らして下界を眺めても森と山しか見えないんですけど……)。
ああ、そうそう。キンハー2の時点ではまだリアリティにギャップのあったパイレーツ・オブ・カリビアンの世界。これが本当に違和感なくキャラも世界も再現できてたのはトリハダものです。この世界は、ここだけで一本ゲームが作れそうなくらい広いので、楽しかったですね。
そしてストーリー。正直、ディズニー映画から離れて久しいので、当時の最新映画といえども、もはやお話にはついていけてません。客観的に見ればやはりディズニー世界でのお話は脇役感が強く、ぶつ切りのダイジェストになんとなくソラたちが介入してお茶を濁す感じなんでしょうが、カリビアンやアナ雪でさえちゃんと映画本編を見た記憶がない感じなので、まぁそれなりには楽しめました。かなりわけわかんない感じでしたけど。良い所で13機関が出てきて吹っ飛ばされて、苦労して戻ってきたらめちゃくちゃお話が進んでる(笑)みたいな。
で、わけわかんないと言えばやっぱりラストの展開も派手なばかりで根本のところはイミフの連続でした。まさにこの時のためと言っても過言ではないほどに、過去作を遊んできたので、今作のラストでめちゃくちゃ手際よく鮮やかに様々な伏線を回収してくれるのはすごくすっきりしました。あれもこれも、この時のためだったのかーと胸アツ展開の連続で昂ぶれるのですが、実際のお話の流れについてはさっぱり理解が追い付かず、なんだかマーベルやらジャンプ漫画みたいな展開になってしまった疎外感みたいなものを強く感じました。ちょっと付箋貼っときます。ここが*Aです。
本作にはDLCが存在し、Re:Mindという名のこのコンテンツは、駆け足で説明不足だったこのラストバトルの展開を、別の視点から補完するというのが目的のゲームになります。
本編では空気だったその他大勢の味方キャラがプレイアブルとして戦闘に参加したり、このシーンで何故こんなことが起こったのか、ソラが激戦を広げる一方その頃、残された者たちは……みたいな感じでもう一度あの激戦を追体験することになります。
とまぁ、コンセプト自体は良いのですが、結局、凡人の私には別の視点から見ても、何かが劇的に変わったり理解が進んだりすることも無く……。
キャラをソラ以外に変えてあの時の戦いを経験できるとはいえ、話の大筋は本編のラストを数時間に渡ってもう一度繰り返すことになるのでややマンネリ感は否めず。
DLC本編については少し消化不良なところがありました(シオンが好きなのでアクセル、ロクサスの下りだけは泣きましたけどね)。
がしかし、ですよ? 皆さんお気づきのようにこのDLCの本当の価値は、これではないんですよね。
そう、リミットカットエピソード。過去作2の時のように、新たに招集された真13機関と本気のバトルを楽しめる。これこそが本DLCの最大のメリットなのです。
ええもう、その、ぼっこぼこにされましたよ……。
過去の2以上に初見殺しが酷く、バースバイスリープの裏ボスたちのように、為す術もなくボコボコに嬲られ、お前の考えなど全てわかっているとでも言わんばかりに回避やガードを透かされ、フェイントに律儀に引っ掛かり、ズタボロにされつづけました。
それでもね、それでも積み重ねた努力は裏切らない。まさに総集編とでも言うべきか、フォームチェンジからシュートフローからフリーフローアクションまで、もう過去作に出てきた戦闘システムがぜーんぶ詰め込まれてるような、もう好きにやったれ!みたいな今作のアクションなんで、意外とごり押しが利くボスなんかもいて、武器振ってたら偶然当たった、そこからフルコンボ、みたいなシーンも結構あって、やや大味ではありましたね。
そもそも過去の2と違って、今回の真13機関というのは、まぁ言ってしまえばほとんどが本人というかなんというか……(笑)、2の時ほど個性豊かな面々というわけではないし、知った顔も多いし、どうも思い入れが少ないんですよね。
実は実績wikiの情報は半端で、DLCについては触れられていません。なのでキンハー3の実績攻略難度はシリーズ一簡単とまで言われています。
確かにその通りです。本編だけならばリミカボスのような存在は一体だけで、そいつも最強に鍛えたソラが強引に暴れれば一分かからずに倒せてしまいます。
ですが、私個人の感想でキンハー3のDLC込みでの実績攻略難度を言わせてもらえば、それは歴代最高の難易度を誇る鬼畜ゲーと言わざるを得ません。2での思念戦が児戯に思え、バースバイの裏ボスたちが朝ごはんに見え(意味不明)、そしてこのDLCのリミカボスたちですら昼ご飯に過ぎないのです!(壊れた)
シークレットボス? いいえ違います。本当の地獄は、そのシークレットボスを倒した後に解放されるプレミアムメニューの一つ、ブラックコードです(このシークレットボスだって胃がひっくり返る理不尽の塊ですよ)。
動画SNSによく揚がってる、キンハーに人生を捧げた者たちの戯れ、あれをやらされるのが、このブラックコードアチーブメントです。
ステータスを初期値に縛り、防御力を0まで落とし、ケアルもアイテムも封じ、HPとMPにはスリップダメージを掛け、フォームチェンジもシュートフローもアトラクションフローも連携も便利なコマンドは全部全部禁止され、起死回生のお助けリレイズアイテムも封じられ、さらには付けられるアビリティの数まで制限されて、もう一周やる羽目になります。前述したリミカボスも暴れてごり押しという戦法は、絶望的に通用しない中できっちり倒して回ることになるわけです。あれは甘えだったと(笑)
それでも救済されてる部分はたくさんあるんですけどね。長く、険しく、辛い戦いになることは間違いありません。忘れてた付箋をここでペタ*B
とまぁそんな感じで、グラフィックから物語のスケールから、戦闘方法やアクション、やりこみ具合まで何から何までインフレしきったのが本作でした。たしかに、ここらでいったん風呂敷畳んどかないともうさすがに収拾付かないよね。人間の哲学的な、心と体がどうたら、三位一体がどうこうから、時がどうので過去と未来が云々、果ては過去改変とかもうわけわからなくなってますから。*C
と、いうわけでじっくりと味わってきた私のキンハー修行はここで幕を閉じました。めでたしめでたしです。続編であるメロディー・オブ・メモリー? とか、後に出るであろうキンハー4は、もうやる予定はありません。
その理由が、今貼ってきた*A、B、C付箋の理由です。これらの、ディズニーではなくキンハーの物語になって、その様相も変わってきたしまったこと。キンハーの目玉であるボスラッシュが、すでにおじさんの反射神経では辛すぎる、見てから昇竜余裕でしたなバランスに来つつあること、見かけは楽そうに見えて隠されたところにしっかりきっちり高難度でのやりこみを強要させる部分、しかもそれがシリーズを追うごとに厳しくなっていっている点から、非常に楽しく、貴重で、豪華で、これからも続いてほしいシリーズであると断言できるスクエニの本気の一本であることは間違いない、素晴らしい作品であることに疑いはないものの、逆にこれからも追い続けるには一介のライトゲーマーには辛いところがあり、温かく見守るに留めようと思ったのでした。
聞けば続編のリズムゲーにも、果てしない苦行や相当なPSと練習を要求され、それでも人によっては断念させるような実績があるらしいじゃないですか。もう疲れました。
後半は愚痴が多くなってしまいましたが、好きの裏返しと見てください。終わってから見返してみれば、夢中になれて、非常に濃密で、ムービーもたっぷりで、めっちゃ楽しい作品でしたよ。
あ、そうそう。
私はDLC+コンサートの方を買いました。実績をコンプして達成感に包まれながら、シリーズを跨いだBGMのオーケストラは、今までの苦労がゆっくりと水に溶けて、良いゲームだったなと、思い出と感傷に浸れるくらい素晴らしいものでした。余裕があればこちらをお勧めします。是非、イヤホンなりヘッドホンなりでどっぷり浸かってください。
2023年08月06日
530.Just Cause 4
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ジャストコーズ4」のレビューです。
総合的には可もなく不可もなく。ジャストコーズらしい広大な大地を悠々と飛び回り破壊をまき散らしたり風景を見て癒されたり、あるいはシリーズ伝統の理不尽な無限湧きに苦しめられたり。
前作と比べて大きく進化したと感じられる部分はほとんど無いのですが、一定範囲を越えたりゲームをリスタートするとオブジェクトの損傷状態や配置をリセットすることでプログラムの無駄や、前作で苦しめられた物理演算の暴走やフリーズが解消されており、ロードも早くなっています。プログラムとしての大幅なコストカットが功を奏してゲームプレイの快適性はかなり高かったです。
ただ、その弊害としてそれぞれの街や基地は(もとからそうだったけども)アセットの集合体という感覚が強く、いろいろな土地に来た、旅をしてきた、といった感慨が起きにくく、ただのスポットと化しています。
作中の「クーヤ」など、大都市と呼べる街はいくつかあるのですが、爆走するための道路はしっかり根を巡らし整備されているものの、原野と街の境界がかなりくっきりと分かれており、作り物感が半端ないです。
またこのオブジェクトの状態が永続しないという今回のコストカット戦略が影響してるんだと個人的に思っていますが、本作は破壊活動についてかなりアバウトで、敵基地のインフラを破壊して回るメリットがほとんどないんですよね。前作では「破壊の美学」と謳い、今作ではNPCに「破壊への執着」とさえ言わしめるほど、ジャストコーズシリーズと言えば破壊というイメージだったのですが、その肝部分があっさりばっさり切られてしまったのは残念としか言いようがありません。
とはいえ爆発エフェクト自体は派手で非常に気持ちよく、ゲーム開始一時間くらいは脳汁溢れます(笑)
さらに残念だったのが各種アクティビティ(乗り物に乗ってタイムアタックしたり、ウィングスーツでリング通ったりのやつ)が非常にシンプルになってしまったこと。
特定の乗り物を探してリングをくぐれってのは、だいたい近くに目当ての乗り物があるのでそれに乗り、道路の真ん中に一つだけ、なんのヒネリも無く置かれているリングにツッコめばクリア。だったり、ウィングスーツは等間隔に置かれている三つのリングをぽんぽんぽんと素通りするだけ。操作に慣れないと難しかったりしますが、何回か練習すれば余裕なものばかりで、これも微妙。
そんなスタントアクティビティが、スマホのステージクリア型クソゲー集の如く数百個、ワールドに散らばっていました(一つ一つ地道に潰していくの、割と楽しかったけど)。
こんな感じで、ゲームとしての規模感は減少してしまいましたけど、お陰でゲームを制御するプログラムの減量には成功しており、ゲームスタートのロードは案外早く、死んでもリトライは数秒で済み、ゲームをプレイすること、トライ&エラーにおけるストレスは物凄く軽減されていました。フリーズが一度もなかったのもすごい。
なので私はこれは一つの英断と感じ、頭からこの仕様を否定する気にはなれませんでした。
んー、でもやっぱり良いところより悪いところが気になっちゃうかなぁ。
本作は天候操作が一つの目玉で、それに伴い風の流れや水の流れといった物理要素が追加されていることが特徴だったりします。
砂嵐や猛吹雪、落雷、竜巻などは非常に派手でゲームとしても相性がいいように見えますが……、本作ではイマイチそれを活かしきれていません。風が吹く場所というのは渓谷など一部の場所、水の流れも実際川にボートを浮かべてじっとしていないと感じることができないなど、この新しい要素に出会う頻度はそれほど高くないです。
メインシナリオに関わってくる天変地異は各エピソードの山場でプレイヤーに新しい感覚を提供するために(苦しめ、ストレスを与えるために)登場し、そのエピソードをクリアするとなんと自分も操れるようになります!
なんとその研究施設のコンソールでボタンをぽちれば、砂嵐やブリザードを起こせるんですねぇ。
……だからなにぃぃぃ!?
せめて敵基地に向けて発生させたり、誘導したりできないの?
クリア済みのその施設の周りだけ発生させても意味ないのよ。「おおお」って言ったらそれでおしまい、もう二度と触らないのよそれ。邪魔だし。
そして最後に私は本作にうんこをなげつけられました。
攻略中必ず通過する、どこにでもある普通のストーリー実績。サンドスティンガー作戦を完遂するっていう実績が、解除できなかったんですね。全ての攻略を終えた後ニューゲーム(セーブスロットは一つだけなのでデータ全消しです)して、一日潰してもう一度そのエピソードをクリアしてみましたが、時間を無駄にしただけでした。
お陰でこの実績と、コンプリート実績が取得できませんでした。気持ち悪い。
DLCについてもやっぱり微妙。
出来自体は、まぁまぁ、悪くないかな。クリアで手に入る補給物資も役に立つとは思うし。ただ、ボリュームが薄すぎる。
二時間あればクリアできるレベルで、言うて敵は固いし嫌らしい動きをしてくるなど(DLC3のエージェントはマジでgkbrに見えてくる……)、単純な撃ち合いが多くなる2と3のDLCは難易度高かったですけど、それにしても本編と同じくアセットの集合みたいな風景もルールも同じミニゲームを回るだけの単調なもので、飽きるのは早いです。
ただそんな中でも武装した車を乗り回して破壊やレースを楽しむDLC1だけは、この仕様が逆に楽しさを増していて、本作のあらゆる要素の中で一番ジャストコーズしてると感じられ、楽しかったです。
ウィンドガンを搭載した車で、邪魔な対向車や前方の車をがんがん吹っ飛ばしながらハイウェイを爆走するのはめちゃくちゃ気持ち良かったです。
てなわけで最初にもどって可もなく不可もなく。惜しいところや不満点は多々あれど、決定的にこれがつまらないというほどではなく、その対価としてプレイ中のストレスをごっそり軽減して快適に遊べるのは素晴らしいです。
ミッションやアクティビティは単調なものかと思いきや、世界に散らばる隠しもの、墓とかアクティビティの開始ポイントとか、街や村そのものとかを探す際には基本ノーヒントなのでかなりエグイと感じた部分もありました。
滑車を回して像を出現させるやつは、最初仕掛けが全く分からなくて戦慄しましたけど、ヒントはあるんですね。怪しげな像を見かけたらグラップルでいろいろ試してみましょう。