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2024年11月29日

585.ゾンビ・オブ・ザ・ドット

ゾンビ・オブ・ザ・ドット-2024_10_27-07-48-53.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Zombie of the Dot」(洋題:Raging Bytes)のレビューです。
 Byteはデータの単位を表す言葉で、調べてもそれ以上の意味は出てこなかったので不思議に思ってたのですが、よくよく考えてみると、単にゾンビを象徴する噛みつく行為を表すBiteに掛けてたのかな。本作が邦題の通り2Dドットを推したゲームなので、洒落が利いてんじゃん。

 プレイしているとバイオハザードがやりたくなるような、物資を節約しながらのサバイバルゲームになりますが、そこは安心安全のKemcoゲー。必要以上のストレスや脳内メモリの処理は必要ありません。Hit-Pointらしい高品質なドットと雰囲気を楽しみながら、ちまちま探索するゲームですね。
 そのわりにはバランスがシビアでハラハラしましたけど(笑)

 Kemcoゲーの中では異色な作品ですけど、遊び方はオーソドックス。後戻り不可、単一オートセーブ、寄り道もほぼなしな状況の中で、あとあと詰まないようにリソースを節約しながら進んでいきます。この「あとあと詰まないように」っていう塩梅が新鮮で、難しかったですね。後述。

 本作の実績はハード難易度とナイトメア難易度でクリアする、またバッドエンドを見るっていう実績がありますが、上位難易度で下位難易度は解除されないので二周する必要がありました。
 一周目は最高難易度ナイトメアで遊びましたが、隅々まで探索し、敵は一匹ずつ釣りだし、弾薬をケチりまくって各個撃破、逆にボス戦はありったけの弾を撃ちまくる、で特に苦戦することなくエンディングまでいけました。その性質上雑魚戦が単調な作業になって、後半になるほど増えるゾンビの数に辟易する場面もありましたが、ボリュームは大したことないので許容範囲。

 また別の実績にスコア100万を稼ぐ実績があるのですが、本作は棚やゾンビを漁って物資を得たりイベントを起こすと加点、そしてなんとゾンビとエンカウントするともれなく減点という仕様があります。
 探索はもちろん、マップ中のゾンビを駆逐しながら進むジェノサイドプレイだとだいたい次のステージに進むころには0点になっています。
 スコアの加減の仕様については説明されないので、最初はバグかと思いましたね。いつの間にか減ってるーっ?
 なので本作は敵避け推奨みたいな一面もあります。
 ただね、個人的に敵避けホラーゲーは苦手なのもあってちょっとストレスだし、うまく撒いて次の部屋に駆け込んだはいいけど、結局経験値も物資も足りなくなって、どんどんジリ貧になっていく仕様はどうかと思いました。スコアのためには敵避け推奨だけど、敵をスルーした恩恵がほとんどないんですよね。むしろ不利になる。

 こんな仕様があったので一周目はナイトメアでじっくり探索ジェノサイドプレイで、単調さを感じつつも難なくクリア。
 続く二周目ハードで、序盤スコアを意識して探索もそこそこになるべく敵と戦わずにサクサク進行。サブクエも無視したらだいたい地下鉄あたりで100万達成しましたが、その後も「行ける」から「行ったら」、「詰んだかもしれない」窮地に追い込まれました(汗)
 敵を避けてサクサク進み、なんとかありったけの弾薬でボスを撃破! もうスコアを稼ぐ必要はないからと次のステージをしっかり探索してはみたものの……あれ、思ったより弾薬貯まらないぞ、あれこれレベルももしかして足りてなくね? 勝てるのか、次のボス……。
 という状況に陥ったのです。
 一応、そこまで無精なプレイはしてないつもりだけど、道中任意でできる二つのサブクエストを丸々飛ばしたのが祟ったのかもしれない。過去の不手際が後々までしっかり響いてくるゲームデザインは新鮮だったし、きついなぁと思いました。
 スコアはアクション毎に変動するので、100万点稼いで実績解除したら、その時点から通常プレイに戻っていれば問題なかったと思うんですけど、一周目でちまちま敵を一匹ずつ潰していくのがちょっと面倒に感じていたもんで、あはは。
 結果的に、行ける範囲でちょっと敵を湧かしなおしてレベリング、装備の最適化などを吟味し、あとは難易度の補正に助けられ、なんとかぎりぎりエンディングに到達できたので良かったです(バッドエンドを見た後すぐに「再開」すればラスボス撃破直後から始まります)。

 そんなわけで、通常プレイでは問題ないけど、スコアを意識し、ハイスコアを目指すプレイを考えると、かなりのトライ&エラーや座学、チャート計算が必要になると思いました。ゾンビとエンカウントすると減点されるって斬新よね。

 本作はステージ探索中は環境音のみとなり、ゾンビのうめき声や足音などに包まれながらプレイします。あらゆるイベントが環境音のみです。逆に戦闘はいつものKemcoゲー、Hit-PointゲーっぽいBGMの中で戦闘することになります。また、恐怖とは少し違いますが、びっくりする演出も多少混ざっています。

 これは完全に私個人の環境のせいなので仕方ないんですが、いつか話したと思うけど私が普段使ってるこのクソサウンドバー、いつもゲームをプレイしていて私をイライラさせるのが、「無音状態が一定時間続くと勝手にスリープモード」になっちゃうんですよねぇ。
 内部的には無声のデータが回ってればいい、ってのがサポセンの回答ですけど、私のこのクソサウンドバー、音が鳴っていてもそれが一定以上の音量だか音圧だかがないと勝手に寝ちまいやがるんです。
 回避するためには音量を上げるしかないですが、それだと普通にうるさいし、それでも寝るときゃ寝ます。
 いままでプレイした8割くらいのゲームは常に何かしら音が流れている中でのプレイとなり、そういう時はまったく気にならないのですが、たまにこういう無音や静寂、雰囲気を楽しむゲームを遊ぶともれなくこいつにイライラさせられました。
 こいつが壊れたら次は絶対日本製の信用できる音環境を整えようと心に誓っていますが、どなたか安くて良いものがあれば是非教えていただきたいです。

 ・第一条件としてまずは勝手にサボらないこと(笑) どんな小さな音でもたとえ無音でも常に流し続けて欲しいです。
 ・音質は並から高程度。最高音質とか低音の響きが、とかわかんないけど、PCモニターや安いテレビの音質がゲームに適さないことくらいはわかる。
 ・あとコスパね。10万も20万も出せないよ。5万でも厳しいよ。
 ・ホントはボリュームももっと絞って静かな中でプレイしたい。

 ちなみにこれはFunlogy製のサウンドバーです。まぁ、音質自体は悪くないとは思う。たしか2万円くらいでした。プロジェクターとか作ってる会社だし、想定してる使い方じゃないのかなぁ。

 まったく関係ないレビューになっちゃった。とりあえず初見一周目はコントローラにヘッドフォンぶっ挿して遊びました(笑) ゲームにおける音声って本当に大事。

 Kemcoゲーカウントダウン、残り13本!

2024年11月22日

584.エンシェントハンター

エンシェントハンター-2024_08_14-08-56-04.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Ancient Hunter」(洋題:Onigo Hunter)のレビューです。

 別にどうでもいいですがエンシェントハンターというと、直訳すると古代のハンターですよね。もっというと今から遥か古代に存在した当時のハンター、ですよね。今作のテーマである古代遺跡を発見・探索するハンターを示すにはどうにもしっくりこないというか。で、そんな適当な題名をなぜ英語版タイトルでわざわざ変えたの? オニゴというのは本作の敵の総称ですが、オニゴを狩るものというと邦題とはまた随分意味が変わってくると思うのですが……。そしてやっぱり本作のストーリーを思い返してもオニゴハンターの題がしっくりくるわけがありません。ラストの図鑑埋め作業とかまさにオニゴハンターというか密猟者なんですけど(笑)

 しょっぱなからなんでこんなにディスってるかというと、まぁ、そんなクオリティのゲームだからです。安定のKemcoゲーです。むしろこのチープさが安心する。

 頭使ってのめり込むようなストーリーでもゲーム性でもないですが、そうね、あえて指摘するほど破綻はしてなかったかな。何事も無くすんなりスッキリ終わって良かったと思います。

 むしろストレスはゲームプレイの方にあって、一つ目はBGM問題。
 BGMの質そのものはいつものExe-Create。たまにあるHit-Pointの脳がバグるレベルではなかったです。ただギターやらシンバルやらやたらとテンション高めでうるさい方だとは思いました。
 その中でね、なんていうのかな、ギターとかちょっと「キュィ」ってやる技法あるじゃないですか。弾き語りとかで。
 それなりに長さのある1ループの中で、この「キュィ」がたった二度、出てくるんですが、これがね、最序盤に連続二度なんですよ。わかります?
 この「キュィ」は曲の中のアクセントとして悪くないんですが、これがKemcoゲーと合わさると……。

 そうです、そのとおり。
 シーンが切り替わるたびにBGMは初めから演奏されるので、いやもうキュィキュィキュィキュィ耳障りで仕方なかったんですよね。

 ジャンジャカジャンジャカ(キュィ、キュィ)→エンカウント(5秒で戦闘終了)→ジャンジャカジャンジャカ(キュィ、キュィ)→永遠ループ

 本作のダンジョンBGMはノーマルとラスダンの二曲しかありませんから、ラスダン以外の全てのダンジョンは延々このループです。

 だからBGMの頭からの再生しなおしはやめろっていつも言ってんじゃん。

 二つ目はマップ。
 今作のエリアはやたらと雑に広いんですよね。それの何がいけないかって、ミニマップ開くと画面の半分くらいミニマップに覆われてメイン画面が見えなくなるんですよ。
 加えてお決まりの矢印タイル。踏むと一定方向に強制的に移動しちゃうあのギミック。本作にはこれを無視する装備品などはないので大人しく流されるしかありません。
 で、このギミックとクソ雑広すぎ虚無マップと合わさると……。
 てんてんてん。

 面白いことに本作には、いつもは鬱陶しいぐらいに敷き詰められている中間ワープ機能がついていません。なので所用でダンジョンの最奥まで行く必要がある時は、スタートから素直に走っていかないといけないんです。
 ただ、本作の目玉コンテンツとしてオニゴを捕獲するために罠をしかけることができるのですが、その罠を置いた地点にどこからでも瞬間ワープが可能なんですね。これを賢く使うことで時短になったり、作業が捗ったりするので、ここだけは面白いと思いました。

 本作、ゲーム全体としての難易度は相当低いと言えますが、場合によっては詰みかねないポイントが一つ存在します。
 オニゴ図鑑100%の実績です。

 本作のオニゴの出現パターンはランダムエンカと罠を仕掛けた時のみ出現するレアパターンと二種類に大別できます。罠パターンの半数はギルドからの依頼によってヒントを得られるんですが、残りは自力で見つけ出さないといけないんですね。
 罠の種類や餌よりも、どこに設置するかがかなり重要なので、ノーヒントで探し出すのは骨が折れるとかいうレベルではない苦行になりえます。

 TAで調べると英語版だとオニゴのリストがあるようですが、本作のオニゴは名前順で揃えられており、英名も変わっている可能性があるのでこちらは使い物になりません。とりあえずID番号はまったく違いました。
 となると日本語で探したいところですが、どうも日本語のリストは存在しないっぽいです。

 とはいえ詰む可能性があるオニゴたちというのはだいたい決まっているので、「エンシェントハンター 図鑑 158」とかで検索すれば高い確率でヒットします。
 怖いのはこれでヒットしなかった時ですよね……(汗)
 幸い、私は各地の断片的な情報からコンプに辿り着けたので事なきを得ましたが、普通にやってれば当然エンカしてるはず、みたいなオニゴと出会ってなかった時が一番怖いですね。

 そんなハラハラするような瞬間が、なんとなくゲームを攻略してる感があって、ちょっと楽しかったり(笑)

 さてー、そんな感じでワイルズ発売までのKemco修行ラストスパート、頑張りますかぁ。
 カウントダウンでもしたら自分のモチベあがるかしら。
 Kemcoゲーはセールに来たら買うことにしているので、今出ている最新のタイトルは数本未入手だったりします。所持している中で数えると……残り14本!

2024年11月15日

583.Control

Control_ Ultimate Edition-2024_10_16-03-26-46.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「コントロール」のレビューです。

 少し前の記事の通り、Xbox Series Xに新調したんだから、どうせならSeriesでしか遊べないゲームを何か体験したい!ということで遊びました。
 当然、現在の私のコレクションには完全にSeriesのみで遊べるというタイトルがないので、One版を買ったついでにSeries版もついてきたタイトルから探すことになりました。
(どうでもいいし激しく今更だけど、海外のネーミングセンスはどうしても日本語には馴染まないよねぇ。Oneに対するSeriesとかすごく違和感じゃない? X|Sって表記したほうがわかりやすいまである。どう表記しようか。Seriesって書く? X|Sって書く? 略称もしにくいし、Xってだけにするとアレとかコレとか被るものが多すぎる。外人はアルファベットのX好きすぎ問題)

 で、その中で候補に挙がったのが「アサシンクリード:ヴァルハラ」「テイルズオブアライズ」「コントロール」でした。
 まずアサクリヴァルハラは……まぁ、ゲーム自体に罪はないんです。斜陽とはいえヴァルハラの頃はまだ輝きが残っていました。でもね、個人的にはこの会社に対する失望は残っていますし、揚げ足取りで一部がまだ炎上してますし、手を出したくないなってのが素直な感想です。アサクリ:オリジンズの記事でその魅力が爆発したあの頃、私はある企業のキャッチフレーズにあやかって「やっちゃえ、UBI」なんて言ったのですが、まさか本当にやっちゃうとはね……。だいぶ後悔してます。自分の中でこの後悔が薄れた頃に遊ぼうかなってのがこの作品。
 それよりも一度始めたらコンプまで長すぎるのが一番の落選理由。

 で次、ToA……はアビスか? TotAがアビスか? みんななんて呼んでるの? なアライズはヴァルハラに比べればモチベは高いのですが、一つ問題がありまして。
 それは、まだDLCを入手してないことです。私が買ったのはDLC情報が出る前だったのでね。テイルズオブシリーズで追加実績ありの大型DLCが出るとは思ってなかったのでやられたわ。
 一度その時点でのコンプまでいくと、後になって追加があってもやる気にならないので、私は極力すべて出揃ってから攻略に臨む派ですし、この作品は是非ともDLC込みで全部遊びきりたいと思っているので今回は見送りですね。

 というわけで消去法的に本作を遊ぶことになりました。

 まあまあ、消去法だろうとなんだろうと、これは正真正銘、過去の私が面白そうだと思って購入したものなので不満はないです。ただ、どういうゲームかはイマイチわかってませんでした。作り手はRemedy社なので、アラン・ウェイクのようなワクワクさせてくれるスリラーミステリー、クオンタム・ブレイクのような映像美は保証付きですので間違いないでしょう。
 実績をさらっと下見するついでにいくつかレビューを眺めてみたのですが、その中に「SCP」という単語を見つけた瞬間、私の中で8割くらいはこのゲームに対する見方、楽しみ方が固まりました。なんかすごくしっくりきたんですね。

 SCPとはなんなのか、ご存じですか?
 私もニワカというのも程遠い知識なのですが、平たく言えばこれはファンコミュニティのようなもので、Wikiに近いコンテンツです。
 ある程度定められたルールに則り、誰でも自由に投稿でき、各々の創作の塊が、一つの世界観を生み出してる、のかな。
 都市伝説、怪奇現象、超常現象をテーマに理屈では証明できない不思議な物、事象、現象などを解説し、それらがユーザーの数だけ膨大に集まっており、それらのオブジェクトが現実の世界に浸食しないように管理しているのがSCP財団と呼ばれる架空の法人なわけです。
 で、合ってる?

 どこかの企業が著作権を保持してブランド化して商品にしているわけではないので、あまたの二次創作活動が盛んなわけですよ。たぶん、クトゥルフ神話と同じくらい海外では流行っている印象ですね。
 昔これを下敷きにしたインディーゲームが流行りましたよね。

 さすがに大手のゲーム企業として表立ってこれらの名称を使うわけにはいかないということで、設定を借りてSCP世界を作り上げたのが本作というわけです。
 もしかしたらSCP世界観が好きでどっぷりハマっている人ほど何かしら拒否反応が出てくるのかもしれませんが、適当にかじったことがある程度の私レベルでは、むしろ「らしい」世界観にどっぷりハマり、すごく楽しく観光ができましたよ。

 つまりね、前述に戻るけど、SCPってなんぞや、ってそもそも怪奇現象、超常現象で説明がつかないんです。そんな不気味で、不思議で、手の付けられないような物事を扱うんですから、黒塗りの裏を妄想して暴き、理解しながら進むなんて無粋なんですよ。
 わからないことを楽しむ、不思議な現象をただ受け入れる、それだけでいいんです。
 このゲームは「わからない」ということが、とあるレビューの一単語を見た瞬間「わかった」ので、私は本作を理解しました(笑)

 ホラーなテイストですが、グロ描写やジャンプスケア演出は意図して非常に抑えてあり、洋ゲーらしいホラーテイストの不気味な雰囲気や空気感を十分に味わいながら、個人的には非常にリラックスして楽しめましたね。
 SCPオブジェクトは、本作で言う変貌アイテムやパワーオブジェクトと言ったりするんですが、この変貌アイテムはプレイヤーに対して敵意を露わにするものが少なく、逃げ回るものを追いかけたり、パズルを解いたりして浄化することがほとんどです。
 インタラクトすれば不可思議で不条理な状況に落とされるのですが、「悪意を持って攻撃してくる」わけではないので、なんか可愛く見えてくるんですよね。オブジェクト自体も日常にあるようなものだし(ないわけではない。し、本作の敵対的存在ヒスは殺意丸出しで攻撃してきます)。
 攻略中、たくさん手に入る読み物には膨大な「黒塗り」が登場しますが、これにいちいち頭を悩ませていたら話はすすみません。これはこういうものとして、というか、読み解いたところでたいした情報ではないんですよね。メタとしてこの黒塗りは、教えたくない情報、ではなく、知る必要のない情報、です。
 苦労して読み解いたとして、あるいはなんらかの方法でその部分がわかったとして、その情報を使って他の文書を読み解く機会はほぼありません。
 ってことを承知していれば逆にかなり読みやすくなるし、わかることだけで繋がる線もあり、むしろ本編の本筋のストーリーはそっちの方が重要です。
 総じて個人的にはわかりやすく王道なストーリーで、細かい所に伏線は敷かれている気がするものの、スッキリとした後味だったと思います。
 作品全体で総評すると、アラン・ウェイクからクオンタム・ブレイク、そしてコントロールと、順当に進化している印象を受けました。

 ゲームとしてはダイナミックに地形が変わる演出が圧巻でしたね。戦闘も爽快感があって楽しかったです。戦闘も探索もほどほどからやや高い、くらいには歯応えがあります。
 戦闘に関してはオプションで公式チートが使えるので、SCPが好きで世界観だけを味わいたいけど、ゲームはあまりやったことない、という人でも安心ですね。いやガチゲーマーでも、一周終わって実績のための作業だったり、DLCに入って敵が硬くウザくなると結構うんざりするので、このチートは非常にありがたかったです。
 逆に探索は終始薄暗いオフィスの中を行ったり来たりするので、精神的には結構滅入る瞬間もあったりします。フロアごとに特色があっていいんですけど、たまに空が見たくてたまらなくなります。
 メトロイドヴァニア系のように出来ることが増えてから戻って来るようなギミックだったり、死角に隠し通路の入り口が紛れていたり、壁を殴ると秘密の部屋があったり。
 これらの秘密エリアは、実はヒントがあったりするのですが、徹頭徹尾案内はしてくれないので、まずヒントに気付かないと、それ自体に気付けません。
 この辺が噛み応えがあって逆に楽しかったですね。
 実績では全てを要求されないのが素晴らしい。全ての集め物、全ての隠しエリアを発見せよ、とかいうのがあったら評価はひっくり返ると思います(笑)
 二番目のDLCにそれありますけどね。範囲が限定されている分気楽ですが、妖怪1足りないは存在し、戦慄しました。集め物のリスト作ってくれたサイトさんまじありがと。さすがにこれは動画じゃ面倒だわ。

Control_ Ultimate Edition-2024_10_19-04-28-46.png

↑アラン・ウェイクファンは爆笑するとこ。もう覚えてないけど、実績見返した感じ50個以上は集めてそう。

 あ、そうそう。本作を、特にDLCまで遊ぶ予定があり、アラン・ウェイクを未プレイの場合は、アラン・ウェイク1を先に遊ぶことを強くお勧めします。なぜなら■■■は、■■■■■■■■の■■■■の■■■■になるからです。まさか当時あれだけ……おや、誰か来たようだ。二台目のSeries Xかな。買った覚えはないけど……。

2024年11月01日

581.Stranger of Paradise Final Fantasy Origin

STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN-2024_07_24-16-57-02.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ストレンジャー オブ パラダイス: ファイナルファンタジー オリジン」のレビューです。
(めっちゃやりこんだのでくっそ長くなりましたw)

 最初は単なるパクリソウルとして、普通のアクションRPGだと思っていたのですが、まさかハクスラ要素があるとは。お陰でマジで寝食を忘れひたすら没頭するほど楽しかったです。

 本作の良い所はすごくたくさんあるんですが、まずはアクション要素。
 今回はスクエニのみが手掛けたものではなく、有名なアクションゲームの制作スタジオも関わっているということで、文句なくアクションが楽しかったです。打てば響くようにレスポンスが良く、触っていて楽しいんですね。基本はソウルライクというか隻狼のような体幹ゲージを備えていて、これを管理しながら相手の体力または体幹ゲージを削りきってフィニッシュという流れが気持ち良かったです。
 その中でガードとは別にパリィのような「ソウルシールド」というシステムがあるんですが、これが本作ならではのお気に入りポイントでした。
 ダクソのパリィってめちゃくちゃ難しいですよね。まずパリィできるか否かを分かったうえで、最適なタイミングでボタンを押さないと成功しません。相手がボスとかだとリスクも非常に高く、失敗体験から学ぶのは本当に一苦労です。その跳ね返りで習得すると脳汁でる快感もわかりますけどね。

 本作のパリィもといソウルシールドは、体幹ゲージを消費し続ける代わりに長押しで発動し続けることができるのです。つまりよくわかんないけど何か来そうだから待ち構える、でもいいし、タイミングがわかったとしても、厳密なタイミングまではわからない、みたいな状況でも気軽に発動して、当たればパリィになるんです。
 これが自分にとっては非常に気持ち良く、なんどもパリィを成功させることでだんだんと発動時間を短く、つまり的確なタイミングで一瞬だけ発動させることができるようになってくるんですね。
 これはソウルライクのパリィのシステムとは逆で、成功体験から学んでいくシステムとして画期的だと思いました。
 そしてまたこのソウルシールドの性能が非常に高く、使い勝手がいいのも後押ししています。敵の技名が赤地で表示されるガード不能技でなければ、あらゆる攻撃をこれで無効化できるのです。

 使っても弾いても体幹ゲージは消費するので、無限に弾くわけにはいかないのでバランスブレイカーではないです。(でも、ゲージ0でも一瞬は発動できるので、フレーム単位でタイミングを合わせられればゲージ0でも凌げるっていう太っ腹な仕様もある)

 次に素晴らしいと思った点が、レベルデザインです。なんていうのかな、こうやって遊んでいけばいいんだ、みたいな感覚が、直感的にわかる気がするのんですよね。
 本作にはハクスラ要素があり、ビルドが大事になってきます。
 たくさんの装備部位があり、一つ一つの装備にたくさんの効果がついており、キャラクター自身にも何種類ものジョブが備わっていて、それら一つ一つを組み合わせて理想の形にしていくのですが、とにかく項目が多いので最初はちんぷんかんぷんなわけです。
 しかもアクション要素もただ斬ってガードする、だけじゃないでしょ? 無双のようにXXXYみたいなコンボがあるし、ライトブリンガーやらコマンドアビリティやらまじスクエニ状態なわけです。

 なので最初は最強装備を一回ポン、これでok、アイテムレベルの補正でごりごりいきましょ。初見一周目のストーリー時点ではそれで十分です。その間に気に入った武器を使って、しっかりアクションを学んでいきましょうのターン。
 一回ゲームをクリアすると、次の難易度があらわれて、レベル上限が上がります。本作はここからが本番と言っても過言ではないです。しっかりアクションは学んできているはずなので、装備についているオプションを見ても、ちゃんと意味は把握できるようになっているはずです。
 なのでここからは本格的にステージを周回して、理想の装備を追い求めていきましょうのターン。
 装備に新しくジョブ適正という項目が付くようになったので、ここを重要視しながらハクスラっていきましょうのターン。

 ここも無事クリアすると、いよいよDLCの登場です。またこれがインフレがすごいんですよね。このあたりからチームニンジャのアクション神バランスは鳴りを潜め、スクエニらしいぶっ壊れ数字押しつけRPGが始まってきます。
 ジョブ適正の新たな段階が解放されたり、装備にもう一つジョブ適正がくっついてまた神装備引き直しとか、数字のインフレが加速してきて脳汁が止まりません。
 二つ目のDLCに入ると、今度は今まで掘ってきた珠玉の一品アイテムを大事に使おうのターンで、今度は合成というシステムを活用して最高の一品を作り上げることになります。
 とはいえ容易にいじれない項目もあるので、この部分で良いものを引けるよう掘りまくるハクスラもまったく死んでません。というか加速します。
 三つ目もなんやかんやあるのですが割愛。

 こんな風に、順を追って遊んでいくうちに、その時点で注目すべきポイントがわかる気がして(わかるようになっているわけではないです。新しい要素についての説明を読んで、何に注目して育てていったらいいか、私個人的には納得できた、という感触なのです)、良いデザインだなぁと感じたのでした。

 とはいえさっきちょろっと触れたように、装備の改造度合いがインフレして、同時に敵の強さや行動もどんどん苛烈になっていく高難易度すなわちDLCでは、アクションに求められる腕がどんどんシビアでリスキーになっていき、楽を求めるならスクエニらしい数字の無視と押し付け合いをせざるを得なくなります。

 どういうことかというと、ジョブ適正や装備オプションの厳選で、たとえばライトブリンガー状態中は無敵とか、いかなる時でも瀕死時○○発動とか、チート染みた戦術が可能になってくるんですね。
 当然これらの効果を発揮させるビルドを組むのも大変ですが、ライトブリンガーの発動時間を伸ばして無敵になっている間に、盛りまくった瀕死時○○アップの性能を乗せた究極魔法を猛連打とか、もうアクション関係ないよね。

 実際、私は本作をたっぷりやり込むまで攻略に関する情報をほとんど仕入れませんでした。お陰で自分らしい戦い方ができましたし、ボスとは手に汗握る戦いを繰り広げられたと思っています。敵が強くなりすぎてどうすっかなぁと思っていた矢先に、こんな神のごとき戦術を紹介している動画とかに触れてしまい、なんかね、糸が切れたって言うんですかね(笑)
 ちゃんと遊びきったし、これ以上はこうなるのかっていうのがわかった途端、もういいかなって。ハクスラは終わりのない沼ですし、どこかで辞めなきゃならないので、むしろ良かったのかもしれません。

 さて、ゲームが楽しすぎて寝ても覚めても本作のことばっかり考えていたっていうのはわかってもらえたでしょうか。
 本作はオリジンと名の付くだけあって、初代ファイナルファンタジー、つまりファミコンのFFIをオマージュした作りになっています。なんの因果か私はFFIを遊び、クリアした記憶があるので(といっても数十年前になるけど……)、なんとなく話の流れとか、有名な橋を背に四人の若者が立ってFFのテーマが流れるシーンとか知っているんですよね。
 懐かしすぎて涙が出てくるほど別に好きってわけでもないけど(笑)、ステージからBGMからあれやこれやがほとんどそんな原作のオマージュやアレンジで、なおかつ歴代ナンバリングからもステージイメージを引っ張ってきてるのは豪華だと思いました。
 派手さはないけど代わりにぎっしりしてるなぁって。
 なんだかんだで14と16以外は全部オリジナルを体験してきたので。
 前情報やPVでばっちりネタバレしているのでわかってはいるのですが、ストーリーの8割ぐらいは初代FFIのストーリーをなぞってたりもするんですよね。実質FFIリメイク?
 そんな中で、本作主人公のジャックが、ドラクエでいうところのローラ姫をさらったドラゴン的なポジションとして初登場したガーランドに、どう変わっていくのか、というお話。

 上を目指さずともアクションとして非常に楽しいゲームで、ストーリーも悪くないし、ダークな世界観はむしろこれが16で良いんじゃない?と思えるヤバい出来でした。
 始めはダクソな雰囲気で遊んでもいいけど、やっぱりこれはスクエニのゲームなんで、クライシスコアやFF零式のような感覚のほうが強いです。やり込んだらやり込んだで、あれもこれもできちゃう公式ぶっ壊れチートなビルドは、世界観として闇の要素を担当し、採り込んでいくうちに神へと近づくストーリーとリンクしているようで、全然アリだと思います。
 やー、ご馳走様でした。






 ……………。


 なぁ〜んてな!!(斬鉄剣)


 実は実績をコンプするまでの一ヵ月はこんな感じで過ごしていました。そして新しくKemcoゲーを始めながら、なんだか自分の中にずっともやもやする感じを残していたのでした。
 言うなれば本作は、一応遊びきったけど、最終的には糸が切れて終わった、そんなゲームだったわけです。
 ……本当にいいのか? それで。
 丸一ヶ月間本当に寝ても覚めてもFFオリジンのことで頭いっぱいになりながら楽しんだゲームを、そんな理由でさよならしていいのか? と。

 離れてからもずっと心の片隅で手放せないもやもやを抱え続けた原因は明白でした。
 楽しかったんだもん(笑)

 もっといえば、アクションが楽しかったんです。
 ボスとの駆け引きとでもいうか、敵の攻撃に合わせてソウルシールドで弾く、この快感が忘れられなかったんですね。

 そして気が付けば私は(仕事中に)脳内で作り上げた自分専用のビルドをノートに書きなぐり、実績コンプしたデータを捨てて全てを最初からやり直していたのでした……(笑)

 ビルドの内容は詳しく書くと専用ページが出来てしまうほど膨大なので割愛しますが、私が虜になったソウルシールドの性能を最大限に生かし、ボスとガチンコで殴り合うというコンセプトになります。
 敵の攻撃パターンを覚え、何回弾くとか、このコンボは途中で二択を迫って来るからこの時はこう、この時はこう、と自分の中で攻略法を一つ一つ確立していき、それが自分にうまくなった実感を湧かせるんですよね。ビッケ船長とガチで殴り合ったことある人います? バハムートなんか格ゲーですよ? 初見時翻弄されたギルガメッシュとの戦い、こいつをしっかりノーダメージで捌けたら絶対気持ちいいだろうなって思ったのが、このコンセプトの出発点でした。どんなボスでも動きを止めて脳筋ブッパなんてもったいないない。ホント楽しいんだから。アクションゲームはこうでなくっちゃって思わせてくれるバランス、デザインなんですっ(力説)

 まさかね、そこから今度は丸二ヵ月間、一切実績も解除せずに遊び続けることになるとは夢にも思っていませんでした。ハクスラなので時間はかかるだろうとは思っていましたが、まさかここまでとはね。
 ビルドの形を作り上げるまでもが一苦労、そこから基本的な数字を伸ばすのも一苦労、さらにエンドコンテンツステージで更に上を目指すための準備にも作業が必要で、作業自体は退屈なものでも、常に何かしら目標がある中での作業だったのでずっと楽しかったんです。
 しかもそんな中でマルチプレイで(ほぼ過疎)出会った一人のフレンドと意気投合してしまったのがこのゲームの魅力を加速させる一因となったのは間違いないでしょう。
 いつもの如く頭に閃いた適当な英語でメッセージをやり取りしていたのですが、どうも向こうから返ってくる英語メッセージも要領を得ない……。なんと相手はスペイン人で、実は英語がわからないので翻訳ツールを使っているとのことでした。


 ……え? ならお互い英語で話す意味なくない?

 というわけでなんとも面白いことに、私は日本語で、彼はスペイン語でそれぞれ言いたいことを言うことにしたのですよ。彼からガチのスペイン語でメッセージが飛んでくるので、私はそこにスマホをかざし、翻訳ツールで日本語に訳し意味を把握します。そしたら日本語で返事します。すると彼が向こうでスマホをかざしスペイン語に直して意味を把握する、といった応酬です。

 これがねぇ、いやほんとに、良い時代になったよね。
 たしかにね、まだまだ翻訳ツールには不安定な部分がたくさんあります。とくに微妙なニュアンスや、その国独特の言い回しなんかは訳せません。どうあがいても、意訳ではなく直訳で意味を把握するしかないので、メッセージを書く側の身としてはむしろ中学英語の教科書に出てくるような、「いまどきそんな表現したら笑われる」レベルの非常に基本的な文章を意識して書く必要がありました。

 でもね、それでもね、このやり取り自体が経験したことのないもので非常に楽しかったし、拙く勉強不足な英語でやり取りするよりもはるかに高度な会話ができて、すごくすんっごく楽しかったんです。
 知ってますか? スペイン語って発音自体は日本語に近い発声で、文字もローマ字に近いものがあるんですけど、一部英語とは異なる発声があって、たとえば「j」はジャジュジョではなく、ハヒフヘホと読むんです。
 なので私がジョークを言って彼が笑ったメッセージが返ってくると、「jajajajaja!」って返ってくるんですよ(笑)

(ここだけの話、私は大学の第二外国語でスペイン語をすこーしだけ勉強したので、ごくごく基本的なことだけはわかります)

 そしてベヒーモスがスペインではベギモと呼ばれ、FF6のティナが欧州ではテラ(FF4の魔法じじい!?)と呼ばれていることも知りました。

 またゲーム内では劇中でキャラクターが喋ったセリフをセリフ付きチャットとして使える機能があって、これがまたコミュニケーションの大事な潤滑油になりましたね。

 いやまぁそんなこんなでKemco修行そっちのけで三カ月ほど、ずぶずぶに遊びきった本作でした。

 ここからは苦言というか、本作をさらにやりこむうちになんとなく感じていた「外側」の事情なんですが、まず本作にはこれだけのハクスラ要素、たくさんの装備オプション、ビルドなど組み合わせがあり、一つ一つのジョブアクションや装備オプションに「仕様」みたいなものが設定されているのですが、これらを網羅できるような攻略サイトが一切ありません。
 Youtubeにもないような方向性の違うビルドを作りたいとなった時は、自分の使用するアクションや装備オプションについて、ゲーム内のバトルシミュレーターなどを用いて検証作業を行う必要があります。

 これらの仕様は明らかに意図的に隠されており、やってみて初めてわかる、そこまで到達してみて初めてわかるんですよね。
 コマンドアビリティの一つ「ブレイブ」は与ダメ向上とともにブレイクゲージが持続的に回復するのでビルドに取り入れていましたが、装備オプションで効果を上げると、ある一定の段階から、ソウルシールド使用でブレイクゲージが枯渇しなくなり、延々と発動し続けることが出来るようになりました。これは自分にとって大発見でしたね。
 回復量が消費量を上回るのではなく、消費しきってゲージが0になった瞬間に1だけ回復する時間が追い付くようになり、結果的に0と1の狭間でソウルシールドを維持できるようになった、というイメージですかね。
 これによりゲージ節約のためにボスの攻撃をぎりぎりまで引き付ける必要がなくなり、戦いがすごく楽になったのですが、与ダメやDPSを上げるならこれより強力なコマンドアビリティがあるので、火力主義なYoutubeビルド紹介等ではブレイブの名が挙がることは一切ありません。
 そういった経緯から、おそらく開発としては本作がハクスラってことも踏まえて、さまざまなデータを取る人が表れてwikiが活発化し、ネット上でも賑わって欲しいなっていう狙いを感じたのですが、こちらはうまくいってないようでした。

 そしてその原因というのが、個人的にはYoutuberの動画の作り方にあるのではないかなと。
 Youtube上には本作に関するたくさんの動画があるのですが、それのどこを見ても「最強」の二文字がついてまわるんですよ。
 「最強短剣ブレイクビルド」「最強斬鉄ビルド」「ワールドクエストも行ける!最強汎用賢者ビルド」などなどなど。
 どこの誰のチャンネルを見ても、どこかにオリジナルの発案者がいて、それをパクってきてるとしか思えないようなステレオタイプのビルド紹介で埋まっています。

 あくまで個人の感想です(笑)

 誰でも簡単に強くなるにはPSの介入を許さないこと。
 実際その方法で極端に強くなれること。
 したがってそれ以外の「正解」がなくなること。
 そして何より本作はエンドコンテンツに近づくほどハクスラ要素が強くなること。

 ハクスラで効率を求めるなら、「楽に」「高速で」「繰り返す」ことが重要になるので、実はYoutubeで紹介されているビルドというのは大正解なんですけども……。

 再三繰り返すように、私は本作のアクションに魅了されたんです。敵の動きを覚え、それに対してリアクションする、いうなればモンハンのような、隻狼のような、ボスとの殴り合いに価値を見出していたんですね。
 そんな中で、戦闘開始前にまず手裏剣を10回投げて最大MPをマックスまであげます。
 次にコマンドアビリティを全て使います。
 次にライトブリンガーを20回空打ちします。
 ボスを出現させたらすぐさまディメンションブリンガーで動きを止めます。
 までがあらゆるビルドに共通する儀式で、それ以降どう料理するかが各ビルドの違いになります。だいたいぶっ放して二秒で終わります。

 これってさぁ、ビルドはもはや関係ないし、神バランスのアクションも関係ないし、こんなんで装備集めて何が楽しいのって思っちゃったんですよね……。儀式の時間の方が長くない? 儀式の操作の方が複雑じゃない? むしろ時間限られてるからここでスムーズに操作するPSが必要じゃない?

 でも、ハクスラというものに対してこのムーブは正解なんです。
 これがFFオリジンじゃなくてディアブロなら、私もそうしたかもしれない。

 だからこそ私はソウルシールドを主軸にしたビルドを考えたし、それを実践してほとんど情報がない中、検証作業なども楽しんだし、それは実証できたと思う。別に紹介はしないけど、ちゃんと敵の動きを覚えてしっかり捌けるならって注釈付きで、次元の迷宮を何階でも踏破でき、そしてモチベーションも高く保てる「最強」のビルドを作れたと思いました。自分専用だけどね(笑)

 ってこともあるので、wikiが充実しなかったんじゃないかなって思いました。細かいこと知らないけど、動画見れば最強になれるなら、掘りが捗るならそれでいいじゃんっていうね、時代というか、現代の風潮だね。
 動画はたしかに最適解なんだけど、それってあれやこれや回り道してようやくたどり着ける答えなんよ。そこにそれ入れるのも、そういうムーブするのも、全部意味があってのものなんだけど、あんた途中式すっ飛ばしてない? って思うようになっちゃった。

 いや押し付ける気はないし、声高に叫ぶつもりもないので、ここでボソっと吐かせて。それだけでいいから。

 まじで楽しかったんです。海外フレンドもありがとう。
 もうね、大誤算ね。来年のワイルズ攻略時に、どうしても期間が長くなるからそのための繋ぎとしてKemcoゲーやらなにやらいっぱい記事のストック作ったつもりが、本作攻略中に全部出しきっちゃって、空ですわ(汗)
 今年一番の大誤算だし、本作にここまでハマったのも非常に嬉しい大誤算でした。一生記憶に残るゲームになったと思います。ありがとうございました。

2024年10月25日

580.笑顔の錬金術師

笑顔の錬金術師-2024_07_21-16-48-32.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「The Smile Alchemist」のレビューです。

 販売はKemcoですが開発が別のスタジオなので、外注作品ってことでいいのかな。クレジット見るとたぶん制作の主要メンバーは二人きり。めちゃくちゃ面白い作品だったので、これはすごいですね。

 モンスターは存在するけどお話には関わってこず、従って戦闘のない珍しいKemco作品。しかしタイトルからわかるとおりアトリエ系のゲームで、今までのKemco作品の中で例を出すなら、パティアと云々や砂の国の云々と同じプレイルーチンを持っています。採集して、作って、売って、また採って、の繰り返しですね。クリックゲーやアイドルゲーに似たカタルシスがあって、やればやるほど数字の力でごりごりできるようになるので、気が付いたら数時間黙々と作業していたってことがザラでした。
 そしてそのルーチンの中にテキストアドベンチャー形式でストーリーが組み込まれており、これがまた良いお話なんですよね。

 錬金術がただの便利ツールではなく、基本的に非常に明るい世界観なんですけど、錬金術という言葉が持つ暗く湿り気のあるテーマ(まぁ、某有名漫画の影響ですけど)も入っていて、終盤は結構胸が締め付けられました。
 そして、本編進行の面白さだけでなく、キャラは個性的で魅力的だし、それぞれにしっかりとしたバックボーンがあり、さらには今までの伏線を繋ぎ合わせてのどんでん返しなど、お話のクオリティはすごく高いと思いました。
(別にネガキャンじゃないですけど、あれやこれや伏線が繋がって、実はあのキャラとこのキャラには関係があった!とか気づくと一気に面白みが増してアドレナリン出ると同時に、バラバラだったあれもこれも結局は全部ここに集まってて、なんか世界が狭いな、狭くなったな、自分が想像してたこの世界が小さくなったなって感じることありません? 良いとか悪いとかではないんですけど)

 採集、錬金、売却と三つのコンテンツを回しながらお話を進め、クリア後もひたすら回しながらやりこみや実績を目指すことになるんですが、この中で採集コンテンツが異常に時間かかるのが難点といえば難点ですかね。他二つに対してスティック操作やテキスト送りなど、複数の操作が必要になり、ボタン一発で複数回こなせない作りなのがその原因なのですが、これ削除しちゃうと味気なくもなるしねぇ、まぁまぁまぁ。指が痛くなるし、またAボタンが壊れないか心配になった(笑)

 他気になった点は二つ。
 日本語の使い方は完璧なのに、惜しい。「足が早い」とか慣用句の使い方もばっちりなのに、なぜ「足元をすくわれる」って言っちゃうんだよぉ。正しくは「足をすくわれる」です。まぁ、国民の9割が間違えて使ってればそれが正しい使い方になっちゃうのが我が国ですし? その用例で辞書にも載ってそうではある。ちなみに「誤用・足元をすくわれる」はKemcoゲー最頻出用語です。これマメな。
 もう一つは、本来、リアルな錬金術というものに死者蘇生や人造生命は禁忌というわけではないんだろうけども、あまりにも某錬金術漫画が有名なため、個人的にはこのタブーに触れたと思われるシーンが気になってしまいました。

2024年10月11日

578.The Ascent

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 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「アセント」のレビューです。

 見下ろし視点のツインスティックシューティングアクションRPG、かな。風の噂でハクスラと聞いていたけど、ちょっと違うね。本来の意味での、敵がワラワラでてきてブッ倒しまくってごりごり進む、そういう意味でのハック&スラッシュで、現在のディアブロやボダランに代表される、ルートをかき集めてレアアイテムを掘る、という意味でのハクスラではありませんでした。

 いやめっちゃ面白かったです。
 まずなんといっても世界観が良かったですね。
 見下ろし視点で、右スティックはエイムに使うのでカメラを操作するという概念がありません。それが勿体なく感じるくらいに作り込みが凄まじく、遠景の迫力もさることながらオブジェクトの一つひとつやキャラクターのモーション、どれをとっても隙が無く、圧倒的なサイバーパンクの世界観に没入できました。
 私は忘れてて使いませんでしたけど、カメラモードがあるので写真好きな人は使ってみましょう。オプションからモードをオンにするのを忘れずに。

 さてこのいつとも知れない未来の世界。多数の異星人が居て、舞台は架空の星ヴィールスでの出来事。実質この星の支配者たるアセントグループの甘言に乗ってはるばるやってきた主人公は、ここでゴミみたいな暮らしを強いられ、今日も下水のような場所へ仕事をしにやってきました。
 暴力と権力が支配するディストピアな世界で、いったいどんな活劇が待っているんだろうとわくわくしながら進んでいると、いきなりアセントグループ、壊滅・倒産してしまいました(笑)
 というところからスタートです。
 日本語翻訳がほぼ完璧で、それぞれのキャラの言い回しや性格をしっかり表現できており、コーデックスなどゲーム内辞書も読んでいて非常に面白く、おそらくストーリーはサイバーパンクとしての王道だと思われるものの、こういった世界観やストーリーにはそれほど馴染みがないので、かなり熱中して楽しめました。
 サイバーパンクやSFのお約束といえばなんちゃってジャポーンのアジアン中華ファンタジーですが、今これを書いてる2024年7月現在、リアルでとある大手ゲーム企業の、とある大作シリーズの新作が大炎上しており、私も屈辱的な裏切りを感じさせられた日本人の一人です。

 この部分を簡潔に済ませようと思っても、どうやってもあれこれ言いたいことが噴出してきておさまらないので、三日悩んだあげく書くのはやめました(笑) とりあえずこの会社には失望しました。すでに所持しているヴァイキングの旅が未プレイですので、そこが私のこのシリーズ作品の完結作になるでしょう。

 そんな現在ですから、もういっそのことこのなんちゃってアジアンファンタジーが逆に気持ち良い! そもそもここは地球から遠く離れた知らない星で、異星人もたくさんいるファンタジーな星ですから、そうなればこんなジャポ〜ンも許せるってもんです。
 この世界では日本の文化というより、日本語が、完全にデザインとして利用されている感じですね。看板読むのが楽しかったです。
 で、大真面目なSFかと思いきや意外と茶目っ気があったり、街の至る所に活気があって、ディストピアといいつつも意外とみんな「生活」してるなってのが本当に素晴らしい。みんな終わらない労働地獄に苦しんでいるけど、たぶん我々日本人ならこんなブラック星でも生きていけるはずです(笑)

 世界観の話ばかりでなく、ゲームとしてはRPGがベースにあるアクションシューターで、横着せずにしっかり経験値を稼ぎ、レベルを上げれば、その補正がゲームプレイを楽にしてくれます。
 なので、ネットには最強武器がどうたらとか結構紹介されているんですけど、武器のバランスは非常に良好で、どの武器にも長所と短所があり、いわゆるぶっ壊れみたいな武器は……まぁたしかにディールブレイカーはぶっ壊れか(笑)
 何が強いって、攻撃力ではなく、ストッピングパワーですかね。もちろんガトリングなんで弾幕は凄まじいですが、同時にショットガンなので、手数の暴力で敵の行動をキャンセルしちゃうんですよ。これが強さの理由だと思っています。
 が、最初に述べたようにレベル差が重要なデザインなので、ちゃんとレベルが足りていればどんな武器でも楽しく戦えると思いました(ディールブレイカーはクリア直前のご褒美武器。妥当)

 DLCも、本編攻略後の続きとして楽しめるのですが、本編に比べてプログラムの詰めが甘く、動作が不安定になったり、音が抜けたり、会話に音声がなかったり、超高速チャットで読む暇すらなく飛ばされたり。
 本編のストーリーや個々のセリフは読んでいて面白かったので、こちらでも是非読んでみたかったですね。コーデックスも更新されないのが寂しい。
 DLCエリアは高性能で高レベルな敵が密集しつつ、援軍も多いので一戦一戦が大乱戦になります。本編はぬるめだったので、そのギャップに驚くかも。再三いいますが、様々な武器を試すよりは、大人しくレベルを上げたほうが楽になります。
 しかし、この敵が強くて倒せないとなった時に、今まで拾ったいろんな武器を試してみたりするのですが、オーソドックスながらもどれも個性的で、いろんな武器を使ってみたくなる魅力がありますね。素材が足りなくてもどかしかったです。

 本気のガチで作られた本格サイバーパンクアクション、汚水とネオンと金属のみで作られた街の中を行ったり来たりしながら、やがてピナクルに到着した時は本気で感動してしまいました。
 いやぁ、これめっちゃいいですよ。お勧めです。
 ただし、ロードは長い。

(長いんだけども、エレベーターや電車に実際に乗って、ぼーっとしたり、うろうろしたりできる。NPCも居て、思い思いのことをしてる。相方と喋ってたり、パッドいじってたり。高級なエレベーターだと飲み物が置いてあったりして、飲んでくつろげってことかと理解したとたん、ああ、やっぱりこの軌道エレベーターも実際に電車乗ってる時間くらい長いんだろうなと思い至り、すごく生活臭を感じて愛おしくなりました)


 TIPS
・二回目以降遊ぶ時。再開コマンドを指定するとロードが始まる。もう一回再開を指定すればゲームが始まる。
・実績にも指定される近接武器のスペシャルアタックはLT
・銃を持っている時のLTは「武器を上げる」。誤訳じゃなくて、そういう意味。普段は腰だめ撃ちだけど、LTで武器を上げて、頭と目の位置に持ってきてる。背の低い遮蔽物を越えて射線を通したい時に使う。
・レベル足りてるはずなのに敵がくそ硬ぇと思ったら、そいつはロボットかもしれない。見分けが付きづらいぞ。有機体(人間)の敵には物理。もっとよく効くのは火。逆にロボット相手にはエネルギー属性。もっと効きがいいのがデジタル属性。終盤だけどI/Oコンバータが便利。
・床に黄色く光るリングがあったら、ハッキングでタレットを起動できる。説明されないし攻略にも必要ないから気づきにくいけど、知ってると楽できる場面はある。起動してるタレットはハッキングできない。
・サイバーデッキアップグレードは最大強化値に対して、配置されてる数が若干多い。拾うだけでOK。ハッキングで出来ることが1項目ずつ強化されていく(そしてたぶん、口が悪くなっていく)。
・建物の中で発生するサブクエストは、外からではわからないので、怪しい所は入ってみる。特にDLCエリアはバグなのか仕様なのか本編で確認できた多くのアイコンが見えなくなっている。
・マップに表示される宝箱は、強化素材や装備が入ってる高級宝箱やアイテムそのもの。ランダム性はない。マップに表示されない白い宝箱はお金だけが入っている、無視してもいいやつ。
・全体マップには表示されているのにミニマップに表示されないときは、階層が違う。
・オーディオコンフィグのインデントモードは、たぶんゲーム内用語「インデント(アセントグループの契約社員兼奴隷、つまりあなた)」のことだと思う。主人公視点で音が聞こえるようになり、よりはっきり、大きく様々な音が聞こえるようになる。ただしめちゃくちゃうるさい(笑) おすすめ。

2024年10月04日

577.キングズディセント

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 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Kings Descent」、英題はHeirs of the Kingsかな。
 の、レビューです。

 いつものKemcoRPGで、まだ灰汁(あく)の残る古い時代の作品と見受けますが、そのストーリーやキャラクターが意外と面白かったんですね。
 私が最近贔屓している佐川ちゃんや、まだまだ人間観察が足りてないマコっちゃんとも違う感覚を受けて、なんだか非常に新鮮でした(笑) 知らない人かとも思ったけど、別の作品で見たことあったかな?
 本作に限って言えば、やや理屈が弱く、推測や伝聞のみで簡単に話が進む脆さはあるものの、謎が謎を呼ぶ本編ストーリーの勢いや、何よりキャラクターそれぞれが非常に魅力的で、彼らの会話が聞いていて十分に面白いので、その辺の弱さが気にならない、いや、許して無視できてしまうんですね。このライターの魅力はその辺にあるのかな。案外、神作だったドラゴンラピスとか書いてるかもしれませんね。知らんけど! 違ってたらごめん。

 あとは……なんだろ。
 ゲームとしては十分ぬるい難易度。タイトル画面で急に歌いだしたのはびっくりした。そしてオヤジが強すぎる!!! 頑張って隠してるけどインパクトありすぎるビジュアルがタイトル画面でモロバレしてますよ(笑)
 街中のなんでもないMOBにも立ち絵があるのにもびっくりしました。
 古いゲームとはいえ、意外と凝ってるなぁという印象。そしてそれだけの力を入れるに十分な内容だったので、きちんと満足できました。

 翻って辛口評価をするとするなら、本来「王」とは、すなわち人と智を集合させた力と権力の象徴だと考えます。王とは、適所に適材を配置し、人が集合することにより生まれるパワーを操る人物の象徴だと思うんですよ。と考えると本作は、そんな理想の王を表現するには登場人物が圧倒的に足らず、各々がほぼ全て己の力こぶのみで状況を打開するパワーファイターであり、ゲームの題名や世界観として王やKingの名称を使うにはだいぶズレた認識だなぁと思わざるを得ません。現実の海賊と、ワンピース世界の海賊はまったく違う存在みたいな感じ。ナイトとか、いにしえの三英雄とか別の言葉に置き換えても、違和感がないんですよね。つまり王という存在の解釈にまだ広がりを持たせる余地が残っており、もったいないと思いました。だってこの世界には、「王」はいるのに「国」がないんだもん。

 スフィア盤はやっぱりめんどくさい(汗)

2024年09月27日

576.Ashen

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 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「アシェン」のレビューです。

 アシェンとは本作における創造神のような巨大な鳥で、序盤の展開は光源のない闇の世界に今まさにアシェンが誕生し、世界に光が行きわたった瞬間を表しています。で、誕生したばかりのアシェンの雛を守るため、リスナー(聞き耳族)と呼ばれる巨人と人間が、エルダー・ダーク(闇の長老)と呼ばれるもっともっと古い闇の眷属を退治する旅のお話です。
 なんでこんなことを話しているかというと、そりゃ翻訳がとてつもなくひっでぇからですね!

 てにをはがぶっとんでいて意味が逆転していたり、表記の揺らぎ(ウットコだったりウッコートだったり、リスナーだったり聞き耳族だったり、ジョケルだったりヨーケルだったり等等々など……)が非常に多く混乱させ、何年前の翻訳ツールだよレベルで機械翻訳なうえ、表示された文章をmく視でコp胃ペしたかのごtく←はいこんな感じです、外国の神話のような壮大で抽象的な世界観なのもあって理解しづらかったです。

 ゲームの遊び方はそのままダクソと思って間違いないです。ただ、本作はソウルを溜めて使用できるコンテンツが限られていて、ステータスの力ではなくアクションの腕で戦わざるを得ないシーンが非常に多いです。総じてアクション寄りのゲームバランスとなっており、特に高難易度モードのシスナの子供たちはえらい苦労しました。

 武器や防具の種類が少なく、尖った戦い方が出来ないのは賛否ありそうでも、本作の意図したことだと思うのでその点に関しては不満はありませんが、とにかくアクションバランスのキワを攻めているような印象で、何をするにも尖った部分が見えないのが残念でした。
 たとえば割とたくさんあるように見える近接武器も、ステータス的には基礎攻撃力とクリティカルとスタン値の組み合わせを変えただけのものばっかりで、この武器は強い、弱い、このモーションは優秀といった優劣が無いです。
 あるいは、護符でプレイヤーに個性的な特徴を付与するシステムがあるのですが、この付与具合も5%や10%といった物足りない数値で、この特性をメインにビルドするといった概念がありません。
 とはいえこの5%や10%が重要になってくるバランスなので、かなりシビアです。

 ノーマルモードにおいてはアクションの比重はそれほどでもなく、探索をメインにのんびり楽しむことが出来ました。Yボタンで簡単にジャンプやよじ登りが出来る上、地形がいい塩梅にアバウトで、割と行けそうなところ行けそうな高さにはだいたい行けちゃううえ、そんなところにアイテムが隠してあったりするので、思った以上に探索は濃密かつ複雑でした。
 ゲームの容量が7GBしかないわりに(こないだ遊んだコードヴェインは32GB!)、十分に広くて壮大な建造物を探索し、案外動作も軽いのは、ローポリならではの表現力だと思います。
 逆に、そのアイテム自体の価値は大したものではないので手に入れる喜びは薄かったです。
 そしてその探索を楽しませる要素として許せないのが、倉庫のリミットです。
 なんと、世界を旅して手に入る一点物のアイテムたちを全ては保管できません!
 もう一つスタッシュが欲しいと切に願いましたが、増えることはありませんでしたね。せめてDLCで追加してくれたらよかったのに。

 さて逆に、ヘルスやスタミナまでもが半減した状態で最初からなシスナの子供たちモードは、ぶっちゃけえぐい難易度でした。
 最初に言った通り、レベルを上げて物理で殴るような、ステータスを利用してのごり押しがまったく利かないので、本当に苦労しました。
 本作ボスの数は少ないのですが、探索パートでも十分嫌らしく、本気で殺しに来てるので、どんなに注意していても一瞬のスキを突かれて即死というのは頻発しました。体力だけならまだしも、攻撃にも防御にも使うスタミナすら半減しているので、満足に走れないし、満足に殴れないし、満足に盾受けも出来ません。
 それだけに難所を越えた時の達成感はすさまじいものがあるんですけどね。

 この高難易度モードでのポイントは焦らず落ち着いて、ステータスを伸ばせるサブクエストはきっちり回ること。ネットを徘徊して情報を集めるとともに、やっぱり何度も死んで学ぶこと。そして、Easy KillとかSpeedrunなどネットに転がるスーパープレイでは当然軽視されている、自作ポーションの「ドウェル」が超有効だということ。これのお陰でようやく活路を見出せました。とにかくラスボスが異次元で、こいつの攻略のためだけに丸一日潰されました。

 なにが辛いかって、ボス前のチェックポイントに辿り着くまでがまず辛い。道中にはワンパンしてくる怪力雑魚や、どうあがいても奇襲を受けるしかない場所がぼんがぼんがあって、そういった場所では可能な限り槍を使って一匹ずつ釣りだしたり、神槍クラッキングスピアで切り抜けていきたいところです。
 が、この槍、消耗品で、しかも作るのに結構な金額がかかるんですよね。当然、槍を使いまくってやっとこ抜けたところで死のうもんなら、槍はないし、ソウルも取り戻せないしで、そこからまたちまちまソウルを稼ぐのが本当にメンタルにきます。ごりごり稼げるような場所がないのも辛いです。個人的に最高効率だと思われる「アラグ・リアグ(DLC。ここに辿り着くのも相当きついw)」の石碑から逆走して雑魚三匹を倒して石碑に戻るのでも、一往復2500です。クラッキングスピアたった9本作るのにもろもろ込みで11000かかります。

 で、ボスもまた辛い。幸い、これらのボスには抜け道があったりなかったりするので勉強して腕を磨きましょう。出来ることが非常に少ない最序盤のボスと、全てのプレイヤースキルを要求する本編ラスボスが非常に大きな鬼門になります。マジでラスボスだけもさっさりダクソ世界でエルデンリング。

 とまぁ初見攻略は楽しみ半分、プレイの大部分を支える探索部分に不満が募り飽きが半分といったところでしたが、高難易度モードで禿げ上がるアクションを要求され、無事クリアの暁には得も言われぬ達成感を実感できました。
 喉元過ぎればいいゲームでしたね。
 個人的にダクソの良い点は地形という環境も考慮に入れて設計されている点で、本作でも閉所や高所を戦術的に利用できる(または敵に利用される)のは良いと思いました。典型的な戦闘寄りのダクソオマージュ作品はたいてい戦闘エリアは広めにとられてかつ平坦で、ここでガチバトルしろってメッセージを感じますからね。
 逆に本作もまた戦闘にフォーカスしたダクソオマージュとしては、非常に原始的な戦闘しかできないという点があります。たとえば目くらまし爆弾を投げて敵がパニックのうちに駆け抜けるとか、毒を使うとか、あと信じられないことにパリィや致命の一撃など搦手がほぼありません。ガチるか駆け抜けるか、ハイリスクな槍を投げるかしかありません。その中では「闇の小道」というシステムは、面白かったですね。オリジナリティは感じました。敵をロックオンするかしないかで回避をステップとローリングで使い分けることができ、ローリングの無敵時間が非常に長いので使い分けの意味があるのも面白かったですね。

 そうそう、注意点。
 本作はなんときちんとコンプしたうえで総実績1137と半端な数字になります。気にする人は注意なんだけど、私は逆に10年ぶりくらいにキリのいい数字に揃いました(笑) きもちィィィ!
タグ: XBox One Ashen

2024年09月20日

575.アルファディア ネオ

アルファディア ネオ-2024_06_29-17-53-28.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Alphadia Neo」のレビューです。

 本作は新生アルファディアと呼ぶにふさわしい出来でした。なんてったってシナリオ担当が佐川ちゃんですからね、そら変わるでしょ(笑)
 世界観はエナジやエナジ生命体など、今までのアルファディアシリーズのものを踏襲しつつもまったく別の世界でのお話です。
 今までの作風が世界観を重視して外堀から埋めていったものだとすると、今作は逆。本当に人によってシナリオの味が全然違うのですが、やっぱり佐川ちゃんは一皮剥けましたよね。本作では別の人も一人関わっているようですが、何につけても一枚上手な気がします。ファンですよ、ええもう。

 またBGMや今回もキレッキレのアイテムフレーバーなど、最近評判の良かったと思われる要素がふんだんに盛り込まれており、ゲームの雰囲気はエルピシアの魔剣少女を非常に連想させます。

 ゆえに文句なく面白かったのですが、さらにここにもう一味追加されたのが驚きでした。

 本作には、ほぼ皆勤賞だった闘技場システムがないんですよね。ただ、そこで得られるギルドコインに代わるものはちゃんとあって、それが釣りシステムです。
 別に奥が深くもなんともないミニゲームですが、なんか妙に楽しい(笑) RPGと釣りって相性良いのかね。釣りポイント見つけると無駄に時間食ってしまいます。

 個人的に、最近のKemcoゲーは、操作の滑らかさやグラフィックの粗のなさ、移動のストレスフリー感、さらにはオート任せに出来る難易度調整(もちろん私は常に最高難易度で遊んでます)に至るまで、何から何まで高速かつシームレスが爆発していて、非常に遊びやすいんですが、滑らか過ぎて灰汁(あく)がないというか、ちょっと物足りない時があるんですよね。贅沢な悩みではあるんですが、どのような形でもいいので一瞬立ち止まる瞬間があってもいいかなと感じます。
 その瞬間というのは、忙しい現代人に合わせたスマホベースのゲームという点ではマイナス点になるのかもしれませんが、ゲームを印象付け、遊んだ人の記憶に刻むというゲーム体験の面では必要な瞬間だと思うのです。

 読身という特殊技を使える仲間がいて、ボスなど強敵が相手だと、敵の次の行動を読むことができ、それに備えることが可能になったり、その準備をしやすくするためにスタイルチェンジなどのシステムが搭載されていたりとやはり今作にもチャレンジ精神はよく出ていて、疑似課金システムを使わずに、より戦略的に攻略して行けそうな気もするんですが、なにぶん序盤から手に入る通常攻撃推しの装備やアクセサリーなども強力で、ついついオートで全体通常攻撃ワンパンで済ませちゃうんですよね。
 そうか、私のプレイスタイルがよくないのか……。

 ワールドマップのBGMって懐かしのアスデバBGMのアレンジですよね?
 鎧の数え方が「領」というのはこのゲームで知りました(笑)

2024年09月13日

574.白銀ノルニール

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 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Silver Nornir」のレビューです。

 いやー……。一個前の記事、大手ゲーム企業が自社ブランドを活用し、職人気質を見せた大作をプレイした直後でしたからね、こいつを起動するのが怖かったです。ストアのスクショ見てもわかるくらい、こいつwindows98か?ってくらい古いじゃないですか。
 さて、半年以上(記事書いてる現在は6月末)も続けてきたKemco修行も本格的に嫌気が差してきた今日この頃です。

 …

 ……

 ………。

 (`・ω・´)よし!

 本作はWorld Wide Softwareという会社が開発しており、販売がKemcoとなります。WWSというと、Xboxではイクストナ戦記に続く二本目の作品となります。
 今回はSRPGではなく、(たぶんもっと古い時期に制作された)本格的なJRPGです。ゲームエクスペリエンスがいつものKemcoゲーと非常に似ていたので、さくさく快適に遊ぶことが出来ました。

 というかサクサクすぎ。

 サクサクを通り越してストーリーは怒涛の展開でした。
 オープニングからかっ飛ばしてきて、世界観やキャラの関係性もよくわからないまま、さて物語が始まるぞと思いきや主人公そっちのけで仲間キャラのみでパーティーを組み冒険が始まります。その経緯もすっ飛ばし過ぎてなかなか飲み込みづらい。
 短いマップを抜ければ腰を落ち着ける暇もなくあれよあれよとキャラが増えていき、がんがん視点が変わっていきました。
 30分もしないうちに仲間がわらわらと集まってきて冒険することになりました。
 とんでもない怒涛のプロローグだったな、ようやくじっくり冒険できるのかと思いきや、いっさい後ろを振り返ることなく(サブクエ等なくメインシナリオを追うのみ。一度使ったダンジョンには二度と戻らない)プロローグだからこそだと思っていた速度であらゆる展開が進み続け、朝が来る頃には実績コンプしてましたとさ。

 ちょっと盛ったけどさ。
 実績は全てストーリー実績で、ひとつ更新されるたびに一つポコンされます。実績コンプしたのがゲーム内時間で7時間ほどでした。その後もエンドコンテンツを攻略し、ちゃんと遊びきったと思ったのが8時間半くらいです。
 いままでKemcoゲー遊んできてボリュームというか攻略時間早くね?と思ったゲームはいくつかありましたが、たいていは二日に分けてプレイしてたりして、一晩でコンプしてしまったのは初めてかもしれない。
 プレイ後数時間ほどで「これもしかして今晩中にいけるんじゃ?」という予感が走り、そしてその通り完走できてしまったのはなんか逆に気持ち良かったです。
 本作のストア情報を見て純粋に面白そうと思って購入した奇特な人に対してはとんでもないボリュームの薄さに同情を禁じえませんが、私にとってはご褒美ですわ。

 攻略が早くなる理由はいくつかあって、まずはそのストーリー速度。なんといったら良いのか、特に何かあるわけではないのですが、それなりのお話をそれなりの伏線を交えてそれなりの深みで進行しているにも関わらず、妙に早い。無駄がない、と言えるのかな。
 別に面白くなかったわけではなかったですよ。イラストの絵柄やゲームのドットの感じを見ても、非常に昭和から平成初期のような時代を感じさせる作風で、狙って作ったというよりはやっぱりこういう空気感の中で作られたのかなって印象。
 異常に早い歩き速度でかつマス目の関係なのか妙に"すべる"んですよね。スティックをちょんちょんと優しく触ってやってもなかなか宝箱の隣に立てないの(笑)
 古臭いキャラ付け、セリフ回し、ストーリー、手垢が付きすぎて今どき誰も触らないようなこんなゲームの雰囲気が、ゲームの見た目や、カクツキやキャラ移動のもたつきなんかと相まって程よくレトロ感を感じられ、むしろ懐かしいとまで思えてしまったので、全然悪くなかったですね。もちろん人には勧めませんけど。

 ゲーム内課金ポイントが非常に稼ぎやすいので、便利アイテムやドーピングアイテムがあっという間に揃ってしまうのも理由の一つ。
 戦闘評価でもらえるポイント量が変わり、毎戦闘ほぼ得られる上、アイテムの価格も非常に安いのであっという間にチートキャラが出来上がります。
 ただ、いつものKemcoゲーのように一度パーティーが固まったら以降固定というわけにはいかず、最後まで操作キャラや戦闘参加キャラが入れ替わり立ち代わりになるのは注意です。今作は仲間キャラが多いので必要な措置だと思うし、だったとしてもやっぱり便利アイテムの力ですぐに準備できるので特に問題はありませんでした。
 総じてクソゲーには違いないんですけど、戦闘中仲間キャラが全員ボイス付きで喋ったり(掛け声的な)、ストーリーも展開が早すぎてプレイヤー置いてけぼりとは言いつつも、伏線も世界観もしっかりしているので、もう少し内容を煮詰め、時間をかけて演出できていたならば、ちゃんと良いものになっていたんじゃないかと思わせる力があり、なかなか惜しい作品だったんですよね。

 下から上に流れてくテロップだって早すぎておじさん読みきれないよ(汗)

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