中国・大連港に停泊している中国海軍の原子力潜水艦で大量の放射能漏れ事故が発生したと中国系の
ニュースサイトが報じた。新華社通信など同国内のメディアは一切、事故関連の情報を伝えておらず、日本の
放射能漏れ事故を報じているのは米国を拠点とする中国反体制系ニュースサイト「博訊新聞網」。7月30日付
の同サイトで、大連に停泊している新造原潜のトラブルで29日に大量の放射性物質が漏れ出したと伝えた。
極めて危険な状況で、軍が原潜の周辺を封鎖したという。事故当時、中国時代電子会社の技術員が原潜に電子
設備を設置していたという。
『月刊中国』発行人の鳴霞氏は「博訊新聞網は海外の人脈を生かして情報収集しており、ニュースの信頼度は
高い。潜水艦で事故が起きた直後、軍が周辺を封鎖して人が一切出入りできないようにしたのではないか。仮に
軍関係者から情報が漏れた場合、軍事法律によって死刑となる可能性もある」と指摘した。
博訊新聞網は、中国の“大本営発表”にとらわれない情報源として注目されている。特に今年2月、「中国
ジャスミン革命」へ参加を呼びかける動きを報じると、執拗なハッカー攻撃で一時閉鎖に追い込まれ、逆に海外
での知名度が高まった。
鳴霞氏はさらに、放射能漏れに対する反応についてこう分析した。
「高速鉄道の事故で車両を土に埋めてしまう問題が起こったばかり。(放射能漏れ事故が)事実なら、国内だけ
ではなく、日本などの周辺諸国や世界中が怒るだろう」
また、評論家の石平氏は「情報が極めて少ないので事実かどうか判断するのは難しい」とした上で、次のように
述べた。
「もし放射能が漏れていたとしても中国政府が発表することはありえない。高速鉄道事故は民間人に死傷者が
出たため情報統制はできなかったが、軍事に関することならシャットアウトが可能。空から見て分かるような大爆発
でない限り隠し通すだろう」
事故が事実なら、高速鉄道の事故処理で隠蔽体質が浮き彫りとなった直後だけに、中国国内だけでなく周辺
諸国の反発が高まりそうだ。
事故情報に関して、外務省中国・モンゴル課は「報道されていることは把握しているが、事実かどうか確認は
できていない」としている。
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