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2016年08月06日

ハイブリッド外交官の仕事術 (PHP文庫) 文庫  宮家 邦彦


テレビでの落ち着いた話しぶりがとても印象的で、知的な人物という印象を受けていました。

”ハイブリッド外交官の仕事術”と題されたこの本を書店で見付けた時に「宮家さんが培ったノウハウをまとめている本だとしたら、これは面白そうだ」と思い、手にとってペラペラとめくり、そのままレジへ持って行きました。

どんな本だった?


確かに宮家さんの個人的ノウハウが書き込まれていた本でした。
しかしその内容は少し抽象的で、 ノウハウというよりも体験談といったような内容だと感じました
もう少し細部にもフォーカスを当てた説明があればなお面白かったかな?と思います。

そういう意味では、本を読んだ私自身が今日から早速取り組めること・・・といったような内容は見付けられなかったと思います。
実務的な基本ノウハウを身に付けた人が読む本なのかもしれません。

「メモとペンを枕元に置く」ことは実践できることですが、まあ、これはいろんな本に既に書かれていることですので・・・。

読むことで得られたもの


宮家さんが外交官時代にどのような姿勢で業務携わっていたのか、文化が異なる外国でどのように人間関係を作っていったのか、このあたりのエピソードはとても面白かったです。

中東専門家の視点から見た「アラブの春」の分析はとても興味深いものでした。
外交官として現地で生活を送り、また国家間の知識を持った人が世界のことを見ると、こういう視点になるんだなあということは大変参考になりました。逆にいうと、マスコミの情報を鵜呑みにして世界を見ているのは、見ているようで何も見えていないということを指摘されたようで、少しぞっとしました。

また、情報収集については、



と書いていました。これは元外交官の佐藤優さんも同様のことを書いていました。
だとすると、多くの情報は誰にでも入手が可能ということになりますから、
・公開されている情報の中から必要なものをどうやって取りに行くか。
・それをどうやって分析していくか。

が能力の違いになるということで、自分自身も注意して取り組んでいこうと思いました。

こんな時にまた読みたい


中東情勢や、イスラム国の問題は目を離せない大きな事柄です。イギリスのEU離脱のこともあり、何か世界で大きな動きが起こりそうな雰囲気を感じているなか、「世界はこれからどう動いていくのだろう」と思った時にもう一度読んでみたいと思います。

もし宮家さんの本を読んでみたいという人がいましたら、 「世界史の大転換〜常識が通じない時代の読み方〜 佐藤 優、 宮家 邦彦」 をまずはオススメします。
今回読んだ宮家さんの本よりもぐっと内容を深く切り込んでいて、歴史の動きの流れを体感できるとともに、著者のお二人の知識・知性の高さに圧倒されると思います。
posted by 霧島もとみ at 2016年08月06日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:教養
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霧島もとみ
他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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