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2015年05月17日

怒らない経営 しがらみを超え、地元を盛り上げる! 大籔崇

著者は1979年生まれ、日本最古の温泉として知られる「道後温泉」(ミシュラン三ツ星で話題になりました)の温泉街で旅館「夢蔵」を経営し、タオル専門店や飲食店など地元を盛り上げる事業展開を様々に行っている若手経営者です。

ところが本の帯に書かれてある言葉は
「パチンコでプラス1000万円
 株式投資でプラス15億円」
んん?パチンコ??

読んでみると、大学時代をほぼパチンコで過ごし、大学卒業後にそのパチンコで貯金した資金を元手に株式投資を行い15億円を稼ぎだしたとのこと。
そして、次はそれを元手に事業経営に乗り出した・・・と話は進んでいきます。

これまでの筆者の過ごしてきた日々、事業についてが、飾らずそのままの言葉で語られています。
まるで著者の話を聞いているかのような心地よさがあり、一気に読んでしまいました。

地元を盛り上げていきたいというひたむきな思いが感じられる本で、同じく地方に住む身としては、大きな勇気を貰った気がします。

実はこの人のことは大分前に聞いたことがありました。その時は「事業経験のない若い人が株式投資で稼いだ金で温泉旅館を買収した」というトピックだけが頭に残り、「凄いな」「変人なんだろうな」という印象を持ったように覚えています。
しかしこの本を読んだ印象としては、至極まともな人だというものでした。

成功も失敗も全て自分の責任として受け止めて、分析し、次に活かす。
かっとなって現実から目を逸らすことはしない。
怒りや哀しみといった感情は表に出さない。
パチンコや株式投資で成功したのもこれらを徹底したからだとの事。

印象に残ったのは、これらのエピソードよりも、何度も本書で繰り返される
「たんたんと進めた」
という言葉でした。
一言で表すのは簡単ですが、この中に込められている様々な事を「たんたんと」進めることを続けられることこそがこの人の一番の強みではないか?と思いました。

自分を振り返ると、たんたんと進めることが出来ているだろうか?と思います。
その瞬間瞬間ではそうかもしれませんが、色々なことを考えたり、周りを見過ぎたりして、著者が言うように「たんたんと進める」ことは出来ていないんじゃないかと考えさせられました。

筆者は東京ラブストーリーの最終話のロケ地である愛媛の梅津寺というところに新しい事業として「伊織スパアンドリゾート」という施設を構想しているそうです。
愛媛の魅力を凝縮させたような施設だそうで、完成したら行ってみたいです。

何か新しい知識を得られる訳ではないですが、エネルギーを貰える、心に残る本だなと思いました。
著者に興味があればぜひ。
タグ: 経営 地方
posted by 霧島もとみ at 2015年05月17日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介—人物

2015年02月12日

ゼロ———なにもない自分に小さなイチを足していく (堀江貴文)

かなり有名な本ですね。
堀江 貴文さんの本です。


堀江さんのメルマガから興味を持ち、購入してみました。


読みやすい文体で一気に読めます。
内容は、堀江さんのこれまでの本のおさらいをしつつ、オンザエッジ設立までの人生をさらった自叙伝的なものですね。
後半はそれらを踏まえて、堀江さんの主張に移っていきます。

決して恵まれた環境ではなかったこと。
飛びぬけた才能の持ち主では無かったこと(とはいえ、決して凡人ではないところも十分に伺えますが・・・)。

それらから脱却するためにどのようにしてきたかということを明らかに書き記し、特別なことではない、誰でも出来ることだということを繰り返し主張しています。

根本にある訴えは「だからみんな出来るんだよ。やろう」という大多数への呼びかけだな、と感じました。
でも堀江さんは、どうしてわざわざこんなことをするんだろう?別に他人に呼びかけなんて手間なことをしなくても全然いいんじゃないかと、私なんかは思ってしまうんですよね。
それは、堀江さん自分自身のためではなく、大多数の他人にもっと良くなってもらいたいという愛情に近い感情からなのかもしれません。

目の前に起こる出来事に飛び乗ってみる「ノリの良さ」、これは今の自分に大きく欠けているところかもしれない。チャンスを逃していないか?
また、面白がることを忘れていないか?
没頭することに忘れていないか?

これらの事は、自分にも繰り返し問いかけてみたいです。

ところで、これは不思議なことなんですが、堀江さんの本を読むたびにどんどん彼のイメージが変わってきます。
前は「堀江=ホリエモン=金の亡者」っていうイメージを持っていたんです。 自分は何も知らなかったなあ、と思い知らされます。

オススメです。まあ、既にたくさん売れていますけれど。
タグ: 書評 経営者
posted by 霧島もとみ at 2015年02月12日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介—人物

2015年02月11日

突破する力 (猪瀬直樹)

猪瀬直樹さんのコラムをまとめた本です。
この本が出版されてからしばらくして、ツイッターで勧める書評が目を引いたので買ってみたものです。

すらっと読みやすい本でした。
猪瀬さんの本は厚くてボリュームがある本が多いと思うので、ちょっと異色な感じです。
内容としてはビジネスのハウツー本に書かれていることが多いですね。
新鮮味には欠ける印象を最初は覚えましたが、そこに筆者の体験や考え方が織り交ぜられることで新しい味付けを産んでいるな、と感じました。

同じ内容や言葉でも語る人が替わり、見せ方が変わると内容ががらっと変わって感じられるのは、言葉が持つ一つの力だと思います。
また、見ているものはひとそれぞれで、感じ方も人それぞれ。
それを知ることが出来たな、とも思いました。

本の内容とは関係ないのですが、書中で「苦境時に笑う」という話が出たときに、NHKのプロフェッショナルで紹介されていた日産のテストドライバー「加藤博義さん」のことを思い出しました。にやりと笑う加藤さんの表情が頭の中で映像が浮かび、強く印象に残ったものは、記憶に残り、自分の中に生きるんだな・・・ということを体感しました。
タグ: 書評
posted by 霧島もとみ at 2015年02月11日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介—人物
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霧島もとみ
他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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