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2015年07月27日

エッセンシャル思考〜最小の時間で成果を最大にする〜 グレッグ・マキューン

「ビジネス書大賞2015」
それだけでは手に取らなかったと思いますが、帯の”99%の無駄を捨て 1%に集中する方法!”というフレーズが自分センサーに反応して、読んでみることにしました。

うーん。

細かい説明は省きますが、” 自分にとって本当に大事なものは何か?ということを考え抜き、行動の中でそれを最優先にして全エネルギーをつぎ込むことを素晴らしいと説いた ”本だと感じました。
※感じましたという言葉がふっと出てきたということは、しっかりと読み込めていない証拠かもしれない!読み込めていれば、”感じた”ではなく”書かれていた”という言葉が浮かぶハズだ!※
一方で不用なものはどんどん切り捨てていく。そうすることで満ち足りた幸福な人生が実現できる…というような内容でした。

何か分からないうちに色々とやることを引き受けてしまい、優先度も整理できず、振り回され、結局ギリギリにいつも力業で間に合わせてしまう…というのが近頃の自分がよく陥るパターンですが、こういうものは非エッセンシャル思考として駄目な例としてまさにこの本のなかでは挙げられています。

書かれていることはシンプルなものですが、実現することは結構難しいです。言われてみれば「その通りだなあ・・・」と思う内容ばかりですが、こういうことはなかなか自分では見えないわけで、それを気づかせてくれるというのはやはり価値がある本だと言えるでしょう。

断捨離とか、魔法の片付けとかと、考え方は同じものですね。
同じものを感じます。
スマホ、PC、テレビなど油断すると情報やモノにあっというまに飲み込まれてしまう現代にはますます必要とされる考え方だと考えます。
という訳で、一読の価値はあると思います。

ビジネス書大賞は伊達じゃない!!

ところで、この本を読んでいる途中、エッセンシャル思考・・・という言葉に当てはまる人物として思い浮かんだ人がいました。
それは「 赤木しげる 」です。
特に、「天」の最終エピソードで死を迎えようとするアカギと、それを止めようとする原田の会話のシーンが思い浮かびました。

台詞をいくつか抜粋しますと・・・

赤木
「俺は『成功』を少し積んだら すぐ崩すことにしてきた・・・!」
「お前はいいやいいやで 不用心に積み過ぎた・・・!」
「どんなに金や権力を 手に入れたところで・・・ 実は窮々としている・・・!『成功』ってヤツは・・・人を自由にしないんだ・・・」

原田
「締めつけてきやがるっ・・・・・・!俺が築き勝ち取った『成功』が・・・成し遂げた『成功』が・・・どういうわけか俺を殺しに来やがる・・・!」
「狭めてくる俺の生を・・・その枠がもう間近・・・・・・!」
「棺っ・・・!」

また、その前に赤木は、別の人物との会話でこう話しています。

赤木
「そうさ・・・勝負が・・・人生の全て・・・!」
「そんなもの(女や酒、友人・・・家族・・・)は・・・全部休憩だ・・・!」
「あんなものは勝負と勝負の間の息継ぎに過ぎないっ・・・!」

赤木はエッシェンシャル思考そのものの姿です。
対して、ここで原田は非エッシェンシャル思考のように描かれているとも見えます。
原田を囲う成功の棺は、非エッセンシャル思考の例として挙げられている「成功のパラドックス」そのものです。

なるほど、腑に落ちました。
赤木しげるの姿がなぜ強烈に心に残るのか、それは、本書中に紹介される幾つもの成功者たちと同様に、エッセンシャル思考の人だったからなのでしょう。
単に人間離れした勝負能力だけでなく、非エッセンシャルの自分自身と対局にある究極の姿であるから、そこに心惹かれていたんだと思います。

だとしたら、今から「エッセンシャル思考」の人物になれるよう、努力をすればいいということです。

その気付きを与えてくれた、良書だと思います。

でも何だか、エッセンシャル思考のことを書いたのか、「天」そして赤木しげるのことを書いたのか、良く分からない記事になってしまいました・・・。
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霧島もとみ
他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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