玉置神社(たまきじんじゃ)
祭神:国常立尊(くにのとこたちのみこと)(主祭神)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)(主祭神)
伊奘冉尊(いざなみのみこと)(主祭神)
標高 1076mの玉置山に鎮座する旧郷社。創祀は明らかではないが、『玉置山縁起』には熊野本宮と同じく崇神天皇創祀とある。熊野三山の奥の院とされ、一時は別当院高室院を中心に七坊十五ケ寺がこの境内に点在し、社僧数百人を擁し修験道の一大勢力となった。大峯七十五靡(なびき)十番の行場であり、古来十津川郷の総鎮守であった。吉野熊野の山々の彼方に熊野灘を眺める神域には県の天然記念物である樹齢三千年を数える神代杉や常立杉(とこたちすぎ)、磐余杉(いわれすぎ)などがそそり立っている。山頂付近の玉石社は祠がなく、杉木立の中に地上に露出している玉石を神体としている。『玉置山縁起』ではこの山の地主神・山護神で、古来当社の奥の院と呼ばれ、大己貴命(おおなむちのみこと)を祀るという。本来の創祀はこの神社からとも推測できる。
社務所は元の別当寺高牟婁院(たかむろいん)を改装したもの。上段の間等をもつ書院風の建築で、各居室は杉の一枚板の極彩色の板襖をもって仕切られていて、重要文化財。梵鐘は佐々木高綱(たかつな)の寄進と伝え梵字が刻まれていて、応保三年(1163)の銘がある。
社務所:懸造、桁行22.0m、梁間15.0m、一重、入母屋造、西面軒唐破風付、
東面及び西面突出部附属、地階付、銅板葺
台所 桁行9.0m、梁間8.9m、一重、東面入母屋造、
By やまと まほろば通信