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2016年07月21日

255.Alone in the Dark

アローン・イン・ザ・ダーク



 おはようございます。あるへです。


 この名前を見ただけではとんと思い出せないくらい印象に薄いゲームだったのですが(ちょっと苦労した実績や暗くてまごまごした雰囲気をぽつぽつ思い出す程度)、本作について書かれた記事を探して転々とするうちになんとなく思い出してきました(笑)
 改めて思い起こすと、悪いゲームではないような気になってくる……。

 wikipediaからの情報によると、「世界の先駆け」的な挑戦的なタイトルとして世に出現し、いくつかのシリーズやマルチメディアを経て現在の姿に至るようですが、Xbox360およびPS3に一つしかない「Alone in the Dark」単体で見ると、アイデアは光るもののあまり出来の良くないアクションアドベンチャーに帰結するんじゃないかな、と思います。

 本作のストーリー構成上、似た物で神作「アランウェイク」を想像すると思います。超常的なホラー要素や海外ドラマ仕立ての構成がそうさせるのですが、「アランウェイク」と比べてしまえば9割方のゲームの存在は霞と消えるくらいの差ですので意識しないのがベターです(笑)

 さて、本作は序盤から中盤にかけては崩壊する街をメインに映画のような危機を乗り越えていくクライムアクションのような演出で、終盤は広大なマップに点在する「悪の根源」を探して潰すことで進行する探索系のデザインとなっています。
 感覚だけで近いものをあげると「FF13」のような構成になります。

 ただ、本作は全編を通してパズルのような「ゴールを探す」+「ゴールに到達するための手段を確保する」というプロセスで統一されています。
 これは個人的には嬉しかったりもします。
 これはどうすればいいんだろう、どこをいじれば道が通じるのか、と頭をこねくり回すのが意外に楽しく、序盤から中盤にかけては崩れていく街からの脱出のために、終盤は周到に用意された巨大なマップのギミックを使って「悪の根源」の潰し方を考える必要があり、それなりにゲームとしての面白さを備えていると感じます。

 ただ、海外ドラマ仕立ての演出ゆえにチャプターの最後で引っ張ってきたり、意味深なシーンも盛り込まれてはいるのですが、「何かに憑りつかれた人間」や「意味不明な謎の亀裂」が襲ってきたリ、ポルターガイストだったり、主人公の敵となるこれらの存在がやや直接的で陳腐なこともあり、イマイチ本作で展開される謎や事件にのめり込むことが出来ずにいたのを思い出しました。
 たしか本作をプレイしたのはアランウェイクよりも後だった気がするので、謎が謎を呼ぶストーリー展開の惹きが弱く感じられ、印象も薄くなったのかなぁと。

「アランウェイク」と違うのは、本作は戦闘メインの仕様ではないこと、道中で手に入る様々なアイテムを組み合わせて便利な道具を作り出せること、そしてややグロテスクな魑魅魍魎に対して少ない手持ちのアイテムでどう切り抜けるかを考えるサバイバル要素があるところでしょうか。

 アイテムの種類は多いですが、自分のコートの内ポケットに入る分までしか持てず、先の展開や全ての敵の弱点となる「火」を確保するために取捨選択しなければなりません。
 ただし、先述の通り本作は戦闘を推奨するゲームではないため、要所にちらほら敵が出現する程度でアドレナリン迸る大乱闘というのは望めません(幾つかボス戦はあるので用意は必要)。
 そのためか雑魚は若干手強く、最後は「火」で止めを刺さねば復活するという仕様やアイテム制限のため、意外と怖かったですね。次の「悪の根源」へ向かう道中、できれば敵には遭いたくないなぁという意識が働いていたのを思い出しました(まぁ怖いというか面倒臭いからかもしれませんが……)。
 そういう意味ではサバイバルホラーとしてよく出来ていた気もしますが、アイテム管理はやや大味だった記憶も。
 いろいろなものと組み合わせられるのが本作の一つの売りなのですが、効果的な組み合わせは限られており、大部分の組み合わせが実績の一部でしかないのが非常に残念です。実績のために一度だけ組み合わせてすぐに解体してしまえばその機能はもう産廃になります。テープと血液パックを組み合わせたからって何なんだよ(笑)

 また、ここまで引っ張っておきながらラストが唐突で、あっさりで、後味が悪いのもマイナスポイントです。
 どうやら本シリーズは初作からトンデモ魔術やなんちゃら信仰をテーマにしたアクションゲームだったようですが、それでも「クトゥルフ」や「ブードゥー」などのベースがあった辺り救いかもしれません。
 とりあえず私には本作の怪異現象などが何をベースにしているかわかりませんでしたし、結局ストーリーの終わりも歯切れが悪いのでイマイチ理解できませんでした。

 なので、道中の謎解きやリソース管理、演出の惹き込み方など光る部分はあり、プレイ中は一定のモチベーションは保っていた記憶があります。特にだれることなく淡々とプレイしたはずです。でも、後になって思い返してみると、これといった思い出深いシーンなどが出てこない……。やっぱりクソゲーかな?

P.S.
 アマゾンの紹介動画を見ると、本作らしさがよく出ていると思います。
 こういうナレーションの入り方、仕方は思いっきりB級映画を狙っていますよね。
 しかし、動画内での映像に誇張などはなかったはず(プレイ中もああこんなだったなぁという感じ)で、「なんだ、B級かと思ったら意外と面白そうじゃん」的な? B級には違いないですけどバックのボイス入りBGMといいワクワク感を届けてくれます。

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