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2016年08月03日

261.Borderlands :The Pre-Sequel!

ボーダーランズ プリシークエル



 おはようございます。あるへです。


 今作もお腹いっぱい夢いっぱいのボリュームでした。

 確かに、前作2と比べるとどことなくハッチャケ感が足りないような、ストーリー付きのDLCも一種類しかなく、今作の舞台はパンドラではなくその衛星と月なのでどことなく暗さや寂しさを感じるのではありますが、やっぱり中身はボーダーランズでした。
 本作はもともと、デッドアイランド:リップタイドのように大型DLCとして開発が始まったのですが、リップタイドとは違って十分に一本のゲームとして楽しめるくらいに中身が詰まっています。
 UIや操作性はそのままボダラン2の流用ですが、かなり完成されたシステムなので違和感はありません。
 色使いや慣性などがまんまボダラン2仕様だったので、ものすごい懐かしさも感じましたね。

 さて、本作は処女作ボーダーランズの後日譚(Sequel)であり、前作ボーダーランズ2の前日譚(Prequel:造語?)という意味合いを掛け合わせた「Pre-Sequel」というタイトルになっています。
 というわけで、2で多くのプレイヤーのハートを鷲掴みにした稀代のヒールキャラ・ジャックがハイぺリオン社のペーペー社員からパンドラの支配者に成り上がるまでの過程が描かれています。
 そのジャックの心理の変化の過程や、2で敵として現れたキャラが今作ではプレイアブルキャラであったり、なぜパンドラにはクラップトラップがいなくなったのか(詳しくはDLC)が克明に描かれており、ある意味結果からのこじつけなのですが、そのこじ付け方はかなりうまいです。
 本当に、2の時点でこのストーリーは出来上がっていたんじゃないかと思えるほど自然に(?)繋げてくれるんですよね。
 クレジットで表示されるイラストたちを見ていると、思わずもう一度2を始めたくなりますね(笑)

 若干残念な部分といえば、ストーリーに引っ張られ過ぎて、Vaultハンターや賞金稼ぎというキーワードは、単なるプレイヤーを表す言葉でしかないところでしょうか。
 処女作ボーダーランズが一番ボーダーランズらしいというか、名もなき夢見る賞金稼ぎですよね。2以降、最高に面白いストーリーと引き換えに、プレイヤーは一攫千金を目指す賞金稼ぎではなくなりました。
 本作ではストーリーの都合上、ジャックの駒として動かざるを得ないので、余計にVaultハンターや賞金稼ぎという単語が空気化しています。
 そしてエンディング、最終戦争が近づいている、みたいな空気を匂わせて引っ張るわけですが、うーん。
 迫力があって、ダイナミックで、思わず惹き込まれるストーリーを提供するにはイベントを起こすのが一番であり、その最も効率的なのが戦争ですけど、きっと3も面白いんでしょうね。ハチャメチャで魅力的なキャラクターたちが大活躍するのでしょう。
 でももうそれは、戦争の英雄としてでしょうね、金のためにお宝を探す名もなき賞金稼ぎではないんでしょうね。
 時代は移り変わり、一世代過ぎてしまった寂寥感が募ります。

 パッと見わからないと思うのですが、ゲームバランスも非常に良い改善の仕方をしていると思います。
 その中でも強く感じたのが、戦闘時間の短縮化と機動力の改善ですね。

 本作は主な舞台が真空中ということで、タンクに溜めた酸素を消費して様々なことができます。
 「スラム」については想像できると思いますが、エアブーストも非常に重要です。
 なんのことはない空中で酸素を放出し、機動力を得るのですが、これによって通常ダッシュ以上の速度を得ることが出来ます。
 なので思った以上に素早く戦場を駆け巡ることができるんですよね。

 そして戦闘時間の短縮化ですが、これについては複数の要素が絡み合っています。
 一つは前作2よりも敵が柔らかいこと。本作全体の調整でも言えるのですが、全体的にインフレが抑えられているので、少し低めのレベルの武器でも通用しますし、敵も極端に硬くはならないので、足を止めてのダメージレースという展開が減りました。
 また、本作の全てのプレイアブルキャラのアクションスキルは足を止めての使用を無意識に避けるようにも調整されています。

 たとえば本作のウィルヘルムというキャラはウルフとセイントを呼び出し攻撃に参加させるというアクションスキルで、前作のアクストンとDLCのゲイジに近い性能を持つキャラなのですが、ウィルヘルムの持つスキル群の中に「レーザーガイド」というものがあります。
 これは、自身の狙った敵にマーキングをし、ウルフに集中攻撃命令を出すとともに与ダメを増加させ、さらに撃破すればスキルの起動時間が延びるという素晴らしいスキルです。
 そして、このスキルのお陰で、あるいはせいで(笑)アクションスキル任せにはできず、プレイヤー自身も動き回って標的を探さなくてはならなくなるわけです。

 このように、スキルの仕様によって能動的に戦場を動き回らざるを得ないバランス調整になっているのがとても素晴らしく、ゲーム中の見えないモチベーションとして働いていると感じました。

 さてさて、あとは独り言でも呟きましょうか(笑)
 本作の目玉武器はなんといっても新登場のレーザー武器ですね。
 ブラスタータイプが非常に使いやすく、強いです。ビームタイプとハイぺリオン製がくっつくと非常に使いやすくなりますね。
 ただ、弾速は遅めなので、レールガンは慣れないと真価を発揮できません。

 本作の目玉キャラは王道を征く……ピックルでしょうか(笑)
 出会いこそただのショタですが(前作がロリなので今作はショタ?)彼にまつわるクエストをこなしていくと年齢に似合わぬ苦労と健気さに思わずほろっとさせられます。

 本作はリリスたちに捕まったアテナが、皆を代表してこれまでの経緯を語るという構成をとっており、ストーリーの要所要所で聞き手の相槌が挟まれます。
 なんとこれ、一周目二周目で聞き手が変わるんですよね! 一周目はリリスとモーデカイで、割とシリアス目、無難な流れなのですが、二周目になるとまるで.hackのパロディモード(笑)。ほんと隅々まで工夫が行き届いています。

 本作は月が舞台なので昼夜の概念(一応ある)がわかりにくく、暗くはないですが暗い雰囲気です。特に、ここはパンドラではない、というのが結構寂しいものです。
 そこへ出ましたDLC。あの懐かしきパンドラの大地に(デジタルで)再び降り立ちます。
「ああー、やっぱボーダーランズは荒野が一番似合うぜぇ〜!」
 DLCのストーリーも大変面白かったです! バカバカしくって、でも面白くて、でもなぜかしんみりしちゃって……。謎の感動です。
 終盤の展開やエンディングのノリなんか、2のティナDLCくらい気合入ってますよね。

P.S.
 プリシークエルをやってると、2へと繋がるストーリー仕立てなだけあって、良い感じにちょいちょい2を連想、思い起こさせるんですよね。
 私は2をプレイして本シリーズの神髄を見、総毛立つほどに感動した身ですから、本作をプレイ中は2が恋しくって仕方ありませんでした(笑)

 2への伏線としてのセリフや展開が多数用意されているのがまた憎いです。
 ネタバレになりますがいくつか言わせてください(笑)

 たとえばサー・ハマーロックの密輸クエスト。2にて苦戦を強いられたスレッシャー達はもともとパンドラには生息していませんでした。そのことについては確か2の時点でも言及されていたと思うのですが。こいつの仕業やwww

 メインストーリーで明らかになるコンストラクター誕生秘話。これも2では特に3周目なんかこいつ一機出てくるだけで大苦戦必至だった記憶が蘇り、思わず目玉を装着する操作にためらってしまいました(笑)

 そして非常に地味ですがナカヤマから提供されるジャックの不死身化計画の質問の一つ、「どんな風に死にたい?」とジャックに質問するのですが、よく思い出してください。考えようによってはジャックの理想の死に方だったりするんですよね。
 ここでは他にジャックの家族についても少し触れられます。そして2でのあのクエスト……、ほら、お見舞いに行くやつ。

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