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2017年09月17日

316.The Incredible Adventures of Van Helsing

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「インクレディブルアドベンチャーズ オブ ヴァン・ヘルシング」のレビューです。

 ハクスラは好きですか? 職ごとの多様なスキルツリーや、ランダムオプションの付いたアイテムがザクザクドロップするアレです。
 私は大好きです。
 特に、思い描いたビルドが形になったり、完成していく過程がすごく好きで、こういうジャンルのゲームでは何回もキャラを作り直して、その度に攻撃や防御、体力回復やマナの回転率のバランスに頭を悩ませあれやこれやと試行錯誤します。
 その時間が本当に楽しんですよね。
 ハクスラも含めて、数ある手段の中から自分の思い描いた戦い方を全うできるゲーム、ってのが私の好きなゲームだと思います(アクションやRPGに限らず)。それを自由度っていうんですかね。

 本作はそんな正統派なアクションRPGでした。ゲーム内オプションで日本語にも対応しています(ゲームを始めてからオプションをいじって日本語にします)。
 また、本作は本ブログでも取り扱っている「World of Van Helsing :DeathTrap」の前身にあたるので、こちらで楽しめたのなら本作も十分に楽しめることでしょう。

 さて、本作、一周目は本当に楽しかったです。主人公であるヴァン・ヘルシング(職業名みたいなもので、そう呼ばれますが名前は好きに付けられます。日本語でもOK)と相棒のカタリナとの会話がメタやパロディ、コメディに満ちているのですが、同時に独自の世界観も持っており、すごく惹き込まれます。
 クエストを受ける前にミッションアイテムを手に入れたりすることもできるのですが、そうすると会話の繋がりが変わったりして、すごく手が込んでいるのには感動しました。

 キャラは複数人作れますが、キャラ一人につきセーブ一個なので巻き戻しはできません。
 能力値の変化やクエストの成否など、後戻りできない選択がちょいちょいあるのですが、一周が比較的短いため、あとで別の選択肢を選ぶのも結構気軽でした。

 本当に、一周目だけは面白い。何度作り直しても一周目だけはずっと面白いです。
 ただ、本作がSteamにデビューしたての頃は二周目という概念がなかったんですよね。
 ONEに移植されて二周目以降、シナリオモードなどが搭載されたのですがもともとが(レアアイテムのドロップ等の運も含めて)一周で完結するよう練り込まれたためか、二周目以降のやりこみモードが果てしなくだるいです。
 装備で上げるしかなかったクリティカル率や抵抗力が素で上げられるようになるので試みとしては非常に面白いんですけどね。

 本作独自の画期的な(?)システムとして「カタリナ」という相棒キャラがあげられます。
 彼女はヴァン・ヘルシングに憑りついている幽霊で、戦闘になると実体化し共に戦ってくれるのですが、彼女もまた(部位は少ないですが)装備を身に着け、遠近どちらで戦うかを指定することができます。
 これによって、ソロでのハクスラアクションではなかなかなし得なかった役割分担が可能になり、「盾」や「ヘイト」を意識した立ち回りを行えるようになっています。
 そしてここが画期的だと感じた点なのですが、なんとカタリナも独自のインベントリを持ち、主人公が持ち切れないアイテムを持ってくれるばかりか、ボタン一つで街まで瞬間移動し、アイテムを売ってきてくれるという尽くしよう! ふだんツンツンしてるくせにめっちゃ可愛いんですよ(笑)

 本作はそこまで世界は広くなく、ファストトラベル機能や拠点との往復もストレスの少ない仕様なのですが、画面を切り替えずにゴミを処理できるのはやっぱり素晴らしいです。

 そんな本作、この会社が二つの作品で正統派ハクスラアクションに力を入れる会社だとわかったので今後も是非に応援したいのですが、どうもまだ垢抜けないやや不安定な部分もありますね。

 たとえば、本作では最初に難易度を選んだらそのキャラでの難易度は後から変えることができません。
 カジュアルとレジェンドしか試してないのですが、最低難易度と最高難易度でも、説明に書いてあるようなドロップの違いはまったく感じられませんでした。ただ敵がおそろしく硬く強くなっただけです。
 でもってクリア後のやりこみモードもこの難易度基準を引き継ぐので、カジュアルで始めればクリア後も回復要らずのヌルゲーに、最高難易度で始めればクリア後も敵に触れれば溶けるインフレが収まりません(マルチプレイでロビーを作れば一時的に難易度を変更することはできます。そのままソロで遊ぶことも可)。

 ただ、まぁ、初見プレイで最高難易度を選んでクリアしてしまったので、それ以下の難易度はぬるすぎてやる気にならないんですけどね。
 で、この鬼畜難易度で問題になるのが攻撃よりも防御の観点で、スキルリソースの管理や体力、抵抗力なのですが、このバランスというか仕様が壊れていました。

 こういうジャンルの世界では、たいてい広範囲、高攻撃力のスキルをマシンガン並みにぶっぱなすのが定石です。ハードの性能もあいまって一度に出てくる敵の数もかなり増えましたから、1vs1という状況はほぼありません。でもってだいたい「ヒット毎にいくつ回復」などのオプションをたくさん付けた装備を着込んで、大量の敵をまとめて吹っ飛ばすのがセオリーでしょうか。
 というかそうしないと大量の敵に纏わりつかれて、クールタイム0.5秒の差が生死を分けるのもザラな世界ですから。ハクスラを究めるうえで、殲滅力と体力供給そしてスキルの回転率の両立は避けては通れない課題です。

 この「ヒット毎に回復」というオプションは本作にも存在するのですが、なぜかこれがスキルによって乗ったり乗らなかったり、すごく不安定なんですよね。
 たとえば、もともと選べる唯一の職業ハンターの銃のスキルに、射撃して周囲数メートルをまとめて吹き飛ばす便利そうなスキルがあります。これにヒット毎回復を乗せたら強そうですよね。
 しかし、装備につけたこのオプションは乗らないので、このスキルを使っても回復はできません。オーラというバフスキルに似たものがあるのですが、何故かこちらは書いてある回復量を無視してヒット毎に1しか回復しません。
 かと思えば、毒弾を放ち、範囲攻撃をした後に継続ダメージを与えるスキルの方では、範囲攻撃にきちんとオーラとオプションのヒット毎回復が乗っており、もりもり回復できます。と思わせて継続ダメージの方は1しか回復しません。

 そんな中、DLCキャラである神秘の機工士に至っては初期スキルが範囲攻撃であり、続く第二の初期スキルも範囲+持続ダメージであり、そしてどちらもヒット毎回復の数字がそのまま乗るため、交互に連射するだけで敵は溶けるし体力は減らないしと、バランスブレイカーでした。
 このキャラを上回る安定性を生み出せないかと他二職であれこれ検討しましたが、どうしても神秘の機工士が頭800個くらい抜けてダントツチートキャラでした……。
 というか、この神秘の機工士でないと最高難易度を少ない死亡数でクリアすることは不可能でしょう。
 最高難易度の世界が理不尽というか、個人的にはハンターが弱すぎる印象でした。
 この辺のアイテムやステータスの相互関係、ルールなどをしっかりと作り込んでほしいと思った本作ですが、精神的続編にあたるWoVHの方ではそのような混乱がほぼ無かったはずなので、やっぱり続編を作る毎に自身も更新を重ねていく良い制作チームなのだと思いますよ。

 DLCを購入しないと、このハンターしか選べないので、本作が気になっている人は要注意です。
 私的には是非ともDLCの導入も合わせてお勧めします。

 今度はオープンな世界で、もっと長くボリュームのあるハクスラをこのシリーズで楽しみたいですね。心からそう思います。
 セイクリッド3はまだですか?(棒)

↓レジェンド難易度終盤のマップを神秘の機工士でプレイ。
 普通、こういう状況になった場合、ハンターや魔術師ではまず間違いなく詰みです。



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