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2023年08月06日

530.Just Cause 4

Just Cause 4.png


 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ジャストコーズ4」のレビューです。

 総合的には可もなく不可もなく。ジャストコーズらしい広大な大地を悠々と飛び回り破壊をまき散らしたり風景を見て癒されたり、あるいはシリーズ伝統の理不尽な無限湧きに苦しめられたり。
 前作と比べて大きく進化したと感じられる部分はほとんど無いのですが、一定範囲を越えたりゲームをリスタートするとオブジェクトの損傷状態や配置をリセットすることでプログラムの無駄や、前作で苦しめられた物理演算の暴走やフリーズが解消されており、ロードも早くなっています。プログラムとしての大幅なコストカットが功を奏してゲームプレイの快適性はかなり高かったです。

 ただ、その弊害としてそれぞれの街や基地は(もとからそうだったけども)アセットの集合体という感覚が強く、いろいろな土地に来た、旅をしてきた、といった感慨が起きにくく、ただのスポットと化しています。
 作中の「クーヤ」など、大都市と呼べる街はいくつかあるのですが、爆走するための道路はしっかり根を巡らし整備されているものの、原野と街の境界がかなりくっきりと分かれており、作り物感が半端ないです。

 またこのオブジェクトの状態が永続しないという今回のコストカット戦略が影響してるんだと個人的に思っていますが、本作は破壊活動についてかなりアバウトで、敵基地のインフラを破壊して回るメリットがほとんどないんですよね。前作では「破壊の美学」と謳い、今作ではNPCに「破壊への執着」とさえ言わしめるほど、ジャストコーズシリーズと言えば破壊というイメージだったのですが、その肝部分があっさりばっさり切られてしまったのは残念としか言いようがありません。
 とはいえ爆発エフェクト自体は派手で非常に気持ちよく、ゲーム開始一時間くらいは脳汁溢れます(笑)

 さらに残念だったのが各種アクティビティ(乗り物に乗ってタイムアタックしたり、ウィングスーツでリング通ったりのやつ)が非常にシンプルになってしまったこと。
 特定の乗り物を探してリングをくぐれってのは、だいたい近くに目当ての乗り物があるのでそれに乗り、道路の真ん中に一つだけ、なんのヒネリも無く置かれているリングにツッコめばクリア。だったり、ウィングスーツは等間隔に置かれている三つのリングをぽんぽんぽんと素通りするだけ。操作に慣れないと難しかったりしますが、何回か練習すれば余裕なものばかりで、これも微妙。
 そんなスタントアクティビティが、スマホのステージクリア型クソゲー集の如く数百個、ワールドに散らばっていました(一つ一つ地道に潰していくの、割と楽しかったけど)。

 こんな感じで、ゲームとしての規模感は減少してしまいましたけど、お陰でゲームを制御するプログラムの減量には成功しており、ゲームスタートのロードは案外早く、死んでもリトライは数秒で済み、ゲームをプレイすること、トライ&エラーにおけるストレスは物凄く軽減されていました。フリーズが一度もなかったのもすごい。
 なので私はこれは一つの英断と感じ、頭からこの仕様を否定する気にはなれませんでした。

 んー、でもやっぱり良いところより悪いところが気になっちゃうかなぁ。
 本作は天候操作が一つの目玉で、それに伴い風の流れや水の流れといった物理要素が追加されていることが特徴だったりします。
 砂嵐や猛吹雪、落雷、竜巻などは非常に派手でゲームとしても相性がいいように見えますが……、本作ではイマイチそれを活かしきれていません。風が吹く場所というのは渓谷など一部の場所、水の流れも実際川にボートを浮かべてじっとしていないと感じることができないなど、この新しい要素に出会う頻度はそれほど高くないです。

 メインシナリオに関わってくる天変地異は各エピソードの山場でプレイヤーに新しい感覚を提供するために(苦しめ、ストレスを与えるために)登場し、そのエピソードをクリアするとなんと自分も操れるようになります!
 なんとその研究施設のコンソールでボタンをぽちれば、砂嵐やブリザードを起こせるんですねぇ。

 ……だからなにぃぃぃ!?

 せめて敵基地に向けて発生させたり、誘導したりできないの?
 クリア済みのその施設の周りだけ発生させても意味ないのよ。「おおお」って言ったらそれでおしまい、もう二度と触らないのよそれ。邪魔だし。

 そして最後に私は本作にうんこをなげつけられました。
 攻略中必ず通過する、どこにでもある普通のストーリー実績。サンドスティンガー作戦を完遂するっていう実績が、解除できなかったんですね。全ての攻略を終えた後ニューゲーム(セーブスロットは一つだけなのでデータ全消しです)して、一日潰してもう一度そのエピソードをクリアしてみましたが、時間を無駄にしただけでした。
 お陰でこの実績と、コンプリート実績が取得できませんでした。気持ち悪い。

 DLCについてもやっぱり微妙。
 出来自体は、まぁまぁ、悪くないかな。クリアで手に入る補給物資も役に立つとは思うし。ただ、ボリュームが薄すぎる。
 二時間あればクリアできるレベルで、言うて敵は固いし嫌らしい動きをしてくるなど(DLC3のエージェントはマジでgkbrに見えてくる……)、単純な撃ち合いが多くなる2と3のDLCは難易度高かったですけど、それにしても本編と同じくアセットの集合みたいな風景もルールも同じミニゲームを回るだけの単調なもので、飽きるのは早いです。
 ただそんな中でも武装した車を乗り回して破壊やレースを楽しむDLC1だけは、この仕様が逆に楽しさを増していて、本作のあらゆる要素の中で一番ジャストコーズしてると感じられ、楽しかったです。
 ウィンドガンを搭載した車で、邪魔な対向車や前方の車をがんがん吹っ飛ばしながらハイウェイを爆走するのはめちゃくちゃ気持ち良かったです。

 てなわけで最初にもどって可もなく不可もなく。惜しいところや不満点は多々あれど、決定的にこれがつまらないというほどではなく、その対価としてプレイ中のストレスをごっそり軽減して快適に遊べるのは素晴らしいです。
 ミッションやアクティビティは単調なものかと思いきや、世界に散らばる隠しもの、墓とかアクティビティの開始ポイントとか、街や村そのものとかを探す際には基本ノーヒントなのでかなりエグイと感じた部分もありました。
 滑車を回して像を出現させるやつは、最初仕掛けが全く分からなくて戦慄しましたけど、ヒントはあるんですね。怪しげな像を見かけたらグラップルでいろいろ試してみましょう。
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