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2015年04月25日

002.涙の公式

 小説・創作カテゴリを作っておきながらいきなりネタに困るという不始末。本当はもう小説なんか書きたくないんじゃないかと思い始めてるあるへです。

 タイトルにある「涙の公式」という言葉を見て、何かぴんときた方はいるでしょうか。これは私が専門学校に通っていた頃に師事していた先生の言葉でして、何年も経った今でもこの言葉は私の中で印象強く残っています。

 私は鬱を患っていて、まだ自分でなんとか対処できる程度の比較的軽いものなのですが、扱いを間違えると非常に苦しい思いをすることになります。

 で、はじめにの項でも書きましたが先日またアルバイトの面接に落っこちまして、面接に際してイメージトレーニングや前向きな想像、面接中にも未だに何が悪かったのか検討がつかないくらいに努力したつもりでしたが、今後の明るい将来を期待していただけにショックを受けまして、鬱状態になってしまいました。

 布団に横になって、虚空を見つめながら自虐の渦に身を任せているとそのうち妄想をしだすんですよね。何もかもどうでもよくなってヤケクソになって、妄想の中で道を歩いていると暴漢にからまれて逆に殺してやろうとか、とにかくどこか遠くへ行きたくて着の身着のまま道をまっすぐ歩いていこうとか。
 そしてこれはもしかしたら私の癖なのかもしれませんが、自虐と衝動のままに始まった妄想は物語仕立てになっていくんです。
 ずっと道を歩いていたら当然腹が減って、目が回り、倒れます。そこへ偶然通りかかった見知らぬ人が介抱してくれたり、その時にもらったおにぎりのなんと旨いことか。
 あるいは警察に職質されて家に送り返され、そこで「ああ、やっぱりまたここに戻ってきたんだな」と、いくら努力しても振り出しに戻される失望と絶望を仮想の中でも感じ、想像の中で両親に優しく迎えられ、暖かい夕食の場面に移ります。そこで飲んだ味噌汁のなんと優しいことか。ああ、おいしい、とお話が作れたところで、そんな妄想をしている自分の中にも何かこみ上げるものが出てきます。

 頭の中だけで勝手に妄想して、自分の都合のいいようにお話を作って、そして勝手に感動するんです。
 これは、ある意味精神的な自衛機能だと思います。

 さて、長々と私の恥ずかしい体験を暴露してしまいましたが、この過程を経てちょっと気付いたことがあるんです。

 食べ物って意外と破壊力があるんだなぁと。

 人が希望を失ったり、逆境に陥った時に食べたものは、特別な食べ物になるんじゃないでしょうか。

 苦境+食べ物=涙 です。つまりこれが涙の公式です。

 千と千尋の神隠し、ご存知ですか? 今の話に合致しそうなシーン、ありましたよね?
 この公式は人の数だけあると思います。また何か見つけたらお話しますね。
タグ: 創作 小説
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