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2015年06月03日

064.Alice MadnessReturns

アリス マッドネス リターンズ【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。

 私はこの手のゲームも大好物でして、本作品も芸術レベルにとても高く評価しているのですが、もしかしたら苦手な人、ハマれない人もいるかもしれない、人を選ぶゲームです。

公式サイト

 本作品の魅力はなんといっても雰囲気作り、世界観にあります。俗に言う「雰囲気ゲー」の最先端を行くようなゲームですが、アクションゲームとしても堅実に作りこまれており、ライトに楽しめるでしょう。

 このゲームは、有名なアリスインワンダーランドのおとぎ話に、かなりリアルで陰鬱なIF(もしも)をミックスしたもので、そのIF要素が非常に美しく、またおどろおどろしく描かれています。
 このゲームの推奨されるプレイ方法は、難易度を控えめに設定して、そんな非常にクオリティの高い、描きこまれたステージを散策するのがベターでしょうか。
 とはいえ、武器振りのモーション、回避モーション、エフェクトなどは爽快感があり、スタイリッシュな戦闘を楽しむような要素はないものの、華麗に舞うような戦闘を自分で演出することはできます。

 むしろ、DLC(初期は初回限定版か有料。現在は無料で落せますし、デフォルト実績に組み込まれているのでこちらもプレイしなければコンプリートはできません)の「アリスインナイトメア」の方は、三世代くらい昔のPCアクションゲー(つまり古臭い)ですが、非常に手応えがあり、刺激を求めるコアユーザー向けの調整になっています。
 DLC「アリスインナイトメア」は本編とは違い、難易度が高く、また見た目や操作性も古く、さらには「未」ローカライズでして、敬遠しがちですが本作の前日譚にあたり、本作の魅力を味わい尽くすためにも、一通りクリアだけはしておきたいところです。

 敵を華麗に屠ったり、タイムアタックを挑んだり、驚愕のショートカットを模索したり、ゲームとは関係ない遊び要素を探したり……といったことは出来ないのですが、比較的長めのマップを、カメラをぐるぐる回しながら眺めつつ、コレクションを探しつつ、じっくりと歩んでいく。
 そんな、世界観に浸りながらプレイする、ある意味想像系のゲームです。

 非常に斬新で、初プレイ時は強烈な印象を植え付けられ、ファンになってしまった一人ですから、ぐいぐいとお勧めしたいところですが、この強烈な世界観や、コアでシビアなアクション性を求めるプレイには向いていないことなど、人を選んでしまうのが残念なところではありますね。

 人間だから出来る想像力の美しさ、そして人間だからこそ起こる想像力の暴走、狂気。これらのテーマが「アリスと不思議の国」をモチーフに、マップデザインという形で鮮やかに描き出されており、是非とも絵画を鑑賞するような気持ちで、彼女の世界を歩いてみて欲しい作品です。

 続編でないかなぁ。


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