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2019年01月04日

【名演】ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」/サラ・チャン

曲名:ヴァイオリン協奏曲第1番
作曲者:マックス・ブルッフ
ヴァイオリン:サラ・チャン
指揮者:クルト・マズア
演奏:ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団




 シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」もサラ・チャンから入った。
 そのときもこの情熱的な演奏に聴き入ったものの、ほかのアーティストの演奏と比較する中で、その情熱の入れ方と音楽的仕上がりとのギャップが解決し切れていないように思えたため、少しずつランクを落としていった。けれども、このブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」については、比較したとしても、このサラ・チャン盤を超えるものにはいまだ出会っていない。

 たぶん、音楽に求められる情熱と冷静さとのバランスが、彼女のバランス感覚とマッチしているのだと思う。第1楽章、第2楽章、第3楽章ともに、最初から最後まですっかり魅せられてしまう。そして、名演奏に欠かせない要素だけれど、何度聴いてもその魅力が失われない。
 サラ・チャンのヴァイオリンが第一だが、オーケストラの支えももちろん見逃せない。クルト・マズア/ドレスデン・フィルの引き締まった演奏が、ヴァイオリンをより一層引き立たせていることは間違いない。

 この曲については、ヤッシャ・ハイフェッツ、アンネ=ゾフィー・ムター、五嶋みどりなどの演奏を聴いたけれども、サラ・チャン盤ほど曲に没入して聴き入ることはできない。ほかは大抵どれも、(サラ・チャンと比較すれば)冷静さのブレーキがかかって、超えてほしい一線を超えていない。
 たがが外れてしまって(いるように感じられ)、かつ音楽が壊れないギリギリライン。これこそが求められる至高。だから名演というのは奇跡なんだと思う。
posted by ひえち豆 at 07:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | CD
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