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フォステクス "かんすぴ"シリーズ P800K/P1000K/P800-E/P1000-E/AP05 について

 ローコストで手軽に自作スピーカーが楽しめる製品シリーズが

Fostex(フォステクス)より去年から発売されています。


●FOSTEX "かんすぴ" シリーズ

?@8cmフルレンジユニット   P800K  :¥1,300(税抜)/1台

?AP800K 用スピーカーボックス P800-E :¥1,400(税抜)/1台

?B10cmフルレンジユニット   P1000K :¥1,600(税抜)/1台

?CP1000K用スピーカーボックス P1000-E :¥1,900(税抜)/1台

?D超小型パーソナルアンプ   AP05  :¥4,800(税抜)/1台


1.8cmフルレンジユニット「P800K」とそのエンクロージャー「P800-E」

 ?@×2+?A×2 で、2チャンネル分の8cm口径フルレンジスピーカー

 が出来ます。

 定価合計で、5,400円×1.05(消費税含む)=(5[%]税込)5,670 円

 になります。本格的オーディオ用スピーカー(以下SP)として、

 非常にロープライスです。


「ステレオ(Stereo)2011年7月号付録 スピーカーユニット キット P800」

の発売の時に「P800」用として、フォステクス8cm口径フルレンジ用

スピーカーエンクロージュア「P800-E」は発売されました

(メインの適合ユニットは「P800」)


型番から分かる通り、SP-UNIT「Fostex:P800K」は、

付録「Fostex SP-UNIT キット P800」の量産化改良製品です。

そのことは、

「ステレオ誌2013年1月号 174頁〜177頁 オーディオクラフト

 AS380K 製作・文:浅生 ?ム(あきら)氏」 の記事に

「(P800)と振動系、磁気回路その他の各部分はほとんど同じであるが

 コーンとボイスコイルなどの位置関係の調整、接着剤の使い分けや

 使用料など細部に渡って綿密に再検討された。」

と載っています。

作成されているスピーカーは「FF85WK」を使用する予定だった。

トールボーイ型、同じユニット3本使用バーチカルツイン風角柱

バスレフ、モデル名「AS380K」です

サイズ:144×144×912(W×H×D)[mm] 底面180×12×180の土台付)

そこの「P800K」試聴レビューをまとめますと、

 ● 音の締りが結構良い

 ● レンジが広くないが、帯域のバランスは取れている。

 ● 重低音域は出ないが何とか実用になる低音

 ● 音源の録音差をやや誇張されるような録音の差が出る高性能

 ● 近い距離で聴くのが最適の音癖の少ない聴きやすい音

と載っています。

 私もプロトタイプの「P800(音質劣化しないように組立てた)」

を使ってみて、感じたことも同じで、感想を付け加えますと、

この音質にスパイス的な高音域の伸びと音源に入っていることの

少ない重低音が加われば、私の使っているメインシステムの

ハイエンドクラスにも勝るとも劣らない音になると思います。

この特徴が、何でもコスト内で平均的にまとめ上げた

市販スピーカーと最も違う自作スピーカーの醍醐味だと思います。


スピーカーボックス「P800-E」は、

フォステクスの8cm口径フルレンジユニット「FE83En」「FF85WK」

も取り付けることが出来るスピーカーエンクロージャーです。

FOSTEXとして今までなかった非常に安価なエンクロージャーで、

音質はやや劣ってしまいますが、コストパフォーマンスは高いと

思います。(板厚がやや薄い、小さいので内容積が少な過ぎ)

"かんすぴ"="簡単スピーカー"の軸となる製品だと思います。

自作スピーカ−の工作は、エンクロージャーを設計・作成する

のが主体だからです。

(いくらでも箱の工作にこだわれますが、非常に手間が掛る)

手間を掛けずにそれなりの音質は確保出来ますが、出来れば、

最低限、電気配線部品(スピーカーターミナルと内部配線)の

交換すれば音質のグレードアップが可能です。

スピーカーケーブルの交換が出来なくなりますが、スピーカー

ターミナルを飛ばして、直接スピーカーケーブルを「P800K」

に接続すれば、コストも少なくて済みます。

スピーカーターミナルの穴は、スピーカーケーブルが真ん中に

通したフタにするか、埋める接着剤で塞ぐ必要がありますが・・・


見た目のデザインが安っぽい木目調の塩ビシートですが、

Fostexの公式"かんすぴ"のWebサイトには、外観をアレンジした

作成例が12例ほど載っていて、参考になります。(見た目も大事)

そのような、工作を楽しむのも良いのではないかと思います。


2.10cmフルレンジ「P1000K」とそのエンクロージャー「P1000-E」


?B×2+?C×2 で、2チャンネル分の10cm口径フルレンジ

スピーカーシステムが出来ます。

定価合計で、7,000円×1.05(消費税含む)= 7,350円

になります。本格的オーディオ用スピーカー(以下SP)として、

非常にロープライスです。


スピーカーユニット「1000K」を使用した

ミニサイズの2ウェイ(P1000K+FT207D)「AS1000KD」の

スピーカー工作記事が「ステレオ(Stereo)2013年2月号

129〜133頁 Stereoオーディオクラフト」に載っています

(製作・文:浅生 ?ム氏)。

その記事より「P1000K」の特徴・音質レビューをまとめますと、

 ●音質はニュートラルで色付けが無く素直で穏やかな音

 ●Q0=0.53 でバスレフ型が最適なユニット

 ●2wayにするのにバランスが良い周波数特性

  (のだら下がりの高音域)

 ●結構パワーが入る(36[W] mus.)

となっています。

「P800K」同様に無理をしていない設計なのでCPは高いと判断

できます。

「バランスが良い周波数特性」とは20cm口径フルレンジユニット

に似ている高音域の周波数特性で伸びてなく、だら下がりで、

高音域強化で2ウェイにする場合、20cm口径ユニットのように

フルレンジ側にネットワークを入れる必要が無いという意味です。


かんすぴ8cm口径フルレンジユニット「P800K」の口径を10cm口径に

1ランク上に拡大したようなユニットであるのは間違いないと

思われます。


ちなみに「AS1000KD」の私の偏見と独自の机上感想を書きますと、

小型ニアフィールド(近距離で聴くスピーカー)用スピーカーなので、

「P1000K」の性能をフルに引き出すタイプの自作スピーカーではあり

ません。

よって、音質的な感想は机上であるため分かりませんが、

目的に合った設計通りの「P1000K」の欠点を上手くカバーした目標を

達成した完成したモデルだと思います。


浅生氏には全く責任が無い問題点としてツィーター(以下TW)

の価格があります。主に「フォステクス」さんの SP-UNIT を

紹介する連載なので、他ブランドの安価なTWは普通は

合わせません。

「Fostex:FT207」はフォステクス販売のTWで合せられる

最廉価TWですが、現状で標準価格¥4,700(税込¥4,935)と

「P1000K」の約3倍弱の価格となっています。

組合わせるなら「AUDIO BASIC 2012 AUTUMN Vol.64」の炭山アキラ氏

のスピーカー自作記事 P131 に載っている、ソフトドームTW

「 Dayton(デイトン) ND16FA-6 約2,000円(2本1組)」が良いと

思います。


スピーカーボックス「P1000-E」は、フォステクスの10cm口径

フルレンジユニット「FE103En」「FF105WK」も取り付けることが

出来るスピーカーエンクロージャーです。

FOSTEXとして今までなかった非常に安価なエンクロージャーで、

音質はやや劣ってしまいますが、コストパフォーマンスは高いと

思います。(板厚が薄い:9[mm]、内容積がやや少な過ぎ)


「P800-E」に比較して「P1000-E」の方が、「フォステクス」推奨

10cm口径フルレンジスピーカーユニット「FE103En」と「FF105WK」

の相性が良い様子です。

「P1000K」は当然として「FE103En」と「FF105WK」も意外と

シミュレーションでほぼフラットで良さそうな低音帯域f特性で

伸びていました。


「FE103En」「FF105WK」は、上位機「BK105WK」に適応していて、

それとのシミュレーションで低音帯域f特を比較しますと

「BK105WK」と「P1000-E」の200[Hz]以下のf特の違いで、

「BK105WK」の方が約10[Hz]ほと伸びている(「FF105WK」で

約70[Hz])のがよく分かり「BK105WK」の方が優れていること

がシミュレーション結果で分かっています。

加えて、箱の材質・板厚・表面仕上げ・接続部品が全然違います

ので、中高音の音質も「BK105WK」が明らかに上になると予想

出来ます。

その代り「BK105WK」の方が3倍以上価格は高くなります。

ちなみに「BK105WK」には「FE103En」「FF105WK」用のフレーム

落し込み加工がされていますので「P1000K」は直接取り付ける

ことは出来ません。


参考にしたページは

フォステクス "かんすぴ"シリーズ P800K/P1000K/P1000-E/AP05 が発売!!

フォステクス "かんすぴ"シリーズ P800-E/P1000-E が発売!! その2

P800K 8cmフルレンジユニット が"かんすぴ"シリーズで発売 その1

P1000K 10cmフルレンジユニット が"かんすぴ"シリーズで発売 その1

AP05 パーソナル アンプ が "かんすぴ"シリーズで発売
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