全8件 (8件中 1-8件目)
1
葛城ユキ、追悼 「ボヘミアン」(1983年)のヒットで知られるシンガーの葛城ユキが亡くなったと報道されました(外部記事リンク)。これまで闘病されていた経緯があったとはいえ、まだ73歳での逝去でした。追悼ということで、既に過去に取り上げた「ボヘミアン」以外のいくつかの曲をお聴きいただきたいと思います。 今月(2022年6月)半ばのステージが最後の場だったとのことですが、そこで歌われたナンバー、「ローズ」です。 さらに、洋楽カバーをもう一つ。「ヒーロー」です。 葛城ユキといえは、ヒット曲「ボヘミアン」ばかりが取り上げられますが、洋楽カバーの歌唱も素晴らしければ、他の曲でも力量を発揮したシンガーでした。個人的好みでのチョイスですが、1981年の「風の彼方に」、そして、1984年発表のアルバム収録曲だった「ブルースはもう聴こえない」をお聴きください。 報道によれば、安らかな最期だったとのこと。どうか安らかに眠らんことをお祈りします。 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年06月29日
コメント(0)
パフォーマンスの高さが如実にわかるライヴ盤 U2(ユー・トゥー)は、アイルランド発のロック・バンドで、グラミー最多受賞の記録でも知られる。1980年にデビューした彼らにも、もちろん、若い頃というものがあった。デビュー後に3作品を発表し、その勢いで初のライヴ・アルバムが発表された。それが、この『ブラッド・レッド・スカイ=四騎=(Under a Blood Red Sky)』というライヴ盤だった。 “アンダー・ア・ブラッド・レッド・スカイ”という表題は、7.「ニュー・イヤーズ・デイ」の詞に出てくるフレーズである。本作では、米コロラド州のレッドロックス野外劇場でのライヴの夕焼けというイメージがあったそうだが、実際には、1983年6月5日の同地は悪天候で、激しい雨の中での演奏となった。そのため、同ライヴの音源は、1.と4.の2曲にとどまり、その分、西ドイツ(当時)でのツアーの音源が多く収録されている。 リリース後、間もなかったサード作『WAR(闘)』の曲を中心に、ファースト作、セカンド作、さらにはこれらに収録されなかったシングル曲が並べられている。U2は、上記のグラミー受賞記録だけでなく、ライヴ・パフォーマンスが高いバンドとしても知られる。別に数や額が多いから素晴らしいというわけではないけれど、過去、複数の年においてコンサート収益1位を記録したり、米国における観客動員数の大きいコンサート(史上1~3位をU2が独占し、いずれも8万人超)を記録したりしている。 実際、本盤の注目箇所は圧倒的なライヴ・パフォーマンスである。筆者の気に入っている演奏を何曲かだけ挙げておきたい。1.「グロリア」は、セカンド作に収められたナンバーだが、このライヴの方を聴いて好きになった曲。3.「アイ・ウィル・フォロー」はファースト作のオープニング・ナンバーだった曲で、セカンド・シングルでもあった彼らの原点みたいな曲だが、この演奏は、彼らのライヴ・パフォーマンスのエッセンスが凝縮されている。“U2ってどんなライヴをするの?”と質問する人がいたら、筆者はきっと“この曲を聴いてみて”と答えることと思う。 後半(LP時代のB面)最初の5.「ブラディ・サンデー」は、言わずと知れた彼らの有名曲の一つ。北アイルランドの“血の日曜日事件”(1972年)を題材とした内容で、このライヴ盤でも聴きどころとなっている。さらに、この曲と同じくサード作からのシングルで、彼らの代表曲として知られる7.「ニュー・イヤーズ・デイ」は本盤のハイライトとも言える。もちろん、彼らはこのアルバムの後も進化を続け、さらなる高みに達するわけだけれど、デビュー数年のこの時点でいかに高いライヴ・パフォーマンスができ上っていたのかが、いま聴いても実感できることと思う。[収録曲]1. Gloria2. 11 O'Clock Tick Tock3. I Will Follow4. Party Girl5. Sunday Bloody Sunday6. The Electric Co7. New Year's Day 8. 401983年リリース。 ブラッド・レッド・スカイ=四騎=/U2[CD]通常盤【返品種別A】 【中古】 ブラッド・レッド・スカイ=四騎=/U2 【中古】afb 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年06月25日
コメント(0)
ファースト作にして時代を先取りしていた名盤 デラニー&ボニー(Delaney & Bonnie)は、アメリカの夫婦デュオである。夫のデラニー・ブラムレットは、妻となるボニーと1960年代後半にロサンゼルスで出会い、結婚。そして夫婦デュオができあがるものの、最初に録音した音源はリリースされなかった(後に『ホーム』としてリリース)。その後、本盤を吹き込み、この『オリジナル・デラニー&ボニー(The Original Delaney & Bonnie & Friends)』でメジャー・デビューを果たした。 本盤の凄さは重層的である。そもそものデュオとしての力量について語るだけでは、まったくもって不十分と言ってもいいだろう。その力量については、ストリングスに携わったアレンジャーが、白人デュオだとは思わなかったというエピソードがあるらしい。白人か黒人かという、現代世界から見たらレイシズムそのもののような「偏見」が当たり前だった時代に、その「偏見」の壁を感じさせない歌唱を見せていたという訳である。しかも大部分の曲は、デラニーあるいはボニーがソングライティングに関わったものだった。 さて、本盤の凄さを語るには、“デラニー&ボニー”の名義にも触れなければならない。ジャケットには“デラニー&ボニー”としか書かれていないものの、実際には“デラニー&ボニー&フレンズ”なのである(裏ジャケには写真入りでその“フレンズ”の内容が記されている)。そして、その“フレンズ(友人たち)”には、レオン・ラッセル(ピアノ、ギター)、ドクター・ジョン(キーボードのほか、4.の曲提供)などの“濃い”メンバーたちがいる。これらの面子の存在もまた、本盤のディープでスリリングな演奏の元になっていることは、忘れてはいけないと思う。 話が何だか抽象的になってしまった。以下、筆者の個人的好みのおすすめ曲をいくつか挙げておきたい。1.「団結しよう(ゲット・アワセルヴズ・トゥギャザー)」は、曲のノリも、ヴォーカルも、印象的なホーンも、ギターワークも文句なしの1曲。2.「いつの日か(サムデイ)」のような、デニーとボラニーのヴォーカルの掛け合いは、このデュオの良さがよくわかるナンバーだと思う。5.「老人(ディア・オールド・マン)」のようなソウルでファンキーなヴォーカルは、“黒人/白人”の垣根を思いっきり越えている。 個人的にお勧めのナンバーとして、6.「もっと愛し続けて(ラヴ・ミー・ア・リトル・ロンガー)」は外せない。本盤の翌年にはデレク&ザ・ドミノスの『いとしのレイラ』がリリースされているが、ソウルとロックが融合したこのスタイルは、デラニー&ボニーが先に完成した形で提示していたことがわかる。アルバム終盤では、9.「十字架の兵士(ソルジャーズ・オブ・ザ・クロス)」が出色。ボニーのソウルフルなヴォーカルがロック調のフォーマットと完璧なまでに調和しているところが、筆者の気に入っている部分である。[収録曲]1. Get Ourselves Together (団結しよう)2. Someday (いつの日か)3. Ghetto (ゲットー)4. When the Battle Is Over (闘いが終わる時)5. Dirty Old Man (老人)6. Love Me a Little Longer (もっと愛し続けて)7. I Can't Take It Much Longer (堪忍袋の緒が切れた)8. Do Right Woman, Do Right Man (ドゥ・ライト・ウーマン)9. Soldiers of the Cross (十字架の兵士)10. Gift of Love (愛の贈りもの)1969年リリース。 オリジナル・デラニー&ボニー [ オリジナル・デラニー&ボニー ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年06月21日
コメント(0)
プレスティッジ期の最後を飾るワンホーン盤 ベスト編集ものを別にすれば、ソニー・クリス(Sonny Criss)の1960年代のプレスティッジ所属期の最後を飾ることになったのが、1969年に録音およびリリースされた『アイル・キャッチ・ザ・サン(I’ll Catch the Sun)』という盤である。彼のスタイルは、基本的には変に時代に流されないハード・バップで、彼ならではの泣きのアルトが特徴である。本盤はそうした傾向を如実に示している作品だと言える。 注目したいのは、リズム・セクションの面子である。とりわけ、ピアノのハンプトン・ホーズとドラムのシェリー・マンの存在感が大きい。前者は、軽快に聴き手を楽しませるピアノが身上で、その特徴は本盤でもしっかり発揮されている。後者は西海岸(ウェスト・コースト)ジャズの代名詞的ドラマーだが、軽快で確かなドラミングがこれまたしっかりと発揮されている。そして、その上を踊るのがソニー・クリスのサクソフォンというわけである。 全編通じて35分程度なので、通して聴いても決して長い時間ではない。その中から、注目したい曲をいくつか挙げておきたい。1.「ドント・レイン・オン・マイ・パレード」は、安定したリズム隊の上でキャッチーなリフをソニー・クリスが奏でるという、ある種わかりやすい展開。これと似たタイプの演奏としては、4.「カリフォルニア・スクリーミン」も収められていて、本盤の主たるイメージを表す部分だと言えると思う。それと同時に、ソニー・クリスがクラシックにかつ朗々と吹くというタイプの演奏も耳につく。その代表例としては、表題曲の6.「アイル・キャッチ・ザ・サン」が挙げられる。 正直なところ、“革新”を求める人たちからすれば、この演奏は、必ずしも魅力的な音楽には見えないかもしれない。けれども、筆者としては、このソニー・クリスのサックスの音そのものが中毒的であるのとともに、敢えて自身のスタイルを無理してまで時代に合わせる必要を感じていない頑なさにも妙に共感してしまったりするのである。[収録曲]1. Don't Rain on My Parade2. Blue Sunset3. I Thought About You4. California Screamin'5. Cry Me a River6. I'll Catch the Sun[パーソネル、録音]Sonny Criss (as), Hampton Hawes (p), Monty Budwig (b), Shelly Manne (ds)1969年1月20日録音。 【輸入盤CD】Sonny Criss / I'll Catch The Sun 【中古】 BEST VALUE 1500::アイル・キャッチ・ザ・サン! /ソニー・クリス(as),ハンプトン・ホーズ(p),モンティ・バドウィッグ(b),シェリー 【中古】afb 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年06月17日
コメント(0)
クラリネットの名手による実力発揮の一枚 クラリネットという楽器は、ビッグ・バンドにおいては花形だったが、モダン・ジャズの発展の歴史の中でマイナー楽器へと追いやられてしまった。そんな時代の変化の中、ジャズ音楽の変化にもかかわらず見事にクラリネットを操った名手がバディ・デフランコ(Buddy DeFranco)であった。 バディ・デフランコは、1923年ニュージャージー州生まれで、2014年末に91歳で亡くなっている。当初、彼はビッグ・バンドでの演奏で活動し、1945年にはダウンビート誌の人気投票でクラリネット部門の1位にも選ばれている。やがて、1950年代に入る頃からは自身のバンドで活動するようになり、1953年には拠点も西海岸へと移すことになる。当初はアート・ブレイキーをドラム、ケニー・ドリューをピアノにしていたが、やがてケニー・ドリューの後を引き継いだソニー・クラークをピアニストとしていくつも吹込みを残した。そうした時期の1955年、クインテットで録音されたのが、この『クッキング・ザ・ブルース(Cooking The Blues)』である。 表題の通り、ブルース曲を取り上げた、もしくは、(モダン・ジャズ的な意味での)ブルージーな演奏を披露している盤と言えるが、メンバーを見るととりわけ2月になる点がある。一つは、ピアノがソニー・クラークという点。別に、その前のケニー・ドリューが悪かったとかいうわけでも何でもないけれども、このモダン・ジャズ然とした演奏において、ソニー・クラークが果たしている役割は大きいと思う。それから、もう一つは、ギターを含めたクインテットになっている点。タル・ファーロウのギターは随所で前面に出てきていて、この盤のカラーを大きく色づけている。 お勧めのナンバーをいくつか挙げておきたい。表題曲の2.「クッキング・ザ・ブルース」は、上で述べたソニー・クラークのピアノも、タル・ファーロウのギターもきわめて快調である。メイン・ディッシュと言えるデフランコのクラリネット演奏で最も際立っていると思うのは、3.「スターダスト」。モダン・ジャズの語法の中で、クラリネットもまた、トランペットやサックスと同じように機能することを身をもって示した演奏だと思う。 あともう一つ挙げるとすると、4.「ハウ・アバウト・ユー」。ソニー・クラークのピアノも、タル・ファーロウのギターも、そしてバディ・デフランコのクラリネットも、見事にモダン・ジャズとして調和している。たまたま筆者がそうだったからかもしれないが、クラリネット・ジャズの入口としても、本盤は好適盤と言えるように思ったりする次第である。[収録曲]1. I Can’t Get Started 2. Cooking The Blues 3. Stardust4. How About You5. Little Girl Blue6. Indian Summer[パーソネル・録音]Buddy DeFranco (cl), Sonny Clark (p, org), Tal Farlow (g), Gene Wright (b), Bobby White (ds)1955年8月26日録音。 [枚数限定][限定盤]クッキング・ザ・ブルース/バディ・デフランコ・クインテット[CD]【返品種別A】 クッキング・ザ・ブルース [ バディ・デフランコ ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年06月14日
コメント(0)
INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事を追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-L)へ → つづき(M-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもありがたいで す)をクリックお願いします! ↓ ↓
2022年06月11日
コメント(0)
個人的には後になってから味を噛みしめた盤 1990年、トム・ウェイツ(Tom Waits)が音楽を担当したミュージカル(『ブラック・ライダー』)がハンブルクで初演を迎えた。このミュージカルは、その後、パリをはじめ、様々な場所で上演されたということなのだが、少し遅れて1993年に、同ミュージカルで用いられた楽曲を新たにスタジオで録音したアルバム、『ブラック・ライダー(The Black Rider)』がトム・ウェイツの作品としてリリースされた。 正直、リリース当時、どういったわけか筆者はあまりこの盤には魅かれなかった。平たく言ってしまえば、聴き手側が作品に追い付いていなかったということなのだろう(1曲目の叫び声が強烈だったせいもあるのだろうけれど)。今となっては何とももったいない話ではあるのだが、いろんな音楽を聴いていると、こういうことは時として起こり得る。それなりの年齢になってからそんな風に思えるようになった。 さて、時とともに味を噛みしめるようになった本盤収録の曲のいくつかを見ておきたい。表題曲の2.「ブラック・ライダー」のように、ミュージカルの場面をそのまま切り取ったかのような楽曲が複数見られる。他方、3.「ノーヴェンバー」のように、語り部としてのトム・ウェイツらしい曲も収録されている。その両方の特色を持ち合わせたかのような、9.「ザ・ブライアー・アンド・ローズ」のような曲もある。ミュージカルが元になっていることを強く感じさせるインスト曲の10.「ロシアン・ダンス」や11.「ゴスペル・トレイン」があるが、その直後に聴き手の心に染みわたる12.「アイル・シュート・ザ・ムーン」というのが実にいい。なお、このパターンの展開は、インスト曲の17.「オイリー・ナイト」から18.「ラッキー・デイ」の流れにも見られる。ラストが20.「カーニヴァル」というインストルメンタル・ナンバーで終わるのも、ミュージカル・ベースのアルバムならではなのかもしれないが、ミュージカルを知らなくとも、壮大なストーリー展開の世界に引きずり込まれるような気がする。 こんなことを書きつつ、やっぱりその当時、30年近く前の筆者には、その良さがわからなかったのかな、とちょっと思ってしまったりする。ともあれ、年齢関係なく、成熟したリスナーが聴けば、きっとこの盤の良さがわかってもらえるのではないかと考えたりするのだけれど…。[収録曲]1. Lucky Day Overture2. The Black Rider3. November4. Just the Right Bullets5. Black Box Theme6. 'T' Ain't No Sin7. Flash Pan Hunter/Intro8. That's the Way9. The Briar and the Rose10. Russian Dance11. Gospel Train/Orchestra12. I'll Shoot the Moon13. Flash Pan Hunter14. Crossroads15. Gospel Train16. Interlude17. Oily Night18. Lucky Day19. The Last Rose of Summer20. Carnival1993年リリース。 輸入盤 TOM WAITS / BLACK RIDER [CD] 【輸入盤CD】TOM WAITS / BLACK RIDER 【中古】 ブラック・ライダー/トム・ウェイツ 【中古】afb 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2022年06月07日
コメント(0)
貫禄が増したグラミー受賞作 ソエー(Zoé)は、メキシコのクエルナバカ(モレーロス州の州都)で結成されたオルタナティヴ・ロック・バンド。レオン・ラレーギ(León Larregui)を中心メンバーとする5人組で、メキシカン・ロック独特のリズム感に加え、スペース・ロックやサイケデリック・ロックといった幻想的なサウンドの影響の強い音楽が彼らの特徴の一つとなっている。2001年のデビュー盤から6枚目のスタジオ作となったのが、2018年リリースの本盤『アストラン(Aztlán)』である。 表題の“アストラン”というのは、メキシコ人の祖先である古代アステカの人たちの遥かなる故郷の地の名前。表題曲は7曲目に収録されているが、この曲に限らず、アルバム全体を通じて、幻想的な独自世界が表現されている。なおかつ、これ以前のアルバムと比較すると、落ち着きが増したというか、貫禄がついたというか、とにかく安定感が感じられる。 お気に入りのナンバーをいくつか挙げておきたい。冒頭の1.「ベヌス」、2.「アスル」は、本作中で最良の出来のナンバーの一つ。特に後者の憂鬱さを帯びつつ厚みのあるトーンが個人的にはお気に入り。 他の曲をもう少し挙げると、3.「ノ・アイ・マル・ケ・ドゥレ」は、ソエーらしさが全開と言えそうな演奏内容。表題曲7.「アストラン」は上述の通りの着想の曲で、特に幻想的なナンバーの一つ。10.「エジャ・エス・マヒア」は力強いリズムが特徴で、幻想性とリズムの組み合わせの妙が気に入っている。この曲から11.「オロペル」と12.「クラリビダー」にいたるアルバム終盤の展開(10.、11.と畳みかけるように進行し、12.で少しテンポを落として彼らの世界観をくまなく発揮)も筆者的には本盤の気に入っている部分だったりする。 繰り返しになるが、全体としてソエーらしさが安定的に発揮されている好盤で、お気に入りかつお薦めのアルバムである。2019年のグラミーで、ベスト・ラテン・ロック(アーバン/オルタナ・アルバム)を受賞したのも頷ける充実した内容の一枚だと言える。[収録曲]1. Venus2. Azul3. No hay mal que no dure4. Al final5. Hielo6. Luci7. Aztlán8. Temor y temblor9. Renacer10. Ella es magia11. Oropel12. Clarividad2018年リリース。 ↓LP盤です↓ 【輸入盤LPレコード】Zoe / Aztlan【LP2019/2/1発売】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年06月02日
コメント(0)
全8件 (8件中 1-8件目)
1