音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~
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ロック発展史の中で欠かせない金字塔 バッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)は、1966年から68年まで、期間にしてわずか2年ほどしか存在しなかったバンドである。スティーヴン・スティルスとリッチー・フューレイ(ともにフォーク・グループのオウ・ゴー・ゴー・シンガーズ)がニール・ヤングと手を組み、さらにブルース・パーマー、デューイ・マーティンが合流した。こうして、米国人2名とカナダ人3名からなるバンドが成立し、1966年末にリリースされたのが、デビュー盤『バッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)』であった。 フォークからロックへ。その流れを体現したのがバッファロー・スプリングフィールドということになるのだろう。その意味で、ロックが発展していく経緯の中で、ザ・バーズの登場(参考過去記事)と並んで、不可欠かつ無視できない金字塔とでも言うべき瞬間がこのアルバムだと表現してよいだろう。 とはいえ、上記の通り、このバンドの継続期間は短く、ヒット曲を連発したというわけでもなかった。本盤リリースよりも前に発売されたデビュー・シングル(4.「クランシーは歌わない」)は思ったようなチャート・アクションを見せることはなかった。しかし、本盤と前後して発売されたシングル曲の「フォー・ホワット」が注目され、全米7位、カナダ5位を記録した。 「フォー・ホワット」のヒットの影響を受けて、年が明けた1967年のセカンド・プレスでは曲の差し替えとそれに伴う曲順の変更が行われ、ステレオ・ミックスされてこのシングルを含めた形の『バッファロー・スプリングフィールド』が出回ることになった。なお、オリジナル・ヴァージョンとこのステレオ・ヴァージョンは後に両方を収録したCD盤が広く流通している。 オリジナルのモノラル・ヴァージョンに沿って、いくつかの曲についてコメントしておきたい。まず、冒頭の1.「ゴー・アンド・セイ・グッバイ」は、カントリーとロックの融合を体現するナンバーの一つ。3.「リーヴ」はややハードな曲調で、前への圧力のあるヴォーカルと突き上げてくるようなギター・プレイが魅力。4.「クランシーは歌わない」は、少し通な曲調、曲展開だが、一度脳裏に焼き付くと頭から離れなくなるタイプの好曲である。6.「みんな悪いのさ」は少し重めで憂いのある曲調だが、バックのギターがいい味を出している。 アルバム後半は、すっきりした感じの好曲7.「僕のそばに居ておくれ」から始まる。この曲と同じくフューレイのヴォーカルが魅力を引き出しているナンバーとしては、9.「いい娘になって」もいい。アルバム末尾の12.「ペイ・ザ・プライス」は速いテンポでリズムよく流れていくナンバーで、スティルスのヴォーカルもカッコいいし、ギター・プレイもなかなかカッコいい。本盤全体を考えたとき、フューレイ、ススティルス、ヤングそれぞれがリード・ヴォーカルを担当し、それゆえに単調に聞こえてしまわない。こうした点も、全体を通して聴いて飽きることなく楽しめる盤になっている要因なのだろうと思う。[収録曲]1. Go and Say Goodbye2. Sit Down, I Think I Love You3. Leave4. Nowadays Clancy Can't Even Sing5. Hot Dusty Roads6. Everybody's Wrong7. Flying on the Ground Is Wrong8. Burned9. Do I Have to Come Right Out and Say It10. Baby Don't Scold Me11. Out of My Mind12. Pay the Price*上記はオリジナル・リリースの曲順。セカンド・プレス以降のステレオ盤では、10.がカットされて「フォー・ホワット(For What It’s Worth)」が追加されて曲順も大幅に変更された。1966年リリース。 バッファロー・スプリングフィールド [ バッファロー・スプリングフィールド ] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2024年12月01日
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